JP5068938B2 - 通気性積層シート - Google Patents

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本発明は、通気性積層シートに関し、特に食品の調理用シート、包装材、乾燥剤、除湿剤などの各種包装材などの広い用途に用いることができる通気性積層シートに関する。
従来、通気性、透湿性のシートとしては、無機系微粒子を樹脂に混合し、延伸加工して得られた微多孔フイルムが一般的であり、乾燥剤、除湿剤などの包装資材、おむつカバー、ハウスラップ、貼るカイロなどの通気性シートとして、生活資材分野、産業資材分野に広く利用されている。
しかし、この微多孔フイルムには、無機系粒子が残存しているため、衛生的な観点から、食品資材用途分野には充分利用できないという問題がある。
特許文献1には、熱可塑性樹脂の被膜が付着し、孔が存在する通気性熱接着性不織布が記載されている。しかしながら、この不織布は通気性、熱接着性を有しているものの、耐水性が殆んど得られないという問題がある。
特許文献2および3には、乾燥剤の包装材として、ナイロンフイルムと不織布の積層シートが記載されている。この積層シートは、ナイロンフイルムを用いることにより、透湿性とヒートシール性が得られるが、通気性が全くない、などの問題がある。
特開平9−300547号公報 特開2004−25662号公報 特開2004−42034号公報
本発明の課題は、熱可塑性フイルムの有する優れた防水性、耐水性を維持しながら、全体として、通気性、透湿性に優れた通気性積層シートを提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決するために、ポリマーへの微粒子添加剤などを用いることなく、熱可塑性合成繊維不織布と非透過性の熱可塑性樹脂フイルムまたはシートを、特定条件下の熱圧着により積層することにより、透気度及び透湿度が向上することを見出し、本発明に到達した。すなわち、本願で特許請求される発明は、以下の通りである。
[1]平均繊維径1〜30μm、かつ、目付け10〜300g/m のポリエステル系長繊維不織布と、厚み5〜200μmの無孔性ポリオレフィン系フイルムまたはシートとを、熱圧着して得られる通気性積層シートであって、前記不織布を構成する繊維の融点B(℃)が、前記フィルムまたはシートの融点A(℃)より50℃以上高く、前記熱圧着が、前記不織布を構成する繊維を溶融させないが、前記フィルムまたはシートを溶融ないし軟化させる下記式:
(A−50)<T<B
を満たす温度T(℃)及び圧力5〜1000N/cmの条件下で、行われ、こうして得られた積層シートの透気度が1〜3000秒/100cc、透湿度が1〜1000g/m ・hr、耐水圧が0.1〜50kPa、かつ、剥離強度が0.1N/cm以上であることを特徴とする前記通気性積層シート。
[2]前記不織布が、熱可塑性スパンボンド不織布であり、かつ、3〜30%の部分熱圧着率を有する、前記[1]に記載の通気性積層シート。
[3]バブルポイント法(JIS−K−3832)による最大開口径が、30μm未満である、前記[1]又は[2]に記載の通気性積層シート。
[4]以下の工程:
平均繊維径1〜30μm、かつ、目付け10〜300g/m のポリエステル系長繊維不織布と、厚み5〜200μmの無孔性ポリオレフィン系フィルムまたはシートとを、前記熱圧着または熱成形が、前記不織布を構成する繊維を溶融させないが、前記フィルムまたはシートを溶融ないし軟化させる下記式:
(A−50)<T<B
を満たす温度T(℃)、ここで、前記不織布を構成する繊維の融点B(℃)は前記フィルムまたはシートの融点A(℃)より50℃以上高い、及び圧力5〜1000N/cmの条件下で、熱圧着する、
を含む、前記[1]〜[3]のいずれかに記載の通気性積層シートの製造方法。
本発明の通気性積層シートは、熱可塑性樹脂フイルムまたはシート(以下、フイルムで代表することがある)と不織布とを積層して、繊維は融解せず、かつ、フイルムが融解軟化するような特定温度条件で熱圧着または熱プレス成形を行うことにより、不織布の構成繊維が溶融状態のフイルムの界面に食い込み、樹脂フイルム表面の微小領域に、亀裂またはクラック状の通気性微小孔を形成するため、積層シートの防水性を損なうことなく、良好な通気性、透湿性を付与することができる。
本発明は、不織布と熱可塑性樹脂フイルムまたはシートを、特定温度条件により、熱圧着して積層一体化した通気性を有する積層シートである。
本件発明の積層シートにおいて、不織布の主な役割は、積層シートの強度を高めるものであり、補強材的役割である。熱可塑性樹脂フイルムの役割は、通気性、透湿性、耐水性等の透過性に関係する特性を調整する役割を有する。つまり、不織布と熱可塑性樹脂フイルムを、特定温度条件で熱圧着で積層一体化するに際し、フイルムの熱可塑特性を利用して、熱可塑性フイルムを軟化点から融点付近の温度に加熱することにより、熱可塑性フイルムが溶融変形し易くなり、不織布を構成する繊維層に侵入し、フイルムと不織布との積層構造体を形成するとともに、一定の通気性を有するようになる。すなわち、熱圧着における特定の条件により、フイルムの溶融変形の度合いが変化し、それに従い、フイルムと不織布との積層構造体の構造が大きく変化し、このような構造的な変化に伴ない、非透過性のフイルムが、一定範囲の透過性を有するまでになる。
非透過性の熱可塑性樹脂フイルムと不織布とを積層して、繊維は融解せず、フイルムが溶融ないし軟化するような特定温度条件で熱圧着を行うことにより、不織布の構成繊維が溶融状態のフイルムの界面に食い込み、樹脂フイルム表面において、その微小領域に亀裂またはクラック状の透気性微小孔が形成され、積層シートに透過特性、例えば透気性、透湿性を付与することができる。
本発明の不織布は、補強材的役割を有するとともに、不織布を構成する繊維が無孔性(非透過性)の熱可塑性フイルムに通気性を発現させるために、重要な意味合いを持つ。不織布の構成要件、例えば素材、凹凸形状、構成繊維径、繊維密度などの不織布構造と、フイルム面の素材、軟化点、融点、厚みなど構成要件の組み合わせにより、熱圧着の加工条件と密接に関係して、フイルム面に構造的な変化を促し、最終的な通気性を発現するのである。
本発明に用いる不織布の平均繊維径は、1〜30μm、好ましくは、2〜20μmである。不織布の構成繊維は、単独の繊維でも良いが、細い繊維と太い繊維の混合、複合または積層したものでもよい。このように不織布に微細な繊維を用いた場合、フイルム面に微小な亀裂またはクラック状の透気性微小孔をつけることができるが、上記繊維径より太い繊維を用いた場合では、繊維のフイルム面の圧着の衝撃が大きく、フイルムが破れたり、大きい孔があく恐れがある。
平均繊維径が1μm未満では、繊維強度が弱くなり、且つ、繊維のコシが弱くなり、フイルム面への食い込み性、追突力が低くなる。一方、繊維径が30μm超えると、繊維間隙が大きくなり過ぎ、繊維強度が強く、繊維のコシが強くなり、フイルム面への食い込み性、追突力が高くなり、フイルム面を破いたり、大きな孔をあけることとなる。
本発明において、不織布の部分熱圧着は、不織布を構成する繊維間隙を小さくすることができ、不織布全体の緻密化及び、強度の向上に効果的である。このような部分熱圧着は、凹凸の表面構造を有するエンボスロールと、表面が平滑なフラットロールからなる一対の加熱ロール間を通過させ、不織布全体に均等に分散された圧着部を形成させる。部分熱圧着率は、不織布全体に対する圧着部分の面積として表される。本発明における不織布の部分熱圧着率は、好ましくは5〜30%、より好ましくは7〜25%である。部分熱圧着率が5%未満では、圧着部分が少なく緻密化及び強度向上が不足することがある。一方、30%を超えると、緻密化及び強度が十分であるが、硬い風合いとなり、取り扱い性が劣ることがある。
本発明の不織布を構成する繊維の融点は、積層する熱可塑性フイルムの融点より30℃以上高いことが好ましく、より好ましくは50℃以上である。本発明の積層シートを得る熱圧着加工時に、繊維は溶融しないで、フイルム面に熱的な軟化溶融作用を与えるためである。
不織布を構成する繊維としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、共重合ポリプロピレンなどのポリオレフイン系繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、共重合ポリエステルなどのポリエステル系繊維、ナイロン-6、ナイロン-66、共重合ナイロンなどのポリアミド系繊維、鞘がポリエチレン、ポリプロピレン、共重合ポリエステル、芯がポリプロピレン、ポリエステルなどの組み合わせから成る芯鞘構造等の複合繊維、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネートなどの生分解性繊維などの熱可塑性合成繊維が好ましく用いられ、高融点の繊維がより好ましい。また、レーヨン繊維、セルロース繊維、アクリル繊維、ビニロン繊維、天然繊維、再生繊維などを用いることもできる。これらの構成繊維は、短繊維、長繊維の単独でもよく、又2種以上の繊維を積層または混合して用いることもできる。不織布の形状としては、例えば、SS、SMS、SMMS、SMSMSなどの多層積層不織布なども用いることもできる(S:スパンボンド法の繊維不織布、M:メルトブロー法の極細繊維不織布の意味)。
熱成形加工は、シートの加熱時伸長性があることが必要であり、例えば、単繊維が加熱時に伸びるか、または単繊維の構成繊維がズレを起こすことが必要である。従って、シートの加熱時伸長性は、例えば、未延伸繊維からなり、破断伸度が100℃温度条件下で、50%以上、好ましくは70%以上で得られる。さらに、熱接着性の繊維から成るシートは、加熱雰囲気で、繊維結合が小さくなり、構成繊維のズレが生じ易くなるなどで得られる。
本発明の不織布は、公知のスパンボンド法、サーマルボンド法、エアーレイ法、カード法、メルトブロー法、フラッシュ法、柱状流交絡、機械交絡などで得られる。
前記不織布の目付は、10〜300g/m2であり、好ましくは、12〜250g/m2である。目付が、10g/m2未満では、繊維間隙が大きく、強度が低くなる。一方、300g/m2を超えると、繊維間隙が小さくなり強度が高くなるが、厚みが大きくなり、熱圧着加工性が低下する。
本発明の熱可塑性樹脂フイルムまたはシートは、例えば、熱可塑性樹脂をTダイ等を用いてフイルムまたはシート状に成形したものであるが、軟化温度または融点が80〜200℃の範囲であることが接合加工し易い点で好ましく、より好ましくは、90℃〜150℃である。
熱可塑性樹脂フイルムまたはシート(以下、フイルムで代表することがある)としては、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、共重合ポリエチレン、共重合ポリプロピレンなどのポリオレフイン系樹脂、脂肪族ポリエステル、芳香族ポリエステル、ポリ乳酸、共重合ポリエステルなどのポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン66、共重合ナイロンなどのポリアミド系樹脂、エチレン-酢酸ビニール共重合樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフイン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマーの単独、または、厚み、軟化点、融点などの異なる2種以上の積層フイルムまたはシートが用いられる。
本発明の熱可塑性樹脂フイルムの厚みは、積層する不織布の加熱、加圧で、フイルム面に微小な部分に亀裂または微小孔を形成することによって得られる通気性に、大きな影響を与える因子である。従って、その厚みは、5〜200μmの範囲であり、好ましくは、10〜150μm、より好ましくは20〜100μmである。厚みが5μm未満では、フイルムの生産性、加工性、取り扱い性、フイルムの皮膜強度が低下する。一方、厚みが200μmを超えると、皮膜強度が強すぎて、フイルム面に微小な部分に亀裂または傷つくことが難しくなり、通気性を得ることが難しい。
本発明の積層シートの接合方法としては、不織布とフイルムのいずれかに接着剤を塗布させて貼り合わせる方法、溶融押し出しフイルムに不織布を貼り合わせる方法、加熱ロール間にフイルムと不織布とを熱圧着し、貼り合わせる方法などが挙げられる。
本発明の積層シートに通気性を発現させる方法としては、上記の接合方法の時(最初の接合時)に発現させる方法か、または、一旦接合してから後に、その接合シートを特定の条件で熱圧着することで発現させる方法をとることができる。
従って、本発明に用いる熱圧着の温度条件としては、フイルムの融点より50℃低い温度から不織布の融点以下の温度範囲で、好ましくはフイルムの融点より40℃低い温度から不織布の融点より20℃低い温度範囲である。この条件範囲では、不織布の構成繊維が融解または脆化が生じない状態で、フイルム層に食い込むことができ、通気性が発現できる。
熱圧着の具体的方法としては、加熱ロールに直接接触させる方法、加熱ヒーター等を用いて非接触の状態で加熱する方法、ロール間による加圧、プレス機などによる加圧して加熱する方法、金属ロール、樹脂ロール、ペーパーロール、コットンロールなどを組み合わせた一対のロール間で、加熱、加圧する方法等が挙げられる。熱圧着の温度条件は、不織布の接触面は高い温度にし、フイルムの接触面は、低い温度条件とすることが好ましい。従って、一対のロールを用いた熱圧着の場合、そのロールの温度条件において、上下ロール間で温度条件に差を設けることが好ましく、各々のロールで、上記温度範囲を満足することが好ましい。
熱圧着における圧力条件は、5〜1000N/cm、好ましくは、10〜800N/cmであり、加工速度は、5〜150m/min、好ましくは10〜100m/minである。
熱成形の方法としては、積層シートを80〜220℃の温度範囲、好ましくは100〜200℃の温度範囲に加熱し、延伸、伸長加工するものであり、ロール延伸、テンター延伸、および凹凸金型成形などが挙げられる。金型成形方法としては、金型を予熱または、加熱してから、熱プレス成形、真空圧空成形などの方法などが挙げられる。
熱成形加工は、通気性が小さく調整されているため、加熱プレス成形加工、真空成形加工、圧空成形加工など、公知の成形加工機を用いて行うことができる。
本発明の積層シートの剥離強度は、不織布とフイルムとの接合性を示すものであり、取り扱い作業時に剥離しないレベルの剥離強度を有することが必要である。つまり、剥離強度としては、0.1N/cm以上、好ましくは0.2N/cm以上であり、特に好ましくは0.3N/cm以上である。
本発明の積層シートの透気度は、熱可塑性フイルム面の微小な部分に生じた、亀裂、クラック等の微小孔により得られる通気性の程度を示すものである。従って、物理的に針、刃などによりフイルム面に開けた孔形状と異なる。本発明に用いる透気度としては、JIS-L-1906を準用したガーレ方式透気度の数値を用いるが、この数値が0.1〜10000秒/100cc、好ましくは0.5〜5000秒/100cc、より好ましくは1〜3000秒/100ccである。この数値は、100ccの空気を通気させるのに要する時間を秒数で表示したものであり、秒数が小さいほど通気性が大きいことを意味する。透気度が0.1秒/100cc未満では、通気性が大きく、フイルム面の形状が保持できない。一方、10000秒/100ccを超えると通気性があまりにも少ない。
本発明の積層シートのJIS-L-1099を準用した透湿度は、水蒸気などのガスの通過できる程度の微小な孔があることを示す指標であり、1〜1000g/m2・hr、好ましくは5〜800g/m2・hr、より好ましくは、10〜500g/m2・hrである。
本発明の積層シートのJIS-L-1906低水圧法に準拠して測定される耐水圧は、0.1〜50kPaの範囲であり、好ましくは、0.2〜30kPa、より好ましくは0.5〜20kPaである。
通常、耐水圧と、透気度及び透湿度とは相反するものであり、耐水圧に優れたものは、透気性や透湿性が殆ど無いものが一般的である。しかしながら、本発明では、耐水圧を0.1〜50kPaの範囲において、透過性が0.1〜10000秒/100cc、透湿性が1〜1000g/m2・hrを確保するものであり、耐水圧を大きく損なうことなく、良好な透気性、透湿性を有するものである。
本発明の積層シートのバブルポイント法(:JIS-K-3832)による最大開口径は、30μm未満であり、好ましくは、25μm未満、より好ましくは20μm未満である。最大開口径が30μm以上であると、通気性、透湿性が大きくなるが、耐水圧が低くなり、防水性の低下を生じ、またフイルム面の形状の保持が困難になることがある。
以下、本発明について実施例を用いて更に具体的に説明する。本発明における各特性値は、下記の方法で測定した。
(1)目付(g/m2):縦20cm×横25cmの試料を3カ所切り取り、重量を測定し、その平均値を単位当たりの質量に換算して求める。(JIS-L-1906)
(2)平均繊維径(μm):顕微鏡で500倍の拡大写真を取り、10本の平均値で求める。
(3)透気度(sec/100ml):JIS-L-1906(ガーレ形法)に準じる。
(4)透湿度(g/m2・hr):JIS-L-1099に準じる。
(5)耐水圧:JIS-L-1092低水圧法に準じる。
(6)最大開口径:バブルポイント法 JIS-K-3832に準じる( 試料:直径40mmの円形)。
(1)試料を液体に満たし、毛細管現象を用いて、試料の全細孔に液体が入っている状態にする。
(2)この試料の下面から次第に空気圧をかけていき、気体圧力が毛細管内の液体表面張力に打ち勝った時、気泡がでてくる。
(3)この時に最初に気泡がでるのは、最大孔径からであり、そのときの気体圧力を測定することにより最大孔径を算出する。
(7)引張強度:引張試験機を用い、幅5cm×長さ30cm試料を切り取り、つかみ間隔10cm、引張速度10cm/minで測定し、破断時の強度、破断時の伸度をタテ、ヨコ方向、各々3点測定し、平均値で示す。
(8)剥離強度:JIS−K−6854のT字90度剥離法に基づいて測定し、その平均値で示す。
参考例1、実施例〜4、比較例1〜2]
目付け50g/m2、部分熱圧着率15%のポリエステル長繊維不織布(平均繊維径が11μm、平均みかけ密度0.16g/cm3、融点265℃)と、Tダイから厚み30μmで押し出した無延伸ポリプロピレン樹脂(融点165℃)とを、押し出しラミネート方法で接合し、積層シートを得た。
この積層シート(上面がフイルム層、下面が不織布層)を更に一対の(上下ロール)金属熱ロール間、表1に示した条件で、温度、圧力を変えて、加工速度20m/minで、二段で熱圧着加工し、本発明の積層シートを得た。得られた積層シートの特性値を表1に示す。
表1に示すように、実施例〜4の積層シートにおいて、不織布とフイルムとの接着性を示す剥離強度は25N/25mm以上と高く、透気性は10〜600秒/100cc、透湿性は57〜220g/m2・hr、耐水圧は5〜13Kpaであり、耐水性と透気性に優れた積層シートであった。
これに対して比較例1は、常温で圧着した積層シートであるが、透気度は50000秒/100cc以上で、殆ど通気性を示さないものであり、透湿性も非常に劣るものであった。比較例2は、常温よりもやや高温で圧着したものであるが、比較例1と同様に、透気度は50000秒/100cc以上で、殆ど通気性を示さないものであり、透湿性も非常に劣るものであった。
Figure 0005068938
[実施例5〜8、比較例3〜4]
目付け150g/m2、部分熱圧着率25%のポリエステル長繊維不織布(平均繊維径が16μm,平均みかけ密度が0.30g/cm3,融点265℃)と、厚み60μmの高密度ポリエチレン樹脂フイルム(融点128℃)を各々別々に作成し、それらを一対の(上下ロール)金属熱ロール間で熱圧着して接合し、一段で熱圧着加工して積層シート(上層がフイルム層、下層が不織布層)を得た。熱圧着は、表2に示した条件で、上下の熱ロールの温度、圧力を変えて、加工速度30m/minで行った。得られた積層シートの特性値を表2に示す。
表2の結果から、実施例5〜8の積層シートは、不織布とフイルムとが接合により一体化され、剥離強度は25〜35N/25mmであり、高い剥離強度を有するものであり、また通気性、透湿性、耐水圧においても、優れた特性を有するものであった。
比較例3、4は、不織布とフイルムとの接合性が悪く、簡単に剥離するものであり、積層シートとしての一体性を有しないものであり、積層シートとしての透気度、耐水圧、透湿度は測定不能であった。
Figure 0005068938
参考例2
目付け150g/m2の未延伸ポリエステル長繊維不織布(旭化成せんい社製商品名スマッシュ)(100℃温度の破断伸度が230%、繊維径が14μm、平均見かけ密度0.26g/cm3、融点265℃)と、ポリプロピレン樹脂(融点165℃、MFR2g/10min)溶融押出方法のポリプロピレンフイルム(厚み15μm)とを溶融押出接合した。次いで、凹凸金型を用いて熱プレス成型加工を施し、金型温度145℃、時間20秒で凹凸容器状に熱プレス成形して成形品を得た。その容器の形状は、開口部は10cm×15cm、深さ4cm、底部7cm×12cmの四角形状であった。この容器の底面部について透過特性を評価したところ、透気度25秒/100cc、剥離強度:4N/25mm、透湿度130g/ m2・hr、耐水圧:2Kpaであり、透気度、剥離強度:4N/25mm、透湿度、耐水圧に優れた特性を有するものであった。
本発明の通気性積層シートは、優れた通気性と共に、透湿性にも優れ、耐水圧、防水性などの特性を維持したシートであり、微多孔質フイルムに似た特性を有し、使い捨てカイロ、乾燥剤、シリカゲル、除湿剤などの包装資材、蒸し調理、スモーク調理などの食品調理用資材、おむつカバーなどの衛生材料用資材、防寒用衣料などの内層資材、通気防水性のハウスラップなど建築用資材、濾過膜材など、幅広い用途への活用が期待される。

Claims (4)

  1. 平均繊維径1〜30μm、かつ、目付け10〜300g/mのポリエステル系長繊維不織布と、厚み5〜200μmの無孔性ポリオレフィン系フイルムまたはシートとを、熱圧着して得られる通気性積層シートであって、前記不織布を構成する繊維の融点B(℃)が、前記フィルムまたはシートの融点A(℃)より50℃以上高く、前記熱圧着が、前記不織布を構成する繊維を溶融させないが、前記フィルムまたはシートを溶融ないし軟化させる下記式:
    (A−50)<T<B
    を満たす温度T(℃)及び圧力5〜1000N/cmの条件下で、行われ、こうして得られた積層シートの透気度が1〜3000秒/100cc、透湿度が1〜1000g/m・hr、耐水圧が0.1〜50kPa、かつ、剥離強度が0.1N/cm以上であることを特徴とする前記通気性積層シート。
  2. 前記不織布が、熱可塑性スパンボンド不織布であり、かつ、3〜30%の部分熱圧着率を有する、請求項1に記載の通気性積層シート。
  3. バブルポイント法(JIS−K−3832)による最大開口径が、30μm未満である、請求項1又は2に記載の通気性積層シート。
  4. 以下の工程:
    平均繊維径1〜30μm、かつ、目付け10〜300g/mのポリエステル系長繊維不織布と、厚み5〜200μmの無孔性ポリオレフィン系フィルムまたはシートとを、前記熱圧着または熱成形が、前記不織布を構成する繊維を溶融させないが、前記フィルムまたはシートを溶融ないし軟化させる下記式:
    (A−50)<T<B
    を満たす温度T(℃)、ここで、前記不織布を構成する繊維の融点B(℃)は前記フィルムまたはシートの融点A(℃)より50℃以上高い、及び圧力5〜1000N/cmの条件下で、熱圧着する、
    を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の通気性積層シートの製造方法。
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