JP2001207816A - 多気筒内燃機関のシリンダブロック - Google Patents
多気筒内燃機関のシリンダブロックInfo
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Abstract
ンダヘッド最端部から還流する潤滑オイルを効率良く回
収する。 【解決手段】 シリンダブロック2の最端部に隣接する
オイル戻し通路41にシリンダブロック2の最端部から
シリンダブロック2の長手方向に沿って形成されたバイ
パス溝44を接続する。バイパス溝44及びオイル戻し
通路41は、隔壁45及び側壁43からなる膨出部46
の内部形成されており、この膨出部46はロアデッキ部
6と変速機取付フランジ18に設けられたボス部22に
接続されている。これによって、変速機取付フランジ1
8が膨出部46及びロアデッキ部からなる箱構造により
支持され、シリンダブロック2の剛性を高めつつ、シリ
ンダヘッド最端部から還流する潤滑オイルを効率良く回
収することができる。
Description
シリンダブロックに関する。
クは、一般に、アルミニウム合金や鋳鉄等を用いて一体
に鋳造されるものであり、複数のシリンダが機関の前後
方向に沿って配置されていると共に、その下部にクラン
クケース上部を形成するスカート部が一体に形成されて
いる。
側部にスタータモータが配設され、このスタータモータ
の先端部が、前記シリンダブロックの後端部に取り付け
られた変速機内部に入り込んだ構成のものが従来から広
く知られている。
ッド側からクランクケース内へ潤滑オイルを戻すための
オイル戻し通路が、シリンダブロックの上下方向に沿っ
て形成されている。
の潤滑オイルを円滑にシリンダブロック下部へ導入する
ためには、シリンダブロックの後端部にもオイル戻し通
路を設けることが好ましいが、上述したように、シリン
ダブロックの後端側の側部には、前記スタータモータが
配設されているため、シリンダブロックの後端部にオイ
ル戻し通路を形成しようとすると、該スタータモータの
脇をオイル戻し通路が通る構成となり、前記スタータモ
ータの取り付け位置が前記シリンダブロックの外側に移
動してしまい、エンジンが全体として大型化してしまう
とういう問題がある。
ータモータが単に配設された構造では、該スタータモー
タが取り付けられる部分を箱構造によって支持すること
ができず、該スタータモータが取り付けられた部分にお
ける前記シリンダブロックの剛性が低下してしまうとい
う問題がある。
の発明は、シリンダヘッドから還流する潤滑オイルをク
ランクケースに導入するオイル戻し通路が、側壁のシリ
ンダボア間に対応する部分に形成された多気筒内燃機関
のシリンダブロックにおいて、シリンダヘッドの最端部
から還流する潤滑オイルをシリンダブロックの最端部に
隣接するオイル戻し通路を介してクランクケースに導入
するバイパス溝が、前記シリンダブロックの最端部と該
最端部に隣接するオイル戻し通路との間の前記側壁に該
シリンダブロックの長手方向に沿って形成されているこ
とを特徴としている。オイル戻し通路はその機能上、シ
リンダブロックを鉛直方向に貫くように形成されるが、
シリンダヘッドの最端部から還流する潤滑オイルを、シ
リンダブロックの最端部にオイル戻し通路を設けて、ク
ランクケースに導入するのではなく、バイパス溝によっ
てシリンダブロックの最端部に隣接するオイル戻し通路
に導入することで、シリンダブロック最端部に配設され
るエンジン補機類等の配置の自由度が向上する。
の発明において、前記シリンダブロックの最端部側に設
けられた変速機取付フランジに該シリンダブロックの側
壁に沿って配設されたスタータモータが取り付けられ、
前記スタータモータが配設される側のシリンダブロック
の側壁には、前記シリンダブロック最端部から前記シリ
ンダブロックの最端部に隣接するシリンダボア間にかけ
て、該シリンダブロックの外側に張り出した膨出部が形
成され、前記膨出部内に前記バイパス溝及び前記シリン
ダブロックの最端部に隣接するオイル戻し通路が設けら
れ、かつ前記膨出部は、前記シリンダブロックのロアデ
ッキ部に連結されていると共に、前記シリンダブロック
の最端部側では前記変速機取付フランジに設けられたボ
ス部に連結されていることを特徴としている。これによ
って膨出部及びロアデッキ部からなる箱構造が、シリン
ダブロックの最端部のスタータモータが取り付けられる
部分に形成される。
2に記載の発明において、前記バイパス溝の底部は、該
バイパス溝が接続されたオイル戻し通路との接続部分で
断面略円弧状を呈し、該オイル戻し通路に対して滑らか
に接続されていることを特徴としている。これによっ
て、シリンダブロックの最端部に隣接するオイル戻し通
路とバイパス溝の底部との接続部分の応力集中が低減さ
れる。
いずれかに記載の発明において、前記多気筒内燃機関は
車両用の内燃機関であり、前記バイパス溝の底部は、前
記シリンダブロックの長手方向に沿って、車両の旋回時
の潤滑性能から要求される所定角度以上の傾斜を有する
よう形成されていることを特徴としている。これによっ
て、車両の旋回運転時に、シリンダヘッド最端部から還
流する潤滑オイルが逆流することなく、シリンダブロッ
ク最端部に隣接するオイル戻し通路に流入する。
クは、シリンダヘッドの最端部から還流する潤滑オイル
をバイパス溝を介し、シリンダブロックの最端部に隣接
するオイル戻し通路に流入させることによって、シリン
ダブロックの最端部に取り付けられるエンジン補機類の
配置の自由度が向上し、エンジン全体のコンパクト化を
図ることができると共に、シリンダヘッド最端部からの
潤滑オイルの回収を容易にすることができる。
クの最端部のスタータモータが取り付けられる部分が、
膨出部及びロアデッキ部からなる箱構造で支持されるこ
とにより、スタータモータが取り付けられる部分の剛性
を上げることができ、総じてシリンダブロック全体の剛
性が上げることができる。そのため、シリンダブロック
に生じる振動を低減することができる。
ダブロックの最端部に隣接するオイル戻し通路とバイパ
ス溝の底部との接続部分の応力集中が低減されるので、
シリンダブロックの耐久信頼性を向上させることができ
る。
項4の発明では、車両の旋回運転時においても、シリン
ダヘッド最端部から還流する潤滑オイルが逆流すること
なく、シリンダブロック最端部に隣接するオイル戻し通
路に円滑に流入させることができる。
基づいて詳細に説明する。
機関のシリンダブロック2として構成した実施例を示し
ている。
るいはアルミニウム合金等を用いて各部一体に鋳造され
たものであって、図1に示すように、シリンダ壁5によ
って4つのシリンダボア4が機関の前後方向に沿って直
列に設けられている。ここで、図1における右側が機関
前端部であり、図1の右側から左側に向かって順に第1
シリンダボア4a、第2シリンダボア4b、第3シリン
ダボア4c、第4シリンダボア4dとなっている。
壁5の下端に位置するロアデッキ部6には、クランクケ
ースの上部を構成するスカート部8が前記シリンダブロ
ック2下方、すなわち図2における下方に向かって形成
されている。
の外周を囲むようにウォータジャケット壁9(図1を参
照)が形成されている。このウォータジャケット壁9と
前記シリンダ壁5との間にはウォータジャケット11が
形成されている。つまり、前記シリンダブロック2の側
壁は、前記ウォータジャケット壁9、前記シリンダ壁5
及び前記スカート部8等によって構成されている。
切るように、気筒間位置並びに機関の前後両端部に隔壁
状のバルクヘッド10が形成されている。このバルクヘ
ッド10の下縁中央部には、クランクシャフト12の上
側半分を支持する軸受部14がそれぞれ形成されてい
る。
ブロック2の後端部、すなわち図1において左側の端部
には、変速機(図示せず)を固定するための変速機取付
フランジ18が形成されている。
8に、図示せぬ取付ボルトによって固定されている。こ
の取付ボルトが挿通される取付ボルト孔20は、その周
囲が厚肉に形成されたボス部22に設けられている。
前記変速機取付フランジ18の上辺部24の両端位置、
図4における左側側辺部26aの略中央位置及び図4に
おける右側側辺部26bの下端位置にそれぞれ設けられ
ている。そして、前記変速機取付フランジ18の前記各
ボス部22が設けられた位置には、前記シリンダブロッ
ク2の後端部の軸受部14からクランクシャフト12の
半径方向に沿って延長されたリブ28がそれぞれ接続さ
れている。
該変速機取付フランジ18に対する前記変速機の位置決
めを行うダウエル孔30が設けられている。
なわち図3における左側の側部には、スタータモータ3
2が配設されている(図1を参照)。
付フランジ18に設けられたスタータモータ取付孔34
に該スタータモータ32の一端側を嵌合させることで、
該変速機取付フランジ18に対する位置決めを行ってい
ると共に、該変速機取付フランジ18に設けられたスタ
ータモータ取付ボルト孔36,36に挿入される取付ボ
ルト(図示せず)によって、該変速機取付フランジ18
に固定される。
タータモータ32が配設される側は、図3に示すよう
に、前記シリンダブロック2の側壁よりも外側に張り出
すよう形成されている。
6,36は、前記スタータモータ取付孔34の上方及び
側方に位置し、これらのスタータモータ取付ボルト孔3
6,36の間に前記スタータモータ取付孔34の中心が
位置するように形成されている。
には、前記シリンダブロック2の長手方向に沿ってメイ
ンオイルギャラリ38が形成されている。このメインオ
イルギャラリ38は、前記スタータモータ32が配設さ
れる側のロアデッキ部6に形成されており、図4に示す
ように、前記シリンダブロック2の後端側では、該スタ
ータモータ取付孔34と前記第4シリンダボア4dとの
間に位置している。
シリンダブロック2の側壁には、オイル戻し通路40,
41が形成されている。
ンダボア4bと前記第3シリンダボア4cとの間に対応
する前記シリンダブロック2の側壁42に形成されてい
る。
ンダボア4cと前記第4シリンダボア4dとの間に対応
する前記シリンダブロック2の側壁43に形成されてい
る。
記シリンダボア4の軸方向、すなわち図2の上下方向に
沿って形成されており、一端がシリンダヘッド側に開口
していると共に、他端がスカート部8の下端に開口して
いる。また、前記オイル戻し通路40,41が設けられ
た部分の側壁42,43は、オイル戻し通路40,41
が設けられていない部分の側壁よりも前記シリンダブロ
ック2の外側に向かって膨出するよう形成されている。
ロック2後端部との間に位置するウォータジャケット壁
9aの外側には、図3に示すように断面略L字形を呈
し、底部45aが前記ウォータジャケット壁9aに接続
された隔壁45が設けられている。この隔壁45の機関
前方側の端部は、図1に示すように、前記第3シリンダ
ボア4cと前記第4シリンダボア4dとの間の膨出した
側壁43に接続され、かつ該隔壁45の機関後方側の端
部は、図5に示すように、前記変速機取付フランジ18
に設けられたボス部22に接続されている。
ケット壁9aとの間には、前記シリンダブロック2の後
端部から前記シリンダブロック2の長手方向に沿ったバ
イパス溝44が形成されている。
路41に接続されている。つまり、前記隔壁45及び前
記側壁43からなる膨出部46の内部に、前記オイル戻
し通路41及び前記バイパス溝44が形成されている。
aによって構成され、前記シリンダブロック2の前端側
に向かって所定の傾斜角度αを有するよう形成されてい
る。詳しくは、車両を旋回運転した時に潤滑性能から要
求される所定角度以上の傾斜を有するよう形成されてお
り、本実施例では、前記底部45aの傾斜角度αは、前
記シリンダブロック2上端面に対して35°以上として
いる。
ロック2の後端部に隣接するオイル戻し通路41との接
続部48が断面略円弧状に形成され、該シリンダブロッ
ク2の後端部に隣接する該オイル戻し通路41に対して
該底部45が屈曲することなく滑らかに接続されてい
る。
スカート部8がクランクシャフト12の回転中心付近ま
で延長されたハーフスカート形式のものである。また、
この実施例においては、前記スカート部8の下端が、オ
イルパン(図示せず)を取り付けるためのオイルパン取
付フランジ54となり、このオイルパンとは別体で、前
記クランクシャフト12の下半分を支持する軸受けキャ
ップが前記軸受部14に取り付けられる構成となってい
るが、このような軸受けキャップを備えたラダーフレー
ムをこのスカート部8の下端に取り付けて、このラダー
フレームに対してオイルパンを取り付けるよう構成する
ことも可能である。
ていない側のシリンダブロック2の側壁にもオイル戻し
通路51,52,53が形成されており、シリンダヘッ
ドから還流する潤滑オイルは、図2及び図3に矢示する
ように、オイル戻し通路40,41,51,52,53
を介して、シリンダブロック2の下方へ流れるが、シリ
ンダヘッドの後端部から還流する潤滑オイルは、バイパ
ス溝44を介してシリンダブロック2の後端部に隣接す
るオイル戻し通路41に流入する。
においては、前記変速機取付フランジ18の前記スター
タモータ32が取り付けられる部分が、膨出部46及び
ロアデッキ部6によって構成された箱構造によって支持
することができるので、該変速機取付フランジ18の前
記スタータモータ32が取り付けられる部分の剛性が向
上し、シリンダブロック2に生じる振動を低減させるこ
とができる。
ダブロック2の後端部に隣接するオイル戻し通路41と
の接続部48で断面略円弧状を呈し、該オイル戻し通路
41と滑らかに接続されているので、該底部45aと該
オイル戻し通路41との接続部48における応力集中が
低減され、高い耐久性及び信頼性を得ることができる。
また、前記シリンダブロック2の後端部側にバイパス溝
44を設けることによって、前記シリンダブロック2の
後端部側に前記シリンダブロック2の上下方向に沿った
オイル戻し通路を設けることなくシリンダヘッド2後端
部から還流する潤滑オイルを回収することができるの
で、スタータモータ32をシリンダブロック2の中心に
近づけることができ、内燃機関全体のコンパクト化を図
ることができると共に、シリンダヘッド2後端部から還
流する潤滑オイルの回収性能を向上させることができ
る。
壁45の底部45aを、シリンダブロック2上端面に対
して所定角度(本実施例では35°)以上に傾斜させ、
車両が旋回した時においても、該底部45aに沿って潤
滑オイルがシリンダヘッド側へと逆流することなく、シ
リンダブロック2下方のオイルパンに潤滑オイルが円滑
に回収されるように構成している。尚、この所定角度
は、車両に要求される最大の旋回能力の程度によって決
まるものである。
ンダヘッドの後端部側から還流する潤滑オイルを前記シ
リンダブロック2の後端部に隣接するオイル戻し通路4
1に合流させているので、クランクケース内に落下した
潤滑オイルのオイルパンまでの流動距離を短縮すること
ができ、クランクケース内でコネクティングロッド等の
可動部品のオイルたたき等により潤滑オイル内に気泡を
発生させることなく効率良くオイルパンに潤滑オイルを
回収することができる。
面図。
面図。
端部側の側面図。
Claims (4)
- 【請求項1】 シリンダヘッドから還流する潤滑オイル
をクランクケースに導入するオイル戻し通路が、側壁の
シリンダボア間に対応する部分に形成された多気筒内燃
機関のシリンダブロックにおいて、 シリンダヘッドの最端部から還流する潤滑オイルをシリ
ンダブロックの最端部に隣接するオイル戻し通路を介し
てクランクケースに導入するバイパス溝が、前記シリン
ダブロックの最端部と該最端部に隣接するオイル戻し通
路との間の前記側壁に該シリンダブロックの長手方向に
沿って形成されていることを特徴とする多気筒内燃機関
のシリンダブロック。 - 【請求項2】 前記シリンダブロックの最端部側に設け
られた変速機取付フランジに該シリンダブロックの側壁
に沿って配設されたスタータモータが取り付けられ、前
記スタータモータが配設される側のシリンダブロックの
側壁には、前記シリンダブロック最端部から前記シリン
ダブロックの最端部に隣接するシリンダボア間にかけ
て、該シリンダブロックの外側に張り出した膨出部が形
成され、前記膨出部内に前記バイパス溝及び前記シリン
ダブロックの最端部に隣接するオイル戻し通路が設けら
れ、かつ前記膨出部は、前記シリンダブロックのロアデ
ッキ部に連結されていると共に、前記シリンダブロック
の最端部側では前記変速機取付フランジに設けられたボ
ス部に連結されていることを特徴とする請求項1に記載
の多気筒内燃機関のシリンダブロック。 - 【請求項3】 前記バイパス溝の底部は、該バイパス溝
が接続されたオイル戻し通路との接続部分で断面略円弧
状を呈し、該オイル戻し通路に対して滑らかに接続され
ていることを特徴とする請求項1または2に記載の多気
筒内燃機関のシリンダブロック。 - 【請求項4】 前記多気筒内燃機関は車両用の内燃機関
であり、前記バイパス溝の底部は、前記シリンダブロッ
クの長手方向に沿って、車両の旋回時の潤滑性能から要
求される所定角度以上の傾斜を有するよう形成されてい
ることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の多
気筒内燃機関のシリンダブロック。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2000018219A JP3736254B2 (ja) | 2000-01-27 | 2000-01-27 | 多気筒内燃機関のシリンダブロック |
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Publications (2)
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ID=18545095
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Country Status (1)
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Cited By (7)
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KR101371839B1 (ko) | 2008-07-07 | 2014-03-07 | 현대자동차주식회사 | 실린더 보어 외벽을 이용한 강성 강화 타입 실린더 블록 |
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2000
- 2000-01-27 JP JP2000018219A patent/JP3736254B2/ja not_active Expired - Lifetime
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