JP2018143993A - 積層不織布及びベントフィルター - Google Patents

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Abstract

【課題】ベントフィルターのフィルター部材として用いる積層不織布であって、PTFE以外の素材からなり、筐体を溶融させることなく接合が可能で、通気性と耐久性に優れたベントフィルターの提供。【解決手段】ベントフィルターのフィルター部材として用いられる積層不織布であり、フィルター層(A)と、基材層(C)と、それらの間に接着層(B)と、を有し、(A)〜(C)層を構成する繊維の融点の関係が、基材層(C)の融点>フィルター層(A)の融点>接着層(B)の融点、フィルター層(A)の融点−接着層(B)の融点>80℃であり、また、フィルター層(A)の融点は265℃以下であり、接着層(B)の目付は、フィルター層(A)及び基材層(C)の目付の小さい方の1/2以下である積層不織布。フィルタ層(A)がポリアミド系のメルトブローン不織布、及び/又はポリアミド系/ポリエステル系の混繊メルトブローン不織布である、積層不織布。【選択図】なし

Description

本発明は、ベントフィルターにおけるフィルター部材として使用される、積層不織布に関する。
例えば自動車においてはパワートレイン、モーター、ライト等の装備品等、家電製品においてはシェーバーや音響機器等、また、太陽電池等において、機器の内部と外部との圧力差を調整するためのベントフィルターが備えられている。ベントフィルターは、筒型や漏斗型の樹脂製の筐体に、通気性を有するシート状のフィルター部材が取り付けられた構造を有しており、ベントフィルターのフィルター部材には、通気性とともに、機器の内部に水分や油分が入り込むことがないよう、耐水性や耐油性が求められる。
従来、ベントフィルターのフィルター部材として、空気は通すが水は通さない微細な貫通孔を多数有する、多孔質フィルムが用いられている。例えば特許文献1は、通気性と防水性とを兼ね備えた防水通気膜として、貫通孔の配置方向や膜厚方向の孔形状を規定した高分子フィルムを開示している。高分子フィルムはポリエチレンテレフタレート(PET)やポリカーボネート等から構成されており、また、撥液層や通気性支持層等と一体化されてフィルター部材として用いられうることが開示されている。
また従来、ベントフィルターのフィルター部材の素材として、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が多用されている。特許文献2は、PTFEファイバーを含む不織布層からなる防水通気膜と、該防水通気膜の縁全体に設けられた接着層とを有する防水フィルター部材であって、PTFE不織布層の厚さが40〜300μm、ガーレー数が0.2〜20秒、目付が15〜150g/m、平均細孔径が0.3〜5.0μmであることを特徴とする防水フィルター部材を開示している。また、当該防水フィルター部材は電子機器用や自動車の電装部品用ベントフィルター等として好適であることを開示している。
特許文献2は、従来、防水フィルター部材として用いられていた延伸PTFE多孔質膜のハンドリング性や接着性の問題を解決するために、PTFEファイバーを含む不織布層を用いて、その層の厚さ、ガーレー数、目付、平均細孔径を一定範囲のものとすれば、優れた防水性、通気性を得られること、また、防水通気膜の縁全体に接着層を設けて接着性を得ることを開示している。
また一方で、特許文献3は、通気性や耐水性に優れた熱融着可能な積層不織布を開示している。特許文献3の積層不織布は、木炭や活性炭等の粉体の包装材として用いられるもので、メルトブローン不織布と低融点スパンボンド不織布と耐熱性スパンボンド不織布とを積層した不織布であって、低融点スパンボンド不織布の融点は他の2層よりも15℃以上低く、また、耐熱性スパンボンド不織布はポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリプロピレン系樹脂から選ばれた樹脂からなり、融点が150℃以上であることを特徴としている。
特許文献4には、通気性や熱シール強度に優れた積層不織布であって、極細繊維層と、極細繊維層よりも太い繊維からなる熱融着性繊維層とを、メルトブローン法によって形成したホットメルト系接着剤の繊維層を介して加熱ロールで加圧し、接合したものが開示されている。特許文献4の積層不織布は、乾燥剤や高分子吸収剤等の粉体を収容するための袋状構造体を作るための不織布であって、緻密な極細繊維層で粉体の漏れを防ぎ、熱融着性繊維層によって加工性に優れ、強度の高い不織布を得られることが開示されている。
ベントフィルターでは、調圧機能や耐水性等の性能を確保するために、筐体とフィルター部材とが完全にシールされなければならないが、PTFEは融点が高く(327℃)、また接着性に特に優れた素材ではないため、PTFEからなるフィルター部材を筐体に接着する際には、例えば筐体を融点以上の温度に加熱してその一部を溶解させ、アンカー効果で接合させる方法が採用されていた。しかしながらこの方法では、筐体の損傷や物性低下が生じる可能性があった。また、特許文献3、4に例示されるような積層不織布は、ベントフィルターが用いられるような高温環境での耐久性は考慮されておらず、そのままベントフィルター用のフィルター部材として転用することはできなかった。
特開2016−64351号公報 特開2016−22415号公報 特開2001−219493号公報 特開2002−86605号公報
本発明は上記の状況に鑑み、ベントフィルターのフィルター部材として用いる積層不織布であって、PTFE以外の素材からなり、筐体を溶融させることなく接合が可能で、通気性と耐久性に優れたベントフィルターを実現できるものを提供することを課題とする。
発明者は前記課題を解決するために検討を進め、ベントフィルターのフィルター部材として用いる積層不織布において、筐体と同種でかつ筐体よりも融点の低い不織布をフィルター層として採用し、フィルター層を支持補強するための基材層を設け、また、フィルター層と基材層との間に融点の低い樹脂からなる接着層を設け、かつ、接着層の目付をフィルター層ないし基材層と比較して十分に小さいものにすることに想到した。さらに発明者は、各層の融点と目付とを特定の関係を有するものとすれば、筐体を溶融させることなく筐体とフィルター部材とを確実に接着できるとともに、高温環境下でもフィルター部材である積層不織布の収縮や層間での剥離が生じず、優れた通気性を維持し、耐久性に優れたフィルター部材が得られることを確認し、本発明を完成した。
すなわち本発明は以下の構成を有する。
[1]ベントフィルターのフィルター部材として用いられる積層不織布であって、
フィルター層(A)と、基材層(C)と、それらの間に接着層(B)と、を有し、前記(A)〜(C)層を構成する繊維の融点の関係が、
基材層(C)の融点>フィルター層(A)の融点>接着層(B)の融点、かつ、
フィルター層(A)の融点−接着層(B)の融点>80℃であり、また、
フィルター層(A)の融点は265℃未満であり、
前記接着層(B)の目付は、前記フィルター層(A)及び前記基材層(C)の目付の小さい方の1/2以下である、積層不織布。
[2]前記フィルター層(A)が、ポリアミド系のメルトブローン不織布、及び/又は、ポリアミド系/ポリエステル系の混繊メルトブローン不織布である、[1]に記載の積層不織布。
[3]前記基材層(C)が、ポリエステル系スパンボンド不織布、ポリエステル系スパンボンド不織布/ポリエステル系メルトブローン不織布/ポリエステル系スパンボンド不織布、ポリエチレン系/ポリエステル系鞘芯型複合スパンボンド不織布、又は、ポリエチレン系/ポリエステル系鞘芯型複合スルーエア不織布である、[1]又は[2]に記載の積層不織布。
[4]前記積層不織布が、前記接着層(B)の溶融接着により一体化されている、[1]〜[3]のいずれか1項に記載の積層不織布。
[5]前記基材層(C)の目付が10〜80g/mである、[1]〜[4]のいずれか1項に記載の積層不織布。
[6]前記ベントフィルターが、自動車用ベントフィルターである、[1]〜[5]のいずれか1項に記載の積層不織布。
[7]前記[1]〜[6]のいずれか1項に記載の積層不織布と筐体とが接合されたベントフィルターであって、前記筐体を構成する樹脂は、前記フィルター層(A)と同種の樹脂である、ベントフィルター。
本発明によれば、公知の方法によって各層を一体化して積層不織布(フィルター部材)を製造できることに加えて、フィルター部材と筐体との接合時には、溶融したフィルター層が筐体と接合すると同時に、溶融したフィルター層が接着層に浸透して基材層まで到達し、フィルター層と基材層とが直接接着する。フィルター層と基材層とが直接接着することによって、ベントフィルターの使用を想定した高温環境下でも、積層不織布の収縮や層間の剥離が抑制される。すなわち本発明によれば、PTFE等の高価な素材を用いることなく、優れた通気性を有すると同時に、筐体の強度等を損なうことなく筐体とフィルター部材とを確実に接合することが可能で、また高温環境下でも耐久性に優れた、ベントフィルター用のフィルター部材として好適な積層不織布、またそれを用いたベントフィルターを提供することができる。
(積層不織布)
本発明の積層不織布は、ベントフィルターのフィルター部材として好適に用いられ、フィルター層(A)、接着層(B)及び基材層(C)を有する。接着層(B)は、フィルター層(A)と基材層(C)との間に存在し、これらの層を接合している。(A)〜(C)の層はそれぞれ、単一の不織布から形成されていてもよく、一つの層に複数の不織布を含んでいてもよい。一つの層が複数の不織布を含む場合、当該複数の不織布は、互いに同一であっても異なる不織布であってもよい。
本発明の積層不織布において、フィルター層(A)、接着層(B)及び基材層(C)を構成する不織布は互いに異なる不織布であり、各層を構成する繊維の融点の関係が、基材層(C)の融点>フィルター層(A)の融点>接着層(B)の融点、かつ、フィルター層(A)の融点−接着層(B)の融点>80℃であり、フィルター層(A)の融点は265℃未満であることを特徴とする。
なお、各層を構成する繊維の融点は、繊維の原料となる樹脂の融点と同じと考えることができ、各層を構成する繊維が混繊であるときは、融点の低い方の樹脂の融点を、複合繊維の場合は、融点の高い方の樹脂の融点を、その繊維の融点であると考えることができる。また測定によって繊維の融点を求めることも可能であり、公知の測定方法、例えば、DSC(示差走査熱量計)により、繊維を構成する樹脂を10℃/分で昇温したときに得られた融解吸収曲線上のピークに対応する温度をその繊維の融点とすることができる。また本明細書において、融点という文言は、樹脂の軟化点をも含む意味で使用されている。
筐体を構成する材料として一般的に使用される樹脂であるナイロン樹脂の融点は約265℃であり、融点が265℃未満であるフィルター層(A)を有する積層不織布を用いることによって、筐体を溶融させることなく筐体とフィルター部材(積層不織布)とを接合し、また、積層不織布の各層間を溶着させることが可能となる。さらに、基材層(C)の融点をフィルター層(A)の融点よりも高くすることで、基材層(C)が溶融せずかつフィルター層(A)は溶融する条件でフィルター層(A)を溶解し、フィルター層(A)と筐体とを接合させることができる。さらに、接着層(B)の融点は、基材層(C)及びフィルター層(A)よりも低く、かつ、フィルター層(A)と接着層(B)の融点の差は80℃よりも大きい。この構成によれば、積層不織布の製造時に、接着層(B)のみを溶融させて各層間を接着することが可能であるため、接着層(B)以外の層の溶融によるフィルム化に起因して積層不織布の通気性が損なわれる恐れが少ない。
また本発明の積層不織布は、接着層(B)の目付が、フィルター層(A)及び基材層(C)の目付の小さい方の1/2以下であることを特徴とする。接着層(B)の目付を他の2層の1/2以下とすることによって、接着層(B)は他の2層と比べて十分に薄く、密度の低い層となる。この構成によれば、筐体と積層不織布とを接合させるためにフィルター層(A)を溶融させる工程において、溶融したフィルター層(A)は、筐体と接合するだけでなく、接着層(B)を透過して基材層(C)に到達し、基材層(C)と直接に接合することができる。これによって、筐体とフィルター部材が確実にシールされ、また、フィルター部材の層間の接着もより確実になるため、耐久性に優れたベントフィルターを得ることができる。
フィルター層(A)と基材層(C)の目付は、それぞれに要求される機能に応じて選択することができ、目付の大小はどちらでもよいが、基材層(C)はフィルター層(A)の形状を保持し、強度を与えるための層であるため、必要以上に目付の大きなものを用いる利点は大きくない。基材層(C)の目付は例えば、10〜80g/mであることが好ましい。
(フィルター層)
フィルター層(A)は、通気性を有しながら水分や油分を遮断する緻密な不織布層であることが好ましく、例えばメルトブローン不織布であることが好ましい。メルトブローン不織布は、単一繊維のメルトブローン不織布、2種以上の樹脂からなる複合繊維のメルトブローン不織布、または、2種以上の繊維が混繊された混繊メルトブローン不織布であってもよい。単一繊維のメルトブローン不織布である場合、不織布層を構成する単一繊維としては、単一成分からなる繊維が例示できる。2種以上の樹脂からなる複合繊維のメルトブローン不織布である場合、不織布層を構成する複合繊維としては、並列型複合繊維、鞘芯型複合繊維が例示できる。フィルター層(A)が混繊メルトブローン不織布層である場合、不織布層を構成する繊維の混繊としては、樹脂が同種で繊維径のみが異なる繊維の混繊、異なる種類の樹脂繊維の混繊が例示できる。
またフィルター層(A)は、筐体と直接接触して接合される層であり、筐体との接着性の観点から、筐体と同種の樹脂を含むことが好ましく、筐体と同種の樹脂からなることが好ましい。筐体は多くの場合ポリアミド系樹脂(ナイロン)からできているため、本発明の積層不織布のフィルター層(A)は、ポリアミド系樹脂からなる繊維を含むことが好ましく、ポリアミド系樹脂からなる繊維からなることがより好ましい。ポリアミド系繊維としては例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン11、ナイロン7、ナイロン9、ナイロン12等が挙げられ、ナイロン6、ナイロン66が好ましい。
前記ポリアミド系繊維は、他種の繊維と混繊された混繊ポリアミド繊維であることも好ましい。混繊ポリアミド繊維である場合、ポリアミド系繊維によって筐体との接着性に優れるとともに、通気性のコントロールや、耐水性や耐油性の向上など、ポリアミド繊維のみでは得られない効果を得ることができる。ポリアミド繊維と混繊されうる繊維としては例えば、ポリエステル系繊維が挙げられる。ポリエステル系繊維としては例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリナフタレンテレフタレート等のポリエステル繊維があり、また、他の単量体を含む共重合ポリエステル繊維であってもよい。
フィルター層(A)を構成する繊維の融点は、接着層(B)の融点よりも高く、基材層(C)の融点よりも低く、具体的には、265℃未満であり、160〜260℃とすることができ、180〜220℃であることが好ましい。この範囲であれば、積層不織布の製造時には溶融することがなく、かつ、筐体との接合時には溶融して筐体と接合するとともに、接着層に浸透して基材層に達して基材層と接合することができるため、ベントフィルターが高温環境で使用され、継続的に熱が与えられる場合にもフィルターの変形や剥離等が生じず、耐久性に優れたベントフィルターを得ることができる。
フィルター層(A)の目付は、目的の性能を得られる限り特に制限されないが、例えば、15〜100g/mとすることができ、25〜80g/mであることが好ましい。100g/m以下であると筐体との接着時に熱が伝わり易く、接着性が良好であり、15g/m以上であれば、接着性が良好で、通気性が高くなり過ぎず適正な範囲となり、フィルター層としての機能が満たされる。フィルター層(A)の繊維径も同様に制限されないが、例えば、平均繊維径が0.5μm〜20μmの繊維を用いることができ、平均繊維径が2〜10μmであればより好ましい。また、平均繊維径が異なる複数の繊維を混繊することも好ましく、例えば、平均繊維径が1〜5μmのナイロン6繊維と5〜15μmのナイロン6繊維とを混繊し、同種類かつ細太混繊としてもよいし、平均繊維径が1〜5μmのナイロン6繊維と5〜15μmのPET繊維を混繊し、異種かつ細太混繊としてもよい。
なお、平均繊維径は、不織布表面の拡大写真から測定ないし算出することによって得られる値であり、詳細な測定方法は実施例に詳述される。
(接着層)
接着層(B)は、積層不織布においてフィルター層(A)と基材層(C)とを接着する層であり、熱可塑性樹脂繊維の不織布からなる層であることが好ましい。不織布の種類は特に制限されないが、例えばメルトブローン不織布とすることができ、スパンボンド不織布、スルーエア不織布、ホットメルト不織布であってもよい。
接着層(B)を構成する樹脂としては、例えばエラストマー樹脂やホットメルト剤を用いることができる。エラストマー樹脂を用いる場合、例えばオレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー及びこれらの混合物を用いることができ、この中から、フィルター層(A)及び基材層(C)を接合するのに適したエラストマー樹脂を任意に選択する。ホットメルト剤としては例えば、オレフィン系ホットメルト剤、ウレタン系ホットメルト剤、スチレン系ホットメルト剤、ポリアミド系ホットメルト剤、ポリエステル系ホットメルト剤及びこれらの混合物等を挙げることができる。この中からフィルター層(A)と基材層(C)とを接合するのに適したホットメルト剤を任意に選択することができる。
接着層(B)を構成する繊維の融点は、フィルター層(A)及び基材層(C)よりも低く、具体的には、融点60〜180℃とすることができ、80〜160℃のものを用いることが好ましい。融点が180℃以下であるとフィルター層(A)と基材層(C)への熱ダメージが大きくなり過ぎず、物性低下の不具合が生じる恐れがない。また融点が60℃以上であると、高温雰囲気下での保存等に耐えることでき、層間剥離が生じる恐れが低い。また、接着層(B)とフィルター層(A)との融点差は80℃より大きければよいが、融点差が100℃以上であることがより好ましく、110℃以上であればさらに好ましい。
また、接着層(B)の目付は、フィルター層(A)及び基材層(C)の目付の小さい方の1/2以下であり、具体的には、1〜40g/mとすることができ、3〜30g/mであることが好ましい。目付が40g/m以下であると、通気性などの物性が良好であり、筐体との接着時にフィルター層を溶融させ、フィルター層が基材層に浸透するのを阻害しない。目付が1g/m以上であれば、積層不織布の製造時に接着性が十分となり層間剥離を生じる恐れがない。接着層(B)の目付が充分に小さいことによって、筐体とフィルター部材とを接合するために積層不織布のフィルター層(A)を溶融させる時に、溶融したフィルター層(A)が接着層(B)に浸透して基材層(C)に達し、フィルター層(A)と基材層(C)とが直接に接着することによって、耐熱性に優れた積層不織布となるものと考えられている。
接着層(B)を構成する繊維の繊維径は、特に制限されないが、例えば、平均繊維径0.5〜30μmとすることができ、平均繊維径が1〜20μmであればより好ましい。平均繊維径が30μm以下であると繊維間の隙間が多くなり過ぎることがなく、接着面での接着斑が生じず層間剥離の恐れがなく、0.5μm以上であると繊維密度が高くなり過ぎることがなく通気性が低下する恐れがない。
(基材層)
基材層(C)は、フィルター層(A)を支持補強する不織布の層であり、ベントフィルターにおいては積層不織布の基材層(C)が外側になるように配置される。基材層(C)は、耐熱性や剛性等の要求物性に合わせて選択することができる。基材層(C)としては、スパンボンド不織布、スルーエア不織布、メルトブローン不織布、これらを組み合わせた複層不織布を用いることができる。複層の不織布を用いる場合、例えば、スパンボンド不織布(S)/メルトブローン不織布(M)/スパンボンド不織布(S)が積層されたSMS不織布や、メルトブローン不織布/スルーエア不織布が積層された不織布等を用いることができる。
基材層(C)は、耐熱性や剛性を確保するために、他の2層よりも融点が高いことが好ましく、基材層(C)の繊維を構成する樹脂としては、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等を用いることができる。ポリエステル系樹脂としては例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリナフタレンテレフタレートなどのポリエステルや、他の共重合成分を含む共重合ポリエステルであってもよい。また、ポリエステル系繊維と他の繊維が混繊されていてもよく、鞘芯型複合繊維、サイドバイサイド型複合繊維等の複合繊維であってもよい。複合繊維を用いる場合、複合繊維は樹脂の一方が高融点成分であれば、もう一方の樹脂が低融点成分であってもよい。
ポリアミド系樹脂としては、前記のフィルター層に用いられるポリアミド樹脂として例示したものと同様のものを挙げることができる。
ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン樹脂として、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリプロピレン樹脂として、プロピレンの単独重合体や、プロピレンと他の単量体、エチレンやブテン等が重合した共重合ポリプロピレン等を挙げることができる。
基材層(C)を構成する繊維の融点は、フィルター層(A)及び接着層(B)よりも高く、積層不織布を製造する工程、また、積層不織布(フィルター部材)と筐体との接合工程のいずれの時にも溶融しないことが好ましい。例えば、基材層(C)の融点は、一般的な筐体の融点である265℃以下としてもよく、265℃以上であることも好ましい。基材層(C)の融点がフィルター層(A)の融点を上回ると、フィルター部材と筐体とを接合する際に、基材層が溶融してしまうことがないため、好ましい。
基材層(C)の目付は、目的の性能を得られる限り特に制限されないが、例えば、10〜80g/mとすることができ、20〜60g/mであることが好ましい。80g/m以下であれば、接着層(B)を溶融する際に熱が伝わりやすく、接着性が良好であり、10g/m以上であれば、接着層(B)の溶融時に基材層(C)から染み出さず、加熱ロール等を汚染する恐れがない。基材層(C)の繊維径も同様に特に制限されないが、例えば、平均繊維径5〜30μmの繊維を用いることができ、15〜25μmであればより好ましい。平均繊維径が5〜30μmの繊維を用いることで、製造時の加工性に優れた不織布強度の維持と、接着層(B)の溶融時の染み出しを抑制するという利点がある。
基材層(C)は、積層不織布の製造工程において、接着層(B)ないしフィルター層(A)を順次積層するための基材として機能する層であり、予め製造されたものを用いることができる。このため、基材層(C)は単層、複層いずれであってもよく、具体的には例えば、ポリエチレン/PETの鞘芯型複合スパンボンド不織布、PET単体のスパンボンド不織布、PET系のSMS不織布等を好ましく用いることができる。
なお、前記の各層の不織布には、本発明の効果を妨げない範囲内で、各種の添加剤、例えば、着色剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、造核剤、滑剤、抗菌剤、難燃剤、可塑剤及び他の熱可塑性樹脂等が添加されていてもよい。また、前記の各層は、その表面が各種の仕上げ剤で処理されていてもよく、これによって撥水性、制電性、表面平滑性、耐摩耗性などの機能を付与することができる。
(積層不織布の製造)
本発明の積層不織布は公知の方法を用いて製造することができ、製造方法は特に制限されないが、例えば、前記の3層の不織布を積層し、熱接着することによって製造できる。具体的には、接着層(B)となるエラストマー樹脂やホットメルト樹脂をノズルから溶融状態で押し出し、加熱圧縮空気により基材層(C)の上に吹き付け、シート状に積層させて、メルトブローン不織布の接着層(B)を形成する。続いて、この上に、フィルター層(A)となる樹脂をノズルから溶融状態で押し出し、加熱圧縮空気によって吹き付けることで接着層(B)の上にメルトブローン不織布のフィルター層(A)を形成することができる。基材層(C)を搬送するコンベアーの速度を調整することによって任意に目付を設定できる。
この3層の積層体は、例えば、フラット(平滑)ロールとフラット(平滑)ロールを有するカレンダー加工機を通過させることで接着層(B)を溶融させて各層を接着し、また同時にフィルター層(A)の表面処理を行い、積層不織布を得ることができる。カレンダー処理の条件は、例えば、速度10〜200m/min、ロール温度60/60〜160/160℃、圧力20〜100N/mmとすることができるが、目的に応じて調整すればよく特に制限されない。
以下の実施例は、例示を目的としたものに過ぎない。本発明の範囲は、本実施例に限定されない。
実施例中に示した物性値の測定方法や定義は次のとおりである。
1)平均繊維径
走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、不織布表面の拡大写真を撮影し、100本の繊維の直径を測定し、その算術平均値を平均繊維径とした。
2)圧力損失(耐熱試験)
各積層不織布について、不織布の長さ方向(MD方向)とMD方向とは直角する方向(CD方向)に対し、15cm四方に裁断したものからなる試験片を準備した。
コンベンションオーブン(型式:MOV−112F・SANYO製)を用いて、170℃×1時間で加熱処理した後、取り出して10分間自然冷却した。
加熱処理前後の試験片について、TSI8130型フィルター試験機を用いて圧力損失を測定した。同試験機にて発生させたエアを、試験片に通過させ、圧力損失を測定した。このときのエアの流量は、85L/min(測定面積100cm)とした。
3)面収縮率(耐熱試験)
各積層不織布について、不織布の長さ方向(MD方向)とMD方向とは直角する方向(CD方向)に対し、15cm四方に裁断したものからなる試験片を準備した。
コンベンションオーブン(型式:MOV−112F・SANYO製)を用いて、170℃×1時間で加熱処理した後、取り出して10分間自然冷却した。
加熱処理前の不織布面積(A1)と加熱処理後の不織布面積(A2)とから、次式により面収縮率を算出した。
面収縮率(%)={(A1−A2)/A1}×100
なお、上記式に求められた面収縮率の数値は小さいほど優れている。
4)剥離強度(耐熱試験)
各実施例、比較例で得られた構成のフィルター層(A)と、基材層(C)に接着層(B)が積層された不織布とを、それぞれMD方向15cm×CD方向2.5cmの大きさに裁断した。これらの試料の四隅が揃うようにフィルター層(A)/接着層(B)/基材層(C)の順に重ね合わせ、その重ね合わせた試料の短辺方向、つまりCD方向に細長いヒートシールを施した。ヒートシール条件は、フィルター層(A)側の温度200℃、基材層(C)側の温度240℃、3kgf/cm(29.4×10Pa)、3秒であり、ヒートシール部分は1cm幅×2.5cmとした。
ヒートシール装置として、ヒートシールテスター TP−701(テスター産業株式会社製)を用いた。この方法で得られた試料を、ヒートシールを施した側の他辺の短辺側から開き、それぞれの端辺10cm間隔に設定したテンシロン引張試験機(”ROM−100”株式会社オリエンテック製)のチャック間によれなどが生じないように固定した。剥離強さの測定は引っ張り速度100mm/分で測定し、剥離強度の計算方法はJIS L 1086-1983に準拠した。
試料の加熱は、コンベンションオーブン(型式:MOV−112F・SANYO製)を用いて、170℃×1時間で加熱処理した後、取り出して10分間自然冷却した。
加熱処理前後の剥離強度を測定した。
実施例及び比較例には、以下の材料を用いた。
<フィルター層(A)>
・ナイロン6樹脂(融点220℃、宇部興産社製「UBE NYLON 1011FB」)
・PET樹脂(相対粘度0.60、融点260℃、鐘紡社製「K101」)
・ポリプロピレン系樹脂(融点160℃、MFR80、日本ポリプロ製「ノバテックPP」)
<接着層(B)>
・ポリエチレン系エラストマー樹脂(融点100℃、ダウケミカル社製「ENGAGE8402」、MFR=30(JIS K−7210(1999)190℃/10分)
・オレフィン系ホットメルト剤(軟化点150℃、モレスコ社製「モレスコメルト RAC−19Z」)
<基材層(C)>
・HDPE/PET(質量比50/50%)の鞘芯型複合スパンボンド不織布(目付30g/m、繊維径18μm、JNC社製「エスボンド(商品名):FT30」)
・PET系スパンボンド不織布(目付30g/m、繊維径13μm、旭化成社製「エルタス(商品名):E1030」)
・PP系スパンボンド不織布(目付30g/m、繊維径18μm、シンワ製)
[実施例1]
接着層(B)として、ポリエチレン系エラストマー樹脂を用いた。スクリュー(50mm径)、加熱体及びギアポンプを有する2機の押出機、混繊用紡糸口金(孔径0.3mm、2機の押出機より交互に樹脂が吐出される孔数501ホールが一列に並んだ、有効幅500mm)、圧縮空気発生装置及び空気加熱機、ポリエステル製ネットを備えた捕集コンベアー、及び巻取り機からなる不織布製造装置を用いてメルトブローン不織布の製造を行った。
接着層(B)の形成には、前記の2機の押出機に原料樹脂を投入し、両方の押出機を220℃で加熱溶融させ、ギアポンプの質量比が50/50になる様に設定し、紡糸口金から単孔あたり0.3g/minの紡糸速度で溶融樹脂を吐出させた。吐出した繊維を、400℃に加熱した98kPa(ゲージ圧)の圧縮空気によって紡糸口金から30cmの距離に設定した捕集コンベアー上に吹き付け、接着層(B)を形成した。捕集コンベアーの速度を調整する事によって、任意に目付を設定した。それぞれの平均繊維径は、8μmであった。
なお、接着層(B)のメルトブローン不織布を製造する過程において、基材層(C)として、HDPE/PET(質量比50/50%)の鞘芯型複合スパンボンド不織布を捕集コンベアーに挿入し、その上に1g/mの接着層(B)を積層させた。
次に、フィルター層(A)として、ナイロン6樹脂を原料として用いた。スクリュー(50mm径)、加熱体及びギアポンプを有する2機の押出機、混繊用紡糸口金(孔径0.3mm、2機の押出機より交互に樹脂が吐出される孔数501ホールが一列に並んだ、有効幅500mm)、圧縮空気発生装置及び空気加熱機、ポリエステル製ネットを備えた捕集コンベアー、及び巻取り機からなる不織布製造装置を用いて、メルトブローン不織布の製造を行った。
フィルター層(A)の形成には、前記の2機の押出機に原料樹脂を投入し、一方の押出機を280℃、もう一方の押出機を240℃で加熱溶融させ、ギアポンプの質量比が50/50になる様に設定し、紡糸口金から単孔あたり0.3g/minの紡糸速度で溶融樹脂を吐出させた。吐出した繊維を400℃に加熱した98kPa(ゲージ圧)の圧縮空気によって紡糸口金から30cmの距離で、捕集コンベアー上の、接着層(B)と基材層(C)が積層された積層体上に吹き付け、フィルター層(A)を形成した。捕集コンベアーの速度を調整する事によって、任意に目付を設定した。それぞれの平均繊維径は、2μmと6μmであった。
上記で得た3層積層体を、フラット(平滑)ロールとフラット(平滑)ロールを持つカレンダー加工機で、速度10m/min、フラット(平滑)ロール/フラット(平滑)ロール温度120/120℃、圧力40N/mmで、上記フラットロールの間を通過させることにより積層不織布を得た。
[実施例2]
接着層(B)として、ポリエチレン系エラストマー樹脂を用いた。スクリュー(50mm径)、加熱体及びギアポンプを有する2機の押出機、混繊用紡糸口金(孔径0.3mm、2機の押出機より交互に樹脂が吐出される孔数501ホールが一列に並んだ、有効幅500mm)、圧縮空気発生装置及び空気加熱機、ポリエステル製ネットを備えた捕集コンベアー、及び巻取り機からなる不織布製造装置を用いてメルトブローン不織布の製造を行った。
接着層(B)の形成には、前記の2機の押出機に原料樹脂を投入し、両方の押出機を220℃で加熱溶融させ、ギアポンプの質量比が50/50になる様に設定し、紡糸口金から単孔あたり0.3g/minの紡糸速度で溶融樹脂を吐出させた。吐出した繊維を、400℃に加熱した98kPa(ゲージ圧)の圧縮空気によって紡糸口金から30cmの距離に設定した捕集コンベアー上に吹き付け、接着層(B)を形成した。捕集コンベアーの速度を調整する事によって、任意に目付を設定した。それぞれの平均繊維径は、8μmであった。
なお、接着層(B)のメルトブローン不織布を製造する過程において、基材層(C)として、PET系スパンボンド不織布を挿入し、その上に15g/mの接着層(B)を積層させた。
次に、フィルター層(A)として、ナイロン6樹脂とPET樹脂を原料として用いた。スクリュー(50mm径)、加熱体及びギアポンプを有する2機の押出機、混繊用紡糸口金(孔径0.3mm、2機の押出機より交互に樹脂が吐出される孔数501ホールが一列に並んだ、有効幅500mm)、圧縮空気発生装置及び空気加熱機、ポリエステル製ネットを備えた捕集コンベアー、及び巻取り機からなる不織布製造装置を用いてメルトブローン不織布の製造を行った。
フィルター層(A)の形成には、前記の2機の押出機に原料樹脂を投入し、一方の押出機を280℃、もう一方の押出機を300℃で加熱溶融させ、ギアポンプの質量比が50/50になる様に設定し、紡糸口金から単孔あたり0.3g/minの紡糸速度で溶融樹脂を吐出させた。吐出した繊維を400℃に加熱した98kPa(ゲージ圧)の圧縮空気によって紡糸口金から30cmの距離で、コンベアー上の、接着層(B)と基材層(C)が積層された積層体上に吹き付け、フィルター層(A)を形成した。コンベアーの速度を調整する事によって、任意に目付を設定した。それぞれの平均繊維径は、2μmと4μmであった。
上記で得た3層積層体を、フラット(平滑)ロールとフラット(平滑)ロールを持つカレンダー加工機で、速度10m/min、フラット(平滑)ロール/フラット(平滑)ロール温度120/120℃、圧力40N/mmで、上記フラットロールの間を通過させることにより積層不織布を得た。
[比較例1]
接着層の目付を、24g/mとした以外は実施例1と同様にして積層不織布を製造した。
[比較例2]
フィルター層としてポリプロピレン系メルトブローン不織布を用い、基材層(C)としてPP系スパンボンド不織布を用いた以外は実施例2と同様にして積層不織布を製造した。
[比較例3]
接着層として軟化点が150℃であるオレフィン系ホットメルト剤を用いて、接着層の目付を10g/mとした以外は実施例1と同様にして積層不織布を製造した。
実施例及び比較例の積層不織布の構成、及び、試験結果を表1にまとめて示す。
Figure 2018143993
表1に示されるとおり、実施例1,2のフィルターはいずれも、耐熱試験前後で剥離強度が変わらず、また、耐熱試験の前後において圧力損失が低く十分な通気性を有し、面収縮率が低かった。一方、基材層に対する接着層の目付を80%とした比較例1では、耐熱試験後の剥離強度が大きく低下した。これは、接着層に阻まれてフィルター層と基材層が直接接着しないため、耐熱試験で高温が負荷された際に積層不織布の層間の剥離が生じたものと考えられた。また、フィルター層及び基材層として融点が160℃の樹脂を用い、またフィルター層と接着層の融点差が60℃であった比較例2は、剥離強度試験におけるヒートシール条件においてシール部が溶断し、面収縮率が大きくなった。また、接着層として軟化点が150℃の樹脂を用い、接着層とフィルター層の融点差が70℃であった比較例3は、積層不織布を一体化する120℃/120℃条件では一体化できなかった。また、不織布を積層一体化できる条件である160℃/160℃とすると、フィルター層がフィルム化して通気性が著しく低くなり製品として使用不能であった。
本発明の積層不織布は、ベントフィルター用のフィルター部材として好適に使用され、特に、高温環境に置かれるベントフィルターである、自動車のエンジンルーム内に配置されるベントフィルターとして好適に使用される。

Claims (7)

  1. ベントフィルターのフィルター部材として用いられる積層不織布であって、
    フィルター層(A)と、基材層(C)と、それらの間に接着層(B)と、を有し、前記(A)〜(C)層を構成する繊維の融点の関係が、
    基材層(C)の融点>フィルター層(A)の融点>接着層(B)の融点、かつ、
    フィルター層(A)の融点−接着層(B)の融点>80℃であり、また、
    フィルター層(A)の融点は265℃以下であり、
    前記接着層(B)の目付は、前記フィルター層(A)及び前記基材層(C)の目付の小さい方の1/2以下である、積層不織布。
  2. 前記フィルター層(A)が、ポリアミド系のメルトブローン不織布、及び/又は、ポリアミド系/ポリエステル系の混繊メルトブローン不織布である、請求項1に記載の積層不織布。
  3. 前記基材層(C)が、ポリエステル系スパンボンド不織布、ポリエステル系スパンボンド不織布/ポリエステル系メルトブローン不織布/ポリエステル系スパンボンド不織布、ポリエチレン系/ポリエステル系鞘芯型複合スパンボンド不織布、又は、ポリエチレン系/ポリエステル系鞘芯型複合スルーエア不織布である、請求項1又は2に記載の積層不織布。
  4. 前記積層不織布が、前記接着層(B)の溶融接着により一体化されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層不織布。
  5. 前記基材層(C)の目付は10〜80g/mである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層不織布。
  6. 前記ベントフィルターが、自動車用ベントフィルターである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の積層不織布。
  7. 前記請求項1〜6のいずれか1項に記載の積層不織布と筐体とが接合されたベントフィルターであって、前記筐体を構成する樹脂は、前記フィルター層(A)と同種の樹脂である、ベントフィルター。
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