JP2001288668A - ヒートシール性にすぐれる不織布積層体 - Google Patents

ヒートシール性にすぐれる不織布積層体

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JP2001288668A
JP2001288668A JP2000040707A JP2000040707A JP2001288668A JP 2001288668 A JP2001288668 A JP 2001288668A JP 2000040707 A JP2000040707 A JP 2000040707A JP 2000040707 A JP2000040707 A JP 2000040707A JP 2001288668 A JP2001288668 A JP 2001288668A
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Masato Doi
正人 土井
Hiroyuki Nakagami
博行 中上
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強度、耐熱性、感触性、親水性、通気性など
にすぐれるポリアミド樹脂不織布の特徴を生かし、ヒー
トシール性にすぐれる不織布積層体を、簡便、容易に得
ることができる不織布積層体の提供。 【解決手段】 ポリアミド系樹脂不織布とポリエチレン
系樹脂不織布からなることを特徴とするヒートシール性
にすぐれる不織布積層体。各不織布が長繊維スパンボン
ド不織布であることが好ましく、不織布が熱エンボスロ
ールにより積層される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリアミド系樹脂
不織布に関し、特にヒートシール性にすぐれるスパンボ
ンド不織布積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ヒートシール可能な熱可塑性樹脂
フィルムなどをヒートシール加工して製袋することは良
く行われている。この場合融点の高い耐熱性フィルムや
延伸フィルムなどにあっては、ヒートシール性が十分で
なく、この場合には融点の低いポリエチレン系の低融点
熱可塑性樹脂フィルムをラミネートすることにより、ヒ
ートシール適正、ヒートシール強度の向上が図られてい
る。
【0003】一方、包装袋の内容物によっては、内容物
の保護、通気性、通液性、吸水性などが求められる場合
があり、この場合には熱可塑性樹脂からなる不織布など
からなる袋が用いられている。これら不織布をヒートシ
ール加工により製袋することは一般的ではなく、通常、
フィルムや接着剤を用いた接着加工、糸による縫製が採
用されている。しかし、これらの不織布の製袋や衣服な
どへの二次加工においても、熱可塑性樹脂フィルムと同
様なヒートシール加工による製袋や衣服化が可能であれ
ば、安価に大量生産が可能となる。
【0004】このため、不織布のヒートシール加工を可
能にする方法が各種提案されている。すなわち、耐熱
性の不織布に融点の低い繊維を混ぜる(混綿)方法。
耐熱性樹脂と低融点樹脂共紡糸複合繊維を用いる方法。
耐熱性繊維層と低融点樹脂フィルム層を持つ多層積層
材料を用いる方法。繊維層に低融点樹脂をコーティン
グし、ヒートシール性を向上する方法がある。また、特
開平4−352861号公報、特開平6−257054
号公報には、耐熱性不織布層と溶融性不織布層を積層す
る方法に何らかの工夫がないと十分なシール強度がでな
いことが述べられている。
【0005】また、単一の熱可塑性樹脂から製造されて
なる不織布は、ヒートシール加工すると繊維が溶けて、
繊維形状を維持することができず、通常のヒートシール
では使用に耐えるシール強度を発現することは困難であ
る。
【0006】上記、の方法は、繊維を製造し、不織布
に加工できるように繊維をカットし、原料繊維を作った
後、これを用いて不織布化するいわゆる短繊維不織布で
ある。したがって、熱可塑性樹脂を溶融紡糸し、そのま
ま不織布にする長繊維不織布(スパンポンド不織布な
ど)に比較して、強度が低い。強度を確保するためには
目付(面積当たりの重量)を大きくしなければならず、
コスト上昇、省資源化に逆行し、さらには生産ロットが
大きくなるなど実用化の点で問題がある。また、長繊維
不織布では、の異種繊維の混合(混綿)は行われてい
ない。さらに、の複合繊維化では、長繊維化できる樹
脂は限られており、ヒートシール適正を向上することに
は限界がある。
【0007】次に、の低融点樹脂フィルムとの多層積
層材料の場合には、樹脂フィルム同士のヒートシールは
可能である。しかし、シール強度は低く、不織布の通気
性、通液性、吸水性などの機能がなくなる場合が一般的
である。の低融点の樹脂をコーティングする方法で
は、不織布が有する内容物の保護、通気性、通液性、吸
水性などの機能性が、コーティング剤によって阻害され
るため、不織布の特徴を十分生かすことができない問題
点と共に十分なシール強度を得ることも困難である。不
織布においても、熱可塑性樹脂フィルムにおける多層化
によるヒートシール性の改善は前記のように当然考え
られるものである。すなわち、耐熱性のある不織布に該
不織布よりも溶融し易い、低融点の樹脂フィルムをシー
ル層としてヒートシールすることは一般に行われてい
る。
【0008】しかしながら、低融点樹脂フィルムは強度
が低いのが一般的であり、ヒートシール強度は、低融点
樹脂フィルムの強度に支配され、十分なシール強度を得
ることができない。さらに、不織布同士の積層は各層同
士の接着が点接着であるため、この点からも十分なシー
ル強度を得ることは困難である。また、熱可塑性樹脂フ
ィルムを用いた場合においても、シール強度に対する不
織布の寄与は殆どなく、エッジ切れを起こしシール強度
が十分でないことに変わりはない。
【0009】ポエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂など
の耐熱性のある不織布と通気性素材を積層してなる積層
体も知られている。たとえば、特開平4−348931
号公報には、ポリオレフィン樹脂に無機質充填剤を混合
してなる組成物を溶融成形してなるフィルムを少なくと
も延伸してなる特定の透湿度、透気度の多孔質フィルム
に、ナイロン又はポリエステル系不織布を接着剤塗布面
積が10〜30%の点接着で貼り合わせた積層体が提案
されている。しかし、この積層体は多孔フィルムの強度
補強のための耐熱性不織布との積層体であり、積層体同
士のヒートシール性の改良にはならず、接着剤を用いる
ため煩雑であったり、不織布の機能性も低下するもので
ある。
【0010】また、特開平6−257054号公報に
は、熱可塑性樹脂から構成された長繊維不織布(A)
に、該長繊維不織布(A)を構成する熱可塑性樹脂の融
点より低い融点を有する熱可塑性樹脂を含む繊維から構
成された不織布(B)を積層し、両者をウオータージェ
ット法により交絡したヒートシール性に優れる長繊維不
織布が示されている。また、不織布(A)を構成する熱
可塑性樹脂として、熱可塑性ポリエステル樹脂、熱可塑
性ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂およびポリスチ
レンが示されている。
【0011】しかしながら、この方法では、ウォーター
ジェット方法を採用することが必須であり、高圧水を必
要とし、しかも一般的には、水圧を徐々に高めた多段処
理が必要であるとともに、乾燥などの後処理の問題があ
り、積層化のための設備、用役、環境問題などから、よ
り簡便な方法が望まれている。また、前記公報には、高
融点不織布として、ポリエチレンテレフタレートとポリ
プロピレンが具体的に示されているに過ぎない。また、
低融点不織布として、具体的には融点の異なる2種の熱
可塑性樹脂からなる偏芯芯鞘構造の不織布が示されてい
るのみである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、強度、耐熱
性、感触性、親水性、通気性などにすぐれるポリアミド
系樹脂不織布の特徴を失うことなく、溶融接着性の向上
した積層不織布を、簡便、容易に得ることができる不織
布積層体を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、強度、耐
熱性にすぐれる不織布のヒートシール性について不織布
の機能性維持とシール性について鋭意検討した。その結
果、高融点の耐熱性樹脂不織布と低融点の不織布の組み
合わせにおいて、そのヒートシール性に著しい差がある
ことを見いだした。本発明は、かかる知見に基づいて完
成したものである。
【0014】すなわち、本発明は、 (1) ポリアミド系樹脂不織布とポリエチレン系樹脂
不織布からなることを特徴とするヒートシール性にすぐ
れる不織布積層体。 (2) ポリアミド系樹脂不織布が長繊維スパンボンド
不織布である(1)記載のヒートシール性にすぐれる不
織布積層体。布。 (3) ポリエチレン系樹脂不織布がスパンボンド不織
布である(1)または(2)記載のヒートシール性にす
ぐれる不織布積層体。 (4) ポリエチレン系樹脂不織布がエチレン−α−オ
レフィン共重合体からなる(3)記載のヒートシール性
にすぐれる不織布積層体。 (5) 両不織布が熱エンボスロールにより積層された
ものである(1)〜(4)のいずれかに記載のヒートシ
ール性にすぐれる不織布積層体を提供する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下本発明について詳細に説明す
る。本発明のヒートシール性にすぐれる不織布積層体
は、高融点、高強度、風合い、親水性などの特徴を有す
るポリアミド系樹脂不織布と低融点であるポリエチレン
系樹脂不織布により構成されたものである。これらの不
織布の種類としては特に制限はないが、積層体の強度な
どから好ましいのは長繊維スパンボンド不織布である。
本発明の不織布積層体は、この特定の組み合わせの場合
においてのみすぐれたヒートシール性を示す。
【0016】前記特開平6−257054号公報に具体
的に示された、好ましい例としての、ポリエチレンテレ
フタレートとポリエチレン、ポリプロピレンとポリエチ
レンの組み合わせでは、熱ラミネートによりヒートシー
ル性にすぐれた不織布積層体は得られない。したがっ
て、前記公報にはウオータージェット法を採用しなけれ
ば、そのヒートシール性を向上できないことが実験的に
示されている。すなわち、単なる接着剤による積層や熱
エンボスロール法ではヒートシール性、ヒートシール強
度が実用レベルに達しないものである。
【0017】不織布積層体の場合には、一般の積層フィ
ルム、共押出多層フィルムの分野でのヒートシール性と
を同一視できないものがある。すなわち、フィルムの場
合のヒートシール強度は、ヒートシール面間の接着強度
であるが、不織布の場合には、単にヒートシール面の不
織布の融点が低いだけでは問題が解決しないことが明ら
かとなった。したがって、前記のウオータージェット法
による交絡は、低融点樹脂の不織布を非常に高い水圧に
より、高融点不織布内へと絡み合いを発生させることに
より、高いヒートシール強度を発現させているものと考
えられる。
【0018】本発明の不織布積層体は、このような特殊
な交絡方法を採用することなく、一般に多用されている
熱エンボスロール法であっても、すぐれたヒートシール
強度が得られる。すなわち、熱エンボスロールによる積
層時、ヒートシール時に、他の樹脂の組み合わせでは得
られない、ポリアミド系樹脂不織布とポリエチレン系樹
脂不織布とが何らかの相互作用を発揮し、すぐれたヒー
トシール性の発現に寄与しているものと考えられる。
【0019】本発明の不織布積層体に用いられるポリア
ミド系樹脂としては、特に制限はなく紡糸が可能であれ
ば各種用いることができる。ポリアミド系樹脂として
は、ナイロン6(ポリカプロラクタミド)、ナイロン
6,6(ポリヘキサメチレンアジポアミド)、ナイロン
6,10(ポリヘキサメチレンセバカミド)、ナイロン
11(ポリウンデカンアミド)、ナイロン7(ポリ−ω
−アミノヘプタン酸)、ナイロン9(ポリ−ω−アミノ
ノナン酸)、ナイロン12(ポリラウリンアミド)など
を例示できる。中でも、ナイロン6、ナイロン6,6が
好ましく用いられる。
【0020】これらのポリアミド系樹脂はそれぞれ単独
で用いることもできるが、これらの構成成分を有する共
重合体または混合物であってもよい。また、本発明の効
果を実質的に損なわない範囲において、前記以外の共重
合成分、または他の熱可塑性樹脂を50質量%以下の範
囲で含有させることもできる。このポリアミド系樹脂不
織布は、繊維の形態として長繊維スパンボンド不織布
が、強度などの点から好ましい。また、その繊維径は1
〜50μmの範囲、目付は5〜200g/m2 、好まし
くは10〜100g/m2 である。
【0021】次に、ポリエチレン系樹脂としては、エチ
レンの単独重合体、エチレンとプロピレン、ブテン−
1、4−メチル−ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテ
ン−1等の炭素数3〜10のα−オレフィンとの共重合
体、エチレンと酢酸ビニル、アクリル酸などの重合性モ
ノマーとの共重合体などを例示できる。これらのポリエ
チレン系樹脂は、チタンを主成分とするチーグラー系触
媒、メタロセン系触媒を用いて製造されたものを用いる
ことができる。
【0022】中でも、密度が、880〜960kg/m
3 、好ましくは900〜950kg/m3 、融点〔JI
S K7121に準拠、DSC(パーキンエルマー社製
DSC7型)、昇温速度20℃/分での最高ピーク温
度〕が60〜140℃、好ましくは70〜130℃の範
囲、メルトインデックス(MI)〔JIS K7210
に準拠、温度:190℃、荷重:21.18N〕が、5
〜60g/10分、好ましくは10〜50g/10分の
範囲の前記のエチレン−α−オレフィン共重合体が紡糸
性、融点、強度の点から好ましく用いられる。また、必
要により、エチレン−α−オレフィン共重合体が70〜
100質量%、他のエチレン系樹脂、プロピレン系樹
脂、熱可塑性エラストマーなどが0〜30質量%である
樹脂組成物を用いることもできる。
【0023】なお、このポリエチレン系樹脂スパンボン
ド不織布としては、たとえば前記ポリエチレン系樹脂単
独、または30質量%以下の他の樹脂などからなる組成
物からなるものが好ましく用いられる。しかし、熱エン
ボス加工性、ヒートシール性が確保されるならば、他の
樹脂との複合繊維、すなわち、鞘部分としてポリエチレ
ン系樹脂、芯部分として、ポリプロピレン系樹脂などの
他の樹脂からなる芯−鞘構造の繊維、あるいは繊維の通
常50質量%以上がポリエチレン系樹脂で、残りが他の
樹脂であるサイドバイサイド構造の繊維とすることもで
きる。また、この芯−鞘構造複合繊維、サイドバイサイ
ド構造複合繊維としては、前記ポリエチレン系樹脂の中
で、融点や密度などの異なる樹脂の組み合わせであって
もよいことは勿論である。
【0024】このポリエチレン系樹脂からなる不織布
も、長繊維であるスパンボンド不織布が強度、ヒートシ
ール性の観点から好ましく用いられる。その繊維径は2
〜50μmの範囲、目付として、2〜200g/m2
好ましくは5〜100g/m2である。
【0025】本発明に用いられる不織布としての、好ま
しく用いられる長繊維スパンボンド不織布は、たとえ
ば、溶融熱可塑性樹脂を押出機から溶融押出し、紡糸用
口金から紡糸し、紡糸された繊維をエアサッカーなどの
気流牽引装置で引き取り、気流とともに繊維をネットコ
ンベアなどのウエブ補集装置で補集し、必要に応じて加
熱空気、加熱ロールなどの加熱手段で部分溶着すること
による公知の手法によって得ることができる。
【0026】本発明のヒートシール性にすぐれる不織布
積層体は、この2種の不織布を選択して積層することに
よって得ることができる。この積層手段としては、いろ
いろ考えられるが、積層の容易さ、簡便さ、コストなど
を考慮すると熱エンボスロール法が採用される。また、
この熱エンボスロール法によっても十分実用に供する性
能を有する接着強度、ヒートシール性が得られることに
大きな特徴を有するものである。したがって、特殊なウ
オータージェット法による交絡法を採用することを必要
としない。これは、この2種の不織布を選択的に組み合
わせることにより得られた特殊なものであり、他の組み
合わせでは得ることができないものである。
【0027】不織布積層体の積層方法の一例である熱エ
ンボスロール方法は、エンボスロールとフラットロール
による公知の積層装置を用いて積層することができる。
ここで、エンボスロールとしては、各種形状のエンボス
パターンを採用でき、各溶着部が連続した格子状、独立
した格子状、任意分布などがある。また、エンボス面積
率としては、5〜30%程度の範囲である。
【0028】また、熱エンボスロール積層条件として
は、通常ロール温度80〜250℃、好ましくは100
〜180℃の温度、通常ロール圧力100〜1,000
N/cm(線圧)、好ましくは200〜700N/cm
(線圧)が採用できる。これらのエンボスパターン、エ
ンボス面積率、温度、圧力などは各不織布の繊維径、厚
み、目付、通気性、加工速度などによって適宜選定でき
る。
【0029】本発明の不織布積層体が、低融点樹脂とし
てのポリエチレン系樹脂を用いながら、耐熱性樹脂とし
てポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリプロピレン樹
脂を用いた場合には得ることができないすぐれたヒート
シール性、高いヒートシール強度を有することは全く驚
くべきことである。この原因は明らかではないが、ポリ
アミド系樹脂不織布とポエチレン系樹脂不織布の組み合
わせにおいて、熱エンボスロールによる積層において
も、前記のウオータージェット法による交絡に準じた不
織布間の結合が生じたためではないかと推測される。ま
た、これにより、同様にヒートシール時にさらに加速
し、高いヒートシール強度が発現したものと考えられ
る。
【0030】本発明の不織布積層体は、ポリエチレンテ
レフタレート樹脂不織布とポリエチレン樹脂不織布とか
らウオータージェット法を用いて積層して得られた不織
布のヒートシール強度に匹敵するヒートシール強度を有
する。しかも、積層方法として、特殊なウオータージェ
ット法を用いることなく、熱エンボスロール法の採用で
同等以上の接着強度を得ることが可能となったものであ
る。
【0031】本発明の不織布積層体のヒートシール方法
は、従来の低融点であるポリエチレン不織布層を直接ヒ
ートシールするものである。この場合に従来の場合に
は、低融点のポリエチレン系樹脂不織布が溶融すること
により、フィルム化し、このフィルムが薄く低い強度の
ためエッジ切れを生じ、これがヒートシール強度の向上
を妨げていた。しかし、本発明の不織布積層体では、不
織布積層体を加熱、加圧することにより、ポリアミド系
樹脂不織布とポリエチレン系樹脂不織布が何らかの相互
作用により、あたかも、ポリアミド系樹脂不織布により
ポリエチレン系樹脂溶融フィルムが補強された状態が発
現しているものと考えられる。
【0032】従って、低融点の熱可塑性樹脂が単独でシ
ール面を構成した場合に生じる、熱可塑性樹脂の低い強
度から生じる、エッジ切れに相当することがたとえ起こ
っても、シール面はポリアミド不織布とポリエチレン系
樹脂の複合構造、すなわち、繊維強化熱可塑性樹脂がシ
ール強度を支配することになる。したがって、同じポリ
エチレン系樹脂をシール用不織布樹脂に用いても、他の
層の熱可塑性樹脂の種類によりシール機構が全く異な
り、本願の組み合わせにおいてのみ特異なヒートシール
性を示し、格段にすぐれたヒートシール強度を得ること
ができることを可能にするものである。
【0033】本発明の不織布積層体は、公知のヒートシ
ール方法によってヒートシールすることにより、各種用
途に利用することができる。ヒートシール方法は、加熱
シールバーによる方法に加えて、製袋分野、衣服類製造
分野などで使われているロールによる連続シール方法な
ど、熱可塑性樹脂を加熱、加圧接合することが可能であ
るシール方法であれば、その形式に特に制限はない。ま
た、加熱手段としては、熱伝導(熱ジグ、発熱体)、誘
電加熱、超音波加熱などによることができる。
【0034】また、このヒートシールの条件である、温
度・圧力・時間・速度などは、ポリエチレン系樹脂不織
布の融点、分子量、目付などを考慮して、適宜条件設定
することができる。本発明の不織布積層体は、たとえ
ば、ヒートシール強度が13N/25mm以上、特に1
5N/25mm以上と実用性にすぐれるヒートシール性
を有する。
【0035】本発明の不織布積層体のヒートシール方法
は、本発明の不織布積層体同士、あるいは不織布積層体
と他の熱可塑性樹脂フィルムなどとをヒートシールする
ことにより、各種包装体、衣服類、フイルター、衛生用
品などの製造に用いられる。すなわち、包装体の場合の
不織布の有する特長は、包装体の少なくとも一部に用い
られれば機能するからである。
【0036】本発明によって、ポリアミド系樹脂不織布
の強度、弾性、親水性、触感、風合い、通気性などの特
徴を生かして、しかも熱エンボスロール法という簡便な
方法の採用で積層化が可能であるばかりか、ヒートシー
ル法により各種製品に二次加工することが可能になっ
た。したがって、各種包装分野、各種衣服、帽子、フイ
ルター、衛生用品などの製造が効率化、安価に達成でき
その用途の拡大が期待される。
【0037】
【実施例】以下、本発明の不織布積層体を実施例および
比較例により、詳細に説明するが、本発明はこれら実施
例に限定されるものではない。
【0038】実施例1 1.熱ラミネートによる積層材料の製造 熱ラミネート装置〔三正精機社製熱ラミ機、オイル温
調、ロール径:300mm、エンボスロール/フラット
ロール、エンボス圧着率=21%、格子柄〕を用いた。
旭化成(株)製ポリアミドスパンボンド不織布「エルタ
ス」N01030〔繊維径:20μm、目付:30g/
2 、融点:220℃〕と出光石油化学(株)製ポリエ
チレンスパンボンド不織布「ストラテック」LN503
0〔密度:940kg/m3 、MI:25g/10分の
エチレン−ブテン−1共重合体原料、繊維径:20μ
m、目付:30g/m2 、融点:126℃〕を、ポリア
ミド不織布側をエンボス面とし、熱エンボスロール〔設
定温度:エンボスロール140℃、フラットロール12
0℃、エンボス圧力:300N/cm、ラミ速度:10
m/分〕で熱ラミネートし、良好な不織布積層体を得
た。
【0039】得られた不織布積層体を、下記の条件に基
づいて、ポリエチレン不織布面をシール面としてヒート
シールし、ヒートシール性を評価した。その結果、ヒー
トシール強度は、19.6N/25mmであり、破断形
態はシール面の剥離であった。 比較例1 東洋紡績(株)製ポリエステルスパンボンド不織布「エ
クーレ」6301A〔繊維径:20μm、目付:30g
/m2 、融点:260℃〕と出光石油化学(株)製ポリ
エチレンスパンボンド不織布「ストラテック」LN50
20〔密度:940kg/m3 、MI:25g/10分
のエチレン−ブテン−1共重合体原料、繊維径:20μ
m、目付:20g/m2 、融点:126℃〕を、ポリエ
ステル不織布側をエンボス面とし、熱エンボスロール
〔設定温度:エンボスロール140℃、フラットロール
120℃、エンボス圧力:300N/cm、ラミ速度:
10m/分〕で熱ラミネートし、良好な不織布積層体を
得た。得られた不織布積層体を実施例1に準じて、ヒー
トシール性を評価した。その結果、ヒートシール強度
は、9.8N/25mmと低くかった。また、破断形態
は、ラミネート面から剥離し、ポリエチレン不織布のシ
ール部エッジ切れであった。
【0040】比較例2 旭化成(株)製ポリアミドスパンボンド不織布「エルタ
ス」N01030〔繊維径:20μm、目付:30g/
2 、融点:220℃〕と出光石油化学(株)製ポリプ
ロピレンスパンボンド不織布「ストラテック」RN20
30〔繊維径:20μm、目付:30g/m2 、融点:
160℃〕を、ポリアミド不織布側をエンボス面とし、
熱エンボスロール〔設定温度:エンボスロール160
℃、フラットロール140℃、エンボス圧力:300N
/cm、ラミ速度:5m/分〕で熱ラミネートし、良好
な不織布積層体を得た。なお、ロール温度は実施例1に
比較して20℃高く、熱ラミネートライン速度も低く設
定する必要があった。得られた不織布積層体を実施例1
に準じて、ヒートシール性を評価した。その結果、ヒー
トシール強度は、2.94N/25mmと非常に低かっ
た。また、破断形態は、ラミネート面から剥離し、ポリ
プロピレン不織布のシール部エッジ切れであった。
【0041】比較例3 出光石油化学(株)製ポリプロピレンスパンボンド不織
布「ストラテック」RN2030〔繊維径:20μm、
目付:30g/m2 、融点:160℃〕と出光石油化学
(株)製ポリエチレンスパンボンド不織布「ストラテッ
ク」LN5020〔密度:940kg/m3 、MI:2
5g/10分のエチレン−ブテン−1共重合体原料、繊
維径:20μm、目付:20g/m2 、融点:126
℃〕を、ポリプロピレン不織布側をエンボス面とし、熱
エンボスロール〔設定温度:エンボスロール120℃、
フラットロール110℃、エンボス圧力:300N/c
m、ラミ速度:10m/分〕で熱ラミネートし、良好な
不織布積層体を得た。得られた不織布積層体を実施例1
に準じて、ヒートシール性を評価した。その結果、ヒー
トシール強度は、2.94N/25mmと非常に低かっ
た。また、破断形態は、シール部エッジの原反切れであ
った。
【0042】
【発明の効果】本発明の、ヒートシール性にすぐれる不
織布積層体はポリアミド不織布が有するすぐれた耐熱
性、弾性、風合い、親水性、柔軟性を維持するととも
に、すぐれたヒートシール性、ヒートシール強度を有す
る。したがって、不織布の有する通気性、透湿性、強
度、ヒートシール性を生かして各種包装分野、衣料分野
に用いることが可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AK04B AK07 AK41 AK46A AK62B AK65 BA02 DG04A DG15A DG15B EJ39 EJ392 GB15 JL12 JL12A JL12B 4L047 AA14 AA23 AB03 BA08 CA05 CA12 CB08

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアミド系樹脂不織布とポリエチレン
    系樹脂不織布からなることを特徴とするヒートシール性
    にすぐれる不織布積層体。
  2. 【請求項2】 ポリアミド系樹脂不織布が長繊維スパン
    ボンド不織布である請求項1記載のヒートシール性にす
    ぐれる不織布積層体。布。
  3. 【請求項3】 ポリエチレン系樹脂不織布がスパンボン
    ド不織布である請求項1または2記載のヒートシール性
    にすぐれる不織布積層体。
  4. 【請求項4】 ポリエチレン系樹脂不織布がエチレン−
    α−オレフィン共重合体からなる請求項3記載のヒート
    シール性にすぐれる不織布積層体。
  5. 【請求項5】 両不織布がエンボスロールにより積層さ
    れたものである請求項1〜4のいずれかに記載のヒート
    シール性にすぐれる不織布積層体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011225247A (ja) * 2010-04-20 2011-11-10 Jx Nippon Anci Corp ヒートシール性シート及び袋、並びにそれらの製造方法
JP2012158050A (ja) * 2011-01-31 2012-08-23 Dainippon Printing Co Ltd 積層体およびその製造方法

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