JP2004522745A - ヒドロキシ芳香族マンニッヒ塩基縮合生成物及び潤滑油組成物中におけるスス分散剤としてのそれらの使用 - Google Patents
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Abstract
Description
発明の分野
本発明は、潤滑油組成物中において有効なスス分散剤として作用する、新規なクラスのマンニッヒ塩基縮合生成物に関する。本発明は、更に、前記スス分散剤を含む潤滑油組成物に関する。
【0002】
発明の背景
潤滑油組成物は、多量のベースオイル、及びその性能を改善し、かつ、潤滑剤の可使時間を引き延ばす添加剤を含む。窒素含有分散剤が、通常使用される潤滑剤添加剤である。分散剤の機能は、オイルの使用の間の酸化及び他のメカニズムにより形成される不溶性材料をオイル中にサスペンション状態で保持して、不溶性材料のスラッジ凝集及び沈澱を防止することにある。分散剤の他の機能は、スス粒子のアグロメレーションを低減させ、それにより、使用の際の潤滑油の粘度上昇を低減させることにある。改良されたスス分散性を含む、改良された性能を提供するクランクケース潤滑剤が絶え間なく求められている。
【0003】
潤滑油のスラッジ分散特性を改良するために、工業界では、低分子材料に比し優秀なスラッジ分散特性を有する高分子材料の使用が注目されており、また、そのような高分子分散剤の使用量が増えてきている。しかしながら、分散剤は、高価であり、使用済み潤滑剤の処分が問題となる残留レベルの塩素を含んでいるかもしれず、過塩基化清浄剤を含む潤滑剤におけるブレンドが良好でなく、また、高レベルの塩基性アミンを含むために、運転中のエンジン内におけるシールの劣化がもたらされる。また、高分子分散剤は、多量に使用した時でさえ、特に、ヘビーデューティディーゼルエンジン用潤滑油に生じるような高スス環境において、十分なスス分散特性を提供しない。従って、十分なスス分散特性を有する潤滑剤を、好ましくは、低減量の高分子分散剤を用いて提供することを可能にするのが望まれる。
【0004】
米国特許第3,442,808号明細書は、アルキル置換フェノール、ホルムアルデヒド及びポリアルキレンポリアミンを縮合することにより製造したマンニッヒ塩基縮合生成物をアルケニルコハク酸無水物と反応させることにより製造した潤滑油添加剤を記載する。
米国特許第3,458,495号明細書は、1当量のホスホ硫化炭化水素及び約0.5〜4当量のアルキレンアミノフェノールの反応生成物を含む分散剤−清浄剤油添加剤及び酸化抑制剤を記載する。ホスホ硫化炭化水素は、テルペン、石油フラクション又は分子量500〜200,000のC2−6オレフィンポリマー(エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン又はイソアミレンのポリマーを含む)及び亜リン酸の硫化物5〜40質量%の反応により製造される。アルキレンアミノフェノールは、アルデヒド、アルキレンポリアミン及びアルキルフェノールのマンニッヒ塩基縮合により製造される。
【0005】
米国特許第4,354,950号明細書は、以下の式:
【化2】
(式中、Rは、炭素原子数25〜200のヒドロカルビルであり、R’は、H、アルキル又はハロゲンであり、“n”は、2又は3であり、“m”は、1〜5の値であり、Yは、H又はメチレンヒドロキシアリールスクシンイミド基であり、“x”は、YがHの時には1〜2の値であり、Yがメチレンヒドロキシアリールスクシンイミド基の時には1の値である)のヒドロキシアリールスクシンイミドのマンニッヒ塩基誘導体を製造する方法を開示する。上記スクシンイミドは、段階的な反応において、例えば、ポリアルケニルコハク酸無水物をアミノフェノールと反応させて、中間体N−(ヒドロキシアリール)ヒドロカルビルスクシンイミドを製造し、それを、その後、マンニッヒ塩基反応において、アルキレンジアミン及びアルデヒド(例えばホルムアルデヒド)と反応させて、所望の生成物を製造することにより形成される。得られるスクシンイミドを、潤滑粘度を有するベースオイルに添加して、潤滑剤濃縮物及び潤滑油配合物を形成することができる。
【0006】
米国特許第5,017,299号;第5,186,851号;及び第5,345,002号明細書は、アルキル置換ヒドロキシ芳香族化合物とホルムアルデヒド及びアミンとのマンニッヒ塩基縮合物を記載し、その芳香族化合物のアルキル基は、数平均分子量300〜10,000のエチレンαオレフィンコポリマーから誘導され、また、そのポリマー鎖の少なくとも30%が、末端エテニリデン不飽和を含む。
米国特許第5,580,484号明細書は、アルキル置換ヒドロキシ芳香族化合物、アルデヒド及び“ヘビーポリアミン”のスクシンイミドマンニッヒ塩基縮合物を記載し、該アミンは、少量の低級ポリアミンオリゴマー、例えばテトラエチレンペンタミン及びペンタヘキサミン、及び多量の、分子あたり7又は8以上の窒素原子及び2又は3以上の第1級アミンを有するオリゴマーを含むポリアルキレンポリアミンの混合物として定義され、その分枝度は、従来のポリアミン混合物のものに比し高い。また、芳香族化合物のアルキル基は、300より高い数平均分子量を有するポリマー鎖から誘導されたものとして定義される。
【0007】
発明の概要
本発明の1つの態様によれば、場合により1又は2以上の短鎖(C1−20)ヒドロカルビル基により置換されていてもよいヒドロキシ芳香族化合物;アルデヒド;及びアミンの新規マンニッヒ塩基縮合物が提供され、ここで、ヒドロキシ芳香族基の任意のヒドロカルビル置換基、アルデヒド及びアミンにおける合計炭素原子数が80を超えない。
本発明の別の態様によれば、潤滑粘度を有するベースオイル、及び有効量のスス分散剤を含む潤滑油組成物が提供され、該スス分散剤は、場合により1又は2以上の短鎖(C1−20)ヒドロカルビル基により置換されていてもよいヒドロキシ芳香族化合物;アルデヒド;及びアミンのマンニッヒ塩基縮合物であり、ここで、ヒドロキシ芳香族基の任意のヒドロカルビル置換基、アルデヒド及びアミンにおける合計炭素原子数が80を超えない。
【0008】
本発明の更なる別の態様によれば、潤滑粘度を有するベースオイル、及び有効量の(1)場合により1又は2以上の短鎖(C1−20)ヒドロカルビル基により置換されていてもよいヒドロキシ芳香族化合物;アルデヒド;及び第1級又は第2級アミンのマンニッヒ塩基縮合物であって、ヒドロキシ芳香族基の任意のヒドロカルビル置換基、アルデヒド及びアミンにおける合計炭素原子数が80を超えないもの及び(2)高分子の、窒素含有分散剤を含む潤滑油組成物又は濃縮物が提供される。
従来のマンニッヒ塩基材料に比し、本発明の低分子材料は、優秀なスス分散特性を有する潤滑油を提供し、また、従来の高分子窒素含有分散剤との組み合わせで用いた場合に、高分子分散剤の固有のスス分散特性を相乗的に強化する。更なる利点として、本発明のマンニッヒ塩基材料を潤滑油組成物に添加することにより、酸化防止効果が提供される。
【0009】
発明の詳細な記載
本発明の化合物は、場合によりC1−20ヒドロカルビルにより置換されていてもよい単核又は多核芳香族化合物;C1−10アルデヒド;及び分子あたり1〜60個の炭素原子及び1〜約12個の窒素原子を含むアミンの縮合生成物であって、ヒドロキシ芳香族化合物の任意の置換基、アルデヒド及びアミンにおける合計炭素原子数が80を超えない縮合生成物である。そのような化合物は、以下の一般式(I)により表すことができる:
【化3】
(式中、Aは、単核又は多核芳香族基であり;R1及びR2は、独立して、N、O又はSから選ばれる1又は2以上のヘテロ原子を場合により含んでいてもよいC1−30直鎖又は分枝鎖ヒドロカルビル基又はHから選ばれ;R3は、C1−20直鎖又は分枝鎖ヒドロカルビル基であり;R4は、H又はC1−9直鎖又は分枝鎖ヒドロカルビル基であり;qは、1又は2であり;xは、1〜3であり;yは、Ar中における芳香環数の1〜2倍の数であり;かつ、zは、0から、芳香族基Arにおける残存置換性水素数に等しい数までであり;ここで、R1、R2、R3及びR4中における合計炭素原子数が80未満である)。
【0010】
本発明の材料の製造に有用なヒドロキシ芳香族化合物は、式H−Ar−(OH)y (II)(式中、Arは、単核又は多核芳香族基を表し、かつ、yは、Ar中における芳香環数の1〜2倍の数である)の化合物を含む。多核基は、2又は3以上の縮合環を含んでいてもよく、その各環が4〜10個の炭素原子を有する(例えばナフタレン)。適切な多核基は、結合された単核芳香族基、例えばビフェニルであってもよく、又は、結合された、縮合環(例えばビナフチル)を含んでいてもよい。適切な多核芳香族基の例としては、フェニレン、ビフェニル、テトラリン、ナフタレン、ビナフチル、アントラセン、フェナントレン、フルオレン、インデン、シクロペンテノフェナントレン、ベンズアントラセン、ビベンズアントラセン、クリセン、ピレン、ベンズピレン及びコロネンが挙げられる。好ましい芳香族基としては、フェニレン及びナフタレンが挙げられ、ナフタレンが特に好ましい。
【0011】
本発明において有用なヒドロキシ芳香族化合物は、場合により、1又は2以上のヒドロカルビル基により置換されていてもよい。ヒドロキシ芳香族化合物をアルキル化するためには、選択したヒドロカルビル基(直鎖又は分枝鎖C1−20ヒドロカルビル基)及びヒドロキシ芳香族化合物を、触媒有効量の少なくとも1種の酸性アルキル化触媒の存在下で、ヒドロキシ芳香族化合物の芳香族基をアルキル化するのに有効な条件下で接触させてもよい。アルキル化触媒は、従来のものであり、例えば、H3PO4、H2SO4、HF、BF3及びHF−BF3などの無機酸を含んでいてもよい。酸性触媒は、また、それらの上に吸着又は吸収された酸性基を有する酸性イオン交換樹脂、例えばアンバーリスト15樹脂(ロームアンドハースコーポレーション)などを含んでいてもよい。また、触媒として有用なものは、先に記載したものとC2−10エーテル、C1−10アルコール、C2−10ケトン及びフェノールなどの前形成複合体(又は現場で形成された複合体)、例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル及びフェノールなどのBF3複合体である。他の有用なアルキル化触媒としては、クレー触媒、例えば、フィルテロールズF20X、F22及びF105SFなど(エングルハードケミカルコーポレーション)、及び例えば米国特許第5,334,775号明細書に記載されたようなヘテロポリ酸触媒が挙げられる。
【0012】
ヒドロキシ芳香族化合物及びヒドロカルビル基は、一般には、ヒドロカルビル基1モルあたりの芳香族化合物の割合約0.1〜10、好ましくは約1〜7、より好ましくは約2〜5で接触させるであろう。選択した酸触媒は、幅広い変動濃度で使用することができる。一般には、酸触媒が、無機触媒を含む場合、酸触媒は、アルキル化反応ゾーンに充填されるヒドロキシ芳香族化合物1モルあたり少なくとも約0.001、好ましくは約0.01〜0.5、より好ましくは約0.1〜0.3モルの触媒が提供されるように充填されるであろう。ヒドロキシ芳香族化合物1モルあたり、1モルを超える無機触媒の使用は、通常は必要とされない。酸触媒が、担持触媒(supported catalyst)、例えば酸性イオン交換樹脂を含む場合、その反応体とイオン交換樹脂との接触は、例えば、反応体を樹脂に通す(例えば、触媒床において又は樹脂触媒を含浸させ若しくは他の方法で含む膜を通して行う)ことによる、従来の固体−液体接触技術を用いて行ってもよく、また、ヒドロキシ芳香族化合物1モルあたりの使用する触媒のモル数の上限は臨界的でない。
【0013】
アルキル化の温度は、また、幅広く変動してもよく、通常、約20〜約250℃、好ましくは約30〜約150℃、より好ましくは約50〜約80℃であろう。
アルキル化反応時間は、変動してもよく、一般には、約1〜5時間であろうが、より長い又は短い時間であってもよい。アルキル化工程は、バッチ式で、連続又は半連続的手段で行ってもよい。好ましくは、酸触媒は、アルキル化生成物混合物をアミン試薬(例えばポリアミン)及びアルデヒド試薬と接触させる前に中和及び/又は除去する。中和は、粗アルキル化生成物をガス状アンモニア又は他の塩基的反応性化合物(例えば水性NaOH及びKOHなど)と接触させることにより行うことができ、次いで、ろ過して、沈澱した中和触媒固体を除去してもよい。ヒドロカルビル基は、単一の線状又は分枝鎖C1−20ヒドロカルビル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ペンチル、オクチル、デシル、ドデシル)であってもよく、又は、そのようなヒドロカルビル基の混合物を含んでいてもよい。上記タイプのアルキル化工程は、既知であり、例えば、米国特許第3,539,633号及び第3,649,229号明細書に記載されている。
【0014】
本発明を行うのに有用なアルキル化ヒドロキシ芳香族化合物は、あるいはまた、最初に、芳香族化合物(例えばナフタレン)を、例えば、上記アルキル化方法を用いてアルキル化し、次いで、アルキル化芳香族化合物を酸化することにより提供することができる。そのような化合物を形成する方法は、よく知られており、例えば、米国特許第2,407,044号、第2,407,055号、第2,451,996号及び第3,033,903号明細書に記載されている。
本発明のマンニッヒ塩基縮合生成物の形成に有用なアルデヒド反応体は、一般には、ホルムアルデヒド又はパラホルムアルデヒドを含むであろうが、他のアルデヒド基含有化合物、例えばC2−10ヒドロカルビルアルデヒド(例えばブチルアルデヒド、アセトアルデヒド及びプロピロンアルデヒドなど)もまた使用することができることが理解されるであろう。好ましい群のアルデヒド材料は、式R”CHO(式中、R”は、1〜4個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素基又はHである)の化合物である。
【0015】
選択するヒドロキシ芳香族化合物及びアルデヒド材料との反応に有用なアミン化合物は、第1級又は第2級アミン、脂肪族又は芳香族アミン、又はアミン塩である。適切なアミンとしては、分子中における全炭素原子数が約2〜60、好ましくは2〜40(例えば3〜20)で、窒素原子数が約1〜12、好ましくは1〜5、最も好ましくは1〜3のモノ及びポリアミンが挙げられる。分子中に12個より多くの窒素原子が存在する場合には、反応混合物のゲル化が生じるかもしれない。これらのアミンは、ヒドロカルビルアミンであってもよく、又は、他の基、例えばヒドロキシ基、アルコキシ基、アミド基、ニトリル及びイミダゾリン基を含むヒドロカルビルアミンであってもよい。1〜6個、好ましくは1〜3個のヒドロキシ基を有するヒドロキシアミンが特に有用である。好ましいアミンは、脂肪族飽和アミンであり、以下の一般式のものが含まれる:
【0016】
【化4】
【0017】
(式中、R、R’、R”及びR’’’は、独立して、水素;C1−25直鎖又は分枝鎖アルキル基;C1−12アルコキシ、C2−6アルキレン基;C2−12ヒドロキシアミノアルキレン基;及びC1−12アルキルアミノC2−6アルキレン基からなる群より選ばれ;ここで、R’’’は、更に、以下の式(V):
【0018】
【化5】
【0019】
(式中、R’は、上述したとおりである)の基を含んでいてもよく、r及びr’は、同一であっても異なっていてもよく、約2〜約6、好ましくは約2〜約4であり;かつ、t及びt’は、同一であっても異なっていてもよく、0〜約10、好ましくは0〜約3、及び最も好ましくは約0〜約2であり、但し、t及びt’の合計が約10を超えないものである)。
【0020】
容易な反応を確実なものとするためには、R、R’、R”、R’’’、r、r’、t及びt’を、典型的には少なくとも1つの第1級又は第2級アミン基、好ましくは少なくとも2つの第1級又は第2級アミン基を有する式III及びIVの化合物を提供するのに十分な方法で選択するのが好ましい。これは、前記R、R’、R”及びR’’’基の少なくとも1つを水素として選択することにより、又は、R’’’がHである場合又は基Vの基が第2級アミノ基を有する場合に式IV中におけるtを少なくとも1とすることにより達成することができる。上記式の最も好ましいアミンは、式IIIにより表される。
【0021】
適切なアミン化合物の例としては以下のものが挙げられるが、これらに制限される訳ではない:1,2−ジアミノエタン;1,3−ジアミノプロパン;1,4−ジアミノブタン;1,6−ジアミノヘキサン;ポリエチレンアミン、例えばジエチレントリアミン;トリエチレンテトラミン;テトラエチレンペンタミン;ポリプロピレンアミン、例えば1,2−プロピレンジアミン;ジ−(1,2−プロピレン)トリアミン;ジ−(1,3−プロピレン)トリアミン;N,N−ジメチル−1,3−ジアミノプロパン;N,N−ジ−(2−アミノエチル)エチレンジアミン;N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−1,3−プロピレンジアミン;3−ドデシルオキシプロピルアミン;N−ドデシル−1,3−プロパンジアミン;ジイソプロパノールアミン;ジエタノールアミン;モノ−及びジ−獣脂アミン、モノ−及びジ−ココアミン、モノ−及びジ−パルミチン酸アミン;ジフェニルアミン、ジベンジルアミン;モルホリン、例えばN−(3−アミノプロピル)モルホリン;及びそれらの混合物。
【0022】
他の有用なアミン化合物としては、脂環式ジアミン、例えば1,4−ジ(アミノメチル)シクロヘキサン、及びヘテロ環窒素化合物、例えばイミダゾリン、及び以下の一般式(VI):
【化6】
(式中、p1及びp2は、同一であっても異なっていてもよく、それぞれ、約1〜約4の整数であり、かつ、n1、n2及びn3は、同一であっても異なっていてもよく、それぞれ、0〜約3の整数であり、但し、アミンの分子あたりの窒素原子数は約12個以下である)のN−アミノアルキルピペラジンが挙げられる。そのようなアミンの例としては、2−ペンタデシルイミダゾリン;N−(2−アミノエチル)ピペラジンなどが挙げられるが、これらに制限される訳ではない。
【0023】
アミン化合物の商業的混合物を、有利に使用することができる。例えば、アルキレンアミンを製造する方法の1つは、アルキレンジハライド(例えばエチレンジクロライド又はプロピレンジクロライド)とアンモニアの反応を包含し、それにより、アルキレンアミンの複合体混合物が生じ、その窒素の対はアルキレン基により結合されており、そのような化合物が、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン及び異性体ピペラジンとして形成される。分子あたりの平均窒素原子数が約5〜7の低価格ポリ(エチレンアミン)化合物が、“ポリアミンH”、“ポリアミン400”及び“ダウポリアミンE−100”などの商品名の下に商業的に入手可能である。上述した米国特許第5,580,484号明細書に記載された“ヘビーポリアミン”もまた使用可能である。
【0024】
有用なアミンとしては、また、ポリオキシアルキレンポリアミン、例えば以下の式(VII)及び(VIII)のものが挙げられる:
【化7】
(式中、R””は、H又はC1−22アルキル、好ましくはC1−5アルキルであり、かつ、n4は、1〜3である)。
【0025】
本発明のマンニッヒ塩基縮合生成物は、少なくとも1つの上記ヒドロキシ芳香族化合物を、アミンを用いて、アルデヒドの存在下で縮合させることにより製造される。反応体は、所望の分散体生成物を形成するのに十分な時間及び条件下で接触させる。縮合反応において使用する方法は、米国特許第3,634,515号、第3,649,229号、第3,442,808号、第3,798,165号、第3,798,247号及び第3,539,633号明細書に開示されたもののいずれかであってもよい。
反応体の使用量は、臨界的でなく、幅広い範囲にわたり変動してもよい。しかしながら、ヒドロキシ芳香族化合物、アルデヒド反応体及びアミン化合物は、それぞれ、約1:1〜4:0.1〜10のモル比で反応させるのが好ましい。過剰量のアルデヒド反応体を使用してもよい。反応は、発熱性であるが、反応は、約150℃より高い温度まで、好ましくは約150〜200℃の範囲まで加熱して行うのが望ましい。この更なる加熱により、反応を完全なものとすることができ、また、水が、得られる縮合反応生成物から除去される。
【0026】
マンニッヒ塩基縮合反応は、以下の反応式により表される:
【化8】
(式中、R1及びR2は、先に定義したとおりである)。
【0027】
好ましい群のマンニッヒ塩基縮合生成物は、場合によりC1−20ヒドロカルビルで置換されていてもよいナフトールを、ホルムアルデヒド及び脂肪族又は芳香族置換第2級アミン(例えば脂肪アミン、例えば水素化モノ−又はジ−獣脂アミン、モノ−又はジ−ココアミン;短鎖アルキル基で置換されたアミン、例えばモノ−又はジ−ノニルアミン、モノ−又はジ−オクチルアミン、モノ−又はジ−ヘキシルアミン、モノ−又はジ−ペンチルアミン、モノ−又はジ−ブチルアミン、モノ−又はジ−プロピルアミン、モノ−又はジ−メチルアミン;又はモノ−又はジ−フェニル又はモノ−又はジ−ベンジルアミン)を用いて縮合させることにより形成されるものである。特に好ましいものは、天然脂肪酸から誘導されるジ−アルキルアミン、例えばジ−ココアミン、ジ−獣脂アミン及びジ−パルミチン酸アミンである。特に好ましい本発明の生成物は、(A)ナフトール;(B)ホルムアルデヒド;及び(C)天然脂肪酸から誘導されるジ−アルキルアミンの縮合反応であって、(A)1モルあたり(B)及び(C)をそれぞれ約1〜2モル用いる反応により得られるものを含む。本発明の方法により形成される所望のマンニッヒ塩基縮合生成物は、一般には、縮合反応生成物混合物中において、少なくとも約60質量%(例えば65〜95質量%)、より好ましくは少なくとも約70質量%、及び最も好ましくは約75〜約90質量%の濃度で存在するであろう。
【0028】
本発明のマンニッヒ塩基縮合生成物は、潤滑油とブレンドしたときに、それらにスス分散特性を提供する。本発明において有用な潤滑粘度を有する油は、天然潤滑油、合成潤滑油又はそれらの混合物から選択することができる。潤滑油の粘度範囲は、軽質留出鉱油から重質潤滑油のもの、例えば、ガソリンエンジンオイル、鉱物潤滑油及びヘビーデューティディーゼルオイルのものであってもよい。一般には、その油の粘度範囲は、100℃で測定して、約2〜約40センチストークス、特には約4〜約20センチストークスである。
天然油としては、動物油及び植物油(例えばヒマシ油、ラード油);液体石油及び水素精製された、溶剤処理された又は酸処理された、パラフィン系、ナフテン系及びパラフィン−ナフテン混合系の鉱油が挙げられる。石炭及び頁岩から誘導される、潤滑粘度を有する油が、また、有用なベースオイルとして作用する。
【0029】
合成潤滑油としては、炭化水素油及びハロ置換炭化水素油、例えば、ポリマー化及び共重合化オレフィン(例えばポリブチレン、ポリプロピレン、プロピレン−イソブチレンコポリマー、塩素化ポリブチレン、ポリ(1−ヘキセン)、ポリ(1−オクテン)、ポリ(1−デセン));アルキルベンゼン(例えば、ドデシルベンゼン、テトラデシルベンゼン、ジノニルベンゼン、ジ(2−エチルヘキシル)ベンゼン);ポリフェニル(例えば、ビフェニル、テルフェニル、アルキル化ポリフェノール);及びアルキル化ジフェニルエーテル及びアルキル化ジフェニルスルフィド及びそれらの誘導体、類縁体及び同族体が挙げられる。
アルキレンオキシドポリマー及び共重合体及び、その末端ヒドロキシル基がエステル化、エーテル化などにより改質されたそれらの誘導体は、他のクラスの既知の合成潤滑油を構成する。これらの例としては、次のものが挙げられる:エチレンオキシド又はプロピレンオキシドの重合により製造されるポリオキシアルキレンポリマー、及びポリオキシアルキレンポリマーのアルキル及びアリールエーテル(例えば、分子量1000のメチル−ポリイソ−プロピレングリコールエーテル及び分子量1000〜1500のポリエチレングリコールのジフェニルエーテル);及びそれらのモノ−及びポリ−カルボン酸エステル、例えば、テトラエチレングリコールの酢酸エステル、混合C3−8脂肪酸エステル及びC13オキソ酸ジエステル。
【0030】
他の適切なクラスの合成潤滑油は、ジカルボン酸(例えば、フタル酸、コハク酸、アルキルコハク酸及びアルケニルコハク酸、マレイン酸、アゼライン酸、スベリン酸、セバシン酸、フマル酸、アジピン酸、リノール酸ダイマー、マロン酸、アルキルマロン酸、アルケニルマロン酸)と種々のアルコール(例えば、ブチルアルコール、ヘキシルアルコール、ドデシルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコールモノエーテル、プロピレングリコール)とのエステルを含む。そのようなエステルの具体例としては、次のものが挙げられる:ジブチルアジペート、ジ(2−エチルヘキシル)セバケート、ジ−n−ヘキシルフマレート、ジオクチルセバケート、ジイソオクチルアゼレート、ジイソデシルアゼレート、ジオクチルフタレート、ジデシルフタレート、ジエイコシルセバケート、リノール酸ダイマーの2−エチルヘキシルジエステル、及び1モルのセバシン酸を2モルのテトラエチレングリコール及び2モルの2−エチルヘキサン酸と反応させることにより形成される複合体エステル。
【0031】
合成油として有用なエステルとしては、また、C5−12モノカルボン酸及びポリオール及びポリオールエステル、例えば、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール及びトリペンタエリスリトールから製造したものが挙げられる。
シリコンベースオイル、例えばポリアルキル−、ポリアリール−、ポリアルコキシ−又はポリアリールオキシシリコーンオイル及びシリケートオイルは、他の有用なクラスの合成潤滑剤を含み;そのようなオイルとしては、テトラエチルシリケート、テトライソプロピルシリケート、テトラ−(2−エチルヘキシル)シリケート、テトラ−(4−メチル−2−エチルヘキシル)シリケート、テトラ−(p−tert−ブチル−フェニル)シリケート、ヘキサ−(4−メチル−2−エチルヘキシル)ジシロキサン、ポリ(メチル)シロキサン及びポリ(メチルフェニル)シロキサンが挙げられる。他の合成潤滑油としては、ポリマー性テトラヒドロフラン及び亜リン酸含有酸(例えば、トリクレジルホスフェート、トリオクチルホスフェート、デシルホスホン酸のジエチルエステル)の液状エステルが挙げられる。
【0032】
未精製、精製及び再精製油を、本発明の潤滑剤中において使用してもよい。未精製油は、更なる精製処理なしに、天然又は合成源から直接得られたものである。例えば、レトルト操作により直接得られる頁岩油;蒸留により直接得られる石油;又はエステル化により直接得られ、かつ、更なる処理なしに使用されるエステルオイルは未精製油であろう。精製油は、その油が、更に、1又は2以上の精製工程において処理されて、1又は2以上の特性が改善されている以外は未精製油と同様である。多くのそのような精製技術、例えば、蒸留、溶剤抽出、酸又は塩基抽出、ろ過及びパーコレーションが、当該技術分野における当業者に知られている。再精製油は、精製油を提供するために使用する工程と同様であるが、既に使用された油を出発物質とする工程により得られる。そのような再精製油は、再生(reclaimed or reprocessed)油として知られており、また、使用済み添加剤及び油分解生成物を改質するための技術を用いる更なる処理に付されることが多い。
【0033】
本発明のマンニッヒ塩基縮合生成物は、いずれかの都合の良い方法で潤滑油中に導入することができる。従って、本発明の化合物は、それを油中に所望のレベルの濃度で分散又は溶解させることにより油に直接添加することができる。そのような潤滑油中へのブレンドは、室温又は高温で行うことができる。あるいはまた、本発明の化合物は、適切な油溶性溶剤及びベースオイルとブレンドして、濃縮物を形成し、その後、濃縮物を潤滑油ベースストックとブレンドして、最終配合物を得ることができる。そのような濃縮物は、濃縮物の質量をベースとして(活性成分(A.I.)ベースで)、本発明の化合物を、典型的には、約20〜約60質量%、及び好ましくは約40〜約50質量%、及びベースオイルを、典型的には、約40〜約80質量%、及び好ましくは約40〜60質量%含むであろう。十分なスス分散特性を提供するためには、十分に配合された潤滑油組成物は、本発明の化合物1種又は2種以上を約0.01〜約10質量%、好ましくは約0.1〜約5質量%、最も好ましくは約0.1〜約1質量%含むべきである。
【0034】
本発明のマンニッヒ塩基縮合生成物は、単独では、潤滑油組成物に十分なスラッジ分散特性を提供しないので、本発明のマンニッヒ塩基縮合生成物を含む潤滑油組成物は、また、従来の高分子分散剤を含んでいてもよい。
本発明において有用な高分子分散剤としては、潤滑油に添加された場合にガソリン及びディーゼルエンジン中での使用時の堆積物の形成を低減するのに効果的であることが知られる無灰(金属を含まない)分散剤類が挙げられる。本発明の組成物中において有用な無灰の高分子分散剤は、分散されるべき粒子と結合可能な官能基を有する油溶性ポリマー性長鎖主鎖を含む。典型的には、そのような分散剤は、結合基を介することが多いポリマー主鎖への結合が可能である、アミン、アルコール、アミド又はエステル極性基を含む。無灰高分子分散剤は、例えば、長鎖炭化水素置換モノ−及びポリ−カルボン酸又はその無水物の油溶性塩、エステル、アミノ−エステル、アミド、イミド及びオキサゾリン;長鎖炭化水素のチオカルボキシル化誘導体;それらに直接結合するポリアミン基を有する長鎖脂肪族炭化水素;及び長鎖置換フェノールをホルムアルデヒド及びポリアルキレンポリアミンで縮合することにより形成されるマンニッヒ縮合生成物から選択することができる。
【0035】
“高分子”分散剤は、数平均分子量が450に等しいか又はそれより高く、例えば、450〜20,000のものである。正確な分子量範囲は、分散剤を形成するために使用するポリマーのタイプ、官能基の数、使用する極性官能基のタイプに依存するであろう。例えば、ポリイソブチレン誘導体化分散剤について、高分子分散剤は、約1700〜約5600の数平均分子量を有するポリマー性主鎖で形成されるものであってもよい。商業的に入手可能なポリイソブチレンベース分散剤の典型例は、約900〜約2300の数平均分子量範囲を有し、無水マレイン酸(MW=98)により官能化され、かつ、分子量約100〜約350のポリアミンで誘導体化されたポリイソブチレンポリマーを含む。また、低分子量ポリマーを使用して、当該技術分野において既知の方法を用いて複数のポリマー鎖を分散剤中に導入することにより、高分子分散剤を形成してもよい。
【0036】
ポリマーの分子量、具体的にはMnは、種々の既知の技術により測定することができる。ある都合の良い方法は、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)であり、それにより、更に、分子量分布情報が得られる(W. W. Yau, J. J. Kirkland and D. D. Bly, ”Modern Size Exclusion Liquid Chromatography”, John Wiley and Sons, New York, 1979)。アミン含有分散剤(例えばPIBSA−ポリアミン)の分子量を測定する場合、アミンの存在により、分散剤がカラムに吸着され、分子量測定が不正確なものとなる。GPC装置の操作に精通する者の理解では、この問題は、混合溶剤系、例えば、純粋なテトラヒドロフラン(THF)とは対照的に、少量のピリジンと混合したTHFを用いることにより排除することができる。その問題は、また、アミンを無水酢酸でキャップし、かつ、キャップ基量をベースとして分子量を補正することにより取り扱うことができる。特に、低分子ポリマーについて、分子量を測定するのに有用な他の方法は、蒸気圧浸透圧法である(例えば、ASTM D3592参照)。
【0037】
従来の高分子分散剤の形成において使用されていた、適切な炭化水素又はポリマーとしては、ホモポリマー、共重合体又は低分子炭化水素が挙げられる。そのようなポリマー群は、エチレン及び/又は式H2C=CHR1(式中、R1は、1〜26個の炭素原子を含む直鎖又は分枝鎖のアルキル基である)のC3−28αオレフィンのポリマーを含み、そのポリマーは、炭素−炭素不飽和を含み、好ましくは末端エテニリデン不飽和レベルが高い。好ましくは、そのようなポリマーは、エチレン及び上記式(式中、R1は、炭素原子1〜18個、より好ましくは1〜8個、及び更により好ましくは1〜2個を有するアルキルである)のαオレフィンの共重合体を含む。従って、有用なαオレフィンモノマー及びコモノマーとしては、例えば、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、4−メチルペンテン−1、デセン−1、ドデセン−1、トリデセン−1、テトラデセン−1、ペンタデセン−1、ヘキサデセン−1、ヘプタデセン−1、オクタデセン−1、ノナデセン−1及びそれらの混合物(例えば、プロピレンとブテン−1の混合物など)が挙げられる。そのようなポリマーの例は、プロピレンホモポリマー、ブテン−1ホモポリマー、エチレン−プロピレンコポリマー、エチレン−ブテン−1コポリマー、プロピレン−ブテンコポリマーなどが挙げられ、ここで、そのポリマーは、少なくともいくらかの末端及び/又は内部不飽和を含む。好ましいポリマーは、エチレンとプロピレンの不飽和コポリマー及びエチレンとブテン−1の不飽和コポリマーである。本発明の共重合体は、少量、例えば、0.5〜5モル%のC4−18非共役ジオレフィンコモノマーを含んでいてもよい。しかしながら、本発明のポリマーは、αオレフィンホモポリマー、αオレフィンコモノマーの共重合体及びエチレン及びαオレフィンコモノマーの共重合体のみを含むのが好ましい。本発明において使用するポリマーのエチレンモル含量は、好ましくは、20〜80%、及びより好ましくは30〜70%の範囲内にある。プロピレン及び/又はブテン−1をコモノマーとしてエチレンと共に使用する場合、そのようなコポリマーのエチレン含量は、最も好ましくは45〜65%であるが、エチレン含量は、より高くても又は低くてもよい。
【0038】
これらのポリマーは、αオレフィンモノマー、又はαオレフィンモノマーの混合物、又はエチレンと少なくとも1種のC3−28αオレフィンモノマーを含む混合物の重合を、少なくとも1種のメタロセン(例えばシクロペンタジエニル−遷移金属化合物)及びアルモキサン(alumoxane)化合物を含む触媒系の存在下で行うことにより製造することができる。この方法を用いて、ポリマー鎖の95%又はそれより多くが末端エテニリデンタイプの不飽和を有するポリマーを提供することができる。末端エテニリデン不飽和を示すポリマー鎖の割合は、FTIRスペクトル分析、滴定、又はC13NMRにより測定することができる。この後者のタイプの共重合体は、式POLY−C(R1)=CH2(式中、R1は、C1−26アルキル、好ましくはC1−18アルキル、より好ましくはC1−8アルキル、及び最も好ましくはC1−2アルキル(例えば、メチル又はエチル)であり、また、POLYは、ポリマー鎖を表す)により特徴付けることができる。R1アルキル基の鎖長は、重合に使用するために選択するコモノマーに依存して変動するであろう。少量のポリマー鎖は、末端エテニル、即ち、ビニル、飽和、即ち、POLY−CH=CH2を含んでいてもよく、そのポリマーの一部が、内部モノ不飽和、例えば、POLY−CH=CH(R1)(式中、R1は、上記で定義したとおりである)を含んでいてもよい。これらの末端不飽和共重合体は、既知のメタロセン化学により製造することができ、また、米国特許第5,498,809号、第5,663,130号、第5,705,577号、第5,814,715号、第6,022,929号及び第6,030,930号明細書に記載されたように製造することができる。
【0039】
有用な他のクラスのポリマーは、イソブテン、スチレンなどのカチオン重合により製造されるポリマーである。このクラスからの通常のポリマーとしては、ブテン含量が約35〜約75質量%であり、かつ、イソブテン含量が約30〜約60質量%のC4精製流を、ルイス酸触媒、例えば、三塩化アルミニウム又は三弗化ホウ素の存在下において重合することにより得られるポリイソブテンが挙げられる。ポリ−n−ブテンを製造するための好ましいモノマー源は、ラフィネートIIなどの石油供給流である。これらの供給原料は、例えば、米国特許第4,952,739号明細書などの文献に開示されている。ポリイソブチレンは、本発明の最も好ましい主鎖であり、なぜなら、それが、ブテン流からのカチオン重合により(例えばAlCl3又はBF3触媒を用いて)容易に入手可能であるためである。そのようなポリイソブチレンは、一般には、ポリマー鎖に沿って位置する、ポリマー鎖あたり約1つのエチレン二重結合の量で残留不飽和を含む。
上述したように、使用するポリイソブチレンポリマーは、一般には、約900〜2300の炭化水素鎖をベースとする。ポリイソブチレンを製造する方法は、知られている。ポリイソブチレンは、ハロゲン化(例えば塩素化)、熱“エン”反応により、又は、遊離基グラフトにより、触媒(例えばペルオキシド)を用いて、以下に記載するように官能化することができる。
【0040】
ポリマー性炭化水素を不飽和カルボン酸、無水物又はエステルと反応させる方法、及びそのような化合物から誘導体を製造する方法は、米国特許第3,087,936号、第3,172,892号、第3,215,707号、第3,231,587号、第3,272,746号、第3,275,554号、第3,381,022号、第3,442,808号、第3,565,804号、第3,912,764号、第4,110,349号、第4,234,435号明細書及びGB−A−1,440,219号公報に開示されている。ポリマー又は炭化水素は、例えば、カルボン酸生成基(好ましくは酸又は無水物)で官能化させることができるが、これは、熱“エン反応”又はハロゲン補助官能化(塩素化)方法を用いて、主に炭素−炭素不飽和(エチレン系又はオレフィン系不飽和とも称される)の部位で、ポリマー又は炭化水素鎖上への、官能基又は作用物、即ち、酸、無水物、エステル基などの付加が生じる条件下でポリマー又は炭化水素を反応させることによる。
【0041】
触媒(例えばペルオキシド)を用いる遊離基グラフト化方法を利用する場合、官能化は、ポリマー鎖に沿ってランダムに行われる。選択的官能化は、不飽和αオレフィンポリマーをハロゲン化、例えば塩素化又は臭素化して、ポリマー又は炭化水素の質量をベースとして塩素又は臭素約1〜8質量%、好ましくは3〜7質量%とすることにより行うことができ、これは、60〜250℃、好ましくは110〜160℃、例えば120〜140℃で、約0.5〜10時間、好ましくは1〜7時間、塩素又は臭素をポリマーに通すことにより行うことができる。ハロゲン化ポリマー又は炭化水素(これ以降では主鎖)を、その後、官能基を主鎖に結合可能なモノ不飽和反応体、例えばモノ不飽和カルボン酸反応体を十分な量用いて反応させるが、この反応は、100〜250℃、通常約180〜235℃で、約0.5〜10時間、例えば3〜8時間、得られる生成物の、ハロゲン化主鎖1モルあたりのモノ不飽和カルボン酸反応体のモル数が所望のものとなるように行う。あるいはまた、主鎖及びモノ不飽和カルボン酸反応体を混合し、塩素を熱材料に添加しながら加熱する。
炭化水素又はポリマー性主鎖は、例えば、カルボン酸生成基(好ましくは酸又は無水物基)を用いて行うことができるが、これは、ポリマー又は炭化水素鎖上における炭素−炭素不飽和部分において選択的に、又は、鎖に沿ってランダムに、上記3工程又はそれらの任意に配列の組み合わせを用いて行うことができる。
【0042】
主鎖を官能化するために使用するのに好ましいモノ不飽和反応体は、モノ−及びジ−カルボン酸材料、即ち、酸、無水物、又は酸エステル材料を含み、それには、以下の(i)〜(iv)が含まれる:(i)モノ不飽和C4−10ジカルボン酸であって、(a)カルボキシル基がビシニル(vicinyl)(即ち、炭素原子に隣接して位置する)であり、かつ、(b)隣接炭素原子の少なくとも1つ、好ましくは両方が、前記モノ不飽和の一部であるもの;(ii)(i)の誘導体、例えば無水物、又は(i)のC1−5アルコール誘導性モノ−又はジ−エステル;(iii)モノ不飽和C3−10モノカルボン酸であって、炭素−炭素二重結合がカルボキシル基と結合(conjugate)している、即ち、−C=C−CO−の構造を有するもの;及び(iv)(iii)の誘導体、例えば、(iii)のC1−5アルコール誘導性モノ−又はジ−エステル。モノ不飽和カルボン酸材料(i)〜(iv)の混合物をまた使用してもよい。主鎖と反応すると、モノ不飽和カルボン酸反応体のモノ不飽和は飽和となる。従って、例えば、無水マレイン酸は、主鎖置換コハク酸無水物となり、また、アクリル酸は、主鎖置換プロピオン酸となる。そのようなモノ不飽和カルボン酸反応体の例は、フマル酸、イタコン酸、マレイン酸、マレイン酸無水物、クロロマレイン酸、クロロマレイン酸無水物、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸、及び前述したものの低級アルキル(例えばC1−4アルキル)酸エステル、例えば、メチルマレエート、エチルフマレート、及びメチルフマレートである。モノ不飽和カルボン酸反応体、好ましくはマレイン酸無水物は、典型的には、ポリマー又は炭化水素の質量をベースとして、約0.01〜約20質量%、好ましくは0.5〜10質量%の量で使用されるであろう。
【0043】
塩素化により、通常は、出発物質オレフィンポリマーとモノ不飽和官能化反応体との反応性が高まるが、それは、本発明における使用が意図されるポリマー又は炭化水素について、末端結合含量及び反応性が高い特に好ましいポリマー又は炭化水素について必須ではない。従って、好ましくは、主鎖及びモノ不飽和官能反応体、例えば、カルボン酸反応体を高温で接触させて、初期熱“エン”反応を生じさせる。エン反応は既知である。
炭化水素又はポリマー主鎖は、種々の方法による、ポリマー鎖に沿った官能基のランダムな付着により官能化させることができる。例えば、溶液又は固体形状のポリマーは、モノ不飽和カルボン酸反応体を用いて、上述したように、遊離基開始剤の存在下でグラフトすることができる。溶液中において行う場合、グラフトは、高温、約100〜260℃、好ましくは120〜240℃で行う。好ましくは、遊離基開始グラフトは、初期の全ての油溶液をベースとして、例えば、1〜50質量%、好ましくは5〜30質量%のポリマーを含む鉱物潤滑油溶液中において達成されるであろう。
【0044】
使用することができる遊離基開始剤は、ペルオキシド、ヒドロペルオキシド、及びアゾ化合物、好ましくは、沸点が約100℃より高く、かつ、グラフト温度範囲内において熱的に分解して遊離基を提供するものである。これらの遊離基開始剤の典型例は、アゾブチロニトリル、2,5−ジメチルヘキサ−3−エン−2,5−ビス−tert−ブチルペルオキシド及びジクメンペルオキシドである。使用する場合、開始剤は、典型的には、反応混合物溶液の質量をベースとして、0.005〜1質量%の量で使用する。典型的には、前述のモノ不飽和カルボン酸反応体材料及び遊離基開始剤は、約1.0:1〜30:1、好ましくは3:1〜6:1の質量比で使用する。グラフトは、好ましくは、不活性雰囲気中において、例えば窒素ブランケッティング下で行う。得られるグラフト化ポリマーは、ポリマー鎖に沿ってランダムに結合するカルボン酸(又はエステル又は無水物)基を有することにより特徴付けられ:当然に、ポリマーのいくらかは未グラフト化のままであることが理解される。上記遊離基グラフト化は、他の本発明のポリマー及び炭化水素について使用することができる。
【0045】
官能化油溶性ポリマー炭化水素主鎖は、その後、更に、求核反応体、例えば、アミン、アミノ−アルコール、アルコール、金属化合物、又はそれらの混合物により誘導体化して、対応する誘導体を形成することができる。官能化ポリマーを誘導体化するのに有用なアミン化合物は、少なくとも1種のアミンを含み、かつ、1又は2以上の更なるアミン又は他の反応性又は極性基を含んでいてもよい。これらのアミンは、ヒドロカルビルアミンであってもよく、又は、主なヒドロカルビルアミンであってもよく、その中におけるヒドロカルビル基は、他の基、例えば、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミド基、ニトリル、イミダゾリン基などを含む。特に有用なアミン化合物としては、モノ−及びポリ−アミン、例えば、分子あたり、全炭素原子数が約2〜60、例えば2〜40(例えば3〜20)であり、かつ、窒素原子数が約1〜12、例えば3〜12、及び好ましくは3〜9であるポリアルケン及びポリオキシアルキレンポリアミンが挙げられる。有利には、アミン化合物の混合物、例えば、アルキレンジハライドとアンモニアの反応により製造したものを使用してもよい。好ましいアミンは、脂肪族飽和アミンであり、それには、例えば、1,2−ジアミノエタン;1,3−ジアミノプロパン;1,4−ジアミノブタン;1,6−ジアミノヘキサン;ポリエチレンアミン、例えばジエチレントリアミン;トリエチレンテトラミン;テトラエチレンペンタミン;ポリプロピレンアミン、例えば、1,2−プロピレンジアミン;及びジ−(1,2−プロピレン)トリアミンが含まれる。
【0046】
他の有用なアミン化合物としては:アクリル酸ジアミン、例えば、1,4−ジ(アミノメチル)シクロヘキサン、及びヘテロ環系窒素化合物、例えば、イミダゾールが挙げられる。他の有用なクラスのアミンは、米国特許第4,857,217号、第4,956,107号、第4,963,275号及び第5,229,022号明細書において開示されたような関連アミド−アミン、及びポリアミドである。また、米国特許第4,102,798号、第4,113,639号、第4,116,876号明細書及びUK 989,409に開示されたようなトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TAM)が有用である。デンドリマー、スター様アミン、及びコーム構造アミンを、また、使用してもよい。同様に、米国特許第5,053,152号明細書に記載されたように、縮合アミンを使用してもよい。官能化ポリマーは、例えば、米国特許第4,234,435号及び第5,229,022号明細書及びEP−A−208,560に記載されたような従来の技術を用いてアミンと反応させる。
【0047】
官能化された油溶性ポリマー炭化水素主鎖は、また、ヒドロキシ化合物、例えば一価又は多価アルコールを用いて、又は芳香族化合物、例えばフェノール及びナフトールを用いて誘導体化させることができる。好ましい多価アルコールは、アルキレングリコールであり、そのアルキレン基が2〜8個の炭素原子を有するものである。他の有用な多価アルコールとしては、グリセロール、グリセロールのモノ−オレエート、グリセロールのモノステアレート、グリセロールのモノメチルエーテル、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール及びそれらの混合物が挙げられる。エステル分散剤は、また、不飽和アルコール、例えばアリルアルコール、シンナミルアルコール、プロパルギルアルコール、1−シクロヘキサン−3−オール、及びオレイルアルコールから誘導することができる。無灰分散剤を生じ得る更に別のクラスのアルコールとしては、オキシアルキレン及びオキシアリーレンを含むエーテルアルコールが挙げられる。そのようなエーテルアルコールは、アルキレン基が1〜8個の炭素原子を含むオキシアルキレン基150個までを有するエーテルアルコールにより例示される。そのエステル分散剤は、コハク酸のジエステル、又は酸エステル、即ち、部分エステル化コハク酸、及び部分エステル化多価アルコール又はフェノール、即ち、遊離のアルコール又はフェノール系ヒドロキシ基を有するエステルであってもよい。エステル分散剤は、例えば、米国特許第3,381,022号明細書に記載されたような数種の既知の方法のいずれかにより製造することができる。
【0048】
好ましい群の分散剤としては、ポリアミン誘導体化ポリαオレフィン分散剤、特には、エチレン/ブテンαオレフィン及びポリイソブチレンベースの分散剤が挙げられる。特に好ましいものは、コハク酸無水物基で置換され、かつ、ポリエチレンアミン、例えばポリエチレンジアミン、テトラエチレンペンタミン;又はポリオキシアルキレンポリアミン、例えばポリオキシプロピレンジアミン、トリメチロールアミノメタン;ヒドロキシ化合物、例えばペンタエリスリトール;及びそれらの組み合わせと反応させたポリイソブチレンから誘導される無灰分散剤である。特に好ましい分散剤の組み合わせの1つは、コハク酸無水物基で置換され、かつ、(B)ヒドロキシ化合物、例えばペンタエリスリトール;(C)ポリオキシアルキレンポリアミン、例えばポリオキシプロピレンジアミン、又は(D)ポリアルキレンジアミン、例えばポリエチレンジアミン及びテトラエチレンペンタミンと反応させた(A)ポリイソブチレンの組み合わせであって、(A)1モルあたりで(B)、(C)及び/(D)を約0.3〜約2モル使用したものである。他の好ましい分散剤組み合せは、(A)ポリイソブテニルコハク酸無水物と、(B)ポリアルキレンポリアミン、例えばテトラエチレンペンタミン、及び(C)多価アルコール又はポリヒドロキシ置換脂肪族第1級アミン、例えばペンタエリスリトール又はトリスメチロールアミノメタンとの組み合わせを含む(米国特許第3,632,511号明細書参照)。
【0049】
他のクラスの高分子無灰分散剤は、マンニッヒ塩基縮合生成物を含む。一般に、これらの生成物は、例えば、米国特許第3,442,808号明細書に開示されたように、約1モルの長鎖アルキル置換の一価又は多価ベンゼンを、約1〜2.5モルのカルボニル化合物(例えばホルムアルデヒド及びパラホルムアルデヒド)及び約0.5〜2モルのポリアルキレンポリアミンで縮合することにより製造される。そのようなマンニッヒ塩基縮合生成物は、ベンゼン基における置換基としてのメタロセン触媒化重合のポリマー生成物を含んでいてもよく、又は、米国特許第3,442,808号明細書に記載されたものと同様の方法において、コハク酸無水物上において置換されたそのようなポリマーを含む化合物と反応させてもよい。メタロセン触媒系を用いて合成される官能化及び/又は誘導体化オレフィンポリマーの例は、上記文献に記載されている。
【0050】
高分子分散剤は、更に、米国特許第3,087,936号及び第3,254,025号明細書に一般的に教示されているように、種々の従来の後処理、例えばボレート化により後処理してもよい。分散剤のボレート化は、アシル窒素含有分散剤を、ホウ素化合物、例えば酸化ホウ素、ハロゲン化ホウ素、ホウ素酸(boron acid)、及びホウ素酸エステルと、アシル化窒素化合物1モルあたり、約0.1〜約20のホウ素原子割合を提供するのに十分な量において反応させることにより容易に行われる。有用な分散剤は、約0.05〜約2.0質量%、例えば約0.05〜約0.7質量%のホウ素を含む。無水ホウ酸ポリマー(主には(HBO2)3)として生成物中に現われるホウ素は、アミン塩、例えばジイミドのメタボレート塩のように、分散剤に、イミド及びジイミドを結合させる。ボレート化は、約0.5〜4質量%、例えば約1〜約3質量%(アシル窒素化合物の質量をベースとする)のホウ素化合物、好ましくはホウ酸を、通常はスラリーとして、アシル窒素化合物に添加すること、撹拌しながら、約135〜約190℃、例えば140〜170℃で、約1〜約5時間加熱すること、及びその後窒素ストリッピングを行うことにより行うことができる。あるいはまた、ホウ素処理は、水を除去しながら、ホウ酸をジカルボン酸材料及びアミンの熱反応混合物に添加することにより行うことができる。当該技術分野において知られる他の後反応工程もまた適用可能である。
【0051】
従来の高分子分散剤は、スラッジ分散特性を提供する他に、また、潤滑油にスス分散特性を与える。驚くべきことに、本発明のマンニッヒ塩基縮合生成物が、高分子分散剤のスス分散特性を相乗的に高めることを見い出した。従って、本発明のマンニッヒ塩基縮合生成物を少量使用することにより、潤滑油組成物中において使用される比較的高価な高分子分散剤の量を低減させるが、該組成物のスス分散特性を維持、又は事実上は上昇させることが可能となる。スス誘導性粘度上昇を十分に制御するためには、従来の潤滑油組成物では、最終潤滑剤の全質量をベースとして約20質量%まで、より通常は約8質量%までの高分子分散剤を使用するであろう。対照的に、本発明のマンニッヒ塩基縮合生成物を約0.01〜約5質量%、好ましくは約0.05〜約2質量%、より好ましくは約0.1〜約1質量%含む潤滑油組成物においては、約1〜約12質量%、好ましくは約1〜約7質量%、より好ましくは約2〜約5質量%の高分子分散剤で、匹敵するレベルのスラッジ及びスス分散性が達成される。一般には、本発明のマンニッヒ塩基縮合生成物の量が0.5質量%上昇するごとに、必要とされる高分子分散剤量における5質量%の低減が可能となり得る。
【0052】
更なる添加剤を本発明の組成物に導入して、特定の要件を満足させることができる。本発明の潤滑油組成物中に含ませることが可能な添加剤の例は、清浄剤、金属錆び抑制剤、粘度指数改良剤、腐食抑制剤、酸化抑制剤、摩擦改良剤、消泡剤、耐摩耗剤及び流動点降下剤である。いくつかについて、以下に更に論じる。 金属含有又は灰形成清浄剤は、堆積物を低減又は除去するための清浄剤として、及び酸中和剤又は錆び抑制剤としての両方として機能し、それにより、摩耗及び腐食が低減され、かつ、エンジン寿命が延びる。清浄剤は、一般には、極性ヘッドと長鎖疎水性尾を含み、極性ヘッドは、酸性有機化合物の金属塩を含む。その塩は、実質的に化学量論量の金属を含んでいてもよく、そのようなケースにおいては、それらは、通常、正塩又は中性塩と記載され、また、典型的には、全塩基化数、即ち、TBN(ASTM D2896により測定可能)が0〜80であろう。多量の金属塩基を、過剰量の金属化合物(例えばオキシド又はヒドロキシド)を酸性ガス(例えば二酸化炭素)と反応させることにより導入させてもよい。得られる過塩基化清浄剤は、中和された清浄剤を、金属塩基(例えばカーボネート)ミセルの外層として含む。そのような過塩基化清浄剤は、TBNが150又はそれより高くてもよく、また、典型的には、TBNが250〜450又はそれより高いであろう。
【0053】
使用可能な清浄剤としては、金属、特にはアルカリ又はアルカリ土類金属、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム及びマグネシウムの、油溶性中性及び過塩基化スルホネート、フェネート、硫化フェネート、チオホスホネート、サリチレート、及びナフテネート、及び他の油溶性カルボキシレートが挙げられる。最も通常使用される金属は、カルシウム及びマグネシウム(潤滑剤中において使用される清浄剤中において両者が存在していてもよい)及びカルシウム及び/又はマグネシウムとナトリウムとの混合物である。特に都合の良い金属清浄剤は、TBNが20〜450の中性及び過塩基化カルシウムスルホネート、及びTBNが50〜450の中性及び過塩基化カルシウムフェネート及び硫化フェネートである。清浄剤の組み合わせは、過塩基化であろうと中性であろうとその両者であろうと使用することができる。
【0054】
スルホネートはスルホン酸から製造されるが、スルホン酸は、アルキル置換芳香族炭化水素、例えば芳香族炭化水素のアルキル化により又は石油フラクションから得られたものなどをスルホン化することにより典型的に得られる。例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレン、ジフェニル又はそれらのハロゲン誘導体、例えばクロロベンゼン、クロロトルエン及びクロロナフタレンをアルキル化することにより得られるものが挙げられる。アルキル化は、約3から70個より多くの炭素原子を有するアルキル化剤で、触媒の存在下に行うことができる。アルカリールは、通常、アルキル置換芳香族基あたり、約9〜約80個又はそれより多く、好ましくは約16〜約60個の炭素原子を含む。
油溶性スルホネート又はアルカリールスルホン酸は、金属のオキシド、ヒドロキシド、アルコキシド、カーボネート、カルボキシレート、スルフィド、ヒドロスルフィド、ニトレート、ボレート及びエーテルで中和することができる。金属化合物の量は、最終製品のTBNが所望のものとなるが、典型的には、化学量論的に必要とされるものの約100〜220質量%(好ましくは少なくとも125質量%)の範囲となるように選択する。
【0055】
フェノール及び硫化フェノールの金属塩は、適切な金属化合物、例えばオキシド又はヒドロキシドと反応させることにより製造され、また、中性又は過塩基化生成物は、当該技術分野においてよく知られる方法により得ることができる。硫化フェノールは、フェノールを硫黄又は硫黄含有化合物、例えば硫化水素、モノハロゲン化硫黄又はジハロゲン化硫黄と反応させて、一般的には2モル又はそれより多くのフェノールが硫黄含有ブリッジにより架橋されている化合物の混合物である生成物を形成することにより製造することができる。
【0056】
ジヒドロカルビルジチオリン酸金属塩は、耐摩耗剤及び酸化防止剤として使用される場合が多い。その金属は、アルカリ又はアルカリ土類金属、又はアルミニウム、鉛、錫、モリブデン、マンガン、ニッケル又は銅であってもよい。亜鉛塩は、最も通常には、潤滑油中において、潤滑油組成物の全質量をベースとして、0.1〜10質量%、好ましくは0.2〜2質量%の量で使用される。それらは、既知の技術に従って、最初に、通常は1又は2以上のアルコール又はフェノールとP2S5との反応によりジヒドロカルビルジチオリン酸(DDPA)を形成する工程、及び次いで、形成されたDDPAを亜鉛化合物で中和する工程により製造することができる。例えば、ジチオリン酸は、第1級及び第2級アルコールの混合物を反応させることにより製造することができる。あるいはまた、1つのジチオリン酸についてのヒドロカルビル基が性質上完全に第2級であり、かつ、残りの該酸についてのヒドロカルビル基が性質上完全に第1級である複数のジチオリン酸を製造することができる。その亜鉛塩を製造するためには、塩基性又は中性亜鉛化合物のいずれかを用いることができるが、そのオキシド、ヒドロキシド及びカーボネートが最も通常使用される。商業的な添加物は、過剰量の亜鉛を含む場合が多いが、これは、中和反応における過剰量の塩基性亜鉛化合物の使用による。
【0057】
好ましいジヒドロカルビルジチオリン酸亜鉛は、ジヒドロカルビルジチオリン酸の油溶性塩であり、以下の式により表すことができる:
【化9】
(式中、R及びR’は、同一であっても異なっていてもよく、炭素原子1〜18個、好ましくは2〜12個を含むヒドロカルビル基であってもよく、その基の例としては、例えば、アルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキル、アルカリール及び脂環式基が挙げられる)。
【0058】
R及びR’基として特に好ましいものは、炭素原子2〜8個を有するアルキル基である。従って、その基は、例えば、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、アミル、n−ヘキシル、i−ヘキシル、n−オクチル、デシル、ドデシル、オクタデシル、2−エチルヘキシル、フェニル、ブチルフェニル、シクロヘキシル、メチルシクロペンチル、プロペニル、ブテニルであってもよい。油溶性とするためには、ジチオリン酸中における全炭素原子数(即ちR及びR’のもの)は、一般には、約5又はそれより多くであろう。ジヒドロカルビルジチオリン酸亜鉛は、従って、ジアルキルジチオリン酸亜鉛を含んでいてもよい。本発明は、約0.02〜約0.12質量%、好ましくは約0.03〜約0.10質量%、より好ましくは約0.05〜約0.08質量%のリン含量を有する潤滑剤組成物について使用した場合に特に有用であり得る。
【0059】
酸化抑制剤又は酸化防止剤は、鉱油が使用中に劣化する傾向を低減する。酸化的劣化は、潤滑剤中におけるスラッジ、金属表面におけるワニス様堆積物により、及び粘度上昇により明らかとなり得る。そのような酸化抑制剤としては、ヒンダードフェノール、好ましくはC5−12アルキル側鎖を有するアルキルフェノールチオエステルのアルカリ土類金属塩、カルシウムノニルフェノールスルフィド、油溶性フェネート及び硫化フェネート、ホスホ硫化又は硫化炭化水素又はエステル、亜リン酸エステル、金属チオカルバメート、米国特許第4,867,890号明細書に記載されたような油溶性銅化合物、及びモリブデン含有化合物が挙げられる。
窒素に直接結合する少なくとも2つの芳香族基を有する芳香族アミンは、酸化防止のために使用されることが多い別のクラスの化合物を構成する。これらの化合物は少量で使用することができるが、本発明の好ましい実施態様では、これらの化合物を含まない。それらは、好ましくは、ほんの少量、即ち、0.4質量%までの量で、又はより好ましくは、組成物の他の成分から不純物として生じ得るような量以外は全体として避ける。
【0060】
1つのアミン窒素に直接結合する少なくとも2つの芳香族基を有する典型的な油溶性芳香族アミンは、6〜16個の炭素原子を含む。そのアミンは、2つより多くの芳香族基を含んでいるかもしれない。2つの芳香族基が共有結合により又は原子又は基(例えば酸素又は硫黄原子、又は−CO−、−SO2−又はアルキレン基)により結合されており、かつ、2つが1つのアミン窒素に直接結合している、全体として少なくとも3つの芳香族基を有する化合物が、また、窒素原子に直接結合する少なくとも2つの芳香族基を有する芳香族アミンと考えられる。芳香環は、典型的には、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アシル、アシルアミノ、ヒドロキシ又はニトロ基から選ばれる1又は2以上の置換基により置換される。1つのアミン窒素に直接結合される少なくとも2つの芳香族基を有するそのような油溶性芳香族アミンの量は、好ましくは、0.4質量%活性成分を超えないべきである。
【0061】
適切な粘度改良剤の典型例は、ポリイソブチレン、エチレン及びプロピレンのコポリマー、ポリメタクリレート、メタクリレートコポリマー、不飽和ジカルボン酸及びビニル化合物のコポリマー、スチレン及びアクリル酸エステルの共重合体、及びスチレン/イソプレン、スチレン/ブタジエン及びイソプレン/ブタジエンの部分水素化コポリマー、及びブタジエン及びイソプレンの部分水素化ホモポリマーである。
摩擦改良剤、及び最終油の他の成分と相溶性の燃料経済剤(fuel economy agent)をまた含ませてもよい。そのような材料の例としては、高級脂肪酸のグリセリルモノエステル、例えば、グリセリルモノオレエート;長鎖ポリカルボン酸とジオールのエステル、例えば、ダイマー化不飽和脂肪酸のブタンジオールエステル;オキサゾリン化合物;及びアルコキシル化アルキル置換モノアミン、ジアミン及びアルキルエーテルアミン、例えば、エトキシル化獣脂アミン及びエトキシル化獣脂エーテルアミンが挙げられる。
【0062】
粘度指数改良剤分散剤は、粘度指数改良剤として、及び分散剤としての両方として機能する。粘度指数改良剤分散剤の例としては、アミン、例えばポリアミンと、ヒドロカルビル置換モノ又はジカルボン酸との反応生成物が挙げられ、その中においては、ヒドロカルビル置換基が、化合物に粘度指数改良特性を付与するのに十分な長さの鎖を含む。一般に、粘度指数改良剤分散剤は、例えば、以下のものであってもよい:ビニルアルコール又はC3−10不飽和モノカルボン酸又はC4−10ジカルボン酸と、4〜20個の炭素原子を有する不飽和窒素含有モノマーのC4−24不飽和エステルのポリマー;アミン、ヒドロキシアミン又はアルコールで中和された不飽和C3−10モノ又はジカルボン酸とC2−20オレフィンのポリマー;又はエチレンとC3−20オレフィンのポリマーであって、該オレフィンが、更に、それらの上にC4−20不飽和窒素含有モノマーをグラフトさせること、又はポリマー主鎖に不飽和酸をグラフトさせ、その後、グラフトした酸のカルボン酸基をアミン、ヒドロキシアミン又はアルコールと反応させることのいずれかにより反応させたもの。
【0063】
流動点降下剤、あるいは潤滑油流動性改良剤(LOFI)として知られるものは、流体が流動するであろう又は注入可能である最小温度を低下させる。そのような添加剤はよく知られている。流体の低温流動性を改良するそのような添加剤の典型例は、C8−18ジアルキルフマレート/ビニルアセテートコポリマー、及びポリメタクリレートである。泡調節は、ポリシロキサンタイプの消泡剤、例えばシリコーンオイル又はポリジメチルシロキサンにより提供することができる。
上記添加剤の数種により、複数の効果を提供することができ:従って、例えば、単一の添加剤が、分散剤−酸化防止剤として作用し得る。このアプローチは、よく知られており、本願明細書において更に述べる必要はないであろう。
本発明において、ブレンドの粘度を安定に維持する添加剤を含ませることが必要であるかもしれない。従って、極性基含有添加剤により、前ブレンド工程における適切な低粘度を達成できるが、数種の組成物では、長期化された貯蔵で粘度が上昇することが観察された。この粘度上昇を制御するのに効果的な添加剤としては、先に記載したような無灰分散剤の製造において使用されるモノ又はジカルボン酸又は無水物との反応により官能化された長鎖炭化水素が挙げられる。
【0064】
潤滑組成物が1又は2以上の上記添加剤を含む場合、各添加剤は、典型的には、それが所望の機能を発揮可能な量でベースオイル中にブレンドされる。
添加剤を含む添加剤濃縮物(濃縮物は、場合により、添加剤パッケージと称される)1又は2以上を製造することが望ましいが、必須ではなく、それにより、数種の添加剤がオイルに同時に添加されて、潤滑油組成物を形成する。
最終組成物には、5〜25質量%、好ましくは5〜18質量%、典型的には10〜15質量%の濃縮物を含ませてもよく、残部は潤滑粘度を有する油とすることができる。
潤滑組成物が1又は2以上の上記添加剤を含む場合、各添加剤は、典型的には、それが所望の機能を発揮可能な量でベースオイル中にブレンドされる。クランクケース潤滑剤中において使用する場合のそのような添加剤の典型的有効量を以下の記載する。記載する全ての値は、質量%活性成分として記載する。
【0065】
【0066】
本願明細書において記載する全ての質量%は(他に示さない限り)、活性成分の活性成分(A.I.)含量、及び/又は添加剤パッケージ又は配合物の全質量をベースとし、それは、全油又は希釈剤の質量と各添加剤のA.I.質量の合計であろう。
本発明を、以下の実施例に言及して更なる理解のために記載するが、ここで、全ての部は、他に示さない限り質量部であり、その実施例には本発明の好ましい実施態様が含まれる。
【0067】
合成例A
α−ナフトール−2HTマンニッヒ塩基縮合生成物の合成
50g(0.347モル)のα−ナフトールを、エア撹拌器、温度計及び窒素ブランケットを備えた1リットルの4つ首丸底フラスコに添加した。約100mlのトルエン(他の中性溶剤、例えばヘプタン又は中性希釈油を使用してもよい)を添加し、混合物を、通常2HTアミンと称される水素化ジ獣脂アミン347g(0.694モル)を添加しながら室温で撹拌した。反応混合物を、その後、50℃に加熱し、また、60g(0.72モル)のホルマリン(37%ホルムアルデヒド)を導入した。その後、トルエン溶液を、90℃に加熱し、この温度で2時間浸漬させた。反応混合物を、その後、水及びトルエンを蒸留除去しながらゆっくりと加熱した。水を蒸留除去した後、残留物を150℃で窒素を用いて一定質量までストリップした。生成物を収集し、室温に冷却しながら凝固させた。分析結果は、生成物が2.44%の窒素を含むことを示した。C13NMRは、生成物が、ナフトール環あたり平均1.5〜1.7個の側鎖で、ヒドロキシル基に対するオルト/パラ位で置換されたジ置換構造を有することを示した。
【0068】
合成例B
1−オクタデセンでのアルキル化α−ナフトールの合成
50g(0.347モル)のα−ナフトールを、175g(0.694モル)の1−オクタデセンを含む反応器に充填した。窒素ブランケット下で撹拌しながら、100gの乾燥アンバーリスト15を添加し、また、反応混合物を110℃で9時間加熱した。生成物を100mlのヘプタンで希釈し、ろ過した。溶剤を窒素ストリップし、残留物を200℃で一定質量までバキュームストリップして、未反応オレフィンの除去を確実なものとした。生成物は、活性成分が95%より高いものであるとの分析結果が得られた。GC分析は、生成物が、ナフトール環あたり約1.7個のアルキル鎖を有するモノ及びジ置換ナフトールの混合物であることを示した。C−13及びプロトン分析により、アルキル置換ナフトールが、主にオルト/パラアルキル化ナフトールであることが示された。
【0069】
合成例C
α−ナフトール−ジ−ココアミンマンニッヒ塩基縮合生成物の合成
20.59g(0.0.143モル)のα−ナフトールを1リットルの4つ首丸底フラスコに添加したが、このフラスコは、エア撹拌器、温度計、及び125.2gの鉱油ソルベント100ナチュラルFN1365を含む窒素ブランケットを備えたものである。その後、アドゲン−260として商業的に販売されているジ−ココアミン100.96g(0.286モル)を添加し、混合物を80℃に加熱しながら撹拌した。80℃で、25.51g(0.315モル)のホルマリン(37%ホルムアルデヒド)を、更なる漏斗を介してゆっくりと添加した。その後、反応混合物を、80℃で2時間浸漬した。反応混合物を、その後、水及び鉱油を蒸発除去しながら、ゆっくりと150℃に加熱した。水の蒸発除去を停止した後、残留物を、150℃で窒素を用いて一定質量までストリップした。50%油溶液生成物を収集した。分析結果は、生成物が1.56%のNを含むことを示した。生成物のFTIRスペクトルは、溶剤としてトルエンを用いた場合に得られる生成物のスペクトルと同一であった。
【0070】
合成例D
β置換ナフトールマンニッヒ塩基縮合生成物の合成
36g(0.25モル)のβ−ナフトールを、2リットルの4つ首丸底フラスコに添加したが、このフラスコは、エア撹拌器、温度計、及び500mlのヘプタンを含む窒素ブランケットを備えたものである。その後、250g(0.50モル)の2HTアミンを添加し、また、混合物を80℃に加熱しながら撹拌した。80℃で、45g(0.55モル)のホルマリン(37%ホルムアルデヒド)を、更なる漏斗を介してゆっくりと添加した。その後、反応混合物を、80℃で2時間浸漬した。反応混合物を、その後、水及びヘプタンを蒸発させながら、150℃にゆっくりと加熱した。水の蒸発除去を停止した後、残留物を150℃で窒素を用いて一定質量までストリップした。生成物を収集し、室温に冷却しながら凝固させた。FTIRスペクトル及びC13及びプロトンNMRは、所望の生成物が得られたことを示した。
【0071】
合成例E
1−オクタデセンでのアルキル化αナフトールの合成
50g(0.347モル)のα−ナフトールを、175g(0.694モル)の1−オクタデセンを含む反応器に充填した。窒素ブランケット下で撹拌しながら、100gの乾燥アンバーリスト15を添加し、また、反応混合物を110℃で9時間加熱した。生成物を100mlのヘプタンで希釈し、ろ過した。溶剤を窒素ストリップし、残留物を200℃で一定質量までバキュームストリップして、未反応オレフィンのストリップを確実なものとした。生成物は、活性成分が95%より高いものであるとの分析結果が得られた。GC分析は、生成物が、ナフトール環あたり約1.7個の鎖を有するモノ及びジ置換ナフトールの混合物であることを示した。C−13及びプロトンNMR分析により、主にオルト/パラ−アルキル化ナフトールであることが示された。
【0072】
合成例F
フェノール−2HTマンニッヒ塩基(Phe/ホルマリン/2HT=1.0/1.0/1.1)の合成
28.2g(0.30モル)のフェノールを、250mlの4つ首丸底フラスコに添加したが、このフラスコは、エア撹拌器、温度計、及び100mlのヘプタンを含む窒素ブランケットを備えている。その後、150g(0.30モル)の2HTアミンを添加し、また、混合物を80℃に加熱しながら撹拌した。80℃で、26.75g(0.33モル)のホルマリン(37%ホルムアルデヒド)を、更なる漏斗を介してゆっくりと添加した。その後、反応混合物を80℃で2時間浸漬した。反応混合物を、その後、水及びヘプタンを蒸発させながら150℃にゆっくりと加熱した。水の蒸発除去を停止した後、残留物を150℃で窒素を用いて一定質量までストリップした。生成物を収集し、室温に冷却しながら凝固させた。分析結果は、生成物が2.2%のNを含むことを示した。FTIRスペクトル及びC13及びプロトンNMRは、所望の生成物が得られたことを示した。
【0073】
合成例G
フェノール−2HTマンニッヒ塩基(Phe/ホルマリン/2HT=1.0/2.0/2.2)の合成
18.8g(0.20モル)のフェノールを、250mlの4つ首丸底フラスコに添加したが、このフラスコは、エア撹拌器、温度計、及び100mlのヘプタンを含む窒素ブランケットを備える。その後、200g(0.40モル)の2HTアミンを添加し、また、混合物を80℃に加熱しながら撹拌した。80℃で、35.7g(0.44モル)のホルマリン(37%ホルムアルデヒド)を、更なる漏斗を介してゆっくりと添加した。その後、反応混合物を80℃で2時間浸漬した。反応混合物を、その後、水及びヘプタンを蒸発させながら150℃にゆっくりと加熱した。水の蒸発除去を停止した後、残留物を150℃で窒素を用いて一定質量までストリップした。生成物を収集し、室温に冷却しながら凝固させた。分析結果は、生成物が2.49%のNを含むことを示した。FTIRスペクトル及びC13及びプロトンNMRは、所望の生成物が得られたことを示した。
【0074】
合成例H
フェノール−2HTマンニッヒ塩基(Phe/ホルマリン/2HT=1.0/3.0/3.3)の合成
14.1g(0.15モル)のフェノールを、250mlの4つ首丸底フラスコに添加したが、このフラスコは、エア撹拌器、温度計、及び100mlのヘプタンを含む窒素ブランケットを備える。その後、225g(0.45モル)の2HTアミンを添加し、また、混合物を80℃に加熱しながら撹拌した。80℃で、40.1g(0.49モル)のホルマリン(37%ホルムアルデヒド)を、更なる漏斗を介してゆっくりと添加した。その後、反応混合物を80℃で2時間浸漬した。反応混合物を、その後、水及びヘプタンを蒸発させながら150℃にゆっくりと加熱した。水の蒸発除去を停止した後、残留物を150℃で窒素を用いて一定質量までストリップした。生成物を収集し、室温に冷却しながら凝固させた。分析結果は、生成物が2.60%のNを含むことを示した。FTIRスペクトル及びC13及びプロトンNMRは、所望の生成物が得られたことを示した。
【0075】
生成物の性能
スス誘導性粘度上昇を制御する組成物の能力、及び従って、ススをサスペンションで維持する組成物の能力は、カーボンブラックテーブル試験(CBBT)及びハーク(Haake)カーボンブラック試験を含むテーブル試験を用いて測定することができる。これらの試験を行う手段は、工業的に標準化されており、よく知られているが、以下に概要する:
【0076】
カーボンブラックテーブル試験(CBBT)
ここに関連して行ったカーボンブラックテーブル試験においては、本発明の化合物(分散剤ブースターとして)及び主要の高分子分散剤を、分散剤混合物、清浄剤、酸化防止剤及び耐摩耗剤を含む簡易化油組成物にブレンドした。油配合物の成分を、初期ブレンド手段に付した。カーボンブラックを、ススの代替体として、油に添加した。分散体を、高速ブレンダー中において混合し、その後、撹拌して、カーボンブラックを油中に適切に混合した。動粘度を、その後、交叉アームチューブ中において100℃で測定した。適切な制御に関する低粘度が、より良好なスス分散性を示す。
【0077】
ハークカーボンブラック試験
ハークカーボンブラック試験は、分散剤を配合油中にブレンドする工程を包含する。これに関連して行った試験においては、試験した配合物に、高分子分散剤及び本発明の化合物と共に、清浄剤、粘度改良剤、酸化防止剤及び耐摩耗剤を含ませた。油配合物の成分を、初期ブレンドに付した。カーボンブラックパウダーを、その後、最終濃縮物に添加し、サンプルを一晩ブレンドした。カーボンブラック分散体の粘度を、その後、ハークレオメーターにおいて、0.1〜30sec−1のずり速度範囲にわたり測定した。典型的には、0.26〜0.45sec−1のずり速度での粘度を比較に用いた。
【0078】
実施例1
一定量の清浄剤、酸化防止剤及び耐摩耗剤と、変動量の高分子分散剤(PIBSAから誘導され、約2200の数平均分子量を有し、かつ、約1.1のスクシネーション(succination)比を有するPIBSA−PAM生成物)及び本発明の化合物(α−ナフトール2HT)を1時間で70℃でベースオイルにブレンドすることにより、潤滑油配合物を形成した。配合物をカーボンブラックテーブル試験(CBBT)に付したが、そこでは、カーボンブラックを、変動濃度で配合物中にブレンドした。カーボンブラックを、ベースストック中の20%ペースト形態のオイルに添加して、浮遊(flyaway)ダストを低減し、高速ブレンダーで5分間ブレンドすることにより配合物中に分散させ、その後、100℃で90分間撹拌した。配合物の動粘度を、その後、交叉アームチューブ中において100℃で測定した。
得られた結果を、図1の3−Dプロットに示す。図1に示されているとおり、本発明のマンニッヒ塩基縮合生成物は、高分子分散剤と組み合わせて使用した時に効力のあるスス分散ブースターとして作用する。例えば、高分子分散剤を9.8質量%含むが、本発明のマンニッヒ塩基縮合生成物を含まない配合油では、ほんの3.4%のスス含量で200cStの動粘度に達することが示された。対照的に、高分子分散剤を同量含むが、本発明のマンニッヒ塩基縮合物を更に0.50%のみ含む配合物では、スス含量が8.8%に到達するまで200cStの粘度には到達しない。本発明のマンニッヒ塩基縮合生成物を2%とすると、スス含量が15%に達するまで、200cStの粘度に到達しない。
【0079】
実施例2
一定量の清浄剤、酸化防止剤及び耐摩耗剤と、変動量の高分子分散剤(PIBSAから誘導され、約2200の数平均分子量を有し、かつ、約1.1のスクシネーション比を有するPIBSA−PAM生成物)及び本発明の化合物(α−ナフトール2HT)を1時間で100℃でベースオイル(モービル700N)にブレンドすることにより、潤滑油配合物を形成した。4.76質量%のカーボンブラックを、各配合物中に、一晩で90℃でブレンドした。得られたカーボンブラック分散体のそれぞれの動粘度を、ハークレオメーターにおいて、0.1〜0.45sec−1のずり速度にわたり測定した。典型的には、0.26〜0.45sec−1のずり速度での粘度を比較に用いた。
ハークカーボンブラック試験の比較結果を図2に示す。図2のデータにより示されるように、高分子分散剤含量が4%及び2%(AI)の両配合物において、油配合物が更に0.5〜1質量%の本発明のマンニッヒ塩基縮合生成物を含むときに、スス誘導性粘度上昇が実質的に排除された。
【0080】
実施例3
酸化防止剤としての、本発明のナフトールマンニッヒ塩基生成物の効果について、商業的な酸化防止剤(イルガノックスL135、チバスペシャリティケミカルズ)との比較で、高圧走査熱量測定を用いるNOx化(NOxidation)試験により測定した。図3に示されるとおり、ナフトール−2HTマンニッヒ塩基の濃度を上昇させると、NO2中における油安定性が上昇し、また、匹敵する処理割合で、本発明の化合物の酸化防止作用は、イルガノックスL135と同等であった。
本願明細書に記載した全ての特許、文献又は他の資料の開示内容は、それらの全てが、参考文献として本願明細書に含まれるものとする。本発明の原理、好ましい実施態様及び操作方法を先に記載したが、本発明は、これらの具体的な実施態様に制限される訳ではなく、なぜなら、これらの実施態様は、本発明の説明的なものであって、制限を意図するものではないからである。当該技術分野における当業者には、本発明の精神を逸脱することなく変更が可能であろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】
カーボンブラックテーブル試験を用いて測定した、本発明の化合物と従来の高分子分散剤との組み合わせを含む潤滑油組成物のスス取り扱い能力についての相乗効果を、本発明の化合物又は従来の高分子分散剤のいずれかを匹敵量含む潤滑油組成物との比較でグラフィカルに示す図である。
【図2】
ハークカーボンブラック試験を用いて測定した、本発明の化合物(2HT−ナフトール)と従来の高分子分散剤との組み合わせを含む潤滑油のスス誘導性粘度上昇における低減をグラフィカルに示す図である。
【図3】
本発明の化合物の酸化防止特性を、商業的に入手可能な酸化防止剤との比較でグラフィカルに示す図である。
Claims (20)
- Arが、多核芳香族基である請求項1に記載の化合物。
- Arが、ビフェニル、ナフチル、ビナフチル、ピレン、クリセン、アントラセン、フェナントラシン、フルオレン又はインデンから選ばれる請求項2に記載の化合物。
- Arが、ナフチルである請求項3に記載の化合物。
- R3が、C1−3ヒドロカルビルから選ばれる請求項6に記載の化合物。
- zが0である請求項1に記載の化合物。
- R1及びR2が、天然脂肪酸から誘導されるヒドロカルビル基である請求項3に記載の化合物。
- (a)場合によりC1−20ヒドロカルビルにより置換されていてもよい単核又は多核ヒドロキシ芳香族化合物;(b)C1−10アルデヒド;及び分子あたり1〜60個の炭素原子及び1〜12個の窒素原子を含むアミンの縮合生成物であって、該ヒドロキシ芳香族化合物の任意の置換基、該アルデヒド及び該アミンにおける合計炭素原子数が80未満である縮合生成物。
- 前記ヒドロキシ芳香族化合物が、多核芳香族基を含む請求項8に記載の縮合生成物。
- 前記多核芳香族基が、ビフェニル、ナフチル、ビナフチル、ピレン、クリセン、アントラセン、フェナントラシン、フルオレン又はインデンから選ばれる請求項9に記載の縮合生成物。
- 前記多核芳香族基がナフチルである請求項10に記載の縮合生成物。
- 前記単核又は多核ヒドロキシ芳香族化合物が、未置換であるか又はC1−3ヒドロカルビルにより置換されている請求項8に記載の縮合生成物。
- R1及びR2が、天然脂肪酸から誘導されるヒドロカルビル基である請求項11に記載の縮合生成物。
- 多量の潤滑粘度を有する油、及び少量の請求項1に記載の化合物少なくとも1種を含む潤滑油組成物。
- 前記組成物の全質量をベースとして、約0.01〜約10質量%の前記化合物を含む請求項14に記載の潤滑油組成物。
- 前記組成物の全質量をベースとして、約0.1〜約1質量%の前記化合物を含む請求項15に記載の潤滑油組成物。
- 多量の潤滑粘度を有する油、及び少量の請求項1に記載の化合物少なくとも1種、及び少なくとも1種の高分子分散剤を含む潤滑油組成物。
- 前記組成物の全質量をベースとして、約0.01〜約5質量%の前記化合物、及び約1〜約12質量%の前記高分子分散剤を含む請求項17に記載の潤滑油組成物。
- 前記組成物の全質量をベースとして、約0.1〜約2質量%の前記化合物、及び約2〜約5質量%の前記高分子分散剤を含む請求項18に記載の潤滑油組成物。
- Arが、ナフチルであり、かつ、R1及びR2が、天然脂肪酸から誘導されるヒドロカルビル基である請求項17に記載の潤滑油組成物。
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