JP2003034734A - 生分解性樹脂の分解速度をコントロールする方法および分解速度がコントロールされた生分解性樹脂 - Google Patents

生分解性樹脂の分解速度をコントロールする方法および分解速度がコントロールされた生分解性樹脂

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JP2003034734A JP2001222216A JP2001222216A JP2003034734A JP 2003034734 A JP2003034734 A JP 2003034734A JP 2001222216 A JP2001222216 A JP 2001222216A JP 2001222216 A JP2001222216 A JP 2001222216A JP 2003034734 A JP2003034734 A JP 2003034734A
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acid
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hydroxy
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Hiroko Fujihira
裕子 藤平
Tsutomu Noguchi
勉 野口
Hiroyuki Mori
浩之 森
Junichi Ogasawara
順一 小笠原
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課 題】 本発明の目的は、生分解性樹脂、生分解
性樹脂組成物またはそれらから得られる成形物の分解速
度をコントロールする方法および分解速度がコントロー
ルされた生分解性樹脂、生分解性樹脂組成物またはそれ
らから得られる成形物を提供することにある。 【解決手段】 生分解性樹脂、生分解性樹脂組成物また
はそれらから得られる成形物に活性エネルギー線照射す
ることを特徴とする生分解性樹脂、生分解性樹脂組成物
またはそれらから得られる成形物の分解速度をコントロ
ールする方法およびこの方法で分解速度がコントロール
された生分解性樹脂、生分解性樹脂組成物またはそれら
から得られる成形物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生分解性樹脂、生
分解性樹脂組成物またはそれらから得られる成形物に活
性エネルギー線照射して分解速度をコントロールする方
法、および分解速度をコントロールされた生分解性樹
脂、生分解性樹脂組成物またはそれらから得られる成形
物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プラスチックはいまや生活と産業のあら
ゆる分野に浸透しており、全世界の年間生産量は約1億
トンにも達している。その大半は使用後廃棄されてお
り、これが地球環境を乱す原因の1つとして認識されて
きた。現在、その解決策として最も注目されているの
が、プラスチックリサイクルと生分解性プラスチックの
利用である。
【0003】プラスチックリサイクルについては、使用
済み電気製品をリサイクルするため、家電リサイクル法
が2001年4月からスタートしたが、テレビ、冷蔵
庫、クーラー、洗濯機の4つの大型電気製品を除いて、
廃棄品を回収しリサイクルをすることは行われておら
ず、また法的規制もない。そのため、ほとんどの電気製
品は廃棄時に不燃ゴミとして捨てられる。たとえ形状が
小型でも、販売数が多い場合には全体として多量の廃棄
物が発生する結果になる。廃棄物処分場が不足している
昨今、これは深刻な社会問題となっている。
【0004】現在頻繁に行われている処理方法として
は、廃棄物をシュレッダー処理する方法がある。ところ
がこのシュレッダー処理は廃棄物の容積を減少させるだ
けであり、埋め立てれば廃棄物はそのままの状態で何十
年、何百年と残り、基本的な解決にはならない。仮にシ
ュレッダーダストをマテリアルリサイクルするにして
も、すべての部品が細かく粉砕されているため、例え
ば、銅等の有価値の素材も、他の価値の低い素材と混合
されてしまい、純度が落ち、回収効率が悪化してしまう
等の問題を抱えている。
【0005】一方、生分解性プラスチックは、環境低負
荷材料として注目され、多くの種類が開発されるように
なってきた。生分解性プラスチックの原料となる生分解
性ポリマーは自然界や例えば微生物等の生体の作用で分
解して、同化される有機材料であり、環境に適合した理
想的な材料として開発されてきた。このような生分解性
ポリマーとしては、例えばセルロース、デンプン、デキ
ストラン、キチン等の多糖誘導体、例えばコラーゲン、
カゼイン、フィブリン、ゼラチン等のペプチド等、例え
ばポリアミノ酸、例えばポリビニルアルコール、例えば
ナイロン4、ナイロン2/ナイロン6共重合体等のポリ
アミド、例えば脂肪酸ポリエステル等が挙げられる。
【0006】現時点では、生分解性ポリマーは、脂肪族
系ポリエステル樹脂を中心に、農林水産用資材(フィル
ム、植栽ポット、釣糸、魚網等)、土木工事資材(保水
シート、植物ネット、土嚢等)、包装・容器分野(土、
食品等が付着してリサイクルが難しいもの)等に利用さ
れ始めている。
【0007】上述したような生分解性ポリエステルをは
じめとする生分解性プラスチック成形物は、一般的には
使用時には従来のプラスチックと同等の機能、例えば強
度、耐水性、成形加工性、耐熱性および耐久性を有して
いて、かつ廃棄後には自然界に一般に存在する微生物等
により速やかに分解されるという性質を持つことが望ま
れている。しかしながら、例えば耐久性と分解性は相反
する性質といえるが、同一素材である生分解性樹脂を使
用した成形物であっても、その成形物の種類、使用目的
によって、その分解性に対する期待値は異なる。例え
ば、使用期間の短い成形物は、耐久性が小さくて分解性
が大きいことが望まれ、逆に使用期間の長い成形物は、
分解性も望ましいが耐久性も無視できない。従って、生
分解性樹脂、生分解性樹脂組成物およびこれらから得ら
れる成形物の分解性をコントロールする方法の出現が望
まれている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、生分
解性樹脂、生分解性樹脂組成物またはそれらから得られ
る成形物に活性エネルギー線照射して分解速度をコント
ロールする方法、および分解速度をコントロールされた
生分解性樹脂、生分解性樹脂組成物またはそれらから得
られる成形物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討を重ねた結果、生分解性樹
脂、生分解性樹脂組成物またはそれらから得られる成形
物に対し、活性エネルギー線照射を施すことにより、生
分解性樹脂、生分解性樹脂組成物またはそれらから得ら
れる成形物の分解速度をコントロールできることを見出
した。特に、生分解性樹脂、生分解性樹脂組成物または
それらから得られる成形物中の架橋剤の有無および活性
エネルギー線照射量を変えることにより、分解が促進さ
れるものもあれば、遅延するものもあることを見出し
た。従って、活性エネルギー線照射量および配合した架
橋剤の有無、配合した場合の配合量を詳細に検討するこ
とにより、分解速度をコントロールする方法を見出し、
さらに検討を重ね、本発明を完成するに至った。
【0010】すなわち、本発明は、[1] 生分解性樹
脂、生分解性樹脂組成物またはそれらから得られる成形
物に活性エネルギー線照射することを特徴とする生分解
性樹脂、生分解性樹脂組成物またはそれらから得られる
成形物の分解速度をコントロールする方法、[2] 生
分解性樹脂、生分解性樹脂組成物またはそれらから得ら
れる成形物に活性エネルギー線照射して、生分解性樹
脂、生分解性樹脂組成物またはそれらから得られる成形
物の分解速度を促進させるか、または生分解性樹脂ま
たは生分解性樹脂組成物に架橋剤を配合した後、生分解
性樹脂、生分解性樹脂組成物またはそれらから得られる
成形物に活性エネルギー線照射して、生分解性樹脂、生
分解性樹脂組成物またはそれらから得られる成形物の分
解速度を遅延させることを特徴とする前記[1]に記載の
方法、[3] 活性エネルギー線照射が、生分解性樹脂ま
たは生分解性樹脂組成物を成形する時、または成形物を
廃棄する時に行われることを特徴とする前記[2]に記載
の方法、[4] 生分解性樹脂または生分解性樹脂組成物
に対する活性エネルギー線照射の照射量が、1kGyで
あることを特徴とする前記[2]に記載の方法、[5] 生
分解性樹脂から得られる成形物または生分解性樹脂組成
物から得られる成形物に対する活性エネルギー線照射の
照射量が、2kGyであることを特徴とする前記[2]に
記載の方法、[6] 生分解性樹脂が、脂肪族ポリエステ
ル樹脂であることを特徴とする前記[1]に記載の方法、
[7] 架橋剤が、カルボジイミド化合物、イソシアネー
ト化合物またはオキサゾリン系化合物であることを特徴
とする前記[2]に記載の方法、[8] カルボジイミド化
合物が、ジシクロヘキシルカルボジイミドまたはジイソ
プロピルカルボジイミドであることを特徴とする前記
[7]に記載の方法、[9] 生分解性樹脂または生分解性
樹脂組成物に対する架橋剤含有量が、0.1重量%以上
であることを特徴とする前記[2]に記載の方法、[10]
活性エネルギー線が、電磁波、電子線または粒子線で
あることを特徴とする前記[1]に記載の方法、[11]
前記[1]から[10]のいずれかに記載の方法で分解速度
がコントロールされた生分解性樹脂、[12] 前記[1]
から[10]のいずれかに記載の方法で分解速度がコント
ロールされた生分解性樹脂組成物、[13] 前記[1]か
ら[10]のいずれかに記載の方法で分解速度がコントロ
ールされた生分解性樹脂または生分解性樹脂組成物から
得られる成形物、に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明に係る生分解性樹脂組成物
は、生分解性樹脂と少なくとも1種以上の添加物を含有
していることを特徴としている。該添加物には、本発明
中の架橋剤は含まれず、それ以外の、例えば、難燃剤、
核剤、フィラー等の本発明の目的を損なわない物質を意
味している。すなわち、本発明における生分解性樹脂組
成物は、通常は、生分解性樹脂に架橋剤以外の添加物が
配合されている組成物を意味する。以下、生分解性樹
脂、架橋剤および添加物の好ましい態様について述べ
る。
【0012】本発明で用いられる生分解性樹脂、生分解
性樹脂組成物またはそれらから得られる成形物は、使用
後は自然界において微生物が関与して低分子化合物、最
終的に水と二酸化炭素に分解するプラスチックである
(生分解性プラスチック研究会、ISO/TC−207
/SC3)。このような生分解性プラスチックの原料と
なる生分解性ポリマーとしては、例えば、セルロース、
デンプン、デキストラン、キチン等の多糖誘導体、例え
ばコラーゲン、カゼイン、フィブリン、ゼラチン等のペ
プチド等、例えばポリアミノ酸、例えばポリビニルアル
コール、例えばナイロン4、ナイロン2/ナイロン6共
重合体等のポリアミド、例えばポリグリコール酸、ポリ
乳酸、ポリコハク酸エステル、ポリシュウ酸エステル、
ポリヒドロキシ酪酸、ポリジグリコール酸ブチレン、ポ
リカプロラクトン、ポリジオキサノン等のポリエステル
等が挙げられ、多くの種類があり、本発明でも生分解性
樹脂として用いることが可能である。すなわち本発明に
おける生分解性樹脂は自然界や生体の作用で分解して、
同化される有機材料であり、環境に適合した理想的な材
料であり、本発明の目的を損なわなければ、どのような
材料でもかまわない。中でも、特に好ましいのは、生分
解性ポリエステルである。
【0013】本発明で用いられる生分解性ポリエステル
とは、主鎖にエステル結合;−CO−O−を有する高分
子であり、本発明で使用する生分解性ポリエステルとし
ては、例えば微生物によって代謝されるポリエステルを
挙げることができ、中でも脂肪族ポリエステル樹脂が好
ましい。上記脂肪族ポリエステル樹脂としては、例えば
ポリシュウ酸エステル、ポリコハク酸エステル、ポリヒ
ドロキシ酪酸、ポリジグリコール酸ブチレン、ポリカプ
ロラクトン、ポリジオキサノン、例えば乳酸、リンゴ酸
もしくはグルコール酸等のオキシ酸の重合体またはこれ
らの共重合体等のヒドロキシカルボン酸系脂肪族ポリエ
ステル樹脂が挙げられる。中でも特にポリ乳酸に代表さ
れるヒドロキシカルボン酸系脂肪族ポリエステル樹脂が
好ましい。
【0014】本発明で用いられる生分解性ポリエステル
は、公知の方法に従って合成できる。例えば、ラクチ
ド法、多価アルコールと多塩基酸との重縮合、または
分子内に水酸基とカルボキシル基とを有するヒドロキ
シカルボン酸の分子間重縮合等が挙げられる。
【0015】ラクチド法とは、環状ジエステルおよび対
応するラクトン類の開環重合による方法である。このよ
うな環状ジエステルの例としては、例えば、ラクチド、
グリコリド等、また、ラクトンとしては、例えばε−カ
プロラクトン、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラク
トン、δ−バレロラクトン等が挙げられる。
【0016】多価アルコールと多塩基酸との重縮合で用
いられる多価アルコールとしては、例えばエチレングリ
コ−ル、ジエチレングリコ−ル、トリエチレングリコ−
ル、プロピレングリコ−ル、ネオペンチルグリコ−ル、
1,3−ブタンジオ−ル、1,4−ブタンジオ−ル、
1,6−ヘキサンジオ−ル等が挙げられ、またこれに使
用される多塩基酸としては、例えばテレフタル酸、イソ
フタル酸、オルソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等
の芳香族ジカルボン酸類、例えばアジピン酸、セバシン
酸、シュウ酸、コハク酸、無水コハク酸、マレイン酸、
無水マレイン酸、フマル酸、ダイマ−酸等の脂肪族ジカ
ルボン酸類、例えば1,4−シクロヘキサンジカルボン
酸等の脂環族ジカルボン酸類が代表例として例示できる
が、本発明では、脂肪族ポリエステルであることが好ま
しいので、原料となる多価アルコール、多塩基酸とも、
脂肪族化合物であることが好ましい。
【0017】また、分子内に水酸基とカルボキシル基と
を有するヒドロキシカルボン酸の分子間重縮合は、公知
の方法に従って行われうる。例えば、対応するヒドロキ
シカルボン酸の通接脱水縮合法により得ることができ
る。このようなヒドロキシカルボン酸としては、例えば
乳酸、2−ヒドロキシ酢酸、2−ヒドロキシプロパン
酸、2−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシ吉草酸、2−
ヒドロキシヘキサン酸、2−ヒドロキシヘプタン酸、2
−ヒドロキシオクタン酸、2−ヒドロキシ−2−メチル
プロパン酸、2−ヒドロキシ−2−メチル酪酸、2−ヒ
ドロキシ−2−エチル酪酸、2−ヒドロキシ−2−メチ
ル吉草酸、2−ヒドロキシ−2−エチル吉草酸、2−ヒ
ドロキシ−2−プロピル吉草酸、2−ヒドロキシ−2−
ブチル吉草酸、2−ヒドロキシ−2−メチルヘキサン
酸、2−ヒドロキシ−2−エチルヘキサン酸、2−ヒド
ロキシ−2−プロピルヘキサン酸、2−ヒドロキシ−2
−ブチルヘキサン酸、2−ヒドロキシ−2−ペンチルヘ
キサン酸、2−ヒドロキシ−2−メチルヘプタン酸、2
−ヒドロキシ−2−エチルヘプタン酸、2−ヒドロキシ
−2−プロピルヘプタン酸、2−ヒドロキシ−2−ブチ
ルヘプタン酸、2−ヒドロキシ−2−ペンチルヘプタン
酸、2−ヒドロキシ−2−ヘキシルヘプタン酸、2−ヒ
ドロキシ−2−メチルオクタン酸、2−ヒドロキシ−2
−エチルオクタン酸、2−ヒドロキシ−2−プロピルオ
クタン酸、2−ヒドロキシ−2−ブチルオクタン酸、2
−ヒドロキシ−2−ペンチルオクタン酸、2−ヒドロキ
シ−2−ヘキシルオクタン酸、2−ヒドロキシ−2−ヘ
プチルオクタン酸、3−ヒドロキシプロパン酸、3−ヒ
ドロキシブタン酸、3−ヒドロキシペンタン酸、3−ヒ
ドロキシヘキサン酸、3−ヒドロキシヘプタン酸、3−
ヒドロキシオクタン酸、3−ヒドロキシ−3−メチルブ
タン酸、3−ヒドロキシ−3−メチルペンタン酸、3−
ヒドロキシ−3−エチルペンタン酸、3−ヒドロキシ−
3−メチルヘキサン酸、3−ヒドロキシ−3−エチルヘ
キサン酸、3−ヒドロキシ−3−プロピルヘキサン酸、
3−ヒドロキシ−3−メチルヘプタン酸、3−ヒドロキ
シ−3−エチルヘプタン酸、3−ヒドロキシ−3−プロ
ピルヘプタン酸、3−ヒドロキシ−3−ブチルヘプタン
酸、3−ヒドロキシ−3−メチルオクタン酸、3−ヒド
ロキシ−3−エチルオクタン酸、3−ヒドロキシ−3−
プロピルオクタン酸、3−ヒドロキシ−3−ブチルオク
タン酸、3−ヒドロキシ−3−ペンチルオクタン酸、4
−ヒドロキシブタン酸、4−ヒドロキシペンタン酸、4
−ヒドロキシヘキサン酸、4−ヒドロキシヘプタン酸、
4−ヒドロキシオクタン酸、4−ヒドロキシ−4−メチ
ルペンタン酸、4−ヒドロキシ−4−メチルヘキサン
酸、4−ヒドロキシ−4−エチルヘキサン酸、4−ヒド
ロキシ−4−メチルヘプタン酸、4−ヒドロキシ−4−
エチルヘプタン酸、4−ヒドロキシ−4−プロピルヘプ
タン酸、4−ヒドロキシ−4−メチルオクタン酸、4−
ヒドロキシ−4−エチルオクタン酸、4−ヒドロキシ−
4−プロピルオクタン酸、4−ヒドロキシ−4−ブチル
オクタン酸、5−ヒドロキシペンタン酸、5−ヒドロキ
シヘキサン酸、5−ヒドロキシヘプタン酸、5−ヒドロ
キシオクタン酸、5−ヒドロキシ−5−メチルヘキサン
酸、5−ヒドロキシ−5−メチルヘプタン酸、5−ヒド
ロキシ−5−エチルヘプタン酸、5−ヒドロキシ−5−
メチルオクタン酸、5−ヒドロキシ−5−エチルオクタ
ン酸、5−ヒドロキシ−5−プロピルオクタン酸、6−
ヒドロキシヘキサン酸、6−ヒドロキシヘプタン酸、6
−ヒドロキシオクタン酸、6−ヒドロキシ−6−メチル
ヘプタン酸、6−ヒドロキシ−6−メチルオクタン酸、
6−ヒドロキシ−6−エチルオクタン酸、7−ヒドロキ
シヘプタン酸、7−ヒドロキシオクタン酸、7−ヒドロ
キシ−7−メチルオクタン酸、または8−ヒドロキシオ
クタン酸等の脂肪族ヒドロキシカルボン酸およびそれら
から誘導されるオリゴマーが挙げられる。
【0018】ヒドロキシカルボン酸系脂肪族ポリエステ
ル樹脂を製造するための触媒としては、スズ、アンチモ
ン、亜鉛、チタン、鉄、アルミニウム化合物を例示する
ことができ、中でもスズ系触媒、アルミニウム系触媒が
好ましく、オクチル酸スズ、アルミニウムアセチルアセ
トナートが特に好適である。
【0019】上記ヒドロキシカルボン酸系脂肪族ポリエ
ステル樹脂の中でも、ラクチド開環重合により得られる
ポリL−乳酸が、加水分解されてL−乳酸になると共に
その安全性も確認されているために特に好ましいが、本
発明で使用するヒドロキシカルボン酸系脂肪族ポリエス
テル樹脂はこれに限定されることはなく、従ってその製
造に使用するラクチドについても、L体に限定されるも
のではない。
【0020】架橋剤としては、例えばカルボジイミド化
合物、イソシアネート化合物、またはオキサゾリン系化
合物等が適用可能であるが、特にカルボジイミド化合物
が生分解性樹脂および生分解性樹脂組成物と簡単に溶融
混練できるため好適である。また、これら架橋剤は、単
独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0021】カルボジイミド化合物は、カルボジイミド
基をもつ架橋剤であり、分子中に1個以上のカルボジイ
ミド結合:−N=C=N−を有する化合物(ポリカルボ
ジイミド化合物を含む)である。その製造方法として
は、例えば、触媒として有機リン系化合物(O,O−ジ
メチル−O−(3−メチル−4−ニトロフェニル)ホス
ホロチオエート、O,O−ジメチル−O−(3−メチル
−4−(メチルチオ)フェニル)ホスホロチオエート、
O,O−ジエチル−O−2−イソプロピル−6−メチル
ピリミジン−4−イルホスホロチオエート等)または有
機金属化合物(ロジウム錯体、チタン錯体、タングステ
ン錯体、パラジウム錯体等)を用い、各種ポリイソシア
ネートを約70℃程度以上の温度で、無溶媒または不活
性溶媒(ヘキサン、ベンゼン、ジオキサン、クロロホル
ム等)中で、脱炭酸縮合反応に付することより合成する
ことができるものを挙げることができる。
【0022】上記カルボジイミド化合物に含まれるモノ
カルボジイミド化合物としては、ジシクロヘキシルカル
ボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、ジメチル
カルボジイミド、ジイソブチルカルボジイミド、ジオク
チルカルボジイミド、t−ブチルイソプロピルカルボジ
イミド、ジフェニルカルボジイミド、ジ−t−ブチルカ
ルボジイミド、またはジ−β−ナフチルカルボジイミド
等を例示することができ、これらの中では、工業的に入
手が容易であるという面から、ジシクロヘキシルカルボ
ジイミドまたはジイソプロピルカルボジイミドが特に好
適である。
【0023】ポリイソシアネート化合物としては、例え
ば2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレ
ンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネー
ト、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフ
ェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニル
メタンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタン
ジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビ
フェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−
4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−
ジクロロ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、
1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,5−テトラ
ヒドロナフタレンジイソシアネート、テトラメチレンジ
イソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネ
ート、ドデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘ
キサメチレンジイソシアネート、1,3−シクロヘキシ
レンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイ
ソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメ
チルキシリレンジイソシアネート、水素添加キシリレン
ジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロ
ンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタ
ンジイソシアネートまたは3,3’−ジメチル−4,
4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙
げられる。
【0024】オキサゾリン系化合物としては、例えば、
2,2’−o−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、
2,2’−m−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、
2,2’−p−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、
2,2’−p−フェニレンビス(4−メチル−2−オキ
サゾリン)、2,2’−m−フェニレンビス(4−メチ
ル−2−オキサゾリン)、2,2’−p−フェニレンビ
ス(4,4’−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,
2’−m−フェニレンビス(4,4’−ジメチル−2−
オキサゾリン)、2,2’−エチレンビス(2−オキサ
ゾリン)、2,2’−テトラメチレンビス(2−オキサ
ゾリン)、2,2’−ヘキサメチレンビス(2−オキサ
ゾリン)、2,2’−オクタメチレンビス(2−オキサ
ゾリン)、2,2’−エチレンビス(4−メチル−2−
オキサゾリン)、または2,2’−ジフェニレンビス
(2−オキサゾリン)等が挙げられる。
【0025】生分解性樹脂に架橋剤を配合する方法は、
通常、生分解性樹脂に架橋剤を溶融前、溶融時あるいは
溶融後に配合し、溶融し混合することにより行われる。
架橋剤の配合量は、生分解性樹脂または生分解性樹脂組
成物の約0.1重量%程度以上であることが好ましい。
しかし、本発明の生分解性樹脂または生分解性樹脂組成
物の生分解速度は、配合する架橋剤の種類および配合量
によりその遅延を調節することができるので、目的とす
る製品に応じ、配合する架橋剤の種類および配合量を決
定すればよい。
【0026】上述したように、生分解性樹脂と架橋剤の
混合は、生分解性樹脂溶融前、溶融時、あるいは溶融後
のいつでもかまわない。すなわち、溶融して、架橋剤と
充分に混合すれば、いつでもかまわない。
【0027】本発明の生分解性樹脂は、添加物として、
所望により、難燃剤、核剤、光分解剤、生分解促進剤、
無機フィラー、更には、着色剤、耐加水分解安定剤、ま
たはこれらの混合物を加えることができる。これら添加
物は、単独で用いても、複数の組み合わせで用いてもか
まわない。
【0028】前記難燃剤としては、例えば、各種のホウ
酸系難燃化合物、リン系難燃化合物、無機系難燃化合
物、チッソ系難燃化合物、ハロゲン系難燃化合物、有機
系難燃化合物、コロイド系難燃化合物等が挙げられる。
以下に示す難燃剤は、一種あるいは二種以上用いても構
わない。
【0029】ホウ酸系難燃化合物としては、例えば、ホ
ウ酸亜鉛水和物、メタホウ酸バリウム、ほう砂などのホ
ウ酸を含有する化合物等が挙げられる。リン系難燃化合
物としては、例えば、リン酸アンモニウム、ポリリン酸
アンモニウム、リン酸メラミン、赤燐、リン酸エステ
ル、トリス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(モ
ノクロロプロピル)ホスフェート、トリス(ジクロロプ
ロピル)ホスフェート、トリアリルフォスフェート、ト
リス(3−ヒドロキシプロピル)ホスフェート、トリス
(トリブロモフェニル)ホスフェート、トリス−β−ク
ロロプロピルホスフェート、トリス(ジブロモフェニ
ル)ホスフェート、トリス(トリブロモネオペンチル)
ホスフェート、テトラキス(2−クロロエチル)エチレ
ン・ジフォスフェート、ジメチルメチルフォスフェー
ト、トリス(2−クロロエチル)オルトリン酸エステ
ル、芳香族縮合リン酸エステル、含ハロゲン縮合有機リ
ン酸エステル、エチレン・ビス・トリス(2−シアノエ
チル)ホスフォニウム・ブロミド、ポリリン酸アンモニ
ウム、β−クロロエチルアッシドフォスフェート、ブチ
ルピロフォスフェート、ブチルアッシドフォスフェー
ト、ブトキシエチルアッシドフォスフェート、2−エチ
ルヘキシルアッシドフォスフェート、メラミンリン酸
塩、含ハロゲンフォスホネート、またはフェニル・フォ
スフォン酸等のリンを含有する化合物が挙げられる。
【0030】無機系難燃化合物としては、例えば、硫酸
亜鉛、硫酸水素カリウム、硫酸アルミニウム、硫酸アン
チモン、硫酸エステル、硫酸カリウム、硫酸コバルト、
硫酸水素ナトリウム、硫酸鉄、硫酸銅、硫酸ナトリウ
ム、硫酸ニッケル、硫酸バリウム、硫酸マグネシウムな
どの硫酸金属化合物;硫酸アンモニウムなどのアンモン
系難燃化合物、フェロセンなどの酸化鉄系燃焼触媒、硝
酸銅などの硝酸金属化合物、酸化チタンなどのチタンを
含有する化合物、スルファミン酸グアニジンなどのグア
ニジン系化合物、その他、ジルコニウム系化合物、モリ
ブデン系化合物、錫系化合物、炭酸カリウムなどの炭酸
塩化合物、水酸化アルミニウム、または水酸化マグネシ
ウム等の水酸和金属およびその変性物が挙げられる。
【0031】チッソ系難燃化合物としては、例えば、ト
リアジン環を有するシアヌレート化合物等が挙げられ
る。ハロゲン系難燃化合物としては、例えば、塩素化パ
ラフィン、パークロロシクロペンタデカン、ヘキサブロ
モベンゼン、デカブロモジフェニルオキシド、ビス(ト
リブロモフェノキシ)エタン、エチレンビス・ジブロモ
ノルボルナンジカルボキシイミド、エチレンビス・テト
ラブロモフタルイミド、ジブロモエチル・ジブロモシク
ロヘキサン、ジブロモネオペンチルグリコール、2,
4,6−トリブロモフェノール、トリブロモフェニルア
リルエーテル、テトラブロモ・ビスフェノールA誘導
体、テトラブロモ・ビスフェノールS誘導体、テトラデ
カブロモ・ジフェノキシベンゼン、トリス−(2,3−
ジブロモプロピル)−イソシアヌレート、2,2−ビス
(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシ−3,5−
ジブロモフェニル)プロパン、ポリ(ペンタブロモベン
ジルアクリレート)、トリブロモスチレン、トリブロモ
フェニルマレイニド、トリブロモネオペンチル・アルコ
ール、テトラブロモジペンタエリスリトール、ペンタブ
ロモベンジルアクリレート、ペンタブロモフェノール、
ペンタブロモトルエン、ペンタブロモジフェニルオキシ
ド、ヘキサブロモシクロドデカン、ヘキサブロモジフェ
ニルエーテル、オクタブロモフェノールエーテル、オク
タジブロモジフェニルエーテル、オクタブロモジフェニ
ルオキシド、マグネシウムヒドロキシド、ジブロモネオ
ペンチルグリコールテトラカルボナート、ビス(トリブ
ロモフェニル)フマルアミド、N−メチルヘキサブロモ
ジフェニルアミン、臭化スチレン、またはジアリルクロ
レンデート等のハロゲンを含有する難燃化合物が挙げら
れる。
【0032】有機系難燃化合物としては、例えば、無水
クロレンド酸、無水フタル酸、ビスフェノールAを含有
する化合物、グリシジルエーテルなどのグリシジル化合
物、ジエチレングリコール、ペンタエリスリトールなど
の多価アルコール、変性カルバミド、シリコーンオイ
ル、またはオルガノシロキサン等のシリコーン化合物が
挙げられる。コロイド系難燃化合物としては、例えば、
従来から使用されている難燃性を持つ水酸化アルミニウ
ム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどの水和
金属化合物、アルミン酸化カルシウム、2水和石膏、ホ
ウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ砂、カオリンクレ
ーなどの水和物、硝酸ナトリウムなどの硝酸化合物、モ
リブデン化合物、ジルコニウム化合物、アンチモン化合
物、ドーソナイト、またはプロゴパイト等の難燃性化合
物のコロイド等が挙げられる。
【0033】前記核剤としては、無機物、有機物を問わ
ないが、例えば次のような物質が挙げられる。単体、複
合酸化物を含む金属化合物類、例示するとカーボンブラ
ック、炭酸カルシウム、合成ケイ酸およびケイ酸塩、シ
リカ、亜鉛華、ハイサイトクレー、カオリン、塩基性炭
酸マグネシウム、マイカ、タルク、石英粉、ケイ藻土、
ドロマイト粉、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アンチモ
ン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、アルミナ、ケイ酸
カルシウム、窒化ホウ素等;カルボキシル基の金属塩を
有する低分子有機化合物、例示すると、オクチル酸、ト
ルイル酸、ヘプタン酸、ペラルゴン酸、ラウリン酸、ミ
リスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン
酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、安息香酸、
p−tert−ブチル安息香酸、テレフタル酸、テレフ
タル酸モノメチルエステル、イソフタル酸、イソフタル
酸モノメチルエステル等の金属塩等;カルボキシル基の
金属塩を有する高分子有機化合物、例示すると、ポリエ
チレンの酸化によって得られるカルボキシル基含有ポリ
エチレン、ポリプロピレンの酸化によって得られるカル
ボキシル基含有ポリプロピレン、エチレン、プロピレ
ン、ブテン−1等のオレフィン類とアクリル酸またはメ
タクリル酸との共重合体、スチレンとアクリル酸または
メタクリル酸との共重合体、オレフィン類と無水マレイ
ン酸との共重合体、スチレンと無水マレイン酸との共重
合体等の金属塩等;高分子有機化合物、例示すると、
3,3−ジメチルブテン−1,3−メチルブテン−1,
3−メチルペンテン−1,3−メチルヘキセン−1,
3,5,5−トリメチルヘキセン−1などの炭素数5以
上の3位分岐α−オレフィン、ならびにビニルシクロペ
ンタン、ビニルシクロヘキサン、ビニルノルボルナンな
どのビニルシクロアルカンの重合体、ポリエチレングリ
コール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレ
ングリコール、ポリグリコール酸、セルロース、セルロ
ースエステル、セルロースエーテル等;リン酸もしくは
その誘導体または亜リン酸もしくはその誘導体およびそ
れらの金属塩、例示すると、リン酸ジフェニル、亜リン
酸ジフェニル、リン酸ビス(4−tert−ブチルフェ
ニル)ナトリウム、リン酸メチレン(2,4−tert
−ブチルフェニル)ナトリウム等;ビス(p−メチルベ
ンジリデン)ソルビトール、ビス(p−エチルベンジリ
デン)ソルビトール等のソルビトール誘導体;無水チオ
グリコール酸、パラトルエンスルホン酸およびその金属
塩等が挙げられる。中でも、好ましい核剤としては、炭
酸カルシウム、マイカ、タルク、窒化ホウ素、合成ケイ
酸およびケイ酸塩、シリカ、ハイサイトクレー、カオリ
ン等が挙げられる。このような核剤は一種あるいは二種
以上用いても構わない。
【0034】前記光分解剤としては、例えば、ベンゾイ
ン類、ベンゾインアルキルエーテル類、ベンゾフェノ
ン、4,4−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノンな
どのベンゾフェノンとその誘導体;アセトフェノン、
α,α−ジエトキシアセトフェノンなどのアセトフェノ
ンとその誘導体;キノン類;チオキサントン類;フタロ
シアニンなどの光励起材、アナターゼ型酸化チタン、エ
チレン−ー酸化炭素共重合体、芳香族ケトンと金属塩と
の増感剤などが挙げられる。これらの光分解促進剤は、
1種または2種以上併用できる。
【0035】前記生分解促進剤としては、例えば、オキ
ソ酸(例えば、グリコール酸、乳酸、クエン酸、酒石
酸、リンゴ酸などの炭素数2〜6程度のオキソ酸)、飽
和ジカルボン酸(例えば、修酸、マロン酸、コハク酸、
無水コハク酸、グルタル酸、などの炭素数2〜6程度の
低級飽和ジカルボン酸など)などの有機酸;これらの有
機酸と炭素数1〜4程度のアルコールとの低級アルキル
エステルが含まれる。好ましい生分解促進剤には、クエ
ン酸、酒石酸、リンゴ酸などの炭素数2〜6程度の有機
酸、および椰子殻活性炭等が挙げられる。これらの生分
解促進剤も1種または2種以上併用できる。
【0036】前記無機フィラーとしては、例えば炭素、
二酸化珪素の他、アルミナ、シリカ、マグネシア、また
はフェライト等の金属酸化微粒子、例えばタルク、マイ
カ、カオリン、ゼオライト等の珪酸塩類、硫酸バリウ
ム、炭酸カルシウム、またはフラーレン等の微粒子等が
好ましい。中でも特に、タルク、マイカが好ましい。上
記無機フィラーは1種または2種以上を混合して使用し
てもかまわない。
【0037】前記着色剤としては、無機顔料、有機顔料
または染料等が挙げられる。無機顔料としては、例えば
クロム系顔料、カドミウム系顔料、鉄系顔料、コバルト
系顔料、群青、または紺青等が挙げられる。また、有機
顔料や染料の具体的な例としては、例えばカーボンブラ
ック;例えばフタロシアニン銅のようなフタロシアニン
顔料;例えばキナクリドンマゼンタ、キナクリドンレッ
ドのようなキナクリドン顔料;例えばハンザイエロー、
ジスアゾイエロー、パーマネントイエロー、パーマネン
トレッド、ナフトールレッドのようなアゾ顔料;例えば
スピリットブラックSB、ニグロシンベース、オイルブ
ラックBWのようなニグロシン染料、オイルブルー、ま
たはアルカリブルー等が挙げられる。また着色剤は単独
でまたは二種以上使用してもかまわない。
【0038】前記耐加水分解安定剤としては、前述した
ようなカルボジイミド化合物等の架橋剤が挙げられる。
【0039】本発明の生分解性樹脂または生分解性樹脂
組成物を成形して、成形物を作る方法としては、公知の
方法に従ってよい。成形のために種々の公知の手段が、
成形品の種類に応じて選択され得る。例えば、フィルム
成形、押出成形または射出成形等が挙げられる。押出成
形または射出成形は、定法に従い、自体公知の例えば単
軸押出機、多軸押出機、タンデム押出機等の押出成形
機、または、例えばインラインスクリュ式射出成形機、
多層射出成形機、二頭式射出成形機等の射出成形機にて
行うことができ、所望の形状に成形する。こうして得ら
れた成形物としては、例えばラジオ、マイク、TV、キ
ーボード、携帯型音楽再生機、パソコン等の電気製品の
筐体等、家電製品全般に用いることができる。
【0040】本発明に係る活性エネルギー線照射に使用
される活性エネルギー線源としては、例えば電磁波、電
子線または粒子線およびこれらの組み合わせが挙げられ
る。電磁波としては、紫外線(UV)、エックス線等が
挙げられ、粒子線としては、陽子、中性子等の素粒子の
線が挙げられる。中でも特に、電子加速器の使用による
電子線照射が好ましい。
【0041】上記した活性エネルギー線は、公知の装置
を用いて照射することができる。例えば、UV照射装
置、電子加速器等が挙げられる。照射線量および照射強
度としては、生分解性樹脂、生分解性樹脂組成物または
それらから得られる成形物が効果的に分解を促進および
遅延する範囲であればどのようなものでもかまわない。
例えば、電子線の場合、加速電圧が、約100〜500
0kV程度が好ましく、照射線量としては、生分解性樹
脂または生分解性樹脂組成物であれば、約1kGy程度
以上であり、成形物であれば、約2kGy程度以上であ
ることが好ましい。ここで、Gy(グレイ)と図2また
は図6の横軸で用いられている単位のradとの関係
は、1Gyが100radに相当する。
【0042】生分解性樹脂および生分解性樹脂組成物、
さらにそれらから得られた成形物に活性エネルギー線照
射を行う場合、成形時でも、廃棄時でもいつでもかまわ
ない。しかし、分解が促進されるのか、遅延されるのか
は照射される生分解性樹脂および生分解性樹脂組成物ま
たはそれらから得られる成形物の組成等により異なるの
で、所望により好ましい時に活性エネルギー線照射を行
うのがよい。
【0043】次に、本発明に係る生分解性樹脂、生分解
性樹脂組成物またはそれらから得られる成形物の分解速
度を促進する方法の好ましい一態様について説明する。
本発明の生分解性樹脂または生分解性樹脂組成物から得
られた成形物に、電子加速器を活性エネルギー線源とし
て活性エネルギー線を空気中で照射する。この時、電子
線照射時間、電子線照射線量等は、該成形物の分解速度
によって異なるので、一概にはいえないが、成形物の使
用目的に応じて、例えば下記実施例を参照して容易に決
定することができる。
【0044】また、本発明に係る生分解性樹脂、生分解
性樹脂組成物またはそれらから得られる成形物の分解速
度を遅延する方法の好ましい一態様について説明する。
本発明の生分解性樹脂または生分解性樹脂組成物に上記
した架橋剤を配合し、溶融混合する。その後、公知手段
に従い、例えばテレビ等の電気製品の筐体のような成形
物を作製する。この成形物に電子加速器を活性エネルギ
ー線源として活性エネルギー線を空気中で照射し、架橋
剤が有効に架橋反応を行うまで電子線照射を行うことに
より、分解速度が遅延された成形物を得ることができ
る。電子線照射時間または電子線照射量は、電子線を照
射される成形物によって異なるので一概には言えない
が、成形物の使用目的に応じて、例えば下記実施例を参
照して容易に決定することができる。
【0045】
【実施例】ここで、実際に本発明に係わる生分解性ポリ
エステルとして実施例を行ったが、本発明はこれに限定
されるものではない。実施例で用いられた活性エネルギ
ー線源については、以下に示すとおりである。 照射条件;雰囲気 大気中 電子線照射器;住友ファインポリマー(株)製の電子線
照射器 加速電圧;1.2MV
【0046】照射を施した生分解性樹脂組成物の分解性
および分子量は下記の条件で測定した。 1)実施例における分子量は、重量平均分子量(ポリス
チレン換算分子量)であり、ゲルパーミエーションクロ
マトグラフィー(GPC)を用いて測定した。 装置;MILLPORE Waters600E system controller 検出器;UV(Waters484)およびRI(Waters410) 標準サンプル;ポリスチレン 操作;濃度が0.15重量%となるように、試料をクロ
ロホルムに溶解させ、2時間ほど攪拌後、溶液をφ0.
25μmのフィルターに通して、サンプルとした。 2)分解性試験は、酵素液にサンプルを浸し、サンプル
の経時的な重量変化を調べる方法であるため、自然環境
下での分解とは必ずしも一致しないが、おおよその分解
性について傾向をとらえることができることから以下の
方法に従って行った。また、ポリエステルの分解酵素と
してリパーゼが一般的であるため、以下に示すリパーゼ
を使用した。操作;試験管内の酵素液にサンプルを浸漬
し、振盪機にて60℃で所定時間反応後、蒸留水洗浄つ
いでメタノール洗浄を行い、真空乾燥後、重量測定を行
った。1試験管あたりのサンプル量、酵素組成は以下の
通りである。 使用薬品; Lipase AK enzyme:天野エンザイム製 100mg/ml 0.2M Phosphate Baffer :和光純薬工業製(161-1219
1)pH7.0 4ml 0.1%MgCl2 surfactant :和光純薬工業製(135-0016
5) 1ml 振盪機温度;60℃ サンプルの形状;1mm厚 1.0cm生分解性樹脂
シート 洗浄方法; 蒸留水洗浄 上記操作における酵素との所定時間反応後、酵素液を廃
棄し、洗瓶の蒸留水約10mlにてサンプルごとに試験
管内を洗浄する。蒸留水を交換後、振盪機にて室温で1
〜2時間、さらに蒸留水を交換して、振盪機にて同様に
2時間〜一晩洗浄する。 メタノール洗浄 上記の蒸留水洗浄を行い、蒸留水を廃棄後、蒸留水洗
浄同様にして、洗浄を行う。その後、洗浄済みのサンプ
ルを一晩、真空乾燥する。重量測定;真空乾燥した後、
サンプルを0.0001gまで精秤した。真空乾燥後、
測定まで重量を安定させるために、室内に1時間放置
し、その後重量測定を行った。
【0047】〔実施例1〕ポリ乳酸であるレイシアH1
00J(三井化学(株)製)に架橋剤として、カルボジ
イミド基を持つカルボジライトHMV−10B(日清紡
(株)製)を5重量%配合し、設定温度180℃の一軸
混練機にて溶融ブレンドしたものをペレット化し、17
0℃のホットプレス機にて1mm厚の板材を作製した。
50mm×50mm×1mmのシート状の試験片を切り
だし、試験片に対し、照射線量0.5Mrad(5kG
y)、2Mrad(20kGy)、10Mrad(10
0kGy)で、室温条件下にて電子線照射を行った。電
子線照射後の上記組成物を上記条件下にてリパーゼ反応
性試験を行い、相対重量変化および相対分子量変化を測
定した。相対重量は、リパーゼ反応前の重量を100と
して表しており、相対分子量は電子線照射前の分子量を
100として表したときの分子量である。リパーゼ反応
時間に対する相対重量をプロットした図を図1に、電子
線照射量に対する相対分子量をプロットした図を図2に
示す。図1より、相対重量はどのサンプルでも減少した
が、減少の度合いは照射量が小さいものほど大きかっ
た。また図2より、どのサンプルの相対分子量もリパー
ゼ反応時間が長くなると小さくなっていくが、その減少
の度合いは電子線照射量が小さいものほど大きかった。
その結果、照射量の増加にともない、ポリ乳酸とカルボ
ジライトとの架橋反応が進むため、リパーゼによる分解
性が悪くなり、照射量が少ない程、架橋が進まないた
め、分解性が高くなっていると知見された。従って、電
子線の照射量により、ポリ乳酸の分解性を幅広い範囲で
コントロールできることがわかった。
【0048】〔実施例2〕ポリ乳酸であるレイシアH1
00J(三井化学(株)製)に架橋剤として、カルボジ
イミド基を持つカルボジライトHMV−10B(日清紡
(株)製)を1重量%配合し、実施例1同様に試験片を
作製し、電子線照射を同条件にて行い、リパーゼによる
分解性試験および分子量測定を行った。カルボジライト
の配合量が1重量%と配合量が少なかったため、架橋反
応が進まず、電子線の照射量を増加させるごとに、ポリ
乳酸の分解性が向上した。
【0049】〔実施例3〕ポリ乳酸であるレイシアM1
51SQ52(三井化学(株)製)(無機フィラーとし
てタルクを含有するグレード)にカルボジイミド基を持
つカルボジライトHMV−10B(日清紡(株)製)を
5重量%配合し、実施例1同様に試験片を作製し、電子
線照射を同条件にて行い、分子量測定およびリパーゼに
よる分解性試験を行い、相対重量変化を測定した。相対
重量は、リパーゼ反応前の重量を100として表したと
きの重量である。リパーゼ反応時間に対する相対重量を
プロットした図を図3に示す。図3より、相対重量は図
1(実施例1)と同様どのサンプルでも減少したが、減
少の度合いは照射量が小さいものほど大きかった。その
結果、電子線照射量が10Mrad(100kGy)の
時、架橋反応が最も進み、分解速度が他の電子線照射量
に比べて遅くなったが、図1(実施例1)と比較する
と、同じ10Mrad(100kGy)の時、分解速度
は向上していることがわかった。これは、実施例3のポ
リ乳酸が無機フィラーを含有するため、実施例1に比
べ、強い照射量でないと架橋反応が進まないためである
と知見された。
【0050】〔実施例4〕ポリ乳酸であるレイシアH1
00J(三井化学(株)製)にマイカ41PU−5
(山口雲母工業(株)製)を10重量%配合し、実施例
1同様に試験片を作製し、上記条件下にて電子線照射線
量3Mrad(30kGy)、6Mrad(60kG
y)、9Mrad(90kGy)、15Mrad(15
0kGy)と変化させ、電子線照射を行った。電子線照
射後の上記組成物をリパーゼ酵素により分解し、分解に
よる相対重量変化を測定した。相対重量は、リパーゼ反
応前の重量を100として表したときの重量である。リ
パーゼ反応時間に対する相対重量をプロットした図を図
4に示す。図4より、相対重量はどのサンプルでも減少
したが、減少の度合いは照射量が大きいものほど大きか
った。その結果、架橋剤を含まない組成物の場合、照射
量を増加させる程、分解性が高くなることが分かった。
【0051】〔実施例5〕ポリ乳酸であるレイシアM1
51SQ04(三井化学(株)製)を実施例1同様に試
験片を作製し、上記条件下にて電子線照射線量3Mra
d(30kGy)、6Mrad(60kGy)、9Mr
ad(90kGy)、15Mrad(150kGy)と
変化させ、電子線照射を行った。電子線照射後の上記組
成物をリパーゼ酵素により分解し、分解による相対分子
量変化および相対重量変化を測定した。相対重量は、リ
パーゼ反応前の重量を100として表しており、相対分
子量は電子線照射量0Mrad(0kGy)の分子量を
100として表したときの分子量である。リパーゼ反応
時間に対する相対重量をプロットした図を図5に、電子
線照射量に対するリパーゼ反応76時間後のサンプルの
相対分子量をプロットした図を図6に示す。図5では、
相対重量はどのサンプルでも減少したが、減少の度合い
は照射量が大きいものほど大きかった。また図6では、
相対分子量は電子線照射量が大きいものほど、小さくな
っていった。その結果、実施例4同様に、電子線照射量
が増加するごとに、リパーゼ反応性が高くなり、それに
ともない、リパーゼ反応性試験後のサンプルの分子量測
定でも、照射量が増加する程、相対分子量が小さくなっ
た。これは、ポリ乳酸が電子線により破壊されたためで
あることが知見された。従って、架橋剤を含有しない成
形物に廃棄後電子線を照射することで、分解性を向上さ
せることが知見された。
【0052】
【発明の効果】本発明により、生分解性樹脂および生分
解性樹脂組成物にカルボジイミド基を含有する化合物等
の架橋剤を配合した場合、活性エネルギー線照射により
分解速度を遅延させることができる。また、分解速度の
遅延の度合いは、活性エネルギー線照射量を変えること
により、広い範囲でコントロールすることができる。そ
れに対し、架橋剤を含まない生分解性樹脂および生分解
性樹脂組成物は、活性エネルギー線照射量が増加する
程、分解速度が促進させることができる。さらに、生分
解性樹脂および生分解性樹脂組成物から得られる成形物
でも同様なことが可能である。このことによって、例え
ば、耐久性を必要とする架橋剤を含む生分解性樹脂組成
物を原料とした成形品の成形時に活性エネルギー線照射
を施せば分解を遅延することができ、架橋剤を含まない
生分解性樹脂成形品の使用後または/および廃棄前に活
性エネルギー線を照射することによって、分解しやすく
することができることを見出した。また、操作が簡便で
あるため、生分解性樹脂、生分解性樹脂組成物またはそ
れらから得られる成形物を分解するのに有用に用いるこ
とができ、有益である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 リパーゼ反応時間(単位:時間)に対する相
対重量をプロットした図である。黒ひし形は、電子線照
射量0Mrad(0kGy)のサンプル、黒四角は、
0.5Mrad(5kGy)のサンプル、黒三角は、2
Mrad(20kGy)のサンプル、黒丸は、10Mr
ad(100kGy)のサンプルを示す。
【図2】 電子線照射量(単位:Mrad)に対する相
対分子量をプロットした図である。黒四角は、リパーゼ
反応48時間後のサンプルを、黒三角は、リパーゼ反応
77時間後のサンプルを示す。
【図3】 リパーゼ反応時間(単位:時間)に対する相
対重量をプロットした図である。黒ひし形は、電子線照
射量0Mrad(0kGy)のサンプル、黒四角は、
0.5Mrad(5kGy)のサンプル、黒三角は、2
Mrad(20kGy)のサンプル、黒丸は、10Mr
ad(100kGy)のサンプルを示す。
【図4】 リパーゼ反応時間(単位:時間)に対する相
対重量をプロットした図である。黒ひし形は、電子線照
射量0Mrad(0kGy)のサンプル、黒四角は、3
Mrad(30kGy)のサンプル、黒三角は、6Mr
ad(60kGy)のサンプル、ばつ印(×印)は、9
Mrad(90kGy)のサンプル、黒丸は、15Mr
ad(150kGy)のサンプルを示す。
【図5】 リパーゼ反応時間(単位:時間)に対する相
対重量をプロットした図である。黒ひし形は、電子線照
射量0Mrad(0kGy)のサンプル、黒四角は、3
Mrad(30kGy)のサンプル、黒三角は、6Mr
ad(60kGy)のサンプル、ばつ印(×印)は、9
Mrad(90kGy)のサンプル、黒丸は、15Mr
ad(150kGy)のサンプルを示す。
【図6】 電子線照射量(単位:Mrad)に対するリ
パーゼ反応76時間後のサンプルの相対分子量をプロッ
トした図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 101/16 ZBP C08L 101/16 ZBP // C08L 33:00 33:00 67:00 67:00 (72)発明者 森 浩之 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 小笠原 順一 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 4F071 AA43 AA44 AC12 AH01 AH03 AH04 AH05 BA01 BB05 BB06 BC01 BC04 4F301 AA25 CA07 CA23 CA45 4J002 CF001 CF031 ER006 EU226 FD146 GB00 GC00 GG00 GL00

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生分解性樹脂、生分解性樹脂組成物また
    はそれらから得られる成形物に活性エネルギー線照射す
    ることを特徴とする生分解性樹脂、生分解性樹脂組成物
    またはそれらから得られる成形物の分解速度をコントロ
    ールする方法。
  2. 【請求項2】 生分解性樹脂、生分解性樹脂組成物ま
    たはそれらから得られる成形物に活性エネルギー線照射
    して、生分解性樹脂、生分解性樹脂組成物またはそれら
    から得られる成形物の分解速度を促進させるか、または
    生分解性樹脂または生分解性樹脂組成物に架橋剤を配
    合した後、生分解性樹脂、生分解性樹脂組成物またはそ
    れらから得られる成形物に活性エネルギー線照射して、
    生分解性樹脂、生分解性樹脂組成物またはそれらから得
    られる成形物の分解速度を遅延させることを特徴とする
    請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 活性エネルギー線照射が、生分解性樹脂
    または生分解性樹脂組成物を成形する時、または成形物
    を廃棄する時に行われることを特徴とする請求項2に記
    載の方法。
  4. 【請求項4】 生分解性樹脂または生分解性樹脂組成物
    に対する活性エネルギー線照射の照射量が、1kGyで
    あることを特徴とする請求項2に記載の方法。
  5. 【請求項5】 生分解性樹脂から得られる成形物または
    生分解性樹脂組成物から得られる成形物に対する活性エ
    ネルギー線照射の照射量が、2kGyであることを特徴
    とする請求項2に記載の方法。
  6. 【請求項6】 生分解性樹脂が、脂肪族ポリエステル樹
    脂であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】 架橋剤が、カルボジイミド化合物、イソ
    シアネート化合物またはオキサゾリン系化合物であるこ
    とを特徴とする請求項2に記載の方法。
  8. 【請求項8】 カルボジイミド化合物が、ジシクロヘキ
    シルカルボジイミドまたはジイソプロピルカルボジイミ
    ドであることを特徴とする請求項7に記載の方法。
  9. 【請求項9】 生分解性樹脂または生分解性樹脂組成物
    に対する架橋剤含有量が、0.1重量%以上であること
    を特徴とする請求項2に記載の方法。
  10. 【請求項10】 活性エネルギー線が、電磁波、電子線
    または粒子線であることを特徴とする請求項1に記載の
    方法。
  11. 【請求項11】 請求項1から10のいずれかに記載の
    方法で分解速度がコントロールされた生分解性樹脂。
  12. 【請求項12】 請求項1から10のいずれかに記載の
    方法で分解速度がコントロールされた生分解性樹脂組成
    物。
  13. 【請求項13】 請求項1から10のいずれかに記載の
    方法で分解速度がコントロールされた生分解性樹脂また
    は生分解性樹脂組成物から得られる成形物。
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