JPH09286909A - 農業用乳酸系ポリマーフィルム - Google Patents

農業用乳酸系ポリマーフィルム

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JPH09286909A
JPH09286909A JP8100867A JP10086796A JPH09286909A JP H09286909 A JPH09286909 A JP H09286909A JP 8100867 A JP8100867 A JP 8100867A JP 10086796 A JP10086796 A JP 10086796A JP H09286909 A JPH09286909 A JP H09286909A
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JP
Japan
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lactic acid
film
based polymer
weight
acid
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JP8100867A
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English (en)
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Naoki Kobayashi
小林  直樹
Shuhei Imon
修平 井門
Akira Kouno
▲あきら▼ 河野
Takayuki Kuroki
孝行 黒木
Hirotaka Wanibe
浩孝 鰐部
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた防霧性を持続し得る農業用乳酸系ポリ
マーフィルムを提供する。 【解決手段】 乳酸系ポリマー100重量部に対し、防
曇剤0.1〜5重量部、滑剤0.1〜2重量部及び/ま
たはアンチブロッキング剤0.1〜5重量部、並びに、
防霧剤としてフッ素系界面活性剤0.1〜2重量部を含
むことを特徴とする農業用乳酸系ポリマーフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生分解性、加水分
解性を有する乳酸系ポリマーを主成分とした熱可塑性ポ
リマーからなり、優れた透明性と、優れた防霧性を有
し、使用中はカビや病害虫の発生がなく、且つ廃棄後自
然環境下に蓄積することのない農業用フィルムに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、農業用の用途として、プラスチッ
クフィルムが多用されている。例えば、施設園芸ハウス
の外張り用、内張り用等、またはトンネルハウス用、マ
ルチ栽培用フィルム等として使用されている。これらの
フィルムには、主として塩化ビニル系樹脂やオレフィン
系樹脂、酢酸ビニル系樹脂が用いられている。中でも塩
化ビニル系樹脂フィルムは、年間約10万トンの生産量
にのぼっている。
【0003】しかし、塩化ビニル系樹脂フィルムやエチ
レン系樹脂を含むオレフィン系樹脂フィルムは、自然環
境下で分解しないか、または分解速度が極めて低いた
め、使用後放置されたり土中に埋設処理された場合、半
永久的に地上や地中に残存することになる。また、海洋
投棄された場合は、景観を損なったり、海洋生物の生活
環境を破壊したりする。さらに、塩化ビニル系樹脂を焼
却処理した場合、塩化水素ガス等の有害ガスが発生し、
大気を汚染するだけでなく、焼却炉の劣化を促進するな
ど、消費の拡大と共に廃棄物処理が社会問題となってい
る。
【0004】このような廃棄物処理に対して、塩化ビニ
ル系樹脂フィルムの場合は、他の樹脂と比較して使用後
の回収システムが整備されている。しかし、回収システ
ムが偏在するため末端ユーザーに十分に利用されるに至
っていないのが実状である。また、回収フィルムの再生
利用技術が確立されていないため、回収しても焼却処理
を必要とする場合が多いのも実状である。
【0005】これらの問題を生じない分解性ポリマー
を、農業用フィルムとして用いるための研究開発は以前
から多数行われてきた。そのような中で乳酸系ポリマー
は、高い透明性を有し、またいわゆる生分解性を持つこ
とで広く知られており、カビ等の発生がなく透明性も維
持されることから、農業用用途での利用が期待されてい
る。例えば乳酸系ポリマーに可塑剤と紫外線吸収剤を導
入した適用例が特開平7−177826号公報に開示さ
れている。また、一般にフィルムは成形加工時の巻取り
性、及び製品使用時の滑性が要求されており、乳酸系ポ
リマーに対しても上記要求を満たすために、滑剤、アン
チブロッキング剤を導入して滑り性、アンチブロッキン
グ性を改良した適用例が特開平8−34913号公報に
開示されている。
【0006】また、従来野菜類を栽培するに当たってポ
リ塩化ビニル、ポリエチレン、エチレン・酢ビの共重合
体などの合成樹脂フィルムのハウス内で行うことによっ
て気温の低い時期でも栽培を可能にする方法が採られて
いるが、この場合使用する合成樹脂フィルムは太陽光線
を常時透過させる必要があることから合成樹脂フィルム
表面に水分による曇りの発生を防止するためにあらかじ
め防曇剤を練り込む方法が採られており、この防曇剤と
しては、ポリエチレングリコール、グリセリン、ソルビ
タン、ソルビトール等の高級脂肪酸エステル、及びこれ
らの高級脂肪酸エステルにエチレンオキサイド又はプロ
ピレンオキサイドを付加した非イオン界面活性剤が用い
られてきた。
【0007】しかしながら、かかる防曇剤等が添加され
たフィルムを使用している農業用ハウスは内部に霧が発
生しやすく、栽培植物に悪影響を与えることがある。こ
のような現象を防ぐために、例えば特公昭59−355
73号公報に開示されているようなフッ素系界面活性剤
の使用が提案され、実行されている。しかし、上記公知
の乳酸系ポリマーに対して、防霧剤と滑剤及び/または
アンチブロッキング剤を併用し、防霧性を付与し、且つ
その持続性を改善する提案はなされていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、優れた防霧
性を持続し得る農業用乳酸系ポリマーフィルムを提供す
ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、乳酸系ポリマーフィルムに、特定量の滑剤お
よび/またはアンチブロッキング剤と、特定量の防霧剤
を併用して同時に含ませることにより、それらを併用し
ない場合に比べて、農業用乳酸系ポリマーフィルムの防
霧性の持続性が格段に改善し得ることを見出だし、本発
明を完成するに至った。
【0010】すなわち、本発明により、乳酸系ポリマー
100重量部に対し、防曇剤0.1〜5重量部、滑剤
0.1〜2重量部及び/またはアンチブロッキング剤
0.1〜5重量部、並びに、防霧剤としてフッ素系界面
活性剤0.1〜2重量部を含むことを特徴とする農業用
乳酸系ポリマーフィルムが提供される。
【0011】本発明の農業用乳酸系ポリマーフィルム
は、滑剤、アンチブロッキング剤、またはそれらの混合
物の特定量、並びに、防霧剤の特定量を同時に含むこと
に特徴がある。かかる特定の添加剤を同時に含む本発明
の農業用乳酸系ポリマーフィルムは、耐衝撃性、伸び率
等の一般的機械的特性、自然環境下における加水分解
性、酵素分解性等については、従来の農業用乳酸系ポリ
マーフィルムと同等の特性を有し、特に、長期にわたっ
て優れた防霧性を持続するフィルムである。その理由に
ついては定かではないが、滑剤による防霧剤の分散性の
向上と、アンチブロッキング剤による防霧剤のブリード
の防止等が総合的に関係しているものと想像される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の農業用乳酸系ポリマーフィルムは、乳酸
系ポリマーに対し、滑剤、アンチブロッキング剤、また
はそれらの混合物の特定量、並びに、防曇剤、防霧剤の
特定量を添加、混合し、樹脂組成物となし、その樹脂組
成物をフィルム状に成形することにより製造される。引
張強度、衝撃強度等の一般的機械特性を向上させたい場
合には、少なくとも一軸方向に延伸し、さらに熱処理す
ることが好ましい。
【0013】本発明における乳酸系ポリマーとは、乳酸
単位を含む脂肪族ポリエステルであり、具体的には、
(1)ポリ乳酸及び乳酸と他のヒドロキシカルボン酸と
のコポリマー、(2)多官能多糖類及び乳酸単位を含む
脂肪族ポリエステル、(3)脂肪族多価カルボン酸単
位、脂肪族多価アルコール単位及び乳酸単位を含む脂肪
族ポリエステル、及び、(4)これらの混合物である。
以下、総称して乳酸系ポリマーという。 乳酸にはL−
体とD−体とが存在するが、本発明において単に乳酸と
いう場合は、特にことわりがない場合は、L−体とD−
体との両者を指すこととする。また、ポリマーの分子量
は特にことわりのない場合は重量平均分子量のことを指
すものとする。
【0014】本発明に用いるポリ乳酸としては、構成単
位がL−乳酸のみからなるポリ(L−乳酸)、D−乳酸
のみからなるポリ(D−乳酸)、およびL−乳酸単位と
D−乳酸単位とが種々の割合で存在するポリ(DL−乳
酸)のいずれもが使用できる。乳酸−他のヒドロキシカ
ルボン酸コポリマーのヒドロキシカルボン酸としては例
えば、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロ
キシ酪酸、4−ヒドロキシ吉草酸、5−ヒドロキシ吉草
酸、6−ヒドロキシカプロン酸等が挙げられる。本発明
に用いるポリ乳酸の製造方法として、L−乳酸、D−乳
酸、またはDL−乳酸を直接脱水重縮合する方法、これ
ら各乳酸の環状2量体であるラクチドを開環重合する方
法等が挙げられる。開環重合は、高級アルコール、ヒド
ロキシカルボン酸等の水酸基を有する化合物の存在下で
行ってもよい。何れの方法によって製造されたものでも
よい。 乳酸−他のヒドロキシカルボン酸コポリマーの
製造方法として、上記各乳酸と上記ヒドロキシカルボン
酸を脱水重縮合する方法、上記各乳酸の環状2量体であ
るラクチドと上記ヒドロキシカルボン酸の環状体を開環
共重合する方法等が挙げられる。何れの方法によって製
造されたものでもよい。共重合体に含まれる乳酸単位の
量は少なくとも40モル%であることが好ましい。
【0015】多官能多糖類及び乳酸単位を含む脂肪族ポ
リエステルの製造に用いる多官能多糖類としては、例え
ば、セルロース、硝酸セルロース、酢酸セルロース、メ
チルセルロース、エチルセルロース、セルロイド、ビス
コースレーヨン、再生セルロース、セロハン、キュプ
ラ、銅アンモニアレーヨン、キュプロファン、ベンベル
グ、ヘミセルロース、デンプン、アミロペクチン、デキ
ストリン、デキストラン、グリコーゲン、ペクチン、キ
チン、キトサン、アラビアガム、グァーガム、ローカス
トビーンガム、アカシアガム等及びこれらの混合物及び
これらの誘導体が挙げられる。これらの内で特に酢酸セ
ルロース、エチルセルロースが好ましい。多官能多糖類
及び乳酸単位を含む脂肪族ポリエステルの製造方法とし
て、上記多官能多糖類と上記ポリ乳酸、乳酸−他のヒド
ロキシカルボン酸コポリマー等を反応する方法、上記多
官能多糖類と上記各乳酸、環状エステル類等を反応する
方法等が挙げられる。何れの方法によって製造されたも
のでもよい。該脂肪族ポリエステルに含まれる乳酸単位
の量は少なくとも50重量%であることが好ましい。
【0016】脂肪族多価カルボン酸単位、脂肪族多価ア
ルコール単位及び乳酸単位を含む脂肪族ポリエステルの
製造に用いる脂肪族多価カルボン酸としては、例えば、
シュウ酸、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン
酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、ウンデカ
ンニ酸、ドデカンニ酸等及びこれらの無水物が挙げられ
る。これらは、酸無水物であっても、酸無水物との混合
物であってもよい。
【0017】また、脂肪族多価アルコールとしては、例
えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ト
リエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロ
ピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−
ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、テトラメチレングリコー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられ
る。
【0018】脂肪族多価カルボン酸単位、脂肪族多価ア
ルコール単位及び乳酸単位を含む脂肪族ポリエステルの
製造方法として、上記脂肪族多価カルボン酸及び上記脂
肪族多価アルコールと、上記ポリ乳酸、乳酸−他のヒド
ロキシカルボン酸コポリマー等を反応する方法、上記脂
肪族多価カルボン酸及び上記脂肪族多価アルコールと、
上記各乳酸、環状エステル類等を反応する方法等が挙げ
られる。何れの方法によって製造されたものでもよい。
該脂肪族ポリエステルに含まれる乳酸単位の量は少なく
とも50モル%であることが好ましい。
【0019】乳酸系ポリマーの分子量は、フィルムの加
工性、得られるフィルムの強度および分解性に影響を及
ぼす。分子量が低いと得られるフィルムの強度が低下
し、使用する際に張力で破断することがある。また、分
解速度が速くなる。逆に高いと加工性が低下し、フィル
ム製膜が困難となる。かかる点を考慮すると、本発明に
使用する乳酸系ポリマーの分子量は、約1万〜約100
万程度の範囲が好ましい。さらに好ましい範囲は10万
〜30万である。
【0020】本発明の農業用乳酸系ポリマーフィルムに
用いる乳酸系ポリマーの最適な分子量や共重合体組成
は、その使用用途における最長の展張期間に合わせて、
既存または公知の乳酸系ポリマーに関する加水分解性デ
ータから考慮して決定される。
【0021】本発明の農業用乳酸系ポリマーフィルムに
用いる滑剤として、例えば、流動パラフィン、マイクロ
クリスタリンワックス、天然パラフィン、合成パラフィ
ン、ポリエチレン等の脂肪族炭化水素系滑剤、ステアリ
ン酸、ラウリン酸、ヒドロキシステアリン酸、硬化ひま
し油等の脂肪酸系滑剤、ステアリン酸アマイド、オレイ
ン酸アマイド、エルカ酸アマイド、ラウリン酸アマイ
ド、パルミチン酸アマイド、ベヘニン酸アマイド、リシ
ノール酸アマイド、オキシステアリン酸アマイド、メチ
レンビスステアリン酸アマイド、エチレンビスステアリ
ン酸アマイド、エチレンビスオレイン酸アマイド、エチ
レンビスベヘニン酸アマイド、エチレンビスラウリン酸
アマイド等の脂肪酸アマイド系滑剤、ステアリン酸鉛、
ステアリン酸カルシウム、ヒドロキシステアリン酸カル
シウム等の炭素数12〜30の脂肪酸金属塩である金属
石鹸系滑剤、モンタンワックス等の長鎖エステルワック
ス等、またはこれらを複合した複合滑剤等が挙げられ
る。長期にわたる耐候性の持続効果を考慮すると、これ
らの内、防曇剤以外の脂肪酸エステル系滑剤、脂肪酸系
滑剤及び脂肪酸アマイド系滑剤が好ましい。
【0022】滑剤の使用量は乳酸系ポリマー100重量
部に対して0.1〜2重量部である。添加量が0.1重
量部未満の場合は、得られるフィルムの耐候性の持続性
効果が発現されず、2重量部を超えるとフィルムの成形
性が低下し、さらに得られるフィルムの平板性、透明性
等が低下する。
【0023】本発明に用いるアンチブロッキング剤とし
ては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、チタニア、マ
イカ、タルク等が挙げられる。これらの内、得られるフ
ィルムの透明性の観点から平均粒径7〜50nmのシリ
カが好ましい。平均粒径が7nm未満の場合は粒子が凝
集しやすくなり、50nmを超える場合、特に数μmの
粒径になるとフィルムの表面に微細な凹凸が生じ外観が
不透明になる。また、そのシリカはSiO2を95%以
上含むことが好ましい。さらには、SiO2が無水シリ
カであることがより好ましい。その使用量は乳酸系ポリ
マー100重量部に対して0.1〜5重量部、好ましく
は0.1〜2重量部である。添加量が0.1重量部未満
の場合は長期にわたる耐候性の持続効果が低下し、5重
量部を超えるとフィルムの外観、特に透明性が劣る。
【0024】滑剤とアンチブロッキング剤を併用する場
合、その使用量は乳酸系ポリマー100重量部に対し、
滑剤とアンチブロッキング剤の総量が0.2〜7重量部
であり、かつそれぞれの単体の使用量が上記の範囲を超
えないことである。滑剤とアンチブロッキング剤が少な
すぎると、耐候性の持続性効果が発現されず、多過ぎる
と成形が不安定になったり、フィルムの外観が劣る。
【0025】本発明において使用される防霧剤として、
パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアル
キルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルトリメチルア
ンモニウム塩、パーフルオロアルキル燐酸エステル、等
のフッ素系界面活性剤が挙げられる。その使用量は乳酸
系ポリマー100重量部に対し、0.1〜2重量部であ
る。使用量が0.1重量部未満の場合、滑剤及び/また
はアンチブロッキング剤を併用しても防霧性の持続性効
果が見られず、使用量が2重量部を超えるとフィルムの
外観、特に透明性が劣る。
【0026】本発明においては、防霧剤は、上記の範囲
で使用される。しかし、フィルムの長期にわたる防霧性
の持続効果は、前記の滑剤及び/またはアンチブロッキ
ング剤の特定量と防霧剤とが併用されて初めて発現する
ものである。
【0027】本発明に用いられる防曇剤として、非イオ
ン系界面活性剤、例えば、ソルビタンモノステアレー
ト、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノオレ
エート、ソルビタンモノベヘネートなどのソルビタン系
界面活性剤、グリセリンモノラウレート、ジグリセリン
モノパルミテート、グリセリンモノステアレートなどの
グリセリン系界面活性剤、ポリエチレングリコールモノ
ステアレート、ポリエチレングリコールモノパルミテー
トなどのポリエチレングリコール系界面活性剤、トリメ
チロールプロパンモノステアレートなどのトリメチロー
ルプロパン系界面活性剤、ペンタエリスリトールモノパ
ルミテートなどのペンタエリスリトール系界面活性剤、
これらにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを
付加したもの、等が挙げられる。これらの内、ソルビタ
ン系界面活性剤、グリセリン系界面活性剤等が好まし
い。
【0028】農業用乳酸系ポリマーは屋外で使用される
ことを考慮すると、主成分となる乳酸系ポリマーに紫外
線吸収剤または光安定剤を添加、混合したものが好まし
い。紫外線吸収剤とは、破壊的な高エネルギーをもつ波
長250〜380nmの範囲の紫外線を吸収し、非破壊
的な波長に変えて再輻射するものであり、光安定剤と
は、必ずしも紫外線を吸収するわけではなく、光劣化開
始剤であるヒドロペルオキシドを非ラジカル的に分解し
たり、光分解で発生するラジカルを捕捉、除去したり等
して何らかの機構で材料の光分解を抑制するものであ
る。
【0029】本発明で使用する紫外線吸収剤及び光安定
剤には、フェニルサリシレート、p−tert−ブチル
フェニルサリシレート等のサリチル酸誘導体、
【0030】2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2
−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’
−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,
2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェ
ノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキ
シベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキ
シベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロ
キシベンゾフェノン、4−ドデシロキシ−2−ヒドロキ
シベンゾフェノン、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロ
キシ−2−メトキシフェニル)メタン等のベンゾフェノ
ン類、
【0031】2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフ
ェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ
−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾ
トリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−ter
t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベン
ゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’
−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾ
トリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−ter
t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミ
ルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロ
キシ−3’−(3”,4”,5”,6”−テトラヒドロ
フタルイミドメチル)−5’−メチルフェニル]ベンゾ
トリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,
1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベン
ゾトリアゾール−2−イル)フェノール]等のベンゾト
リアゾール類、
【0032】商品名SanduvorEPUやSand
uvorVSU等で知られる蓚酸アニリド誘導体、2−
エトキシ−5−tert−ブチル−2’−エチル蓚酸ビ
スアニリド、2−エトキシ−2−エチル蓚酸ビスアニリ
ド、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3,5−
ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、
2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニル
アクリレート、1,3−ビス−(4−ベンゾイル−3−
ヒドロキシフェノキシ)−2−プロピルアクリレート、
1,3−ビス−(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェ
ノキシ)−2−プロピルメタクリレート、2−ヒドロキ
シ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、オ
ルソ−ベンゾイル安息香酸メチル、エチル−2−シアノ
−3,3−ジフェニルアクリレート、2−ヒドロキシ−
4−ベンジルオキシベンゾフェノン、ジブチルジチオカ
ルバミン酸ニッケル、ニッケル・チトビスフェノール複
合体、ニッケル含有有機光安定剤、バリウム、ナトリウ
ム、リン含有の有機・無機複合体、セミカルバゾン系光
安定剤、商品名Sanshade等で知られる酸化亜鉛
系紫外線安定剤や相乗効果剤、
【0033】ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4
−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6
−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−
[2−{3−(3,5−ジ−tert−4−ヒドロキシ
−フェニル)プロピオニルオキシ}エチル]−4−{3
−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオニルオキシ}−2,2,6,6−テト
ラメチルピペリジン、8−ベンジル−7,7,9,9−
テトラメチル−3−オクチル−1,2,3−トリアザス
ピロ[4,5]ウンデカン−2,4−ジオン、4−ベン
ゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジ
ン、こはく酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)
−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペ
リジン重縮合物、ポリ[6−(1,1,3,3−テトラ
メチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,
4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチル−4−
ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,6,
6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]]、2−
(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベン
ジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,
6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、テトラキシ
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)
1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、1,
2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,
6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールとトリデシ
ルアルコールとの縮合物、1,2,3,4−ブタンテト
ラカルボン酸と2,2,6,6−テトラメチル−4−ピ
ペリジノールとトリデシルアルコールとの縮合物、1,
2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,
6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールとβ,β,
β’,β’−テトラメチル−3,9−(2,4,8,1
0−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン)ジエタ
ノールとの縮合物、1,2,3,4−ブタンテトラカル
ボン酸と2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ノールとβ,β,β’,β’−テトラメチル−3,9−
(2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウ
ンデカン)ジエタノールとの縮合物、1,2,2,6,
6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレート、
2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメタク
リレート等のヒンダードアミン類が挙げられる。
【0034】紫外線吸収剤及び/または光安定剤の含有
量は、得られるフィルムの耐候性、透明性等に影響を及
ぼす。紫外線吸収剤または光安定剤の含有量が多いと農
業用乳酸系ポリマーが本来有する透明性等を低下させる
ことがあるので好ましくない。また、少ないとフィルム
を展張した際に分解の促進を抑制する効果が十分に認め
られないので好ましくない。かかる観点から、紫外線吸
収剤および光安定剤の含有量は、乳酸系ポリマー100
重量部に対し0.001〜5重量部であることが好まし
い。さらに好ましくは0.01〜2重量部である。
【0035】発明の農業用乳酸系ポリマーフィルムに
は、主成分である乳酸系ポリマーに、滑剤および/また
はアンチブロッキング剤と、防曇剤と、防霧剤の他に、
本発明の目的を損なわない範囲において、紫外線吸収
剤、光安定剤、可塑剤、酸化防止剤、熱安定剤、充填
剤、着色防止剤、顔料等の他の添加剤を含有させてもよ
い。
【0036】次いで、本発明の農業用乳酸系ポリマーフ
ィルムの製造方法について説明する。乳酸系ポリマーに
滑剤および/またはアンチブロッキング剤と、防曇剤
と、防霧剤、必要に応じて、紫外線吸収剤、光安定剤、
可塑剤、酸化防止剤、熱安定剤、充填剤、着色防止剤、
顔料等の他の添加剤を配合した後、公知の製膜方法によ
り製膜する。
【0037】乳酸系ポリマーに滑剤、アンチブロッキン
グ剤、防曇剤、防霧剤等を添加、混合する方法として
は、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサー等の配合
機、混合機を用いる方法、乳酸系ポリマーをクロロホル
ム等の溶媒に溶解するか、または乳酸系ポリマーを10
0〜280℃に加熱溶融させたところに、所定量の滑
剤、防霧剤等を添加、混合する方法が挙げられる。
【0038】上記各種の添加剤を含む乳酸系ポリマー組
成物を製膜する方法としては、例えば、溶液キャスト
法、溶融押出法、カレンダー法等が挙げられる。溶液キ
ャスト法は、溶媒としてクロロホルム、塩化メチレン、
ベンゼン、アセトニトリル、トルエン、キシレン、ジメ
チルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルイ
ミダゾリジノン等を用いて溶液とした後、平滑な面上に
キャストし、溶媒を除去することにより行われる。溶融
押出成型する場合は、公知のTダイ法、インフレーショ
ン法等が適用される。押出温度は、好ましくは100〜
280℃の範囲、より好ましくは130〜250℃の範
囲である。成形温度が低いと成形安定性が得難く、また
過負荷に陥り易い。逆に高いと乳酸系ポリマーが分解す
ることがあり、分子量低下、強度低下、着色等が起こす
ので好ましくない。
【0039】本発明に係る農業用乳酸系ポリマーフィル
ムは、未延伸の物でも延伸されたものでも良いが、強度
的には得られたフィルムを一軸延伸または二軸延伸する
ことが好ましい。一軸延伸する場合には縦方向または横
方向に1.3〜10倍延伸する。二軸延伸する場合に
は、縦方向および横方向等の二軸方向にそれぞれ1.3
〜5倍延伸する。延伸は、一軸延伸でも二軸延伸でもよ
い。二軸延伸の場合は、一軸目の延伸と二軸目の延伸を
逐次行っても、同時に行ってもよい。延伸倍率が低いと
充分に満足し得る強度を有するフィルムが得難く、また
高いと延伸時にフィルムが破れることが多くなり好まし
くない。一軸延伸の場合は、ロール法による縦延伸また
はテンターによる横延伸が例示される。二軸延伸の場合
は、これらを組み合わせればよい。延伸温度は、用いる
乳酸系ポリマーのガラス転移点(Tg)〜(Tg+5
0)℃の範囲が好ましい。さらに好ましくはTg〜(T
g+30)℃の範囲である。延伸温度がTg未満では延
伸が困難であり、(Tg+50)℃を超えると延伸によ
る強度向上が認められないことがある。また、耐熱性を
増すために延伸後、緊張下で70℃以上、融点未満の温
度で熱処理を行なっても良い。熱処理時間は通常1秒〜
30分間である。
【0040】本発明の農業用乳酸系ポリマーフィルムの
厚さは特に制限はないが、通常0.01〜2mmであ
り、用途によって適宜選定される。また、透明性はヘイ
ズで表わすと5%以下であり透明性に優れている。本発
明の農業用乳酸系ポリマーフィルムは、例えば、施設園
芸用ハウス、トンネルハウス等の農業用フィルムとして
利用し得る。
【0041】
【実施例】以下、実施例を示して本発明についてさらに
詳細に説明する。なお、この実施例で用いた試験方法
は、以下の通りである。 (1)分子量(Mw) 乳酸系ポリマーをクロロホルムに溶解させゲルパーミエ
ーションクロマトグラフィー(以下、GPCという)に
よりポリスチレン換算の分子量を測定する。 (2)防霧性 屋外の温度調節のできる水槽の上に組み立てた、四方を
木板で囲んだ霧観察用フレームの天井傾斜面に試験フィ
ルムをはり、10月下旬より朝及び夕方の気温の低下す
る時間に水槽の水温を40℃にし、約2時間に渡って霧
の発生を観察した。なお観察時間以外は水槽等は自然放
置した。翌年4月下旬まで定期的に肉眼で防霧性を評価
した。その評価基準は次の通りである。4:全く霧の発
生が認められない。3:極僅かに霧の発生が認められ
る。2:霧の発生が認められる。1:非常に多くの霧の
発生が認められる。 (3)透明性(ヘイズ、%) 展張前の試料について、ASTM D1003に規定さ
れる方法に従ってヘイズを測定する。
【0042】実施例1 分子量約120,000のポリ(L−乳酸)(融点17
5℃、以下PLAという)100重量部に対し、紫外線
吸収剤〔共同薬品(株)製、バイオソープ130〕0.
05重量部、滑剤〔日本化成(株)製、ダイヤミッド2
00〕0.3重量部、防曇剤〔花王(株)製、レオドー
ルSP−P10〕0.3重量部、及び防霧剤〔旭硝子
(株)製、サーフロンS−145〕1重量部を含むペレ
ットを、180℃においてTダイが装着された押出機を
用いて混練、溶融して押出し、厚さ800μmの未延伸
フィルムを得た。この未延伸フィルムを60℃に加熱し
た後、長さ方向にロール法によって3倍延伸した後、7
0℃に加熱して横方向にテンターを用いて2.5倍延伸
を行ない、引き続き緊張下で140℃において2分間熱
処理し、厚み0.1mmの二軸延伸フィルムを得た。得
られたフィルムの防霧性及び透明性を上記方法により測
定した。滑剤及び防霧剤の添加量(重量部)、並びに、
得られたフィルムの透明性(ヘイズ)及び防霧性を〔表
1〕に示す。
【0043】実施例2 実施例1で使用したPLA90重量%と分子量約10
0,000のポリブチレンサクシネート10重量%を反
応させたコポリマー100重量部に対し、紫外線吸収剤
〔共同薬品(株)製、バイオソープ130〕0.05重
量部、滑剤〔日本化成(株)製、ダイヤミッド200〕
1.0重量部、防曇剤〔花王(株)製、レオドールSP
−P10〕0.3重量部、及び防霧剤〔旭硝子(株)
製、サーフロンS−145〕0.3重量部を含むペレッ
トを、180℃においてTダイが装着された押出機を用
いて混練、溶融して押出し、厚さ800μmの未延伸フ
ィルムを得た。この未延伸フィルムを40℃に加熱した
後、長さ方向にロール法によって3倍延伸した後、50
℃に加熱して横方向にテンターを用いて2.5倍延伸を
行ない、引き続き緊張下で120℃において2分間熱処
理し、厚み0.1mmの二軸延伸フィルムを得た。滑剤
及び紫外線吸収剤の添加量(重量部)、並びに、得られ
たフィルムの透明性(ヘイズ)及び防霧性を〔表1〕に
示す。
【0044】実施例3 実施例1で用いた滑剤の代わりに、アンチブロッキング
剤〔日本アエロジル(株)製、アエロジル200〕0.
3重量部を用いた以外、実施例1と同様にして二軸延伸
フィルムを得、それを実施例1と同様にして評価した。
添加剤の種類及び量、並びに評価結果を〔表1〕に示
す。
【0045】実施例4 実施例2で用いた滑剤の代わりに、アンチブロッキング
剤〔日本アエロジル(株)製、アエロジル200〕1重
量部を用いた以外、実施例2と同様にして二軸延伸フィ
ルムを得、それを実施例1と同様にして評価した。添加
剤の種類及び量、並びに評価結果を〔表1〕に示す。
【0046】実施例5 実施例1で使用した配合に対し、さらにアンチブロッキ
ング剤〔日本アエロジル(株)製、アエロジル200〕
0.2重量部を追加したペレットを用いた以外、実施例
1と同様にして二軸延伸フィルムを得、それを実施例1
と同様にして評価した。添加剤の種類及び量、並びに評
価結果を〔表1〕に示す。
【0047】実施例6 実施例2で用いた滑剤を0.5重量部に変え、さらにア
ンチブロッキング剤〔日本アエロジル(株)製、アエロ
ジル200〕0.5重量部を追加したペレットを用いた
以外、実施例2と同様にして二軸延伸フィルムを得、そ
れを実施例1と同様にして評価した。添加剤の種類及び
量、並びに評価結果を〔表1〕に示す。
【0048】実施例7 実施例1で使用した滑剤を〔川研ファインケミカル
(株)製、F−3〕に代えたペレットを用いた以外、実
施例1と同様にして二軸延伸フィルムを得、それを実施
例1と同様にして評価した。添加剤の種類及び量、並び
に評価結果を〔表1〕に示す。
【0049】実施例8 実施例1で使用した防霧剤を〔旭硝子(株)製、サーフ
ロンS−131〕に変えたペレットを用いた以外、実施
例1と同様にして二軸延伸フィルムを得、それを実施例
1と同様にして評価した。添加剤の種類及び量、並びに
評価結果を〔表1〕に示す。
【0050】実施例9 実施例1で使用した防霧剤を〔旭硝子(株)製、サーフ
ロンS−121〕に変えたペレットを用いた以外、実施
例1と同様にして二軸延伸フィルムを得、それを実施例
1と同様にして評価した。添加剤の種類及び量、並びに
評価結果を〔表1〕に示す。
【0051】実施例10 PLA100重量部に対し、紫外線吸収剤〔共同薬品
(株)製、バイオソープ130〕0.05重量部、滑剤
〔日本化成(株)製、ダイヤミッド200〕0.3重量
部、防曇剤〔花王(株)製、レオドールSP−P10〕
0.3重量部、及び防霧剤〔旭硝子(株)製、サーフロ
ンS−113〕1重量部を配合したペレットを、180
℃においてTダイが装着された押出機を用いて混練、溶
融して押出し、厚さ100μmの未延伸フィルムを得
た。得られたフィルムを実施例1と同様にして評価し
た。添加剤の種類及び量、並びに評価結果を〔表1〕に
示す。
【0052】比較例1〜8 滑剤、アンチブロッキング剤、防曇剤を〔表1〕に記載
した重量部配合したペレットを用いた以外、実施例1と
同様にして二軸延伸フィルムを得、それを実施例1と同
様にして評価した。添加剤の種類及び量、並びに評価結
果を〔表1〕に示す。
【0053】
【表1】
【0054】
【発明の効果】本発明の農業用乳酸系ポリマーフィルム
は、滑剤及び/またはアンチブロッキング剤、並びに、
防霧剤のそれぞれの特定量を同時に含むことに特徴があ
る。それら特定の添加剤の相乗効果により改質された本
発明の農業用乳酸系ポリマーフィルムは、耐衝撃性、伸
び率等の一般的機械的特性、自然環境下における加水分
解性、酵素分解性等については、従来の農業用乳酸系ポ
リマーフィルムと同等の特性を有し、特に、長期にわた
って優れた防霧持続性を有するするフィルムである。ま
た、分解性を有する乳酸系ポリマーを主原料とするた
め、使用後廃棄されても廃棄物として自然環境下に蓄積
することがない。従って、例えば、施設園芸ハウス等に
展張される農業用フィルムとして極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08J 5/18 CFD C08J 5/18 CFD C08K 3/36 KJS C08K 3/36 KJS 5/09 5/09 5/103 5/103 5/20 KJY 5/20 KJY //(C08L 67/04 91:06) B29K 67:00 B29L 7:00 (72)発明者 黒木 孝行 愛知県名古屋市南区丹後通2丁目1番地 三井東圧化学株式会社内 (72)発明者 鰐部 浩孝 愛知県名古屋市南区丹後通2丁目1番地 三井東圧化学株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乳酸系ポリマー100重量部に対し、防
    曇剤0.1〜5重量部、滑剤0.1〜2重量部及び/ま
    たはアンチブロッキング剤0.1〜5重量部、並びに、
    防霧剤としてフッ素系界面活性剤0.1〜2重量部を含
    むことを特徴とする農業用乳酸系ポリマーフィルム。
  2. 【請求項2】 滑剤が、脂肪酸系滑剤、脂肪酸アマイド
    系滑剤、及びモンタンワックスからなる群から選ばれた
    少なくとも一種の化合物であり、且つ、アンチブロッキ
    ング剤がシリカであることを特徴とする請求項1記載の
    農業用乳酸系ポリマーフィルム。
  3. 【請求項3】 アンチブロッキング剤が0.1〜2重量
    部であり、かつ防曇剤が0.1〜2重量部であることを
    特徴とする請求項1記載の農業用乳酸系ポリマーフィル
  4. 【請求項4】 農業用乳酸系ポリマーフィルムが、少な
    くとも1軸方向に1.3〜10倍延伸され、且つ、厚み
    が0.01〜2mmであることを特徴とする請求項1〜
    3のいずれかに記載の農業用乳酸系ポリマーフィルム。
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KR19990082936A (ko) * 1998-04-07 1999-11-25 이치노미야 가쓰히로 농업용 피복 필름
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