JP2012509962A5 - - Google Patents

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カルボン酸および芳香族ポリアミンで官能基化されたポリマーを含有する潤滑組成物
(発明の分野)
本発明は、潤滑粘性の油およびアミン官能化添加剤を含む潤滑組成物を提供し、ここで上記アミン官能化添加剤は、少なくとも3個の芳香族基、少なくとも1個の−NH官能基、および少なくとも2個の二級もしくは三級アミノ基を有するアミンから得られる。本発明は、分散および/もしくは分散粘性改変特性を有する添加剤をさらに提供する。上記潤滑組成物は、内燃機関を潤滑するために適している。
(発明の背景)
エンジン製造業者は、粒状排出物の排出、他の汚染物質の排出、きれいにすること(cleanliness)を最小限にし、燃費および燃料効率も改善するために、エンジン設計を改善することに焦点当ててきた。エンジン設計における改善のうちの1つは、排気再循環(EGR)エンジンの使用である。エンジン設計および運転における改善は、排気を減らすことに寄与したが、いくつかのエンジン設計の進歩は、潤滑剤に対して他の難題を生み出したと考えられる。例えば、EGRは、すすおよびスラッジの形成および/もしくは蓄積の増大をもたらしたと考えられる。
増大したすす媒介性の油の濃化は、ヘビーデューティーディーゼルエンジンにおいては一般的である。いくつかのディーゼルエンジンは、EGRを採用している。EGRエンジンにおいて形成されるすすは、異なる構造を有し、EGRなしのエンジンにおけるすすの形成より低いすすレベルで、エンジン潤滑剤の粘性の増大を引き起こす。すす媒介性の油の濃化を緩和する試みが、以下でまとめる参考文献において開示されている。
マレイン酸無水物でラジカルによりグラフト化されかつ種々のアミンと反応したエチレン−プロピレンコポリマーから作製される伝統的な分散粘性改変剤(DVM)は、ディーゼルエンジンにおける油の濃化を防止するための望ましい性能を示した。芳香族アミンは、この点に関して、よい性能を示すといわれている。このタイプのDVMは、例えば、特許文献1;特許文献2;特許文献3;および特許文献4に開示されている。
特許文献5は、芳香族アミン(例えば、4−アミノジフェニルアミン)でキャップされたマレイン酸無水物グラフト化エチレン−プロピレンコポリマーを利用することによって、EGRのすすを制御することを開示している。
特許文献6は、エチレンα−モノオレフィンコポリマーを含む粘性指数改善剤(viscosity index improver)として、エチレン不飽和カルボン酸物質でグラフト化しかつアゾ含有芳香族アミン化合物で誘導体化したエチレンα−モノオレフィンコポリマーを含む、官能化グラフトコポリマーを開示している。
特許文献7は、不飽和反応性モノマーをグラフト化し、その後、アミン含有スルホンアミドユニットを反応させたポリマーを含む潤滑油のための、多官能性粘性指数改善剤を開示している。上記ポリマーは、エチレン−プロピレンコポリマーもしくはエチレン−プロピレン−ジエンターポリマーのいずれかである。
特許文献8は、アミ含有芳香族アミン物質で誘導体化したエチレン不飽和カルボン酸でグラフト化した、エチレンα−モノオレフィンコポリマーを開示している。
特許文献9は、スルホンアミド、ニトロアニリン、ジ芳香族ジアゾ化合物、アニリドもしくはフェノキシアニリドでキャップされた、マレイン酸無水物グラフト化エチレン−プロピレンコポリマーを開示している。上記コポリマーは、EGRのすすを制御するのに有用である。
潤滑剤に適した他の分散粘性改変ポリマーは、ポリアクリルコポリマー(特許文献10の開示を含む)を含むことを企図した。
特許文献11は、スクシネート化ポリブチレンが、アルキルアポリアミンと縮合して、スクシンイミド分散剤を作るか、もしくはアルキルポリオールと縮合して、コハク酸エステル分散剤を作るかのいずれかの組成物を開示している。
特許文献12は、約300〜3500の範囲の平均分子量を有するグラフトおよびアミン誘導体化ポリマーを含む添加剤組成物を開示し、上記グラフトおよびアミン誘導体化ポリマーは、少なくとも1個のオレフィン性カルボン酸アシル化剤と反応して、1個以上のアシル化反応中間体(それらの構造内にカルボン酸アシル化機能を有し、かつ上記反応中間体と、N−アリールフェニレンジアミン、アミノチアゾール、アミノカルバゾール、アミノ−インダゾリノン、アミノメルカプトトリアゾールおよびアミノピリミジンからなる群のアミノ芳香族ポリアミン化合物とを反応させて、上記グラフトおよびアミン誘導体化コポリマーを形成することによって特徴付けられる)を形成する。
特許文献13および特許文献14はともに、ヒドロカルビル置換コハク酸アシル化剤、ならびに脂肪族ポリアミンおよび芳香族ポリアミンを含む混合物のアミノ化生成物を開示している。上記混合物中の脂肪族ポリアミン 対 芳香族ポリアミンのモル比は、約10:0.1〜約0.1:10の範囲に及ぶ。
米国特許出願第60/987499号は、(1)アントラニル酸無水物と、(i)アミン(ここで上記アミンは、一級アミノ基もしくは二級アミノ基を含む);(ii)アルコール;(iii)アミノアルコール;もしくは(iv)チオールのいずれかとを反応させて、生成物を形成するプロセス;および(2)上記(1)の生成物と、(i)無水物基(anhydride group);(ii)カルボン酸基;もしくは(iii)アシル基のいずれかを含むポリマーとを反応させて、添加剤を形成するプロセスによって得られる添加剤を開示している。
米国特許第4,863,623号明細書 米国特許第6,107,257号明細書 米国特許第6,107,258号明細書 米国特許第6,117,825号明細書 米国特許第4,863,623号明細書 米国特許第5,409,623号明細書 米国特許第5,356,999号明細書 米国特許第5,264,140号明細書 国際公開第2006/015130号 英国特許第768701号明細書 米国特許第4,234,435号明細書 米国特許第5,182,041号明細書 米国特許第7,361,629号明細書 米国特許出願公開第2008/0171678号明細書
(発明の要旨)
本発明者らは、(i)粘性増大(しばしば、6重量%以上のすす負荷において、100℃で12mm/秒(cSt)未満の粘性を有する)を軽減し得る潤滑組成物、ならびに/または(ii)広い範囲の温度にわたって比較的安定な粘性を維持する潤滑油組成物、のうちの少なくとも一方を提供することは、粘性指数改良剤もしくはDVMが、広い温度範囲にわたって粘性を制御し、すすを制御するために使用され得るので、望ましいことであり得ることが発見された。よって、これはまた、粘性指数改良剤が、(i)および(ii)を達成し得れば、望ましいことであり得る。
本発明者らは、上記潤滑組成物が、(i)分散性(dispersancy)、(ii)きれいにすること、ならびに(iii)すす媒介性の油の濃化および/もしくはスラッジ形成の受容可能なレベルを有する潤滑剤を提供すること、のうちの少なくとも1つを提供し得ることを発見した。よって、上記組成物はまた、添加剤が、分散特性を提供し得、必要に応じて、すす媒介性の油の濃化および/もしくはスラッジ形成の受容可能なレベルを提供し得る場合、特に望ましい可能性がある。
一実施形態において、本発明は、潤滑粘性の油およびアミン官能化添加剤を含む潤滑組成物を提供し、ここで上記アミン官能化添加剤は、少なくとも3個の芳香族基(もしくは少なくとも4個の芳香族基)、少なくとも1個の−NH官能基、および少なくとも2個の二級もしくは三級アミノ基を有するアミンから得られる。
一実施形態において、本発明は、潤滑粘性の油、ならびにカルボン酸官能化ポリマーと、少なくとも3個の芳香族基(もしくは少なくとも4個の芳香族基)、少なくとも1個の−NH官能基、および少なくとも2個の二級もしくは三級アミノ基を有するアミンとを反応させることによって得られる/得ることができる生成物を含む潤滑組成物を提供する。
一実施形態において、本発明は、潤滑粘性の油、ならびにカルボン酸(例えば、脂肪酸)と、少なくとも3個の芳香族基(もしくは少なくとも4個の芳香族基)、少なくとも1個の−NH官能基、および少なくとも2個の二級もしくは三級アミノ基を有するアミンとを反応させることによって得られる/得ることができる生成物を含む潤滑組成物を提供する。
上記脂肪酸としては、ドデカン酸、デカン酸、トール油酸(tall oil acid)、10−メチル−テトラデカン酸、3−エチル−ヘキサデカン酸、および8−メチル−オクタデカン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、リノール酸、ベヘン酸、ヘキサトリアコンタン酸、テトラプロピレニル−置換グルタル酸、ポリブチレンから得られるポリブテニル−置換コハク酸、ポリプロペン由来のポリプロペニル−置換コハク酸、オクタデシル−置換アジピン酸、クロロステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、9−メチルステアリン酸、ジクロロステアリン酸、リシノール酸、レスケロール酸(lesquerellic acid)、ステアリル安息香酸、エイコサニル−置換ナフトエ酸、ジラウリル−デカヒドロナフタレンカルボン酸、2−プロピルヘプタン酸、2−ブチルオクタン酸(butyloctanoic acid)またはこれらの混合物が挙げられる。一実施形態において、上記カルボン酸は、ドデカン酸、デカン酸、トール油酸、10−メチル−テトラデカン酸、3−エチル−ヘキサデカン酸および8−メチル−オクタデカン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、リノール酸、ベヘン酸もしくはこれらの混合物であり得る。
一実施形態において、本発明は、潤滑粘性の油、ならびに少なくとも3個の芳香族基(もしくは少なくとも4個の芳香族基)、少なくとも1個の−NH官能基、および少なくとも2個の二級もしくは三級アミノ基を有するアミンから得られるアミン官能化添加剤を含む潤滑組成物を提供し、ここで上記−NH基は、ヒドロカルビル置換フェノール(代表的には、アルキルフェノール)およびアルデヒドとを、マンニッヒ反応で縮合して、上記アミンを上記ヒドロカルビル置換フェノールへ共有結合させる。
一実施形態において、本発明は、内燃機関を潤滑するための方法を提供し、上記方法は、上記内燃機関に、潤滑粘性の油およびアミン官能化添加剤を含む潤滑組成物を供給する工程を包含し、ここで上記アミン官能化添加剤は、少なくとも3個の芳香族基(もしくは少なくとも4個の芳香族基)、少なくとも1個の−NH官能基、および少なくとも2個の二級もしくは三級アミノ基を有するアミンから得られる。
一実施形態において、本発明は、内燃機関を潤滑するための方法を提供し、上記方法は、上記内燃機関に、潤滑組成物を供給する工程を包含し、上記潤滑組成物は、潤滑粘性の油およびカルボン酸官能化ポリマーと、少なくとも3個の芳香族基(もしくは少なくとも4個の芳香族基)、少なくとも1個の−NH官能基、および少なくとも2個の二級もしくは三級アミノ基を有するアミンとを反応させることによって得られる/得ることができる生成物を含む。
一実施形態において、本発明は、潤滑剤において、カルボン酸官能化ポリマーと、少なくとも3個の芳香族基(もしくは少なくとも4個の芳香族基)、少なくとも1個の−NH官能基、および少なくとも2個の二級もしくは三級アミノ基を有するアミンとを反応させることによって得られる/得ることができる生成物の、分散剤もしくは分散粘性改変剤としての使用を提供する。
一実施形態において、本発明は、内燃機関潤滑剤において、カルボン酸官能化ポリマーと、少なくとも3個の芳香族基(もしくは少なくとも4個の芳香族基)、少なくとも1個の−NH官能基、および少なくとも2個の二級もしくは三級アミノ基を有するアミンとを反応させることによって得られる/得ることができる生成物の、分散剤もしくは分散粘性改変剤としての使用を提供する。
一実施形態において、本発明は、エンジン潤滑剤におけるすす媒介性の油の濃化を低下させるための方法を提供し、上記方法は、上記潤滑剤中に、アミン官能化添加剤を含める工程を包含し、ここで上記アミン官能化添加剤は、少なくとも3個の芳香族基(もしくは少なくとも4個の芳香族基)、少なくとも1個の−NH官能基、および少なくとも2個の二級もしくは三級アミノ基を有するアミンから得られる。
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
潤滑粘性の油およびアミン官能化添加剤を含む潤滑組成物であって、ここで該アミン官能化添加剤は、少なくとも3個の芳香族基、少なくとも1個の−NH 官能基、および少なくとも2個の二級もしくは三級アミノ基を有するアミンから誘導される、潤滑組成物。
(項目2)
前記アミン官能化添加剤は、少なくとも4個の芳香族基、少なくとも1個の−NH 官能基、および少なくとも2個の二級もしくは三級アミノ基を有するアミンから誘導される、項目1に記載の潤滑組成物。
(項目3)
前記少なくとも3個の芳香族基、少なくとも1個の−NH 官能基、および少なくとも2個の二級もしくは三級アミノ基を有するアミンは、以下の式:

によって表され、ここで各変数は独立して、
は、水素もしくはC 1−5 アルキル基であり;
は、水素もしくはC 1−5 アルキル基であり;
Uは、脂肪族基、脂環式基もしくは芳香族基であり、ただしUが脂肪族のとき、該脂肪族基は、1〜5個、もしくは1〜2個の炭素原子を含む直鎖もしくは分枝鎖のアルキレン基であり得;そして
wは、1〜10、もしくは1〜4、もしくは1〜2、もしくは1である、
項目1または2に記載の潤滑組成物。
(項目4)
前記少なくとも3個の芳香族基を有するアミンは、ビス[p−(p−アミノアニリノ)フェニル]−メタン、2−(7−アミノ−アクリジン−3−イルメチル)−N−4−{4−[4−(4−アミノ−フェニルアミノ)−ベンジル]−フェニル}−ベンゼン−1,4−ジアミン、もしくはこれらの混合物である、項目1〜3のいずれか1項に記載の潤滑組成物。
(項目5)
前記アミン官能化添加剤は、前記少なくとも3個の芳香族基、少なくとも1個の−NH 官能基、および少なくとも2個の二級もしくは三級アミノ基を有するアミンと、カルボン酸官能化ポリマーとを反応させることによって得られる/得ることができる生成物である、項目1〜4のいずれか1項に記載の潤滑組成物。
(項目6)
前記カルボン酸官能化ポリマーは、ポリイソブチレン−コハク酸無水物ポリマー、マレイン酸無水物−スチレンコポリマー、マレイン酸無水物−スチレンコポリマーのエステル、αオレフィン−マレイン酸無水物コポリマー、あるいは(i)スチレン−エチレン−αオレフィンポリマー、(ii)水素化アルケニルアリール共役ジエンコポリマー、(iii)ポリオレフィン、もしくは(iv)水素化イソプレンポリマー、またはこれらの混合物のマレイン酸無水物グラフトコポリマーである、項目1〜5のいずれか1項に記載
の潤滑組成物。
(項目7)
前記カルボン酸官能化ポリマーは、ポリイソブチレンコハク酸無水物である、項目5に記載の潤滑組成物。
(項目8)
前記ポリイソブチレンコハク酸無水物は、数平均分子量350〜5000、もしくは550〜3000もしくは750〜2500を有するポリイソブチレンから誘導される、項目7に記載の潤滑組成物。
(項目9)
前記水素化アルケニルアリール共役ジエンコポリマーは、スチレン−ブタジエンの水素化コポリマーである、項目6に記載の潤滑組成物。
(項目10)
前記マレイン酸無水物でグラフト化したポリオレフィンは、エチレン−プロピレンコポリマーである、項目6に記載の潤滑組成物。
(項目11)
前記水素化イソプレンポリマーは、水素化スチレン−イソプレンポリマーである、項目6に記載の潤滑組成物。
(項目12)
潤滑粘性の油およびアミン官能化添加剤を含む潤滑組成物であって、該アミン官能化添加剤は、少なくとも3個の芳香族基、少なくとも1個の−NH 官能基、および少なくとも2個の二級もしくは三級アミノ基を有するアミンから得られ、ここで該−NH 基は、ヒドロカルビル置換フェノールおよびアルデヒドとマンニッヒ反応で縮合して、該ヒドロカルビル置換フェノールへ該アミンを共有結合させる、潤滑組成物。
(項目13)
内燃機関を潤滑するための方法であって、該方法は、該内燃機関に、項目1〜12のいずれか1項に記載の潤滑組成物を供給する工程を包含する、方法。
(項目14)
内燃機関を潤滑するための方法であって、該方法は、該内燃機関に、潤滑粘性の油、ならびにカルボン酸官能化ポリマーと、少なくとも3個の芳香族基、少なくとも1個の−NH 官能基、および少なくとも2個の二級もしくは三級アミノ基を有するアミンとを反応させることによって得られる/得ることができる生成物を含む潤滑組成物を供給する工程を包含する、方法。
(項目15)
カルボン酸官能化ポリマーと、少なくとも3個の芳香族基、少なくとも1個の−NH 官能基、および少なくとも2個の二級もしくは三級アミノ基を有するアミンとを反応させることによって得られる/得ることができる生成物の、潤滑剤中の分散剤もしくは分散粘性改変剤としての使用。
(項目16)
前記潤滑剤は、内燃機関潤滑剤である、項目15に記載の使用。
(項目17)
エンジン潤滑剤におけるすす媒介性の油の濃化を低下させるための方法であって、該方法は、該潤滑剤中にアミン官能化添加剤を含める工程を包含し、ここで該アミン官能化添加剤は、少なくとも3個の芳香族基、少なくとも1個の−NH 官能基、および少なくとも2個の二級もしくは三級アミノ基を有するアミンから誘導される、方法。
(発明の詳細な説明)
本発明は、上記で開示されるように、エンジンを潤滑するための潤滑組成物および方法を提供する。
本明細書で使用される場合、用語「芳香族基」とは、上記用語の一般的意味で使用され、環系ごとに4n+2個のπ電子のヒュッケル理論によって定義されることは公知である。よって、本発明の1個の芳香族基は、6個、もしくは10個、もしくは14個のπ電子を有し得る。よって、ベンゼン環は、6個のπ電子を有し、ナフチレン環は、10個のπ電子を有し、アクリジン基は、14個のπ電子を有する。
一実施形態において、上記生成物は、カルボン酸官能化ポリマーと、少なくとも4個の芳香族基、少なくとも1個の−NH官能基、および少なくとも2個の二級もしくは三級アミノ基を有するアミンとを反応させることによって得られる得る/得ることができる。
上記少なくとも3個の芳香族基、少なくとも1個の−NH官能基、および少なくとも2個の二級もしくは三級アミノ基を有するアミンは、式(1)によって表され得:
ここで各々の変数は独立して、
は、水素もしくはC1−5アルキル基(代表的には、水素)であり得;
は、水素もしくはC1−5アルキル基(代表的には、水素)であり得;
Uは、脂肪族、脂環式もしくは芳香族基であり得るが、ただしUが脂肪族である場合、上記脂肪族基は、1〜5個、もしくは1〜2個の炭素原子を含む直鎖もしくは分枝鎖のアルキレン基であり得;そして
wは、1〜10、もしくは1〜4、もしくは1〜2(代表的には、1)であり得る。
上記少なくとも3個の芳香族基、少なくとも1個の−NH官能基、および少なくとも2個の二級もしくは三級アミノ基を有するアミンは、式(1a)によって表され得:
ここで各変数は独立して、
は、水素もしくはC1−5アルキル基(代表的には、水素)であり得;
は、水素もしくはC1−5アルキル基(代表的には、水素)であり得;
Uは、脂肪族、脂環式もしくは芳香族基であり得るが、ただしUが脂肪族である場合、上記脂肪族基は、1〜5個、もしくは1〜2個の炭素原子を含む直鎖もしくは分枝鎖のアルキレン基であり得;そして
wは、1〜10、もしくは1〜4、もしくは1〜2(代表的には、1)であり得る。
あるいは、上記式(1a)の化合物はまた、以下によって表され得:
ここで各変数であるU、R、およびRは、上記と同じであり、wは、0〜9もしくは0〜3もしくは0〜1(代表的には、0)である。
少なくとも3個の芳香族基を有するアミンの例は、以下の式(2)および/もしくは(3)のうちのいずれかによって表され得る:
もしくは
一実施形態において、上記少なくとも3個の芳香族基を有するアミンは、上記で開示される式によって表される化合物の混合物を含み得る。当業者は、式(2)および(3)の化合物がまた、以下に記載されるアルデヒドと反応して、アクリジン誘導体を形成し得ることを認識する。形成され得るアクリジン誘導体は、以下の式(2a)もしくは(3a)によって表される化合物を含む。これら式によって表されるこれら化合物に加えて、当業者はまた、他のアクリジン構造が考えられ得、ここで上記アルデヒドが、>NH基で架橋した他のベンジル基と反応することを認識する。アクリジン構造の例としては、式(2a)および(3a)によって表されるものが挙げられる:
N−架橋した芳香族環のうちのいずれかもしくは全ては、このようなさらなる縮合およびおそらく芳香族化(aromaticisation)が可能である。多くの考えられる構造のうちの1つの他のものは、式(3b)において示される。
上記少なくとも3個の芳香族基を有するアミンの例は、ビス[p−(p−アミノアニリノ)フェニル]−メタン、2−(7−アミノ−アクリジン−2−イルメチル)−N−4−{4−[4−(4−アミノ−フェニルアミノ)−ベンジル]−フェニル}−ベンゼン−1,4−ジアミン、N−{4−[4−(4−アミノ−フェニルアミノ)−ベンジル]−フェニル}−2−[4−(4−アミノ−フェニルアミノ)−シクロヘキサ−1,5−ジエニルメチル]−ベンゼン−1,4−ジアミン、N−[4−(7−アミノ−アクリジン−2−イルメチル)−フェニル]−ベンゼン−1,4−ジアミン、もしくはこれらの混合物であり得る。
一実施形態において、上記少なくとも3個の芳香族基を有するアミンは、ビス[p−(p−アミノアニリノ)フェニル]−メタン、2−(7−アミノ−アクリジン−2−イルメチル)−N−4−{4−[4−(4−アミノ−フェニルアミノ)−ベンジル]−フェニル}−ベンゼン−1,4−ジアミンもしくはこれらの混合物であり得る。
上記少なくとも3個の芳香族基を有するアミンは、アルデヒドと、アミン(代表的には、4−アミノジフェニルアミン)とを反応させる工程を包含するプロセスによって、調製され得る。得られたアミンは、少なくとも3個の芳香族基、少なくとも1個の−NH官能基、および少なくとも2個の二級もしくは三級アミノ基を有するアルキレン結合アミン(alkylene coupled amine)として記載され得る。
上記アルデヒドは、脂肪族、脂環式もしくは芳香族であり得る。上記脂肪族アルデヒドは、直鎖状であっても分枝状であってもよい。適切な芳香族アルデヒドの例としては、ベンズアルデヒドもしくはo−バニリンが挙げられる。脂肪族アルデヒドの例としては、ホルムアルデヒド(もしくはその反応性等価物(例えば、ホルマリンもしくはパラホルムアルデヒド))、エタノールもしくはプロパノールが挙げられる。代表的には、上記アルデヒドは、ホルムアルデヒドもしくはベンズアルデヒドであり得る。
上記プロセスは、40℃〜180℃、もしくは50℃〜170℃の範囲の反応温度で行われ得る。
上記反応は、溶媒の存在下で行われてもよいし、そうでなくてもよい。適切な溶媒の例としては、希釈油、ベンゼン、t−ブチルベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ヘキサン、テトラヒドロフラン、もしくはこれらの混合物が挙げられる。
上記反応は、空気もしくは不活性雰囲気中で行われ得る。適切な不活性雰囲気の例としては、窒素もしくはアルゴン、代表的には、窒素が挙げられる。
あるいは、上記少なくとも3個の芳香族基を有するアミンはまた、Berichte der Deutschen Chemischen Gesellschaft(1910),43,728−39に記載される方法論によって調製され得る。
(カルボン酸官能化ポリマー)
上記アミンで官能化させられる添加剤は、カルボン酸官能化ポリマーであり得る。上記カルボン酸官能化ポリマー骨格は、ホモポリマーもしくはコポリマーであり得るが、ただし上記骨格は、少なくとも1個のカルボン酸官能基もしくはカルボン酸官能基の反応性等価物(例えば、無水物もしくはエステル)を含む。上記カルボン酸官能化ポリマーは、上記ポリマー骨格内に、もしくは上記ポリマー骨格上の末端基として、上記骨格にグラフト化されたカルボン酸官能基(もしくはカルボン酸官能基の反応性等価物)を有する。
上記カルボン酸官能化ポリマーは、ポリイソブチレン−コハク酸無水物ポリマー、マレイン酸無水物−スチレンコポリマー、マレイン酸無水物−スチレンコポリマーのエステル、αオレフィン−マレイン酸無水物コポリマー、または(i)スチレン−エチレン−αオレフィンポリマー、(ii)水素化アルケニルアリール共役ジエンコポリマー(すなわち、水素化アルケニルアレーン共役ジエンコポリマー(特に、スチレン−ブタジエンの水素化コポリマー))、(iii)ポリオレフィン(特に、エチレン−プロピレンコポリマー)、もしくは(iv)水素化イソプレンポリマー(特に、イソブチレン−イソプレンコポリマーもしくは水素化スチレン−イソプレンポリマー)のマレイン酸無水物グラフトコポリマー、あるいはこれらの混合物であり得る。
本明細書で記載されるカルボン酸官能化ポリマーは、潤滑剤技術において公知である。例えば:
(i)マレイン酸無水物およびスチレン含有ポリマーのエステルは、米国特許第6,544,935号から公知である;
(ii)グラフト化スチレン−エチレン−αオレフィンポリマーは、国際公開WO 01/30947において教示されている;
(iii)イソブチレンおよびイソプレンから得られるコポリマーは、分散剤を調製することにおいて既に使われており、国際公開WO 01/98387において報告されている;
(iv)グラフト化スチレン−ブタジエンコポリマーおよびスチレン−イソプレンコポリマーは、DE 3,106,959;ならびに米国特許第5,512,192号、および同第5,429,758号を含む多くの参考文献において記載されている;
(v)ポリイソブチレンコハク酸無水物は、米国特許第4,234,435号;同第3,172,892号;同第3,215,707号;同第3,361,673号;および同第3,401,118号を含む多くの刊行物において記載されてきた;
(vi)グラフト化エチレン−プロピレンコポリマーは、米国特許第4,632,769号;同第4,517,104号;および同第4,780,228号に記載された;
(vii)(α−オレフィンマレイン酸無水物)コポリマーのエステルは、米国特許第5,670,462号に記載された;
(viii)イソブチレンおよび共役ジエンのコポリマー(例えば、イソブチレン−イソプレンコポリマー)は、米国特許第7,067,594号および同第7,067,594号、ならびに米国特許出願第US 2007/0293409号に記載された;そして
(ix)エチレン、プロピレンおよび非共役ジエン(例えば、ジシクロペンタジエンもしくはブタジエン)のターポリマーは、米国特許第5,798,420号および同第5,538,651号に記載された。
上記ポリマー骨格のうちの多くはまた、「Chemistry and Technology of Lubricants,Second Edition,Edited
by R.M.Mortier and S.T.Orszulik Published by Blackie Academic & Professional」に記載されている。特に、第144〜180頁は、上記ポリマー骨格(i)〜(iv)および(vi)〜(viii)のうちの多くを議論している。
本発明のポリマー骨格(ポリイソブチレン以外)は、最大150,000までもしくはそれ以上(例えば、1,000もしくは5,000〜150,000または120,000までもしくは100,000まで)であり得る数平均分子量(ゲル濾過クロマトグラフィー、ポリスチレン標準物質によって)を有し得る。適切な数平均分子量範囲の例としては、10,000〜50,000、もしくは6,000〜15,000、もしくは30,000〜50,000が挙げられる。一実施形態において、上記ポリマー骨格は、5,000より大きい、例えば、5000より大きく150,000までの数平均分子量を有し得る。上記で同定された分子量限定の他の組み合わせもまた、企図される。
本発明のポリマー骨格がポリイソブチレンである場合、その数平均分子量(ゲル濾過クロマトグラフィー、ポリスチレン標準物質によって)は、350〜5000、もしくは550〜3000もしくは750〜2500であり得る(すなわち、ポリイソブチレンコハク酸無水物は、前述の分子量のうちのいずれかを有するポリイソブチレンを有し得る(すなわち、得られる))。市販のポリイソブチレンポリマーは、数平均分子量550、750、950〜1000、1550、2000、もしくは2250を有する。上記市販のポリイソブチレンポリマーのうちのいくつかは、異なる重量の1種以上のポリイソブチレンポリマーをブレンドすることによって、上記に示される数平均分子量を得ることができる。
上記少なくとも3個の芳香族基を有するアミンは、公知の反応条件下で、上記カルボン酸官能化ポリマーと反応させられ得る。上記反応条件は、カルボン酸官能化ポリマーのイミドおよび/もしくはアミドを形成することに関して、当業者に公知である。
カルボン酸官能化ポリマーと、少なくとも3個の芳香族基、少なくとも1個の−NH官能基、および少なくとも2個の二級もしくは三級アミノ基を有するアミンとを反応させることによって得られる/得ることができる本発明の生成物は、式(4)および/もしくは(5)によって表され得る:
ここで各変数は独立して、
、RおよびUは、先に記載され;
BBは、ポリマー骨格であり、ポリイソブチレン、または(i)水素化アルケニルアリール共役ジエンコポリマー(特に、スチレン−ブタジエンの水素化コポリマー)、(ii)ポリオレフィン(特に、エチレン−αオレフィン(例えば、エチレン−プロピレンコポリマー))、もしくは(iii)水素化イソプレンポリマー(特に、水素化スチレン−イソプレンポリマー)のコポリマーであり得る。BBは、式(4)および(5)において示されるように、1個のスクシンイミド基で置換され得るか、またはBBは、複数のスクシンイミド基によって置換され得る。
式(4)および(5)に加えて、さらなる構造がまた形成され得、これら構造としては、トリマー、テトラマー、より高次の化合体(higher−mer)またはこれらの混合物が挙げられる。上記式(4)および(5)に示されるアミノ基はまた、全体的にもしくは部分的に、式(3)のアミンもしくはそれらの混合物によって置換され得る。
BBがポリイソブチレンである場合、得られるカルボン酸官能化ポリマーは、代表的には、ポリイソブチレンコハク酸無水物であり得る。代表的には、wは、式(1)で定義されるように、1〜5、もしくは1〜3であり得る。
BBがポリイソブチレン以外であり、かつそこにグラフト化されたマレイン酸無水物(もしくは他のカルボン酸官能基)を有する場合、上記グラフト化マレイン酸無水物基のうちの1個以上が、本発明のアミンのスクシンイミドである。スクシンイミド基の数は、1〜40、もしくは2〜40、もしくは3〜20であり得る。
本発明の生成物は、マレイン酸無水物−スチレンコポリマー、マレイン酸無水物−スチレンコポリマー(α−オレフィンマレイン酸無水物)コポリマーのエステル;またはこれらの混合物からえら得るカルボン酸官能化ポリマーと、少なくとも3個の芳香族基、少なくとも1個の−NH官能基、および少なくとも2個の二級もしくは三級アミノ基を有するアミンとを反応させることによって得られる/得ることができる。得られる生成物は、式(6)によって表され得:
ここでR、RおよびUは、先に記載され;
BBは、さらなるスクシンイミド基を含み得るスチレン含有ポリマー鎖であり得る。
式(6)はまた、式(6)に示されるアミン含有基を、式(3)のアミンもしくはその混合物で置換し得る。
(マンニッヒ反応)
一実施形態において、本明細書で開示されるアミン官能化添加剤は、マンニッヒ反応生成物であり得、この生成物は、少なくとも3個の芳香族基(もしくは少なくとも4個の芳香族基)、少なくとも1個の−NH官能基、および少なくとも2個の二級もしくは三級アミノ基を有するアミン(ここで上記−NH基は、ヒドロカルビル置換フェノール(代表的には、アルキルフェノール)およびアルデヒドとマンニッヒ反応において縮合されて、上記アミンを上記ヒドロカルビル置換フェノールに共有結合させる)を反応させることによって、得られる/得ることができる。マンニッヒ生成物を形成するための反応は、公知である。
上記マンニッヒ生成物を形成するために使用されるアルデヒドは、1〜10個、もしくは1〜4個の炭素原子を有し得、一般に、ホルムアルデヒドもしくはその反応等価物(例えば、ホルマリンもしくはパラホルムアルデヒド)である。
上記ヒドロカルビル置換フェノールのヒドロカルビル置換基は、10〜400個、もしくは30〜180個、もしくは40〜110個の炭素原子を有し得る。このヒドロカルビル置換基は、オレフィンもしくはポリオレフィンから得られ得る。有用なオレフィンとしては、市販されているα−オレフィン(例えば、1−デセン)が挙げられる。本発明のマンニッヒ反応生成物を調製するために適したポリオレフィンは、上記に記載されているものと同じである。上記ヒドロカルビル置換フェノールは、周知のアルキル化方法を使用して、上記のオレフィンもしくはポリオレフィン(例えば、ポリイソブチレンもしくはポリプロピレン)でフェノールをアルキル化することによって調製され得る。一実施形態において、上記ヒドロカルビル置換フェノールは、フェノールを、ポリイソブチレンでアルキル化することによって調製され得る。
(ポリアミンとのさらなる反応)
上記アミン官能化添加剤(例えば、芳香族アミン官能化ポリマー)と、2種以上の反応性部位を有するさらなるポリアミンとの反応は、上記カルボン酸官能性が十分低いか、または上記ポリアミンの電荷がゲル化(gellation)、不適合性もしくは不十分な油溶性によって証明されるように、上記ポリマーの十分な架橋を回避するに十分高い限りにおいて、可能であり得かつ有用であり得る。
適切なポリアミンの例としては、エチレンジアミン、1,2−ジアミノプロパン、N−メチルエチレンジアミン、N−タロウ(C16−C18)−1,3−プロピレンジアミン、N−オレイル−1,3−プロピレンジアミン、ポリエチレンポリアミン(例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、テトラエチレンペンタアミンおよび「ポリアミンボトム(polyamine bottoms)」(もしくは「アルキレンポリアミンボトム」))が挙げられる。一実施形態において、上記ポリアミンとしては、ポリアルキレンポリアミンが挙げられる。上記ポリアミンのうちの1つから得られる式(1)の添加剤は、分散特性を有すると考えられる。そして上記式(1)のポリアミンのうちの1つから得られる添加剤は、分散特性を有すると考えられる。
一般に、アルキレンポリアミンボトムは、約200℃未満で沸騰する物質を、2(重量)%未満、通常は1(重量)%未満有すると特徴付けられ得る。このようなエチレンポリアミンボトムの代表例は、Freeport,TexasのDow Chemical Companyから得られ、「HPA−XTM」と指定されるか、もしくはHuntsmanから得られ、「E−100TM」と指定される。これらアルキレンポリアミンボトムは、エチレンジクロリドプロセスを使用して調製され得る。
あるいは、キャッピングアミン(すなわち、モノ活性な、モノ縮合している、非架橋である)は、単独で、またはキャッピングアミンと非キャッピングポリアミンとを組み合わせて使用され得る。
(アミンでキャッピングしたポリマー)
必要に応じて、上記アミン官能化添加剤は、キャッピングアミン、もしくはその混合物とさらに反応させられ得る。上記キャッピングアミンは、本発明のアミン官能化添加剤の全酸価(本明細書中以降TANという)を改変する(代表的には、TANの低下)ために使用され得る。上記キャッピングアミンは、必要な場合、他の添加剤(例えば、界面活性剤)に対していかなる有害な影響をも最小にする量で、反応しないカルボキシル基をキャップし得る。上記有害な影響は、上記アミン含有添加剤と上記界面活性剤との間の相互作用(ゲルの形成を生じる)を含み得る。一実施形態において、上記アミン官能化添加剤は、キャッピングアミンとさらに反応させられる。一実施形態において、上記アミン官能化添加剤は、キャッピングアミンとさらには反応させられない。
上記キャッピングアミンは、モノアミンであってもよいし、ポリアミンであってもよい。上記キャッピングアミンは、芳香族アミンであってもよいし、非芳香族アミンであってもよい。
上記キャッピングアミンは、2個の連結した芳香族部分を有するアミンであり得る。用語「芳香族部分」とは、単核基および多核基の両方を含むことを意味する。上記キャッピングアミンは、代表的には、本発明のアミンと反応しなかった上記ポリマー上の1個以上のカルボキシル基と縮合し得るN−H基を有する。
上記多核基は、芳香族核が別の核(例えば、ナフチル基もしくはアントラニル基で見いだされる)に対して2個の点で縮合している縮合タイプのものであり得る。上記多核基はまた、少なくとも2個の核(単核もしくは多核のいずれか)が互いに架橋結合を介して結合している結合タイプのものであり得る。これら架橋結合は、とりわけ、当業者に公知のもの、アルキレン結合、エーテル結合、エステル結合、ケト結合、スルフィド結合、2〜6個の硫黄原子のポリスルフィド結合、スルホン結合、スルホンアミド結合、アミド結合、アゾ結合、およびいかなる介在原子なしの基の間の直接の炭素−炭素結合から選択され得る。他の芳香族基としては、ヘテロ原子を有するもの(例えば、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、およびチオフェン)が挙げられる。本明細書で有用な芳香族基の例としては、ベンゼン、ナフタレン、およびアントラセン、好ましくは、ベンゼンから得られる芳香族基が挙げられる。これら種々の芳香族基の各々はまた、種々の置換基(ヒドロカルビル置換基が挙げられる)によって置換され得る。
上記キャッピングアミンは、一般に、1個以上の反応性(縮合性)アミノ基を含み得る。単一の反応性アミノ基は、ときおり好ましい。上記のN,N−ジメチルフェニレンジアミンの場合のように、複数のアミノ基もまた、有用であり得、特に、複数のアミノ基が比較的温和な条件下で上記添加剤の過剰な架橋もしくはゲル化を回避するように反応させられる場合、有用であり得る。
一実施形態において、上記キャッピングアミンは、例えば、アミド構造によって結合した複数の芳香族環を含む染料中間体から得られる。例としては、一般式(7)の物質:
およびその異性体バリエーションが挙げられ、ここでRおよびRiiは、独立して、アルキルもしくはアルコキシ基(例えば、メチル、メトキシ、もしくはエトキシ)である。一例において、RおよびRiiはともに、-OCHであり、その物質は、Fast
Blue RR[CAS# 6268−05−9]として公知である。上記結合アミド基の配向は、-NR-C(O)-へと逆になってもよい。
別の例において、Riiは-OCHであり、Rは-CHであり、そしてその物質は、Fast Violet B[99−21−8]として公知である。RおよびRiiがともにエトキシである場合、その物質は、Fast Blue BB[120−00−3]である。米国特許第5,744,429号は、他のキャッピングアミン化合物(特に、アミノアルキルフェノチアジン)を開示している。N−芳香族置換された酸アミ化合物(例えば、米国特許出願第2003/0030033 A1号で開示されているもの)はまた、本発明の目的のために使用され得る。適切なキャッピングアミンとしては、アミン窒素が芳香族カルボン酸化合物上の置換基である(すなわち、上記窒素が、芳香族環内でsp 混成化されていない)ものが挙げられる。
一実施形態において、上記キャッピングアミンは、-O-基によって結合される2個の芳香族部分を有するアミンであり得る。このようなアミンの例は、式(8)によって表され得るフェノキシフェニルアミン(フェノキシアニリンもしくはアミノフェニルフェニルエーテルとしても公知):
およびその種々の位置異性体(4−フェノキシアニリン、3−フェノキシアニリン、および2−フェノキシアニリン)である。上記芳香族基のうちのいずれかもしくは両方が、置換基(ヒドロカルビル、三級アミノ、ハロ、スルホキシ、ヒドロキシ、ニトロ、カルボキシ、およびアルコキシ置換基が挙げられる)を有していてもよい。上記アミン窒素は、示されるように、一級アミン窒素であってもよいし、二級(すなわち、さらなる置換基(例えば、ヒドロカルビル、好ましくは、短鎖アルキル(例えば、メチル)を有する)であってもよい。一実施形態において、上記キャッピングアミンは、上記で示される置換されていない物質である。
上記キャッピングアミンは、-N=N-基、アゾ基によって結合された2個の芳香族部分を有するアミンであり得る。このような物質は、式(9)によって表され得る:
ここで各R基は、フェノキシフェニルアミンについて上に記載されるように、水素もしくは置換基である。従って、各々もしくはRiiiおよびRivは、独立して、H、−NH、ヒドロカルビルもしくはアルキル(例えば、−CH)、ハロ(例えば、−Cl)、スルホキシ(例えば、−SOH)、もしくは−SONaであり得;そしてR、Rvi、およびRviの各々は、独立して、H、−OH、−NO、−SOH、カルボキシ(例えば、−CONa)、もしくはアルコキシ(例えば、−OC)である。これら物質は、米国特許第5,409,623号(第4欄を参照のこと)により詳細に記載されている。
一実施形態において、上記アゾ結合したキャッピングアミンは、式(10):
すなわち、4−(4−ニトロフェニルアゾ)アニリン、ならびにその位置異性体によって表され得る。示される物質は、Disperse Orange 3として公知の染料として市販されている。
一実施形態において、キャッピングアミンは、-C(O)O-基によって結合された2個の芳香族部分を有するアミンであり得る。各基は、酸素結合アミンおよびアゾ結合アミンについて上記に記載されるように置換され得る。一実施形態において、このアミンは、式(11):
およびその位置異性体によって表され得る。示される物質は、フェニル−4−アミノサリチレートもしくは4−アミノ−2−ヒドロキシ安息香酸フェニルエステル,(これは、市販されている)である。
一実施形態において、上記キャッピングアミンは、N,N−ジアルキルフェニレンジアミン 式(12)によって表されるジアミン:
であり得、ここでRixおよびRは、独立して、水素もしくはヒドロカルビル基(代表的には、1〜6個の炭素原子を含む)であり得る。
特に有用な化合物の例は、RixおよびRの両方を、メチル(N,N−ジメチル−1,4−フェニレンジアミン)として定義する。
一実施形態において、上記キャッピングアミンは、-SO-基によって連結された2個の芳香族部分を有するアミンであり得る。上記芳香族部分の各々は、酸素結合アミンおよびアゾ結合アミンについて上記に記載されるように置換され得る。一実施形態において、上記結合は、-SO-に加えて、上記結合全体が-SONR-もしくは−SONH-で
あるように、-NR-もしくは具体的には、-NH-基をさらに含む。一実施形態において、このキャッピングアミンは、式(13):
によって表され得る。上記構造は、示されるように、4−アミノ−N−フェニル−ベンゼンスルホンアミドのものである。市販されるそのバリエーションは、スルファメタジン、またはN’−(4,6−ジメチル−2−ピリミジニル)スルファニルアミド(CAS番号
57−68−1)であり、これは、式(14)によって表されると考えられる:
スルファメタジンは、市販されている。
上記キャッピングアミンは、ニトロ置換されたアニリンであり得る(これは、同様に、上記酸素結合アミンもしくは上記アゾ結合アミンについて上記に記載されるように置換基であり得る)。ニトロアニリンのオルト置換異性体、メタ置換異性体およびパラ置換異性体が含まれる。一実施形態において、上記アミンは、3−ニトロ−アニリンである。
他の適切なキャッピングアミンの例としては、アミノ置換芳香族化合物およびアミンが挙げられ、ここで上記アミン窒素は、芳香族環(例えば、3−アミノキノリン、5−アミノキノリン、および8−アミノキノリン)の一部である。キャッピングアミン(例えば、2−アミノベンゾイミダゾール)もまた含まれ、2−アミノベンゾイミダゾールは、上記芳香族環に直接結合した1個の二級アミノ基および上記イミダゾール環に結合した一級アミノ基を含む。他のアミンとしては、N−(4−アニリノフェニル)−3−アミノブタンアミドもしくは3−アミノプロピルイミダゾール、または2,5−ジメトキシベンジルアミンが挙げられる。
上記キャッピングアミンはまた、アミノキノリンであり得る。市販のものとしては、3−アミノキノリン、5−アミノキノリン、6−アミノキノリン、および8−アミノキノリンならびにホモログ(例えば、4−アミノキナルジン)が挙げられる。
上記キャッピングアミンはまた、アミノベンゾイミダゾール(例えば、2−アミノベンゾイミダゾール)であり得る。
上記キャッピングアミンはまた、上記のように、種々の置換基で環置換されたベンジルアミンであり得る。1つのこのようなベンジルアミンは、2,5−ジメトキシベンジルアミン(dimethyoxybenzylamine)である。
特に有用なキャッピングアミンの例としては、アニリン、N−アルキルアニリン(例えば、N−メチルアニリンおよびN−ブチルアニリン)、ジ−(パラ−メチルフェニル)アミン、4−アミノジフェニルアミン、N,N−ジメチルフェニレンジアミン、ナフチルアミン、4−(4−ニトロフェニルアゾ)アニリン(disperse orange 3)、スルファメタジン、4−フェノキシアニリン、3−ニトロアニリン、4−アミノアセトアニリド(N−(4−アミノフェニル)アセトアミド))、4−アミノ−2−ヒドロキシ−安息香酸フェニルエステル(フェニルアミノサリチレート)、N−(4−アミノ−フェニル)−ベンズアミド、種々のベンジルアミン(例えば、2,5−ジメトキシベンジルアミン、4−フェニルアゾアニリン、およびこれらの置換されたバリエーションが挙げられる。他の例としては、パラ−エトキシアニリン、パラ−ドデシルアニリン、シクロヘキシル−置換されたナフチルアミン、およびチエニル−置換されたアニリンが挙げられる。
さらなるキャッピングアミンおよび関連化合物は、米国特許第6,107,257号および同第6,107,258号に開示され;これらのうちのいくつかは、アミノカルバゾール、ベンゾイミダゾール、アミノインドール、アミノピロール、アミノ−インダゾリノン、メルカプトトリアゾール、アミノフェノチアジン、アミノピリジン、アミノピラジン、アミノピリミジン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、アミノチアジアゾ−ル、アミノチオチアジアゾ−ル、およびアミノベンゾトリアゾールを含む。他の適切なアミンとしては、3−アミノ−N−(4−アニリノフェニル)−N−イソプロピルブタンアミド、およびN−(4−アニリノフェニル)−3−{(3−アミノプロピル)−(ココアルキル)アミノ}ブタンアミドが挙げられる。
一実施形態において、上記キャッピングアミンは、抗酸化剤として有用であり得る。その点で特に重要なのは、アルキル化ジフェニルアミン(例えば、ノニルジフェニルアミンおよびジノニルジフェニルアミン)である。これら物質が上記ポリマー鎖のカルボン酸官能基と縮合する程度までは、それらはまた、本発明内で使用するのに適している。しかし、上記アミン窒素に結合した上記2個の芳香族基は、立体障害および低下した反応性をもたらし得ると考えられている。従って、適切なアミンとしては、一級窒素原子(−NH)もしくは二級窒素原子を有するもの(ここで上記ヒドロカルビル置換基のうちの一方は、比較的短い鎖のアルキル基(例えば、メチルである)が挙げられる。このようなキャッピングアミンの中には、4−フェニルアゾアニリン、4−アミノジフェニルアミン、2−アミノベンゾイミダゾール、およびN,N−ジメチルフェニレンジアミンがある。これらおよび他のキャッピングアミンのうちのいくつかはまた、分散特性および他の特性に加えて、上記ポリマーに抗酸化性能を付与し得る。
上記キャッピングアミンは、単独で、もしくは互いに組み合わせて使用され得る。それらはまた、さらなる芳香族もしくは非芳香族(例えば、脂肪族)アミンと組み合わせて使用され得る。これは、一実施形態において、1〜8個の炭素原子を有する。他のキャッピングアミンは、アミノジフェニルアミンのようなアミンを含み得る。これらさらなるアミンは、種々の理由から含まれ得る。ときおり、上記ポリマーの酸官能基の完全な反応を確実にするために、いくつかの残りの酸官能基が、比較的より嵩高いキャッピングアミンと不完全に反応する傾向にあり得る場合には、脂肪族アミンを組み込むことは望ましいことであり得る。あるいは、上記脂肪族アミンは、上記キャップされた添加剤の性能の大部分を維持しながら、より高価な芳香族アミンの一部にとって代わり得る。脂肪族モノアミンとしては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミンおよび種々の高級アミンが挙げられる。ジアミンもしくはポリアミンは、この機能(すなわち、キャッピング)のために使用され得るが、ただし、一般には、これらは、単一の反応性アミノ基(すなわち、一級基もしくは二級基)のみ;および代表的には、一級基を有する。ジアミンの適切な例としては、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジブチルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノエチルアミン、ジエチルアミノエチルアミン、ジブチルアミノエチルアミン、1−(2−アミノエチル)ピペリジン、1−(2−アミノエチル)ピロリドン、アミノエチルモルホリン、およびアミノプロピルモルホリンが挙げられる。このようなアミンの量は、代表的には、上記キャッピングアミンの量と比較して少量(すなわち、重量ベースもしくはモルベースで存在する総量のうちの50%未満)であるが、より多い量(例えば、70〜100%)が使用され得る。例示的な量としては、10〜70重量%、もしくは15〜50重量%、もしくは20〜40重量%が挙げられる。これら範囲内での4−フェノキシアニリンとジメチルアミノプロピルアミンとの特定の組み合わせの使用は、例えば、すす懸濁物の観点から、特によい性能を提供する。特定の実施形態において、上記ポリマーは、3個以上の異なるアミンで(例えば、3−ニトロアニリン、4−(4−ニトロフェニルアゾ)アニリン、およびジメチルアミノプロピルアミンで)官能化され得る。
一実施形態において、上記キャッピングアミンは、アニリン、4−アミノジフェニルアミン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、3,4−ジメトキシフェネチルアミン、1,4−ジメチルフェニレンジアミン、およびこれらの混合物からなる群より選択され得る。
一実施形態において、上記キャッピングアミンは、アニリン、4−アミノジフェニルアミン、1,4−ジメチルフェニレンジアミン、およびこれらの混合物からなる群より選択され得る。
上記キャッピングアミンは、以下を含むプロセスによって、少なくとも3個の芳香族基を有するアミンと反応させられ得る:(i)カルボン酸官能化ポリマーと、少なくとも3個の芳香族基、少なくとも1個の−NH官能基、および少なくとも2個の二級もしくは三級アミノ基を有するアミンとを反応させることによって得られる/得ることができる生成物と、(ii)本明細書中上記で開示されたキャッピングアミンとを反応させる工程。
上記プロセスは、40℃〜180℃、もしくは50℃〜170℃の範囲の反応温度で行われ得る。
上記反応は、溶媒の存在下で行われてもよいし、行われなくてもよい。適切な溶媒の例としては、希釈油、ベンゼン、t−ブチルベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ヘキサン、テトラヒドロフラン、もしくはこれらの混合物が挙げられる。
上記反応は、空気もしくは不活性雰囲気のいずれかで行われ得る。適切な不活性雰囲気の例としては、窒素もしくはアルゴン、代表的には、窒素が挙げられる。
(潤滑粘性の油)
上記潤滑組成物は、潤滑粘性の油を含む。このような油は、天然油および合成油、水素化分解、水素化、および水素仕上げ(hydrofinishing)から得られる油、未精製油、精製油および再精製油、ならびにこれらの混合物が挙げられる。
未精製油は、一般にさらなる精製処理なし(もしくはほとんどない)の天然供給源もしくは合成供給源から直接得られるものである。
精製油は、1つ以上の精製工程でさらに処理されて、1種以上の特性を改善したことを除いて、未精製油に類似である。精製技術は、当該分野で公知であり、溶媒抽出、二次的蒸留、酸抽出もしくは塩基抽出、濾過、パーコレーションなどが挙げられる。
再精製油はまた、再生油もしくは再加工油として公知であり、精製油を得るために使用されるものに類似のプロセスによって得られ、しばしば、消費された添加剤および分解生成物の除去に関する技術によって、さらに加工処理される。
本発明の潤滑剤を作製することにおいて有用な天然油としては、動物性油、植物性油(例えば、ひまし油)、ミネラル潤滑油(例えば、液体鉱油(liquid petroleum oil))、およびパラフィンタイプ、ナフテンタイプもしくはパラフィン−ナフテン混合タイプの溶媒処理もしくは酸処理したミネラル潤滑油、ならびに石炭もしくは頁岩から得られる油、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
合成潤滑油は有用であり、炭化水素油(例えば、重合化およびインターポリマー化したオレフィン(例えば、ポリブチレン、ポリプロピレン、プロピレンイソブチレンコポリマー);ポリ(1−ヘキセン)、ポリ(1−オクテン)、ポリ(1−デセン)、およびこれらの混合物;アルキル−ベンゼン(例えば、ドデシルベンゼン、テトラデシルベンゼン、ジノニルベンゼン、ジ−(2−エチルヘキシル)−ベンゼン);ポリフェニル(例えば、ビフェニル、ターフェニル、アルキル化ポリフェニル);ジフェニルアルカン、アルキル化ジフェニルアルカン、アルキル化ジフェニルエーテルおよびアルキル化ジフェニルスルフィド、ならびにこれらの誘導体、アナログおよびホモログ、またはこれらの混合物が挙げられる。
他の合成潤滑油としては、ポリオールエステル(例えば、Priolube(登録商標)3970)、ジエステル、リン含有酸の液体エステル(例えば、トリクレシルホスフェート、トリオクチルホスフェート、およびデカンホスホン酸のジエチルエステル)、またはポリマー状テトラヒドロフランが挙げられる。合成油は、Fischer−Tropsch反応によって生成され得、代表的には、ヒドロ異性化(hydroisomerised)Fischer−Tropsch炭化水素もしくはワックスであり得る。一実施形態において、油は、Fischer−Tropsch GTL(gas−to−liquid)合成手順および他のGTL油によって調製され得る。
潤滑粘性の油はまた、アメリカ石油協会(API)ベースオイル互換性ガイドラインにおいて特定されるように定義され得る。5つのベースオイルグループは、以下の通りである:グループI(硫黄含有量>0.03重量%、および/もしくは<90重量% 飽和物、粘性指数 80〜120);グループII(硫黄含有量≦0.03重量%、および≧90重量% 飽和物、粘性指数 80〜120);グループIII(硫黄含有量≦0.03重量%、および≧90重量% 飽和物、粘性指数 ≧120);グループIV(全てのポリαオレフィン(PAO));およびグループV(グループIにも、IIにも、IIIにも、IVにも含まれない全ての他のもの)。上記潤滑粘性の油は、API グループI、グループII、グループIII、グループIV、グループVの油もしくはこれらの混合物を含む。しばしば、上記潤滑粘性の油は、API グループI、グループII、グループIII、グループIVの油もしくはこれらの混合物である。あるいは、上記潤滑粘性の油は、しばしば、API グループII、グループIIIもしくはグループIVの油もしくはこれらの混合物である。
存在する上記潤滑粘性の油の量は、代表的には、100重量%から、上記添加剤、および他の性能添加剤の量の合計を差し引いた後に残っている差である。
上記潤滑組成物は、濃縮物および/もしくは完全に処方された潤滑剤の形態で存在し得る。本発明の潤滑組成物が、濃縮物(これは、さらなる油と合わされて、全体的にもしくは部分的に最終の潤滑剤を形成し得る)の形態で存在する場合、本発明の成分 対 上記潤滑粘性の油および/もしくは 対 希釈油の比は、重量単位で1:99〜99:1、もしくは重量単位で80:20〜10:90の範囲を含む。
(他の性能添加剤)
上記組成物は、必要に応じて、他の性能添加剤を含む。上記他の性能添加剤は、金属不活性化剤、粘度調節剤、界面活性剤、摩擦調節剤、耐摩耗剤、腐食抑制剤、分散剤(上記の本発明のアミン官能化添加剤以外)、分散粘性改変剤(上記の本発明のアミン官能化添加剤以外)、極圧剤、抗酸化剤、発泡抑制剤(foam inhibitor)、解乳化剤、流動点降下剤、シール膨潤剤およびこれらの混合物のうちの少なくとも1種を含む。代表的には、完全に処方された潤滑油は、これら性能添加剤のうちの1種以上を含む。
(産業的適用)
本発明の添加剤は、上記潤滑組成物のうちの0.01重量%〜20重量%、もしくは0.05重量%〜10重量%、もしくは0.08重量%〜5重量%、もしくは0.1重量%〜3重量%の範囲において潤滑剤に添加され得る。
上記潤滑組成物は、内燃機関において利用され得る。上記内燃機関は、排気再循環システムを有していてもよいし、有していなくてもよい。
一実施形態において、上記内燃機関は、ディーゼル燃料エンジン(代表的には、ヘビーデューティーディーゼルエンジン)、ガソリン燃料エンジン、天然ガス燃料エンジンもしくはガソリン/アルコール混合燃料エンジンであり得る。一実施形態において、上記内燃機関は、ディーゼル燃料エンジンであり得、別の実施形態において、ガソリン燃料エンジンであり得る。
上記内燃機関は、2ストロークエンジンもしくは4ストロークエンジンであり得る。適切な内燃機関としては、船舶用ディーゼルエンジン、航空機用ピストンエンジン、低負荷ディーゼルエンジン、ならびに自動車用およびトラック用エンジンが挙げられる。
上記内燃機関のための潤滑組成物は、硫黄、リンもしくは硫酸化灰分(ASTM D−874)の含有量とは無関係に、いかなるエンジン潤滑剤にも適切であり得る。上記エンジンオイル潤滑剤の硫黄含有量は、1重量%以下、もしくは0.8重量%以下、もしくは0.5重量%以下、もしくは0.3重量%以下であり得る。一実施形態において、上記硫黄含有量は、0.001重量%〜0.5重量%、もしくは0.01重量%〜0.3重量%の範囲にあり得る。上記リン含有量は、0.2重量%以下、もしくは0.1重量%以下、もしくは0.085重量%以下、もしくはさらに0.06重量%以下、0.055重量%以下、もしくは0.05重量%以下であり得る。一実施形態において、上記リン含有量は、100ppm〜1000ppm、もしくは325ppm〜700ppmであり得る。上記全硫酸化灰分含有量は、2重量%以下、もしくは1.5重量%以下、もしくは1.1重量%以下、もしくは1重量%以下、もしくは0.8重量%以下、もしくは0.5重量%以下であり得る。一実施形態において、上記硫酸化灰分含有量は、0.05重量%〜0.9重量%、もしくは0.1重量%〜0.2重量%〜0.45重量%であり得る。
一実施形態において、上記潤滑組成物は、エンジンオイルであり、ここで上記潤滑組成物は、(i)硫黄含有量0.5重量%以下、(ii)リン含有量0.1重量%以下、および(iii)硫酸化灰分含有量1.5重量%以下、のうちの少なくとも1つを有すると特徴付けられる。
一実施形態において、上記潤滑組成物は、2ストローク船舶用ディーゼル内燃機関もしくは4ストローク船舶用ディーゼル内燃機関に適している。一実施形態において、上記船舶用ディーゼル燃焼エンジンは、2ストロークエンジンである。本発明の無灰分耐摩耗剤は、0.01〜20重量%、もしくは0.05〜10重量%、もしくは0.1〜5重量%で、船舶用ディーゼル潤滑組成物に添加され得る。
以下の実施例は、本発明の例示を提供する。これら実施例は、網羅的ではなく、本発明の範囲を限定することを意図されない。
調製実施例1(EX1)は、ポリマーヘッド基合成である。500mLの2M 塩酸を、オーバーヘッドスターラー、サーモウェル、窒素ラインつきの添加漏斗、および冷却器を備えた1Lの四つ首フラスコに添加する。184.2gの4−アミノジフェニルアミンを添加し、上記フラスコを、75℃へと加熱する。次いで、上記添加フラスコに、40.5gの37% ホルムアルデヒド溶液を充填し、上記溶液を、30分の期間にわたって上記フラスコへと滴下する。上記フラスコを、100℃で4時間にわたって維持する。次いで、上記フラスコを、周囲温度へと冷却する。80gの50/50 重量/重量 水酸化ナトリウム水溶液を、30分間かけて添加する。上記反応の終わりに、固体生成物を、濾過を介して得る。得られた固体生成物は、まずは、上記のように式(2)の化合物であると考えられる。さらに、得られた生成物は、上記のように、数%の式(3)に基づく生成物を含み得る。
調製実施例2(EX2)は、ポリイソブチレンコハク酸無水物と、EX1の生成物との反応生成物である。オーバーヘッドスターラー、サーモウェル、窒素ラインつきの水面下インレット(subsurface inlet)、および冷却器付きディーンスタークトラップを備えた3Lの四つ首フラスコに、ポリイソブチレンコハク酸無水物(1270.0g)(ここで上記ポリイソブチレンは、数平均分子量2000を有する)および希釈油(1400.1g)を充填する。上記フラスコを、90℃へと加熱する。上記EX1の生成物(442.0g)をゆっくりと添加する。次いで、その温度を110℃へと上昇させ、上記EX1の生成物から水が除去されるまで維持する。次いで、その温度を、160℃へと上昇させ、10時間にわたって維持する。上記フラスコに、珪藻土濾過補助物質のある部分を添加し、次いで、フラスコ内容物を、上記珪藻土濾過補助物質の第2の部分を通して濾過する。得られた生成物は、窒素含有量0.65重量%の褐色油状物である。
調製実施例3(EX3)は、マレイン化(maleinated)エチレン−プロピレンコポリマーと、上記EX1の生成物との反応生成物である。オーバーヘッドスターラー、サーモウェル、窒素ラインつきの水面下インレット(subsurface inlet)、および冷却器付きディーンスタークトラップを備えた2Lの四つ首フラスコに、油(75:25重量%)(350.0g)中に希釈したマレイン化エチレン−プロピレンコポリマー(ここで上記エチレン−プロピレンコポリマーは、数平均分子量8000を有し、マレイン酸無水物のうちの3.3重量%は、上記エチレン−プロピレンコポリマー上にグラフト化されている)および希釈油(906.8g)を充填する。上記フラスコを、110℃へと加熱する。上記EX1の生成物(19.8g)をゆっくりと添加する。次いで、その温度を160℃へと上昇させ、6時間にわたって保持する。上記フラスコに、珪藻土濾過補助物質のある部分を添加し、次いで、フラスコ内容物を、上記珪藻土濾過補助物質の第2の部分を通して濾過する。得られた生成物は、窒素含有量0.17重量%の褐色油状物である。
調製実施例4(EX4)は、メチレンジアニリンおよびニトロベンゼンの反応生成物である。オーバーヘッドスターラーを備えた500mlの三つ首丸底フラスコに、メチレンジアニリン(213g,1.08mol)を充填し、100℃へと加熱する。次いで、ニトロベンゼン(4.3ml,42mmol)を、上記フラスコに充填する。攪拌した反応混合物に、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド二水和物(17.7g,140mmol)を固体として添加する。上記反応系を18時間にわたって攪拌する。水(16mL)を上記混合物に添加し、上記反応系を、水素化のためにオートクレーブにかける。1% Pt/C触媒(0.5g 乾燥重量)を添加し、上記混合物を、水素の1.034MPa(150psigに匹敵)下で30分間にわたって100℃へと加熱する。
調製実施例5(EX5)は、メチレンジアニリンおよびニトロベンゼンの反応混合物である。25mLの丸底フラスコに、ジメチルスルホキシド(DMSO)(4mL)、メチレンジアニリン(208mg,1.05mmol)、ニトロベンゼン(200mL,1.9mmol)およびテトラメチルアンモニウムヒドロキシド二水和物(330mg,2.5mmol)をアルゴン下で充填する。上記反応を、4時間にわたって室温へと戻す。上記反応系を、水素化のためにオートクレーブにかける。1% Pt/C 触媒(0.5g 乾燥重量)を添加し、上記混合物を、水素の1.034MPa(150psigに等しい)下で30分間にわたって100℃へと加熱する。
比較実施例2(COMP2)は、ポリイソブチレンコハク酸無水物と、アミノジフェニルアミンとの反応生成物である。オーバーヘッドスターラー、サーモウェル、窒素ライン付き水面下インレット、および冷却器付きディーンスタークトラップを備えた1Lの四つ首フラスコに、ポリイソブチレンコハク酸無水物(300.0g)(ここで上記ポリイソブチレンは、数平均分子量2000を有する)および希釈油(329.4g)を充填する。上記フラスコを、110℃へと加熱する。アミノジフェニルアミン(32.6g)を、表面上に添加する。次いで、その温度を160℃へと上昇させ、10時間にわたって保持する。上記フラスコに、珪藻土濾過補助物質のある部分を添加し、次いで、フラスコ内容物を、上記珪藻土濾過補助物質の第2の部分を通して濾過する。得られた生成物は、窒素含有量0.74重量%の褐色油状物である。
(流動性試験)
上記で調製した一連のサンプルを、廃油流動性試験で評価する。上記サンプルは、低硫黄含有量リン含有量および灰分含有量のエンジンオイル潤滑剤に基づく。上記サンプルは、上記の調製実施例の生成物のある量を含む。上記サンプルを、振動モードのTA Instruments AR500TMレオメーターによる振動流動性試験を使用して分析する。その試験の幾何的配置は、40mmフラットトッププレートであり、上記サンプルを、上記レオメーターのフラット可変式温度ペルチエプレート上に直接配置する。上記サンプルを、0.080Paの剪断応力で30秒にわたって予備剪断して、全てのサンプルが類似のベースライン剪断履歴を有することを確実にする。上記サンプルを、5分間にわたって平衡化して、その後、振動試験を開始する。上記サンプルを、各温度工程の間に、さらに1分間にわたって平衡化する。サンプル評価を、40℃〜150℃の温度範囲を網羅する定歪み(constant strain)0.06での温度全域試験(temperature sweep test)で行う(測定を合計30地点で行う)。G’は、弾性率、もしくは貯蔵弾性率(storage modulus)であり、The Rheology Handbook,Thomas G.Mezger(Ulrich Zollによって編集),Vincentzによって刊行,2002,ISBN 3−87870−745−2,p.117により詳細に定義される。一般に、結果がよいほど、低いG’値のサンプルが得られる。得られたデータを、表1に示す。表1において、COMP1は、ベースラインのすすで汚れた廃油であり、G’比を、各候補種のG’maxの、等価な参照油のものに対する比から計算して、構造増加の低下の正規化した尺度を提供する。
各場合において、G’比の計算を、代表的なすすで汚れた廃油に対する比較によって行う。上記すすで汚れた廃油を、各サンプルの前に分析して、G’比計算を可能にする。
上記流動性スクリーン試験について得られた結果は、本発明の添加剤が、未処理廃油と比較してすす構造増加を低下させることを示す。代表的には、よりよい結果は、上記G’比が1より小さいサンプルで得られる。得られた結果は、以下である:
(比較研究)
EX2について得られた結果を、比較実施例(COMP2)と比較する。得られた結果は、以下である:
上記比較データは、本発明の添加剤が比較実施例と比較して、すす構造増加を低下させることを実証する。
上記物質のうちのいくつかが、最終処方物中で相互作用し得、その結果、最終処方物の成分が、最初に添加されたものとは異なり得ることは公知である。それによって形成される生成物は、その意図された使用において本発明の潤滑組成物を使用する際に形成される生成物を含め、記載し難い。にも関わらず、全てのこのような改変および反応生成物は、本発明の範囲内含まれる;本発明は、上記の成分を混合することによって調製される潤滑組成物を包含する。
上記に言及される文書の各々は、本明細書に参考として援用される。実施例、もしくは明白に示されることを除いて、全ての数量は、物質、反応条件、分子量、炭素原子数などの量を特定する記載において、用語「約」によって修飾されていると理解されるべきである。別段示されなければ、本明細書で言及される各化合物もしくは組成物は、市販のグレードの物質であると解釈されるべきであり、上記市販のグレードの物質は、異性体、副生成物、誘導体、および市販のグレードにおいて存在することが通常理解される他のこのような物質を含み得る。しかし、各化学的成分の量は、別段示されなければ、上記市販の物質に習慣的に存在し得る任意の溶媒もしくは希釈油を除いて示される。本明細書で示される上限量および下限量、範囲、ならびに比率の限定は、独立して組み合わされ得ることが理解されるべきである。同様に、本発明の各要素についての範囲および量は、他の要素のうちのいずれかについての範囲もしくは量とも一緒に使用され得る。
本明細書で使用される場合、用語「ヒドロカルビル置換基」もしくは「ヒドロカルビル基」は、当業者に周知である、その通常の意味において使用される。具体的には、これは、分子の残りに直接結合され、主に炭化水素特徴を有する炭素原子を有する基をいう。ヒドロカルビル基の例としては、以下が挙げられる:
(i)炭化水素置換基(すなわち、脂肪族置換基(例えば、アルキルもしくはアルケニル)、脂環式置換基(例えば、シクロアルキル、シクロアルケニル)、ならびに芳香族置換された、脂肪族置換された、および脂環式置換された芳香族置換基、同様に、環式置換基(ここで上記環は、上記分子の別の部分を介して完成する(例えば、2つの置換基が一緒になって環を形成する));
(ii)置換された炭化水素置換基(すなわち、本発明の文脈において、上記置換基の主に炭化水素の性質を変化させない非炭化水素基(例えば、ハロ(特に、クロロおよびフルオロ)、ヒドロキシ、アルコキシ、メルカプト、アルキルメルカプト、ニトロ、ニトロソ、およびスルホキシ)を含む置換基);
(iii)ヘテロ置換基(すなわち、本発明の文脈において、主に炭化水素特徴を有するが、炭素原子から構成される以外は、環もしくは鎖中に炭素以外を含む置換基;ならびに
(iv)ヘテロ原子は、硫黄、酸素、窒素を含み、ピリジル、フリル、チエニルおよびイミダゾリルとして置換基を含む。一般に、2以下、好ましくは、1以下の非炭化水素置換基が、上記ヒドロカルビル基中の炭素原子10個ごとに存在し;代表的には、上記ヒドロカルビル基中に非炭化水素置換基は存在しない。
本発明は、その好ましい実施形態に関連して説明されてきたが、その種々の改変が、本明細書を読めば、当業者に明らかになることは理解されるべきである。従って、本明細書で開示される発明は、添付の特許請求の範囲内に入る場合に、このような改変を網羅することが意図されることは理解されるべきである。

Claims (13)

  1. 潤滑粘性の油およびアミン官能化添加剤を含む潤滑組成物であって、ここで該アミン官能化添加剤は、少なくとも3個の芳香族基、少なくとも1個の−NH官能基、および少なくとも2個の二級もしくは三級アミノ基を有するアミンから誘導され
    該アミン官能化添加剤は、該少なくとも3個の芳香族基、少なくとも1個の−NH 官能基、および少なくとも2個の二級もしくは三級アミノ基を有するアミンと、カルボン酸官能化ポリマーとを反応させることによって得られる/得ることができる生成物であり、そして、
    該カルボン酸官能化ポリマーは、ポリイソブチレン−コハク酸無水物ポリマー、マレイン酸無水物−スチレンコポリマー、マレイン酸無水物−スチレンコポリマーのエステル、αオレフィン−マレイン酸無水物コポリマー、あるいは(i)スチレン−エチレン−αオレフィンポリマー、(ii)水素化アルケニルアリール共役ジエンコポリマー、(iii)ポリオレフィン、もしくは(iv)水素化イソプレンポリマー、またはこれらの混合物のマレイン酸無水物グラフトコポリマーである、潤滑組成物。
  2. 前記アミン官能化添加剤は、少なくとも4個の芳香族基、少なくとも1個の−NH官能基、および少なくとも2個の二級もしくは三級アミノ基を有するアミンから誘導される、請求項1に記載の潤滑組成物。
  3. 前記少なくとも3個の芳香族基、少なくとも1個の−NH官能基、および少なくとも2個の二級もしくは三級アミノ基を有するアミンは、以下の式:
    によって表され、ここで各変数は独立して、
    は、水素もしくはC1−5アルキル基であり;
    は、水素もしくはC1−5アルキル基であり;
    Uは、脂肪族基、脂環式基もしくは芳香族基であり、ただしUが脂肪族のとき、該脂肪族基は、1〜5個、もしくは1〜2個の炭素原子を含む直鎖もしくは分枝鎖のアルキレン基であり得;そして
    wは、1〜10、もしくは1〜4、もしくは1〜2、もしくは1である、
    請求項1に記載の潤滑組成物。
  4. 前記少なくとも3個の芳香族基を有するアミンは、ビス[p−(p−アミノアニリノ)フェニル]−メタン、2−(7−アミノ−アクリジン−3−イルメチル)−N−4−{4−[4−(4−アミノ−フェニルアミノ)−ベンジル]−フェニル}−ベンゼン−1,4−ジアミン、もしくはこれらの混合物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の潤滑組成物。
  5. 前記カルボン酸官能化ポリマーは、ポリイソブチレンコハク酸無水物である、請求項に記載の潤滑組成物。
  6. 前記ポリイソブチレンコハク酸無水物は、数平均分子量350〜5000を有するポリイソブチレンから誘導される、請求項に記載の潤滑組成物。
  7. 前記水素化アルケニルアリール共役ジエンコポリマーは、スチレン−ブタジエンの水素化コポリマーである、請求項に記載の潤滑組成物。
  8. 前記マレイン酸無水物でグラフト化したポリオレフィンは、エチレン−プロピレンコポリマーである、請求項に記載の潤滑組成物。
  9. 前記水素化イソプレンポリマーは、水素化スチレン−イソプレンポリマーである、請求項に記載の潤滑組成物。
  10. 前記アミン官能化添加剤は、前記少なくとも3個の芳香族基、少なくとも1個の−NH 官能基、および少なくとも2個の二級もしくは三級アミノ基を有するアミンと、カルボン酸官能化ポリマーとを反応させて、イミドまたはアミドを形成することによって得られる生成物である、請求項1に記載の潤滑組成物。
  11. 内燃機関を潤滑するための方法であって、該方法は、該内燃機関に、請求項1〜1のいずれか1項に記載の潤滑組成物を供給する工程を包含する、方法。
  12. カルボン酸官能化ポリマーと、少なくとも3個の芳香族基、少なくとも1個の−NH官能基、および少なくとも2個の二級もしくは三級アミノ基を有するアミンとを反応させることによって得られる/得ることができる生成物の、潤滑剤中の分散剤もしくは分散粘性改変剤としての使用であって、
    該カルボン酸官能化ポリマーは、ポリイソブチレン−コハク酸無水物ポリマー、マレイン酸無水物−スチレンコポリマー、マレイン酸無水物−スチレンコポリマーのエステル、αオレフィン−マレイン酸無水物コポリマー、あるいは(i)スチレン−エチレン−αオレフィンポリマー、(ii)水素化アルケニルアリール共役ジエンコポリマー、(iii)ポリオレフィン、もしくは(iv)水素化イソプレンポリマー、またはこれらの混合物のマレイン酸無水物グラフトコポリマーである、使用
  13. 前記潤滑剤は、内燃機関潤滑剤である、請求項1に記載の使用。


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