JP5622920B2 - 有機資材包装体 - Google Patents
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Description
かかる草木を植栽することにより緑地化された地域では、剪定作業又は除草作業時、即ち保全作業時に大量の剪定枝や刈草が発生する。特に道路においては安全性の確保等の観点から草木の育成管理が行われ、剪定作業及び除草作業が行われており、その結果、剪定枝等が大量に発生している。
一方で、緑化された地域については、草木の健全な発育の観点から、的確に堆肥等の有機資材を与える必要があり、そのための手法が種々検討されている。
[1] 生分解性ポリマーを含有する第一の層を有する生分解性フィルムから得られ、該第一の層を内側表面に備える包装袋と、前記包装袋の内部に封入され、放線菌を5.0×106cfu/g以上の菌量で含有し、かつ水分率が10質量%〜90質量%である有機資材と、を有する有機資材包装体。
[2] 前記有機資材中の糸状菌の菌量が1.0×105cfu/g以下である[1]に記載の有機資材包装体。
[3] 前記第一の層が、デンプンを含む[1]または[2]に記載の有機資材包装体。
[4] 前記生分解性フィルムが、デンプンを含む第一の層のみを有し、第一の層におけるデンプンの含有率が、第一の層全体の質量に対して5質量%〜50質量%である[1]〜[3]のいずれか1項に記載の有機資材包装体。
[5] 前記生分解性フィルムに含まれる生分解性ポリマーがポリブチレンアジペートテレフタレートである[1]〜[4]のいずれか1項に記載の有機資材包装体。
[6] 前記生分解性フィルムが、当該層全体の質量に対して5質量%〜50質量%のデンプンを含有する第一の層と、第二の層と、前記第一の層及び第二の層の間に配置された第三の層と、を有し、前記包装袋が、該第二の層を、前記第一の層よりも外側に備えている[1]〜[3]のいずれか1項に記載の有機資材包装体。
[7] 前記生分解性フィルムが、当該層全体の質量に対して5質量%〜50質量%のデンプンを含有する第一の層と、当該層全体の質量に対して20質量%〜40質量%のデンプンを含有する第二の層と、前記第一の層および第三の層の間に配置された第三の層と、を有し、前記包装袋が、該第二の層を、前記第一の層よりも外側に備えている[1]〜[3]および[6]のいずれか1項に記載の有機資材包装体。
[8]前記第三の層が、水崩壊性ポリマーを含む[6]または[7]に記載の有機資材包装体。
[9] 前記水崩壊性ポリマーの含有量が、前記第三の層の全質量の20質量%〜60質量%である[8]に記載の有機資材包装体。
[10] 前記水崩壊性ポリマーがエーテル系高分子化合物である[8]又は[9]に記載の有機資材包装体。
[11] 前記包装袋が、通気孔を有する[1]〜[10]のいずれか1項に記載の有機資材包装体。
[12] 前記通気孔の平均直径が0.1mmφ以上8.0mmφ以下である[11]に記載の有機資材包装体。
[13] 前記有機資材が、肥料、培土、球根及び種子からなる群より選択された少なくとも一種を含む[1]〜[12]のいずれか1項に記載の有機資材包装体。
[14] 前記有機資材の体積が、前記包装袋の内部の最大容積の90%以上である[1]〜[13]のいずれか1項に記載の有機資材包装体。
[15] 前記包装袋が、外側表面に分解促進層を有する[1]〜[14]のいずれか1項に記載の有機資材包装体。
[16] 前記生分解性フィルムの総厚み20μm〜100μmである[1]〜[15]のいずれか1項に記載の有機資材包装体。
[17] [1]〜[16]のいずれか1項に記載の有機資材包装体を、散布予定領域に配置して、前記有機資材を散布することを含む有機資材の散布方法。
本発明の有機資材の散布方法は、前記有機資材包装体を、散布予定領域に配置して、有機資材を散布することを含む有機資材の散布方法である。
また本明細書において「〜」は、その前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示すものとする。
更に本明細書において組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
以下、本発明について説明する。
本発明における有機資材は、本発明における包装袋の内部に封入され、放線菌を5.0×106cfu/g以上の菌量で含有し、かつ水分率が10質量%〜90質量%である有機資材である。放線菌の菌量が5.0×106cfu/g未満の有機資材、又は10質量%未満若しくは90質量%を超える水分率の有機資材では、後述する包装袋の内部に封入しても、有機資材包装体として、屋外での分解が充分に速いとは言えず、また屋内での保管時の分解速度が速すぎて保存安定性に劣る。
有機資材のC/N比はC/Nコーダーによる測定もしくは、肥料取締法に規定する方法により測定することができる。
前記有機資材としては、例えば、伐採木、刈草、剪定枝葉等の植物体に由来する材料(本明細書において、植物発生材と称する場合がある)から製造された「ハイウェイ堆肥」を好ましく挙げることができる。
なお、畝立て造成としては、特に制限はないが、例えば、底辺2m、高さ1.5mの三角形の畝(三角畝)を、20m程度、造成することを挙げることができる。畝合わせとは、発酵による減容が進行した三角畝を、複数組み合わせ、発酵を促進することをいう。畝合わせの数については特に制限はないが、例えば、第一段階の畝を4畝造成した場合に、第二段階は4畝を2畝に合わせ、第三段階は2畝を1畝に合わせることができる。
本発明における包装袋は、生分解性ポリマーを含有する第一の層を有する生分解性フィルムから得られ、該第一の層を内側表面に備える包装袋である。前記包装袋では、内側表面に、生分解性ポリマーを含有する第一の層を備えているので、内部に有機資材を封入すると、有機資材が包装袋の第一の層と接触する。これにより、第一の層が、有機資材により調整された速度で分解可能となる。
前記第一の層は、その機能を損なわない範囲で生分解性ポリマー以外の他のポリマー、添加剤などを含んでもいてもよいが、前記第一の層に含まれるデンプン以外の樹脂としては、生分解性ポリマーのみであることがより好ましい。
本発明において層の厚みは、5点を測定したときの平均厚みを意味し、前記フィルムの断面を得て、光学顕微鏡を用いて断面を測定したときの値とする。
本発明に係る包装体を構成する生分解性フィルムが第一の層のみからなる単層フィルムであることが、分解促進の観点から好ましい。
本発明に係る包装袋を構成する生分解性フィルムは、保管性と分解性とをより適度なバランスで両立させる観点から、3層構成を備えた3層フィルムであることがより好ましい。前記生分解性フィルムが3層フィルムの場合、本明細書では、第一の層を「裏面層」、第二の層を「表面層」、第三の層を「中間層」と称する場合がある。
前記第二の層は、表面層としての機能を損なわない範囲で生分解性ポリマー以外の他の樹脂、添加剤等を含んでもよいが、前記第一の層に含まれるデンプン以外の樹脂としては、生分解性ポリマーのみであることが好ましい。
また、第二の層の厚みは、積層フィルムの反りを軽減する観点から、第一の層の厚みに対して、0.5倍〜1.5倍とすることが好ましく、0.8倍〜1.2倍とすることがより好ましく、第一の層の厚みと等しいことが最も好ましい。
また、第三の層は、中間層としての機能を損なわない範囲で、水崩壊性ポリマー及び生分解性ポリマー以外の他の樹脂、添加剤等を含んでもよいが、前記第三の層に含まれる樹脂としては、水崩壊性ポリマー及び生分解性ポリマーのみであることが好ましい。
(1) 生分解性ポリマーを含有する第一の層と、生分解性ポリマー及びデンプンを含有する第二の層;
(2) 生分解性ポリマーを含有する第一の層と、生分解性ポリマー及びデンプンを含有する第二の層と、第三の層;
(3) 生分解性ポリマーを含有する第一の層と、生分解性ポリマー及び層の質量の20質量%〜40質量%のデンプンを含有する第二の層と、第三の層;
(4) 生分解性ポリマーを含有する第一の層と、生分解性ポリマー及びデンプンを含有する第二の層と、水崩壊性ポリマーを含有する第三の層;
(5) 生分解性ポリマーを含有する第一の層と、生分解性ポリマー及びデンプンを含有する第二の層と、生分解性ポリマー及び水崩壊性ポリマーを含有する第三の層;
(6) 生分解性ポリマーを含有する第一の層と、生分解性ポリマー及び層の質量の20質量%〜40質量%のデンプンを含有する第二の層と、生分解性ポリマー及び水崩壊性ポリマーを含有する第三の層;並びに、
(7) 生分解性ポリマー及びデンプンを含有する第一の層と、生分解性ポリマー及びデンプンを含有する第二の層と、生分解性ポリマー及び水崩壊性ポリマーを含有する第三の層。
ここで通気孔の密度が1個/cm2以上とすることにより良好な分解性が期待でき、10個/cm2以下とすることにより包装袋としての強度を大きく損なわない。
<<実験例I>>
以下の有機資材及び生分解性フィルムを用いて、以下の実験例Iを行った。
1.内容物
ハイウェイ堆肥(1)(以下、「HW堆肥」又は「堆肥」と表記することがある。)は、桜土浦CP製造より入手した(平均水分率57.5質量%)。堆肥(2)は、堆肥(1)を40℃で乾燥して調製した(平均水分率17.5質量%)。堆肥(3)は、堆肥(1)に均一に水を加えて調製した(平均水分率80.0質量%)。
なお、上記堆肥は、植物発生材の草と枝等を破砕後、畝立て造成し、適宜水分補給と撹拌を行って発酵を促し、減容に応じて畝合わせを約3ヶ月行い篩い分けして、10mm以下の細粒分を完成堆肥としたものを用いた。畜糞や発酵促進剤を混入した堆肥製造と異なり、原料を植物発生材だけで短期間製造したものである。
水分率の測定は、それぞれの内容物サンプル100gを、秤を用いて秤取り、その後、110℃30分間電子レンジにより加熱し、処理後の質量を、処理前の質量測定と同一の測定方法により得た。得られた処理の前後での質量の減少分を水分率として求めた。結果を表1に示す。
各試料における一般細菌、
糸状菌、放線菌の菌量は、「新編 土壌微生物実験法」(1992年、土壌微生物研究会編、第15〜第16頁に記載された方法に従い、希釈平板法で測定した。用いた培地は、一般細菌数についてはエッグアルブミン培地、一般糸状菌数についてはローズベンガル培地、一般放線菌数はエッグアルブミン培地とした。結果を表1に示す。
(1)層構成
表面層(i):脂肪族ポリエステル76質量%、デンプン24質量%
中間層(ii):脂肪族ポリエステル60質量%、水崩壊性ポリマー40質量%
裏面層(iii):脂肪族ポリエステル100〜76質量%、デンプン0〜7.5質量%
但し、上記脂肪族ポリエステルにはEcoflexに含有されるアジピン酸・テレフタル酸・1,4−ブタンジオールポリエステル共重合体も含まれるものとする。
表面層:中間層:裏面層=1:3:1
(3)裏面層(iii)のサンプルA〜Eの内容
裏面層(iii)のデンプン量及び厚みを、表2及び表3のように変更したサンプルA〜Eを準備した。生分解性フィルムの全厚みは表2及び表3のとおりである。
<マタービーNF01U>
ノバモント社製:マタービーNF01U、デンプン含有量:30質量%、MFR(150℃、荷重5kg):3g/10分、融点(Tm):110℃、密度:1.3g/cm3。
マタービーNF01Uは、予め脂肪族・芳香族ポリエステル(アジピン酸・テレフタル酸・1,4−ブタンジオールポリエステル共重合体−BASF社製、商品名Ecoflex(PBAT))にデンプンを30質量%、分散粒径10μm〜100μmで分散させたものである。
BASF社製:Eco−vio、ポリ乳酸配合量:45質量%、MFR(190℃、荷重2160g):1.5g/10分、融点(Tm):110℃、145℃、 密度:1.25g/cm3。
Eco−vioは、予め脂肪族・芳香族ポリエステル(アジピン酸・テレフタル酸・1,4−ブタンジオールポリエステル共重合体−BASF社製、商品名 Ecoflex(PBAT))にポリ乳酸を45質量%、分散粒径0.1μm〜2μmで分散させたものである。
アジピン酸・テレフタル酸・1,4−ブタンジオールポリエステル共重合体(B−1)(BASF社製:商品名Ecoflex(PBAT))
テレフタル酸:26モル%、アジピン酸:27モル%、1,4−ブタンジオール:50モル%、MFR(190℃、荷重2160g):3g/10分、融点(Tm):112℃、密度:1.26g/cm3。
ポリエチレングリコールカップリング重合体(E−1)(第一工業製薬株式会社製:商品名パオゲンPP−15)
溶融粘度:約200Pa・s(200℃)、約2000(Pa・s)(100℃)、融点(Tm):55℃、ガラス転移温度(Tg):−36℃、密度:1.07g/cm3。
コハク酸・アジピン酸・1,4−ブタンジオール・乳酸ポリエステル共重合体(三菱化学社製、商品名 GS−Pla AD92W(PBSA)) MFR(190℃、荷重2160g):4.5g/10分、融点(Tm):86.9℃、結晶化温度(Tc):40.4℃、密度:1.25g/cm3。
<FZ91PD>
コハク酸・1,4−ブタンジオール・乳酸ポリエステル共重合体(三菱化学社製、商品名 GS−Pla FZ91PD(PBS))
MFR(190℃、荷重2160g):4.5g/10分、融点(Tm):108.9℃、結晶化温度(Tc):68.0℃、(Tm)−(Tc):40.9℃、密度:1.25g/cm3。
Ecoflexベースのシリカ30%マスターバッチ(東京インキ社製、商品名 AB−3)
<カラーマスターバッチ>
PBSベースの顔料10%カラーマスターバッチ茶色(大日精化製、商品BR−RM0372
ブラウン)
既述の「(2)層構成」及び「(3)裏面層(iii)のサンプルA〜Eの内容」の脂肪族ポリエステル量及びデンプン量になるように上記各原材料を配合した。具体的な配合は下記のとおりである。
表面層(i):マタービーNF01U/Eco−Vio/AB3=80/20/1
中間層(ii):パオゲンPP−15/Ecoflex=60/40
裏面層(iii)(A、B):マタービーNF01U/Eco−Vio/AD92W/AB3=25/25/50/1
裏面層(iii)(C):マタービーNF01U/Eco−Vio/AD92W/AB3=0/25/75/1
裏面層(iii)(D):マタービーNF01U/Eco−Vio/AD92W/AB3=15/25/60/1
裏面層(iii)(E):マタービーNF01U/Eco−Vio/AD92W/AB3=20/25/55/1
上記サンプル袋(300mm×450mm)に、上述した各内容物5リットル(充填量:64体積%)を入れ、ヒートシーラーを用いて密閉し、包装体サンプルを得た。得られた各包装体サンプルの、屋外(土壌若しくはアスファルト)又は屋内となる倉庫内における分解を以下のように評価した。それぞれの結果を表2及び表3に示す。
各サンプルを、桜土浦CP内の土壌又はアスファルト上に載置し、2012年6月から2ヶ月間、各サンプルにおける側面の分解の程度を目視にて観察し、散布能力について評価した。各サンプルの側面の分解の様子を図1A及び図1Bに示す。なお図1Aは30日目の様子、図1Bは60日目の様子を示す。
<評価基準>
5・・・分解していない
4・・・表面破れ
3・・・側面の片側破れ
2・・・両側面破れ(一部破れていない部分が残っている。)
1・・・完全両側破れ
分解の進行順序として上記「5・・・分解していない」から「1・・・両側破れ」へと進み最終的に完全に分解されて消失する。従って、「5」→「1」へと進むに従いフィルム分解の程度が大きい。
各包装袋サンプルを、更にダンボール箱1つに4袋入れて、室温(平均)23℃、相対湿度(平均)79%の倉庫内に保管し、9日目の袋の状況を以下のように評価した。
<評価基準>
5・・・使用前の状態と比べて変化無し
4・・・裏面に湿気(但し、問題ないレベル)
3・・・脇又は裏面に湿気(但し、問題ないレベル)
2・・・上記に加えて、表面も吸湿ししわになっている(但し、気をつけて使用できるレベル)
1・・・べとべとになり、搬送時に破孔(但し、使用できないレベル)
また、最内層でのデンプン含有率を10質量%以下とした場合は、デンプン含有率を24質量%とした以外はサンプル包装袋と同一とした場合よりも、倉庫内での保存性より良好であった。
上面のフィルムの状態は、膨潤して表面にしわが寄った状態を「変質している」と評価した。また、フィルムの厚みはフィルムの透明度により目視で評価した。それ以外は、目視にて評価した。
<評価基準>
5・・・分解していない
4・・・上面のフィルムが変質している
3・・・上面のフィルムが薄くなっている
2・・・上面のフィルムの孔が空き、飛散する前にフィルムがバラバラになり始めている
1・・・上面のフィルムが内容物の堆肥に密着して飛散しない状態になっている
*1: 袋上に、直径30mmの先端がとがったポールを用いて直径20mm〜30mmの通気孔を1箇所又は5箇所設け、その後、内容物の内部の気体を、袋上面を押さえて抜いて評価に用いた。
*2: 有機資材包装体サンプルに堆肥を載置する場合は、堆肥として堆肥(1)を、袋の表面が見えないように隙間無く載置した。
なお、表4より、総厚み50μmの有機資材包装体を用いた場合には、14日目において充填量を増やした試料38(評価「4」)よりも、更にスパイクで通気孔を設けた試料39及び試料40(評価「3」)の方が分解の程度が進んでいた。このことから、分解促進処理を組み合わせることにより、より分解が促進されることがわかった。また、表5より、充填量を増やすこと(試料45)、並びに、充填量を増やすと共に通気孔を設けること(試料47)は、総厚みの厚い包装袋を用いた場合に、分解促進処理として効果的であることがわかった。
実験例Iで用いた内容物と、以下の生分解性フィルムを用いて、実験例IIを行った。
1.生分解性フィルムの構成と原材料の配合質量比
表6に示される総デンプン量となるように上記各原材料を配合し、3層フィルム又は単層フィルムであるサンプルF〜Jを得た。具体的な配合は下記のとおりである。なお、原材料は、前述のとおりである。
表面層(i):マタービーNF01U/Eco−Vio/AB3=80/20/1、厚み10μmm
中間層(ii):パオゲンPP−15/Ecoflex/カラーマスターバッチ=60/40/1、厚み30μm
裏面層(iii):マタービーNF01U/Eco−Vio/AD92W/AB3=25/25/50/1、厚み10μm
表面層(i):マタービーNF01U/Eco−Vio/AB3=80/20/1、厚み50μm
中間層(ii):Ecoflex/カラーマスターバッチ=100/1、厚み50μm
裏面層(iii)(A、B):マタービーNF01U/Eco−Vio/AD92W/AB3=25/25/50/1、厚み50μm
単層 :FZ91PD/AB3/カラーマスターバッチ=100/0.5/0.5、厚み50μm
サンプル(I):
単層 :FZ91PD/マタービーNF01U/AB3/カラーマスターバッチ=50/50/0.5/0.5、厚み50μm
サンプル(J)
単層 :マタービーNF01U/AB3/カラーマスターバッチ=100/0.5/0.5、厚み50μm
(1)分解性確認
上記包装袋に通気孔(5mmφ 約10個/100cm2)を開けたものと開けてないものの2種を用意し、放線菌の菌量が5.0×106cfu/g以上であり、水分量約60%のハイウエイ堆肥を充填し、桜土浦インターチェンジCP内の土壌上(樹林下)に載置した。包装袋の一部には2個/cm2の通気孔を設け、通気孔無しの有機資材包装体および通気孔有りの有機資材包装体を各々並べて、各n=2(サンプル(I)及び(J)はn=4)で行った。
2013年5月から約3ヶ月間、各サンプルにおける側面の分解の程度を目視にて観察し、分解による散布能力について評価した。各サンプルの側面の分解の様子を図2A〜図2Eに示す。
<評価基準>
V・・・分解していない
IV・・・フィルムが変質している
III・・・フィルムが薄くなり、破れている
II・・・フィルムがばらばらになり3cm×3cm以下の大きさになっている
I・・・フィルムが完全に分解して消失している
一方、中間層(ii)に水溶性樹脂を含むものの3層のフィルム全体での総デンプン量が6質量%と少ないサンプル(F)も分解は良好であった。また、包装袋の下面のフィルムの分解は上面のフィルムと比較して上面のフィルムの分解が早かった。
サンプル(F)、(H)〜(J)について、屋内での保存安定性試験を行った。各有機資材包装体サンプルを、更にダンボール箱1つに4袋入れて、室温(平均)14.5℃、相対湿度(平均)70%の倉庫内に保管し、9日目、21日目の袋の状況を以下のように評価した。結果を表7に示す。
<評価基準>
5・・・使用前の状態と比べて変化無し
4・・・裏面に湿気(但し、問題ないレベル)
3・・・脇又は裏面に湿気(但し、問題ないレベル)
2・・・上記に加えて、表面も吸湿ししわになっている(但し、気をつけて使用できるレベル)
1・・・べとべとになり、搬送時に破孔(但し、使用できないレベル)
また、本発明で用いられる有機資材は、放線菌を多く含むので従来の堆肥等の有機資材に比べて樹木の病を防ぐ効果も期待できる。
Claims (17)
- 生分解性ポリマーを含有する第一の層を有する生分解性フィルムから得られ、該第一の層を内側表面に備える包装袋と、
前記包装袋の内部に封入され、放線菌を5.0×106cfu/g以上の菌量で含有し、かつ水分率が10質量%〜90質量%である有機資材と、
を有する有機資材包装体。 - 前記有機資材中の糸状菌の菌量が1.0×105cfu/g以下である請求項1に記載の有機資材包装体。
- 前記第一の層が、デンプンを含む請求項1または請求項2に記載の有機資材包装体。
- 前記生分解性フィルムが、デンプンを含む第一の層のみを有し、第一の層におけるデンプンの含有率が、第一の層全体の質量に対して5質量%〜50質量%である請求項1〜請求項3のいずれか1項記載の有機資材包装体。
- 前記生分解性フィルムに含まれる生分解性ポリマーがポリブチレンアジペートテレフタレートである請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の有機資材包装体。
- 前記生分解性フィルムが、
当該層全体の質量に対して5質量%〜50質量%のデンプンを含有する第一の層と、
第二の層と、
前記第一の層及び第二の層の間に配置された第三の層と、
を有し、前記包装袋が、該第二の層を、前記第一の層よりも外側に備えている請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の有機資材包装体。 - 前記生分解性フィルムが、
当該層全体の質量に対して5質量%〜50質量%のデンプンを含有する第一の層と、
当該層全体の質量に対して20質量%〜40質量%のデンプンを含有する第二の層と、
前記第一の層および第二の層の間に配置された第三の層と、
を有し、前記包装袋が、該第二の層を、前記第一の層よりも外側に備えている請求項1〜請求項3および請求項6のいずれか1項に記載の有機資材包装体。 - 前記第三の層が、水崩壊性ポリマーを含む請求項6または請求項7に記載の有機資材包装体。
- 前記水崩壊性ポリマーの含有量が、前記第三の層の全質量の20質量%〜60質量%である請求項8に記載の有機資材包装体。
- 前記水崩壊性ポリマーがエーテル系高分子化合物である請求項8又は請求項9に記載の有機資材包装体。
- 前記包装袋が、通気孔を有する請求項1〜請求項10のいずれか1項記載の有機資材包装体。
- 前記通気孔の平均直径が0.1mmφ以上8.0mmφ以下である請求項11に記載の有機資材包装体。
- 前記有機資材が、肥料、培土、球根及び種子からなる群より選択された少なくとも一種を含む請求項1〜請求項12のいずれか1項記載の有機資材包装体。
- 前記有機資材の体積が、前記包装袋の内部の最大容積の90%以上である請求項1〜請求項13のいずれか1項記載の有機資材包装体。
- 前記包装袋が、外側表面に分解促進層を有する請求項1〜請求項14のいずれか1項記載の有機資材包装体。
- 前記生分解性フィルムの総厚みが20μm〜100μmである請求項1〜請求項15のいずれか1項記載の有機資材包装体。
- 請求項1〜請求項16のいずれか1項記載の有機資材包装体を、散布予定領域に配置して、前記有機資材を散布することを含む有機資材の散布方法。
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