JP2001199737A - ガラス組成物及びその混合体、並びにそれを用いたペースト、グリーンシート、絶縁体、誘電体、厚膜及びfpd - Google Patents

ガラス組成物及びその混合体、並びにそれを用いたペースト、グリーンシート、絶縁体、誘電体、厚膜及びfpd

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JP2001199737A JP2000053283A JP2000053283A JP2001199737A JP 2001199737 A JP2001199737 A JP 2001199737A JP 2000053283 A JP2000053283 A JP 2000053283A JP 2000053283 A JP2000053283 A JP 2000053283A JP 2001199737 A JP2001199737 A JP 2001199737A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 FPDのガラス基板に反りを発生させず、か
つFPDの画像にクロストークを発生させずに、反射率
を向上する。 【解決手段】 ガラス組成物のガラス成分として、5モ
ル%以上かつ35モル%未満のP25と、50モル%以
上かつ65モル%未満のZnOと、0.1モル%以上か
つ10モル%未満のSiO2と、0.1モル%以上かつ
10モル%未満のB23と、1モル%以上かつ20モル
%未満のMgO,CaO,SrO及びBaOからなる群
より選ばれた1種又は2種以上のアルカリ土類金属の酸
化物と、0.1モル%以上かつ10モル%未満のAl2
3とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、PDP(plasma d
isplay panel:プラズマディスプレイパネル)、PAL
C(plasma addressed liquid crystal display)等の
FPD(flat panel display )に好適なガラス組成物
及びその混合体、並びにそれを用いたペースト及びグリ
ーンシート等に関するものである。
【0002】
【従来の技術】PDPは、通常多数の微小な放電セルを
縦横(マトリクス状)に配列し、必要な部分のセルを放
電発光させることにより、文字や図形が表示されるよう
になっている。このPDPは構造が簡単で大型化が容易
であり、メモリ機能を有し、またカラー化が可能であ
り、更にテレビなどで用いられるブラウン管よりも遥か
に大きくかつ奥行が小さく形成できるなどの様々な利点
を有することから、近年盛んに研究開発が進められてい
る。
【0003】上記PDPは、電極構造の点で金属電極が
ガラス誘電体材料で覆われるAC型と、放電空間に金属
電極が露出しているDC型とに分類される。例えばAC
型のPDPは図9に示すように、ガラス基板1上に所定
の間隔をあけて形成された複数のセラミック隔壁2を介
して前面ガラスとなる別のガラス基板3を被せることに
より構成される。ガラス基板3のガラス基板1への対向
面にはMgO(酸化マグネシウム)等の保護膜3aによ
り被覆された表示電極3b及び誘電体層3cが形成さ
れ、ガラス基板1とガラス基板3と隔壁2にて区画形成
された微細空間4(以下、放電セルという)内にはアノ
ード放電極であるアドレス電極4a及び蛍光体層4bが
それぞれ形成され、アドレス電極4aは必要に応じて絶
縁層4cにより保護される。また放電セル4内には放電
ガス(図示せず)が注入される。このように構成された
PDPでは、表示電極3bとアドレス電極4aとの間に
電圧を印加して隔壁2間に形成された放電セル4内の蛍
光体層4bを選択的に放電発光させることにより、文字
や図形を表示できるようになっている。
【0004】従来、ガラス基板1上に形成される隔壁2
及び絶縁層4cのガラス組成物として、ガラス粉末が7
0〜95重量%、耐火物フィラーが5〜30重量%、耐
熱顔料が0〜10重量%を含むものが開示されている
(特開平3−170346)。このガラス組成物では、
ガラス成分が55〜65重量%のPbO、0〜5重量%
のZnO、0〜10重量%のB23、15〜25重量%
のSiO2、0.5〜5重量%のAl23、0.5〜1
5重量%の(SnO2+TiO2)、0.5〜10重量%
の(MgO+CaO+SrO+BaO)、0.1〜2重
量%のCeO2、0.1〜5重量%のLa23からな
る。このように構成されたガラス組成物では、ホウ珪酸
系ガラスにすることで低熱膨張係数を有し、またPbO
を添加することで低軟化点を示す。
【0005】しかし、上記従来のガラス組成物では、P
b成分を含有するため、ガラス組成物の密度が大きくな
り、このガラス組成物をPDPのガラス基板1上の隔壁
2として使用した場合、ガラス基板の重量が増大する問
題点や、環境汚染の原因となる問題点があった。ガラス
基板の重量が増大すると、ガラス基板の焼成時にガラス
基板に反りを発生し易くなる、即ちガラス基板の焼成工
程において加熱むらを防止するために、ガラス基板を下
から数カ所で点支持しているが、ガラス基板が重いと自
重で反りが発生し易くなる問題点があった。また上記従
来のガラス組成物では、隔壁2の比誘電率が10〜12
程度で比較的大きいため、電気信号が近隣の配線に漏洩
し、画像にクロストークが生じ易い問題点があった。更
に上記従来のガラス組成物においては、PDP隔壁2若
しくは絶縁層4cとしての使用中(プラズマ減圧雰囲気
下にて)に金属Pbが析出し、放電特性が低下する問題
点があった。
【0006】これらの点を解消するために、Pb成分を
含まないガラスとして、耐イオン放電衝撃性低軟化温度
ガラス(特開昭48−43007)やプラズマディスプ
レイパネル(特開平8−301631)が開示されてい
る。上記特開昭48−43007号公報に示された耐イ
オン放電衝撃性低軟化温度ガラスでは、30〜43重量
%の無水硼酸(B23)、18〜33重量%の五酸化バ
ナジウム(V25)、17〜22重量%の酸化亜鉛(Z
nO)、8〜12重量%の酸化ナトリウム(Na2O)
を主成分とし、これに6重量%以下の珪酸(Si
2)、5重量%以下のアルミナ(Al23)、4重量
%以下の酸化ジルコニウム(ZrO2)のうち少なくと
も1種を含有させたことを特徴とする。この耐イオン放
電衝撃性低軟化温度ガラスでは、一般に使用される窓ガ
ラス板と概略同じ熱膨張係数と窓ガラス板より低い軟化
温度を有するため、ひび割れ等を生じることなく窓ガラ
スに均一に融着する。またガスイオン等の放電による衝
撃により解離等の変化を生じ易い酸化鉛(PbO)や酸
化ビスマス(Bi23)等の重金属酸化物を全く含有し
ないため、PDPのガラス基板の被膜用ガラス等の長時
間にわたりガスイオンの放電衝撃を受ける部分に使用し
てもガスイオン放電特性に全く影響を生じることがな
く、被膜の黒化及び透明度の変化等の劣化を生じること
もない。
【0007】一方、上記特開平8−301631号公報
に示されたプラズマディスプレイでは、相対向するガラ
ス基板間のディスプレイの各画素間に隔壁が形成され、
この隔壁がP25系ガラスからなるガラス粉末と、低膨
張セラミック粉末とからなるガラスセラミック組成物の
焼成物からなることを特徴とする。このプラズマディス
プレイパネルでは、ガラスセラミック組成物が20〜7
0重量%のガラス粉末と、30〜80重量%の低膨張セ
ラミック粉末からなり、ガラス粉末が25〜35モル%
のP25、0〜50モル%のZnO、0〜70モル%の
SnO、0〜10モル%のLi2O、0〜10モル%の
Na2O、0〜10モル%のK2O、0〜20モル%の
(Li2O+Na2O+K2O)、0〜10モル%のMg
O、0〜10モル%のCaO、0〜10モル%のSr
O、0〜10モル%のBaO、0〜20モル%の(Mg
O+CaO+SrO+BaO)、0〜10モル%のB2
3、0〜10モル%のAl23からなる。このような
組成の隔壁を有するプラズマディスプレイパネルでは、
隔壁の比誘電率が7〜10の間であり、Pbを含有する
隔壁と比較して、表示のクロストークを低減できる。ま
た隔壁にPb成分を含有しないため、密度が小さく、大
型のPDPに最適である。更に熱膨張係数が通常のPD
P用ガラス基板に整合しているため、PDPのガラス基
板上に隔壁を形成した際に反りがなく、下地のオーバコ
ートにクラックが入ったりすることがなく、ガラス基板
も割れ難くなる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の特
開昭48−43007号公報に示された耐イオン放電衝
撃性低軟化温度ガラスでは、V25を含むため、茶色に
着色され、反射率が低下する不具合があった。また上記
従来の特開平8−301631号公報に示されたプラズ
マディスプレイでは、P25やアルカリ金属酸化物を多
量に含むため、ガラスの熱膨張係数がガラス基板に対し
て大きくなり、セラミックフィラーを多量に添加して、
熱膨張係数をガラス基板と整合させる必要があり、この
フィラーの多量の添加により、焼成後の構造が多孔質に
なり、強度が低下し、更に放電特性も低下する問題点も
あった。一方、上述したガラス等は隔壁2または絶縁層
4cに主として使用されるものであるが、隔壁2を介し
て被せるガラス基板3の誘電体層3cに上述したガラス
等は適しない不具合がある。即ち、誘電体層3cを有す
るガラス基板3は前面ガラスとしての役割を果たすこと
から、誘電体層3cに使用されるガラス等は、隔壁2又
は絶縁層4cに使用されるガラス等よりもその透明度及
び誘電率が高いことが要求される。
【0009】本発明の第1の目的は、FPDのガラス基
板に反りを発生させず、かつFPDの画像にクロストー
クを発生させずに、反射率を向上できる、隔壁又は絶縁
層用ガラス組成物及びその混合体、並びにそれを用いた
ペースト、グリーンシート、絶縁体及びFPDを提供す
ることにある。本発明の第2の目的は、強度及び放電特
性を低下させずに、熱膨張係数を低くしてFPDのガラ
ス基板と整合させることができる、隔壁又は絶縁層用ガ
ラス組成物及びその混合体、並びにそれを用いたペース
ト、グリーンシート、絶縁体及びFPDを提供すること
にある。本発明の第3の目的は、ガラス基板より軟化点
を低くくすることができ、耐水性を向上することができ
る、隔壁又は絶縁層用ガラス組成物及びその混合体、並
びにそれを用いたペースト、グリーンシート、絶縁体及
びFPDを提供することにある。本発明の第4の目的
は、ガラス基板との熱膨張係数を整合させて、ガラス基
板との間で強固な密着性を有する厚膜を形成可能な隔壁
又は絶縁層用ペースト及びFPDを提供することにあ
る。本発明の第5の目的は、透明度及び誘電率が高い誘
電体用ガラス組成物及びそれを用いたペースト、グリー
ンシート、誘電体及びFPDを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
ガラス成分として、3.5atom%以上かつ18at
om%未満のPと、12.5atom%以上かつ24a
tom%未満のZnと、0.02atom%以上かつ4
atom%未満のSiと、0.01atom%以上かつ
6.0atom%未満のBと、0atom%以上かつ3
atom%未満のMg,Ca,Sr及びBaからなる群
より選ばれた1種又は2種以上のアルカリ土類金属と、
0.01atom%以上かつ6.0atom%未満のA
lと、55atom%以上かつ65atom%未満のO
とを含むガラス組成物である。請求項2に係る発明は、
ガラス成分として、5モル%以上かつ35モル%未満の
25と、50モル%以上かつ65モル%未満のZnO
と、0.1モル%以上かつ10モル%未満のSiO
2と、0.1モル%以上かつ10モル%未満のB2
3と、1モル%以上かつ20モル%未満のMgO,Ca
O,SrO及びBaOからなる群より選ばれた1種又は
2種以上のアルカリ土類金属の酸化物と、0.1モル%
以上かつ10モル%未満のAl23とを含むガラス組成
物である。この請求項1及び請求項2に記載されたガラ
ス組成物では、ガラス成分を上記範囲内でそれぞれ混合
すると、焼成温度が低くなって、焼成後の絶縁体の軟化
点も低くなる。また上記ガラス成分に密度の大きいPb
成分を含まないため、上記絶縁体の重量を軽減でき、環
境を汚染することもない。更にP25が比較的少ないた
め、上記絶縁体の耐水性を向上することができる。
【0011】請求項3に係る発明は、請求項1又は2記
載のガラス組成物に、セラミックフィラー物としてジル
コン,アルミナ,チタニア,コーディエライト,ムライ
ト,β−ユークリプタイト,スポジューメン,アノーサ
イト,セルシアン,フォルステライト及びチタン酸アル
ミニウムからなる群より選ばれた1種又は2種以上のセ
ラミックを混合した混合体である。この請求項3に記載
された混合体では、ガラス組成物にセラミックフィラー
物を混合することにより、混合体を焼成して得られる絶
縁体の熱膨張係数を低くすることができ、この絶縁体の
熱膨張係数をガラス基板の熱膨張係数と整合させること
ができる。
【0012】上記ガラス組成物又は混合体に、高分子樹
脂と溶剤とを混合してペーストを作製するか、或いは上
記ガラス組成物又は混合体に、高分子樹脂と溶剤とを混
合して隔壁又は絶縁層用グリーンシートを作製すること
が好ましい。また上記ガラス組成物又は混合体を焼成し
て絶縁体、或いはFPDの隔壁又は絶縁層を形成するこ
とが好ましい。更に上記ガラス又は混合体に、導電体粉
末,抵抗体粉末又は誘電体粉末と、高分子樹脂と、溶剤
とを含むペーストを作製し、それを基板に塗布し、乾燥
・焼成して、導電体、抵抗体又は誘電体用厚膜を形成す
ることが好ましい。
【0013】ガラス組成物又は混合体に高分子樹脂と溶
剤とを加えてペーストを作製し、このペーストからスク
リーン印刷法などで作製されたセラミックキャピラリリ
ブ又はセラミックキャピラリ層を乾燥・焼成することに
より、上記セラミックキャピラリリブ又はセラミックキ
ャピラリ層が絶縁体,隔壁又は絶縁層になる。或いは、
ガラス組成物又は混合体に高分子樹脂と溶剤とを含むペ
ーストによりグリーンシートを作製し、このグリーンシ
ートを乾燥・焼成することにより、このグリーンシート
が絶縁体,隔壁又は絶縁層になる。このときの焼成温度
はガラス基板の軟化点より100℃以上低いため、ガラ
ス基板に反り等は生じない。また上記絶縁体,隔壁又は
絶縁層の熱膨張係数はガラス基板の熱膨張係数と概略同
一になるため、ガラス基板の反りを更に抑制できる。上
記絶縁体,隔壁又は絶縁層の比誘電率が4〜7程度と比
較的小さくなるので、電気信号が近隣の配線に漏洩する
ことはなく、画像にクロストークが発生しない。更にガ
ラス組成物へのセラミックフィラー物の添加量は比較的
少量で済むので、焼成後の強度及び放電特性が低下する
こともない。
【0014】請求項11に係る発明は、ガラス成分とし
て、12atom%以上かつ26atom%未満のP
と、3atom%以上かつ17atom%未満のZn
と、0.01atom%以上かつ3atom%未満のS
iと、0.01atom%以上かつ5atom%未満の
Bと、0atom%以上かつ13atom%未満のM
g,Ca,Sr及びBaからなる群より選ばれた1種又
は2種以上のアルカリ土類金属と、0.01atom%
以上かつ5atom%未満のAlと、55atom%以
上かつ65atom%未満のOとを含むガラス組成物で
ある。請求項12に係る発明は、ガラス成分として、3
0モル%以上かつ70モル%未満のP25と、20モル
%以上かつ60モル%未満のZnOと、0.1モル%以
上かつ10モル%未満のSiO2と、0.1モル%以上
かつ20モル%未満のB23と、1モル%以上かつ40
モル%未満のMgO,CaO,SrO及びBaOからな
る群より選ばれた1種又は2種以上のアルカリ土類金属
の酸化物と、0.1モル%以上かつ10モル%未満のA
23とを含むガラス組成物である。この請求項11及
び12に記載されたガラス組成物では、ガラス成分を上
記範囲内でそれぞれ混合すると、焼成後の誘電体の軟化
点が低くなり、この誘電体の重量を軽減するとともに、
誘電体の誘電率及び透明度を向上することができる。
【0015】上記ガラス組成物に、高分子樹脂と溶剤と
を混合してペーストを作製するか、或いは上記ガラス組
成物に、高分子樹脂と溶剤とを混合して誘電体用グリー
ンシートを作製することが好ましい。また、上記ガラス
組成物を焼成して誘電体を形成することが好ましい。更
に上記ガラスに、誘電体粉末と、高分子樹脂と、溶剤と
を含むペーストを作製し、それを基板に塗布し、乾燥・
焼成して、誘電体厚膜を形成することが好ましい。な
お、上記セラミックキャピラリとは、ガラス組成物とセ
ラミックフィラー物と高分子樹脂と溶剤とを含むペース
トを塗布した後の大部分の高分子樹脂及び溶剤が残存し
ている状態をいう。
【0016】
【発明の実施の形態】次に本発明の第1の実施の形態を
図面に基づいて説明する。隔壁又は絶縁層用ガラス組成
物はガラス成分として、3.5atom%以上かつ18
atom%未満のPと、12.5atom%以上かつ2
4atom%未満のZnと、0.02atom%以上か
つ4atom%未満のSiと、0.01atom%以上
かつ6.0atom%未満のBと、0atom%以上か
つ3atom%未満のMg,Ca,Sr及びBaからな
る群より選ばれた1種又は2種以上のアルカリ土類金属
と、0.01atom%以上かつ6.0atom%未満
のAlと、55atom%以上かつ65atom%未満
のOとを含むものである。これらの元素を酸化物換算で
表すと、5モル%以上かつ35モル%未満のP25と、
50モル%以上かつ65モル%未満のZnOと、0.1
モル%以上かつ10モル%未満のSiO2と、0.1モ
ル%以上かつ10モル%未満のB23と、1モル%以上
かつ20モル%未満のMgO,CaO,SrO及びBa
Oからなる群より選ばれた1種又は2種以上のアルカリ
土類金属の酸化物と、0.1モル%以上かつ10モル%
未満のAl23とを含むものになる。
【0017】P25を5モル%以上かつ35モル%未満
に限定したのは、5モル%未満ではガラスを形成でき
ず、35モル%を越えると焼成物の耐水性が悪く、焼成
物の熱膨張係数がガラス基板の熱膨張係数より高くなる
からである。なお、熱膨張係数の上昇防止と軟化点の低
減と耐水性劣化の防止の点から、上記P25は15モル
%以上かつ25モル%未満であることが更に好ましい。
またZnOを50モル%以上かつ65モル%未満に限定
したのは、50モル%未満では熱膨張係数が高くなり、
65モル%を越えると軟化点が高くなるからであり、こ
のZnOは50〜60モル%であることが更に好まし
い。SiO2を0.1モル%以上かつ10モル%未満に
限定したのは、0.1モル%未満では熱膨張係数が高く
なり、10モル%を越えると軟化点が高くなるからであ
り、このSiO2は1〜5モル%であることが更に好ま
しい。
【0018】またB23を0.1モル%以上かつ10モ
ル%未満に限定したのは、0.1モル%未満では軟化点
が高くなり、10モル%を越えるとP25と複合酸化物
を構成し、軟化点が高くなるからであり、このB23
1〜5モル%であることが更に好ましい。MgO、Ca
O、SrO及びBaOからなる群より選ばれた1種又は
2種以上のアルカリ土類金属の酸化物を1モル%以上か
つ20モル%未満に限定したのは、1モル%未満では軟
化点が高い不具合があり、20モル%を越えるとガラス
にならない不具合があるからであり、この酸化物は5〜
15モル%であることが更に好ましい。またAl23
0.1モル%以上かつ10モル%未満に限定したのは、
0.1モル%未満ではガラスの耐水性が低くなり、10
モル%を越えるとP25と複合酸化物を構成し、軟化点
が高くなるからであり、このAl23は1〜5モル%で
あることが更に好ましい。なお、上記B23及びAl2
3はP25を安定化させる機能も有する。
【0019】一方、セラミックフィラー物としては、ジ
ルコン,アルミナ,チタニア,コーディエライト,ムラ
イト,β−ユークリプタイト,スポジューメン,アノー
サイト,セルシアン,フォルステライト及びチタン酸ア
ルミニウムからなる群より選ばれた1種又は2種以上の
セラミックを含む。ガラス組成物にセラミックフィラー
物を混合するのは、例えば上記ガラス組成物を用いたP
DP用隔壁をガラス基板上に形成する場合、この隔壁の
熱膨張係数とガラス基板の熱膨張係数とを整合させるた
めである。 [1]ガラス組成物の粉末の作製方法 先ずアルカリ土類金属としてMg,Ca,Sr及びBa
のうち少なくとも1種類を選ぶ。次いでリン酸若しくは
リン酸塩(例えば、H3PO4や(NH43PO 4・3H2
O等)と、酸化亜鉛(ZnO)と、SiO2と、ホウ酸
(H3BO3)と、上記アルカリ土類金属の塩(例えば、
CaCO3やCaSO4等)と、Al23の各粉末を、酸
化物換算でP25:5モル%以上かつ35モル%未満、
ZnO:50モル%以上かつ65モル%未満、Si
2:0.1モル%以上かつ10モル%未満、B23
0.1モル%以上かつ10モル%未満、MgO,Ca
O,SrO及びBaOからなる群より選ばれた1種又は
2種以上のアルカリ土類金属の酸化物:1モル%以上か
つ20モル%未満、Al23:0.1モル%以上かつ1
0モル%未満の比で秤量する。
【0020】次に上記各粉末をボールミル等を用いて
0.5〜6時間混合した後、この混合粉末を白金るつぼ
等に投入し、大気中で900〜1200℃に1〜6時間
保持した後、急冷する。更にこの急冷物を粉砕し、メッ
シュ数が200メッシュ以上(メッシュの目開きが85
μm以下)のふるいを用いて分級することによりガラス
組成物の粉末を得る。このガラス組成物の粉末の粒径は
0.1〜30μmであることが好ましい。ガラス組成物
の粉末の粒径を0.1〜30μmの範囲に限定したの
は、0.1μm未満では凝集し易くその取扱いが煩わし
くなり、30μmを越えると所定の形状に成形できなく
なるからである。
【0021】[2]混合体の作製方法 上記ガラス組成物の粉末と、メッシュ数が200メッシ
ュ以上(メッシュの目開きが85μm以下)のふるいを
用いて分級したジルコン,アルミナ,チタニア,コーデ
ィエライト,ムライト,β−ユークリプタイト,スポジ
ューメン,アノーサイト,セルシアン,フォルステライ
ト及びチタン酸アルミニウムからなる群より選ばれた1
種又は2種以上のセラミック粉末(セラミックフィラー
物の粉末)とをボールミル等を用いて1〜24時間混合
し、混合体を得る。上記セラミックフィラー物の粉末の
粒径は0.1〜30μmであることが好ましい。セラミ
ックフィラー物の粉末の粒径を0.1〜30μmの範囲
に限定したのは、0.1μm未満では凝集し易くその取
扱いが煩わしくなり、30μmを越えると所定の形状に
成形できなくなるからである。 [3]ガラスペースト,ガラス−セラミック混合ペース
ト及びグリーンシートの作製方法 上記ガラス組成物の粉末又は混合体に対し、エチルセル
ロースやアクリル樹脂等の高分子樹脂と、α−テルピネ
オールやブチルカルビトールアセテート等の溶剤を添加
し、3本ロール等で十分に混練することにより、ペース
トを得る。なお、混合体中のセラミックフィラー物の粉
末はガラス組成物の粉末の重量に対して5〜30重量%
の範囲であることが好ましく、かつガラス組成物の粉末
の容積に対して30容積%以下であることが好ましい。
セラミックフィラー物の粉末が30重量%以上かつ30
容積%以上になると、焼成して得られた絶縁体が多孔質
になり、好ましくないからである。またペーストの各成
分の配合比は、ガラス組成物の粉末及びセラミックフィ
ラー物を70〜90重量%、高分子樹脂を1〜5重量
%、溶剤を8〜25重量%であることが好ましい。また
このペーストを用いてグリーンシートを作製してもよ
い。
【0022】[4]絶縁体の作製方法 上記ガラス組成物の粉末又は混合体をプレス成形法によ
り所定の形状に成形し、或いは上記ペーストをスクリー
ン印刷法,押出し成形法,射出成形法等により所定の形
状に成形した後に、この成形体を乾燥・焼成することに
より絶縁体を得る。 [5]導電体ペースト又は抵抗体ペーストの作製方法 上記ガラス組成物の粉末又は混合体に対し、導電体粉末
又は抵抗体粉末と、高分子樹脂と、溶剤とを添加し、3
本ロール等で十分に混練することにより、ペーストを得
る。上記導電体粉末としてはAg,Ag−Pd,Ag−
Pt,Au,Al等が用いられ、抵抗体粉末としてはR
uO2,Pb2Ru26.5,Ag−Pd等が用いられるこ
とが好ましい。また高分子樹脂としてはエチルセルロー
ス,アクリル樹脂等が用いられ、溶剤としてはα−テル
ピネオール,ブチルカルビトールアセテート等が用いら
れることが好ましい。
【0023】なお、ペースト中の各成分の配合比は、ガ
ラス組成物の粉末及びセラミックフィラー物が5〜45
重量%、導電体粉末又は抵抗体粉末が50〜90重量
%、高分子樹脂が1〜5重量%、溶剤が4〜25重量%
であることが好ましい。上記ペーストをスクリーン印刷
法などにより、所定の形状にパターニングし、乾燥・焼
成することにより導電体厚膜又は抵抗体厚膜を得る。
【0024】次に上記ガラス−セラミック混合ペースト
を用いてサンドブラスト法によりFPD用隔壁の作製方
法を説明する。図1に示すように、先ずガラス基板10
上に、上記ペーストを用いてスクリーン印刷法によりペ
ースト膜11を形成する。次いでこのペースト膜11を
有するガラス基板10を100〜200℃の温度で10
〜30分間乾燥した後に、300〜400℃の温度で
0.5〜3時間仮焼成を行う。この仮焼成を行ったペー
スト膜11表面にラミネータを用いて感光性ドライフィ
ルムレジスト12(以下、DFRという)を積層した後
に、DFR12上にフィルムマスク13を置き、中心波
長254nmの紫外線を照射し、露光を行う。次に露光
を行ったガラス基板10に対し、濃度が0.1〜5%の
Na2CO3水溶液を噴霧し、未露光部を除去し、現像を
行う。この現像を行ってDFRパターン層16を有する
ガラス基板10に対し、アルミナ粉末等の砥粒を用いて
サンドブラストを行い、DFRパターン層16が形成さ
れていない部分のペースト膜11を除去することによ
り、ガラス基板10上にセラミックグリーンリブ18を
形成する。更に温度500〜600℃で0.1〜2時間
焼成を行うことにより、ガラス基板10上に隔壁14を
形成する。
【0025】図2は本発明の第2の実施の形態を示す
(厚膜印刷法によるPDP用隔壁の作製方法)。この実
施の形態では、ガラス基板10の表面に上記ペーストを
厚膜印刷法により所定のパターンで位置合わせをして重
ね塗りした後に乾燥することにより、ガラス基板10上
にペースト膜31を形成する。この工程を多数回繰返し
てペースト膜31を所定の高さに形成した後に焼成する
ことにより、ガラス基板10上に所定の間隔をあけて隔
壁34を形成する。なお、図示しないがガラス基板上
に、上記ペーストを用いてスクリーン印刷によりベタ膜
を形成し、この基板を100〜200℃の温度で10〜
30分間乾燥した後に、500〜600℃の温度で0.
5〜3時間焼成を行うことにより、基板上に白色絶縁層
を形成してもよい。
【0026】図3は本発明の第3の実施の形態を示す
(AC型PDPにおける背面パネルの作製方法)。先ず
ガラス基板10上に、Ag等の導電ペーストをスクリー
ン印刷法により所定の間隔をあけて50〜200μm幅
の帯状のパターンを形成し、温度100〜200℃で1
0〜30分間乾燥した後に、温度500〜600℃で
0.1〜1時間焼成することにより、ガラス基板10上
にアドレス電極51を形成する。このガラス基板10上
に、上記第1の実施の形態で作製されたペーストを用い
てスクリーン印刷法によりペースト膜を形成し、温度1
00〜200℃で10〜30分間乾燥した後に、温度5
00〜600℃で0.5〜3時間焼成することにより、
ガラス基板10上に白色絶縁層52を形成する。
【0027】次いでこのガラス基板10上に、上記第1
の実施の形態で作製されたペーストを用いてスクリーン
印刷法によりペースト膜11を形成し、温度100〜2
00℃で10〜30分間乾燥した後に、温度300〜4
00℃で0.5〜3時間仮焼成する。この仮焼成したペ
ースト膜11表面にラミネータを用いてDFR12を積
層した後に、DFR12上にフィルムマスク13を置
き、中心波長254nmの紫外線を照射し、露光を行
う。次に露光を行ったガラス基板10に対し、濃度が
0.1〜5%のNa2CO3水溶液を噴霧し、未露光部を
除去し、現像を行う。この現像を行ってDFRパターン
層16を有するガラス基板10に対し、アルミナ粉末等
の砥粒を用いてサンドブラストを行い、DFRパターン
層16が形成されていない部分のペースト膜11を除去
することにより、ガラス基板10上に白色絶縁層52を
介してセラミックグリーンリブ18を形成する。
【0028】このガラス基板10を温度500〜600
℃で0.1〜2時間焼成することにより、ガラス基板1
0上に白色絶縁層52を介して隔壁14を形成する。更
に隔壁14間のセル17内面に、図示しないが紫外線に
より赤色,緑色又は青色を発光する蛍光体粉末からなる
ペーストを用いて、それぞれスクリーン印刷法により落
とし込み印刷を行い、温度100〜200℃で10〜3
0分間乾燥した後に、温度450〜550℃で0.1〜
2時間焼成することにより、AC型PDP用背面板50
を得る。
【0029】図4及び図5は本発明の第4の実施の形態
を示す(くし歯を有するブレードによるPDP用隔壁の
作製方法)。先ずガラス基板10の表面に、第1の実施
の形態のペーストを塗布して形成されたペースト膜71
に対し、くし歯72bを有するブレード72のエッジ7
2aをガラス基板10表面に接触させた状態で、ブレー
ド72又はガラス基板10を一定方向に移動することに
よりガラス基板10表面にセラミックキャピラリリブ7
3を形成する。具体的には、ブレード72のエッジ72
aをペースト膜に突き刺してガラス基板10表面に接触
させた状態で、ガラス基板10を固定して図4の実線矢
印で示すようにブレード72を一定方向に移動するか、
又はブレード72を固定して図4の破線矢印で示すよう
にガラス基板10を一定方向に移動させることにより、
セラミックキャピラリリブ73を形成する。
【0030】上記ブレード72には複数のくし歯72b
が等間隔にかつ同一方向に形成される。このブレード7
2はペーストとの反応やペーストに溶解されることのな
い金属、セラミック又はプラスチック等により作られ、
特に、寸法精度、耐久性の観点からセラミック若しくは
Fe,Ni,Co基の合金が好ましい。それぞれのくし
歯72bの間の隙間はこのブレード72により形成され
るセラミックキャピラリリブ73の断面形状に相応して
形成される。ブレード72又はガラス基板10の移動に
より、ガラス基板10表面に塗布されたペーストのうち
ブレード72のくし歯72bに対応する箇所はくし歯7
2bの間の隙間に移動するか若しくは掃き取られ、くし
歯72bの間の隙間に位置するペーストのみがガラス基
板10上に残存してガラス基板10表面にセラミックキ
ャピラリリブ73が形成される。くし歯の溝の深さがペ
ースト膜71の厚さより大きい場合にはブレード72又
はガラス基板10を移動するときに掃き取られたペース
トが溝に入り込み、ペースト膜71の厚さ以上の高さを
有するセラミックキャピラリリブ73を形成できる。
【0031】このようして形成されたセラミックキャピ
ラリリブ73はその後乾燥されてセラミックグリーンリ
ブ(図示せず)になり、更に脱バインダのため加熱さ
れ、引続いて焼成することにより図5に示す隔壁74に
なる。このときの焼成温度は600℃未満であり、ガラ
ス基板10としてソーダ石灰ガラスを用いた場合のこの
ガラス基板10の軟化点(735℃)より100℃以上
低いため(ガラスの軟化点は焼成温度から約100℃差
し引いた温度である。)、ガラス基板10は軟化せず、
ガラス基板10に反り等は生じない。また上記隔壁74
の熱膨張係数は65〜87×10-7/℃と上記ガラス基
板10の熱膨張係数(85×10-7/℃)と概略同一に
なり、上記ガラス組成物に密度の大きいPb成分を含ま
ず、セラミックキャピラリリブ73の重量を軽減できる
ため、ガラス基板10の反りを更に抑制できる。またガ
ラス成分にV25を含まないため、白色の反射率の高い
隔壁74を得ることができ、上記隔壁74の比誘電率が
4〜7程度と比較的小さいので、電気信号が近隣の配線
に漏洩することはなく、画像にクロストークが発生しな
い。更にガラス組成物へのセラミックフィラー物の添加
量は比較的少量で済むので、焼成後の隔壁74の強度や
放電特性が低下することもない。
【0032】図6及び図7は本発明の第5の実施の形態
を示す(くし歯を有するブレードによるPDP用隔壁及
びPDP用絶縁層の作製方法)。この実施の形態では、
ガラス基板10の表面に上記ペーストを塗布して形成さ
れたペースト膜71に対して、くし歯72bを有するブ
レード72のエッジ72aをガラス基板10表面から所
定の高さ浮上した状態でブレード72又はガラス基板1
0を一定方向に移動することにより、ガラス基板10表
面にセラミックキャピラリ層91が形成され、このセラ
ミックキャピラリ層91上にセラミックキャピラリリブ
92が形成される(図6)。上記セラミックキャピラリ
層91及びセラミックキャピラリリブ92は乾燥されて
セラミックグリーン層及びセラミックグリーンリブにな
り、更に脱バインダのため加熱され、引続いて焼成され
ることにより、図7に示すガラス基板10上に形成され
た絶縁層93と、この絶縁層93上に形成された隔壁9
4となる。なお、上記第1〜第5の実施の形態では、本
発明のペーストによりPDP用隔壁及びPDP用絶縁層
を形成したが、PALC用隔壁及びPALC用絶縁層を
形成してもよい。
【0033】次に本発明の第6の実施の形態を説明す
る。誘電体用ガラス組成物はガラス成分として、12a
tom%以上かつ26atom%未満のPと、3ato
m%以上かつ17atom%未満のZnと、0.01a
tom%以上かつ3atom%未満のSiと、0.01
atom%以上かつ5atom%未満のBと、0ato
m%以上かつ13atom%未満のMg,Ca,Sr及
びBaからなる群より選ばれた1種又は2種以上のアル
カリ土類金属と、0.01atom%以上かつ5ato
m%未満のAlと、55atom%以上かつ65ato
m%未満のOとを含むものである。これらの各元素を酸
化物換算して表すと、30モル%以上かつ70モル%未
満のP25と、20モル%以上かつ60モル%未満のZ
nOと、0.1モル%以上かつ10モル%未満のSiO
2と、0.1モル%以上かつ20モル%未満のB2
3と、1モル%以上かつ40モル%未満のMgO,Ca
O,SrO及びBaOからなる群より選ばれた1種又は
2種以上のアルカリ土類金属の酸化物と、0.1モル%
以上かつ10モル%未満のAl23とを含むものにな
る。
【0034】P25を30モル%以上かつ70モル%未
満に限定したのは、30モル%未満ではガラス化せず、
70モル%を越えると耐水性が劣化するからである。な
お、上記P25は45モル%以上かつ70モル%未満で
あることが更に好ましい。またZnOを20モル%以上
かつ60モル%未満に限定したのは、20モル%未満で
は熱膨張係数が大きくなり、60モル%を越えるとガラ
ス化しないからであり、このZnOは50〜60モル%
であることが更に好ましい。SiO2を0.1モル%以
上かつ10モル%未満に限定したのは、0.1モル%未
満では熱膨張係数が高くなり、10モル%を越えると軟
化点が高くなるからであり、このSiO2は1〜5モル
%であることが更に好ましい。またB23を0.1モル
%以上かつ20モル%未満に限定したのは、0.1モル
%未満では軟化点が高くなり、20モル%を越えるとP
25と複合酸化物を構成し、軟化点が高くなるからであ
り、このB23は10〜20モル%であることが更に好
ましい。
【0035】MgO、CaO、SrO及びBaOからな
る群より選ばれた1種又は2種以上のアルカリ土類金属
の酸化物を1モル%以上かつ40モル%未満に限定した
のは、1モル%未満では軟化点が高い不具合があり、4
0モル%を越えるとガラスにならない不具合があるから
であり、この酸化物は20〜40モル%であることが更
に好ましい。またAl23を0.1モル%以上かつ10
モル%未満に限定したのは、0.1モル%未満ではガラ
スの耐水性が低くなり、10モル%を越えるとP25
複合酸化物を構成し、軟化点が高くなるからであり、こ
のAl23は1〜5モル%であることが更に好ましい。
【0036】[1]ガラス組成物の粉末の作製方法 先ずアルカリ土類金属としてMg,Ca,Sr及びBa
のうち少なくとも1種類を選ぶ。次いでリン酸若しくは
リン酸塩(例えば、H3PO4や(NH43PO 4・3H2
O等)と、酸化亜鉛(ZnO)と、SiO2と、ホウ酸
(H3BO3)と、上記アルカリ土類金属の塩(例えば、
CaCO3やCaSO4等)と、Al23の各粉末を、酸
化物換算でP25:30モル%以上かつ70モル%未
満、ZnO:20モル%以上かつ60モル%未満、Si
2:0.1モル%以上かつ10モル%未満、B23
0.1モル%以上かつ20モル%未満、MgO,Ca
O,SrO及びBaOからなる群より選ばれた1種又は
2種以上のアルカリ土類金属の酸化物:1モル%以上か
つ40モル%未満、Al23:0.1モル%以上かつ1
0モル%未満の比で秤量する。
【0037】次に上記各粉末をボールミル等を用いて
0.5〜6時間混合した後、この混合粉末を白金るつぼ
等に投入し、大気中で900〜1200℃に1〜6時間
保持した後、急冷する。更にこの急冷物を粉砕し、メッ
シュ数が200メッシュ以上(メッシュの目開きが85
μm以下)のふるいを用いて分級することによりガラス
組成物の粉末を得る。このガラス組成物の粉末の粒径は
0.1〜30μmであることが好ましい。ガラス組成物
の粉末の粒径を0.1〜30μmの範囲に限定したの
は、0.1μm未満では凝集し易くその取扱いが煩わし
くなり、30μmを越えると所定の形状に成形できなく
なるからである。
【0038】[2]ガラスペースト及びグリーンシート
の作製方法 上記ガラス組成物の粉末に対し、エチルセルロースやア
クリル樹脂等の高分子樹脂と、α−テルピネオールやブ
チルカルビトールアセテート等の溶剤を添加し、3本ロ
ール等で十分に混練することにより、ペーストを得る。
ペーストの各成分の配合比は、ガラス組成物の粉末を7
0〜90重量%、高分子樹脂を1〜5重量%、溶剤を8
〜25重量%であることが好ましい。またこのペースト
を用いてグリーンシートを作製してもよい。 [3]誘電体の作製方法 上記ガラス組成物の粉末をプレス成形法により所定の形
状に成形し、或いは上記ペーストをスクリーン印刷法,
押出し成形法,射出成形法等により所定の形状に成形し
た後に、この成形体を乾燥・焼成することにより誘電体
を得る。
【0039】[4]誘電体ペーストの作製方法 上記ガラス組成物の粉末に対し、誘電体粉末と、高分子
樹脂と、溶剤とを添加し、3本ロール等で十分に混練す
ることにより、ペーストを得る。上記誘電体粉末として
はBaTiO3,(Ba,Sr)TiO3等が用いられる
ことが好ましい。また高分子樹脂としてはエチルセルロ
ース,アクリル樹脂等が用いられ、溶剤としてはα−テ
ルピネオール,ブチルカルビトールアセテート等が用い
られることが好ましい。なお、ペースト中の各成分の配
合比は、ガラス組成物の粉末が5〜45重量%、誘電体
粉末が50〜90重量%、高分子樹脂が1〜5重量%、
溶剤が4〜25重量%であることが好ましい。上記ペー
ストをスクリーン印刷法などにより、所定の形状にパタ
ーニングし、乾燥・焼成することにより誘電体厚膜を得
る。
【0040】[5]ガラス組成物を用いた前面パネルの
誘電体層の作製方法。 図8に示すように、先ずガラス基板110に、ITO等
の透明電極をスパッタ法により50〜200μm幅の帯
状のパターンを形成し、この透明電極上にAg等の導電
ペーストをスクリーン印刷法によりパターンを形成す
る。その後温度100〜200℃で10〜30分間乾燥
した後に、温度500〜600℃で0.1〜1時間焼成
することにより、ガラス基板110にパス電極111を
形成する。その後このガラス基板110に、ガラスペー
ストを用いてスクリーン印刷法によりペースト膜を形成
し、温度100〜150℃で10〜30分間乾燥した後
に、温度500〜600℃で0.5〜3時間焼成するこ
とにより、ガラス基板110上に透明誘電体層112を
形成する。この透明誘電体層112を形成した基板11
0に蒸着法等によりMgO膜113を形成し、AC型P
DP用前面パネル100を得る。
【0041】
【実施例】次に本発明の隔壁又は絶縁層用ペーストにお
ける実施例を比較例とともに詳しく説明する。 <実施例1>P25を20モル%と、ZnOを60モル
%と、SiO2を2モル%と、B2 3を5モル%と、M
gOを8モル%と、Al23を5モル%とを含むガラス
粉末(ガラス組成物)を80重量%用意し、セラミック
フィラー物として平均粒径1.8μmのアルミナ粉末を
20重量%用意し、両者を十分に混合した。上記ガラス
粉末は具体的には、P25として(NH43PO4・3
2Oを、ZnO,SiO2及びAl23はそのまま、M
gOとしてMgCO3をそれぞれ所定の成分になるよう
に混合し、大気中で1150℃にて30分間融解してカ
ーボン板上に流し出し、固化した後に粉砕して(平均粒
径3〜5μm)得た。この混合粉末と有機バインダであ
るエチルセルロースと溶媒であるα−テルピネオールと
を重量比で10/1/4の割合で配合し、十分に混練し
てペーストを得た。このようにして得られた隔壁又は絶
縁層用ペーストを実施例1とした。なお、以下の実施例
2〜23及び比較例1〜12のガラス粉末も、上記と同
様にP25として(NH43PO4・3H2Oを、Zn
O,SiO2及びAl23はそのまま、アルカリ土類金
属の酸化物であるMgO,CaO,SrO又はBaOと
してMgCO3,CaCO3,SrCO3又はBaCO3
それぞれ所定の成分になるように混合し、大気中で11
50℃にて30分間融解してカーボン板上に流し出し、
固化した後に粉砕して(平均粒径3〜5μm)得た。
【0042】<実施例2>ガラス粉末が実施例1のMg
Oに替えてCaOを8モル%含むことを除いて、実施例
1と同様にしてペーストを作製した。この隔壁又は絶縁
層用ペーストを実施例2とした。 <実施例3>ガラス粉末が実施例1のMgOに替えてS
rOを8モル%含むことを除いて、実施例1と同様にし
てペーストを作製した。この隔壁又は絶縁層用ペースト
を実施例3とした。 <実施例4>ガラス粉末が実施例1のMgOに替えてB
aOを8モル%含むことを除いて、実施例1と同様にし
てペーストを作製した。この隔壁又は絶縁層用ペースト
を実施例4とした。 <実施例5>ガラス粉末がP25を20モル%と、Zn
Oを60モル%と、SiO2を2モル%と、B23
9.9モル%と、SrOを8モル%と、Al23を0.
1モル%とを含むことを除いて、実施例1と同様にして
隔壁又は絶縁層用ペーストを作製した。このペーストを
実施例5とした。
【0043】<実施例6>ガラス粉末がP25を20モ
ル%と、ZnOを60モル%と、SiO2を2モル%
と、B23を0.1モル%と、SrOを8モル%と、A
23を9.9モル%とを含むことを除いて、実施例1
と同様にしてペーストを作製した。この隔壁又は絶縁層
用ペーストを実施例6とした。 <実施例7>ガラス粉末がP25を21.9モル%と、
ZnOを60モル%と、SiO2を0.1モル%と、B2
3を5モル%と、SrOを8モル%と、Al23を5
モル%とを含むことを除いて、実施例1と同様にしてペ
ーストを作製した。この隔壁又は絶縁層用ペーストを実
施例7とした。 <実施例8>ガラス粉末がP25を20モル%と、Zn
Oを52.1モル%と、SiO2を9.9モル%と、B2
3を5モル%と、SrOを8モル%と、Al23を5
モル%とを含むことを除いて、実施例1と同様にしてペ
ーストを作製した。この隔壁又は絶縁層用ペーストを実
施例8とした。
【0044】<実施例9>ガラス粉末がP25を24.
5モル%と、ZnOを50モル%と、SiO2を8モル
%と、B23を4.5モル%と、SrOを8モル%と、
Al23を5モル%とを含むことを除いて、実施例1と
同様にしてペーストを作製した。この隔壁又は絶縁層用
ペーストを実施例9とした。 <実施例10>ガラス粉末がP25を20モル%と、Z
nOを64.9モル%と、SiO2を2モル%と、B2
3を5モル%と、SrOを8モル%と、Al23を5モ
ル%とを含むことを除いて、実施例1と同様にしてペー
ストを作製した。この隔壁又は絶縁層用ペーストを実施
例10とした。 <実施例11>ガラス粉末がP25を5モル%と、Zn
Oを64.9モル%と、SiO2を9.1モル%と、B2
3を8モル%と、SrOを8モル%と、Al23を5
モル%と含むことを除いて、実施例1と同様にしてペー
ストを作製した。この隔壁又は絶縁層用ペーストを実施
例11とした。
【0045】<実施例12>ガラス粉末がP25を3
4.9モル%、ZnOを50モル%と、SiO2を2.
1モル%と、B23を0.1モル%と、SrOを8モル
%と、Al23を4.9モル%とを含むことを除いて、
実施例1と同様にしてペーストを作製した。この隔壁又
は絶縁層用ペーストを実施例12とした。 <実施例13>B23を30モル%と、ZnOを20モ
ル%と、BaOを5モル%と、SrOを5モル%と、M
gOを20モル%と、BaF2を20モル%とを含むガ
ラス粉末を60重量%用意したことを除いて、実施例1
2と同様にしてペーストを形成した。この隔壁又は絶縁
層用ペーストを実施例13とした。
【0046】<実施例14>P25を20モル%と、Z
nOを60モル%と、SiO2を2モル%と、B2 3
5モル%と、MgOを4モル%と、CaOを4モル%
と、Al23を5モル%とを含むガラス粉末を70重量
%用意し、セラミックフィラー物として平均粒径4.4
μmのチタニア粉末を30重量%用意し、両者を十分に
混合した。上記以外は実施例1と同様にしてペーストを
作製した。この隔壁又は絶縁層用ペーストを実施例14
とした。 <実施例15>P25を20モル%と、ZnOを60モ
ル%と、SiO2を2モル%と、B2 3を5モル%と、
MgOを4モル%と、CaOを4モル%と、SrOを2
モル%と、BaOを2モル%と、Al23を5モル%と
を含むガラス粉末を70重量%用意したことを除いて、
実施例13と同様にしてペーストを作製した。この隔壁
又は絶縁層用ペーストを実施例15とした。
【0047】<実施例16>P25を20モル%と、Z
nOを60モル%と、SiO2を2モル%と、B2 3
5モル%と、SrOを8モル%と、Al23を5モル%
とを含むガラス粉末を80重量%用意し、セラミックフ
ィラー物として平均粒径4.3μmのジルコン粉末を2
0重量%用意し、両者を十分に混合した。上記以外は実
施例1と同様にしてペーストを作製した。この隔壁又は
絶縁層用ペーストを実施例16とした。 <実施例17>P25を20モル%と、ZnOを60モ
ル%と、SiO2を2モル%と、B2 3を5モル%と、
SrOを8モル%と、Al23を5モル%とを含むガラ
ス粉末を80重量%用意し、セラミックフィラー物とし
て平均粒径4.9μmのコーディエライト粉末を20重
量%用意し、両者を十分に混合した。上記以外は実施例
1と同様にしてペーストを作製した。この隔壁又は絶縁
層用ペーストを実施例17とした。
【0048】<実施例18>P25を20モル%と、Z
nOを60モル%と、SiO2を2モル%と、B2 3
5モル%と、SrOを8モル%と、Al23を5モル%
とを含むガラス粉末を80重量%用意し、セラミックフ
ィラー物として平均粒径2.6μmのβ−ユークリプタ
イト粉末を20重量%用意し、両者を十分に混合した。
上記以外は実施例1と同様にしてペーストを作製した。
この隔壁又は絶縁層用ペーストを実施例18とした。 <実施例19>P25を20モル%と、ZnOを60モ
ル%と、SiO2を2モル%と、B2 3を5モル%と、
SrOを8モル%と、Al23を5モル%とを含むガラ
ス粉末を80重量%用意し、セラミックフィラー物とし
て平均粒径2.9μmのβ−スポジューメン粉末を20
重量%用意し、両者を十分に混合した。上記以外は実施
例1と同様にしてペーストを作製した。この隔壁又は絶
縁層用ペーストを実施例19とした。
【0049】<実施例20>P25を20モル%と、Z
nOを60モル%と、SiO2を2モル%と、B2 3
5モル%と、SrOを8モル%と、Al23を5モル%
とを含むガラス粉末を70重量%用意し、セラミックフ
ィラー物として平均粒径4.5μmのアノーサイト粉末
を30重量%用意し、両者を十分に混合した。上記以外
は実施例1と同様にしてペーストを作製した。この隔壁
又は絶縁層用ペーストを実施例20とした。 <実施例21>P25を20モル%と、ZnOを60モ
ル%と、SiO2を2モル%と、B2 3を5モル%と、
SrOを8モル%と、Al23を5モル%とを含むガラ
ス粉末を70重量%用意し、セラミックフィラー物とし
て平均粒径4.0μmのセルシアン粉末を30重量%用
意し、両者を十分に混合した。上記以外は実施例1と同
様にしてペーストを作製した。この隔壁又は絶縁層用ペ
ーストを実施例21とした。
【0050】<実施例22>P25を20モル%と、Z
nOを60モル%と、SiO2を2モル%と、B2 3
5モル%と、SrOを8モル%と、Al23を5モル%
とを含むガラス粉末を70重量%用意し、セラミックフ
ィラー物として平均粒径2.9μmのフォルステライト
粉末を30重量%用意し、両者を十分に混合した。上記
以外は実施例1と同様にしてペーストを作製した。この
隔壁又は絶縁層用ペーストを実施例22とした。 <実施例23>P25を20モル%と、ZnOを60モ
ル%と、SiO2を2モル%と、B2 3を5モル%と、
SrOを8モル%と、Al23を5モル%とを含むガラ
ス粉末を70重量%用意し、セラミックフィラー物とし
て平均粒径3.8μmのチタン酸アルミニウム粉末を3
0重量%用意し、両者を十分に混合した。上記以外は実
施例1と同様にしてペーストを作製した。この隔壁又は
絶縁層用ペーストを実施例23とした。
【0051】<比較例1>ガラス粉末がP25を10モ
ル%、ZnOを55モル%と、SiO2を2モル%と、
23を5モル%と、SrOを20モル%と、Al23
を8モル%とを含むことを除いて、実施例1と同様にし
てペーストを作製した。この隔壁又は絶縁層用ペースト
を比較例1とした。 <比較例2>ガラス粉末がP25を20モル%、ZnO
を60モル%と、SiO2を7モル%と、B23を5モ
ル%と、Al23を8モル%とを含むことを除いて、実
施例1と同様にしてペーストを作製した。この隔壁又は
絶縁層用ペーストを比較例2とした。 <比較例3>ガラス粉末がP25を20モル%、ZnO
を62モル%と、SiO2を5モル%と、B23を5モ
ル%と、SrOを8モル%とを含むことを除いて、実施
例1と同様にしてペーストを作製した。この隔壁又は絶
縁層用ペーストを比較例3とした。
【0052】<比較例4>ガラス粉末がP25を18モ
ル%、ZnOを52モル%と、SiO2を2モル%と、
23を5モル%と、SrOを8モル%と、Al23
15モル%とを含むことを除いて、実施例1と同様にし
てペーストを作製した。この隔壁又は絶縁層用ペースト
を比較例4とした。 <比較例5>ガラス粉末がP25を20モル%、ZnO
を60モル%と、SiO2を2モル%と、SrOを13
モル%と、Al23を5モル%とを含むことを除いて、
実施例1と同様にしてペーストを作製した。この隔壁又
は絶縁層用ペーストを比較例5とした。 <比較例6>ガラス粉末がP25を15モル%、ZnO
を55モル%と、SiO2を2モル%と、B23を15
モル%と、SrOを8モル%と、Al23を5モル%と
を含むことを除いて、実施例1と同様にしてペーストを
作製した。この隔壁又は絶縁層用ペーストを比較例6と
した。
【0053】<比較例7>ガラス粉末がP25を15モ
ル%、ZnOを55モル%と、SiO2を15モル%
と、SrOを8モル%と、Al23を5モル%とを含む
ことを除いて、実施例1と同様にしてペーストを作製し
た。この隔壁又は絶縁層用ペーストを比較例7とした。 <比較例8>ガラス粉末がP25を15モル%、ZnO
を55モル%と、SiO2を15モル%と、B23を5
モル%と、SrOを5モル%と、Al23を5モル%と
を含むことを除いて、実施例1と同様にしてペーストを
作製した。この隔壁又は絶縁層用ペーストを比較例8と
した。 <比較例9>ガラス粉末がP25を24モル%、ZnO
を45モル%と、SiO2を7モル%と、B23を8モ
ル%と、SrOを8モル%と、Al23を8モル%とを
含むことを除いて、実施例1と同様にしてペーストを作
製した。この隔壁又は絶縁層用ペーストを比較例9とし
た。
【0054】<比較例10>ガラス粉末がP25を10
モル%、ZnOを70モル%と、SiO2を2モル%
と、B23を5モル%と、SrOを8モル%と、Al2
3を5モル%とを含むことを除いて、実施例1と同様
にしてペーストを作製した。この隔壁又は絶縁層用ペー
ストを比較例10とした。 <比較例11>ガラス粉末がP25を2モル%、ZnO
を64モル%と、SiO2を9モル%と、B23を9モ
ル%と、SrOを8モル%と、Al23を8モル%とを
含むことを除いて、実施例1と同様にしてペーストを作
製した。この隔壁又は絶縁層用ペーストを比較例11と
した。 <比較例12>ガラス粉末がP25を35モル%、Zn
Oを50モル%と、SiO2を2モル%と、B23を3
モル%と、SrOを8モル%と、Al23を2モル%と
を含むことを除いて、実施例1と同様にしてペーストを
作製した。この隔壁又は絶縁層用ペーストを比較例12
とした。
【0055】<比較試験及び評価>実施例1〜23及び
比較例1〜12のペーストに含まれる、ガラス組成物の
成分及び各成分の混合割合を「モル%」で表したものを
表1に示し、「atom%」で表したものを表2に示
す。また、セラミックフィラー物の成分及び添加量(重
量%)を表1及び表2にそれぞれ含めて示す。上記実施
例1〜23及び比較例1〜12のペーストを縦×横がそ
れぞれ25mm×25mmのパターンにガラス基板上に
印刷し、150℃で10分間乾燥後、種々の焼成温度で
焼成し、ガラス基板との密着性が良好で最も低い焼成温
度をそのガラス組成物及びセラミックフィラー物(ガラ
ス/セラミック)のペーストの焼成温度とした。また5
mm×5mm×20mmのキャビティに上記ペーストを
流し込み、上記焼成温度にて焼成し、焼成後に形成され
たガラス板の熱膨張係数(×10-7/℃)及び反射率
(%)をそれぞれ測定した。上記反射率はガラス基板上
にて焼成されたガラス/セラミック膜の可視光(380
〜800nm)の反射率を測定した。上記焼成温度,熱
膨張係数及び反射率を表3に示す。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】
【表3】
【0059】表3から明らかなように、実施例1〜23
では焼成温度が600℃未満と低かったのに対し、比較
例2,4,5,8,9及び11では焼成温度が600℃
以上と高く、比較例1,6及び10では所定のガラス成
分にてガラス化ができなかった。なお、比較例3ではガ
ラスが潮解性を示した。また実施例1〜23では熱膨張
係数が(77〜87)×10-7/℃であったのに対し、
比較例7及び12では熱膨張係数が101×10-7/℃
及び120×10-7/℃と高かった。実施例1〜23の
熱膨張係数はPDPのガラス基板(ソーダ石灰ガラス)
の熱膨張係数(85×10-7/℃)と概略同一であっ
た。更に実施例1〜23では反射率が78〜85%と極
めて高かった。
【0060】次に本発明の誘電体用ペーストにおける実
施例を比較例とともに詳しく説明する。 <実施例24>P25を35モル%と、ZnOを35モ
ル%と、SiO2を2モル%と、B2 3を3モル%と、
MgOを20モル%と、Al23を5モル%とを含む原
料粉末を用意し、乳鉢で十分混合した。上記原料粉末は
具体的には、P25として(NH43PO4・3H2
を、ZnO,SiO2及びAl23はそのまま、MgO
としてMgCO3をそれぞれ所定の成分になるように混
合し、大気中で1150℃にて30分間融解してカーボ
ン板上に流し出し、固化した後に粉砕して(平均粒径3
〜5μm)得た。この混合粉末と有機バインダであるエ
チルセルロースと溶媒であるα−テルピネオールとを重
量比で10/1/4の割合で配合し、十分に混練してペ
ーストを得た。このようにして得られた誘電体用ペース
トを実施例1とした。なお、以下の実施例25〜38及
び比較例13〜24のガラス粉末も、上記と同様にP2
5として(NH43PO4・3H2Oを、ZnO,Si
2及びAl2 3はそのまま、アルカリ土類金属の酸化
物であるMgO,CaO,SrO又はBaOとしてMg
CO3,CaCO3,SrCO3又はBaCO3をそれぞれ
所定の成分になるように混合し、大気中で1150℃に
て30分間融解してカーボン板上に流し出し、固化した
後に粉砕して(平均粒径3〜5μm)得た。
【0061】<実施例25>ガラス粉末が実施例1のM
gOに替えてCaOを20モル%含むことを除いて、実
施例24と同様にしてペーストを作製した。この誘電体
用ペーストを実施例25とした。 <実施例26>ガラス粉末が実施例1のMgOに替えて
SrOを20モル%含むことを除いて、実施例24と同
様にしてペーストを作製した。この誘電体用ペーストを
実施例26とした。 <実施例27>ガラス粉末が実施例1のMgOに替えて
BaOを20モル%含むことを除いて、実施例24と同
様にしてペーストを作製した。この誘電体用ペーストを
実施例27とした。 <実施例28>ガラス粉末がP25を35モル%と、Z
nOを35モル%と、SiO2を2モル%と、B23
9.9モル%と、SrOを18モル%と、Al23
0.1モル%とを含むことを除いて、実施例24と同様
にしてペーストを作製した。この誘電体用ペーストを実
施例28とした。
【0062】<実施例29>ガラス粉末がP25を35
モル%と、ZnOを35モル%と、SiO2を2モル%
と、B23を0.1モル%と、SrOを18モル%と、
Al23を9.9モル%とを含むことを除いて、実施例
24と同様にしてペーストを作製した。この誘電体用ペ
ーストを実施例29とした。 <実施例30>ガラス粉末がP25を31.8モル%
と、ZnOを60モル%と、SiO2を0.1モル%
と、B23を0.1モル%と、SrOを5モル%と、A
23を3モル%とを含むことを除いて、実施例24と
同様にしてペーストを作製した。この誘電体用ペースト
を実施例30とした。 <実施例31>ガラス粉末がP25を40.1モル%
と、ZnOを20モル%と、SiO2を9.9モル%
と、B23を5モル%と、SrOを20モル%と、Al
23を5モル%とを含むことを除いて、実施例24と同
様にしてペーストを作製した。この誘電体用ペーストを
実施例31とした。
【0063】<実施例32>ガラス粉末がP25を30
モル%と、ZnOを40モル%と、SiO2を5モル%
と、B23を5モル%と、SrOを15モル%と、Al
23を5モル%とを含むことを除いて、実施例24と同
様にしてペーストを作製した。この誘電体用ペーストを
実施例32とした。 <実施例33>ガラス粉末がP25を70モル%と、Z
nOを21.7モル%と、SiO2を0。1モル%と、
23を0.1モル%と、SrOを8モル%と、Al2
3を0.1モル%とを含むことを除いて、実施例24
と同様にしてペーストを作製した。この誘電体用ペース
トを実施例33とした。 <実施例34>ガラス粉末がP25を39モル%と、Z
nOを50モル%と、SiO2を2モル%と、B23
3モル%と、SrOを1モル%と、Al23を5モル%
と含むことを除いて、実施例24と同様にしてペースト
を作製した。この誘電体用ペーストを実施例34とし
た。
【0064】<実施例35>ガラス粉末がP25を20
モル%、ZnOを30モル%と、SiO2を2モル%
と、B23を5モル%と、SrOを40モル%と、Al
23を3モル%とを含むことを除いて、実施例24と同
様にしてペーストを作製した。この誘電体用ペーストを
実施例35とした。 <実施例36>ガラス粉末がP25を35モル%、Zn
Oを35モル%と、SiO2を2モル%と、B23を3
モル%と、MgOを10モル%と、CaOを10モル%
と、Al23を5モル%とを含むことを除いて、実施例
24と同様にしてペーストを作製した。この誘電体用ペ
ーストを実施例36とした。 <実施例37>P25を35モル%と、ZnOを35モ
ル%と、SiO2を2モル%と、B2 3を3モル%と、
MgOを5モル%と、CaOを5モル%と、SrOを1
0モル%と、Al23を5モル%とを含むことを除い
て、実施例24と同様にしてペーストを作製した。この
誘電体用ペーストを実施例37とした。 <実施例38>P25を35モル%と、ZnOを35モ
ル%と、SiO2を2モル%と、B2 3を3モル%と、
MgOを5モル%と、CaOを5モル%と、SrOを5
モル%と、BaOを5モル%と、Al23を5モル%と
を含むことを除いて、実施例24と同様にしてペースト
を作製した。この誘電体用ペーストを実施例38とし
た。
【0065】<比較例13>ガラス粉末がP25を28
モル%、ZnOを21モル%と、SiO2を2モル%
と、B23を5モル%と、SrOを20モル%と、Al
23を8モル%とを含むことを除いて、実施例24と同
様にしてペーストを作製した。この誘電体用ペーストを
比較例13とした。 <比較例14>ガラス粉末がP25を72モル%、Zn
Oを21モル%と、SiO2を1モル%と、B23を1
モル%と、SrOを4モル%と、Al23を1モル%と
を含むことを除いて、実施例24と同様にしてペースト
を作製した。この誘電体用ペーストを比較例14とし
た。 <比較例15>ガラス粉末がP25を49モル%、Zn
Oを21モル%と、SiO2を5モル%と、B23を5
モル%と、SrOを15モル%と、Al23を5モル%
とを含むことを除いて、実施例24と同様にしてペース
トを作製した。この誘電体用ペーストを比較例15とし
た。
【0066】<比較例16>ガラス粉末がP25を32
モル%、ZnOを62モル%と、SiO2を0.5モル
%と、B23を0.5モル%と、SrOを2モル%と、
Al23を2モル%とを含むことを除いて、実施例24
と同様にしてペーストを作製した。この誘電体用ペース
トを比較例16とした。 <比較例17>ガラス粉末がP25を35モル%、Zn
Oを35モル%と、SiO2を5モル%と、SrOを2
0モル%と、Al23を5モル%とを含むことを除い
て、実施例24と同様にしてペーストを作製した。この
誘電体用ペーストを比較例17とした。 <比較例18>ガラス粉末がP25を35モル%、Zn
Oを35モル%と、SiO2を11モル%と、B23
4モル%と、SrOを10モル%と、Al23を5モル
%とを含むことを除いて、実施例24と同様にしてペー
ストを作製した。この誘電体用ペーストを比較例18と
した。
【0067】<比較例19>ガラス粉末がP25を35
モル%、ZnOを35モル%と、SiO2を5モル%
と、SrOを20モル%と、Al23を5モル%とを含
むことを除いて、実施例24と同様にしてペーストを作
製した。この誘電体用ペーストを比較例19とした。 <比較例20>ガラス粉末がP25を35モル%、Zn
Oを35モル%と、SiO2を4モル%と、B23を1
1モル%と、SrOを10モル%と、Al23を5モル
%とを含むことを除いて、実施例24と同様にしてペー
ストを作製した。この誘電体用ペーストを比較例20と
した。 <比較例21>ガラス粉末がP25を35モル%、Zn
Oを45モル%と、SiO2を5.5モル%と、B23
を9モル%と、SrOを0.5モル%と、Al23を5
モル%とを含むことを除いて、実施例24と同様にして
ペーストを作製した。この誘電体用ペーストを比較例2
1とした。
【0068】<比較例22>ガラス粉末がP25を31
モル%、ZnOを21モル%と、SiO2を2モル%
と、B23を3モル%と、SrOを41モル%と、Al
23を2モル%とを含むことを除いて、実施例24と同
様にしてペーストを作製した。この誘電体用ペーストを
比較例22とした。 <比較例23>ガラス粉末がP25を35モル%、Zn
Oを35モル%と、SiO2を8モル%と、B23を7
モル%と、SrOを15モル%とを含むことを除いて、
実施例24と同様にしてペーストを作製した。この誘電
体用ペーストを比較例23とした。 <比較例24>ガラス粉末がP25を35モル%、Zn
Oを35モル%と、SiO2を2モル%と、B23を2
モル%と、SrOを15モル%と、Al23を11モル
%とを含むことを除いて、実施例24と同様にしてペー
ストを作製した。この誘電体用ペーストを比較例24と
した。
【0069】<比較試験及び評価>実施例24〜38及
び比較例13〜24のペーストに含まれる、ガラス組成
物の成分及び各成分の混合割合を「モル%」で表したも
のを表4に示し、「atom%」で表したものを表5に
示す。上記実施例24〜38及び比較例13〜24のペ
ーストを縦×横がそれぞれ25mm×25mmのパター
ンでソーダライムガラス基板上に印刷し、150℃で1
0分間乾燥後、種々の焼成温度で焼成し、ガラス基板と
の密着性が良好で最も低い焼成温度をそのガラス組成物
のペーストの焼成温度とした。また5mm×5mm×2
0mmのキャビティに上記ペーストを流し込み、上記焼
成温度にて焼成し、焼成後に形成されたガラス板の熱膨
張係数(×10-7/℃)、可視光透過率(%)及び比誘
電率(%)をそれぞれ測定した。この熱膨張係数(×1
-7/℃)、可視光透過率(%)及び比誘電率(%)を
表6に示す。
【表4】
【0070】
【表5】
【0071】
【表6】
【0072】表4〜表6から明らかなように、実施例2
4〜38では焼成温度が600℃未満と低かったのに対
し、比較例16〜20及び24では焼成温度が600℃
以上と高く、比較例13及び22では所定のガラス成分
にてガラス化ができなかった。なお、比較例14及び2
3ではガラスが潮解性を示した。また実施例24〜38
では熱膨張係数が(74〜82)×10-7/℃であった
のに対し、比較例15及び17では熱膨張係数が91×
10-7/℃及び102×10-7/℃と高かった。実施例
24〜38の熱膨張係数はPDPのガラス基板(ソーダ
ライムガラス)の熱膨張係数(85×10-7/℃)と概
略同一であった。更に実施例24〜38では可視光透過
率が77.2〜84.2%と極めて高く、比誘電率も1
0.8〜16.1%と高い値を示し、誘電体に好適な値
を示した。
【0073】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、ガ
ラス組成物のガラス成分として、5モル%以上かつ35
モル%未満のP25と、50モル%以上かつ65モル%
未満のZnOと、0.1モル%以上かつ10モル%未満
のSiO2と、0.1モル%以上かつ10モル%未満の
23と、1モル%以上かつ20モル%未満のMgO,
CaO,SrO及びBaOからなる群より選ばれた1種
又は2種以上のアルカリ土類金属の酸化物と、0.1モ
ル%以上かつ10モル%未満のAl23とを含むので、
焼成温度が低くなって、このガラス組成物を焼成して得
られる絶縁体の軟化点が低くなる。また上記ガラス成分
に密度の大きいPb成分を含まないため、上記絶縁体の
重量を軽減でき、環境を汚染せず、更に使用中における
放電特性の低下もない。またP25やアルカリ金属酸化
物を多量に含むため、ガラスの熱膨張係数がガラス基板
に対して大きくなる従来のプラズマディスプレイと比較
して、本発明ではP25が比較的少なくかつアルカリ金
属酸化物を含まないので、絶縁体の熱膨張係数の上昇を
抑制することができるとともに、上記絶縁体の耐水性を
向上することができる。
【0074】また上記ガラス組成物に、セラミックフィ
ラー物としてジルコン,アルミナ,チタニア等のセラミ
ックを混合して混合体を作製すれば、混合体を焼成して
得られる絶縁体の熱膨張係数を低くすることができ、こ
の絶縁体の熱膨張係数をガラス基板の熱膨張係数と整合
させることができる。また上記ガラス組成物又は混合体
に対し、導電体粉又は抵抗体粉末と、高分子樹脂と、溶
剤とを加えてペーストを作製し、このペーストをガラス
基板上に塗布して焼成することにより、導電体厚膜又は
抵抗体厚膜を作製すれば、基板との密着性が高い厚膜が
得られる。
【0075】また上記ガラス組成物又は混合体に高分子
樹脂及び溶剤を加えてペーストを作製し或いはグリーン
シートを作製し、このペースト或いはグリーンシートを
焼成して絶縁体,FPD用隔壁又はFPD用絶縁層を作
製すれば、上記ガラス組成物の焼成温度がガラス基板の
軟化点より100℃以上低くなり、上記絶縁体,隔壁又
は絶縁層の熱膨張係数がガラス基板の熱膨張係数と概略
同一になるので、ガラス基板に反り等が生じることはな
い。また上記絶縁体,隔壁又は絶縁層の比誘電率が4〜
7程度と比較的小さくなるので、電気信号が近隣の配線
に漏洩することはなく、画像にクロストークが発生しな
い。更にガラス組成物へのセラミックフィラー物の添加
量は比較的少量で済むので、焼成後の強度が高い。
【0076】更に、誘電体として使用するガラス成分と
しては、30モル%以上かつ70モル%未満のP2
5と、20モル%以上かつ60モル%未満のZnOと、
0.1モル%以上かつ10モル%未満のSiO2と、
0.1モル%以上かつ20モル%未満のB23と、1モ
ル%以上かつ40モル%未満のMgO,CaO,SrO
及びBaOからなる群より選ばれた1種又は2種以上の
アルカリ土類金属の酸化物と、0.1モル%以上かつ1
0モル%未満のAl23とを含むので、焼成温度が低く
なって、得られる誘電体の軟化点が低くなり、誘電体の
重量を軽減するとともに、誘電体の誘電率及び透明度を
向上することができる。このガラス組成物に、誘電体粉
末と、高分子樹脂と、溶剤とを加えてペーストを作製
し、このペーストをガラス基板上に塗布して焼成するこ
とにより、誘電体厚膜を作製すれば、基板との密着性が
高い厚膜が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第1実施形態のPDP用隔壁を作製する
ための工程を示す断面図。
【図2】本発明第2実施形態のPDP用隔壁を作製する
ための工程を示す断面図。
【図3】本発明第3実施形態のPDP用隔壁及びPDP
用絶縁層を作製するための工程を示す断面図。
【図4】本発明第4実施形態のセラミックキャピラリリ
ブの成形状態を示す斜視図。
【図5】図4のA−A線断面におけるセラミックキャピ
ラリリブを乾燥,加熱及び焼成することにより得たPD
P用隔壁を示す断面図。
【図6】本発明第5実施形態のセラミックキャピラリ層
付リブの成形状態を示す図4に対応する斜視図。
【図7】図6のB−B線断面におけるセラミックキャピ
ラリ層付リブを乾燥、加熱及び焼成することにより得た
絶縁層付隔壁を示す図5に対応する断面図。
【図8】本発明第6実施形態の前面パネルを制作するた
めの工程図。
【図9】PDPの要部拡大断面図。
【符号の説明】
10 ガラス基板 14,34,74,94 隔壁 52,93 絶縁層 112 誘電体層

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス成分として、3.5atom%以
    上かつ18atom%未満のPと、12.5atom%
    以上かつ24atom%未満のZnと、0.02ato
    m%以上かつ4atom%未満のSiと、0.01at
    om%以上かつ6.0atom%未満のBと、0ato
    m%以上かつ3atom%未満のMg,Ca,Sr及び
    Baからなる群より選ばれた1種又は2種以上のアルカ
    リ土類金属と、0.01atom%以上かつ6.0at
    om%未満のAlと、55atom%以上かつ65at
    om%未満のOとを含むガラス組成物。
  2. 【請求項2】 ガラス成分として、5モル%以上かつ3
    5モル%未満のP25と、50モル%以上かつ65モル
    %未満のZnOと、0.1モル%以上かつ10モル%未
    満のSiO2と、0.1モル%以上かつ10モル%未満
    のB23と、1モル%以上かつ20モル%未満のMg
    O,CaO,SrO及びBaOからなる群より選ばれた
    1種又は2種以上のアルカリ土類金属の酸化物と、0.
    1モル%以上かつ10モル%未満のAl23とを含むガ
    ラス組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のガラス組成物に、
    セラミックフィラー物としてジルコン,アルミナ,チタ
    ニア,コーディエライト,ムライト,β−ユークリプタ
    イト,スポジューメン,アノーサイト,セルシアン,フ
    ォルステライト及びチタン酸アルミニウムからなる群よ
    り選ばれた1種又は2種以上のセラミックを混合した混
    合体。
  4. 【請求項4】 請求項1若しくは請求項2記載のガラス
    組成物又は請求項3記載の混合体と、高分子樹脂と、溶
    剤とを含む隔壁又は絶縁層用ペースト。
  5. 【請求項5】 請求項1若しくは請求項2記載のガラス
    組成物又は請求項3記載の混合体と、導電体粉末又は抵
    抗体粉末又は誘電体粉末と、高分子樹脂と、溶剤とを含
    む厚膜用ペースト。
  6. 【請求項6】 請求項1若しくは請求項2記載のガラス
    組成物又は請求項3記載の混合体と、高分子樹脂と、溶
    剤とを含む隔壁又は絶縁層用グリーンシート。
  7. 【請求項7】 請求項1若しくは請求項2記載のガラス
    組成物又は請求項3記載の混合体を焼成して形成された
    絶縁体。
  8. 【請求項8】 請求項4記載のペーストを焼成して形成
    された隔壁又は絶縁層用厚膜。
  9. 【請求項9】 請求項5記載のペーストを焼成して形成
    された導体、抵抗体又は誘電体用厚膜。
  10. 【請求項10】 隔壁又は絶縁層が請求項1若しくは請
    求項2記載のガラス組成物又は請求項3記載の混合体を
    焼成して形成されたFPD。
  11. 【請求項11】 ガラス成分として、12atom%以
    上かつ26atom%未満のPと、3atom%以上か
    つ17atom%未満のZnと、0.01atom%以
    上かつ3atom%未満のSiと、0.01atom%
    以上かつ5atom%未満のBと、0atom%以上か
    つ13atom%未満のMg,Ca,Sr及びBaから
    なる群より選ばれた1種又は2種以上のアルカリ土類金
    属と、0.01atom%以上かつ5atom%未満の
    Alと、55atom%以上かつ65atom%未満の
    Oとを含むガラス組成物。
  12. 【請求項12】 ガラス成分として、30モル%以上か
    つ70モル%未満のP25と、20モル%以上かつ60
    モル%未満のZnOと、0.1モル%以上かつ10モル
    %未満のSiO2と、0.1モル%以上かつ20モル%
    未満のB23と、1モル%以上かつ40モル%未満のM
    gO,CaO,SrO及びBaOからなる群より選ばれ
    た1種又は2種以上のアルカリ土類金属の酸化物と、
    0.1モル%以上かつ10モル%未満のAl23とを含
    むガラス組成物。
  13. 【請求項13】 請求項11若しくは請求項12記載の
    ガラス組成物と、高分子樹脂と、溶剤とを含む誘電体用
    ペースト。
  14. 【請求項14】 請求項11若しくは請求項12記載の
    ガラス組成物と、高分子樹脂と、溶剤とを含む誘電体用
    グリーンシート。
  15. 【請求項15】 請求項11若しくは請求項12記載の
    ガラス組成物を焼成して形成された誘電体。
  16. 【請求項16】 誘電体層が請求項11若しくは請求項
    12記載のガラス組成物を焼成して形成されたFPD。
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