JP2001247623A - こはく酸イミド系化合物及びその用途 - Google Patents

こはく酸イミド系化合物及びその用途

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JP2001247623A
JP2001247623A JP2000384878A JP2000384878A JP2001247623A JP 2001247623 A JP2001247623 A JP 2001247623A JP 2000384878 A JP2000384878 A JP 2000384878A JP 2000384878 A JP2000384878 A JP 2000384878A JP 2001247623 A JP2001247623 A JP 2001247623A
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JP2000384878A
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Hiroaki Koujima
宏明 甲嶋
Izumi Terada
泉 寺田
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Idemitsu Kosan Co Ltd
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Idemitsu Kosan Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温安定性や高温清浄性に優れ、かつ微粒子
分散作用を有する無灰系清浄分散剤としての有用な新規
化合物を提供する。 【解決手段】 下記の一般式(I)で表されるこはく酸
イミド系化合物である。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なこはく酸イ
ミド系化合物及びその用途に関し、より詳しくは、潤滑
剤や燃料油などの清浄分散剤として有用な新規なこはく
酸イミド系化合物、その化合物を主成分とする潤滑剤用
添加剤及び燃料油添加剤、並びに潤滑剤組成物及び燃料
油組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の無灰系分散剤は,一般にこはく酸
イミド系及びヒドロキシベンジルアミン系等があり、そ
の顕著な微粒子分散作用が重視されて、ガソリン,ディ
ーゼル,2サイクルエンジン油等の潤滑油添加剤として
広範に使用されている。そして,これらはジアルキルジ
チオリン酸亜鉛,金属系清浄剤等との相乗効果も認めら
れ、極めて重要な潤滑剤用添加剤の1つとなっている。
しかし、高温における安定性、高温における清浄性が十
分でないことが度々指摘されている。
【0003】例えば、特公昭46−43631号公報に
は、油溶性を改善した酸化安定性無灰型清浄分散剤とし
て、アルキルフェノ−ル,ホルムアルデヒド及びポリア
ルキレンポリアミンの反応中間体をポリアルケニル無水
こはく酸と反応させて得られる反応生成物あるいは得ら
れる反応生成物をホウ素含有化合物と反応させて得られ
る反応生成物が開示されている。また、特開昭51−8
304号公報には、ポリアルケニル(無水)こはく酸と
ポリアルキレンポリアミンの反応中間体をアルデヒドの
存在下に芳香族アルコ−ル(例えば、アルキルフェノ−
ル,フェノ−ル,チオジフェノ−ル)を反応させて得ら
れる反応生成物が開示されている。しかしながら、これ
らの反応生成物も高温安定性を満足することができなか
った。
【0004】さらに、特開昭63−168492号公報
には、特公昭46−43631号公報に記載のホウ素含
有化合物の替わりにグリコ−ル酸と反応させて得られる
反応生成物が開示されているが、同様に高温安定性を満
足することができなかった。その他種々の提案が、例え
ば、特開昭61−69758号公報,特開平2−276
896号公報,特開平4−353598号公報などによ
ってなされているが、そのいずれも上記の問題を解決で
きるものではない。したがって、産業界では高温安定
性、高温清浄性に優れる潤滑剤などの添加剤や潤滑剤な
どの出現が切望されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の欠点を解消し、高温安定性、高温清浄性に優れ、か
つ微粒子分散作用を有する無灰系清浄分散剤としての有
用な新規な化合物、及びその化合物を主成分とする潤滑
剤用及び燃料油用添加剤並びにその添加剤を含有する潤
滑剤及び燃料油組成物を提供することを目的とするもの
である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、特定の化
学構造を有するこはく酸イミド系化合物、及びそのよう
な化合物を特定な化学反応若しくは物理化学的処理を行
ったこはく酸イミド系化合物が上記本発明の目的を効果
的に達成し得ることを見出し、本発明を完成したもので
ある。したがって、本発明の要旨は以下の通りである。 〔1〕 下記の一般式(I)、
【0007】
【化12】
【0008】〔式中、R1 は、分子量200〜5,00
0のアルキル基又はアルケニル基、Xは、環構造を含ん
でもよいポリアルキレンポリアミンの一方の末端アミノ
基を除いた1価の残基であって、その他方の末端が下記
の一般式(II)、
【0009】
【化13】
【0010】(式中、R2 とR3 はそれぞれ独立に水素
原子、又は炭化水素基を示す。ただし、R2 とR3 の両
方が同時に水素原子になることはない。)で表される基
である。〕で表されるこはく酸イミド系化合物。 〔2〕 一般式(II)におけるR2 とR3 の少なくとも
一方が、炭素数1〜16の直鎖又は分岐のアルキル基、
下記の一般式(III)、
【0011】
【化14】
【0012】(式中、R4 は炭素数1〜16の直鎖又は
分岐のアルキレン基、R5 は炭素数1〜16の直鎖又は
分岐のアルキル基、aは0〜3の整数を示す。)で表さ
れるアルキル基で置換されていてもよいフェニル基置換
アルキル基、若しくは下記の一般式(IV)、
【0013】
【化15】
【0014】(式中、R6 は炭素数1〜16の直鎖又は
分岐のアルキル基、bは0〜3の整数を示す。)で表さ
れるアルキル基で置換されていてもよいフェニル基であ
る前記〔1〕記載のこはく酸イミド系化合物。 〔3〕 (A)分子量200〜5,000のアルキル基
又はアルケニル基置換こはく酸若しくはその無水物と
(B)環構造を含んでもよいポリアルキレンポリアミン
との反応生成物を(C)アルキル化して得られるこはく
酸イミド系化合物。 〔4〕 アルキル化に用いるアルキル化剤が、下記の一
般式(V)、 R7-Y ・・・ (V) (式中、R7 は炭化水素基、Yはハロゲン原子又はスル
ホン酸基を示す。)で表される化合物である前記〔3〕
記載のこはく酸イミド系化合物。 〔5〕 一般式(V) におけるR7 の炭化水素基が、炭
素数1〜16の直鎖又は分岐のアルキル基、下記の一般
式(VI) 、
【0015】
【化16】
【0016】(式中、R8 は炭素数1〜16の直鎖又は
分岐のアルキレン基、R9 は炭素数1〜16の直鎖又は
分岐のアルキル基、cは0〜3の整数を示す。)で表さ
れるアルキル基で置換されていてもよいフェニル基置換
アルキル基、若しくは下記の一般式(VII)、
【0017】
【化17】
【0018】(式中、R10は炭素数1〜16の直鎖又は
分岐のアルキル基、dは0〜3の整数を示す。)で表さ
れるアルキル基で置換されていてもよいフェニル基であ
る前記〔4〕記載のこはく酸イミド系化合物。 〔6〕 アルキル化に用いるアルキル化剤が、下記の一
般式(VIII)、 R11- CHO ・・・ (VIII) (式中、R11は、炭化水素基を示す。)で表される化合
物であり、アルキル化が前記アルキル化剤を反応させた
後、水素添加する方法である前記〔3〕記載のこはく酸
イミド系化合物。 〔7〕 一般式(VIII)におけるR11の炭化水素基が、
炭素数1〜16の直鎖又は分岐のアルキル基、下記の一
般式(IX) 、
【0019】
【化18】
【0020】(式中、R12は炭素数1〜16の直鎖又は
分岐のアルキレン基、R13は炭素数1〜16の直鎖又は
分岐のアルキル基、eは0〜3の整数を示す。)で表さ
れるアルキル基で置換されていてもよいフェニル基置換
アルキル基、若しくは下記の一般式(X)、
【0021】
【化19】
【0022】(式中、R14は炭素数1〜16の直鎖又は
分岐のアルキル基,fは0〜3の整数を示す。)で表さ
れるアルキル基で置換されていてもよいフェニル基であ
る前記〔5〕記載のこはく酸イミド系化合物。 〔8〕 (A)分子量200〜5,000のアルキル基
又はアルケニル基置換こはく酸若しくはその無水物と
(D)下記の一般式(XI)、 H2 N−X ・・・ (XI) 〔式中、Xは環構造を含んでもよいポリアルキレンポリ
アミンの一方の末端アミノ基を除いた1価の残基であっ
て、その他方の末端が下記の式(XII)、
【0023】
【化20】
【0024】(式中、R15とR16はそれぞれ独立に水素
原子、又は炭化水素基を示す。ただし、R15とR16の両
方が同時に水素原子になることはない。)で表される基
を表す。〕で表される炭化水素基置換ポリアルキレンポ
リアミンを反応して得られるこはく酸イミド系化合物。
〔9〕 一般式(XII)におけるR15とR16の少なくとも
一方が、炭素数1〜16の直鎖又は分岐のアルキル基、
下記の一般式(XIII)、
【0025】
【化21】
【0026】(式中、R17は炭素数1〜16の直鎖又は
分岐のアルキレン基、R18は炭素数1〜16の直鎖又は
分岐のアルキル基,gは0〜3の整数を示す。)で表さ
れるアルキル基で置換されていていてもよいフェニル基
置換アルキル基、若しくは下記の一般式(XIV)、
【0027】
【化22】
【0028】(式中、R19は炭素数1〜16の直鎖又は
分岐のアルキル基、hは0〜3の整数を示す。)で表さ
れるアルキル基で置換されていてもよいフェニル基であ
る前記〔7〕記載のこはく酸イミド系化合物。 〔10〕 前記〔1〕〜
〔9〕のいずれかに記載のこは
く酸イミド系化合物を5質量%以上含有するこはく酸イ
ミド系化合物。 〔11〕前記〔1〕〜〔10〕のいずれかに記載のこは
く酸イミド系化合物を水素化及び/又は吸着剤によ
る接触処理をして得られるこはく酸イミド系化合物。 〔12〕前記〔1〕〜〔11〕のいずれかに記載のこは
く酸イミド系化合物をホウ素化合物と反応させて得られ
るこはく酸イミド系化合物。 〔13〕前記〔1〕〜〔12〕のいずれかに記載のこは
く酸イミド系化合物を主成分とする潤滑剤用添加剤。 〔14〕前記〔1〕〜〔12〕のいずれかに記載のこは
く酸イミド系化合物を主成分とする燃料油添加剤。 〔15〕前記〔13〕記載の潤滑剤用添加剤を含有する
潤滑剤組成物。 〔16〕前記〔14〕記載の燃料油添加剤を含有する燃
料油組成物。
【0029】
【発明の実施の形態】以下に、本発明について詳細に説
明する。本発明の第1のこはく酸イミド系化合物は、前
記一般式(I)で表されるこはく酸イミド系化合物であ
る。式(I)中、R1 は、数平均分子量(Mn;以下
「分子量」と称することがある。)約200〜5,00
0、好ましくは約500〜2,000のアルキル基又は
アルケニル基を示す。
【0030】このアルキル基又はアルケニル基の分子量
が200未満であると、こはく酸イミド系化合物が潤滑
油基油などに充分溶解しないことがあり、また、分子量
が5,000を超えると、こはく酸イミド系化合物が高
粘度になり、その取扱いが困難になることがある。この
ような分子量を有するアルキル基又はアルケニル基とし
ては、通常、炭素数2〜16のモノオレフィンやジオレ
フィンの重合体又は共重合体、若しくはそれらを水素化
したものが使用される。モノオレフィンの具体例として
は、例えばエチレン,プロピレン,ブテン,ブタジエ
ン,デセン,ドデセン,ヘキサデセンなどが挙げられ
る。これらのモノオレフィンの中で、本発明において
は、高温における清浄性を高め、かつ入手し易い点で、
特にブテンが好ましく、その重合体であるポリブテニル
基、さらにそれを水素化したアルキル基である水素化ポ
リブテニル基が好ましい。
【0031】また、本発明においては、一般式(I)に
おけるXは、環構造を含んでもよいポリアルキレンポリ
アミンの一方の末端アミノ基を除いた1価の基であっ
て、その他方の末端、即ち、一般式(I)の化合物の末
端が、前記の式(II)で表される基である。これは、一
般式(I)の化合物の末端が第2級又は第3級アミンで
あることを意味しており、このような化学構造を有する
こはく酸イミド系化合物が、高温清浄性などの性能を顕
著に高める作用を示すことが判明した。
【0032】この末端が第2級又は第3級アミンのこは
く酸イミド系化合物には、それ以外の化学構造のこはく
酸イミドを含んでいても顕著な効果を現わし、こはく酸
イミド系化合物中に、末端が第2級又は第3級アミンの
こはく酸イミドが、好ましくは5質量%以上、より好ま
しくは10質量%以上、特に好ましくは30質量%以上
含めばよい。
【0033】一般式(I)におけるXについて、さらに
詳述すると以下のようである。まず、環構造を含んでも
よいポリアルキレンポリアミンとは、直鎖又は分岐の、
即ち、非環構造のポリアルキレンポリアミン、環構造を
有するポリアルキレンポリアミン及びそれらの混合物の
いずれであってもよいことを意味している。
【0034】前記非環構造のポリアルキレンポリアミン
の代表例としては、エチレンジアミン,プロピレンジア
ミン,ジエチレントリアミン,トリエチレンテトラミ
ン,テトラエチレンペンタミン,ペンタエチレンヘキサ
ミン,ジブチレントリアミン,トリブチレントリアミン
などが挙げられる。また、環構造を有するポリアルキレ
ンポリアミンの代表例としては、例えば、アミノエチル
ピペラジン,アミノプロピルピペラジン,アミノブチル
ピペラジン,アミノ(ジエチレンジアミノ)ピペラジ
ン,アミノ(ジプロピルジアミノ)ピペラジンなどピペ
ラジニル構造を有するアミノアルキルピペラジンやジ
(アミノアルキル)ピペラジンが挙げられる。
【0035】これらの中で、トリエチレンテトラミン,
テトラエチレンペンタミン,ペンタエチレンヘキサミ
ン,アミノアルキルピペラジンなどが高温清浄性を高
め、入手が容易である点で特に好ましい。
【0036】本発明の一般式(I)におけるのXは、上
記のものであるとともに、その他方の末端構造が式(I
I)で表される基であることが必要である。式(II)に
おけるR2 とR3 は水素原子、又は炭化水素基を示し、
2 とR3はそれぞれ独立であって、同一であっても異
なってもよいが、両者が同時に水素原子になることはな
い。つまり、R2 とR3 のいずれか少なくとも1つが炭
化水素基である。この炭化水素基は特に制限はないが、
炭素数1〜50、さらには1〜30の炭化水素基が好ま
しい。この炭化水素基には、直鎖又は分岐、飽和又は不
飽和アルキル基,シクロアルキル基,アリ−ル基,アル
キル基置換アリ−ル基,アリ−ル基置換アルキル基など
が含まれる。
【0037】本発明における好ましい態様としては、式
(II)中の炭化水素基R2 又はR3がアルキル基、アル
キル基で置換されていてもよいフェニル基置換アルキル
基、若しくはアルキル基で置換されていてもよいフェニ
ル基の場合であり、中でも、特に炭素数1〜16の直鎖
又は分岐のアルキル基、一般式(III)で表されるアルキ
ル基で置換されていてもよいフェニル基置換アルキル
基、若しくは一般式(IV)で表されるアルキル基で置換
されていてもよいフェニル基の場合である。
【0038】上記炭素数1〜16の直鎖又は分岐のアル
キル基の具体例としては、メチル基,エチル基,n−プ
ロピル基,イソプロピル基,n−ブチル基,イソブチル
基,sec−ブチル基,各種アミル基,各種ヘキシル
基,各種オクチル基,デシル基,ドデシル基,ヘキサデ
シル基などが挙げられる。これらの中でも炭素数2〜1
2のアルキル基が特に好ましい。
【0039】また、一般式(III)で表されるアルキル基
で置換されていてもよいフェニル基置換アルキル基のR
4 は、炭素数1〜16の直鎖又は分岐のアルキレン基で
あり、R5 は炭素数1〜16の直鎖又は分岐のアルキル
基である。R4 の、炭素数1〜16の直鎖又は分岐のア
ルキレン基の具体例としては、メチレン基,エチレン
基,n−プロピレン基,イソプロピレン基,n−ブチレ
ン基,イソブチレン基,sec−ブチレン基,各種アミ
レン基,各種ヘキシレン基,各種オクチレン基,デシレ
ン基,ドデシレン基,ヘキサデシレン基などが挙げられ
る。これらの中でも炭素数2〜12のアルキレン基が特
に好ましい。
【0040】また、R5 の炭素数1〜16の直鎖又は分
岐のアルキル基の具体例としては、上述の炭素数1〜1
6の直鎖又は分岐のアルキル基として用いるものと同様
のものを挙げることができる。また、一般式(III)にお
けるaは0〜3の整数を示す。特にaが1である場合が
好ましい。
【0041】さらに、一般式(IV)で表されるアルキル
基で置換されていてもよいフェニル基におけるR6 も、
炭素数1〜16の直鎖又は分岐のアルキル基であり、そ
のアルキル基の具体例としては、前記と同様、炭素数1
〜16の直鎖又は分岐のアルキル基として用いるものと
同様なものを挙げることができる。また、一般式(IV)
におけるbは0〜3、好ましくは1の整数を示す。
【0042】したがって、一般式(I)におけるXの好
ましい具体例としては、例えば、下記のポリアルキレン
ポリアミンの末端アミノ基を除いた一価の残基が挙げら
れる。1−エチルエチレンジアミン,1−プロピルエチ
レンジアミン,1−ブチルエチレンジアミン,1−プロ
ピルジエチレントリアミン,1−プロピルトリエチレン
テトラミン,1−プロピルテトラエチレンペンタミン,
1−プロピルペンタエチレンヘキサミン,1−プロピル
ジブチレントリアミン,1−プロピルトリブチレンテト
ラミン,1−ブチルジエチレントリアミン,1−ブチル
トリエチレンテトラミン,1−ブチルテトラエチレンペ
ンタミン,1−ブチルペンタエチレンヘキサミン,1−
ブチルジブチレントリアミン,1−ブチルトリブチレン
テトラミン等のような1−アルキルポリアルキレンポリ
アミンなどがある。
【0043】次に、本発明の第2のこはく酸イミド系化
合物は、(A)分子量200〜5,000のアルキル基
又はアルケニル基置換こはく酸若しくはその無水物と
(B)環構造を含んでもよいポリアルキレンポリアミン
との反応生成物を(C)アルキル化して得られるこはく
酸イミド系化合物である。本発明の原料として用いる
(A)の分子量200〜5,000のアルキル基又はア
ルケニル基置換こはく酸若しくはその無水物は、アルキ
ル基又はアルケニル基をこはく酸若しくはその無水物と
反応して得ることができる。
【0044】このアルキル基又はアルケニル基として
は、前記一般式(I)におけるR1 のアルキル基又はア
ルケニル基として用いるものと同様のものを用いること
ができる。したがって、分子量約200〜5,000、
好ましくは約500〜2,000のポリブテニル基やそ
れを水素化したアルキル基である水素化ポリブテニル基
が好ましい具体例である。
【0045】また、本発明に用いる原料(B)の環構造
を含んでもよいポリアルキレンポリアミンとしては、非
環構造のポリアルキレンポリアミン、環構造を有するポ
リアルキレンポリアミン及びそれらの混合物が含まれ、
これらの具体例としては、前記一般式(I)のXを構成
する環構造を含んでもよいポリアルキレンポリアミンと
して例示したものと同様なものを挙げることができる。
但し、原料(B)として用いるポリアルキレンポリアミ
ンは、一般式(I)のXのようにその末端が特定の炭化
水素基である必要はないことは言うまでもない。
【0046】本発明においては、上記(A)と(B)の
反応生成物をアルキル化して得られるが、(A)と
(B)の反応方法は、公知の方法で行うことができる。
例えば、原料(A)と(B)の混合割合については、
(A):(B)が好ましくは0.1〜10:1(モル
比)、より好ましくは0.5〜2:1(モル比)の割合
で反応させることができる。
【0047】また、(A)と(B)の反応温度について
は、好ましくは80〜250℃、より好ましくは100
〜200℃で行う。反応を行うに際しては、原料の取扱
い上、又は反応を調整するために必要に応じて溶剤,例
えば炭化水素油等の有機溶剤を使用することもできる。
【0048】本発明においては、上記のようにして得ら
れた(A)と(B)の反応生成物をさらに(C)アルキ
ル化して本発明のこはく酸イミド系化合物を得る。この
アルキル化の方法については、特に制限はなく、いかな
る方法でもよいが、好ましい方法として、(C−1)ア
ルキル化に用いるアルキル化剤として、前記一般式
(V)で表される化合物を用いる方法、及び(C−2)
アルキル化に用いるアルキル化剤として、前記一般式
(VIII)で表される化合物を用い、アルキル化は前記ア
ルキル化剤を反応させた後、水素添加する方法が挙げら
れる。
【0049】上記(C−1)の方法によるアルキル化に
ついては、式(V)で表されるアルキル化剤を用いる
が、式(V)中のR7 の炭化水素基としては、炭素数が
1〜50のものが好ましく、炭素数が1〜30のものが
より好ましい。この炭化水素基については、前記、一般
式(I)の末端構造を構成する式(II)中のR2 とR3
と同様のものが該当する。したがって、好ましい炭化水
素基としては、アルキル基、アルキル基で置換されてい
てもよいフェニル基置換アルキル基、若しくはアルキル
基で置換されていてもよいフェニル基が挙げられ、中で
も、特に好ましい炭化水素基として、炭素数1〜16の
直鎖又は分岐のアルキル基、一般式(VI)で表されるア
ルキル基で置換されていてもよいフェニル基置換アルキ
ル基、若しくは一般式(VII)で表されるアルキル基で置
換されていてもよいフェニル基が挙げられる。一般式
(VI)中のR8 、R9 、cは、それぞれ一般式(III)中
のR4、R5 、aと同様である。また、一般式(VII)中
のR10、dは、それぞれ一般式(IV)中のR6 、bと同
様である。
【0050】また、式(V)中のYとしては、ハロゲン
原子やスルホン酸基が挙げられる。具体的には、ハロゲ
ン原子としてフッ素,塩素,臭素,ヨウ素などがあり、
スルホン酸基としては、トルエンスルホン酸基やメタン
スルホン酸基が挙げられる。上記アルキル化剤を用い
て、(A)と(B)の反応生成物をアルキル化する方法
としては、通常のアルキル化反応の条件で行えばよい。
例えば、(C−1)のアルキル化剤の配合量について
は、(A)と(B)の反応生成物中の原料(B)を基準
に(B):(C−1のアルキル化剤)が好ましくは1:
0.1〜10(モル比)、より好ましくは1:0.5〜
5(モル比)の割合で反応させることができる。
【0051】また、反応温度については、好ましくは0
〜200℃、より好ましくは0〜150℃で行う。反応
を行うに際して必要に応じて溶剤を使用することもでき
ることは、前記(A)と(B)の反応の場合と同様であ
る。
【0052】次に、(A)と(B)の反応生成物をアル
キル化する(C−2)の方法については、以下の通りで
ある。(C−2)のアルキル化に用いるアルキル化剤
は、式(VIII) で表されるが、式(VIII) 中の炭化水素
基であるR11については、前記式(V)のR7 の炭化水
素基として挙げたものと同様のものが挙げられる。した
がって、特に好ましいR 7 で表される炭化水素基として
は、炭素数1〜16の直鎖又は分岐のアルキル基、一般
式(IX)で表されるアルキル基で置換されていてもよい
フェニル基置換アルキル基、若しくは一般式(X)で表
されるアルキル基で置換されていてもよいフェニル基が
挙げられる。一般式(IX)中のR12、R13、eは、それ
ぞれ一般式(III)中のR4 、R5 、aと同様であり、ま
た、一般式(X)中のR14、fは、それぞれ一般式(I
V)中のR6 、bと同様である。
【0053】また、(A)と(B)の反応生成物と(C
−2)のアルキル化剤、つまり、式(VII)で表されるア
ルキル化剤との反応条件についても、上記(C−1)で
記載した条件で行うことができる。さらにまた、(C−
2)のアルキル化においては、(A)と(B)の反応生
成物と(C−2)のアルキル化剤とを反応させた後、さ
らに水素添加する。この水素添加の条件については、特
に制限はないが、例えば、水素を吹込みながら,あるい
は水素雰囲気下で水素添加触媒の存在下で行うことがで
きる。
【0054】この水素添加触媒としては、通常担体に金
属成分を担持したものを用いることができる。具体的に
は、珪藻土,アルミナ,シリカ,アルミナ,活性炭など
の無機酸化物担体に周期律表の第8〜10族元素、例え
ば、ニッケル,ルテニウム,パラジウム,白金,ロジウ
ム,イリジウムなどの金属成分を担持した触媒が挙げら
れる。なかでも、選択性などの点でニッケル系、パラジ
ウム系、白金系触媒が好ましく、具体例としては、ニッ
ケル/珪藻土、ニッケル/シリカアルミナ,ラネーニッ
ケル,パラジウム/カ−ボン,パラジウム/シリカアル
ミナ,酸化白金などがある。
【0055】また、水素添加の反応温度としては、特に
制限はないが0〜200℃が好ましく、50〜150℃
がより好ましい。水素添加の反応温度が0℃未満である
と、水素添加反応の速度が遅く経済的でなく、一方 反
応温度が200℃を超えると、生成物が分解し收率が低
下することがある。また、水素添加の反応圧力として
は、特に制限はないが0〜30MPa(G)が好まし
く、0.1〜10MPa(G)とするのがより好まし
い。
【0056】次に、本発明における第3のこはく酸イミ
ド系化合物は(A)分子量200〜5,000のアルキ
ル基又はアルケニル基置換こはく酸若しくはその無水物
と(D)炭化水素置換ポリアルキレンポリアミンを反応
して得られるこはく酸イミド系化合物である。本発明に
おける原料(A)については、前述の原料(A)と同様
のものを使用できる。
【0057】また、本発明における原料(D)として
は、通常前記式(XI)で表される炭化水素置換ポリアル
キレンポリアミンが使用できる。この式(XI)中のX
は、環構造を含んでもよいポリアルキレンポリアミンの
一方の末端アミノ基を除いた1価の残基であって、その
他方の末端が式(XII)で表される基を示している。この
式(XI)中のXは一般式(I)におけるXと同様の基を
示している。つまり、一般式(XII)中のR15、R16はそ
れぞれ、一般式(II)中のR 2、R3 と同様なものを表
している。したがって、一般式(XII)における炭化水素
基R15、R16の特に好ましい態様は、炭素数1〜16の
直鎖又は分岐のアルキル基、一般式(XIII) で表される
アルキル基で置換されていてもよいフェニル基置換アル
キル基、若しくは一般式(XIV)で表されるアルキル基で
置換されていてもよいフェニル基の場合である。一般式
(XIII) 中のR17、R18、gはそれぞれ一般式(III)中
のR4 、R5 、aと同様であり、また、一般式(XIV)中
のR19、hは、それぞれ一般式(IV)中のR6 、bと同
様である。
【0058】(D)の炭化水素置換ポリアルキレンポリ
アミンの好ましい具体例としては、例えば1−エチルエ
チレンジアミン,1−プロピルエチレンジアミン,1−
ブチルエチレンジアミン,1−プロピルジエチレントリ
アミン,1−プロピルトリエチレンテトラミン,1−プ
ロピルテトラエチレンペンタミン,1−プロピルペンタ
エチレンヘキサミン,1−プロピルジブチレントリアミ
ン,1−プロピルトリブチレンテトラミン,1−ブチル
ジエチレントリアミン,1−ブチルトリエチレンテトラ
ミン,1−ブチルテトラエチレンペンタミン,1−ブチ
ルペンタエチレンヘキサミン,1−ブチルジブチレント
リアミン,1−ブチルトリブチレンテトラミン等のよう
な1−アルキルポリアルキレンポリアミンが挙げられ
る。
【0059】これらは1種または2種以上用いることが
できる。本発明における(A)と(D)の反応方法につ
いては、特に制限はなく通常の方法で行えばよい。この
反応の原料の配合割合については、、好ましくは
(A):(D)を1〜10:1(モル比)、より好まし
くは1〜2:1(モル比)の割合で反応させることがで
きる。
【0060】また、(A)と(D)の反応における反応
温度については、好ましくは80〜250℃、より好ま
しくは100〜200℃で行う。反応を行うに際して溶
剤を使用することも前記と同様である。続いて、次の本
発明の第4のこはく酸イミド系化合物は、上記のこはく
酸イミド系化合物を水素化及び/又は吸着剤による
接触処理して得られるこはく酸イミド系化合物である。
【0061】本発明においては、上記の炭化水素置換こ
はく酸イミドなどを、の水素化のみを行ってもよいし
の吸着剤による接触処理のみを行ってもよい。と
の両方を行う場合、いずれを先に行ってもよい。これら
によって、さらに高温清浄性などを高めることができ
る。の水素化は、通常水素化触媒の存在下で行われ
る。
【0062】この水素化触媒としては、通常担体に金属
成分を担持したものを用いることができる。具体的な水
素化触媒としては、前記(C−2)のアルキル化におけ
る水素添加するときに使用する水素添加触媒と同様なも
のを挙げることができる。また、水素化の反応温度とし
ては、特に制限はないが0〜200℃が好ましく、20
〜150℃がより好ましい。水素化の反応温度が0℃未
満であると、水素化反応の速度が遅く経済的ではなく、
一方 反応温度が200℃を超えると、生成物が分解し
收率が低下することがある。
【0063】また、水素化の反応圧力としては、特に制
限はないが0〜30MPa(G)が好ましく、0.1〜
10MPa(G)とするのがより好ましい。なお、水素
化を行う時間は、通常30分〜5時間程度である。一
方、の吸着剤と接触処理する方法は、こはく酸イミド
系化合物又はその組成物を吸着剤と効率的に接触させて
行う。
【0064】この吸着剤としては、例えば,活性炭,カ
ーボン類,グラファイト,珪藻土,白土,ゼオライト,
ハイドロタルサイト,シリカ,アルミナなどが挙げられ
る。本発明においては、これらの中でも、活性炭,珪藻
土,白土,シリカ及びアルミナが吸着効率の点で好まし
い。これらの吸着剤は複数用いてもよい。
【0065】この接触処理に当たっては、取扱いを容易
にし、かつ接触効率を高めるため、こはく酸イミド系化
合物を、必要に応じて溶剤で希釈して行う。この希釈用
溶剤としては、特に制限はないが、有機溶剤、例えば、
石油系炭化水素,ヘキサン,ヘプタン,シクロヘキサ
ン,トルエン,キシレンなどが挙げられる。
【0066】また、接触処理を行う温度は、通常好まし
くは0〜200℃、より好ましくは20〜150℃であ
る。吸着剤との接触処理は、具体的には、こはく酸イミ
ド系化合物又はその溶剤希釈物に吸着剤を0.1〜10
質量%添加し、所望の温度に設定し通常攪拌して行う。
【0067】さらに、本発明の第5のこはく酸イミド系
化合物は、上記こはく酸イミドを(E)ホウ素化合物と
反応させて得られるこはく酸イミドである。この反応生
成物であるこはく酸イミド系化合物のホウ素(含有)量
としては、こはく酸イミド系化合物中のホウ素原子含有
量が0.05〜5質量%であるものが好ましく、0.1
〜4質量%であるものがより好ましい。
【0068】上記反応に用いる原料(E)のホウ素化合
物としては,例えば,ホウ酸,ホウ酸無水物,ホウ酸エ
ステル、酸化ホウ素,ハロゲン化ホウ素などが挙げられ
る。この反応原料であるホウ素化合物の配合割合は、ポ
リアルキレンポリアミンに対して、通常モル比で1:
0.05〜10が好ましく、1:0.5〜5がより好ま
しい。また、反応温度については、通常好ましくは50
〜250℃,より好ましくは100〜200℃である。
【0069】また、反応を行うに際して、取扱い上及び
反応を調整するために、こはく酸イミドなどを溶剤,例
えば炭化水素油等の有機溶剤を使用することもできる。
なお、上記の説明では、水素化及び/又は吸着剤に
よる接触処理の後にホウ素化反応を行っているが、本発
明においては、ホウ素化反応を行った後に水素化及び
/又は吸着剤による接触処理を行う方法であってもよ
い。
【0070】上述の本発明のこはく酸イミド系化合物
は、清浄分散剤として有効に使用することができる。こ
の清浄分散剤を潤滑油基油である炭化水素油や合成油に
約0.1〜80質量%の割合で配合して潤滑油組成物を
調製することもできる。その際の好ましい配合量は0.
5〜30質量%の範囲である。また、この清浄分散剤は
燃料油である炭化水素油にも加えることもできる。その
際の好ましい配合量は約0.001〜1質量%の範囲で
ある。
【0071】ここで、炭化水素油としては、ガソリン,
灯油,軽油などの燃料油又は潤滑油(例えば、パラフィ
ン系鉱油,ナフテン系鉱油,芳香族系鉱油など)などの
留分のいずれでもよく、溶剤精製、水素化精製又は水素
化分解などのいかなる精製法を経たものでも使用するこ
とができる。合成油としては、ポリフェニルエ−テル、
アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、エステル油、
グリコ−ル系またはポリオレフィン系合成油などを使用
することができる。潤滑油留分としては、100℃にお
ける動粘度が好ましくは1〜50mm2 /s、より好ま
しくは3〜20mm2 /sの範囲である。
【0072】上記こはく酸イミド系化合物を炭化水素油
や合成油の潤滑油留分あるいはそれらの混合物に配合し
たものは、内燃機関用潤滑油組成物(例えば、ディ−ゼ
ルエンジン用潤滑油組成物)、ギヤ油、軸受油、変速機
油、ショックアブソ−バ−油及び工業用潤滑油として使
用することができる。本発明においては、潤滑油に通常
配合される酸化防止剤、耐摩耗剤、粘度指数向上剤、流
動点降下剤及びその他の添加剤を使用してもよく、本発
明のこはく酸イミド系化合物の効果を阻害するものでは
ない。
【0073】また、上記こはく酸イミド系化合物を炭化
水素の燃料油に配合したものは、内燃機関の気化器への
夾雑物の付着防止及び付着物を除去する清浄剤として使
用することができる。
【0074】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定さ
れるものではない。製造例1 2Lオートクレーブ中に、ポリブテン(Mw:987)
1,100g、臭化セチル6.4g(0.021モ
ル)、無水マレイン酸115g(1.2モル)を入れ、
窒素置換し、240℃で5時間反応させた。215℃に
降温し、未反応の無水マレイン酸と臭化セチルを減圧留
去し、140℃に降温して濾過した。得られたポリブテ
ニルこはく酸無水物の収量は1,100g,ケン化価は
80mgKOH/gであった。2Lセパラブルフラスコ
中に、得られたポリブテニルこはく酸無水物500g、
テトラエチレンペンタミン(TEPA)64g(0.3
4モル)、150ニュートラル留分の鉱油300gを入
れ、窒素気流下150℃で2時間反応させた。200℃
に昇温し未反応のTEPAと生成水を減圧留去し,14
0℃に降温して濾過した。得られたポリブテニルこはく
酸イミドの収量は790g、塩基価は77mgKOH/
g、動粘度(100℃)は149mm2 /sであった。
【0075】製造例2 ポリブテン(Mw:987)の代わりにポリブテン(M
w:800)915gを使用したこと以外は,製造例1
と同様に反応を行った。得られたポリブテニルこはく酸
無水物の収量は940g、ケン化価は95mgKOH/
gであった。次いで、得られたポリブテニルこはく酸無
水物500g、テトラエチレンペンタミン(TEPA)
76g(0.40モル)、150ニュートラル留分の鉱
油300gを使用し、製造例1と同様に反応を行った。
得られたポリブテニルコハク酸イミドの収量は810
g、塩基価は85mgKOH/g、動粘度(100℃)
は109mm2 /sであった。
【0076】製造例3 ポリブテン(Mw:987)の代わりにポリブテン(M
w:445)890g、臭化セチル11g(0.036
モル)、無水マレイン酸397g(2.1モル)を使用
したこと以外は,製造例1と同様に反応を行った。得ら
れたポリブテニルこはく酸無水物の収量は990g、ケ
ン化価は142mgKOH/gであった。次いで,得ら
れたポリブテニルこはく酸無水物500g、トリエチレ
ンテトラミン(TETA)88g(0.60モル)、1
50ニュートラル留分の鉱油300gを使用し、製造例
1と同様に反応を行った。得られたポリブテニルこはく
酸イミドの収量は820g、塩基価は98mgKOH/
g、動粘度(100℃)は130mm2 /sであった。
【0077】実施例1 300mLオートクレーブに、製造例1で得られたポリ
ブテニルこはく酸イミド100g、n−ブチルアルデヒ
ド4.3g(0.06モル)、n−ヘキサン100m
l、5%パラジウムカーボン1gを入れ、オートクレー
ブ内を水素ガスで置換した。水素圧を1MPa(G)に
し、室温で2時間攪拌した後、100℃に加温し6時間
反応させた。降温後反応物を取り出し濾過した。n−ヘ
キサンを留去後、101gの生成物を得た。
【0078】実施例2 n−ブチルアルデヒドの代わりにベンズアルデヒド6.
4g(0.06モル)を使用したこと以外は、実施例1
と同様に反応を行った。収量は102gであった。
【0079】実施例3 製造例1で得られたポリブテニルこはく酸イミドの代わ
りに製造例2で得られたポリブテニルコハク酸イミド1
00g、n−ブチルアルデヒド5.0g(0.07モ
ル)を使用したこと以外は,実施例1と同様に反応を行
った。収量は102gであった。
【0080】実施例4 製造例1で得られたポリブテニルこはく酸イミドの代わ
りに製造例3で得られたポリブテニルコハク酸イミド1
00g、n−ブチルアルデヒド8.6g(0.12モ
ル)を使用したこと以外は、実施例1と同様に反応を行
った。収量は104gであった。
【0081】実施例5 300mLオートクレーブに、トリエチレンテトラミン
(TETA)20g(0.14モル)、n−ブチルアル
デヒド10g(0.14モル)、5%パラジウムカーボ
ン0.7gを入れ,オートクレーブ内を水素ガスで置換
した。水素圧を1MPa(G)にした後、100℃に加
温し6時間反応させた。降温後反応物を取り出し濾過し
た。28gの生成物を得た。500mLセパラブルフラ
スコ中に、この生成物22g(0.11モル)、製造例
1の中間体として得られたポリブテニルこはく酸無水物
175g、150ニュートラル留分の鉱油105gを入
れ、窒素気流下150℃で2時間反応させた。200℃
に昇温し未反応の生成物と生成水を減圧留去し、140
℃に降温して濾過した。得られたポリブテニルこはく酸
イミド系化合物の収量は270g、塩基価は61mgK
OH/g、動粘度(100℃)は140mm2 /sであ
った。
【0082】実施例6〜10 200mLのセパラブルフラスコ中に、実施例1〜5で
得られたポリブテニルこはく酸イミド系化合物60gと
硼酸8gを入れ、窒素気流下150℃で4時間反応させ
た。150℃で生成水を減圧留去し、140℃に降温し
て濾過した。生成物の性状は第1表に示す。
【0083】実施例11〜15 500ニュートラル留分の鉱油に実施例1〜5で得られ
たポリブテニルこはく酸イミド系化合物10質量%を配
合し、潤滑油組成物を調製した。この潤滑油組成物の性
能をホットチューブ試験により評価した。その結果を第
2表に示す。
【0084】実施例16〜20 500ニュートラル留分の鉱油に実施例6〜10で得ら
れたポリブテニルこはく酸イミド系化合物10質量%を
配合し、潤滑油組成物を調製した。この潤滑油組成物の
性能をホットチューブ試験により評価した。その結果を
第3表に示す。
【0085】比較例1〜3 200mLのセパラブルフラスコ中に、製造例1〜3で
得られたポリブテニルこはく酸イミド60gと硼酸8g
を入れ、窒素気流下150℃で4時間反応させた。15
0℃で生成水を減圧留去し、140℃に降温して濾過し
た。生成物の性状は第1表に示す。
【0086】比較例4〜6 500ニュートラル留分の鉱油に製造例1〜3で得られ
たポリブテニルこはく酸イミド10質量%を配合し、潤
滑油組成物を調製した。この潤滑油組成物の性能をホッ
トチューブ試験により評価した。その結果を第2表に示
す。
【0087】比較例7〜9 500ニュートラル留分の鉱油に比較例1〜3で得られ
たポリブテニルこはく酸イミド10質量%を配合し、潤
滑油組成物を調製した。この潤滑油組成物の性能をホッ
トチューブ試験により評価した。その結果を第3表に示
す。 〔ホットチューブ試験条件〕内径2mmのガラス管中に
供試油0.3ミリリットル/hr、空気10ミリリット
ル/min.をガラス管の温度を230℃又は270℃
に保ちながら16時間流し続けた。ガラス管中に付着し
たラッカーと色見本とを比較し、透明の場合は10点、
黒の場合は0点として評点を付けるとともに、ガラス管
中に付着したラッカーの質量を測定した。評点が高いほ
ど、また、ラッカーが少ないほど高性能であることを示
す。
【0088】
【表1】
【0089】
【表2】
【0090】
【表3】
【0091】上記第2表の実施例11〜15と比較例4
〜6との対比より、本発明のこはく酸イミド系化合物を
含有する潤滑油組成物は従来品よりいずれもホットチュ
ーブ試験における評点が著しく高く、堆積物も極度に少
ないことがわかる。また、第3表の実施例16〜20と
比較例7〜9との対比より、ホウ素化合物と反応して得
られたこはく酸イミド系化合物を含有する潤滑油組成物
についても同様であり、その効果は一層著しいことがわ
かる。
【0092】
【発明の効果】本発明のこはく酸イミド系化合物は高温
における安定性、高温における清浄性が極めて優れてい
る。したがって、潤滑剤用添加剤や燃料油添加剤として
好適であり、これを含有する潤滑剤や燃料油組成物も優
れた効果を発揮する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10L 10/04 C10L 10/04 C10M 133/56 C10M 133/56 // C10N 30:04 C10N 30:04

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の一般式(I)、 【化1】 〔式中、R1 は、分子量200〜5,000のアルキル
    基又はアルケニル基、Xは、環構造を含んでもよいポリ
    アルキレンポリアミンの一方の末端アミノ基を除いた1
    価の残基であって、その他方の末端が下記の一般式(I
    I)、 【化2】 (式中、R2 とR3 はそれぞれ独立に水素原子、又は炭
    化水素基を示す。ただし、R2 とR3 の両方が同時に水
    素原子になることはない。)で表される基である。〕で
    表されるこはく酸イミド系化合物。
  2. 【請求項2】 一般式(II)におけるR2 とR3 の少な
    くとも一方が、炭素数1〜16の直鎖又は分岐のアルキ
    ル基、下記の一般式(III)、 【化3】 (式中、R4 は炭素数1〜16の直鎖又は分岐のアルキ
    レン基、R5 は炭素数1〜16の直鎖又は分岐のアルキ
    ル基、aは0〜3の整数を示す。)で表されるアルキル
    基で置換されていてもよいフェニル基置換アルキル基、
    若しくは下記の一般式(IV)、 【化4】 (式中、R6 は炭素数1〜16の直鎖又は分岐のアルキ
    ル基、bは0〜3の整数を示す。)で表されるアルキル
    基で置換されていてもよいフェニル基である請求項1記
    載のこはく酸イミド系化合物。
  3. 【請求項3】 (A)分子量200〜5,000のアル
    キル基又はアルケニル基置換こはく酸若しくはその無水
    物と(B)環構造を含んでもよいポリアルキレンポリア
    ミンとの反応生成物を(C)アルキル化して得られるこ
    はく酸イミド系化合物。
  4. 【請求項4】 アルキル化に用いるアルキル化剤が、下
    記の一般式(V)、 R7-Y ・・・ (V) (式中、R7 は炭化水素基、Yはハロゲン原子又はスル
    ホン酸基を示す。)で表される化合物である請求項3記
    載のこはく酸イミド系化合物。
  5. 【請求項5】 一般式(V)におけるR7 の炭化水素基
    が、炭素数1〜16の直鎖又は分岐のアルキル基、下記
    の一般式(VI) 、 【化5】 (式中、R8 は炭素数1〜16の直鎖又は分岐のアルキ
    レン基、R9 は炭素数1〜16の直鎖又は分岐のアルキ
    ル基、cは0〜3の整数を示す。)で表されるアルキル
    基で置換されていてもよいフェニル基置換アルキル基、
    若しくは下記の一般式(VII)、 【化6】 (式中、R10は炭素数1〜16の直鎖又は分岐のアルキ
    ル基、dは0〜3の整数を示す。)で表されるアルキル
    基で置換されていてもよいフェニル基である請求項4記
    載のこはく酸イミド系化合物。
  6. 【請求項6】 アルキル化に用いるアルキル化剤が、下
    記の一般式(VIII)、 R11- CHO ・・・ (VIII) (式中、R11は、炭化水素基を示す。)で表される化合
    物であり、アルキル化が前記アルキル化剤を反応させた
    後、水素添加する方法である請求項3記載のこはく酸イ
    ミド系化合物。
  7. 【請求項7】 一般式(VIII)におけるR11の炭化水素
    基が、炭素数1〜16の直鎖又は分岐のアルキル基、下
    記の一般式(IX) 、 【化7】 (式中、R12は炭素数1〜16の直鎖又は分岐のアルキ
    レン基、R13は炭素数1〜16の直鎖又は分岐のアルキ
    ル基、eは0〜3の整数を示す。)で表されるアルキル
    基で置換されていてもよいフェニル基置換アルキル基、
    若しくは下記の一般式(X)、 【化8】 (式中、R14は炭素数1〜16の直鎖又は分岐のアルキ
    ル基,fは0〜3の整数を示す。)で表されるアルキル
    基で置換されていてもよいフェニル基である請求項5記
    載のこはく酸イミド系化合物。
  8. 【請求項8】 (A)分子量200〜5,000のアル
    キル基又はアルケニル基置換こはく酸若しくはその無水
    物と(D)下記の一般式(XI)、 H2 N−X ・・・ (XI) 〔式中、Xは環構造を含んでもよいポリアルキレンポリ
    アミンの一方の末端アミノ基を除いた1価の残基であっ
    て、その他方の末端が下記の式(XII)、 【化9】 (式中、R15とR16はそれぞれ独立に水素原子、又は炭
    化水素基を示す。ただし、R15とR16の両方が同時に水
    素原子になることはない。)で表される基を表す。〕で
    表される炭化水素基置換ポリアルキレンポリアミンを反
    応して得られるこはく酸イミド系化合物。
  9. 【請求項9】 一般式(XII)におけるR15とR16の少な
    くとも一方が、炭素数1〜16の直鎖又は分岐のアルキ
    ル基、下記の一般式(XIII)、 【化10】 (式中、R17は炭素数1〜16の直鎖又は分岐のアルキ
    レン基、R18は炭素数1〜16の直鎖又は分岐のアルキ
    ル基,gは0〜3の整数を示す。)で表されるアルキル
    基で置換されていていてもよいフェニル基置換アルキル
    基、若しくは下記の一般式(XIV)、 【化11】 (式中、R19は炭素数1〜16の直鎖又は分岐のアルキ
    ル基、hは0〜3の整数を示す。)で表されるアルキル
    基で置換されていてもよいフェニル基である請求項7記
    載のこはく酸イミド系化合物。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかに記載のこは
    く酸イミド系化合物を5質量%以上含有するこはく酸イ
    ミド系化合物。
  11. 【請求項11】請求項1〜10のいずれかに記載のこは
    く酸イミド系化合物を水素化及び/又は吸着剤によ
    る接触処理をして得られるこはく酸イミド系化合物。
  12. 【請求項12】請求項1〜11のいずれかに記載のこは
    く酸イミド系化合物をホウ素化合物と反応させて得られ
    るこはく酸イミド系化合物。
  13. 【請求項13】請求項1〜12のいずれかに記載のこは
    く酸イミド系化合物を主成分とする潤滑剤用添加剤。
  14. 【請求項14】請求項1〜12のいずれかに記載のこは
    く酸イミド系化合物を主成分とする燃料油添加剤。
  15. 【請求項15】請求項13記載の潤滑剤用添加剤を含有
    する潤滑剤組成物。
  16. 【請求項16】請求項14記載の燃料油添加剤を含有す
    る燃料油組成物。
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