JP2001217270A - 電子部品の製造方法及び製造装置 - Google Patents

電子部品の製造方法及び製造装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金型を使用して、破損しやすい基板を樹脂封
止する際に、基板の破損を防止して、高い歩留りで効率
よく電子部品を製造する。 【解決手段】 各個別領域2に各々チップ4を装着した
基板1を粘着テープ6に貼付し、その粘着テープ6を下
型12に載置する。次に、下型12と上型14とを、基
板1をクランプせず粘着テープ6をクランプして型締め
する。次に、キャビティ15に溶融樹脂(図示なし)を
注入してこれを硬化させた後に、下型12と上型14と
を型開きして、粘着テープ6に貼付された樹脂成形体1
8を取り出す。次に、樹脂成形体18を粘着テープ6か
ら引きはがし、反転させ、切断用の粘着テープ20上に
貼付し、分離機構のステージ19上に搬送して固定し、
ブレード22によって切断する。これにより、個別領域
2とその個別領域2上にそれぞれ設けられたチップ4及
び封止樹脂17とからなる電子部品が、複数個完成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板にチップ状部
品を樹脂封止して電子部品を製造する製造方法及び製造
装置に関するもので、特に、破損しやすい基板に適した
製造方法及び製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ガラスエポキシ基板等のプリント
基板(以下、基板という。)に、半導体チップ等のチッ
プ状部品(以下、チップという。)を樹脂封止して電子
部品を製造する場合には、次のような工程によって製造
していた。まず、チップが装着された基板を、下型に設
けられた凹部に載置する。次に、下型とこれに対向しキ
ャビティが設けられた上型とを型締めして、双方の金型
によって基板をクランプする。次に、プランジャによっ
て溶融樹脂を加圧してキャビティに注入し、溶融樹脂を
硬化させて封止樹脂を形成する。次に、下型と上型とを
型開きして、基板とチップと封止樹脂とからなる樹脂成
形体、すなわち完成した電子部品を取り出す。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の電子部品の製造方法によれば、次のような問題があ
った。近年、電子機器の軽薄短小化に伴い、電子部品に
対する小型化の要求はますます強くなっている。そのた
めに、基板の板厚がいっそう小さくなる傾向にある。ま
た、基板の小型化に対応するためには基板の多層化を図
ることが効果的なので、多層化に対応しやすいセラミッ
クベースの基板も使用されるようになってきた。ところ
が、セラミックをベースにするセラミック基板の場合に
は、樹脂封止工程において、金型によって基板がクラン
プされる際に、材料の特性に起因して基板が破損するお
それが大きい。また、ガラスエポキシ基板等であっても
板厚の小さい基板は、クランプされる際に破損するおそ
れがある。加えて、これらの基板は、ハンドリングする
際にも破損しやすいという問題がある。また、基板が破
損するには至らないまでも、基板上に形成された配線パ
ターンが、クランプされた部分で断線するという問題が
ある。このために、1枚の基板から多数の製品を製造す
るいわゆる多数個取りの場合には、基板においてクラン
プされる部分の領域を有効に利用できない。したがっ
て、基板当たりの製品集積度の向上には限界があった。
更に、特にセラミック基板の場合には、基板厚のばらつ
きが大きい。このために、金型で基板をクランプして樹
脂封止すれば、キャビティ周辺で樹脂ばりが発生した
り、製品の厚さのばらつきが大きくなるという問題もあ
った。
【0004】本発明は、上述の課題を解決するためにな
されたものであり、破損しやすい基板を樹脂封止する際
に基板の破損を防止するとともに、電子部品の厚さのば
らつきを抑制して、高い歩留りで効率よく電子部品を製
造する、電子部品の製造方法及び製造装置を提供するこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述の技術的課題を解決
するために、本発明に係る電子部品の製造方法は、相対
向しキャビティを有する金型を使用して、チップ状部品
が装着された基板を樹脂封止して電子部品を製造する電
子部品の製造方法であって、基板固定テープに基板を貼
付する工程と、平面視した場合に、キャビティが基板を
包含できるように、かつ基板固定テープがキャビティを
包含できるように、金型の型合わせ面に基板固定テープ
を位置合わせして載置する工程と、金型を型締めすると
ともに基板固定テープをクランプする工程と、キャビテ
ィに溶融樹脂を注入しこれを硬化させて封止樹脂を形成
する工程と、金型を型開きした後に、少なくとも基板と
チップ状部品と封止樹脂とを有する電子部品を取り出す
工程とを備えたことを特徴とする。
【0006】これによれば、金型は、基板が貼付された
基板固定テープをクランプする。したがって、型締めす
る際に基板の破損を防止できる。また、基板が貼付され
た基板固定テープをハンドリングする。したがって、ハ
ンドリングする際に搬送用の治具等が基板に直接接触し
にくいので、基板の破損を防止できる。また、電子部品
の厚さは、基板の厚さには関係なく、基板固定テープの
上面とキャビティの上面との位置によって決まるので、
電子部品の厚さのばらつきを抑制できる。
【0007】また、本発明に係る電子部品の製造方法
は、上述の製造方法において、基板は複数の個別領域か
らなり、各個別領域にチップ状部品が各々装着されてい
るとともに、封止樹脂が形成された基板を、各個別領域
と該各個別領域上に各々設けられたチップ状部品及び封
止樹脂とからなる電子部品に分離する工程を更に備えた
ことを特徴とする。
【0008】これによれば、複数の個別領域に各々チッ
プ状部品が装着された1枚の基板を一括して樹脂封止し
た後に、これを各個別領域に分離して、各個別領域とチ
ップ状部品と封止樹脂とからなる電子部品を形成する。
したがって、樹脂封止及び基板分離の各工程をそれぞれ
一括して行うことにより、1枚の基板から多数の電子部
品を効率よく製造できる。また、基板をクランプしない
ので、基板の縁に近い部分にまで個別領域を形成でき
る。したがって、1枚の基板から製造できる電子部品の
数、すなわち取れ数を増やすことができる。
【0009】また、本発明に係る電子部品の製造方法
は、上述の製造方法において、基板を貼付する工程で
は、基板固定テープに設けられた位置合わせマークを基
準にして基板固定テープに基板を貼付するとともに、分
離する工程では、位置合わせマークを基準として電子部
品に分離することを特徴とする。
【0010】これによれば、基板固定テープに基板を固
定したまま、電子部品に分離するので、分離する際に基
板を固定する工程を省くことができる。
【0011】また、本発明に係る電子部品の製造方法
は、上述の製造方法において、基板は脆弱性を有するこ
とを特徴とする。
【0012】これによれば、基板をクランプしないの
で、脆弱性を有する基板の破損を確実に防止できる。
【0013】本発明に係る電子部品の製造装置は、相対
向する金型を使用して、チップ状部品が装着された基板
を樹脂封止して電子部品を製造する電子部品の製造装置
であって、金型のうちで基板が貼付された基板固定テー
プが載置される一方の型と、一方の型に対向して設けら
れた他方の型と、他方の型において設けられたキャビテ
ィとを備えるとともに、一方及び他方の型が型締めされ
た状態において、一方及び他方の型によって基板固定テ
ープがクランプされており、かつ基板がクランプされて
おらず、更にキャビティに溶融樹脂が注入された後に硬
化して封止樹脂が形成されることを特徴とする。
【0014】これによれば、基板がクランプされないの
で、型締めされる際に、基板の破損が防止される。ま
た、基板固定テープに貼付された基板が基板固定テープ
を介してハンドリングされるので、ハンドリングする際
に、基板の破損が防止される。また、電子部品の厚さ
は、基板の厚さには関係なく、基板固定テープの上面と
キャビティの上面との位置によって決まるので、電子部
品の厚さのばらつきが抑制される。
【0015】また、本発明に係る電子部品の製造装置
は、上述の製造装置において、基板は複数の個別領域か
らなり、各個別領域にチップ状部品が各々装着されてい
るとともに、封止樹脂が形成された基板を、各個別領域
と該各個別領域上に各々設けられたチップ状部品及び封
止樹脂とからなる電子部品に分離する分離機構を更に備
えたことを特徴とする。
【0016】これによれば、複数の個別領域に各々チッ
プ状部品が装着された1枚の基板が一括して樹脂封止さ
れた後に、各個別領域に分離されて、各個別領域とチッ
プ状部品と封止樹脂とからなる電子部品が形成される。
したがって、樹脂封止及び基板分離がそれぞれ一括して
行われるので、1枚の基板から多数の電子部品が効率よ
く製造される。また、基板がクランプされないことによ
り、基板の縁に近い部分にまでチップ状部品が装着され
るので、電子部品の取れ数を増やすことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態を、図1及び図
2を参照して説明する。図1は、本発明に係る電子部品
の製造方法及び製造装置に使用される、基板が貼付され
た状態の粘着テープを示す斜視図である。
【0018】図1において、1は、例えばアルミナ等の
セラミック、又は板厚の小さいガラスエポキシ基板等か
らなる基板である。2は、それぞれ基板1の一部であっ
て、電子部品を構成する単位となる個別領域である。3
は、各個別領域2の境界線である仮想線である。4は、
各個別領域2にそれぞれ載置された例えば半導体チップ
等からなるチップであり、5は、基板1とチップ4との
電極同士を電気的に接続するためのワイヤである。6
は、基板1が貼付され基板固定テープとして使用される
粘着テープである。7は、粘着テープ6の一部であっ
て、粘着剤からなる粘着層である。この粘着層7は、上
型(図示なし)に対して付着しないように、基板1の直
下を含むとともに基板1よりわずかに広い範囲に設けら
れていることが好ましい。8は、粘着テープ6の一部で
あって例えばポリイミドからなり、粘着層7の担体とな
るベース層である。9は、粘着テープ6の両サイド付近
に設けられ、粘着テープ6の位置決め及び搬送に使用さ
れるガイド穴である。10は、本発明によって樹脂封止
される領域であって、粘着テープ6上に仮想的に示され
た封止領域である。
【0019】図1に示された粘着テープを使用した、電
子部品の製造装置及び製造方法を、図2を参照して説明
する。図2(1)〜(4)は、本発明に係る電子部品の
製造装置において、基板が貼付された粘着テープが下型
に載置された状態、粘着テープがクランプされて型締め
された状態、樹脂封止後に型開きされた状態、及び樹脂
成形体がステージに載置されて切断される状態を、それ
ぞれ図1のA−A線に沿って示す断面図である。
【0020】図2(1)〜(4)において、11は、基
板1においてチップ4が装着されない面に設けられた端
子であって、完成した電子部品が実装される際に外部機
器との接続に使用される外部端子である。12は、基板
1が貼付された粘着テープ6が載置される下型であり、
13は、下型12に設けられ粘着テープ6のガイド穴9
に緩やかに挿入されるピンである。14は、下型に対向
して、昇降自在に設けられた上型である。15は、上型
14において基板1に対応する領域に設けられた凹部で
あって、溶融樹脂(図示なし)が注入される空間になる
キャビティである。ここで、キャビティ15は、平面視
した際に、基板1を完全に覆い、かつ粘着テープ6に完
全に含まれるように設けられている。16は、流動して
キャビティ15に注入される溶融樹脂の通路になるゲー
ト部である。17は、キャビティ15に注入された溶融
樹脂が硬化することによって形成された封止樹脂であ
る。18は、基板1と各チップ4と封止樹脂17とから
なる樹脂成形体である。19は、樹脂成形体18を切断
することにより個々の電子部品に分離する分離機構の一
部であって、反転された樹脂成形体18が載置されるス
テージである。20は、樹脂成形体18を切断する際
に、これを固定する切断用の粘着テープである。21
は、樹脂成形体18の背面に貼付された粘着テープ20
を吸着することによって、ステージ19に樹脂成形体1
8を載置する吸気通路である。22は、高速で回転する
ことによって樹脂成形体18を切断するブレードであ
る。
【0021】以下、図2の電子部品の製造装置の動作、
すなわち、本発明に係る電子部品の製造方法を説明す
る。まず、図2(1)に示すように、基板1を粘着テー
プ6に貼付し、その粘着テープ6を下型12の上面、つ
まり下型12と上型14との型合わせ面に載置する。こ
こでは、粘着テープ6に、チップ4が装着された基板1
を、外部端子11が粘着層7に食い込むようにして貼付
する。その後に、ガイド穴9とピン13とにより、下型
12上において、粘着テープ6を位置合わせし仮固定す
る。なお、この工程では、図面の手前と奥との間にわた
ってロールからロールへと張設された粘着テープ6を使
用することができる。この場合には、連続する粘着テー
プ6に対して、予め前工程で基板1を貼付しておくこと
になる。
【0022】次に、図2(2)に示すように、下型12
と上型14とを型締めし、かつ下型12と上型14とに
よって粘着テープ6をクランプする。これにより、上型
14によって押圧された粘着テープ6が圧縮されるの
で、上型14と粘着テープ6との間には間隙が発生しな
い。その後に、ゲート部16を経由してキャビティ15
に、例えばエポキシ樹脂からなる溶融樹脂(図示なし)
を注入して、これを硬化させる。
【0023】次に、図2(3)に示すように、下型12
と上型14とを型開きする。その後に、基板1と、図2
(3)では示されていないチップ4と、キャビティ15
において溶融樹脂が硬化して形成された封止樹脂17と
からなる樹脂成形体18を、粘着テープ6に貼付された
状態で取り出す。ここでは、例えば、型開き後に、下型
12に設けられたエジェクターピン(図示なし)によっ
て、ゲート部16において硬化した樹脂を突き上げて、
この部分の樹脂と樹脂成形体18とを分離する。その後
に、下型12に設けられた別のエジェクターピン(図示
なし)によって、粘着テープ6を介して樹脂成形体18
を突き出せばよい。
【0024】次に、図2(4)に示すように、樹脂成形
体18を粘着テープ6から引きはがし、反転させ、切断
用の粘着テープ20上に貼付した後に、粘着テープ20
に貼付された樹脂成形体18を、分離機構のステージ1
9上に搬送して固定する。ここでは、吸気通路21が粘
着テープ20の背面、すなわち樹脂成形体18が貼付さ
れていない面を吸着することによって、ステージ19上
に樹脂成形体18を固定する。その後に、高速で回転す
るブレード22を使用して、例えば基板1の仮想線3の
位置に予め設けられた位置合わせマーク(図示なし)を
基準にして、仮想線3の位置で樹脂成形体18を切断す
る。以上の工程により、個別領域2とその個別領域2上
にそれぞれ設けられたチップ4及び封止樹脂17とから
なる電子部品が、複数個完成する。ここで、回転するブ
レード22を下降させる際に、ブレード22の先端を粘
着テープ20の厚さ方向の途中に位置させるとともに、
この状態を維持して樹脂成形体18を切断することが好
ましい。このことにより、切断後の工程において、複数
の電子部品を、粘着テープ20に貼付した状態でハンド
リングできる。
【0025】ここで、本発明に係る電子部品の製造方法
及び製造装置の特徴は、まず、下型12と上型14とが
型締めする際に、基板1をクランプすることに代えて、
基板1が貼付された粘着テープ6をクランプすることで
ある。これにより、型締めする際に基板1の破損を防止
できる。また、電子部品の厚さは、基板1の厚さには関
係なく、粘着テープ6の上面とキャビティ15の上面と
によって決まるので、電子部品の厚さのばらつきを抑制
できる。次に、基板1が貼付された粘着テープ6をハン
ドリングすることである。これにより、ハンドリングす
る際に基板1の破損を防止できる。次に、複数の個別領
域2に各々チップ4が装着された1枚の基板1を、一括
して樹脂封止した後に分離して、各個別領域2と各チッ
プ4と封止樹脂17とからなる電子部品を形成すること
である。これにより、樹脂封止及び基板分離の各工程を
それぞれ一括して行うので、多数の電子部品を効率よく
製造できる。また、基板1をクランプしないので、基板
1の縁に近い部分にまで個別領域2を形成できる。これ
により、電子部品の取れ数を増やすことができる。次
に、基板1を完全に含むようにして、上型14にキャビ
ティ15を設けることである。これにより、基板1を収
容するための凹部を金型に設ける必要がないので、金型
を簡素化できる。次に、外部端子11を粘着層7に食い
込ませて、粘着テープ6に基板1を貼付し、この状態で
樹脂封止することである。これにより、外部端子11が
下型12に接した状態で加圧されないので、外部端子1
1のキズや変形等を防止するとともに、ハンドリング等
の際に外部端子11を保護することができる。また、外
部端子11の側面が封止樹脂から露出するので、半田付
けによって外部機器に電子部品を実装する際に、外部端
子11と外部機器の端子との間の密着強度が向上する。
【0026】なお、ロールからロールへと張設された粘
着テープ6に基板1を貼付することに代えて、予め短冊
状に切断された粘着テープ6に基板1を貼付してもよ
い。
【0027】また、図1の粘着テープ6や、上述の短冊
状の粘着テープに、列状又は格子状に基板1を貼付し
て、各基板1に対応する複数のキャビティに溶融樹脂を
注入して樹脂封止してもよい。これにより、樹脂封止工
程のいっそうの効率化を図ることができる。
【0028】また、基板1が貼付された粘着テープ6を
下型12に載置したが、これに限らず、下型12に載置
された粘着テープ6に基板1を貼付してもよい。
【0029】また、1枚の基板1に複数の個別領域2を
設け、各個別領域2にそれぞれチップ4を装着し、樹脂
封止と分離とをそれぞれ一括して行い、複数個の電子部
品を完成させた。これに限らず、1枚の基板に1個又は
複数個のチップを装着して、1枚の基板から1個の電子
部品を製造することもできる。更に、チップが装着され
た1枚又は複数枚の基板1を粘着テープ6に貼付し、貼
付された基板1を個別に樹脂封止して樹脂成形体18を
形成し、この状態の粘着テープ6、すなわち樹脂成形体
18が形成された粘着テープ6を電子部品として、搬送
し、梱包し、又は在庫として保管してもよい。この場合
には、樹脂成形体18が形成された粘着テープ6を切断
して不要な部分を除去し、残った部分を外部機器に実装
することになる。
【0030】また、1枚のブレード22を使用して樹脂
成形体18を切断したが、複数枚のブレードで樹脂成形
体18を同時に切断することもできる。この場合には、
基板1を各電子部品に分離する工程の効率化を図ること
ができる。
【0031】また、樹脂成形体18を、粘着テープ6に
貼付された状態で分離機構のステージ19まで搬送し、
封止樹脂17が形成された側から切断することもでき
る。この場合には、粘着テープ6のベース層8に予め設
けられた位置合わせマークを基準にして、粘着テープ6
に基板1を位置合わせして貼付し、かつ、樹脂成形体1
8を切断する。位置合わせマークとしては、例えば打ち
抜き加工によってベース層8に設けられた穴、切り欠
き、スリット等を使用することができる。更に、切断精
度をいっそう向上させたい場合には、ベース層8を透明
な材料によって構成し、ステージ19に貫通穴を設けて
おくことが好ましい。そして、その貫通穴を通して、基
板1においてチップ4が装着されていない面に設けられ
た位置合わせマーク(図示なし)を目視又は画像認識し
た後に、位置合わせマークを基準にして、樹脂成形体1
8を切断すればよい。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、基板が貼付された基板
固定テープをクランプする。また、基板が貼付された基
板固定テープをハンドリングする。これらにより、クラ
ンプ及びハンドリングする際に、基板の破損を防止する
ことができる。また、基板をクランプしないので、電子
部品の厚さは、基板の厚さには関係なく、基板固定テー
プの上面とキャビティの上面とによって決まる。これに
より、電子部品の厚さのばらつきを抑制することができ
る。また、複数の個別領域の各々にチップ状部品が装着
された基板に対して、基板をクランプすることなく、こ
れを一括して樹脂封止した後に各個別領域に分離して電
子部品を製造する。これにより、基板の縁に近い部分に
まで個別領域を形成するので、電子部品の取れ数を増や
すことができ、更に、樹脂封止及び基板分離の各工程を
それぞれ一括して行うので、1枚の基板から多数の電子
部品を効率よく製造することができる。したがって、本
発明は、基板の破損を防止するとともに電子部品の厚さ
のばらつきを抑制して、高い歩留りで効率よく電子部品
を製造する電子部品の製造方法及び製造装置を提供でき
るという、優れた実用的な効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電子部品の製造方法及び製造装置
に使用される、基板が貼付された状態の粘着テープを示
す斜視図である。
【図2】(1)〜(4)は、本発明に係る電子部品の製
造装置において、基板が貼付された粘着テープが下型に
載置された状態、粘着テープがクランプされて型締めさ
れた状態、樹脂封止後に型開きされた状態、及び樹脂成
形体がステージに載置されて切断される状態を、それぞ
れ図1のA−A線に沿って示す断面図である。
【符号の説明】
1 基板 2 個別領域 3 仮想線 4 チップ(チップ状部品) 5 ワイヤ 6 粘着テープ(基板固定テープ) 7 粘着層 8 ベース層 9 ガイド穴 10 封止領域 11 外部端子 12 下型 13 ピン 14 上型 15 キャビティ 16 ゲート部 17 封止樹脂 18 樹脂成形体 19 ステージ 20 粘着テープ 21 吸気通路 22 ブレード

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相対向しキャビティを有する金型を使用
    して、チップ状部品が装着された基板を樹脂封止して電
    子部品を製造する電子部品の製造方法であって、 基板固定テープに前記基板を貼付する工程と、 平面視した場合に、前記キャビティが前記基板を包含で
    きるように、かつ、前記基板固定テープが前記キャビテ
    ィを包含できるように、前記金型の型合わせ面に前記基
    板固定テープを位置合わせして載置する工程と、 前記金型を型締めするとともに前記基板固定テープをク
    ランプする工程と、 前記キャビティに溶融樹脂を注入しこれを硬化させて封
    止樹脂を形成する工程と、 前記金型を型開きした後に、少なくとも前記基板とチッ
    プ状部品と封止樹脂とを有する電子部品を取り出す工程
    とを備えたことを特徴とする電子部品の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電子部品の製造方法にお
    いて、 前記基板は複数の個別領域からなり、前記各個別領域に
    前記チップ状部品が各々装着されているとともに、 前記封止樹脂が形成された基板を、前記各個別領域と該
    各個別領域上に各々設けられたチップ状部品及び封止樹
    脂とからなる電子部品に分離する工程を更に備えたこと
    を特徴とする電子部品の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の電子部品の製造方法にお
    いて、 前記基板を貼付する工程では、前記基板固定テープに設
    けられた位置合わせマークを基準にして前記基板固定テ
    ープに前記基板を貼付するとともに、 前記分離する工程では、前記位置合わせマークを基準と
    して前記電子部品に分離することを特徴とする電子部品
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の電子部
    品の製造方法において、 前記基板は脆弱性を有することを特徴とする電子部品の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 相対向する金型を使用して、チップ状部
    品が装着された基板を樹脂封止して電子部品を製造する
    電子部品の製造装置であって、 前記金型のうちで前記基板が貼付された基板固定テープ
    が載置される一方の型と、 前記一方の型に対向して設けられた他方の型と、 前記他方の型において設けられたキャビティとを備える
    とともに、 前記一方及び他方の型が型締めされた状態において、前
    記一方及び他方の型によって前記基板固定テープがクラ
    ンプされており、かつ前記基板がクランプされておら
    ず、更に前記キャビティに溶融樹脂が注入された後に硬
    化して封止樹脂が形成されることを特徴とする電子部品
    の製造装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の電子部品の製造装置にお
    いて、 前記基板は複数の個別領域からなり、前記各個別領域に
    前記チップ状部品が各々装着されているとともに、 前記封止樹脂が形成された基板を、前記各個別領域と該
    各個別領域上に各々設けられたチップ状部品及び封止樹
    脂とからなる電子部品に分離する分離機構を更に備えた
    ことを特徴とする電子部品の製造装置。
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