JP2001213822A - 1,3−ブチレングリコールの製造方法 - Google Patents
1,3−ブチレングリコールの製造方法Info
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Abstract
済的に製造する。 【解決手段】 塩基性触媒の存在下にアセトアルデヒド
の縮合により得られたアセトアルドール類を、水素添加
触媒の存在下に、酸性で水素添加反応を行う。
Description
類を、触媒の存在下に酸性で水素添加して1,3−ブチ
レングリコールを製造する方法に関するものである。
8℃の粘調な無色透明、無臭の液体で、すぐれた溶解性
を有し、化学的安定性にすぐれた誘導体を生成する。そ
の用途は各種の合成樹脂、界面活性剤の原料として、ま
た、そのすぐれた吸湿特性、低揮発性、低毒性を利用し
て化粧品、吸湿剤、高沸点溶剤、不凍液の素材としても
利用されている。従来、1,3−ブチレングリコールの
製造方法としては次の3方法が知られている。(I)ア
セトアルデヒドをアルドール縮合させてアセトアルドー
ル類を得、接触還元することによって、1,3−ブチレ
ングリコールを得る方法(英国特許第853266号記載)。
(II)1,3−ブチレンオキサイドの加水反応により
1,3−ブチレングリコールを得る方法。(III)プリ
ンス反応を利用してプロピレンとホルムアルデヒドから
1,3−ブチレングリコールを得る方法。しかしながら
(II)の方法は、工業的製造方法が未だ確立していない
ので、実際的でない。又、(III)の方法は収率が低い
ので実用的ではない。工業的には(I)の方法で1,3
−ブチレングリコールが製造されているが、アセトアル
ドールは構造的に不安定な物質であり、脱水してクロト
ンアルデヒドを生成したりするため、水素添加(以下、
水添と略す。)工程で種々の不純物、例えばブタノール
や2−ブタノン等が副生する他に、アセトアルデヒド回
収リサイクル工程に混入してアセトアルデヒド等と反応
し種々の不純物を生成する。これらの不純物は、蒸留な
どによる1,3−ブチレングリコールの精製工程におい
て分離が困難であり、製品、特に化粧品向けなどの製品
の品質、特に臭気に悪影響を及ぼす。特開昭62−21
2384号公報には、アルカリ触媒の存在下でアセトア
ルデヒドをアルドール縮合させて、アルドキサン(2,
4−ジメチル−1,3−ジオキサン−6−オールの慣用
名)を含む反応粗液を得、アセトアルデヒドを留出させ
ながらアルドキサンを熱分解することにより、実質上パ
ラアルドール(2−(2−ヒドロキシプロピル)−4−
メチル−1,3−ジオキサン−6−オールの慣用名)を
得る方法が開示されている。特開昭62−246529
号公報には、実質上の有効成分として、パラアルドール
を含有する出発原料を接触還元せしめる1,3−ブチレ
ングリコールの製造方法が開示されている。特公昭44
−14328号公報には、アルドールを酸性りん酸エス
テルの存在下で不飽和アルデヒドに脱水する方法が開示
されている。特開平6−329664号公報には、アセ
トアルデヒドをアルカリ触媒の存在下にアルドール縮合
させて、主にアルドキサン、アセトアルデヒド、水およ
び少量のクロトンアルデヒドを含む反応粗液を製造し、
次いで該アルドキサンを熱分解することによりアルドキ
サンおよびパラアルドールを主成分とする反応粗液を製
造する際、アルドキサンの熱分解工程において熱分解塔
の塔頂から留出するアセトアルデヒドを、デカンターを
具備したサイドカットラインを有する蒸留塔を使用して
アセトアルデヒドを精製して、実質的にクロトンアルデ
ヒドが存在しないアセトアルデヒドをアルドール縮合工
程にリサイクルするアルドキサンおよびパラアルドール
を主成分とする反応粗液の製造法、及び該反応粗液から
の1,3−ブチレングリコールの製造法が開示されてい
る。USP3489655には、加熱1,3−ブチレン
グリコールがステンレス又はガラス製の非触媒性材質と
のみ接触するようにして、特定の蒸留方法を行うことに
よる1,3−ブチレングリコールの臭気改善方法が開示
されている。しかしながら上記技術は、1,3−ブチレ
ングリコールを収率よく、経済的に製造するには、不充
分である。
3−ブチレングリコールの収率の良い、水添工程の装置
の腐食が抑えられた製造方法を提供する。
媒の存在下にアセトアルデヒドを縮合して得られたアセ
トアルドール類を、水添触媒の存在下に、酸性状態で水
添反応を行うことにより、上記課題を解決できることを
見い出し、本発明を完成するに至った。
在下にアセトアルデヒドの縮合により得られたアセトア
ルドール類を、水素添加触媒の存在下に、酸性で水素添
加反応を行うことを特徴とする1,3−ブチレングリコ
ールの製造方法を提供する。本発明の第2は、酸性が酸
性度(試料100mlを中和するのに要する1/10N水酸
化ナトリウム水溶液のml数)1〜30であることを特
徴とする本発明の第1に記載の1,3−ブチレングリコ
ールの製造方法を提供するを提供する。本発明の第3
は、酢酸により酸性にすることを特徴とする本発明の第
1又は2に記載の1,3−ブチレングリコールの製造方
法を提供する。
本発明では、塩基性触媒の存在下にアセトアルデヒドの
縮合により得られたアセトアルドール類を、水素添加触
媒の存在下に、酸性で水素添加反応を行うことを特徴と
する。
の存在下に縮合されて、主成分のアセトアルドール類
や、アセトアルドールが脱水されて副生分のクロトンア
ルデヒドやその他の不純物が生じる。本発明において、
アセトアルドール類とは水素添加により1,3−ブチレ
ングリコールを生成するもののことであり、具体的に
は、アセトアルドール、その環化二量体であるパラアル
ドール、アセトアルデヒドの一種の環状3量体であるア
ルドキサン等、又はこれらの混合物である。アセトアル
ドールやパラアルドールは、塩基性触媒の存在下にアセ
トアルデヒドのアルドール縮合により直接得られたもの
でも、アルドキサンの熱分解などで得られたものであっ
てもよい。本発明においては、水添原料としてはアセト
アルドール、パラアルドール、アルドキサン及びそれら
の混合物が使用できる。上記水添原料は、通常未反応ア
セトアルデヒドを縮合工程にリサイクルするため、アセ
トアルデヒドの少なくとも一部を留去したものである
が、残存アセトアルデヒド、クロトンアルデヒド、他の
少量のアルデヒド成分、低沸点物、アルデヒドダイマー
やトリマー等の高沸点物、水分等を含有していてもよ
い。水添原料は、10〜20重量%の水分を含んでいる
ものが使用できる。水分を除く、アセトアルドール分換
算純度95〜98重量%のものが好ましく使用される。
得られた生成液(反応粗液ともいう。)は、酸を加えて
酸性にして、水添原料として使用される。酸性化は、ア
セトアルデヒド縮合反応後の中和に続いて行われても、
アルドキサンの熱分解を行った後に行われてもよいが、
中性でアルドキサンの熱分解を行った後、水添反応直前
で所定の酸性度にすることが好ましい。これにより、ア
ルドキサンの熱分解中に酸性状態での脱水によるクロト
ンアルデヒドの副生を減少させることができる。上記酸
としては、有機酸、無機酸が挙げられる。無機酸として
は、りん酸、りん酸のモノ又はジアルキルエステル等が
挙げられる。好ましくは有機酸であり、有機酸として
は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸等の一価カルボン酸;シ
ュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、酒石酸等の
二価カルボン酸等が挙げられるが、さらに好ましくは一
価カルボン酸であり、特に好ましくは酢酸である。酢酸
は、100%酢酸でもよいが、例えば5〜20容量%酢
酸水溶液を使用するのが、中和及び酸性化操作上便利で
ある。水添原料の酸性の程度は、酸性度が1〜30、好
ましくは2〜10である。上記酸性度とは、試料100
mlを、1/10N水酸化ナトリウム水溶液により、フェノ
ールフタレンを指示薬に用いて、中和するに要する1/10
N水酸化ナトリウム水溶液のml数のことである。
度を上記範囲にすることにより、水添反応工程における
触媒のポリマー発生などによる劣化が防げる。酸性度が
上記範囲より低すぎると、触媒の劣化防止が不充分であ
り、上記範囲より高すぎると、クロトンアルデヒドの副
生に基づくブタノールの副生率の増加や水添反応工程の
装置の腐食原因となる。
蒸留、脱水蒸留、脱塩、脱不純物等の前処理工程により
処理して、未反応アセトアルデヒドやクロトンアルデヒ
ド等の副生物を除去したものを使用することができる。
前処理方法としては、蒸留、吸着、イオン交換、加熱高
沸点物化、分解などが挙げられる。蒸留は、減圧、常
圧、加圧、共沸、抽出、反応などの種々の蒸留方法が使
用できる。
はなく、通常、化学合成の水素添加に使用されるもので
あり、例えば純度99重量%以上、好ましくは純度9
9.5重量%以上のものである。
は、特に限定されるものではないが、例えばラネーニッ
ケル等が使用できる。
も行うことができる。触媒は、鹸濁又は充填して使用す
ることができるが、鹸濁させて使用することが好まし
い。例えば、水添原料100重量部に、触媒2〜20重
量部、好ましくは5〜10重量部を添加し、水素圧力8
0〜200kg/cm2、好ましくは120〜150k
g/cm2の下で、110〜140℃、好ましくは12
0〜135℃で、40〜100分間、好ましくは70〜
90分間、混合ないし撹拌下に鹸濁させて反応させる。
水素添加は、水添反応粗液中のアルデヒド基含有量が2
00重量ppm以下、好ましくは50重量ppm以下、
さらに好ましくは20重量ppm以下、特に好ましくは
10重量ppm以下になるように行われる。本発明で
は、水添反応中は液の酸性度が前記範囲に保たれる。
脱不純物、残存二重結合の化学的処理、又はこれらの組
み合わせ等の工程により処理される。脱アルコール蒸留
は、発生したエタノール、イソプロピルアルコール、ブ
タノール等のアルコールを除去するものである。脱水蒸
留は、発生した水分や、不純物を共沸させるために加え
た水を除去するものである。蒸発は、触媒、中和塩や熱
分解性高沸点物を除去するものであり、単蒸留、フラッ
シュ等の加熱滞留時間の短かい操作により行われる。蒸
発は速やかに行われる。残存二重結合の化学的処理は、
二重結合、特にカメレオン試験(JIS K1351の
3.10)により反応する二重結合に水酸化アルカリな
どを付加したり、切断したり、ソジウムボロハイドライ
ドなどにより還元したり、オゾン酸化する操作により行
われる。脱不純物は、その他の低沸点物ブタノン等や高
沸点物等を分離するものであり、蒸留、吸着、イオン交
換等の操作により行われる。蒸留は、沸点の差を利用し
て、得られた1,3−ブチレングリコールから低沸点
物、高沸点物、塩分等を分離できる蒸留方法であれば、
特に制限はなく、減圧、常圧、加圧、共沸、抽出、反応
などの種々の蒸留方法が使用できる。
リコールは、塗料用溶剤、各種化合物を製造するための
中間原料のみならず、精製によっては特に純度が高く、
臭気や味の問題がないグレードのものが得られるので、
保湿剤等の化粧品原料や動物用餌の添加剤として使用可
能である。
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
ルドール縮合反応器に、予め調合したアセトアルデヒド
水溶液(アセトアルデヒド/水=90/10重量比)5
00重量部を仕込み、温度15〜20℃に冷却した。つ
いで、強力に攪拌しながら、0.5%水酸化ナトリウム
水溶液10重量部を少しずつ滴下し、反応温度20℃に
維持して7時間反応させた。次いで、中和槽において、
10容量%の希酢酸水溶液で中和し、2時間熟成させた
後、アルドキサン分解塔に連続的に供給し熱分解を行っ
た。アルドキサン分解塔の頂部からはアセトアルデヒ
ド、クロトンアルデヒド及び水を含む留分を排出し、塔
底部からは、アルドキサン及びパラアルドールを含むア
セトアルドール類を主成分とし、残部のクロトンアルデ
ヒド、その他を副成分とし、水を含む缶出液を連続的に
排出した。缶出液は、中継槽において同希酢酸で酸性度
を2に調整して、水添用原料とした。得られた水添用原
料を、水添触媒であるラネーニッケルの鹸濁した連続懸
濁気泡塔(材質:カーボンスチール)に連続的に供給
し、下記反応条件で水添反応を行い、ラネーニッケルを
濾別して、水添反応粗液を得た。反応条件は、水添用原
料中のアセトアルドール類100重量部に対して、触媒
10重量部、水素6重量部、滞留時間80分、反応温度
135℃、反応圧力140気圧である。水添反応を連続
24時間行った後の水添粗液中の1,3−ブチレングリ
コールの収率は、85重量%であり、ブタノールの副生
率は1.8重量%であった。
0容量%の希酢酸水溶液で酸性度を10に調整して、水
添用原料とした以外は実施例1と同様に行った。水添反
応を連続24時間行った後の水添粗液中の1,3−ブチ
レングリコールの収率は、84重量%であった。また、
合計2,000時間製造を行った後、水添反応器を調べ
たが腐食は見いだされなかった。
性化せず、そのまま水添用原料とした以外は実施例1と
同様に行った。水添反応を連続24時間行った後の水添
粗液中の1,3−ブチレングリコールの収率は、50重
量%であった。また、使用後の水添触媒を取り出して水
洗乾燥後、分析したところ、ラネーニッケル触媒中で水
添原料の重縮合が生じ、触媒性能を低下させていると推
定された。
酸で酸性度を95〜105の範囲に調整して、水添用原
料とした以外は実施例1と同様に行った。水添反応を連
続24時間行った後の水添粗液中の1,3−ブチレング
リコールの収率は、80重量%であり、ブタノールの副
生率は3.0重量%に増加した。
コールが収率良く、経済的に製造され、合成樹脂、界面
活性剤、吸湿剤、高沸点溶剤、不凍液や、特に吸湿性、
低揮発性、低毒性を利用して化粧品の素材としても利用
される。
Claims (3)
- 【請求項1】 塩基性触媒の存在下にアセトアルデヒド
の縮合により得られたアセトアルドール類を、水素添加
触媒の存在下に、酸性で水素添加反応を行うことを特徴
とする1,3−ブチレングリコールの製造方法。 - 【請求項2】 酸性が酸性度(試料100mlを中和す
るのに要する1/10N水酸化ナトリウム水溶液のml数)
1〜30であることを特徴とする請求項1に記載の1,
3−ブチレングリコールの製造方法。 - 【請求項3】 酢酸により酸性にすることを特徴とする
請求項1又は2に記載の1,3−ブチレングリコールの
製造方法。
Priority Applications (5)
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JP2000027037A JP4397495B2 (ja) | 2000-02-04 | 2000-02-04 | 1,3−ブチレングリコールの製造方法 |
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US09/958,129 US6900360B2 (en) | 2000-02-04 | 2001-02-02 | High-purity 1,3-butylen glycol, process for producing 1,3-butylene glycol, and process for producing by-product butanol and butyl acetate |
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DE10190479T DE10190479T1 (de) | 2000-02-04 | 2001-02-02 | 1,3-Butylenglycol von hoher Reinheit, Verfahren zur Herstellung von 1,3-Butylenglycol und Verfahren zur Herstellung von Butanol als Nebenprodukt sowie von Butylacetat |
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Cited By (3)
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-
2000
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