JP2001205309A - 連続せん断変形加工装置 - Google Patents

連続せん断変形加工装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】せん断変形された素材を大量生産し得る連続せ
ん断変形加工装置を提供する。 【解決手段】素材を、屈曲した素材通路に数かさせるこ
とによりせん断変形させる金型1と、該金型1の入口に装
置され、素材3との摩擦接触運動によって該素材3を前記
金型1の前記素材通路8内部に案内供給する素材案内供
給装置2と、を備えて連続せん断変形装置を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、連続せん断変形加
工装置に係るもので、詳しくは、屈曲によりせん断変形
が行われる素材通路を有する金型に素材を連続的に供給
して、せん断変形加工を行い、剪断変形加工された素材
を大量に生産し得る連続せん断変形加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ECAP(Equal Channel Angula
r Pressing)として知られているせん断変形加工装置
においては、入口から出口まで均一な断面積の一部屈曲
した素材通路が形成された金型を用いて、その金型の上
部シリンダに、金属ビレット(billet)を入れてパンチ
により押出しを行い、素材通路を通過せしめて、素材が
屈曲される過程の間、せん断変形を施し、素材の組織を
微細化させて強度及び成形性を改善している(Metals a
nd Materials, Vol. 4, No. 6, 1998, pp. 1181〜119
0)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】然るに、このような従
来のせん断変形加工装置においては、供給されるビレッ
トの大きさに制限が加えられるため、限定された長さの
せん断変形処理のみが可能であり、1度ビレットを押出
した後には、金型からパンチを抜き取ってから次のビレ
ットを供給することが必要となるため、せん断変形済素
材を連続的に大量生産することが不可能であるという不
都合な点があった。
【0004】また、従来のせん断変形加工装置において
は、パンチに過負荷が掛かった場合、パンチ及びパンチ
駆動装置が破損若しくは故障する憂いがあるという不都
合な点があった。本発明は、このような従来装置の課題
に鑑みてなされたもので、屈曲した素材通路を通過せし
めてせん断変形が行われる金型に素材を連続的に供給し
て、素材の長さに拘わりなく、せん断変形の行われた素
材を連続的に大量生産し得る連続せん断変形加工装置を
提供することを目的とする。
【0005】本発明の他の目的は、素材供給装置に不慮
の過負荷が掛かっても、その過負荷による影響を受ける
ことなく、円滑に継続動作を行い得る連続せん断変形加
工装置を提供することにある。本発明の他の目的は、金
型と素材との接触摩擦を減少させて、金型の耐久性を高
め、金型への素材圧入に必要な力を減少させて、生産性
を向上し原価を低減し得る連続せん断変形加工装置を提
供することにある。
【0006】また、本発明の他の目的は、別途の工程を
経由せずに、薄板材から厚肉材までの多様な厚さを有す
る素材に適用し得る連続せん断変形加工装置を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るため、請求項1に記載の本発明に係る連続せん断変形
加工装置は、供給される素材を、屈曲した素材通路に通
過させることによりせん断変形させる金型と、該金型の
入口に設置され、素材との摩擦接触運動によって該素材
を前記金型の前記素材通路内部に案内供給する素材案内
供給装置と、を含んで構成されることを特徴とする。
【0008】請求項2に記載の本発明に係る連続せん断
変形加工装置は、前記素材案内供給装置が回転ロールで
あることを特徴とする。請求項3及び4に記載の本発明
に係る連続せん断変形加工装置は、前記素材案内供給装
置がベルト式伝動機構であり、該ベルト式伝動機構は例
えば複数の多面体ブロックが順次ループ状に連結された
構成であることを特徴とする。
【0009】請求項5に記載の本発明に係る連続せん断
変形加工装置は、せん断変形された素材を案内移送する
ためのベルト式案内移送装置を追加して備えることを特
徴とする。請求項6に記載の本発明に係る連続せん断変
形加工装置、前記ベルト式案内供給装置として、ベルト
式伝動機構が用いられ、該ベルト式伝動機構は、摩擦接
触によってせん断変形された素材を前記素材通路の出口
部からその外方まで案内移送する構成であることを特徴
とする。
【0010】請求項7に記載の本発明に係る連続せん断
変形処理装置、前記素材通路は、傾斜された導入口部を
有することを特徴とする。請求項8記載の本発明に係る
連続せん断変形加工装置は、前記素材案内供給装置を通
過する以前の素材の厚さが、通過した後の素材の厚さよ
りも大きいことを特徴とする。
【0011】この場合、素材は、別途の工程を経由せず
に素材通路の幅に応じて圧延加工されるため、例えば、
0.5mm以下の薄板材から厚肉材に至るまで素材の厚さに
拘わりなく、多様な厚さの素材に利用し得る互換性を有
したせん断変形装置を提供することが出来る。なお、素
材の厚さと素材供給路の幅とが相当の差を有するとき
は、複数対の回転ロールを有する素材案内供給装置を使
用し、漸次厚さを薄くして金型に供給することも出来
る。
【0012】請求項9に記載の本発明に係る前記素材案
内供給装置は、素材との摩擦接触力を増大させるため
に、素材の断面形状と略同様な断面形状の周溝を摩擦接
触面に形成することを特徴とする。この場合、高摩擦係
数を有する別途の物質を被覆するか、若しくは、表面祖
度を大きくして、摩擦係数の大きい物質を素材案内供給
装置本体として使用しても良い。
【0013】また、かかる素材との摩擦接触力を増強す
る工夫は、請求項5及び6に記載のベルト式案内移送装
置に適用することもできる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態に対
し、図面を用いて説明する。本発明に係る連続せん断変
形加工装置の1実施形態においては、図1に示したよう
に、一部屈曲した形状の素材通路8を有し、該素材通路
8の内部を通過するシート状の素材3にせん断変形を施
す金型1と、該金型1の入口に装着され、一対の回転ロー
ル2a、2bを有して、その間に挟持される素材3との
摩擦接触力により素材3を前記金型1の素材通路8内部
に連続的に供給する素材案内供給装置2と、を含んで構
成され、供給された前記素材3は前記素材通路8内で屈
曲されながらせん断変形されて通路出口部から排出され
るようになっている。
【0015】ここで、素材3が厚く、屈曲される角度が
大きい場合は、素材3に対しせん断変形のために強い圧
入力を必要とするので、複数対の回転ロールを用いる
か、または、素材案内供給装置2の回転ロールに高摩擦
係数の物質を被覆するか、若しくは、素材案内供給装置
2の表面粗度を大きくすると共に、金型1の内部の素材
通路8を滑らかに加工して潤滑油を供給し、もって、要
求される圧入力を減少させることができる。
【0016】反対に、前記素材3が薄く、屈曲される角
度が小さい場合は、せん断変形に必要な力が減少するの
で、前記素材案内供給装置2の回転ロールから滑らかに
前記金型1に素材が供給される。但し、前記素材3が薄
く、前記素材案内供給装置2の回転ロールと前記金型1
の入口との距離が遠いと、前記素材3は前記素材通路8
の内部に円滑に供給されず、金型の外方で素材が挫屈さ
れるおそれがあるので、可能な限り前記金型1の近接し
た位置に前記素材案内供給装置2の回転ロールを設置す
るのが望ましい。
【0017】なお、前記金型1の素材通路8出口側に切
断機(図示しない)を設置して、前記素材通路1を通過
してその出口外方に排出される前記屈曲せん断変形処理
済みの素材3を適当な長さに切断することもできる。ま
た、前記素材案内供給装置2に過負荷が掛かる場合は、
該素材案内供給装置2と素材3間に滑りが発生して安全
装置の役割を行うので、意図しない過負荷による前記案
内供給装置2の破損が防止される。
【0018】次に、本発明に係る連続せん断変形加工装
置の第2実施形態を図2に示す。このものは、複数個の
回転ロール6と、それら回転ロール6に掛合されてゴム
若しくは金属板が被覆された回転ベルト5と、を備えた
一対の素材案内供給装置2が形成され、その他は第1実
施形態と同様に構成される。かかる実施の形態は、前記
ベルト5とシート状素材3との摩擦接触によって、素材
3を連続的に金型1の素材通路8に案内供給する際、前
記回転ベルト5と素材3との接触面積が広くなって、素
材3に対し強い圧入力が発生するため、前記素材3が厚
くて屈曲角度が大きいときに用いると効果的である。
【0019】各ベルト5とそれらベルト5を駆動する回
転ロール6間の確実な伝動を確保する必要があるとき
は、チェーン形状のベルト5及びスプロケット形状の回
転ロール6を使用すると、相互に確実な噛み合いを得る
ことができる。前記第2実施形態のベルト式素材案内供
給装置2の他の実施例を、図3に示す。このものは、複
数の多面体ブロック5が順次ループ状に連結されたベル
トを使用したもので、素材案内供給装置2と素材3との
接触面積が広くなるため、非常に強い圧入力で前記素材
3を連続して素材通路8に挿入することができる。
【0020】本発明に係る連続せん断変形加工装置の第
3実施形態を図4に示す。このものは、傾斜された導入
口部を有する金型1を利用し、該金型1の入口に2個の回
転ロール2a、2bからなる素材案内供給装置2を装着
したもので、前記2個の回転ロール2の間を通過した素
材3は、継続して一方側の回転ロール2bの周面と所定
時間を接触しながら素材通路8の導入口部に供給される
ようにして、前記回転ロール2と素材3間の摩擦面積を
増加させ、高い圧入力を得るように構成されてある。
【0021】図5には、本発明に係る連続せん断変形加
工装置の第4実施形態を示す。このものは、回転ロール
2a1つのみを有した素材案内供給装置2を構成し、そ
の他は第3実施形態と同様な傾斜した導入口部を有した
金型1を利用して、比較的小さい圧入力により素材を案
内供給するようになっている。本発明に係る連続せん断
変形加工装置の第5実施形態を図6に示す。このもの
は、前記第3実施形態よりも回転ロール間の間隔が広い
一対の回転ロール2a、2bを有した素材案内供給装置
2を形成し、その他は前記第3実施形態と同様に構成し
て、厚いシート状素材3が回転ロール2a、2bによっ
て薄く圧延された後、金型1の素材通路8に供給される
ようになっている。このようにすると、前記回転ロール
2a、2bと前記素材3との接触面積が広く、前記回転
ロール2a、2bが前記素材3を強く押圧しながら搬送
するため、前記回転ロール2a、2bの周面にゴム膜を
被覆するか、若しくは、回転ロール2の表面を粗くしな
くても、高い圧入力を発生することができる。また、多
様な厚さの素材3を使用することができるため、金型1
に適合した厚さの素材を得るための別途の工程を施さな
くても済むというメリットがある。
【0022】なお、素材3が非常に厚い場合は、複数対
の回転ロールを順次相対間隔が小さくなるように装置し
て、それら複数対の回転ロール2a、2b間に素材3を
順次経由させ、素材厚さを漸次薄くなるようにして金型
1に供給されるように構成することもできる。図7(A)
は、本発明に係る素材案内供給装置2と素材3とを包含
するせん断変形加工装置の変形態様を示し、(A)は概略
正面、(B)は回転ロールの断面、(C)はその変形態様の
断面を示す。
【0023】図示したように、素材案内供給装置2の回
転ロール2a、2bの周面には素材3の断面形状と同様
な矩形状の断面形状を有する周溝10(B)、(C)若しくは
図示しないが、断面半円状の周溝11が形成される。こ
のため、回転ロール2の周面と素材3との接触面積が非
常に大きくなって、素材3に対して高い圧入力が発生す
る。
【0024】なお、素材3が回転ロール2a、2bを通
過するとき、前記図6に示したように圧接して押すと、
一層高い素材の圧入力を得ることができる。図8(A)
及び(B)は、本発明に係るせん断変形処理後の素材を
金型1の出口部で案内移送するためのベルト式案内移送
装置13を示した図で、素材通路8(未図示)の屈曲部
から金型外方まで素材を素材3との摩擦力で案内移送す
るための出口側のベルト式案内移送装置13をその屈曲
部出口側に設置している。これによって、金型入口側の
素材の圧入力を減少することができる。前記ベルト式案
内移送装置13としては、金属板若しくは高強度素材片
を連結して形成したベルト15、若しくは、多面体ブロ
ックを順次ループ型に連結したベルトなど、多様な構造
及び形態のベルトを使用することができる。
【0025】ここで、前記ベルト式案内移送装置13に
おけるベルトは素材3と一緒に連続的に移動するため、
素材3と金型1間の摩擦面積を縮小させ、金型1の寿命を
増大させる役割をする。一方、前記案内移送装置13の
他の実施形態として、金型1の出口の外方側に回転ロー
ルを設置して素材の案内移送を行うこともできる。この
ような案内移送装置は、素材の圧入に必要な力を減少さ
せるだけではなく、排出素材を巻回したり、平坦化させ
る役割を行うように構成しても良い。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
本発明に係る連続せん断変形加工装置においては、金型
内の屈曲した素材通路に素材を連続的に供給して、素材
をせん断変形させるから、素材の規格に拘わりなく、せ
ん断変形された多様な素材を連続的に大量生産し得ると
いう効果がある。
【0027】また、請求項2〜4に記載の本発明に係る
連続せん断変形加工装置においては、素材を金型の素材
通路内部に供給する素材案内供給装置に過負荷が掛かっ
ても、素材案内供給装置内の素材の滑りにより、円滑な
作動を継続的に行い得るという効果がある。また、請求
項5〜7に記載の本発明に係る連続せん断変形加工装置
においては、金型と素材との摩擦を減少させて金型の寿
命を増大させると共に、素材の圧入に必要な力を減少さ
せて、生産性を向上し原価を減少し得るという効果があ
る。
【0028】更に、請求項8に記載の本発明に係る連続
せん断変形加工装置においては、別途の工程を経由せず
に多様な厚さを有する素材をせん断変形し得るという効
果がある。請求項9に記載の本発明に係る連続剪断加工
装置においては、金型の素材通路への素材の圧入力を増
大することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る連続せん断変形加工装置の第1実
施形態を示した図で、案内供給装置が一対の回転ロール
を有した場合を示した概略縦断面図である。
【図2】本発明に係る連続せん断変形加工装置の第2実
施形態として素材案内供給装置がベルト伝動機構で形成
された場合を示した概略縦断面図である。
【図3】図2に示す素材案内供給装置の変形態様とし
て、複数の多面体ブロックが順次ループ状に連結された
ベルト式の素材案内供給装置を示した概略縦断面図であ
る。
【図4】本発明に係る連続せん断変形加工装置の第3実
施形態として、素材通路の傾斜導入口部を有する金型を
利用した場合を示した概略縦断面図である。
【図5】本発明に係る連続せん断変形加工装置の第4実
施形態として、1つのロールを有する素材案内供給装置
を使用する場合を示した概略縦断面図である。
【図6】本発明に係る連続せん断変形加工装置の第5実
施形態として、素材案内供給装置によって素材の厚さが
減少される場合を示した概略縦断面図である。
【図7】素材との接触面積を増加させるための案内供給
装置を使用するせん断変形加工装置を示した図で、
(A)は概略縦断面図、(B)及び(C)は回転ロールを
示した断面図である。
【図8】せん断変形後の素材を案内移送するためのベル
ト式案内移送装置を示した図で、(A)は側面図、(B)
は正面図である。
【符号の説明】
1 金型 2 素材案内供給装置 2a,2b 回転ロール 3 素材 4 素材供給路 5 多面体ブロック 8 素材通路 10、11 周溝 13 ベルト式案内移送装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 イン−ゲ ムーン 大韓民国、ソウル、イェオングデュングポ −ク、ヨイドー−ドン、28 (72)発明者 ミュン−チュル シン 大韓民国、ソウル、ドングダエムン−ク、 チェオングリャングリ 1−ドン、235− 1

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】素材を、屈曲した素材通路に通過させるこ
    とによりせん断変形させる金型と、 該金型の入口に装置され、前記素材との摩擦接触運動に
    よって前記素材を前記金型の前記素材通路内部に案内供
    給する素材案内供給装置と、を含んで構成されることを
    特徴とする連続せん断変形加工装置。
  2. 【請求項2】前記素材案内供給装置は、回転ロールであ
    ることを特徴とする請求項1に記載の連続せん断変形加
    工装置。
  3. 【請求項3】前記素材案内供給装置は、ベルト式伝動機
    構であることを特徴とする請求項1に記載の連続せん断
    変形加工装置。
  4. 【請求項4】前記ベルト式伝動機構は、複数の多面体ブ
    ロックが順次ループ状に連結された構成であることを特
    徴とする請求項3記載の連続せん断変形加工装置。
  5. 【請求項5】せん断変形加工済の素材を案内移送するた
    めのベルト式案内移送装置を備えることを特徴とする請
    求項1〜4の何れか1つに記載の連続せん断変形加工装
    置。
  6. 【請求項6】前記ベルト式案内移送装置は、ベルト式伝
    動機構であり、該ベルト式伝動機構は、せん断変形され
    た直後の素材をベルトと前記素材との摩擦接触によって
    前記素材通路の出口部からその外方まで案内移送する構
    成であることを特徴とする請求項5記載の連続せん断変
    形加工装置。
  7. 【請求項7】前記素材通路は、傾斜された導入口部を有
    することを特徴とする請求項1〜6の何れか1つに記載
    の連続せん断変形加工装置。
  8. 【請求項8】前記素材案内供給装置により形成される素
    材通路の幅は、該素材案内供給装置に導入される素材の
    厚さよりも小さいことを特徴とする請求項1〜6の何れ
    か1つに記載の連続せん断変形加工装置。
  9. 【請求項9】前記素材と接する前記素材案内供給装置の
    接触面に、前記素材の断面形状と略同様な断面形状の周
    溝を形成することを特徴とする請求項1〜6の何れか1
    つに記載の連続せん断変形加工装置。
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