JP2001226381A - ホウ素化こはく酸イミド系化合物及びその用途 - Google Patents

ホウ素化こはく酸イミド系化合物及びその用途

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温安定性、高温清浄性に優れ,かつ微粒子
分散作用を有する無灰系清浄分散剤としての有用な新規
な化合物,及びそのような化合物と特定のエステル誘導
体との混合物、及びそれらを主成分とする潤滑剤用、燃
料油用添加剤、並びにそれらの添加剤を含有する潤滑剤
及び燃料油組成物を提供する。 【解決手段】 (a)数平均分子量200〜5,000
のアルキル基又はアルケニル基で置換されたこはく酸若
しくはその無水物、(b)全体の5モル%以上が末端に
環構造を有するポリアルキレンポリアミン、および
(c)ホウ素化合物を反応させて得られるホウ素化こは
く酸イミド系化合物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なホウ素化こ
はく酸イミド系化合物,及びそれを含む混合物、並びに
それらの用途に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の無灰系分散剤は,一般にコハク酸
イミド系及びヒドロキシベンジルアミン系等があり,そ
の顕著な微粒子分散作用が重視されて,ガソリンエンジ
ン油,ディーゼルエンジン油,2サイクルエンジン油等
の潤滑油添加剤として広範に使用されている。そして,
これらはジアルキルジチオリン酸亜鉛,金属系清浄剤等
との相乗効果も認められ,極めて重要な潤滑剤用添加剤
の1つとなっている。しかし,高温における安定性、高
温における清浄性が十分でないことが度々指摘されてい
る。
【0003】例えば、特公昭46−43631号公報に
は、油溶性を改善した酸化安定性無灰型清浄分散剤とし
て、アルキルフェノ−ル、ホルムアルデヒド及びポリア
ルキレンポリアミンの反応中間体をポリアルケニル無水
コハク酸と反応させて得られる反応生成物、あるいは得
られる反応生成物をホウ素含有化合物と反応させて得ら
れる反応生成物が開示されている。また、特開昭51−
8304号公報には、ポリアルケニル(無水)コハク酸
とポリアルキレンポリアミンの反応中間体をアルデヒド
の存在下に芳香族アルコ−ル(例えば、アルキルフェノ
−ル、フェノ−ル、チオジフェノ−ル)を反応させて得
られる反応生成物が開示されている。しかしながら、こ
れらの反応生成物も高温安定性を満足することができな
かった。
【0004】さらに、特開昭63−168492号公報
には、特公昭46−43631号公報に記載のホウ素含
有化合物の替わりにグリコ−ル酸と反応させて得られる
反応生成物が開示されているが、同様に高温安定性を満
足することができなかった。
【0005】またさらに、特開平4−345690号公
報には、環式ポリアルキレンポリアミンと非環式ポリア
ルキレンポリアミンとを含有するポリアルキレンポリア
ミンを用いたスクシンイミド化合物が開示されている
が、フルオロエラストマ−製シ−ルに悪影響を与えない
ものであっても、高温清浄性は、殆ど具備していない。
【0006】したがって、産業界では高温安定性、高温
清浄性に優れる潤滑剤などの添加剤や潤滑剤などの出現
が切望されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,上記従来技
術の欠点を解消し,高温安定性、高温清浄性に優れ,か
つ微粒子分散作用を有する無灰系清浄分散剤としての有
用な新規な化合物,及びそのような化合物と特定のエス
テル誘導体との混合物、及びそれらを主成分とする潤滑
剤用、燃料油用添加剤、並びにそれらの添加剤を含有す
る潤滑剤及び燃料油組成物を提供することを目的とする
ものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ホウ素化
されたこはく酸イミド系化合物であって、特定の化学構
造を有するポリアルキレンポリアミンから得られるホウ
素化こはく酸イミド系化合物が、予想外に高温清浄性な
どを高める効果があることを発見し、また、そのような
ホウ素化こはく酸イミド系化合物と特定の置換ヒドロキ
シ芳香族カルボン酸エステル誘導体と混合物が、さらに
効果を高めることを見出し、本発明を完成したものであ
る。従って、本発明の要旨は以下の通りである。 〔1〕(a)数平均分子量200〜5,000のアルキ
ル基又はアルケニル基で置換されたこはく酸若しくはそ
の無水物と、(b)全体の5モル%以上が末端に環構造
を有するポリアルキレンポリアミン、および(c)ホウ
素化合物を反応させて得られるホウ素化こはく酸イミド
系化合物。 〔2〕 末端に環構造を有するポリアルキレンポリアミ
ンの末端の環構造が、下記の一般式(X)
【0009】
【化4】
【0010】(式中、p,qは、それぞれ2〜4の整数
を表す。)で表される構造式である前記〔1〕に記載の
ホウ素化こはく酸イミド系化合物。 〔3〕 末端に環構造を有するポリアルキレンポリアミ
ンが、ポリアルキレンポリアミン全体の5〜95モル%
である前記〔1〕又は〔2〕に記載のホウ素化こはく酸
イミド系化合物。 〔4〕 末端に環構造を有するポリアルキレンポリアミ
ンが、ポリアルキレンポリアミン全体の10〜90モル
%である前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のホウ素
化こはく酸イミド系化合物。 〔5〕 末端に環構造を有するポリアルキレンポリアミ
ンが、アミノアルキルピペラジンである前記〔1〕〜
〔4〕のいずれかに記載のこはく酸イミド系化合物。 〔6〕 ホウ素含有量が0.05〜5質量%である前記
〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載のホウ素化こはく酸イ
ミド系化合物。 〔7〕(A)前記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載のホ
ウ素化こはく酸イミド系化合物と、(B)下記一般式
(I)
【0011】
【化5】
【0012】〔式中、R1 及びR2 は、それぞれ炭素数
6以上の有機基を示し、それらはたがいに同一でも異な
っていてもよく、a,b,c,d及びeは、それぞれ1
≦a≦3,1≦b≦3,0≦c≦3,1≦d≦3,1≦
e≦3,3≦(a+b+e)≦6及び1≦(c+d)≦
5の関係を満たす整数を示す。また、R1 及びR2 が複
数ある場合は、複数のR1 及びR2 は、それぞれにおい
て同一でも異なっていてもよい。〕、及び下記一般式
(II)
【0013】
【化6】
【0014】〔式中、R3 ,R4 及びR5 は、それぞれ
炭素数6以上の有機基を示し、それらはたがいに同一で
も異なっていてもよく、f,g,h,i,j,k及びm
は、それぞれ0≦f≦3,0≦g≦3,1≦(f+g)
≦3,0≦h≦4,0≦i≦3,1≦(h+i)≦6,
0≦j≦3,1≦k≦3,1≦m≦3,0≦(f+h)
≦4,1≦(g+i+m)≦4及び1≦(j+k)≦5
の関係を満たす整数を示す。また、R3 ,R4 及びR5
が複数ある場合は、複数のR3 ,R4 及びR5 は、それ
ぞれにおいて同一でも異なっていてもよい。〕で表され
る置換ヒドロキシ芳香族カルボン酸エステル誘導体の中
から選ばれる少なくとも一種の化合物との混合物。 〔8〕 前記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載のホウ素
化こはく酸イミド系化合物,又は請求項7に記載のホウ
素化こはく酸イミド系化合物を含む混合物を含有する潤
滑剤用添加剤。
〔9〕 前記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載のホウ素
化こはく酸イミド系化合物,又は請求項7に記載のホウ
素化こはく酸イミド系化合物を含む混合物を含有する燃
料油添加剤。 〔10〕前記〔8〕に記載の潤滑剤用添加剤を含有する
潤滑剤組成物。 〔11〕前記
〔9〕に記載の燃料油添加剤を含有する燃
料油組成物。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の態様につ
いて説明する。本発明は、新規なホウ素化こはく酸イミ
ド系化合物、及びそのようなホウ素化こはく酸イミド系
化合物と特定の置換ヒドロキシ芳香族カルボン酸エステ
ル誘導体を含有するホウ素化こはく酸イミド系化合物を
含む混合物である。以下、ホウ素化こはく酸イミド系化
合物、置換ヒドロキシ芳香族カルボン酸エステル誘導
体、及びそれらの潤滑剤用添加剤などへの用途につい
て、順次詳述する。 1.ホウ素化こはく酸イミド系化合物 本発明のホウ素化こはく酸イミド系化合物は、上記の様
に(a)数平均分子量200〜5,000のアルキル基
又はアルケニル基で置換されたこはく酸若しくはその無
水物、(b)全体の5モル%以上が末端に環構造を有す
るポリアルキレンポリアミン、および(c)ホウ素化合
物とを反応させて得られるホウ素化こはく酸イミド系化
合物である。
【0016】以下、(a),(b)および(c)の各原
料とその合成方法について説明する。原料(a) 本発明においては、原料(a)としてアルキル基又はア
ルケニル基で置換されたこはく酸若しくはその無水物を
用いる。
【0017】このアルキル基又はアルケニル基の数平均
分子量(以下、分子量又はMnと略することがある。)
は、約200〜5,000、好ましくは約500〜2,
000である。このアルキル基又はアルケニル基の分子
量が200未満であると、こはく酸イミド系化合物が潤
滑油基油などに充分溶解しないことがあり、また、分子
量が5,000を越えると、こはく酸イミド系化合物が
高粘度になり、その取扱が困難になることがある。
【0018】このような分子量を有するアルキル基又は
アルケニル基としては、通常、炭素数2〜16のモノオ
レフィンやジオレフィンの重合体又は共重合体、若しく
はそれらを水素化したものが使用される。モノオレフィ
ンの具体例としては、例えばエチレン、プロピレン、ブ
テン、ブタジエン、デセン、ドデセン、ヘキサデセンな
どなどが挙げられる。これらのモノオレフィンの中で、
本発明においては、高温における清浄性を高め、かつ入
手し易い点で、特にブテンが好ましく、その重合体であ
るポリブテニル基、さらにそれを水素化したアルキル基
である水素化ポリブテニル基が好ましい。
【0019】本発明の原料(a)としてのアルキル基又
はアルケニル基で置換されたこはく酸若しくはその無水
物は、上記のアルキル基又アルケニル基の分子量に該当
するポリブテンなどと無水マレイン酸などを公知の方法
で反応させればよい。
【0020】原料(b) 本発明においては、原料(b)として、全体の5モル%
以上が末端に環構造を有するポリアルキレンポリアミン
を用いる。つまり、原料(b)全体が末端に環構造を有
するポリアルキレンポリアミンであってもよいし、又
は、末端に環構造を有するポリアルキレンポリアミンと
末端に環構造をもたないポリアルキレンポリアミンとの
混合物であってもよい。末端に環構造を有するポリアル
キレンポリアミンの割合が5モル%未満では、本発明の
目的である高温清浄性が不十分になるからである。この
割合が、10モル%以上、さらには20モル%以上であ
れば、さらに高温清浄性が高くなる。また、本発明で
は、この末端に環構造を有するポリアルキレンポリアミ
ンの割合の上限が、95モル%以下であることが好まし
く、90モル%以下がより好ましい。この割合が95モ
ル%を超えると、製造されるホウ素化こはく酸イミド系
化合物が高粘度化して、この化合物の製造効率を低下さ
せることがあり、また、この生成物の潤滑油基油に対す
る溶解性が低下することがあるからである。したがっ
て、末端に環構造を有するポリアルキレンポリアミの割
合が5〜95モル%がより好ましく、10〜90モル%
がさらに好ましい。
【0021】末端に環構造を有するポリアルキレンポリ
アミンの末端の環構造については、前記一般式(X)表
されるものが好ましい。式(X)中、p,qは2〜4の
整数を表す。中でも、p,qのいずれもが2であるも
の、すなわち、ピペラジニル基が特に好ましい。末端が
環構造を有するポリアルキレンポリアミンの代表例とし
ては、例えば、アミノエチルピペラジン、アミノプロピ
ルピペラジン、アミノブチルピペラジン、アミノ(ジエ
チレンジアミノ)ピペラジン、アミノ(ジプロピルジア
ミノ)ピペラジンなど末端にピペラジニル構造を有する
アミノアルキルピペラジンが挙げられる。これらの中で
も、アミノエチルピペラジンが、入手が容易である点で
特に好ましい。
【0022】一方、末端に環構造を有しないポリアルキ
レンポリアミンとしては、環構造を有しない非環構造の
ポリアルキレンポリアミンと末端以外に環構造を有する
ポリアルキレンポリアミンがある。
【0023】非環構造のポリアルキレンポリアミンの代
表例としては、例えば、エチレンジアミン、ジエチレン
トリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレン
ペンタミン、ペンタエチレンヘキサミンなどのポリエチ
レンポリアミン類や、プロピレンジアミン、ジブチレン
トリアミン、トリブチレントリアミンなどが挙げられ
る。また、末端以外に環構造を有するポリアルキレンポ
リアミンの代表例としては、例えば、ジ(アミノエチ
ル)ピペラジンなどのジ(アミノアルキル)ピペラジン
などが挙げられる。
【0024】これら、環構造を含んでもよいポリアルキ
レンポリアミンの中で、トリエチレンテトラミン、テト
ラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミンなど
のポリエチレンポリアミンとの混合物が、高温清浄性を
高め、入手が容易である点で特に好ましい。
【0025】原料(c) 本発明においては、原料(c)としてホウ素化合物を用
いる。このホウ素化合物としては、例えば、ホウ酸,ホ
ウ酸無水物,ホウ酸エステル、酸化ホウ素,ハロゲン化
ホウ素などが挙げられる。中でも、ホウ酸が特に好まし
い。
【0026】ホウ素化コハク酸イミド化合物の合成 本発明のホウ素化こはく酸イミド系化合物は、上記原料
(a)と原料(b)及び原料(c)成分を反応して得ら
れる反応生成物である。
【0027】この反応方法は、特に制限は無く公知の方
法で行えばよい。例えば、以下の方法で反応させて、目
的物を得ることができる。まず、原料(a)と原料と
(b)を反応させ、次いでその反応生成物と原料(c)
とを反応させる。原料(a)と原料(b)の反応におけ
る原料(a)と(b)の配合割合については、(a):
(b)が0.1〜10:1(モル比)が好ましく、0.
5〜2:1(モル比)がより好ましい。また、原料
(a)と原料(b)の反応温度については、約80〜2
50℃が好ましく,約100〜200℃がより好まし
い。反応を行うに際しては、原料の取扱上、又は反応を
調整するために必要に応じて溶剤,例えば炭化水素油等
の有機溶剤を使用することもできる。
【0028】次いで、上記のようにして得られた原料
(a)と(b)の反応生成物を原料(c)と反応させ
る。この反応原料(c)であるホウ素化合物の配合割合
は、ポリアルキレンポリアミンに対して、通常モル比で
1:0.05〜10が好ましく、1:0.5〜5がより
好ましい。また、反応温度については、通常好ましくは
約50〜250℃,より好ましくは100〜200℃で
ある。
【0029】また、反応を行うに際して、原料(a)と
(b)の反応と同様に、取扱上及び反応を調整するため
に、上記反応生成物を溶剤,例えば炭化水素油等の有機
溶剤を使用することもできる。
【0030】この反応によって、反応生成物としてホウ
素化こはく酸イミド系化合物が得られるが、その反応生
成物のホウ素含有量としては、生成物、つまりホウ素化
こはく酸イミド系化合物中にホウ素(原子)含有量が
0.05〜5質量%であるものが好ましく、0.1〜4
質量%であるものがより好ましい。このことは、本発明
にとって重要な要素であり、ホウ素が分子中に一定量以
上存在し、かつ前記した特定のポリアルキレンポリアミ
ン組成が満 たされることによって、予想外の効がえら
れるものである。つまり、ホウ素化こはく酸イミド系化
合物中のホウ素含有量が、0.05質量%未満では、本
発明の目的とする優れた高温清浄性は得られない。また
一方、ホウ素含有量が5質量%を超えても高温清浄性に
ついてさらなる向上が顕れず、実用性に乏しい。
【0031】本発明のホウ素化こはく酸イミド系化合物
は、上記のように原料(a)と(b)を反応し、次いで
その反応生成物を原料(c)と反応させて得ることがで
きるが、反応順序を変えて、まず原料(a)と(c)を
反応させ、その後、その反応生成物と(b)を反応させ
ても同様に目的のホウ素化こはく酸イミド系化合物を得
られる。 2.置換ヒドロキシ芳香族カルボン酸エステル誘導体 本発明における第二の発明では、前記(A)成分である
ホウ素化こはく酸イミド系化合物とともに(B)成分と
して、置換ヒドロキシ芳香族カルボン酸エステル誘導体
を用いる。
【0032】この(B)成分は、前記一般式(I)およ
び(II)で表される置換ヒドロキシ芳香族カルボン酸エ
ステル誘導体の中から選ばれる少なくとも一種の化合物
である。
【0033】前記一般式(I)、(II)において、
1 ,R2 ,R3 ,R4 及びR5 はそれぞれ炭素数6以
上の有機基を示す。この炭素数6以上の有機基として
は、好ましくは炭素数6〜100、より好ましくは炭素
数8〜20の炭化水素基を挙げることができる。該炭化
水素基としては、例えば、アルキル基,アルケニル基,
シクロアルキル基,シクロアルケニル基,アラルキル基
などが挙げられ、これらは非炭化水素置換基及び鎖又は
環中にヘテロ原子を有していてもよい。具体的には、ヘ
キシル基,オクチル基,ノニル基,デシル基,ドデシル
基,ヘキサデシル基,トリアコンチル基などの炭化水素
基、さらにはポリエチレン,ポリプロピレン,ポリブテ
ンなどのオレフィン重合体から誘導される基などを挙げ
ることができる。また、低粘度の置換ヒドロキシ芳香族
カルボン酸エステル誘導体を所望する場合には、該
1 ,R2 ,R3 ,R4 及びR5 は、実質上直鎖状の炭
化水素基であることが好ましい。該R1 及びR2 は、た
がいに同一であっても異なっていてもよく、また、
3 ,R4 及びR5 は、たがいに同一であっても異なっ
ていてもよい。
【0034】前記一般式(I)において、a,b,c,
d及びeは、それぞれ1≦a≦3,1≦b≦3,0≦c
≦3,1≦d≦3,1≦e≦3,3≦(a+b+e)≦
6及び1≦(c+d)≦5の関係を満たす整数を示す。
bが2又は3の場合、複数のR1 は同一であっても異な
っていてもよく、dが2又は3の場合、複数のR2 は同
一であっても異なっていてもよい。
【0035】さらに、前記一般式(II)において、f,
g,h,i,j,k及びmは、それぞれ0≦f≦3,0
≦g≦3,1≦(f+g)≦3,0≦h≦4,0≦i≦
3,1≦(h+i)≦6,0≦j≦3,1≦k≦3,1
≦m≦3,0≦(f+h)≦4,1≦(g+i+m)≦
4及び1≦(j+k)≦5の関係を満たす整数を示す。
hが2,3又は4の場合、複数のR3 は同一であっても
異なっていてもよく、iが2又は3の場合、複数のR4
は同一であっても異なっていてもよい。また、kが2又
は3の場合、複数のR5 は同一であっても異なっていて
もよい。
【0036】前記一般式(I)で表される置換ヒドロキ
シ芳香族カルボン酸エステル誘導体の具体例としては、
(ヘキシルヒドロキシ安息香酸)ヘキシルフェニルエス
テル,(ヘキシルヒドロキシ安息香酸)ドデシルフェニ
ルエステル,(オクチルヒドロキシ安息香酸)オクチル
フェニルエステル,(ノニルヒドロキシ安息香酸)ノニ
ルフェニルエステル,(ノニルヒドロキシ安息香酸)ヘ
キサデシルフェニルエステル,(ドデシルヒドロキシ安
息香酸)ノニルフェニルエステル,(ドデシルヒドロキ
シ安息香酸)ドデシルフェニルエステル,(ドデシルヒ
ドロキシ安息香酸)ヘキサデシルフェニルエステル,
(ヘキサデシルヒドロキシ安息香酸)ヘキシルフェニル
エステル,(ヘキサデシルヒドロキシ安息香酸)ドデシ
ルフェニルエステル,(ヘキサデシルヒドロキシ安息香
酸)ヘキサデシルフェニルエステル,(エイコシルヒド
ロキシ安息香酸)エイコシルフェニルエステル,(炭素
数11〜15の混合アルキルヒドロキシ安息香酸)炭素
数11〜15の混合アルキルフェニルエステル,(長鎖
アルキル〔例えば、炭素数30以上のポリデセンから誘
導される基,数平均分子量400以上のポリブテンから
誘導される基〕ヒドロキシ安息香酸)ドデシルフェニル
エステル,(長鎖アルキル〔例えば、炭素数30以上の
ポリデセンから誘導される基,数平均分子量400以上
のポリブテンから誘導される基〕ヒドロキシ安息香酸)
長鎖アルキル〔例えば、炭素数30以上のポリデセンか
ら誘導される基,数平均分子量400以上のポリブテン
から誘導される基〕フェニルエステル,(ヘキシルヒド
ロキシ安息香酸)ヘキシルヒドロキシフェニルエステ
ル,(オクチルヒドロキシ安息香酸)オクチルヒドロキ
シフェニルエステル,(ドデシルヒドロキシ安息香酸)
ノニルヒドロキシフェニルエステル,(ドデシルヒドロ
キシ安息香酸)ドデシルヒドロキシフェニルエステル,
(ヘキサデシルヒドロキシ安息香酸)ドデシルヒドロキ
シフェニルエステル,(ヘキサデシルヒドロキシ安息香
酸)ヘキサデシルヒドロキシフェニルエステル,(エイ
コシルヒドロキシ安息香酸)エイコシルヒドロキシフェ
ニルエステル,(炭素数11〜15の混合アルキルヒド
ロキシ安息香酸)炭素数11〜15の混合アルキルヒド
ロキシフェニルエステル,(長鎖アルキル〔例えば、炭
素数30以上のポリデセンから誘導される基,数平均分
子量400以上のポリブテンから誘導される基〕ヒドロ
キシ安息香酸)ドデシルヒドロキシフェニルエステル,
(長鎖アルキル〔例えば、炭素数30以上のポリデセン
から誘導される基,数平均分子量400以上のポリブテ
ンから誘導される基〕ヒドロキシ安息香酸)長鎖アルキ
ル〔例えば、炭素数30以上のポリデセンから誘導され
る基,数平均分子量400以上のポリブテンから誘導さ
れる基〕ヒドロキシフェニルエステル,(ヘキシルジヒ
ドロキシ安息香酸)ヘキシルフェニルエステル,(ノニ
ルジヒドロキシ安息香酸)ノニルフェニルエステル,
(ノニルジヒドロキシ安息香酸)ドデシルフェニルエス
テル,(ドデシルジヒドロキシ安息香酸)ノニルフェニ
ルエステル,(ドデシルジヒドロキシ安息香酸)ドデシ
ルフェニルエステル,(ヘキサデシルジヒドロキシ安息
香酸)ヘキサデシルフェニルエステル,(エイコシルジ
ヒドロキシ安息香酸)ヘキサデシルフェニルエステル,
(エイコシルジヒドロキシ安息香酸)エイコシルフェニ
ルエステル,(炭素数11〜15の混合アルキルジヒド
ロキシ安息香酸)炭素数11〜15の混合アルキルフェ
ニルエステル,(長鎖アルキル〔例えば、炭素数30以
上のポリデセンから誘導される基,数平均分子量400
以上のポリブテンから誘導される基〕ジヒドロキシ安息
香酸)ドデシルフェニルエステル,(長鎖アルキル〔例
えば、炭素数30以上のポリデセンから誘導される基,
数平均分子量400以上のポリブテンから誘導される
基〕ジヒドロキシ安息香酸)長鎖アルキル〔例えば、炭
素数30以上のポリデセンから誘導される基,数平均分
子量400以上のポリブテンから誘導される基〕フェニ
ルエステル,(ヘキシルジヒドロキシ安息香酸)ヘキシ
ルヒドロキシフェニルエステル,(ノニルジヒドロキシ
安息香酸)ノニルヒドロキシフェニルエステル,(ノニ
ルジヒドロキシ安息香酸)ドデシルヒドロキシフェニル
エステル,(ドデシルジヒドロキシ安息香酸)ノニルヒ
ドロキシフェニルエステル,(ドデシルジヒドロキシ安
息香酸)ドデシルヒドロキシフェニルエステル,(ヘキ
サデシルジヒドロキシ安息香酸)ヘキサデシルヒドロキ
シフェニルエステル,(エイコシルジヒドロキシ安息香
酸)ヘキサデシルヒドロキシフェニルエステル,(エイ
コシルジヒドロキシ安息香酸)エイコシルヒドロキシフ
ェニルエステル,(炭素数11〜15の混合アルキルジ
ヒドロキシ安息香酸)炭素数11〜15の混合アルキル
ヒドロキシフェニルエステル,(長鎖アルキル〔例え
ば、炭素数30以上のポリデセンから誘導される基,数
平均分子量400以上のポリブテンから誘導される基〕
ジヒドロキシ安息香酸)ドデシルヒドロキシフェニルエ
ステル,(長鎖アルキル〔例えば、炭素数30以上のポ
リデセンから誘導される基,数平均分子量400以上の
ポリブテンから誘導される基〕ジヒドロキシ安息香酸)
長鎖アルキル〔例えば、炭素数30以上のポリデセンか
ら誘導される基,数平均分子量400以上のポリブテン
から誘導される基〕ヒドロキシフェニルエステルなどを
挙げることができる。
【0037】一方、前記一般式(II)で表される置換ヒ
ドロキシ芳香族カルボン酸エステル誘導体の具体例とし
ては、(ヘキシルヒドロキシナフトエ酸)ヘキシルフェ
ニルエステル,(ヘキシルヒドロキシナフトエ酸)ヘキ
サデシルフェニルエステル,(ノニルヒドロキシナフト
エ酸)ノニルフェニルエステル,(ドデシルヒドロキシ
ナフトエ酸)ドデシルフェニルエステル,(ヘキサデシ
ルヒドロキシナフトエ酸)ヘキサデシルフェニルエステ
ル,(ドデシルヒドロキシナフトエ酸)エイコシルフェ
ニルエステル,(エイコシルヒドロキシナフトエ酸)エ
イコシルフェニルエステル,(炭素数11〜15の混合
アルキルヒドロキシナフトエ酸)炭素数11〜15の混
合アルキルフェニルエステル,(長鎖アルキル〔例え
ば、炭素数30以上のポリデセンから誘導される基,数
平均分子量400以上のポリブテンから誘導される基〕
ヒドロキシナフトエ酸)ドデシルフェニルエステル,
(長鎖アルキル〔例えば、炭素数30以上のポリデセン
から誘導される基,数平均分子量400以上のポリブテ
ンから誘導される基〕ヒドロキシナフトエ酸)長鎖アル
キル〔例えば、炭素数30以上のポリデセンから誘導さ
れる基,数平均分子量400以上のポリブテンから誘導
される基〕フェニルエステル,(ヘキシルヒドロキシナ
フトエ酸)ドデシルヒドロキシフェニルエステル,(オ
クチルヒドロキシナフトエ酸)ドデシルヒドロキシフェ
ニルエステル,(ドデシルヒドロキシナフトエ酸)ドデ
シルヒドロキシフェニルエステル,(ドデシルヒドロキ
シナフトエ酸)ヘキサデシルヒドロキシフェニルエステ
ル,(ヘキサデシルヒドロキシナフトエ酸)ヘキサデシ
ルヒドロキシフェニルエステル,(ヘキサデシルヒドロ
キシナフトエ酸)エイコシルヒドロキシフェニルエステ
ル,(炭素数11〜15の混合アルキルヒドロキシナフ
トエ酸)炭素数11〜15の混合アルキルヒドロキシフ
ェニルエステル,(長鎖アルキル〔例えば、炭素数30
以上のポリデセンから誘導される基,数平均分子量40
0以上のポリブテンから誘導される基〕ヒドロキシナフ
トエ酸)ドデシルヒドロキシフェニルエステル,(長鎖
アルキル〔例えば、炭素数30以上のポリデセンから誘
導される基,数平均分子量400以上のポリブテンから
誘導される基〕ヒドロキシナフトエ酸)長鎖アルキル
〔例えば、炭素数30以上のポリデセンから誘導される
基,数平均分子量400以上のポリブテンから誘導され
る基〕ヒドロキシフェニルエステル,(ヘキシルジヒド
ロキシナフトエ酸)ヘキシルフェニルエステル,(ヘキ
シルジヒドロキシナフトエ酸)ヘキサデシルフェニルエ
ステル,(ノニルジヒドロキシナフトエ酸)ノニルフェ
ニルエステル,(ドデシルジヒドロキシナフトエ酸)ド
デシルフェニルエステル,(ドデシルジヒドロキシナフ
トエ酸)エイコシルフェニルエステル,(ヘキサデシル
ジヒドロキシナフトエ酸)ヘキサデシルフェニルエステ
ル,(エイコシルジヒドロキシナフトエ酸)エイコシル
フェニルエステル,(炭素数11〜15の混合アルキル
ジヒドロキシナフトエ酸)炭素数11〜15の混合アル
キルフェニルエステル,(長鎖アルキル〔例えば、炭素
数30以上のポリデセンから誘導される基,数平均分子
量400以上のポリブテンから誘導される基〕ジヒドロ
キシナフトエ酸)ドデシルフェニルエステル,(長鎖ア
ルキル〔例えば、炭素数30以上のポリデセンから誘導
される基,数平均分子量400以上のポリブテンから誘
導される基〕ジヒドロキシナフトエ酸)長鎖アルキル
〔例えば、炭素数30以上のポリデセンから誘導される
基,数平均分子量400以上のポリブテンから誘導され
る基〕フェニルエステル,(ヘキシルジヒドロキシナフ
トエ酸)ドデシルヒドロキシフェニルエステル,(オク
チルジヒドロキシナフトエ酸)ドデシルヒドロキシフェ
ニルエステル,(ドデシルジヒドロキシナフトエ酸)ド
デシルヒドロキシフェニルエステル,(ドデシルジヒド
ロキシナフトエ酸)ヘキサデシルヒドロキシフェニルエ
ステル,(ヘキサデシルジヒドロキシナフトエ酸)ヘキ
サデシルヒドロキシフェニルエステル,(ヘキサデシル
ジヒドロキシナフトエ酸)エイコシルヒドロキシフェニ
ルエステル,(炭素数11〜15の混合アルキルジヒド
ロキシナフトエ酸)炭素数11〜15の混合アルキルヒ
ドロキシフェニルエステル,(長鎖アルキル〔例えば、
炭素数30以上のポリデセンから誘導される基,数平均
分子量400以上のポリブテンから誘導される基〕ジヒ
ドロキシナフトエ酸)ドデシルヒドロキシフェニルエス
テル,(長鎖アルキル〔例えば、炭素数30以上のポリ
デセンから誘導される基,数平均分子量400以上のポ
リブテンから誘導される基〕ジヒドロキシナフトエ酸)
長鎖アルキル〔例えば、炭素数30以上のポリデセンか
ら誘導される基,数平均分子量400以上のポリブテン
から誘導される基〕ヒドロキシフェニルエステルなどを
挙げることができる。
【0038】これらの置換ヒドロキシ芳香族カルボン酸
エステル誘導体の中で、下記一般式(III)
【0039】
【化7】
【0040】(式中、R1 ,R2 ,b,d及びeは、前
記と同じであり、bとeの合計は2〜5である。) 又は下記一般式(III')
【0041】
【化8】
【0042】(式中、R3 ,R4 ,R5 ,h,k及びm
は、前記と同じであり、nは0,1又は2を示し、hと
nの合計は1〜6、mとnの合計は1〜3である。)で
表される化合物が好適である。
【0043】上記置換ヒドロキシ芳香族カルボン酸エス
テル誘導体においては、一般式(I)で表される化合物
一種からなるものであってもよく、二種以上からなるも
のであってもよい。また、前記一般式(II)で表される
化合物一種からなるものであってもよく、二種以上から
なるものであってもよい。さらに、該一般式(I)で表
される化合物一種以上と該一般式(II)で表される化合
物一種以上とからなるものであってもよい。
【0044】本発明のホウ素化こはく酸イミド系化合物
においては、(A)成分である前記ホウ素化こはく酸イ
ミド系化合物と(B)成分である前記一般式(I)又は
(II)で表される置換ヒドロキシ芳香族カルボン酸エス
テル誘導体の中から選ばれる少なくとも一種の化合物と
の配合割合は、質量比で1:99〜99:1、好ましく
は10:90〜90:10の範囲にあるのが望ましい。 3.用途 上述の本発明のホウ素化こはく酸イミド系化合物は、清
浄分散剤として有効に使用することができる。この清浄
分散剤を潤滑剤基油である炭化水素油や合成油に約0.
1〜80質量%の割合で配合して潤滑剤組成物を調整す
ることもできる。その際の好ましい配合量は約0.5〜
30質量%の範囲である。
【0045】また、この清浄分散剤は燃料油である炭化
水素油にも加えることもできる。その際の好ましい配合
量は約0.001〜1質量%の範囲である。ここで、炭
化水素油としては、ガソリン、灯油、軽油などの燃料油
又は潤滑油(例えば、パラフィン系鉱油、ナフテン系鉱
油、芳香族系鉱油など)などの留分のいずれでもよく、
溶剤精製、水素化精製又は水素化分解などのいかなる精
製法を経たものでも使用することができる。合成油とし
ては、ポリフェニルエ−テル、アルキルベンゼン、アル
キルナフタレン、エステル油、グリコ−ル系またはポリ
オレフィン系合成油などを使用することができる。潤滑
油留分としては、100℃における動粘度が1〜50m
2 /s好ましくは3〜20mm2 /sの範囲である。
【0046】上記こはく酸イミド系化合物を炭化水素油
や合成油の潤滑油留分あるいはそれらの混合物に配合し
たものは、内燃機関用潤滑油組成物(例えば、ディ−ゼ
ルエンジン用潤滑油組成物)、ギヤ油、軸受油、変速機
油、ショックアブソ−バ−油及び工業用潤滑油として使
用することができる。
【0047】本発明においては、潤滑油に通常配合され
る酸化防止剤、耐摩耗剤、粘度指数向上剤、流動点降下
剤及びその他の添加剤を使用してもよく、本発明のこは
く酸イミド系化合物の効果を阻害するものではない。
【0048】また、上記こはく酸イミド系化合物を炭化
水素の燃料油に配合したものは、内燃機関の気化器への
夾雑物の付着防止及び付着物を除去する清浄剤として使
用することができる。
【0049】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定さ
れるものではない。実施例1 1Lオートクレーブ中に,ポリブテン(Mn:980)
550g,臭化セチル1.5g(0.005モル),無
水マレイン酸59g(0.6モル)を入れ,窒素置換
し,240℃で5時間反応させた。215℃に降温し,
未反応の無水マレイン酸と臭化セチルを減圧留去し,1
40℃に降温して濾過した。得られたポリブテニルコハ
ク酸無水物の収量は550g,ケン化価は86mgKO
H/gであった。1Lセパラブルフラスコ中に,得られ
たポリブテニルコハク酸無水物500g,アミノエチル
ピペラジン(AEP)22g(0.17モル),ジエチ
レントリアミン(DETA)18g(0.17モル),
鉱油250gを入れ,窒素気流下150℃で2時間反応
させた。200℃に昇温し未反応のAEP,DETAと
生成水を減圧留去した。得られたポリブテニルコハク酸
イミドの収量は750g,塩基価(過塩素酸法)は51
mgKOH/gであった。500mLのセパラブルフラ
スコ中に,得られたポリブテニルコハク酸イミド150
gと硼酸20gを入れ,窒素気流下150℃で4時間反
応させた。150℃で生成水を減圧留去し,140℃に
降温して濾過した。生成物の収量は165g,ホウ素含
有量は2.1質量%であった。実施例2 アミノエチルピペラジン(AEP)22g(0.17モ
ル),ジエチレントリアミン(DETA)18g(0.
17モル)の代わりにアミノエチルピペラジン(AE
P)22g(0.17モル),トリエチレンテトラミン
(TETA)25g(0.17モル)を使用した以外
は,実施例1と同様に反応を行った。得られた生成物の
収量は165g,ホウ素含有量は2.1質量%であっ
た。実施例3 アミノエチルピペラジン(AEP)22g(0.17モ
ル),ジエチレントリアミン(DETA)18g(0.
17モル)の代わりにアミノエチルピペラジン(AE
P)31g(0.24モル),ジエチレントリアミン
(DETA)10g(0.10モル)を使用した以外
は,実施例1と同様に反応を行った。得られた生成物の
収量は160g,ホウ素含有量は2.1質量%であっ
た。実施例4 アミノエチルピペラジン(AEP)22g(0.17モ
ル),ジエチレントリアミン(DETA)18g(0.
17モル)の代わりにアミノエチルピペラジン(AE
P)5g(0.04モル),ジエチレントリアミン(D
ETA)31g(0.30モル)を使用した以外は,実
施例1と同様に反応を行った。得られた生成物の収量は
165g,ホウ素含有量は2.2質量%であった。実施例5 アミノエチルピペラジン(AEP)22g(0.17モ
ル),ジエチレントリアミン(DETA)18g(0.
17モル)の代わりにアミノエチルピペラジン(AE
P)14g(0.11モル),ジエチレントリアミン
(DETA)11.5g(0.11モル),トリエチレ
ンテトラミン(TETA)16g(0.11モル)を使
用した以外は,実施例1と同様に反応を行った。得られ
た生成物の収量は165g,ホウ素含有量は2.1質量
%であった。実施例6 アミノエチルピペラジン(AEP)22g(0.17モ
ル),ジエチレントリアミン(DETA)18g(0.
17モル)の代わりにアミノエチルピペラジン(AE
P)44g(0.34モル)を使用した以外は,実施例
1と同様に反応を行った。得られた生成物の収量は15
5g,ホウ素含有量は2.0質量%であった。なお、こ
の生成物は、実施例1〜5の生成物と違い、高粘度であ
るため取扱が困難であった。比較例1 アミノエチルピペラジン(AEP)22g(0.17モ
ル),ジエチレントリアミン(DETA)18g(0.
17モル)の代わりにトリエチレンテトラミン(TET
A)50g(0.34モル)のみを使用した以外は,実
施例1と同様に反応を行った。得られた生成物の収量は
165g,ホウ素含有量は2.0質量%であった。比較例2 比較例1のホウ素化前のポリブテニルコハク酸イミドを
使用した。比較例3 実施例1のホウ素化前のポリブテニルコハク酸イミドを
使用した。実施例7〜12、及び比較例4〜6 500ニュートラル留分の鉱油に実施例1〜6,及び比
較例1〜3で得られたこはく酸イミド系化合物10質量
%を配合し,潤滑油組成物を調整した。
【0050】これらの潤滑油組成物の性能を、下記に示
す条件でホットチューブ試験により評価した。その結果
を第1表に示す。実施例13〜18 500ニュートラル留分の鉱油に実施例1〜5で得られ
たイミド7.5質量%,ドデシルサリチル酸ドデシルフ
ェニルエステル2.5質量%を配合し,潤滑油組成物を
調整した。この潤滑油組成物の性能をホットチューブ試
験により評価した。その結果を第1表に示す。 〔ホットチューブ試験条件〕内径2mmのガラス管中に
供試油0.3ミリリットル/hr,空気10ミリリット
ル/min.をガラス管の温度を270℃に保ちながら
16時間流し続けた。ガラス管中に付着したラッカーと
色見本とを比較し,透明の場合は10点,黒の場合は0
点として評点を付けるとともに,ガラス管中に付着した
ラッカーの質量を測定した。評点が高いほど,また,ラ
ッカーが少ないほど高性能であることを示す。
【0051】
【表1】
【0052】上記表1の実施例7〜12と比較例1〜3
との対比より、本発明のホウ素化こはく酸イミド系化合
物を含有する潤滑剤組成物は従来のこはく酸イミド系化
合物よりいずれも270℃におけるホットチューブ試験
における評点が著しく高く、堆積物も極度に少ないとい
う、予想外の効果が認められる。
【0053】また、表1の実施例13〜18と実施例7
〜12の対比より、ホウ素化こはく酸イミド系化合物と
ドデシルサリチル酸ドデシルフェニルエステルとの混合
物を含有する潤滑剤組成物については、ホウ素化こはく
酸イミド系化合物のみの場合に比較して、さらに評点が
高く、効果は一層著しいことが分かる。
【0054】
【発明の効果】本発明のホウ素化こはく酸イミド系化合
物、及びこれと置換ヒドロキシ芳香族カルボン酸エステ
ル誘導体との混合物は、高温における安定性、高温にお
ける清浄性が極めて優れている。したがって、潤滑剤用
添加剤や燃料油添加剤として好適であり、これを含有す
る潤滑剤や燃料油組成物も優れた効果を発揮する。
【0055】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10N 30:08 C10N 30:08 40:25 40:25

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)数平均分子量200〜5,000
    のアルキル基又はアルケニル基で置換されたこはく酸若
    しくはその無水物と、(b)全体の5モル%以上が末端
    に環構造を有するポリアルキレンポリアミン、および
    (c)ホウ素化合物を反応させて得られるホウ素化こは
    く酸イミド系化合物。
  2. 【請求項2】 末端に環構造を有するポリアルキレンポ
    リアミンの末端の環構造が、下記の一般式(X) 【化1】 (式中、p,qは、それぞれ2〜4の整数を表す。)で
    表される構造である請求項1に記載のホウ素化こはく酸
    イミド系化合物。
  3. 【請求項3】 末端に環構造を有するポリアルキレンポ
    リアミンが、ポリアルキレンポリアミン全体の5〜95
    モル%である請求項1又は2に記載のホウ素化こはく酸
    イミド系化合物。
  4. 【請求項4】 末端に環構造を有するポリアルキレンポ
    リアミンが、ポリアルキレンポリアミン全体の10〜9
    0モル%である請求項1〜3のいずれかに記載のホウ素
    化こはく酸イミド系化合物。
  5. 【請求項5】 末端に環構造を有するポリアルキレンポ
    リアミンが、アミノアルキルピペラジンである請求項1
    〜4のいずれかに記載のこはく酸イミド系化合物。
  6. 【請求項6】 ホウ素含有量が0.05〜5質量%であ
    る請求項1〜5のいずれかに記載のホウ素化こはく酸イ
    ミド系化合物。
  7. 【請求項7】(A)請求項1〜6のいずれかに記載のホ
    ウ素化こはく酸イミド系化合物と、(B)下記一般式
    (I) 【化2】 〔式中、R1 及びR2 は、それぞれ炭素数6以上の有機
    基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていてもよ
    く、a,b,c,d及びeは、それぞれ1≦a≦3,1
    ≦b≦3,0≦c≦3,1≦d≦3,1≦e≦3,3≦
    (a+b+e)≦6及び1≦(c+d)≦5の関係を満
    たす整数を示す。また、R1 及びR2 が複数ある場合
    は、複数のR1 及びR2 は、それぞれにおいて同一でも
    異なっていてもよい。〕、及び下記一般式(II) 【化3】 〔式中、R3 ,R4 及びR5 は、それぞれ炭素数6以上
    の有機基を示し、それらはたがいに同一でも異なってい
    てもよく、f,g,h,i,j,k及びmは、それぞれ
    0≦f≦3,0≦g≦3,1≦(f+g)≦3,0≦h
    ≦4,0≦i≦3,1≦(h+i)≦6,0≦j≦3,
    1≦k≦3,1≦m≦3,0≦(f+h)≦4,1≦
    (g+i+m)≦4及び1≦(j+k)≦5の関係を満
    たす整数を示す。また、R3 ,R4 及びR5 が複数ある
    場合は、複数のR3 ,R4 及びR5 は、それぞれにおい
    て同一でも異なっていてもよい。〕で表される置換ヒド
    ロキシ芳香族カルボン酸エステル誘導体の中から選ばれ
    る少なくとも一種の化合物との混合物。
  8. 【請求項8】 請求項1〜6のいずれかに記載のホウ素
    化こはく酸イミド系化合物,又は請求項7に記載の混合
    物を含有する潤滑剤用添加剤。
  9. 【請求項9】 請求項1〜6のいずれかに記載のホウ素
    化こはく酸イミド系化合物,又は請求項7に記載の混合
    物を含有する燃料油添加剤。
  10. 【請求項10】 請求項8に記載の潤滑剤用添加剤を含
    有する潤滑剤組成物。
  11. 【請求項11】 請求項9に記載の燃料油添加剤を含有
    する燃料油組成物。
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