JP2014122566A - 内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】オイルの温度上昇を抑制することが可能な内燃機関を提供する。
【解決手段】このエンジン(内燃機関)1は、シリンダヘッド21の上部オイル通路211a〜211c(211d)が合流する第1オイル室222a(第2オイル室222b)が設けられたシリンダブロック22を備える。シリンダブロック22の第1オイル室222a(第2オイル室222b)には、上流側に曲面部224a(224c)と、下流側に傾斜面部224b(224d)とを含む底面220a(220b)が設けられる。上流側の曲面部224a(224c)は、接線が水平方向となる前に下流側の傾斜面部224b(224d)と接続される。シリンダヘッド21の上部オイル通路211a〜211c(211d)は、シリンダブロック22の第1オイル室222a(第2オイル室222b)の底面220a(220b)の傾斜方向に沿うように傾斜している。
【選択図】図5

Description

本発明は、内燃機関に関し、特に、シリンダヘッドのオイル戻し通路が合流するオイル戻し空間が設けられたシリンダブロックを備える内燃機関に関する。
従来、シリンダヘッドのオイル戻し通路が合流するオイル戻し空間が設けられたシリンダブロックを備える内燃機関が知られている(例えば、特許文献1参照)。
上記特許文献1に開示された内燃機関は、シリンダヘッドと、シリンダヘッドの下方に配置されたシリンダブロックと、シリンダブロックの下方に配置されたオイルパンとを備えている。また、シリンダブロックには、4つのシリンダボアが設けられている。
4つのシリンダボアの外周には、4つのシリンダボアを囲むようにウォータジャケットが設けられている。ウォータジャケットの外側には、所定の間隔を隔てて5つのオイル通路が設けられている。これらのオイル通路は、シリンダボアの軸方向に沿って延びるように形成されている。
5つのオイル通路のうちシリンダブロックの最端部に配置されたオイル通路には、シリンダボアの列方向に沿ってオイルが流れるバイパス溝が接続されている。また、シリンダヘッドから流下したオイルは、シリンダブロックのバイパス溝およびオイル通路(オイル戻し空間)に流下する。これらに流下したオイルは、ウォータジャケットにより冷却されながらオイルパンに流れる。
特開2001−207816号公報
例えば、内燃機関を高出力化する場合には、高出力化に伴って、オイルの冷却性能を向上させる必要がある。また、冷却性能を向上させるためには、オイル通路(オイル戻し空間)におけるオイルの流速を確保して、オイルとシリンダブロックのウォータジャケットとの熱交換を促進する必要がある。
しかしながら、上記特許文献1に開示された内燃機関では、シリンダブロックのオイル通路におけるオイルの流速を確保する点についてまでは、記載も示唆もされていない。このため、従来の内燃機関では、オイルとウォータジャケットとの熱交換を促進するという点については不十分であると考えられるため、冷却性能が確保できない恐れがある。
特に、シリンダヘッドから流下するオイルがシリンダブロックのオイル通路に複数合流する場合には、合流部においてオイルの流速が低下する恐れがある。オイルの流速が低下した場合には、オイルからウォータジャケットの冷却水への熱伝達(放熱効果)が低下するため、オイルの温度が上昇するという問題点がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、オイルの温度上昇を抑制することが可能な内燃機関を提供することを目的としている。
上述の課題を解決するための手段として、本発明による内燃機関は、以下のように構成されている。
すなわち、本発明による内燃機関は、少なくとも1つのオイル戻し通路が設けられたシリンダヘッドと、前記シリンダヘッドの下方に配置され、前記シリンダヘッドのオイル戻し通路が合流するオイル戻し空間が設けられたシリンダブロックとを備える構成を前提とするものである。
また、本発明による内燃機関では、前記シリンダブロックのオイル戻し空間には、オイル流れ方向の上流側に設けられた下方に向かって凸の曲面形状を有する第1傾斜部と、オイル流れ方向の下流側に設けられた水平方向に対して下方へ傾斜する形状を有する第2傾斜部とを含む傾斜部が設けられ、前記シリンダブロックのオイル戻し空間の上流側の第1傾斜部は、前記第1傾斜部の接線が水平方向となる前に前記下流側の第2傾斜部と接続され、前記シリンダヘッドのオイル戻し通路は、前記シリンダブロックのオイル戻し空間の傾斜部の傾斜方向に沿うように傾斜していることを特徴としている。
かかる構成を備える内燃機関によれば、シリンダヘッドのオイル戻し通路から流下するオイルの流れる方向をシリンダブロックのオイル戻し空間内の傾斜部の表面に沿った方向(オイルの主流と同方向)に誘導することができる。これにより、シリンダブロックのオイル戻し空間内にオイルが流下した際に、オイルに主流方向(オイルが排出される方向)の流速を与えることができる。その結果、シリンダブロックのオイル戻し空間の傾斜部を流れるオイルの流速低下が抑制されるので、オイルの温度上昇を抑制することができる。
また、シリンダブロックのオイル戻し空間の上流側においては、第1傾斜部を下方に向かって凸の曲面形状とすることにより、シリンダヘッドのオイル戻し通路から流下するオイルの流速が大きくなるようにオイルを下方に流すことができるので、位置エネルギーを流速向上に利用することができる。また、オイル戻し空間の下流側においては、第2傾斜部を水平よりも下向き傾斜(オイルを流下させる方向)に傾斜させることにより、シリンダヘッドのオイル戻し通路から流下するオイルの流速低下を抑制しながら、オイルを下方に導くことができる。
ここで、オイル戻し空間におけるオイルの流速が小さい場合には、オイル戻し空間のウォータジャケットとの境界壁面に動きの滞ったオイルの層ができることに起因して、オイルとウォータジャケットとの熱交換が促進されないという不都合がある。これに対して、オイル戻し空間におけるオイルの流速が大きい場合には、オイル戻し空間のウォータジャケットとの境界壁面のオイルが速やかに流れるので、オイルの流速が小さい場合と比べて、オイル戻し空間のウォータジャケットとの境界壁面に動きの滞ったオイルの層が薄くなり、その分、オイルとウォータジャケットとの熱交換を促進することができる。
すなわち、本発明では、上記の構成により、オイル戻し空間におけるオイルの流速を確保することにより、オイルとシリンダブロックのウォータジャケットとの熱交換を促進することができる。なお、オイル戻し空間におけるオイルの流速は、動きの滞ったオイルの層が薄くなるような流速以上となることが望ましい。
本発明の具体的な構成として、以下の複数のものが挙げられる。
本発明による内燃機関において、好ましくは、前記シリンダブロックには、複数のシリンダボアが設けられ、前記シリンダヘッドのオイル戻し通路は、前記シリンダブロックの複数のシリンダボアの列方向に沿って設けられた複数の前記オイル戻し通路を含み、前記複数のオイル戻し通路のうち少なくとも1つのオイル戻し通路は、前記シリンダブロックのオイル戻し空間の傾斜部の傾斜方向に沿うように傾斜していることを特徴とする。このように構成すれば、シリンダヘッドの複数のオイル戻し通路のうち少なくとも1つから流下するオイルの流れる方向をシリンダブロックのオイル戻し空間の傾斜部の表面に沿った方向に誘導することができる。これにより、シリンダヘッドの傾斜したオイル戻し通路から流下したオイルがシリンダブロックのオイル戻し空間内に流下した際に、他の傾斜していないオイル戻し通路から流下したオイルに主流方向の流速を与えることができるので、シリンダブロックのオイル戻し空間の傾斜部を流れるオイルの流速低下を抑制することができる。
また、この場合、好ましくは、前記シリンダヘッドの複数のオイル戻し通路のうち全てのオイル戻し通路は、前記シリンダブロックのオイル戻し空間の傾斜部の傾斜方向に沿うように傾斜していることを特徴とする。このように構成すれば、シリンダヘッドの全てのオイル戻し通路から流下するオイルの流れる方向をシリンダブロックのオイル戻し空間の傾斜部の表面に沿った方向に誘導させることができる。これにより、シリンダブロックのオイル戻し空間内にオイルが流下した際に、流下するオイル全てに主流方向の流速を与えることができるので、よりシリンダブロックのオイル戻し空間の傾斜部を流れるオイルの流速低下を抑制することができる。
また、上記複数のオイル戻し通路を備える構成において、好ましくは、前記シリンダヘッドの複数のオイル戻し通路は、前記シリンダブロックのオイル戻し空間の傾斜部の傾斜方向に沿うように傾斜した第1オイル戻し通路と、前記シリンダボアの軸方向に沿って延びるように設けられた第2オイル戻し通路とを含み、前記シリンダヘッドの第2オイル戻し通路は、前記シリンダブロックのオイル戻し空間の前記複数のシリンダボアの列方向に対して外側に配置され、前記シリンダヘッドの第1オイル戻し通路は、前記複数のシリンダボアの列方向に対して前記第2オイル戻し通路よりも内側に配置されていることを特徴とする。このように構成すれば、シリンダヘッドの複数のシリンダボアの列方向の外側(端部近傍)においては、オイル戻し通路が傾斜していないことにより、シリンダヘッドの複数のシリンダボアの列方向への大きさが大きくなるのを抑制することができる。また、複数のシリンダボアの列方向の内側においては、オイル戻し通路から流下するオイルの流れる方向をシリンダブロックのオイル戻し空間の傾斜部の表面に沿った方向に誘導させることができる。これにより、シリンダブロックのオイル戻し空間の内側部分にオイルが流下した際に、流下するオイルに主流方向の流速を与えることができる。これらの結果、シリンダヘッドの大きさが大きくなるのを抑制しながら、オイルの流速低下を抑制することができる。
また、本発明による内燃機関において、好ましくは、前記シリンダブロックのオイル戻し空間の傾斜部の傾斜方向に沿うように傾斜した前記シリンダヘッドのオイル戻し通路は、曲線形状又は直線形状を有することを特徴とする。このように構成すれば、シリンダヘッドのオイル戻し通路が曲線形状の場合には、曲線形状のオイル戻し通路から流下するオイルがオイル戻し空間の傾斜部の表面に沿って流れやすくなる。また、シリンダヘッドのオイル戻し通路が直線形状の場合には、オイル戻し形状を曲線形状に形成する場合に比べて形成し易い形状となるとともに、容易に直線形状のオイル戻し通路から流下するオイルをオイル戻し空間の傾斜部の表面に沿って流すことができる。これらの結果、シリンダブロックのオイル戻し空間の傾斜部を流れるオイルの流速低下を抑制することができる。
上記のように、本発明による内燃機関によれば、オイルの温度上昇を抑制することができる。
本発明の第1実施形態によるエンジンにおけるオイルの循環系統の一例を示す構成図である。 第1実施形態によるエンジンブロックの一例を示す斜視図である。 第1実施形態によるエンジンブロックに形成されたオイル通路の一例を示す透視斜視図である。 第1実施形態によるシリンダブロックの平面図である。 図4に示すシリンダブロックのA−A断面を示す図である。 図4に示すシリンダヘッド及びシリンダブロックのB−B断面を示す図である。 第1実施形態によるシリンダブロックにおけるオイル通路の接続状態を示す部分拡大図である。 本発明の第2実施形態によるシリンダヘッド及びシリンダブロックの断面図である。 本発明の第3実施形態によるシリンダヘッド及びシリンダブロックの断面図である。
以下、本発明に係る内燃機関の実施形態について、図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
−オイル循環系統−
図1〜図7を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。まず、図1を参照して、本発明に係る直列4気筒エンジンにおけるオイルの循環系統について説明する。エンジン1は、ピストン11、クランクシャフト12、カムシャフト13等の種々の被潤滑機構が配設されるエンジンブロック2と、当該種々の被潤滑機構を潤滑するオイルをエンジン1内で循環させる潤滑系統3とを備えている。なお、エンジン1は、本発明の「内燃機関」の一例である。
エンジンブロック2は、図2に示すように、シリンダヘッド21およびシリンダブロック22を備えている。また、シリンダヘッド21およびシリンダブロック22には、図1に示すように、ピストン11、クランクシャフト12、カムシャフト13等の種々の被潤滑部材が配設されている。エンジンブロック2の下端部には、これらの被潤滑部材に対して供給されるべきオイルを貯留する部材であるオイルパン30が配設されている。
潤滑系統3は、オイルパン30の内側に貯留されているオイルを上記の種々の被潤滑部材へ供給可能とするべく、以下の通り構成されている。
オイルパン30の内側には、オイルストレーナ31が配設されている。オイルストレーナ31は、オイル内の異物等を除去するものであって、オイルパン30に貯留されているオイルを吸い込むための吸込口31aを有し、ストレーナ流路33を介して、エンジンブロック2に設けられたオイルポンプ32に接続されている。
オイルポンプ32は、オイルパン30に収納されたオイルを吸い上げて、オイルフィルタ34を介して、被潤滑部材に対して、潤滑油として供給するポンプであって、例えば、ロータリーポンプ等から構成されている。また、オイルポンプ32のロータは、クランクシャフト12の回転に伴って回転するべく、クランクシャフト12に係合されている。更に、オイルポンプ32は、エンジンブロック2の外部に設けられたオイルフィルタ34のオイル入口と、オイル輸送管35を介して接続されている。オイルフィルタ34のオイル出口は、上記の種々の被潤滑部材に向かうオイル流路として設けられたオイル供給管36と接続されている。
エンジン1の運転が開始されると、クランクシャフト12の回転に伴ってオイルポンプ32が駆動される。そして、図1に矢印VOで示すように、オイルポンプ32は、オイルパン30に貯留されているオイルをオイルストレーナ31の吸込口31aから吸入し、吸入されたオイルを、オイル輸送管35、オイルフィルタ34、オイル供給管36を順次経由して、エンジンブロック2内の潤滑対象である被潤滑部材に供給する。このようにして被潤滑部材に供給されたオイルは、被潤滑部材にて潤滑油として機能すると共に、被潤滑部材の動作時に生じる摩擦熱等の熱を吸収した後、重力によって流下してオイルパン30に回収される。
−シリンダヘッド−
次に、シリンダヘッド21の構造について説明する。シリンダヘッド21は、図1に示すように、その上部にカムシャフト13等の種々の被潤滑部材が配設されると共に、図2および図3に示すように、その側面に4個の排気ポート214が配設されている。
各排気ポート214は、それぞれ、シリンダボア223に接続され、図略のエキゾーストマニホールドに対して排気ガスを排出するものである。また、シリンダヘッド21と、シリンダブロック22との間には、燃焼ガス、冷却水およびオイル漏れを防止するシリンダヘッドガスケット(図示せず)が組み付けられている。また、図3に示すように、シリンダヘッド21には、4つの上部オイル通路211(211a、211b、211c、211d)が間隔を隔てて設けられている。なお、上部オイル通路211(211a、211b、211c、211d)は、本発明の「オイル戻し通路」の一例である。
−シリンダブロック−
次に、シリンダブロック22の構造について説明する。シリンダブロック22は、図2に示すように、ウォータジャケット221、中部オイル通路222(222a及び222b)、および、シリンダボア223を備えている。なお、中部オイル通路222は、本発明の「オイル戻し空間」の一例である。
シリンダボア223は、略円筒状に形成され、ピストン11(図1参照)が摺動自在に収納されて、上端部に燃焼室(図示せず)が形成されるものである。なお、燃焼室は、ピストン11の頂面、シリンダボア223の内周面、および、シリンダヘッド21の下側表面の一部によって構成される。
ウォータジャケット221は、冷却水によってシリンダボア223の壁面を冷却するものであって、シリンダボア223(シリンダボア223a、223b、223cおよび223d)の外周に沿って形成されている。また、ウォータジャケット221には、図略の流入口および流出口が形成されている。
ウォータジャケット221の流入口は、図略のウォータポンプから冷却水が供給可能に構成されている。流入口から流入した冷却水は、図4に示すように、シリンダボア223a、223b、223c、223dのそれぞれの外周に沿って順次矢印VWの向きに流れ、シリンダボア223dの外周に形成された流出口から排出される。流出口から排出された冷却水は、図略のラジエータに送出可能に構成され、当該ラジエータにおいて、冷却水によって回収された熱が大気に放出される。
−オイル通路の全体構成−
まず、オイル通路の全体構成について説明する。図1および図3に示すように、シリンダヘッド21の上部オイル通路211は、シリンダヘッド21の上方に配設されたカムシャフト13等の被潤滑部材から流下したオイルを、シリンダブロック22の上端位置近傍まで流下させる通路である。中部オイル通路222は、シリンダヘッド21の上部オイル通路211a〜211dから流下するオイルが流れ込むように構成されているとともに、上部オイル通路211から流下したオイルを、オイルパン30まで流下させる通路である。
すなわち、シリンダヘッド21の上方に配設されたカムシャフト13等の被潤滑部材から流下したオイルは、シリンダヘッド21に形成された上部オイル通路211、および、シリンダブロック22に形成された中部オイル通路222を順次経由して、オイルパン30まで流下する。
−上部及び中部オイル通路の構成−
次に、上部オイル通路211a〜211dの構成について説明する。図3に示すように、シリンダヘッド21の4つの上部オイル通路211a〜211dは、シリンダボア223の列方向(X軸方向)に沿って所定の間隔を隔てて配置されている。
中部オイル通路222は、シリンダヘッド21の上部オイル通路211a〜211dから流下したオイルを、シリンダブロック22の下方に配設されたオイルパン30(図1参照)まで流下させる通路である。中部オイル通路222は、2つの第1オイル室222aおよび第2オイル室222bを含んでいる。また、第1オイル室222aおよび第2オイル室222bの下方には、後述する接続通路226を介して下部オイル通路222cが接続されている。なお、第1オイル室222aは、本発明の「オイル戻し空間」の一例である。
第1オイル室222aおよび第2オイル室222bは、図5に示すように、それぞれ、上部オイル通路211a〜211d内を流下するオイルを、ウォータジャケット221(図4参照)の下端位置近傍まで流下させるオイル通路として機能する。これにより、第1オイル室222aおよび第2オイル室222b内のオイルをウォータジャケット221内の冷却水と効率的に熱交換させることができ、第1オイル室222aおよび第2オイル室222b内においてオイルを充分に冷却することが可能となる。
図4に示すように、第1オイル室222aおよび第2オイル室222bは、それぞれ、ウォータジャケット221に沿って4個のシリンダボア223(223a〜223d)の列方向(X軸方向、図4では左右方向)に延設されている。また、第1オイル室222aおよび第2オイル室222bは、幅方向(Y方向)と比較して上下方向(図3のZ方向)が長い扁平形状に形成されている。
また、中部オイル通路222の中央部よりも第2オイル室222b側には、第1オイル室222aと第2オイル室222bとを区画する隔壁部24が形成されている。隔壁部24の下端部24aには、オイルを流すためのオイル通路が形成されている。
第1オイル室222aおよび第2オイル室222bは、それぞれ、略水平に(X軸方向に沿って)形成されている。すなわち、第1オイル室222aおよび第2オイル室222bは、概ねX軸方向と平行に形成されている。
第1オイル室222aおよび第2オイル室222bは、オイルの流れる方向(下方向)に向かってオイル室の幅が狭くなるように形成されている。すなわち、第1オイル室222aおよび第2オイル室222bは、オイルの流下する方向(下方向)に向かって先細りするテーパ形状を有している。
図5に示すように、第1オイル室222aの上方には、3つの上部オイル通路211a〜211cが間隔を隔てて配置されている。また、第2オイル室222bの上方には、1つの上部オイル通路211dが配置されている。また、上部オイル通路211a及び211dは、中部オイル通路222のX方向の端部に配置されている。上部オイル通路211b及び211cは、中部オイル通路222のX方向の端部よりも内側に配置されている。
第1オイル室222aの底面220aは、3つの上部オイル通路211a〜211cから流下するオイルを下方向(接続通路226方向)に導くように、下部オイル通路222c(図3参照)方向に向かって延びている。また、第2オイル室222bの底面220bは、1つの上部オイル通路211dから流下するオイルを下方向(接続通路226方向)に導くように下部オイル通路222c方向に向かって延びている。
ここで、第1実施形態では、シリンダヘッド21の3つの上部オイル通路211a〜211cは、シリンダブロック22の第1オイル室222aの底面220aの傾斜方向に沿うように傾斜している。シリンダヘッド21の1つの上部オイル通路211dは、第2オイル室222bの底面220bの傾斜方向に沿うように傾斜している。換言すると、4つの上部オイル通路211a〜211dは、シリンダヘッド21とシリンダブロック22との合わせ面に対して、所定の角度傾斜した状態で配置されている。なお、底面220a及び220bは、本発明の「傾斜部」の一例である。
より具体的には、上部オイル通路211a〜211dは、それぞれ、シリンダボア223の軸方向(Z軸方向)に沿って湾曲するような曲線形状に形成された孔である。3つの上部オイル通路211a〜211cは、シリンダボア223の列方向の外側(矢印X2方向側)から内側(矢印X1方向側)に向かって湾曲するように形成されている。1つの上部オイル通路211dは、シリンダボア223の列方向の外側(矢印X1方向側)から内側(矢印X2方向側)に向かって湾曲するように形成されている。換言すると、シリンダヘッド21の上部オイル通路211a〜211dは、接続通路226方向を向くように配置されている。
上部オイル通路211a〜211dは、サイクロイド曲線に基づく曲線形状を有している。このサイクロイド曲線形状とは、重力場のもとで質点が任意の2点間を最短時間で移動することのできる曲線形状を意味している。換言すると、各上部オイル通路211a〜211dの上端部と下端部との2点間を最も短い時間でオイルが流れるような曲線形状を意味している。なお、上記のような曲線を最速降下曲線ともいう。
また、第1オイル室222aの底面220aは、曲面部224a及び傾斜面部224bを含んでいる。曲面部224aは、壁面22a(矢印X2方向側)から下方向(オイルパン30方向)に向かって凸の曲面形状を有するように形成されている。傾斜面部224bは、曲面部224aの接続通路226側に曲面部224aと接続されるように形成されている。また、曲面部224aおよび傾斜面部224bは、第1オイル室222a(中部オイル通路222)の扁平形状に沿った方向(X軸方向)に延びるように形成されている。なお、曲面部224aは、本発明の「第1傾斜部」の一例であり、傾斜面部224bは、本発明の「第2傾斜部」の一例である。
曲面部224aは、上部オイル通路211a〜211dと同様にサイクロイド曲線に基づく曲線形状を有している。この曲面部224aは、図5に示すように、点Oおよび点Pの2点間を通る曲線(曲面部224a)上を流れるオイルと、直線(破線)上を流れるオイルとでは、曲線(曲面部224a)上を流れるオイルの方が点Oから点Pの2点間を最も短い時間で流れるような形状を有している。
傾斜面部224bは、シリンダヘッド21とシリンダブロック22との合わせ面に沿った方向(水平方向、X軸方向)に対して、所定の角度傾斜した状態で形成されている。また、傾斜面部224bの傾斜角度は、曲面部224aの点Pにおける接線Q−Rの傾斜角度と略等しい。また、曲面部224aの点Pにおける接線Q−Rは、水平方向(シリンダヘッド21とシリンダブロック22との合わせ面に沿った方向)に対して接続通路226側に傾斜している。
また、第2オイル室222bは、曲面部224c及び傾斜面部224dを含んでいる。曲面部224cは、壁面22b(矢印X1方向側)から下方向(オイルパン30方向)に向かって凸の曲面形状を有するように形成されている。傾斜面部224dは、曲面部224cの接続通路226側に曲面部224cと接続されるように形成されている。また、曲面部224cおよび傾斜面部224dは、第2オイル室222b(中部オイル通路222)の扁平形状に沿った方向(X軸方向)に延びるように形成されている。曲面部224cは、上部オイル通路211dの下方近傍の領域(点T)にまで延び、その後、傾斜面部224dとなる。
この曲面部224cは、上記した第1オイル室222aの曲面部224aと同様に、サイクロイド曲線に基づく曲線形状を有している。曲面部224cは、図5に示すように、点Sおよび点Tの2点間を通る曲線(曲面部224c)上を流れるオイルと、直線(破線)上を流れるオイルとでは、曲線(曲面部224c)上を流れるオイルの方が点Sから点Tの2点間を最も短い時間で流れるような形状を有している。
曲面部224cの接続通路226側に接続された傾斜面部224dは、シリンダヘッド21とシリンダブロック22との合わせ面に沿った方向(水平方向、X軸方向)に対して、所定の角度傾斜した状態で形成されている。また、傾斜面部224dの傾斜角度は、曲面部224cの点Tにおける接線U−Vの傾斜角度と略等しい。また、曲面部224cの点Tにおける接線U−Vは、水平方向(シリンダヘッド21とシリンダブロック22との合わせ面に沿った方向)に対して接続通路226側に傾斜している。
ここで、シリンダヘッド21からシリンダブロック22へオイルが流れる経路について説明する。まず、シリンダヘッド21の上部オイル通路211a〜211dを流下したオイルは、これらの上部オイル通路の曲線形状に沿って第1オイル室222aの底面220a及び第2オイル室222bの底面220bへ向けて流下する。
上部オイル通路211aから流下したオイルは、第1オイル室222aの曲面部224a(底面220a)の表面に沿って、傾斜面部224bへと流れる。このとき、上部オイル通路211aから流下したオイルは、曲面部224aの曲線形状に沿って流速が最も速い状態(流速が確保された状態)で傾斜面部224b側に流れる。なお、上部オイル通路211aの曲率半径と曲面部224aの曲率半径とを略等しくすることにより、上部オイル通路211aから曲面部224aに流れるオイルの流速が低下しにくくなる。
上部オイル通路211bから流下したオイルは、第1オイル室222aの曲面部224aと傾斜面部224bとの境界近傍に流下する。そして、上部オイル通路211bから流下するオイルは、底面220aの傾斜方向に沿った方向に流下する。これにより、上部オイル通路211bから流下するオイルの流れる方向は、上部オイル通路211aから流下するオイルの流れる方向(主流方向)と同方向であるので、オイルの合流時においてオイルの流速が低下しにくくなる。
上部オイル通路211cから流下したオイルは、接続通路226近傍に流下することとなる。これにより、上部オイル通路211cから流下するオイルは、他の上部オイル通路から流下するオイルの流れ(流速)を妨げることなく流下する。
上部オイル通路211dから流下したオイルは、第2オイル室222bの曲面部224c(底面220b)の表面に沿って、傾斜面部224dへと流れる。このとき、上部オイル通路211dから流下したオイルは、曲面部224cの曲線形状に沿って流速が最も速い状態(流速が確保された状態)で傾斜面部224d側に流れる。なお、上部オイル通路211dの曲率半径と曲面部224cの曲率半径とを略等しくすることにより、上部オイル通路211dから曲面部224cに流れるオイルの流速が低下しにくくなる。
上部オイル通路211a〜211cから第1オイル室222a内へ流下して下部オイル通路222cへ流れるオイルは、ウォータジャケット221内を流れる冷却水で冷却されながら、矢印X1方向(図5の右側方向)に流れ、下部オイル通路222cへ流れる。
また、上部オイル通路211dから第2オイル室222b内へ流下して下部オイル通路222cへ流れるオイルは、ウォータジャケット221内を流れる冷却水で冷却されながら、矢印X2方向(図5の左側方向)に流れ、下部オイル通路222cへ流入する。
図6に示すように、下部オイル通路222cは、第1オイル室222a(第2オイル室222b)から流下したオイルを、オイルパン30まで流下させる通路である。また、下部オイル通路222cは、ウォータジャケット221の下端位置近傍で、第1オイル室222aおよび第2オイル室222b内に流下したオイルを合流させて、その後、略垂直にオイルパン30まで流下させるべく形成されている(図3および図6参照)。
これにより、ウォータジャケット221の下端位置を通過したオイルを速やかにオイルパン30まで流下させることができるので、下部オイル通路222c内を通過する際のオイルの受熱を抑制することが可能である。
−中部オイル通路と下部オイル通路との接続部の構造−
次に、図7を参照して、第1オイル室222aおよび第2オイル室222bと、下部オイル通路222cとの接続部の構造について説明する。図7(a)は、第1オイル室222aおよび第2オイル室222bと、下部オイル通路222cとの接続部近傍の上面図であり、図7(b)は、第1オイル室222aおよび第2オイル室222bと、下部オイル通路222cとの接続部近傍の側面図である。
第1オイル室222aおよび第2オイル室222bの下端部と、下部オイル通路222cの上端部との間には、接続通路226が形成されている。接続通路226は、Y軸方向(紙面に対して手前方向および奥行方向)に略円柱状に形成されている。
また、接続通路226の上側面における矢印Y2方向の端部には、略方形状の孔225が形成されている。孔225は、第1オイル室222aおよび第2オイル室222bから接続通路226へ、オイルを流下可能にするものである。すなわち、第1オイル室222aおよび第2オイル室222bを流下したオイルは、それぞれ、孔225を通過して、接続通路226へ流入する。そして、孔225を通過して接続通路226へ流入したオイルは、接続通路226を矢印Y1方向に流れる。
更に、接続通路226の下側面における矢印Y1方向の端部には、略方形状の孔227が形成されている。孔227は、接続通路226から下部オイル通路222cの垂直通路へ、オイルが流下可能にするものである。すなわち、接続通路226を矢印Y1方向に流れたオイルは、孔227を通過して、下部オイル通路222cの垂直通路へ流入する。
以上説明したように、第1実施形態によるエンジンによれば、以下に列記するような効果が得られる。
第1実施形態では、上記のように、シリンダヘッド21の上部オイル通路211a〜211dをシリンダブロック22の第1オイル室222a(第2オイル室222b)の底面220a(底面220b)の傾斜方向に沿うように傾斜させる。これにより、シリンダヘッド21の上部オイル通路211a〜211dから流下するオイルの流れる方向をシリンダブロック22の第1オイル室222a(第2オイル室222b)内の底面220a(底面220b)の表面に沿った方向(オイルの主流と同方向)に誘導することができる。
その結果、シリンダブロック22の第1オイル室222a(第2オイル室222b)内にオイルが流下した際に、オイルに主流方向(オイルが排出される方向)の流速を与えることができる。これにより、シリンダブロック22の第1オイル室222a(第2オイル室222b)の底面220a(底面220b)を流れるオイルの流速低下が抑制されるので、オイルの温度上昇を抑制することができる。
また、シリンダブロック22の第1オイル室222a(第2オイル室222b)の上流側においては、曲面部224a(曲面部224c)を下方に向かって凸の曲面形状とすることにより、シリンダヘッド21の上部オイル通路211a〜211dから流下するオイルの流速が大きくなるようにオイルを下方に流すことができるので、位置エネルギーを流速向上に利用することができる。また、第1オイル室222a(第2オイル室222b)の下流側においては、傾斜面部224b(傾斜面部224d)を水平よりも下向き傾斜(オイルを戻す方向)に傾斜させることにより、シリンダヘッド21の上部オイル通路211a〜211dから流下するオイルの流速低下を抑制しながら、オイルを下方に導くことができる。
ここで、第1オイル室222a(第2オイル室222b)におけるオイルの流速が小さい場合には、第1オイル室222a(第2オイル室222b)のウォータジャケット221との境界壁面に動きの滞ったオイルの層ができることに起因して、オイルとウォータジャケット221との熱交換が促進されないという不都合がある。これに対して、第1オイル室222a(第2オイル室222b)におけるオイルの流速が大きい場合には、第1オイル室222a(第2オイル室222b)のウォータジャケット221との境界壁面のオイルが速やかに流れるので、オイルの流速が小さい場合と比べて、第1オイル室222a(第2オイル室222b)のウォータジャケット221との境界壁面に動きの滞ったオイルの層が薄くなり、その分、オイルとウォータジャケット221との熱交換を促進することができる。
すなわち、第1実施形態では、上記のように、第1オイル室222a(第2オイル室222b)におけるオイルの流速を確保することにより、オイルとシリンダブロック22のウォータジャケット221との熱交換を促進することができる。なお、第1オイル室222a(第2オイル室222b)におけるオイルの流速は、動きの滞ったオイルの層が薄くなるような流速以上となることが望ましい。
また、第1実施形態では、上記のように、シリンダヘッド21の4つの上部オイル通路211a〜211dを、シリンダブロック22の第1オイル室222a(第2オイル室222b)の底面220a(底面220b)の傾斜方向に沿うように傾斜させる。これにより、シリンダヘッド21の全ての上部オイル通路211a〜211dから流下するオイルの流れる方向をシリンダブロック22の第1オイル室222a(第2オイル室222b)の底面220a(底面220b)の表面に沿った方向(オイルの主流と同方向)に誘導することができる。その結果、シリンダブロック22の第1オイル室222a(第2オイル室222b)内にオイルが流下した際に、流下するオイル全てに主流方向の流速を与えることができるので、よりシリンダブロック22の第1オイル室222a(第2オイル室222b)の底面220a(底面220b)を流れるオイルの流速低下を抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、シリンダヘッド21の上部オイル通路211a〜211dを曲線形状に形成する。これにより、シリンダヘッド21の上部オイル通路211a〜211dが曲線形状の場合には、曲線形状の上部オイル通路211a〜211dから流下するオイルが第1オイル室222a(第2オイル室222b)の底面220a(底面220b)の表面に沿って流れやすくなる。その結果、シリンダブロック22の第1オイル室222a(第2オイル室222b)の底面220a(底面220b)を流れるオイルの流速低下を抑制することができる。
(第2実施形態)
次に、図8を参照して、第2実施形態について説明する。
この第2実施形態では、曲線形状を有する4つの上部オイル通路をシリンダヘッドに設けた上記第1実施形態とは異なり、直線形状を有する4つの上部オイル通路をシリンダヘッドに設ける例について説明する。
図8に示すように、シリンダヘッド21aには、4つの上部オイル通路212a、212b、212c及び212dが間隔を隔てて設けられている。なお、上部オイル通路212a、212b、212c及び212dは、本発明の「オイル戻し通路」の一例である。
第1オイル室222aの上方には、3つの上部オイル通路212a〜212cが間隔を隔てて配置されている。また、第2オイル室222bの上方には、1つの上部オイル通路212dが配置されている。また、上部オイル通路212a及び212dは、中部オイル通路222のX方向の両端部に配置されている。上部オイル通路212b及び212cは、中部オイル通路222のX方向の両端部よりも内側に配置されている。
ここで、第2実施形態では、シリンダヘッド21aの3つの上部オイル通路212a〜212cは、互いに平行に配置されているとともに、シリンダブロック22の第1オイル室222aの底面220aの傾斜方向に沿うように傾斜している。シリンダヘッド21aの1つの上部オイル通路212dは、第2オイル室222bの底面220bの傾斜方向に沿うように傾斜している。換言すると、4つの上部オイル通路212a〜212dは、シリンダヘッド21aとシリンダブロック22との合わせ面に対して、所定の角度傾斜した状態で配置されている。
具体的には、上部オイル通路212a〜212dは、それぞれ、直線形状に形成された略真円の孔である。3つの上部オイル通路212a〜212cは、シリンダボア223の列方向の外側(矢印X2方向側)から内側(矢印X1方向側)に向かって傾斜するように形成されている。1つの上部オイル通路212dは、シリンダボア223の列方向の外側(矢印X1方向側)から内側(矢印X2方向側)に向かって傾斜するように形成されている。換言すると、シリンダヘッド21aの上部オイル通路212a〜212dは、接続通路226方向を向くように配置されている。
なお、第2実施形態のその他の構成及びオイルが流れる経路は、上記第1実施形態と同様である。
以上説明したように、第2実施形態によるエンジンによれば、以下に列記するような効果が得られる。
第2実施形態では、上記のように、シリンダヘッド21aの4つの上部オイル通路212a〜212dを、シリンダブロック22の第1オイル室222a(第2オイル室222b)の底面220a(底面220b)の傾斜方向に沿うように傾斜させる。これにより、シリンダヘッド21aの全ての上部オイル通路212a〜212dから流下するオイルの流れる方向をシリンダブロック22の第1オイル室222a(第2オイル室222b)の底面220a(底面220b)の表面に沿った方向(オイルの主流と同方向)に誘導することができる。その結果、シリンダブロック22の第1オイル室222a(第2オイル室222b)内にオイルが流下した際に、流下するオイル全てに主流方向の流速を与えることができるので、よりシリンダブロック22の第1オイル室222a(第2オイル室222b)の底面220a(底面220b)を流れるオイルの流速低下を抑制することができる。
また、第2実施形態では、上記のように、シリンダヘッド21bの上部オイル通路212a〜212dを直線形状に形成する。これにより、シリンダヘッド21bの上部オイル通路212a〜212dが直線形状の場合には、上部オイル通路の形状を曲線形状に形成する場合に比べて形成し易い形状となるとともに、容易に直線形状の上部オイル通路212a〜212dから流下するオイルを第1オイル室222a(第2オイル室222b)の底面220a(底面220b)の表面に沿って流すことができる。その結果、シリンダブロック22の第1オイル室222a(第2オイル室222b)の底面220a(底面220b)を流れるオイルの流速低下を抑制することができる。
(第3実施形態)
次に、図9を参照して、第3実施形態について説明する。
この第3実施形態では、直線形状を有する4つの上部オイル通路を傾斜するようにシリンダヘッドに設けた上記第2実施形態とは異なり、直線形状を有する4つの上部オイル通路のうち2つを傾斜するように設けるとともに、残りの2つを傾斜しないように設ける例について説明する。
図9に示すように、シリンダヘッド21bには、4つの上部オイル通路213a、213b、213c及び213dが間隔を隔てて設けられている。4つの上部オイル通路213a〜213dは、それぞれ、直線形状に形成された略真円の孔である。なお、上部オイル通路213a及び213dは、本発明の「第2オイル戻し通路」の一例であり、上部オイル通路213b及び213cは、本発明の「第1オイル戻し通路」の一例である。
第1オイル室222aの上方には、3つの上部オイル通路213a〜213cが間隔を隔てて配置されている。また、第2オイル室222bの上方には、1つの上部オイル通路213dが配置されている。また、上部オイル通路213a及び213dは、中部オイル通路222のX方向の両端部に配置されている。上部オイル通路213b及び213cは、中部オイル通路222のX方向の両端部よりも内側に配置されている。
ここで、第3実施形態では、シリンダヘッド21bの2つの上部オイル通路213a及び213dは、互いに平行に配置されているとともに、シリンダヘッド21bとシリンダブロック22との合わせ面に対して略直交する方向に配置されている。
その一方で、シリンダヘッド21bの2つの上部オイル通路213b及び213cは、互いに平行に配置されているとともに、第1オイル室222aの底面220aの傾斜方向に沿うように傾斜している。つまり、2つの上部オイル通路213b及び213cは、シリンダヘッド21bとシリンダブロック22との合わせ面に対して、所定の角度傾斜した状態で配置されている。
2つの上部オイル通路213b及び213cは、シリンダボア223の列方向の外側(矢印X2方向側)から内側(矢印X1方向側)に向かって傾斜するように形成されている。換言すると、シリンダヘッド21bの上部オイル通路213a〜213dは、接続通路226方向を向くように配置されている。
なお、第3実施形態のその他の構成及びオイルが流れる経路は、上記第2実施形態と同様である。
以上説明したように、第3実施形態によるエンジンによれば、以下に列記するような効果が得られる。
第3実施形態では、上記のように、シリンダヘッド21bの上部オイル通路213a及び213dをシリンダブロック22の第1オイル室222a(第2オイル室222b)のシリンダボア223a〜223dの列方向に対して外側に配置し、シリンダヘッド21bの上部オイル通路213b及び213cをシリンダボア223a〜223dの列方向に対して上部オイル通路213a及び213dよりも内側に配置する。これにより、シリンダヘッド21bのシリンダボア223a〜223dの列方向の外側(端部近傍)においては、上部オイル通路213a及び213dが傾斜していないことにより、シリンダヘッド21bのシリンダボア223a〜223dの列方向(X方向)への大きさが大きくなるのを抑制することができる。
また、シリンダボア223a〜223dの列方向の内側においては、上部オイル通路213b及び213cから流下するオイルの流れる方向をシリンダブロック22の第1オイル室222a(第2オイル室222b)の底面220a(底面220b)の表面に沿った方向(オイルの主流と同方向)に誘導させることができる。これにより、シリンダブロック22の第1オイル室222a(第2オイル室222b)の内側部分にオイルが流下した際に、流下するオイルに主流方向の流速を与えることができる。これらの結果、シリンダヘッド21bの大きさが大きくなるのを抑制しながら、オイルの流速低下を抑制することができる。
−他の実施形態−
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、上記第1〜第3実施形態では、直列4気筒エンジンに本発明を適用する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、直列4気筒エンジン以外のエンジンにも適用可能である。
また、上記第1〜第3実施形態では、シリンダヘッドに4つの上部オイル通路を形成する例を示したが、本発明はこれに限られない。例えば、シリンダヘッドに1つ〜3つ又は5つ以上の上部オイル通路を設けてもよい。
また、上記第1〜第3実施形態では、シリンダヘッドに設けられた曲線形状又は直線形状の上部オイル通路をオイル室の底面の傾斜方向に傾斜するように配置する例を示したが、本発明はこれに限られない。例えば、上部オイル通路をオイル室の底面の傾斜方向に傾斜するように配置することが可能であれば、上部オイル通路の形状が曲線形状又は直線形状以外の形状であってもよい。
また、上記第1〜第3実施形態では、第1オイル室の上方に3つの上部オイル通路を配置するとともに、第2オイル室の上方に1つの上部オイル通路を配置する例を示したが、本発明はこれに限られない。例えば、第1オイル室の上方に1つ、2つ又は4つ以上の上部オイル通路を配置するとともに、第2オイル室の上方に2つ以上の上部オイル通路を配置してもよい。
また、上記第1実施形態では、上部オイル通路の形状をサイクロイド曲線に基づく形状にする例を示したが、本発明はこれに限られない。例えば、上部オイル通路から流下するオイルの流速が最速となるような形状であれば、サイクロイド曲線に基づく形状に限られない。
また、上記第1〜第3実施形態では、第1オイル室及び第2オイル室の曲面部の形状をサイクロイド曲線に基づく形状にする例を示したが、本発明はこれに限られない。例えば、第1オイル室(第2オイル室)の壁側の上方に配置された上部オイル通路から流下するオイルの流速が最速となるような形状であれば、サイクロイド曲線に基づく形状に限られない。
また、上記第1〜第3実施形態では、第1オイル室(第2オイル室)の底面の形状を1つの曲面部と1つの傾斜面部とにより構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。例えば、第1オイル室(第2オイル室)の底面の形状を1つの曲面部と2つの傾斜面部とにより構成してもよいし、1つの曲面部と3つ以上の傾斜面部により構成してもよい。
また、上記実施形態では、第1オイル室と第2オイル室との間に隔壁部を形成する例を示したが、本発明はこれに限られない。例えば、第1オイル室と第2オイル室との間に隔壁部を形成しなくてもよい。
本発明は、内燃機関に利用することができ、特に、シリンダヘッドのオイル戻し通路が合流するオイル戻し空間が設けられたシリンダブロックを備える内燃機関に利用することができる。
1 エンジン(内燃機関)
21、21a、21b シリンダヘッド
211a、211b、211c、211d 上部オイル通路(オイル戻し通路)
212a、212b、212c、212d 上部オイル通路(オイル戻し通路)
213a、213d 上部オイル通路(第2オイル戻し通路)
213b、213c 上部オイル通路(第1オイル戻し通路)
22 シリンダブロック
220a 底面(傾斜部)
220b 底面(傾斜部)
221 ウォータジャケット
222 中部オイル通路(オイル戻し空間)
222a 第1オイル室(オイル戻し空間)
222b 第2オイル室(オイル戻し空間)
222c 下部オイル通路
223a、223b、223c、223d シリンダボア
224a、224c 曲面部(第1傾斜部)(傾斜部)
224b、224d 傾斜面部(第2傾斜部)(傾斜部)

Claims (5)

  1. 少なくとも1つのオイル戻し通路が設けられたシリンダヘッドと、
    前記シリンダヘッドの下方に配置され、前記シリンダヘッドのオイル戻し通路が合流するオイル戻し空間が設けられたシリンダブロックとを備える内燃機関において、
    前記シリンダブロックのオイル戻し空間には、オイル流れ方向の上流側に設けられた下方に向かって凸の曲面形状を有する第1傾斜部と、オイル流れ方向の下流側に設けられた水平方向に対して下方へ傾斜する形状を有する第2傾斜部とを含む傾斜部が設けられ、
    前記シリンダブロックのオイル戻し空間の上流側の第1傾斜部は、前記第1傾斜部の接線が水平方向となる前に前記下流側の第2傾斜部と接続され、
    前記シリンダヘッドのオイル戻し通路は、前記シリンダブロックのオイル戻し空間の傾斜部の傾斜方向に沿うように傾斜していることを特徴とする内燃機関。
  2. 請求項1に記載の内燃機関において、
    前記シリンダブロックには、複数のシリンダボアが設けられ、
    前記シリンダヘッドのオイル戻し通路は、前記シリンダブロックの複数のシリンダボアの列方向に沿って設けられた複数の前記オイル戻し通路を含み、
    前記複数のオイル戻し通路のうち少なくとも1つのオイル戻し通路は、前記シリンダブロックのオイル戻し空間の傾斜部の傾斜方向に沿うように傾斜していることを特徴とする内燃機関。
  3. 請求項2に記載の内燃機関において、
    前記シリンダヘッドの複数のオイル戻し通路のうち全てのオイル戻し通路は、前記シリンダブロックのオイル戻し空間の傾斜部の傾斜方向に沿うように傾斜していることを特徴とする内燃機関。
  4. 請求項2に記載の内燃機関において、
    前記シリンダヘッドの複数のオイル戻し通路は、前記シリンダブロックのオイル戻し空間の傾斜部の傾斜方向に沿うように傾斜した第1オイル戻し通路と、前記シリンダボアの軸方向に沿って延びるように設けられた第2オイル戻し通路とを含み、
    前記シリンダヘッドの第2オイル戻し通路は、前記シリンダブロックのオイル戻し空間の前記複数のシリンダボアの列方向に対して外側に配置され、
    前記シリンダヘッドの第1オイル戻し通路は、前記複数のシリンダボアの列方向に対して前記第2オイル戻し通路よりも内側に配置されていることを特徴とする内燃機関。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の内燃機関において、
    前記シリンダブロックのオイル戻し空間の傾斜部の傾斜方向に沿うように傾斜した前記シリンダヘッドのオイル戻し通路は、曲線形状又は直線形状を有することを特徴とする内燃機関。
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