JP3190510U - 複合シート - Google Patents

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辰太 森岡
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Abstract

【課題】帯電防止剤を付与してもバリア性が低下することが無い複合シートを提供する。【解決手段】複合シートであって、不織布2A、2Bと、無孔透湿性ポリウレタンフィルム4とが積層されたものである。不織布2A、2Bは、芯部がポリエチレンテレフタレートで構成されているとともに鞘部がポリエチレンで構成されている芯鞘複合繊維を構成繊維とし、構成繊維どうしが部分的に熱接着されたものである。無孔透湿性ポリウレタンフィルム4は、ポリウレタン樹脂の構造中への親水基の導入によって透湿機能が付与されていることが好ましい。複合シートは、第1の不織布2Aと、無孔透湿性ポリウレタンフィルム4と、第2の不織布2Bとがこの順で積層された積層構造を有することが好ましい。この三層構造の複合シートによって、防護服が構成される。【選択図】図1

Description

本考案は複合シートに関し、たとえば医療現場で用いられる感染防止用の衣類や、防塵用の衣料などとして好適に用いられる防護服のための材料として適した複合シートに関する。
有害物質から身体を守る観点から、インフルエンザ対応防護服や防塵対応防護服などの防護服が用いられている。このような防護服は、身体が皮膚呼吸することで発生する湿気に対する透湿性と、身体をウィルスや有害な塵埃から防護するためバリア性を兼ね備えたものである。また、感染原因となる血液等の浸透を防止するための血液バリア性をも併有するものである。
この種の防護服として、複合シートにて構成されたものが、たとえば特許文献1に記載されている。この複合シートは、不織布と微多孔性フィルムとが積層されたものであり、微多孔性フィルムのバリア作用によって、有害物質の透過を防止したものである。
実用新案登録第3157107号明細書
特許文献1に記載された防護服に用いられる複合シートは、静電気の作用によって防護服の表面に粉塵が付着することを防止するために、シートすなわち防護服の表面の不織布の部分に帯電防止剤を塗布などにより付与することが多い。特に、原子力発電所で使用される防護服では、放射性物質が静電気の作用によって防護服の表面に付着することを極力防止するために、帯電防止剤を付与することが必須である。さらに、防護服の表面に粉塵が付着していると、静電気による火花が発生したときに微粉体が発火する危険性が高い。また、引火性のガスが存在する環境下で着用する防護服も、静電気により火花が発生することは避けなければならない。このため、防護服に用いられる複合シートは、塗布などにより帯電防止剤を付与することが好ましいことである。
ところが、帯電防止剤をたとえば防護服の表側の不織布の表面に塗布する場合には、不織布の空隙率が高いことから、その帯電防止剤がフィルムの表面の位置まで浸み込んでしまう。一般に帯電防止剤は界面活性作用を有するため、その浸み込みの度合いは高い。
防護服を構成する複合シートのバリア性を評価するための試験方法が、ISO 22609、ASTM F 1670、ASTM F 1671などにおいて規定されている。これらは、一般に「裏抜け試験」と称されており、裏抜けが生じないものを合格としている。たとえばウィルスバリア性を評価するための試験がASTM F 1671に規定されているが、不織布の表面に塗布した帯電防止剤が微多孔性フィルム側に移行してしまい、それにより微多孔性フィルムに帯電防止剤が付着した複合シートでは、ウィルス含有液を用いたウィルス裏抜け試験の際に、このウィルス含有液が裏抜けしやすい。つまり、帯電防止剤を塗布すると、塗布前と比べてウィルスバリア性や血液バリア性が低下するという不都合がある。
そこで本考案は、このような問題点を解決して、帯電防止剤を塗布などにより付与してもバリア性が低下することが無い複合シートを得ることを目的とする。
この目的を達成するため、本考案の複合シートは、芯部がポリエチレンテレフタレートで構成されているとともに鞘部がポリエチレンで構成されている芯鞘複合繊維を構成繊維とし、構成繊維どうしが部分的に熱接着された不織布と、無孔透湿性ポリウレタンフィルムとが積層されていることを特徴とする。
本考案によれば、無孔透湿性ポリウレタンフィルムは、ポリウレタン樹脂の構造中に親水基が導入されていることで透湿機能が付与された無孔型ポリウレタン樹脂からなるフィルムであることが好適である。
本考案の複合シートは、第1の不織布と、無孔透湿性ポリウレタンフィルムと、第2の不織布とがこの順で積層された積層構造を有することが好適である。
本考案の防護服は、第1の不織布と、無孔透湿性ポリウレタンフィルムと、第2の不織布とがこの順で積層された積層構造の複合シートにて構成されていることを特徴とする。
本考案の複合シートによれば、不織布は芯部がポリエチレンテレフタレートで構成されているとともに鞘部がポリエチレンで構成されている芯鞘複合繊維を構成繊維としているため、きわめて柔軟であり、衣類としたときの着用感が好適である。のみならず、無孔透湿性ポリウレタンフィルムによってバリア性を発揮することができ、しかもこのフィルムは透湿性を有しながらも無孔構造であるため、ウィルスや血液を透過させることがなく、したがって複合シートに帯電防止剤を付与した場合にも裏抜けによるバリア性の低下がないという利点がある。
本考案によれば、無孔透湿性ポリウレタンフィルムが、ポリウレタン樹脂の構造中に親水基を導入することで透湿機能を付与された無孔型ポリウレタン樹脂からなるフィルムであることで、複合シートが確実な透湿性を発揮することができる。
本考案によれば、複合シートが、第1の不織布と、無孔透湿性ポリウレタンフィルムと、第2の不織布とがこの順で積層された積層構造を有することで、この複合シートによって防護服等の衣類を構成したときに、着用者の肌に触れる部分が不織布であるため、良好な着用感を達成することができる。
本考案の防護服は、第1の不織布と、無孔透湿性ポリウレタンフィルムと、第2の不織布とがこの順で積層された積層構造を有する複合シートにて構成されていることから、きわめて柔軟であって着用感が好適であるのみならず、無孔透湿性ポリウレタンフィルムによってバリア性を発揮することができ、しかもこのフィルムは透湿性を有しながらも無孔構造であるため、ウィルスや血液を透過させることがなく、したがって複合シートに帯電防止剤を付与した場合にも裏抜けによるバリア性の低下がないという利点がある。さらに着用者の肌に触れる部分が不織布であるため、いっそう良好な着用感を達成することができる。
本考案の実施の形態の複合シートの断面構造を示す図である。
本考案の複合シートの一例について、図1を参照して説明する。図示の複合シート1は、無孔透湿性ポリウレタンフィルム4の両面に、接着剤3を介して不織布2A、2Bが積層されたものである。あるいは、図示は省略するが、無孔透湿性ポリウレタンフィルムの片面だけに、接着剤を介して不織布が積層されている複合シートも好ましいものである。
不織布2A、2Bは、芯部にポリエチレンテレフタレートが配されるとともに鞘部にポリエチレンが配された芯鞘複合繊維にて構成されている。
芯鞘複合繊維における鞘成分のポリエチレンは、芯成分のポリエチレンテレフタレートよりも融点が低い。そのため、鞘成分を繊維同士の部分的な熱接着による不織布化の際の熱接着成分として確実に機能させることができるとともに、芯成分を繊維形態保持成分として確実に機能させることができる。
芯成分のポリエチレンテレフタレートは、鞘成分のポリエチレンよりも融点が高い。また、結晶性があり、ポリマーの中でも強度が高いものであるため、鞘成分を熱により溶融させて熱接着を行う際に、溶融せずに所要の強度の繊維形態を確実に維持することができる。
芯部を構成するポリエチレンテレフタレートとしては、通常市販または工業的に利用されているポリエチレンテレフタレートのうち、繊維用として市販され、利用されているものであれば、特に限定されない。
鞘部を構成するポリエチレンは、通常市販または工業的に利用されているポリエチレンのうち、繊維用として市販され、利用されているものであれば、特に限定されない。
芯部と鞘部の質量比は、繊維同士の接着性の観点から、芯部/鞘部=2/1〜1/2であることが好ましい。
不織布は上記複合繊維によって構成されるが、構成繊維同士が部分的な熱接着により一体化したものであることが必要である。特に熱エンボス加工により部分的に熱接着していることが好ましい。熱エンボス加工により部分的に熱接着している不織布は、熱接着部(不織布に形成された凹部)では熱と圧力が付与されているが、非熱接着部は熱や圧力の影響をほとんど受けていないため、柔軟性に優れ肌触りの良好な不織布となるからである。また、機械的特性も良好であり、形態安定性に優れるためである。
不織布の製造方法の一例であるスパンボンド法について説明する。まず、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンとを、ポリエチレンテレフタレートが芯部に配され、ポリエチレンが鞘部に配されるように、芯鞘型複合紡糸孔に供給し、溶融紡糸して芯鞘複合繊維を得る。次いで、その芯鞘複合繊維を、移動するコンベア上などに捕集して集積する。集積後は、エンボスロールなどに通し、部分的に熱圧接して、圧接部位で鞘部を軟化又は溶融させることで芯鞘複合繊維相互間を結合して不織布を得る。
不織布の目付けは、複合シートの用途に応じて適宜選択すればよい。たとえば防護服として利用する場合は、柔軟性および強度の観点から、10〜50g/mであることが好ましい。
本考案の複合シートを構成する無孔透湿性ポリウレタンフィルムとは、気体、水蒸気等は通すが、水(液体)は透さない性質を有するフィルムであって、透湿のための微細な貫通孔は形成されていないものをいう。このようなフィルムとして、たとえば、三洋化成工業社から「サンプレンH−600」という商品名で市販されているポリウレタン樹脂や、DIC社から「ハイムレンY」という商品名で市販されている無孔型ポリウレタン樹脂を原料の主成分とし、必要に応じて添加剤を加えて成形された無孔透湿性フィルムを挙げることができる。これは、ポリウレタン樹脂の構造中に親水基を導入することで透湿機能を付与させた無孔型ポリウレタン樹脂からなるフィルムで、その透湿原理は次のようなものである。すなわち、フィルムにおける湿度が高い空間側の表面では水蒸気がポリウレタン樹脂中の親水基に取り込まれ、フィルム内部では、取り込まれた水蒸気が、フィルムにおける反対側の表面つまり湿度が低い空間側の表面に向けて拡散する。そして、湿度が低い空間側の表面では、フィルムから空間への水蒸気の脱離が起こる。これによって、微細な貫通孔が形成されていない無孔の態様であるにも関わらず、フィルムは透湿作用を呈することが可能である。もちろん、フィルムは、水は透過させず、したがって所要の防水性を発揮する。
無孔透湿性ポリウレタンフィルムの厚みは、特に限定されないが、複合シートおよび防護服の柔軟性およびバリア性や、複合化の際の操作性などの観点から、通常、5〜40μmであることが好ましい。
無孔透湿性ポリウレタンフィルムの透湿度は、本考案の複合シートにより形成される防護服の着心地の観点から、4800/m/24hr以上であることが好ましい。
本考案の複合シートにおける不織布と無孔透湿性ポリウレタンフィルムとの積層方法としては、上述のように接着剤を介して積層させる方法や、押し出しラミネートによる方法や、熱処理により積層させる方法などが挙げられる。
上記の接着剤としては、ホットメルト型接着剤が好ましく用いられる。ホットメルト型接着剤の中でも、接着性の観点から、ポリウレタン系接着剤あるいはポリエチレン系接着剤が好ましい。
押し出しラミネートの場合は、溶融した無孔型ポリウレタン樹脂を押し出しダイにより薄膜状に押し出した後、この積層物を一対のロール間で圧着してラミネートすればよい。
熱処理により複合シートを得る場合は、以下のような方法が挙げられる。すなわち、まず、不織布を加熱することにより、この不織布の構成繊維の鞘部を形成するポリエチレンを溶融または軟化させる。次いで、無孔透湿性ポリウレタンフィルムを積層し、積層物に熱をかけながらエンボスロールなどに通すことで、不織布と無孔透湿性ポリウレタンフィルムとを融着一体化させて、複合シートを得ることができる。
複合シートの目付は、特に限定されないが、強度および柔軟性の観点から、40〜70g/mであることが好ましい。
このような複合シートは、気体、水蒸気等は透すが、水(液体)は透さないという無孔透湿性ポリウレタンフィルムの性能を保持し、さらに不織布により補強されているため機械的強度に優れる。また本考案の複合シートは、無孔透湿性ポリウレタンフィルムの性能が保持されているため、良好なウィルスバリア性を有する。無孔透湿性ポリウレタンフィルムを用いているため、微多孔性フィルムを用いた場合に比べてフィルムの耐水圧性を向上させることができる。すなわち、水圧を作用させたときにフィルムが破れる限度の水圧が、微多孔性フィルムを用いた場合に比べて高くなる。この現象が生じるのは、微多孔フィルムの場合は、過度に水圧が掛かると微孔が目開きしていくことで、徐々にではあるが加圧水が微孔を通過しやすい状態となるためであると推定される。このため、微多孔性フィルムを用いた場合に比べて水(液体)を透さない性能を向上させることができる。さらに、複合シートを構成する不織布が熱接着性に優れるため、本考案の複合シートは熱接着性にも優れている。
本考案の防護服は、上記の複合シートをたとえば熱接着により繋ぎ合わせることにより、形成することができる。そのため、高い血液バリア性、ウィルスバリア性、透湿性、柔軟性を併有することができる。
[複合シートの性能評価方法]
(1)ウィルスバリア性
ASTM F1671/F1671M−13B法にしたがって評価した。詳細には、ウィルス縣濁液を用いてすべての過程を終えた後、試料裏面の洗い出しを行い、洗い出し液中にウィルスが存在しないかどうか培養して確認した。そのとき、試料裏面にウィルス液の浸透が見られず、かつ、洗い出し液のウィルス数が1PFU/mL未満(検出限界未満)であるものを合格品であるとして「○」と評価した。これに対し、洗い出し液のウィルス数が1PFU/mL以上であるものは、不合格品であるとして「×」と評価した。
(2)血液バリア性
ASTM F1670−08B法にしたがって評価した。詳細には、すべての過程で試料裏面に人工血液の浸透が見られないものを合格品であるとして「○」と評価した。これに対し、試料裏面に人工血液の浸透が見られるものは、不合格品であるとして「×」と評価した。
(3)透湿度
JIS L1099 A−1法(塩化カルシウム法)にしたがって評価した。
(4)帯電防止性(表面抵抗率)
BS EN 1149−1 にしたがって評価した。
(5)耐水圧性
JIS L1092 A法(低水圧法)にしたがって評価した。
[実施例1]
ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンとを準備した。ポリエチレンテレフタレートが芯に配され、ポリエチレンが鞘に配されるように、かつ、両者の質量比が50/50となるように、芯鞘型複合紡糸孔に供給し、紡糸温度295℃、紡糸速度3000m/分で溶融紡糸を行った。溶融紡糸後、吸引装置により引き取り細化し、吸引装置から排出された糸条を開繊した後、移動する捕集面上に芯鞘複合繊維(繊度:3.5dtex)を集積させて不織ウェブを得た。この不織ウェブに、部分的に熱圧接処理を施して、目付が20g/cmである不織布を得た。
さらに、不織布の表面に、界面活性作用を有する帯電防止剤(日油社 エレガン TC−605H)を、不織布質量比で有効成分が1.5質量%付着するように塗布した。
得られた不織布の片面にホットメルト接着剤を3g/mの量で溶融塗布し、その上から、三洋化成工業社のポリウレタン樹脂(商品名「サンプレンH−600」)を主原料として用いた無孔透湿性ポリウレタンフィルム(厚み:10μm)を貼り付けて、2層構造の複合シートを得た。さらに無孔透湿性ポリウレタンフィルムの表面に同様の条件でホットメルト接着剤を溶融塗布し、その上から、上記と同じ仕様の他の不織布を貼り付けて、第1の不織布と、無孔透湿性ポリウレタンフィルムと、第2の不織布とがこの順で積層された積層構造を有する積層体とすることで、実施例1の複合シートを得た。
得られた複合シートを上述の方法によって評価した。その結果を表1に示す。
Figure 0003190510
[比較例1]
実施例1の無孔透湿性ポリウレタンフィルムに代えて、無孔であって透湿性を有しない、すなわち、一般的なポリエチレンフィルム(厚み:10μm)を用いた。そして、それ以外は実施例1と同様にして、比較例1の複合シートを得た。
得られた複合シートを同様の方法によって評価した。その結果を表1に示す。
[比較例2]
実施例1の無孔透湿性ポリウレタンフィルムに代えて、微多孔性ポリエチレンフィルム(三菱樹脂社製、品番「CAU6020A」、厚み:20μm)を用いた。帯電防止剤は塗布しなかった。そして、それ以外は実施例1と同様にして、比較例2の複合シートを得た。
得られた複合シートを同様の方法によって評価した。その結果を表1に示す。
[比較例3]
比較例2と比べて、帯電防止剤を塗布した点を相違させた。帯電防止剤は、実施例1および比較例1と同じものを、実施例1および比較例1と同じ条件で塗布した。そして、それ以外は実施例1と同様にして、比較例3の複合シートを得た。
得られた複合シートを同様の方法によって評価した。その結果を表1に示す。
実施例1の複合シートは、その中間部に配されたフィルムが無孔透湿性ポリウレタンフィルムであったため、ウィルスバリア性および血液バリア性に優れていた。そして、それにもかかわらず、所要の透湿性を有していた。また所要の帯電防止性能を発揮させるために、界面活性作用を有する帯電防止剤を付与したが、上述のようにそれによってウィルスバリア性および血液バリア性が阻害されることはなかった。さらに無孔フィルムであったために、フィルムに微孔が形成されることによる耐水圧性の低下がなく、良好な耐水圧性を発揮した。中間部のフィルムが無孔フィルムであったために、耐折り曲げ性(フィルム強度)、感染性物質に対する防護性、放射能を帯びた物質による汚染に対する防護性のすべてにおいて、良好な結果を期待できるものであった。
これに対し、比較例1の複合シートは、その中間部に配されたフィルムが、無孔ではあるが透湿性を有しないものであったため、ウィルスバリア性および血液バリア性に優れており、また耐水圧性にも優れていたが、まったく透湿性を有さず、したがって防護服などの衣類に用いるには適しないものであった。
比較例2の複合シートは、その中間部に配されたフィルムが微多孔性フィルムであり、かつ界面活性作用を有する帯電防止剤を付与しなかったため、血液バリア性に優れていた。また透湿性も優れていた。しかし、微多孔性フィルムを用いたことで、ウィルスバリア性に劣るものであった。また微多孔を有するため、実施例1の複合シートほどの耐水圧性は得られなかった。微多孔を有することで、フィルム強度が低く、このため実施例1に比べて厚手のフィルムを用いなければならなかった。帯電防止剤を付与しなかったことで、帯電防止性が劣っていた。
比較例3の複合シートは、その中間部に配されたフィルムが微多孔性フィルムであり、しかも界面活性作用を有する帯電防止剤を付与したものであったため、所要の帯電防止性能は有し、また透湿性も優れていたが、ウィルスバリア性も血液バリア性も劣っていた。微多孔性フィルムを用いたものであるにもかかわらず、界面活性作用を有する帯電防止剤を付与したものであったため、耐水圧性が大きく劣るものであった。微多孔を有することで、フィルム強度が低く、このため実施例1に比べて厚手のフィルムを用いなければならなかった。
2A、2B 不織布
4 無孔透湿性ポリウレタンフィルム

Claims (4)

  1. 芯部がポリエチレンテレフタレートで構成されているとともに鞘部がポリエチレンで構成されている芯鞘複合繊維を構成繊維とし、構成繊維どうしが部分的に熱接着された不織布と、無孔透湿性ポリウレタンフィルムとが積層されていることを特徴とする複合シート。
  2. 無孔透湿性ポリウレタンフィルムは、ポリウレタン樹脂の構造中に親水基が導入されていることで透湿機能が付与されたものであることを特徴とする請求項1記載の複合シート。
  3. 第1の不織布と、無孔透湿性ポリウレタンフィルムと、第2の不織布とがこの順で積層された積層構造を有することを特徴とする請求項1または2記載の複合シート。
  4. 請求項3に記載の複合シートにて構成されていることを特徴とする防護服。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020069686A (ja) * 2018-10-30 2020-05-07 株式会社ケー・エス・ティー 透湿防水シート及びその製造方法

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