JP3243405U - 使い捨てガウン - Google Patents

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Abstract

【課題】血液や体液のバリア性と、ウィルスバリア性と、通気性と、耐水性とのすべてを兼ね備えた使い捨てガウンを得る。【解決手段】使い捨てガウンであって、微多孔を有するポリオレフィン系湿式フィルム1の片面または両面に不織布2が積層一体化された生地によってガウンが形成されている。湿式フィルム1は、目付が5~50g/m2である。不織布2は、芯部がポリエチレンテレフタレートで構成されているとともに鞘部がポリエチレンで構成されている芯鞘複合繊維を構成繊維とし、片面に積層された場合はその片面で、両面に積層された場合はいずれの面においても、目付が15~60g/m2である。【選択図】図1

Description

本考案は使い捨てガウンに関し、特にメディカル用ウェアに好適に用いることができる使い捨てガウンに関する。
医療現場で用いられる感染防止用の防護服としての、使い捨てガウンが知られている。この種の防護服として、たとえば特許文献1には、芯部がポリエチレンテレフタレートで構成されているとともに鞘部がポリエチレンで構成されている芯鞘複合繊維を構成繊維とし、構成繊維同士が部分的に熱接着された不織布と、無孔透湿性ポリウレタンフィルムとが積層された複合シートを用いたものが記載されている。無孔透湿性ポリウレタンフィルムは、ポリウレタン樹脂の構造中に親水基が導入されていることで透湿機能が付与されたものである。
一方、特許文献2には、複合シートを用いた使い捨て防護服が記載されている。この複合シートは、芯部がポリエチレンテレフタレートで構成されているとともに鞘部がポリエチレンで構成されている芯鞘複合繊維を構成繊維とし、構成繊維どうしが部分的に熱接着された不織布と、微多孔性ポリエチレンフィルムとが積層されたものである。この微多孔性ポリエチレンフィルムとしては、無機充填剤、有機充填剤などを含有するポリエチレンフィルムよりこれらの充填剤を溶剤で溶出して製造する微多孔性フィルムや、粒子状の無機充填剤、有機充填剤を含有するポリエチレン樹脂からなるシートを少なくとも一軸方向に延伸することで、粒子表面と樹脂との間に空隙を生じさせることにより微多孔構造を形成させて得られる微多孔性フィルムなどが挙げられる(特許文献2の段落0021)。ポリエチレンフィルムは、微多孔性であることで、血液バリア性、ウィルスバリア性、通気性、柔軟性を併有することができる。
また、ポリエチレンの極細網状長繊維をランダムに積層したフラッシュ紡糸不織布を含むシートを用いた使い捨て防護服も知られている。これらの不織布を用いた使い捨て防護服は、軽いうえにしなやかであり、また強度もあるために有用である。
実用新案登録第3190510号公報 実用新案登録第3157107号公報
しかしながら、不織布を用いた公知の使い捨て防護服は、ウィルスバリア性の点でまだ完全とは言い難く、ウィルス感染を防ぎきれない可能性もある。すなわち、血液や体液のバリア性と、ウィルスバリア性と、通気性と、柔軟性とのすべてを兼ね備えることで使い捨て防護服などに好ましく適用することができる構造体は、まだ得られていないのが現状である。
そこで本考案は、血液や体液のバリア性と、ウィルスバリア性と、通気性と、耐水性とのすべてを兼ね備えた使い捨てガウンを得ることを目的とする。
この目的を達成するために本考案の使い捨てガウンは、
微多孔を有するポリオレフィン系湿式フィルムの片面または両面に不織布が積層一体化された生地によってガウンが形成されており、
前記湿式フィルムの目付が5~50g/mであり、
前記不織布は、芯部がポリエチレンテレフタレートで構成されているとともに鞘部がポリエチレンで構成されている芯鞘複合繊維を構成繊維とし、片面に積層された場合はその片面で、両面に積層された場合はいずれの面においても、目付が15~60g/mであることを特徴とする。
本考案の使い捨てガウンによれば、微多孔を有するポリオレフィン系湿式フィルムの片面に不織布が積層一体化されており、前記湿式フィルムがガウンの表面側に配されるとともに、前記不織布がガウンの内面側に配されていることが好適である。
本考案の使い捨てガウンによれば、不織布は、構成繊維同士がスポット状の形態で部分的に熱接着されたものであることが好適である。
本考案の使い捨てガウンによれば、JIS L1099のA-1法による透湿度が4500g/m・24h以上であり、JIS L1092のA法による耐水度が900mm以上であり、JIS T8060による血液バリア性がクラス3以上またはASTM F1670による血液バリア性の評価が「合格」であり、JIS T8061によるウィルスバリア性がクラス3以上またはASTM F1671によるウィルスバリア性の評価が「合格」であることが好適である。
本考案の使い捨てガウンは、メディカル用ウェアであることが好適である。
本考案の使い捨てガウンによると、微多孔を有するポリオレフィン系湿式フィルムと不織布とを積層一体化したものであることから、湿式フィルムによって所要のバリア性、通気性、耐水性を強力に発現することができるとともに、不織布によって湿式フィルムを強度的に支持することができる。また、不織布は芯部がポリエチレンテレフタレートで構成されているとともに鞘部がポリエチレンで構成されている芯鞘複合繊維を構成繊維としているため、きわめて柔軟であり、このため使い捨てガウンの着用感が好適である。
本考案の実施の形態の使い捨てガウンの生地の断面構造を示す図である。 本考案の他の実施の形態の使い捨てガウンの生地の断面構造を示す図である。 本考案の実施例における湿式フィルムの表面の拡大図である。
本考案の使い捨てガウンは、図1に示すように、微多孔を有するポリオレフィン系湿式フィルム1の片面に不織布2が積層一体化された生地によって形成することができる。この場合は、湿式フィルム1がガウンの表面側に配されているとともに、不織布2がガウンの内面側に配されていると、所要のバリア性、通気性、耐水性を確実に発現することができる。あるいは、本考案の使い捨てガウンは、図2に示すように、微多孔を有するポリオレフィン系湿式フィルム1の両面に不織布2が積層一体化された生地によって形成することもできる。
ポリオレフィン系湿式フィルム1を形成するためのポリオレフィンとしては、任意のものを使用することができ、ポリエチレン系樹脂およびポリプロピレン系樹脂を代表例として挙げることができる。なかでも、ポリエチレン系樹脂を、加工性が良好で、柔軟で軽いという理由によって、好適に用いることができる。ポリエチレン系樹脂としては、エチレンのみの重合体であってもよく、また、エチレンを主たる繰り返し単位とし、これにα-オレフィンを共重合してなる共重合体でもよい。α-オレフィンとしては、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-へキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、4-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン等が挙げられる。なお、ポリオレフィンの数平均分子量も任意である。
ポリオレフィン系湿式フィルム1は、孔径約0.1~0.5μmの微多孔を有する。このような湿式フィルムは、たとえば、ポリオレフィン系樹脂と可塑剤との混合物を溶融・混練した後に押出により膜を形成し、そのうえで延伸した後に、この形成された膜から可塑剤を抽出することにより、膜から可塑剤を除去することで、可塑剤の存在していた箇所を多数の微孔とするものである。ポリオレフィン系樹脂と可塑剤とが溶融混練により均一に混ざり合うことから、このようにして微多孔を形成することで、この微多孔の孔径が約0.1~0.5μmとなり、このような微細な孔径の微多孔をフィルム中に均一に分布させることができる。本考案の使い捨てガウンは、このガウンを形成する生地が、このように孔径の小さな微多孔を有するポリオレフィン系湿式フィルムを含むものであるために、血液や体液のバリア性と、ウィルスバリア性とに特に優れた性能を発揮することができる。微多孔の孔径が0.1μm未満であると、透湿性が損なわれやすい。反対に孔径が0.5μmを超えると、所要の血液バリア性やウィルスバリア性が得られにくい。
微多孔を形成するための可塑剤としては、ポリオレフィン系樹脂と均一に溶融混練しうる有機化合物が用いられ、その例としては、ノナン、デカン、デカリン、パラフィンオイル、パラフィンワックスなどの脂肪族または環状炭化水素や、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレートなどのフタル酸エステルや、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸などの炭素数10個~20個の脂肪酸類や、パルミチン酸アルコール、ステアリン酸アルコール、オレイン酸アルコールなどの炭素数10個~20個の脂肪酸アルコール類や、これらの混合物などが挙げられる。なかでも、人体に無害であり、沸騰点が高く、揮発性成分が少ないパラフィンオイルが好適である。
ポリオレフィン系湿式フィルム1の詳細な製法は次のとおりである。すなわち、ポリオレフィン系樹脂と、可塑剤となる有機化合物とを溶融混合し、その混合物を、Tダイを用いて押出した後、その押出物を延伸する。その後、溶媒で前記有機化合物を抽出することにより、ポリオレフィン系樹脂中に均一に混合していた有機化合物が除去され、その除去された箇所が微多孔となることで、ポリオレフィン系湿式フィルム1を得ることができる。可塑剤の抽出に際しては、例えば、塩化メチレンを用いるとよい。また、抽出に用いた塩化メチレンは、可塑剤が除去されたフィルムに付着していることから、乾燥によって除去するとよい。
本考案の使い捨てガウンにおいては、所要の性能を発揮するために、湿式フィルム1の目付が5~50g/mである。
同様の観点から、本考案の使い捨てガウンにおいては、湿式フィルム1の厚みが5~60μmであることが好ましい。特に湿式フィルム1の厚みが60μm以下であることにより、後述のように不織布層との積層によって使い捨てガウンの生地とするときに、薄く、したがって軽量であり、また柔軟なものとすることができる。厚みが60μmを超えると、上記のように不織布層との積層を行った場合に、厚くなってしまって、柔軟性を含めた使い捨てガウン着心地などが低下する。厚みの下限は、特に規定されるものではないが、使い捨てガウンを構成した時の所要強度の観点にたてば、上記のように5μmを下限とすることが好適である。
本考案の使い捨てガウンの湿式フィルム1を構成するポリオレフィン樹脂組成物には、用途に応じて、紫外線吸収剤、光安定剤、防曇剤、帯電防止剤、難燃剤、着色防止剤、酸化防止剤、充填材、顔料などの添加剤を添加することもできる。
本考案の使い捨てガウンを構成する不織布2について説明する。この不織布2は、芯部にポリエチレンテレフタレートが配されるとともに鞘部にポリエチレンが配された芯鞘複合繊維にて構成されている。
芯鞘複合繊維における鞘成分のポリエチレンは、芯成分のポリエチレンテレフタレートよりも融点が低い。そのため、鞘成分をたとえば繊維同士の部分的な熱接着による不織布化の際の熱接着成分とするときには、熱接着成分として確実に機能させることができるとともに、芯成分を繊維形態保持成分として確実に機能させることができる。
芯成分のポリエチレンテレフタレートは、鞘成分のポリエチレンよりも融点が高い。また、結晶性があり、ポリマーの中でも強度が高いものであるため、鞘成分を熱により溶融させて熱接着を行う際に、溶融せずに所要の強度の繊維形態を確実に維持することができる。
芯部を構成するポリエチレンテレフタレートとしては、通常市販または工業的に利用されているポリエチレンテレフタレートのうち、繊維用として市販され、利用されているものであれば、特に限定されない。
鞘部を構成するポリエチレンは、通常市販または工業的に利用されているポリエチレンのうち、繊維用として市販され、利用されているものであれば、特に限定されない。
芯部と鞘部の質量比は、繊維同士の接着性の観点から、芯部/鞘部=2/1~1/2であることが好ましい。
不織布2は上記複合繊維によって構成されるが、構成繊維同士が部分的な熱接着により一体化したものであることが好ましい。特に熱エンボス加工により部分的に熱接着していることが好ましい。熱エンボス加工により部分的に熱接着している不織布は、熱接着部(不織布に形成された凹部)では熱と圧力が付与されているが、非熱接着部は熱や圧力の影響をほとんど受けていないため、柔軟性に優れ肌触りの良好な不織布となるからである。また、機械的特性も良好であり、形態安定性に優れるためである。
使い捨てガウンを構成する不織布2の目付けは、柔軟性および強度の観点から、15~60g/mであることが必要であり、さらに軽量性や着用者の動きやすさを考慮すると15~30g/mであることが好ましい。図1に示すように不織布2が微多孔を有するポリオレフィン系湿式フィルム1の片面だけに積層された場合は、その片面の不織布の目付けが15~60g/mであることが必要である。これに対し、図2に示すように不織布2が湿式フィルム1の両面に積層された場合は、いずれの面においてもその目付は15~60g/mであることが必要である。
使い捨てガウンの目付けは、すなわち微多孔を有するポリオレフィン系湿式フィルム1の目付けと不織布2の目付けとの合計の目付けは、150g/m以下であることが好ましい。使い捨てガウンの目付けがこの範囲であることによって、軽量で着心地が良好であるという利点がある。したがって、より好ましい合計の目付は100g/m以下、さらに好ましい合計目付は70g/m以下である。
なお、本考案において目付は、 JIS L1913により求められるものである。また、本考案において厚みは、JIS Z1702により求められるものである。
本考案の使い捨てガウンは、微多孔湿式フィルム1と不織布2との積層体にて形成されているために、JIS L1099のA-1法による透湿度が4500g/m・24h以上であり、JIS L1092のA法による耐水度が900mm以上であり、JIS T8060による血液バリア性がクラス3以上またはASTM F1670による血液バリア性の評価が「合格」以上であり、JIS T8061によるウィルスバリア性がクラス3以上またはASTM F1671によるウィルスバリア性の評価が「合格」であることが好適である。実質的には、不織布2は、これらの性能に実質的には寄与せずに、上記のように主として微多孔湿式フィルム1を補強する役割を果たすものであるため、これらの諸性能は微多孔湿式フィルム1の性能であるということができる。
本考案の使い捨てガウンを形成するための生地の製造方法の一例について説明する。まず、湿式フィルム1の製造方法の一例について説明すると、上記したように、ポリオレフィン系樹脂と、可塑剤となる有機化合物とを溶融混合し、その混合物をTダイを用いて押出した後、その押出物を延伸し、その後、溶媒で前記有機化合物を抽出することにより、ポリオレフィン系樹脂中に均一に混合していた有機化合物が除去され、その除去された箇所が微多孔となることで、ポリオレフィン系湿式フィルム1を得ることができる。
不織布2の製造方法の一例であるスパンボンド法について説明する。まず、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンとを、ポリエチレンテレフタレートが芯部に配され、ポリエチレンが鞘部に配されるように、芯鞘型複合紡糸孔に供給し、溶融紡糸して芯鞘複合繊維を得る。次いで、その芯鞘複合繊維を、移動するコンベア上などに捕集して集積する。集積後は、エンボスロールなどに通し、部分的に熱圧接して、圧接部位で鞘部を軟化又は溶融させることで芯鞘複合繊維相互間を結合して不織布2を得る。
湿式フィルム1と不織布2を積層する際には、たとえばホットメルト接着剤を介して熱圧着させるスプレーラミネート法を採用することで、両者を積層することができ、それによって、本考案の使い捨てガウンを形成するための生地を得ることができる。そして、この生地を縫製加工や熱接着加工などすることによって、本考案の使い捨てガウンを得ることができる。接着剤としては、上記のようにホットメルト型接着剤を好ましく用いることができる。ホットメルト型接着剤のなかでも、接着性の観点から、ポリウレタン系接着剤あるいはポリエチレン系接着剤が好ましい。もちろん、別の種類の接着剤を用いることもできる。
また、湿式フィルム1と不織布2とを、微粒子状のポリオレフィン樹脂を接着成分とした接着剤を用いて積層一体化することもできる。ここにいう微粒子状のポリオレフィン樹脂は、微多孔積層フィルムを構成するポリオレフィン樹脂と同様の組成を持つものであるため、微多孔積層フィルムにおける非孔領域に選択的に付着しやすい。
微粒子状のポリオレフィン樹脂としては、水に分散しやすいものを用いる。それにより、水性の接着剤とすることができる。そのようなポリオレフィン樹脂として、特許第3699935号公報に記載されているものを好適に用いることができる。このポリオレフィン樹脂は、不飽和カルボン酸またはその無水物(A)と、炭素数2~6のアルケン(B)とを含むモノマーを共重合した共重合体にて構成されたものである。不飽和カルボン酸またはその無水物(A)としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、フマル酸、クロトン酸などが挙げられる。炭素数2~6のアルケン(B)としては、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセンなどが挙げられる。なお、不飽和カルボン酸またはその無水物(A)および炭素数2~6のアルケン(B)のほかに、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチルなどのアクリル酸エステルを第三成分として共重合したものであっても差し支えない。また、アクリル酸アミド、メタクリル酸アミド、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピパリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、ビニルアルコール、アクリロニトリルなどの第三成分を共重合したものであっても差し支えない。不飽和カルボン酸またはその無水物(A)と炭素数2~6のアルケン(B)との共重合比は、質量比で、(A):(B)=0.5~20:99.5~80程度であることが好ましい。第三成分を共重合したものでは、この第三成分の質量比は、全体の35質量%以下であることが好ましい。
以上のような組成を持つポリオレフィン樹脂微粒子は、特許第3699935号公報に記載されているように水によく分散するものであり、この水に分散したものは、微粒子分散液として取り扱われる。したがって、ポリビニルアルコールを溶解させた水溶液と、微粒子状のポリオレフィン樹脂を水系溶液に分散させた微粒子分散液とを混合させた接着剤とするときに、両者を均一に混合することができて、両接着成分が均一に混合する。
上記のようにして微多孔湿式フィルム1に不織布2を積層した積層体とすることで、不織布2によって微多孔湿式フィルム1を補強して、使い捨てガウンとしたときの所要強度を得ることができる。上述のように芯部がポリエチレンテレフタレートで構成されているとともに鞘部がポリエチレンで構成されている芯鞘複合繊維を構成繊維とした不織布2であることで、強度的な観点上、特に有利である。また、このような芯鞘構造の不織布2は、ヒートシール性に優れるので、この不織布2を含む生地を用いて使い捨てガウンを得るときに、ヒートシールすなわち熱接着によって容易に仕立てることができるとともに、ヒートシールによって生地同士を隙間なく接合することができるために、生地同士の接合部における使い捨てガウンの防水性、血液バリア性、ウィルスバリア性を確実に保つことができる。もちろん、上述のように生地同士を縫製することによって、あるいは縫製とヒートシールとを併用することによって、使い捨てガウンを仕立てることも可能である。
(実施例1)
[フィルムの準備]
線状低密度ポリエチレン42質量部と、低密度ポリエチレン8質量部と、可塑剤すなわち溶剤である流動パラフィン50質量部とを2軸混錬押し出し機に投入して溶融混錬し、押し出し温度230℃にてTダイから押し出した後、押し出した膜状物を縦方向(機械方向)に延伸倍率2.5倍で延伸し、その後に塩化メチレンを用いて流動パラフィンを除去し、乾燥によりフィルムに付着している塩化メチレンを除去して、目付6g/m、厚み7μmの湿式フィルムを作製した。
図3は、得られた微多孔湿式フィルムの表面の拡大図である。この図3において、明度が高い粒状の部分すなわち白っぽい部分は樹脂部であり、明度の低い部分すなわち黒っぽい部分は微多孔である。図3から、全体的に孔径が均一な微多孔が形成されていることを理解することができる。
[不織布の準備]
ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンとを準備した。ポリエチレンテレフタレートが芯の部分に配されポリエチレンが鞘の部分に配されるように、かつ両者の質量比が50/50となるように、芯鞘型複合紡糸孔に供給し、紡糸温度295℃、紡糸速度3000m/分で溶融紡糸を行った。溶融紡糸後、吸引装置により引き取って細化し、吸引装置から排出された糸条を開繊した後、この開繊した糸条である芯鞘複合繊維(繊度:3.5dtex)を移動する捕集面上に集積させて不織ウェブを得た。この不織ウェブに部分的に熱圧接処理を施して、不織ウェブの構成繊維同士をスポット状の形態で部分的に熱圧着させることで、目付25g/mの不織布を得た。
[積層生地の製造]
得られた不織布の片面にホットメルト接着剤を2g/mの量で溶融塗布し、この接着剤を塗布した面に上記した微多孔湿式フィルムを貼り付けることで、図1に示すような、微多孔積層フィルム1と不織布2との積層体にて構成された目付33g/mの生地を得た。
(実施例2)
実施例1の積層体における微多孔湿式フィルムの表面に実施例1と同様の条件でホットメルト接着剤を溶融塗布し、この接着剤を塗布した面に、実施例1における不織布と同じ仕様で目付20g/mの他の不織布を貼り付けた。これにより、図2に示すような、第1の不織布2と、微多孔湿式フィルム1と、第2の不織布2との積層体にて構成された目付53g/mの生地を得た。
実施例1、2の生地は、透湿度、耐水度、血液バリア性、ウィルスバリア性のいずれにも優れるものであり、これらの生地を裁断、縫製して得られるガウンもまた透湿度、耐水度、血液バリア性、ウィルスバリア性のいずれにも優れ、軽量で柔軟性がありながら強度にも優れ、ガウンとしての機能を良好に具備するものである。
1 微多孔を有するポリオレフィン系湿式フィルム
2 不織布

Claims (5)

  1. 微多孔を有するポリオレフィン系湿式フィルムの片面または両面に不織布が積層一体化された生地によってガウンが形成されており、
    前記湿式フィルムの目付が5~50g/mであり、
    前記不織布は、芯部がポリエチレンテレフタレートで構成されているとともに鞘部がポリエチレンで構成されている芯鞘複合繊維を構成繊維とし、片面に積層された場合はその片面で、両面に積層された場合はいずれの面においても、目付が15~60g/mであることを特徴とする使い捨てガウン。
  2. 微多孔を有するポリオレフィン系湿式フィルムの片面に不織布が積層一体化されており、前記湿式フィルムがガウンの表面側に配されるとともに、前記不織布がガウンの内面側に配されていることを特徴とする請求項1記載の使い捨てガウン。
  3. 不織布は、構成繊維同士がスポット状の形態で部分的に熱接着されたものであることを特徴とする請求項1または2記載の使い捨てガウン。
  4. JIS L1099のA-1法による透湿度が4500g/m・24h以上であり、JIS L1092のA法による耐水度が900mm以上であり、JIS T8060による血液バリア性がクラス3以上またはASTM F1670による血液バリア性の評価が「合格」であり、JIS T8061によるウィルスバリア性がクラス3以上またはASTM F1671によるウィルスバリア性の評価が「合格」であることを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項記載の使い捨てガウン。
  5. メディカル用ウェアであることを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項記載の使い捨てガウン。
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