JP2001219493A - 積層不織布および熱融着物品 - Google Patents
積層不織布および熱融着物品Info
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Abstract
透湿性、微粉末の漏れ防止性などの機能を保持し、ヒー
トシール性を有する積層不織布を提供する。 【解決手段】 (A)メルトブロー不織布、(B)低融
点スパンボンド不織布および(C)耐熱性スパンボント
不織布がこの順に熱積層され、(B)低融点スパンボン
ド不織布の融点が(A)および(C)の不織布の樹脂の
融点よりも低いものである積層不織布である。
Description
耐水性等にすぐれ、特に微粉末の漏れ防止性を有する積
層不織布に関し、特にメルトブロー不織布とスパンボン
ド不織布を用い熱積層した熱積層性、ヒートシール性、
耐熱性にすぐれた積層不織布および熱融着物品に関す
る。
法、繊維長、繊維径などにより種々の不織布が知られて
いる。これらの中で、メルトブロー不織布(以下、MB
不織布と略記する場合がある。)は、溶融した熱可塑性
樹脂を加熱した高速空気流で吐出し、得られた超極細繊
維を補集して不織布にしたものである。MB不織布の繊
維径は0.1〜10μmの範囲であり、微細な空隙を持
つため、通気性、透湿性はあるが水を通さない防水透湿
性や微粉末を通さないなどの機能を有するとともに、風
合いがソフトであるなどの特徴がある。
因して不織布強度が低く、毛羽立ちし易いなどの問題点
がある。このため、ヒートシールしても溶融部で千切れ
てしまうなど加工が困難であり、MB不織布単独での使
用は少なく、他の不織布などの素材と組み合わせて使用
する必要がある。
特公昭60−11148号公報には、強度の高いスパン
ボンド不織布(以下、SB不織布と略記する場合があ
る。)と積層一体化する積層複合体が提案されている。
例えば、ポリプロピレン樹脂からなるMB不織布をポリ
プロピレン樹脂SB不織布でサンドイッチし、熱エンボ
ス加工した積層不織布では、不織布強度は改善されるも
のの、繊維材質が同じポリプロピレン樹脂であり、融点
差がないため、熱エンボス加工時にMB不織布、SB不
織布の通気性が損なわれる場合がある。また、この積層
複合体をヒートシールすると溶融部で千切れてしまいヒ
ートシールすることは困難で、ヒートシールによる二次
加工ができず、糸や接着剤による縫製加工など効率に劣
る他の二次加工によらなければならない問題点がある。
は、スチレン系エラストマーを10〜70重量%含むポ
リオレフィンの、繊維径が0.1〜10ミクロンのメル
トブローン不織布(A層)と、0.5〜10デニールの
ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィンから選ばれ
た1種またはそれ以上の成分の長繊維からなるスパンボ
ンド不織布(B)とを熱融着してなる不織布複合体が開
示されている。この公報には、この不織布複合体の
(A)層同士、または(A)層と他部材と重ねて熱融着
してなる熱融着成形物も開示されている。
樹脂が限定されること、即ち耐熱性、強度の低下が予想
されるとともに、エラストマーが含有されることによる
熱可塑性樹脂の極細紡糸性の低下も考えられる。
特開平9−209254号公報には、低融点樹脂成分と
高融点樹脂成分からなる複合スパンボンド不織布と、繊
維径が10μm以下のメルトブロー極細繊維不織布が積
層され、各不織布の繊維同士および両層が熱融着した積
層不織布が開示されている。しかし、この方法では、積
層をスルーエアー型加熱機を用いて行わなければならな
い問題点がある。すなわち、この複合スパンボンド不織
布は高融点樹脂を用いながら、この高融点樹脂は低融点
樹脂で被覆または低融点樹脂が露出した構造であり、積
層に当たっては前記のスルーエアー型加熱機を用いざる
を得ないことになる。したがって、積層工程が煩雑とな
るとともに、当然ながら熱エンボス加工では、不織布の
特性低下が生じることとなり適用は困難である。また、
ヒートシールによる二次加工が困難である問題点がある
ものと考えられる。
熱可塑性樹脂不織布と低融点熱可塑性樹脂不織布の組み
合わせからなる積層不織布が考えられる。たとえば、ポ
リエステルスパンボンド不織布とポリプロピレンメルト
ブロー不織布を積層して貼り合わせる不織布が考えられ
る。しかしながら、この貼り合わせのためにはポリプロ
ピレンが溶融する温度まで加熱しなければ接着しない。
また、仮に接着しても、接着強度は極めて弱く、メルト
ブロー不織布は溶融し、繊維形状が保持できず、フィル
ム状となり、MB不織布が有する機能性はなくなり、実
用性が低下する。また、ヒートシールにあっては、エッ
ジ切れとなりシール強度が非常に低いものとなり、この
点からも実用性がないものとなる。
ー不織布の有する、通気性、防水透湿性、微粉末の漏れ
防止性などの機能を保持し、熱積層によって十分な原反
強度を得るとともにヒートシール性、高いヒートシール
強度を有し、ヒートシールにより製袋、縫製などの二次
加工が容易な積層不織布および包装体、衣服類などのヒ
ートシールによる熱融着物品を提供することを目的とす
るものである。
ロー不織布を用いた積層不織布の熱積層性、ヒートシー
ル性について鋭意検討した。その結果、従来のヒートシ
ール面に易シール性の素材である低融点樹脂不織布を用
いるのではなく、外層にメルトブロー不織布を用い、耐
熱性のスパンボンド不織布とで、両外層の不織布の樹脂
よりも低融点である熱可塑性樹脂スパンボンド不織布を
サンドイッチすると言う全く新しい積層手段の採用によ
って熱エンボスロールなどによる熱接着が可能であり、
得られた積層不織布のヒートシール性、シール強度が著
しく向上するとともに、安定的に製造できることを見い
だした。本発明は、かかる知見に基づいて完成したもの
である。
ンボンド不織布および(C)耐熱性スパンボント不織布
がこの順に熱積層され、(B)低融点スパンボンド不織
布の融点が(A)および(C)の不織布の融点よりも低
いことを特徴とする積層不織布。 (2) (C)耐熱性スパンボンド不織布が、ポリエス
テル系樹脂、ポリアミド系樹脂およびポリプロピレン系
樹脂から選ばれた樹脂からなり、融点が150℃以上の
スパンボンド不織布である(1)記載の積層不織布。 (3) (A)メルトブロー不織布がポリプロピレン系
樹脂からなる(1)または(2)記載の積層不織布。 (4) (B)低融点スパンボンド不織布がポリエチレ
ン系樹脂からなる(1)〜(3)のいずれかに記載の積
層不織布。 (5) ポリエチレン系樹脂がエチレン−α−オレフィ
ン共重合体である(4)記載の積層不織布。 (6) (1)〜(5)のいずれかに記載の積層不織布
を少なくとも一部に用いた熱融着物品。 (7) 熱融着物品が包装体または衣服類である(6)
記載の熱融着物品を提供するものである。
る。本発明の積層不織布は、(A)メルトブロー不織
布、(B)低融点スパンボンド不織布および(C)耐熱
性スパンボンド不織布がこの順に熱積層された積層不織
布である。そして、(B)低融点スパンボンド不織布の
融点が(A)メルトブロー不織布の融点および(C)耐
熱性スパンボンド不織布の融点よりも低いものであるこ
とに大きな特長を有するものである。すなわち、積層不
織布におけるヒートシール層としては、低融点熱可塑性
樹脂不織布を用いるのが一般的であるが、本発明の積層
不織布では、低融点であるスパンボンド不織布を中間層
に用いるものである。
(A)、(B)、(C)からなる3層構造である。本発
明の積層不織布は、中間層のスパンボンド不織布の融点
が最も低いものであり、(A)層、(C)層の不織布の
目付などによって、ヒートシール面は、その用途に応じ
て、(A)層または(C)層から選択される。すなわ
ち、メルトブローの風合いなどを生かす為には、(A)
層のMB不織布が表面にくるように製袋あるいは、衣服
類などに加工することができる。また、微粉末漏れ防止
性のためには、通常、(A)層を内側としてヒートシー
ル面とすることができる。
層の低融点不織布により、メルトブロー不織布の有する
防水性、透湿性、通気性、微粉末を通さないなどの機能
性を損なうことなく、熱積層を可能にするとともに、す
ぐれたヒートシール性を確保するものである。したがっ
て、さらに、(A)層の側にメルトブロー不織布の毛羽
立ちや毛玉の発生を防止する目的で、耐熱性の不織布を
積層し、(C)層側をヒートシール層とすることもでき
る。さらに、(A)層のメルトブロー不織布側に更に、
たとえば、(B)低融点SB不織布、(C)高融点SB
不織布を積層し、実質的に対称型の5層構造とすること
もできる。この場合も、どちらの面をヒートシール面と
することもできる。
いられる不織布について説明する。 (A)層を構成するメルトブロー不織布としては、極細
繊維からなる不織布であり、通常、繊維径が0.1〜1
0μm、好ましくは0.5〜6μmの繊維からなり、目
付が5〜100g/m2 、好ましくは7〜50g/m2
である。これらの繊維径、目付は、積層不織布の防水
性、透湿性、通気性、微粉末の耐漏れ性などに大きく関
係するものであり、積層不織布の用途によって要求され
る特性を満足するように、前記範囲から適宜選択するこ
とができる。
の細流に対して加熱された高速の気流を噴き当て、この
気流の作用によって溶融樹脂を引き延ばし極細繊維化
し、補集することによりシート化する方法である公知の
手法によって得ることができるものである。
性樹脂としては、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン
系樹脂などのポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレ
フタレートなどのポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナ
イロン66などのポリアミド系樹脂などの結晶性樹脂が
用いられる。中でも、メトルブロー紡糸性、耐水性など
からポリプロピレン系樹脂が好ましく用いられる。
ンド不織布としては、前記(A)層を構成する不織布の
熱可塑性樹脂および 後記の(C)層を構成する耐熱性
スパンボンド不織布の熱可塑性樹脂の融点よりも低融点
の熱可塑性樹脂から紡糸されたスパンボンド不織布であ
る。この中間層である(B)層の不織布は、前記の
(A)メルトブロー不織布と、後記の(C)耐熱性スパ
ンボンド不織布によりサンドイッチ構造をとって接着層
とし熱積層されて積層不織布を構成し、この積層不織布
の熱エンボス積層においてMB不織布の機能を損なうこ
となく積層できることに大きく寄与するとともに、ヒー
トシール性をも確保するものと考えられる。
が通常2〜50μm、好ましくは5〜30μmであり、
目付が2〜200g/m2 、好ましくは5〜100g/
m2、より好ましくは10〜60g/m2 である。
の特性、目付、樹脂の融点、積層不織布の用途によって
要求される特性を満足するように、前記範囲から適宜選
択することができる。
ば、溶融熱可塑性樹脂を押出機から溶融押出し、紡糸用
口金から紡糸し、紡糸された繊維をエアサッカーなどの
気流牽引装置で引き取り、必要により開繊し、気流とと
もに繊維をネットコンベアなどのウエブ補集装置で補集
し、必要に応じて加熱空気、加熱ロールなどの加熱手段
で部分溶着することによる公知の手法によって得ること
ができるものである。
ド不織布に用いられる熱可塑性樹脂は、その融点が、前
記(A)層のメルトブロー不織布に用いられる熱可塑性
樹脂および(C)層の耐熱性スパンボンド不織布に用い
られる熱可塑性樹脂の融点よりも低いことが重要であ
る。特に、両外層である(A)または(C)層の熱可塑
性樹脂の融点の低い方の樹脂の融点よりも15℃以上低
い融点、好ましくは25℃以上低い融点の熱可塑性樹脂
が用いられる。具体的には、ポリエチレン樹脂、エチレ
ン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共
重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−環
状オレフィン共重合体、エチレン−スチレン共重合体、
軟質ポリプロピレン系樹脂、プロピレンと他のオレフィ
ンとのランダム共重合体など、あるいはこれらの混合樹
脂などのポリオレフィン系樹脂が用いられる。
などを用いたチーグラー系触媒を用いて重合された重合
体、メタロセン系触媒を用いて重合された分子量分布の
狭い重合体などが用いられる。また、ポリプロピレン系
樹脂の融点は、規則性や共重合によって任意に制御され
たものから適宜選択して用いることができる。
レンの単独重合体、エチレンとプロピレン、ブテン−
1、4−メチル−ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテ
ン−1等の炭素数3〜10のα−オレフィンとの共重合
体、エチレンと酢酸ビニル、アクリル酸などの重合性モ
ノマーとの共重合体などを好ましく例示できる。特に、
密度が、880〜960kg/m3 、好ましくは900
〜950kg/m3 、融点が60〜140℃、好ましく
は70〜130℃の範囲、メルトインデックス(MI)
が、5〜60g/10分、好ましくは10〜50g/1
0分の範囲の前記のエチレン−α−オレフィン共重合体
が紡糸性、融点、強度の点から好ましく用いられる。ま
た、エチレン−α−オレフィン共重合体が50〜100
質量%、他のエチレン系樹脂、プロピレン系樹脂、熱可
塑性エラストマー0〜50質量%である樹脂組成物を用
いることもできる。
ては、たとえば前記ポリエチレン系樹脂単独、または5
0質量%以下の他の樹脂からなる組成物からなるものが
好ましく用いられる。しかし、熱エンボスロール性、ヒ
ートシール性が確保されるならば、他の樹脂との複合繊
維、すなわち、鞘部分としてポリエチレン系樹脂、芯部
分として、ポリプロピレン系樹脂などの他の樹脂からな
る芯−鞘構造の複合繊維、あるいは繊維の通常50質量
%以上がポリエチレン系樹脂で、残りが他の樹脂である
サイドバイサイド構造の繊維とする複合繊維とすること
もできる。また、この芯−鞘構造複合繊維、サイドバイ
サイド構造複合繊維としては、前記ポリエチレン系樹脂
の中で、融点や密度などの異なる樹脂の組み合わせであ
ってもよいことは勿論である。これらの複合繊維の場合
は、低融点熱可塑性樹脂の方の融点が(B)層の融点を
示すものである。
しては、好ましくは、ポリエステル系樹脂、ポリアミド
系樹脂およびポリプロピレン系樹脂から選ばれた樹脂か
らなり、融点が150℃以上、特に150〜300℃の
不織布を挙げることができる。中でも、ポリエステル系
樹脂、ポリアミド系樹脂からなる融点が180〜300
℃の不織布を特に好ましく挙げることができる。この耐
熱性樹脂の選択は、積層不織布が用いられる用途からの
要求に基づいて適宜選択できる。
リエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリナフタレン
テレフタレートなどのホモポリエステル、およびこれら
を主成分単位とする他の成分を共重合したコポリエステ
ル、さらには、これらの混合ポリエステルを挙げること
ができる。
(ポリカプロラクタミド)、ナイロン6,6(ポリヘキ
サメチレンアジポアミド)、ナイロン6,10(ポリヘ
キサメチレンセバカミド)、ナイロン11(ポリウンデ
カンアミド)、ナイロン7(ポリ−ω−アミノヘプタン
酸)、ナイロン9(ポリ−ω−アミノノナン酸)、ナイ
ロン12(ポリラウリンアミド)などを例示できる。中
でも、ナイロン6、ナイロン6,6が好ましく用いられ
る。
ロピレンの単独重合体、プロピレンと5質量%以下のエ
チレン、ブテン−1などのモノマーとのランダム共重合
体を挙げることができる。
熱可塑性樹脂の融点は、JIS K7121に準拠し
て、DSC(パーキンエルマー社製DSC7型)、昇温
速度20℃/分で測定した場合のピーク温度とすること
ができる。なお、融点が複数のピークとして現れる場合
は、最高ピークを示す温度を採用するものである。ま
た、ポリエチレン系樹脂のメルトインデックス(MI)
は、JIS K7210に準拠して、温度:190℃、
測定荷重:21.18Nの条件で測定することがでる。
を選択して熱積層することによって得ることができる。
この熱積層手段としては、いろいろ考えられるが、積層
の容易さ、簡便さ、コストなどを考慮すると,熱エンボ
スロール法が採用される。また、熱エンボスロール法に
よっても、MB不織布の機能性を損なうことなく、十分
実用に供する性能を有する接着強度、原反強度が得られ
ると共に、ヒートシール性が得られることに大きな特長
を有するものである。したがって、特殊なスルーエアー
型加熱機を用いて熱融着することを必要としない。これ
は、この3種の不織布を選択的に組み合わせることによ
り、熱エンボスロール方法による積層が容易に可能とな
ったからであり、これによって、不織布を部分的に確実
に熱融着された積層不織布とすることができる。
ある熱エンボスロール方法は、エンボスロールと平ロー
ルによる公知の積層装置を用いて積層することができ
る。ここで、エンボスロールとしては、各種形状のエン
ボスパターンを採用でき、各融着部が連続した格子状、
独立した格子状、任意分布などがある。また、エンボス
面積率としては、5〜30%程度の範囲である。
(B)層の低融点スパンボンド不織布を構成する熱可塑
性樹脂によっても異なるが、前記のエチレン−α−オレ
フィン共重合体を用いる場合には、通常ロール温度80
〜250℃、好ましくは100〜180℃の温度、通常
ロール圧力100〜1,000N/cm(線圧)、好ま
しくは200〜700N/cm(線圧)が採用できる。
これらのエンボスパターン、エンボス面積率、温度、圧
力などは各不織布の繊維径、厚み、目付、通気性、加工
速度などによって適宜選定できる。
トブロー不織布の有する、防水性、透湿性、通気性、微
粉末通過防止性などの特長を保持しながら、熱積層が容
易になると共に、ヒートシール性、ヒートシール強度の
向上が達成される。すなわち、適度の加熱・加圧による
熱エンボスロール加工によって、積層不織布を得ること
ができ、加熱・加圧条件の設定によりヒートシールが可
能となるものである。
ル方法によってヒートシールすることにより、各種用途
に利用することができる。本発明の積層不織布がすぐれ
たヒートシール性を有するためには、ヒートシール面の
不織布に中間層の低融点スパンボンド不織布が加熱、加
圧されて侵入あるいは貫通する必要がある。このために
は、外層の不織布は、中間層不織布の樹脂が溶融侵入あ
るいは溶融貫通するまでは少なくとも不織布は溶融しな
いことが必要である。したがって、これを満足するため
に、両不織布間の融点の差に相当する不織布の耐熱性が
求められる。また、シールバーによる加熱条件(温度・
圧力・時間)が選定されることが必要である。したがっ
て、ヒートシール後にメルトブロー不織布が溶融するこ
とを特に否定するものではない。
る方法に加えて、製袋分野、衣服類の縫製分野などで使
われているロールによる連続シール方法など、熱可塑性
樹脂を加熱、加圧接合することが可能であるシール方法
であれば、その形式に特に制限はない。また、加熱手段
としては、熱伝導(熱ジグ、発熱体)、誘電加熱、超音
波加熱などによることができる。また、このヒートシー
ルの条件である、温度・圧力・時間・速度などは、不織
布の種類、不織布の耐熱性(融点)や分子量、不織布の
厚みあるいは目付などを考慮して、適宜条件設定するこ
とができる。
は、本発明の積層不織布同士、あるいは積層不織布と他
の熱可塑性樹脂フイルムなどとをヒートシールすること
により、各種包装体、衣服類の製造に用いられる。すな
わち、包装体の場合のスパンボンド不織布、メルトブロ
ー不織布の有する特長は、包装体の少なくとも一部に用
いられれば機能するからである。
の(1)〜(5)のいずれかに記載の積層不織布を少な
くとも一部に用いた熱融着物品であり、具体的には、た
とえば包装体または衣服類である。このように、従来、
糸や接着剤による縫製などのために生産性が低く、また
微粉末などの漏れなどのために、使用が困難であった各
種分野への適用が可能になった。したがって、木炭、活
性炭、各種吸湿剤、吸臭剤などの粉体、または粉体含有
物などの各種包装分野、ベッド用シート、各種衣服、帽
子、フイルター、衛生用品などの製造が効率化、安価に
達成できる。また、すぐれたヒートシール性のために、
木炭、活性炭、吸収剤、消臭剤などの粉体を封入するベ
ッド用のシートなどの場合にあって、ヒートシールを格
子状にすることにより、粉体の分散を確実にすることが
できる。したがって、メルトブロー不織布の用途の拡大
が期待される。
較例により、詳細に説明するが、本発明はこれら実施例
に限定されるものではない。
布「ミクロフレックス」PC0020〔繊維径:1〜3
μm、目付:20g/m2 、融点:158℃〕と(C)
高融点不織布:東洋紡績(株)製ポリエステルスパンボ
ンド不織布「エクーレ」6201A〔繊維径:20μ
m、目付:20g/m2 、融点:257℃〕とを(B)
出光石油化学(株)製ポリエチレンスパンボンド不織布
「ストラテック」LN5020〔密度=940kg/m
3 、MI=25g/10分のエチレン−ブテン−1共重
合体原料、繊維径:20μm、目付:20g/m2 、融
点:126℃〕を挟んで、熱ラミネート装置〔三正精機
社製熱ラミ機、オイル温調、ロール径:300mm、エ
ンボスロール/スムースロール:エンボス圧着率=21
%、格子柄(ピッチ:2mm)、ロール設定温度:14
0℃、エンボス圧力:300N/cm、ラミ速度:10
m/分〕を用いて熱ラミネートし、良好な積層不織布を
得た。
定結果、および、MB不織布同士を下記条件でヒートシ
ールした結果のヒートシール強度を第1表に示す。な
お、測定方法は下記に準拠して行った。 (1)引張強さ:JIS L 1906に準拠した。 (2)ヒートシール強度 ・シール加工機、(株)小松製作所製高速充填包装機 シール方式:ダイロール方式 ・シール加工条件、シール温度:205℃ シール圧力設定:7.84N ・ショット数設定、60ショット/分 ・シール強度測定条件 サンプル幅:15mm 引張速度:200mm/分 チャック間距離:30mm 測定部:ボトムシール部
布「ミクロフレックス」PC0020〔繊維径:1〜3
μm、目付:20g/m2 、融点:158℃〕と(C)
高融点不織布:旭化成(株)製ポリアミドスパンボンド
不織布「エルタス」N05020〔繊維径:20μm、
目付:20g/m2 、融点:220℃〕とを(B)出光
石油化学(株)製ポリエチレンスパンボンド不織布「ス
トラテック」LN5020〔密度=940kg/m3 、
MI=25g/10分のエチレン−ブテン−1共重合体
原料、繊維径:20μm、目付:20g/m2 、融点:
126℃〕を挟んで熱エンボスロール〔ロール設定温
度:140℃、エンボス圧力:300N/cm、速度:
10m/分〕で、実施例1に準じて熱ラミネートし、良
好な積層不織布を得た。得られた積層不織布の引張強
さ、伸びの測定結果、およびヒートシール強度を第1表
に示す。
クロフレックス」PC0020〔繊維径:1〜3μm、
目付:20g/m2 、融点:158℃〕を中間層とし出
光石油化学(株)製ポリプロピレンスパンボンド不織布
「ストラテック」RN2020〔繊維径:25μm、目
付:20g/m2 、融点:160℃〕で挟んで熱エンボ
スロール〔ロール設定温度:160℃、速度:10m/
分〕で実施例1に準じて、熱ラミネートし、良好な積層
不織布を得た。なお、熱積層温度は、実施例1よりも2
0℃高くする必要があった。得られた積層不織布の引張
強さ、伸びの測定結果、およびヒートシール強度を第1
表に示す。
ーレ」6201A〔繊維径:20μm、目付:20g/
m2 、融点:257℃〕と(株)クラレ製ポリプロピレ
ンメルトブロー不織布「ミクロフレックス」PC002
0〔繊維径:1〜3μm、目付:20g/m2 、融点:
158℃〕とを熱エンボスロール〔ロール設定温度:1
60℃、速度:3m/分〕で、実施例1に準じて熱ラミ
ネートした。なお、この比較例2ではロール設定温度を
上げ、ライン速度を下げて熱ラミネートして積層した
が、ラミネート強度は弱く、温度を上げ過ぎるとメルト
ブロー不織布層が溶融してしまい、良好な積層不織布は
得られなかった。サンプルは上記設定で得られたもであ
る。積層不織布の引張強さ、伸びの測定結果、およびヒ
ートシール強度を第1表に示す。
ル法などの熱積層方法を用いて、メルトブロー不織布の
機能性を損なうことなく容易に積層が可能で、適度な引
張強さ、伸びを有するとともに、エッジ切れがないなど
のすぐれたヒートシール性を有し、シール外観にすぐ
れ、ヒートシール強度も高い。したがって、メルトブロ
ー不織布が有する微細粒子漏れ防止性、通気性、防水
性、透湿性などの機能性と強度を兼備し、ヒートシール
による縫製加工で各種用途に展開できる。たとえば、通
気性、透湿性、微粉末漏れ防止性により炭、活性炭、吸
湿剤、吸臭剤などの粉体類など各種包装体、衣服類など
の基材として好ましく用いられる。
Claims (7)
- 【請求項1】 (A)メルトブロー不織布、(B)低融
点スパンボンド不織布および(C)耐熱性スパンボント
不織布がこの順に熱積層され、(B)低融点スパンボン
ド不織布の融点が(A)および(C)の不織布の融点よ
りも低いことを特徴とする積層不織布。 - 【請求項2】 (C)耐熱性スパンボンド不織布が、ポ
リエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂およびポリプロピ
レン系樹脂から選ばれた樹脂からなり、融点が150℃
以上のスパンボンド不織布である請求項1記載の積層不
織布。 - 【請求項3】 (A)メルトブロー不織布がポリプロピ
レン系樹脂からなる請求項1または2記載の積層不織
布。 - 【請求項4】 (B)低融点スパンボンド不織布がポリ
エチレン系樹脂からなる請求項1〜3のいずれかに記載
の積層不織布。 - 【請求項5】 ポリエチレン系樹脂がエチレン−α−オ
レフィン共重合体である請求項4記載の積層不織布。 - 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の積層不
織布を少なくとも一部に用いた熱融着物品。 - 【請求項7】 熱融着物品が包装体または衣服類である
請求項6記載の熱融着物品。
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