JP2009173911A - 脂肪族ポリエステル樹脂組成物及びそれを成形してなる成形体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】脂肪族ポリエステル樹脂、澱粉及び水酸基を含有する有機化合物を少なくとも含有する樹脂組成物であって、該水酸基を含有する有機化合物の配合量が、該脂肪族ポリエステル樹脂100質量部に対して、3質量部以上40質量部以下であり、該脂肪族ポリエステル樹脂に含まれる環状2量体の含量が1000〜10000ppmの範囲であることを特徴とする脂肪族ポリエステル樹脂組成物、及びそれを成形してなる成形体。
【選択図】なし
Description
本発明において、脂肪族ポリエステル樹脂とは、分子中に芳香族環を実質的に有さないポリエステル樹脂をいう。本発明における脂肪族ポリエステル樹脂は、ジオール単位及びジカルボン酸単位を含むものが好ましく、更に好ましくは、例えば、下記式(1)で表される鎖状脂肪族及び/又は脂環式ジオール単位、並びに、下記式(2)で表される鎖状脂肪族及び/又は脂環式ジカルボン酸単位からなるものである。
−O−R1−O− (1)
[式(1)中、R1は2価の鎖状脂肪族炭化水素基及び/又は2価の脂環式炭化水素基を示す。共重合されている場合には、樹脂中に2種以上のR1が含まれていてもよい。]
−OC−R2−CO− (2)
[式(2)中、R2は2価の鎖状脂肪族炭化水素基及び/又は2価の脂環式炭化水素基を示す。共重合されている場合には、樹脂中に2種以上のR1が含まれていてもよい。]
[式(3)中、R3は2価の鎖状脂肪族炭化水素基及び/又は2価の脂環式炭化水素基を示し、共重合されている場合には1種に限定されない。]
−OC−R4−CO− (4)
[式(4)中、R4は直接結合を示すか、2価の鎖状脂肪族炭化水素基及び/又は2価の脂環式炭化水素基を示し、共重合されている場合には1種に限定されない。]
−OC−R5−CO− (5)
[式(5)中、R5は2価の芳香族炭化水素基を示し、共重合されている場合には1種に限定されない。]
本発明における澱粉とは、分子式(C6H10O5)nの炭水化物(多糖類)で、多数のα−グルコース分子がグリコシド結合によって重合した天然高分子やその変性物である。ここで「変性」は、化学的、物理的、生物学的等のあらゆる変性を含むものである。化学的変性としては、澱粉の構成単位の一部又は全部をエステル化、エーテル化、酸化、還元、カップリング、脱水、加水分解、脱水素、ハロゲン化等の化学反応により変性することを示し、特には、水酸基をエーテル化又はエステル化することを示す。また物理変性は、結晶化度を変化させること等、物理的性質を変化させることを示す。また生物学的変性は、生物を用いて化学構造等を変化させることを示す。
本発明における水酸基を含有する有機化合物は、水酸基を有していれば特に限定はないが、具体的には、例えば、1価アルコール、多価アルコール、多価アルコールの部分エステル若しくは部分エーテル等が挙げられる。これらの中で好ましくは、ソルビトール、ペンタエリストール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ヘプタンジオール、1,6−へキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ナノンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、グリセリンモノアルキルエステル、グリセリンジアルキルエステル、グリセリンモノアルキルエーテル、グリセリンジアルキルエーテル、ジグリセリン、ジグリセリンアルキルエステル等であり、より好ましくはエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、グリセリンモノエステル、ソルビトール又はペンタエリスリトールであり、特に好ましくはグリセリン、ソルビトール、ペンタエリスリトール、プロピレングリコール又はエチレングリコールである。水酸基を含有する有機化合物は、1種又は2種類以上が用いられる。
本発明においては、相溶化剤、無機充填剤、有機充填剤、結晶核剤、酸化防止剤、アンチブロッキング剤、紫外線吸収剤、耐光剤、酸化防止剤、熱安定剤、着色剤、難燃剤、離型剤、帯電防止剤、防曇剤、表面ぬれ改善剤、焼却補助剤、顔料、滑剤、分散助剤、界面活性剤、スリップ剤、加水分解防止剤、末端封止剤等の「その他の成分」を使用してもよい。これらは、本発明の前記効果を損なわない範囲で任意に使用できる。
本発明の脂肪族ポリエステル樹脂組成物には、相溶化剤を含有していてもよい。相溶化剤とは、非相溶性の異種樹脂、或いは澱粉と樹脂を混合する際に、相溶性を改良する添加剤である。溶化剤を添加することにより、相溶性を向上させることができる。
本発明の脂肪族ポリエステル樹脂組成物には、無機充填剤を配合させても良い。かかる無機充填剤としては、シリカ、雲母、タルク、酸化チタン、炭酸カルシウム、ケイ藻土、アロフェン、ベントナイト、チタン酸カリウム、ゼオライト、セピオライト、スメクタイト、カオリン、カオリナイト、ガラス、石灰石、カーボン、ワラステナイト、焼成パーライト、「珪酸カルシウム、珪酸ナトリウム等の珪酸塩」、酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム等の水酸化物、炭酸第二鉄、酸化亜鉛、酸化鉄、リン酸アルミニウム、硫酸バリウム等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
有機充填剤としては、パルプ、キチン・キトサン質、椰子殻粉末、竹粉末、樹皮粉末、ケナフや藁等の粉末等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して使用してもよい。脂肪族ポリエステル樹脂組成物中の有機充填剤の含有量は、脂肪族ポリエステル樹脂組成物100質量部に対して、60質量部以下が好ましい。
本発明における脂肪族ポリエステル樹脂組成物には、更に、従来公知の各種添加剤を配合することができる。添加剤としては、例えば、結晶核剤、酸化防止剤、アンチブロッキング剤、紫外線吸収剤、耐光剤、可塑剤、熱安定剤、着色剤、難燃剤、離型剤、帯電防止剤、防曇剤、表面ぬれ改善剤、焼却補助剤、顔料、滑剤、分散助剤や各種界面活性剤、スリップ剤、加水分解防止剤等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して使用してもよい。これらの中で特にスリップ剤、アンチブロッキング剤は配合した方が好ましい。
本発明において、主に大気中の水分等による加水分解を抑制する目的で、カルボジイミド化合物を好適に用いることができる。用いられるカルボジイミド化合物は、分子中に1個以上のカルボジイミド基を有する化合物(ポリカルボジイミド化合物を含む)であり、このようなカルボジイミド化合物は、例えば触媒として有機リン系化合物又は有機金属化合物を用いて、イソシアネート化合物を70℃以上の温度で、無溶媒又は不活性溶媒中で脱炭酸縮合反応させることにより合成することができる。
本発明の脂肪族ポリエステル樹脂組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲で生分解性樹脂及び天然物、例えば、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリアミド、ポリビニルアルコール、セルロースエステル等やセルロース、紙、木粉、キチン・キトサン質、椰子殻粉末、クルミ殻粉末等の動物/植物物質微粉末又はこれらの混合物を配合することができる。
[混練方法]
本発明において、従来公知の混合/混練技術は全て適用できる。混合機としては、水平円筒型、V字型、二重円錐型混合機やリボンブレンダー、スーパーミキサーのようなブレンダー、また各種連続式混合機等を使用できる。また、混練機としては、ロールやインターナルミキサーのようなバッチ式混練機、一段型、二段型連続式混練機、二軸スクリュー押し出し機、単軸スクリュー押し出し機等を使用できる。
本発明における脂肪族ポリエステル樹脂組成物は、汎用プラスチックに適用される各種成形法により成形に供することができる。その成形法としては例えば、圧縮成形(圧縮成形、積層成形、スタンパブル成形)、射出成形、押し出し成形や共押し出し成形(インフレーション法やTダイ法によるフィルム成形、ラミネート成形、パイプ成形、電線/ケーブル成形、異形材の成形)、中空成形(各種ブロー成形)、カレンダー成形、発泡成形(溶融発泡成形、固相発泡成形)、固体成形(一軸延伸成形、二軸延伸成形、ロール圧延成形、延伸配向不織布成形、熱成形(真空成形、圧空成形)、塑性加工)、粉末成形(回転成形)、各種不織布成形(乾式法、接着法、絡合法、スパンボンド法等)等が挙げられる。中でも、押し出し成形、射出成形、発泡成形、中空成形が好適に適用される。具体的な形状としては、フィルム、容器及び繊維への適用が好ましい。本発明の脂肪族ポリエステル樹脂組成物は、良好な溶融特性及び機械物性を有しているため、インフレーション成形してなるフィルム、更にはインフレーション成形してなるフィルムから製造される製品に好ましく用いられる。
成形体は、30μmの厚さのフィルムにした場合の、樹脂の流れに平行方向の引張り弾性率は、特にこれに限定されるわけではないが、10〜700MPaが好ましく、30〜600MPaがより好ましく、50〜500MPaが特に好ましく、80〜400MPaが更に好ましい。引張り弾性率が低過ぎると、ゴミ袋、レジ袋、買い物袋、コンポスト袋等の包装材料として使用した際に、フィルムの厚みによっては内容物の重量に耐えられない場合がある。また、大きすぎると、フィルムの柔軟性が損なわれ使い勝手が悪くなる場合がある。
本発明の脂肪族ポリエステル樹脂組成物は、良好な成形性や機械強度を有し、脂肪族ポリエステル樹脂に由来するオリゴマーの表面への析出が抑制されているため、本発明の脂肪族ポリエステル樹脂組成物を成形してなる成形体は、各種食品、薬品、雑貨用等の液状物や粉粒物、固形物の包装用資材、農業用資材、建築資材等幅広い用途において好適に用いられる。その具体的用途としては、射出成形品(例えば、生鮮食品のトレーやファーストフードの容器、野外レジャー製品等)、押出成形品(フィルム、例えば釣り糸、漁網、植生ネット、保水シート等)、中空成形品(ボトル等)等が挙げられ、更にその他農業用のフィルム、コーティング資材、肥料用コーティング材、ラミネートフィルム、板、延伸シート、モノフィラメント、不織布、フラットヤーン、ステープル、捲縮繊維、筋付きテープ、スプリットヤーン、複合繊維、ブローボトル、発泡体、ショッピングバッグ、ゴミ袋、コンポスト袋、化粧品容器、洗剤容器、漂白剤容器、ロープ、結束材、衛生用カバーストック材、保冷箱、クッション材フィルム、マルチフィラメント、合成紙、医療用として手術糸、縫合糸、人工骨、人工皮膚、マイクロカプセル等のDDS、創傷被覆材等が挙げられる。
[1.1.環状2量体の含有量の評価]
島津製作所製液体クロマトグラフィー「LC−10A」を用い、移動相をアセトニトリル/水(容量比4/6)とし、カラムは資生堂社製「SHISEIDOCAPCELL PAK C−18 TYPE MG」を用いて、脂肪族ポリエステル樹脂及び脂肪族ポリエステル樹脂組成物に含有される環状2量体の含有量(質量でのppm)を定量した。
得られた脂肪族ポリエステル樹脂組成物からなるフィルムを、23℃、50%RHの条件にて1ヶ月保管し、その後のフィルム外観を目視で観察し、以下の判断基準に従って評価した。
良好(○):フィルムの表面に環状2量体に起因する白色の析出物が目視で確認されない。
不良(×):フィルムの表面に環状2量体に起因する白色の析出物を目視で確認できる。
得られた脂肪族ポリエステル樹脂組成物からなるフィルムを目視及び手触りで評価し、以下の判断基準に従って評価した。
良好(○):澱粉の凝集物や水酸基を含有する有機化合物の表面へのブリードアウトがない。
不良(×):澱粉の凝集物や水酸基を含有する有機化合物の表面へのブリードアウトが認められる。
インフレーション成形を実施した際の成形のしやすさを、以下の判断基準に従って評価した。
良好(○):所定温度(160℃)において、所定厚み(30μm)に成形することが可能である。
不良(×):所定温度(160℃)において、所定厚み(30μm)に成形することが不可能である。
[2.1.脂肪族ポリエステル樹脂]
脂肪族ポリエステル樹脂は、以下に記載する脂肪族ポリエステル樹脂(A−1)、(A−2)及び(A−3)を使用した。
脂肪族ポリエステル樹脂(A−1)として、三菱化学(株)社製ポリブチレンサクシネート系樹脂GS Pla(グレード名;AZ91TN)を使用した。樹脂中に含まれる環状2量体の含有量は、7900ppmであった。
脂肪族ポリエステル(A−1)100質量部に対して、アセトン200質量部を反応容器中に仕込み、温度を50℃まで昇温して、5時間放置した。洗浄終了後、大気下で洗浄液を濾過して、湿ペレットと洗浄濾液とを分離回収した。湿ペレットについては、80℃にて15時間真空乾燥させて、脂肪族ポリエステル樹脂(A−2)を得た。前記した方法で測定した環状2量体の含有量は4500ppmであった。
製造例1において、アセトン洗浄時の放置時間を12時間にした以外は、製造例2と同様にして、脂肪族ポリエステル樹脂(A−3)を得た。測定した環状2量体の含有量は580ppmであった。
澱粉として、コーンスターチ(日本コーンスターチ社製;Y−3P)を使用した。
水酸基を含有する有機化合物として、グリセリンを使用した。
その他の樹脂として、芳香族脂肪族ポリエステル樹脂(BASF社製 Ecoflex:ポリブチレンテレフタレートアジペート)を使用した。
コーンスターチ(日本コーンスターチ社製 Y−3P;含水率12%)100質量部、グリセリン50質量部を、スクリュー式2軸押出機(日本製鋼所社製TEX30;22シリンダー、L/D=77)に供給して最高温度が150℃以下になるように混合する工程を経た後、それに引き続き、脂肪族ポリエステル樹脂(A−1)225質量部を供給して、コーンスターチ、グリセリン及び樹脂を混合する工程を同一押出機内にて逐次的に行うことで、白色の樹脂組成物を得た。その後、樹脂組成物のペレットを、70℃、窒素雰囲気下で8時間乾燥を行なった。前記した方法で測定した環状2量体の含量は、樹脂組成物全体に対して4520ppmであった。樹脂組成物中の脂肪族ポリエステル樹脂(A−1)あたりに換算すると7540ppmであり、押出工程において環状2量体の量が大きく変わることはなかった。
実施例1において、脂肪族ポリエステル樹脂(A−1)169質量部、芳香族脂肪族ポリエステル樹脂(BASF社製;Ecoflex)56質量部とした以外は、実施例1と同様の方法で溶融混練して樹脂組成物を得た。前記した方法で測定した環状2量体の含量は、樹脂組成物全体に対して3480ppmであった。樹脂組成物中の脂肪族ポリエステル樹脂(A−1)あたりに換算すると7740ppmであり、押出工程において環状2量体の量が大きく変わることはなかった。
実施例1において、脂肪族ポリエステル樹脂を製造例1で得られた脂肪族ポリエステル樹脂(A−2)225質量部、とした以外は、実施例1と同様の方法で溶融混練して樹脂組成物を得た。前記した方法で測定した環状2量体の含量は、樹脂組成物全体に対して2630ppmであった。樹脂組成物中の脂肪族ポリエステル樹脂(A−2)あたりに換算すると4390ppmであり、押出工程において環状2量体の量が大きく変わることはなかった。
実施例1において、コーンスターチを100質量部、グリセリンを30質量部、脂肪族ポリエステル樹脂(A−2)195質量部とした以外は、実施例1と同様の方法で溶融混練して樹脂組成物を得た。前記した方法で測定した環状2量体の含有量は、樹脂組成物全体に対して2650ppmであった。樹脂組成物中の脂肪族ポリエステル樹脂(A−2)あたりに換算すると4420ppmであり、押出工程において環状2量体の量が大きく変わることはなかった。
実施例1において、コーンスターチを100質量部、グリセリンを33質量部、脂肪族ポリエステル樹脂(A−2)533質量部とした以外は、実施例1と同様の方法で溶融混練して樹脂組成物を得た。前記した方法で測定した環状2量体の含有量は、樹脂組成物全体に対して3310ppmであった。樹脂組成物中の脂肪族ポリエステル樹脂(A−2)あたりに換算すると4140ppmであり、押出工程において環状2量体の量がおおきく変わることはなかった。
脂肪族ポリエステル樹脂(A−1)100質量部を、実施例1と同じ条件でインフレーション成形を実施し、厚み30μmのフィルムを得た。得られたフィルムは凝集物等の異物等も無く半透明であったが、23℃・50%RH条件下に1ヶ月置いたところ、多量のオリゴマーの析出が見られた。結果を表1に示す。
製造例1で得られた脂肪族ポリエステル樹脂(A−2)100質量部を、実施例1と同じ条件でインフレーション成形を実施し、厚み30μmのフィルムを得た。得られたフィルムは凝集物等の異物等も無く半透明であったが、23℃・50%RH条件下に1ヶ月置いたところ、多量のオリゴマーの析出が見られた。結果を表1に示す。
製造例2で得られた脂肪族ポリエステル樹脂(A−3)100質量部を、実施例1と同じ成形条件でインフレーション成形を実施し、厚み30μmのフィルムを得た。得られたフィルムは凝集物等の異物等も無く半透明であった。23℃・50%RH条件下に1ヶ月置いたところ、オリゴマーの析出もなく表面状態は良好であった。しかし、脂肪族ポリエステル樹脂(A−3)の製造工程で12時間のアセトン洗浄を実施したため、樹脂組成物の生産性が低下し、また洗浄のコストが高くなり、また、アセトン臭があるという障害があった。結果を表1に示す。
実施例1で、脂肪族ポリエステル樹脂(A−1)1125質量部とコーンスターチ100質量部、グリセリン25質量部とした以外は、実施例1と同様にして、溶融混練して樹脂組成物を得た。前記した方法で測定した環状2量体の含量は、樹脂組成物全体に対して6840ppmであった。樹脂組成物中の脂肪族ポリエステル樹脂(A−1)あたりに換算すると7600ppmであり、押出工程において環状2量体の量が大きく変わることはなかった。
比較例4で、脂肪族ポリエステル樹脂(A−1)100質量部とコーンスターチ100質量部、グリセリン50質量部とした以外は、比較例4と同様にして、溶融混練して樹脂組成物を得た。前記した方法で測定した環状2量体の含量は、樹脂組成物全体に対して3100ppmであった。樹脂組成物中の脂肪族ポリエステル樹脂(A−1)あたりに換算すると7750ppmであり、押出工程において環状2量体の量が大きく変わることはなかった。
実施例1において、脂肪族ポリエステル樹脂(A−1)225質量部を使用する代わりに、製造例2で得られた脂肪族ポリエステル樹脂(A−3)225質量部を使用した以外は実施例1と同じ条件で溶融混練して樹脂組成物を得た。前記した方法で測定した環状2量体の含有量は、樹脂組成物全体に対して310ppmであった。樹脂組成物中の脂肪族ポリエステル樹脂(A−3)あたりに換算すると520ppmであり、押出工程において環状2量体の量が大きく変わることはなかった。
Claims (7)
- 脂肪族ポリエステル樹脂、澱粉及び水酸基を含有する有機化合物を少なくとも含有する樹脂組成物であって、該水酸基を含有する有機化合物の配合量が、該脂肪族ポリエステル樹脂100質量部に対して、3質量部以上40質量部以下であり、該脂肪族ポリエステル樹脂に含まれる環状2量体の含量が1000〜10000ppmの範囲であることを特徴とする脂肪族ポリエステル樹脂組成物。
- 該水酸基を含有する有機化合物の分子量が3000以下である請求項1に記載の脂肪族ポリエステル樹脂組成物。
- 該脂肪族ポリエステル樹脂が、ジオール単位及びジカルボン酸単位を含むものである請求項1又は請求項2に記載の脂肪族ポリエステル樹脂組成物。
- 該脂肪族ポリエステル樹脂が、ポリブチレンサクシネート系樹脂、ポリブチレンサクシネートアジペート系樹脂、又はそれらの混合物である請求項1乃至請求項3の何れかの請求項に記載の脂肪族ポリエステル樹脂組成物。
- 該水酸基を含有する有機化合物が、グリセリン、ソルビトール、ペンタエリストール、プロピレングリコール及びエチレングリコールからなる群より選ばれる少なくとも1種類である請求項1乃至請求項4の何れかの請求項に記載の脂肪族ポリエステル樹脂組成物。
- 請求項1乃至請求項5の何れかの請求項に記載の脂肪族ポリエステル樹脂組成物を成形してなることを特徴とする成形体。
- 該成形体が、該脂肪族ポリエステル樹脂組成物をインフレーション成形してなるフィルム又は該フィルムから製造されるゴミ袋若しくはショッピングバッグである請求項6に記載の成形体。
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