JP2006137665A - 被覆用組成物、混合体、ペースト、及び電子部品 - Google Patents

被覆用組成物、混合体、ペースト、及び電子部品 Download PDF

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Abstract

【課題】 PbO及びBiを原料として配合せず、安価で環境負荷が低減し、耐酸性及び耐アルカリ性に優れ、脱離ガス量の低減した被覆用組成物、混合体、ペースト、及び該ペーストからなる被覆層を有する電子部品を提供する。
【解決手段】 酸化リンの配合量が30〜45モル%、酸化亜鉛の配合量が45〜60モル%、及び酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、並びに酸化バリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種以上のアルカリ土類金属酸化物の配合量が5〜15モル%であるガラス組成物に、セラミックが添加されてなることを特徴とする被覆用組成物を用いる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、被覆用組成物、該被覆用組成物を含む混合体並びにペースト、及び該ペーストからなる被覆層を有する電子部品に関するものであり、特に、電子部品の被覆に好適に用いられ、耐酸性及び耐アルカリ性に優れており、かつ脱離ガス量の低減した被覆用組成物、混合体、ペースト、及び電子部品に関するものである。
チップ抵抗器やチップヒューズといった電子部品は、携帯電話端末を始めとする情報通信機器等に多用されている。このような電子部品内に設けられた回路は、外部から電気的、化学的、機械的に保護される必要があることから、従来よりその保護材料として、PbO−B−SiO系の鉛を主成分とするガラスが用いられてきた。
このPbO−B−SiO系ガラスは耐酸性が低い問題があったため、これに代わる耐酸性の向上した被覆用組成物として、PbOを30.0重量%以上含有し、本質的にFを含有しないガラス組成物に対して、TiO粉末が0.1〜5.0重量%添加されてなる被覆用組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上記PbO−B−SiO系ガラスや特許文献1に係る被覆用組成物では、酸化鉛(PbO)が30.0重量%以上含まれている。鉛は血液中に吸収されると赤血球に付着して、その破壊を速め、あるいは骨髄中の赤血球の生成を阻害するため、人体に対し大変有害で好ましくない。
人体への吸収は、食物を経由しての食物連鎖が最も多いが、ガラス製造に従事する作業者等が極めて少量の鉛を長期間持続的に摂取(通常、毎日0.5mg以上を摂取すると体内蓄積が起こるとされている。)することによっても起こる。したがって、鉛を多量に含むガラスは環境上の観点から、近年その使用を避ける傾向にある。
そこで、PbOを原料成分として配合しないガラスとして、例えば、Bi−ZnO−SiO−Al−BaO等を主成分としてなる抵抗体被覆用ガラス組成物が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平4−144934号公報 特開2003−267750号公報
しかしながら、特許文献2に係る抵抗体被覆用ガラス組成物において、PbOの代わりに主成分として用いられているBiは、価格が高く、またリサイクルが難しい上、もともとの資源量が少ないため、いずれは資源枯渇に陥る問題があり、Biに変わる代替品の出現が求められていた。
また、特許文献2では、PbOを原料としては用いていないが、ガラスを構成する各成分の原料中にPbOが不純物として混入することまでをも排除するものではないため、実際に製造した抵抗体被覆用ガラス組成物中に、不純物としてのPbOがどの程度含有されているかは不明であった。
また、特許文献1に係る被覆用組成物では、PbOの含有量が30.0重量%以上と多い問題がある上、耐酸性の向上を目的とはしているものの、銅メッキ液等のアルカリ性液に対しての効果は何ら検討されていなかった。
そこで、本発明者らは、Pの配合量を30〜45モル%、ZnOの配合量を45〜60モル%、及びアルカリ土類金属酸化物の配合量を5〜15モル%としたガラス組成物が、PbOを原料成分として配合しないため、PbOとBiの含有量が0.1質量%以下と非常に少なく、安価で、耐食性に優れていることを見出した。
しかしながら、上記P系ガラス組成物を、そのままチップ抵抗器の被覆層に用いると、ガラス組成物からリンに起因すると見られるガスが発生し、この脱ガスが銀からなる上面電極とルテニウム酸化物からなる抵抗体層との界面で反応して、上面電極上に設けた抵抗体層を膨張させる問題があることを、本発明者らは見出した。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、PbO及びBiを原料として配合せず、安価で環境負荷が低減し、耐酸性及び耐アルカリ性に優れ、脱離ガス量の低減した被覆用組成物、混合体、ペースト、及び該ペーストからなる被覆層を有する電子部品を提供することを目的とする。
かかる課題を解決するため、
請求項1にかかる発明は、酸化リンの配合量が30〜45モル%、酸化亜鉛の配合量が45〜60モル%、及び酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、並びに酸化バリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種以上のアルカリ土類金属酸化物の配合量が5〜15モル%であるガラス組成物に、セラミックが添加されてなることを特徴とする被覆用組成物である。
請求項2にかかる発明は、前記セラミックが、酸化アルミニウム、酸化チタン、窒化チタン、チタンブラック、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素、及びケイ酸ジルコニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種以上である請求項1記載の被覆用組成物である。
請求項3にかかる発明は、前記ガラス組成物における酸化亜鉛と酸化リンとの配合比(酸化亜鉛/酸化リン)が、1以上である請求項1又は2に記載の被覆用組成物である。
請求項4にかかる発明は、酸化リンの配合量が30〜45モル%、酸化亜鉛の配合量が45〜60モル%、及び酸化ストロンチウムの配合量が5〜15モル%であるガラス組成物に、前記セラミックが添加されてなり、さらに、1.5質量%以下の不可避不純物を含有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の被覆用組成物である。
請求項5にかかる発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の被覆用組成物に、さらに、黒色無機顔料を混合したことを特徴とする混合体である。
請求項6にかかる発明は、前記黒色無機顔料が、酸化鉄、酸化コバルト、酸化マンガン、酸化クロム、及び酸化銅からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の酸化物である請求項5記載の混合体である。
請求項7にかかる発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の被覆用組成物と、樹脂と、溶剤とを含有することを特徴とするペーストである。
請求項8にかかる発明は、請求項5又は6に記載の混合体と、樹脂と、溶剤とを含有することを特徴とするペーストである。
請求項9にかかる発明は、請求項7又は8に記載のペーストを塗布し、焼成した被覆層を有することを特徴とする電子部品である。
本発明によれば、PbO及びBiを原料として配合しないことにより、安価で、環境負荷が低減し、耐酸性及び耐アルカリ性に優れた被覆用組成物、混合体、ペースト、及び該ペーストからなる被覆層を有する電子部品が得られる。
また、本発明によれば、酸化リンの配合量が30〜45モル%、酸化亜鉛の配合量が45〜60モル%、及び酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、並びに酸化バリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種以上のアルカリ土類金属酸化物の配合量が5〜15モル%であるガラス組成物に、セラミックを添加したことにより、リンに起因する脱離ガス量が低減した被覆用組成物、混合体、ペースト、及び該ペーストからなる被覆層を有する電子部品が得られる。
以下、本発明に係る被覆用組成物、混合体、ペースト、及び該ペーストからなる被覆層を有する電子部品の一実施形態を、図面に基づいて説明する。
[被覆用組成物]
本発明に係る被覆用組成物は、ガラス組成物にセラミックが添加されてなるものである。このようなガラス組成物は、酸化リン(P)の配合量が30〜45モル%、酸化亜鉛(ZnO)の配合量が45〜60モル%、及び酸化カルシウム(CaO)、酸化ストロンチウム(SrO)、並びに酸化バリウム(BaO)からなる群より選ばれる少なくとも1種以上のアルカリ土類金属酸化物の配合量が5〜15モル%である。ガラス組成物の原料となるP、ZnO、アルカリ土類金属酸化物の配合量とガラス化との関係は、一般的に三角組成図で表すことができる。
図1は、本発明に用いるガラス組成物の一実施形態における酸化リン(P)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ストロンチウム(SrO)の配合量とガラス化の可否を示す三角組成図である。図1では、アルカリ土類金属酸化物としてSrOを選択したガラス化形成範囲の例を示しており、各元素を酸化物換算で表している。本発明に用いるガラス組成物は、図1の三角組成図における点A,B,C,D,E,F,G,Hで囲まれる範囲内に相当する。
ここで、図1においては、白丸はガラス状態(ガラス質、非晶質)を示しており、また、黒丸は非ガラス状態、すなわち結晶質となった状態を示しており、符号Mで示す実線は、その境界線を示している。つまり、図1においては、符号Mで示す実線よりも上側の範囲がガラス化する組成範囲である。したがって、符号Mで示す実線よりも上側の範囲であって、点A〜Hで囲まれる範囲内が、好ましい範囲であり、それは点Dを除いた点A,B,C,E,F,G,Hの点線で囲まれる範囲内に当たる。
本発明に用いるガラス組成物において、Pの配合量を30〜45モル%に限定したのは、30モル%未満ではガラス質(非晶質)を形成できないからであり、また、45モル%を越えるとメッキ液に対する耐酸性及び耐アルカリ性が低下するからである。そのなかでもPの配合量は30〜40モル%であることが好ましい。
また、ZnOの配合量を45〜60モル%に限定したのは、45モル%未満では、この被覆用組成物の熱膨張係数が大きくなり、例えばチップ抵抗器の抵抗体層と整合しにくくなるからであり、また、60モル%を越えるとこの被覆用組成物の軟化点が高くなり、該被覆用組成物の焼成温度を620℃以下にするのが困難となるからである。そのなかでも、ZnOの配合量は48〜60モル%であることが好ましい。
CaO、SrO、及びBaOからなる群より選ばれる少なくとも1種以上のアルカリ土類金属酸化物の配合量を5〜15モル%に限定したのは、5モル%未満ではこの被覆用組成物の軟化点が高くなり、該被覆用組成物の焼成温度を620℃以下にするのが困難となるからであり、また、15モル%を越えると、図1の三角組成図に示すように、結晶質になるからである。そのなかでも、アルカリ土類金属酸化物の配合量は6〜12モル%であることが好ましい。
また、本発明に用いるガラス組成物は、ZnOとPとの配合比(ZnO/P)が1以上であることが好ましい。この配合比が1未満であると、本発明に係る被覆用組成物のメッキ液に対する耐酸性及び耐アルカリ性が低下するからである。
また、本発明に用いるガラス組成物は、上記好ましい範囲を組合わせた、Pの配合量が30〜40モル%、ZnOの配合量が48〜60モル%、アルカリ土類金属酸化物の配合量が6〜12モル%であるのが好ましい。
本発明に係る被覆用組成物は、酸化リンの配合量が30〜45モル%、酸化亜鉛の配合量が45〜60モル%、及びアルカリ土類金属酸化物の配合量が5〜15モル%であるガラス組成物に、セラミックを添加することにより、耐酸性及び耐アルカリ性を向上させ、リンに起因する脱離ガス量を低減し、被覆用組成物の熱膨係数を小さくし、該被覆用組成物の軟化点を低くして該被覆用組成物の焼成温度を620℃以下にすることができる。
上記ガラス組成物に添加するセラミックは、酸化アルミニウム(Al)、酸化チタン(TiO、TiO)、窒化チタン(TiN)、チタンブラック(TiO−TiO/TiN)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化ケイ素(SiO)、及びケイ酸ジルコニウム(ZrSiO)からなる群より選ばれる少なくとも1種以上であることが好ましい。そのなかでも、Al、TiO、チタンブラックがより好ましい。なお、チタンブラックとは、TiO−TiOを25〜56%、TiNを44〜75%含有する混合物である。
このセラミックの平均粒径は、0.1〜10μmであるのが好ましく、0.3〜1μmであるのがより好ましい。また、上記ガラス組成物100gに対するセラミックの添加量は、10〜50gであるのが好ましく、15〜30gであるのがより好ましい。セラミックの添加量が30g未満であると、本発明に係る被覆用組成物の結晶性と耐酸性並びに耐アルカリ性が劣化するからであり、50gを超えるとこの被覆用組成物を焼成した際にもろくなるからである。
また、上記ガラス組成物100gに対するセラミックの添加量を10〜50gとすることにより、上記ガラス組成物からのリンに起因する脱離ガス量を0〜20%とすることができ、この被覆用組成物をチップ抵抗器の被覆層に用いた場合に脱離ガス量が減少し、抵抗体層の膨張を抑制することができる。
本発明に係る被覆用組成物は、用いるガラス組成物の原料としてPbOを配合しないことにより、PbOの含有量は従来の鉛系ガラス組成物に含まれている量よりも、著しく少ない。
しかしながら、配合原料中に含まれている不純物を完全には除くことができないため、本発明に係る被覆用組成物は、P、ZnO、アルカリ土類金属酸化物を主成分とし、セラッミックが添加されている他に、さらに、微量の不可避不純物を含有している。具体的には、酸化リンの配合量が30〜45モル%、酸化亜鉛の配合量が45〜60モル%、及び酸化ストロンチウムの配合量が5〜15モル%であるガラス組成物に、上記セラミックが添加されてなり、さらに、1.5質量%以下の不可避不純物を含有する被覆用組成物であることが好ましい。
このような不可避不純物としては、酸化アルミニウム(Al)、酸化ケイ素(SiO)、酸化カルシウム(CaO)、酸化カリウム(KO)、酸化鉛(PbO)、酸化銅(CuO)、酸化鉄(Fe)、酸化イオウ(SO)、及び酸化ニッケル(NiO)からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の酸化物であることが好ましい。
また、不可避不純物の含有量は、1.5質量%以下であるのが好ましく、0.1〜0.9質量%であるのがより好ましい。
本発明に係る被覆用組成物は、PbO及びBiを原料として配合しないことにより、PbOの含有量を不可避不純物レベルの1.5質量%以下とすることができ、また、Biの含有量を、分析装置の検出限界値以下とすることができる。
本実施形態に係る被覆用組成物の製造方法を、以下に説明する。例えば、原料として(NHPO・3HO(純度95%)と、ZnO(純度99.9%)と、SrCO(純度99.99%)を用いて、各粉末を、酸化物換算でPが30〜45モル%、ZnOが45〜60モル%、SrOが5〜15モル%の配合量となるように秤量する。
これらを混合した原料を、アルミナるつぼを用いて1200℃で1時間溶融して溶融液とする。得られた融液をカーボン板上に流し出し、冷却した後、粉砕用アルミナ乳鉢にて細かく粉砕し、#325メッシュの篩を用いて分級し、ガラス組成物の粉末を製造する。
次いで、このガラス組成物の粉末100gに対して、30〜50gの上記セラミックの粉末を添加して混合することにより、被覆用組成物を製造する。
[混合体]
本発明に係る混合体は、上記被覆用組成物に、さらに、黒色無機顔料を混合したものである。このような黒色無機顔料としては、酸化鉄(Fe)、酸化コバルト(CoO)、酸化マンガン(MnO)、酸化クロム(Cr)、及び酸化銅(CuO)からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の酸化物であることが好ましい。
被覆用組成物に黒色無機顔料を混合して混合体とすることにより、光線の遮蔽効果が向上する。その結果、この混合体を電子部品の電極・抵抗体層等の上に塗布して被覆層を形成し、あるいは保護ガラスとして使用することにより、後述するトリミング(チップ抵抗器の精度向上のため、レーザで抵抗体層に切れ込みを入れることで抵抗値を調整すること)後の電子部品の見栄えを良好にできる。被覆用組成物に対する黒色無機顔料の混合量は0.1〜15質量%であるのが、光線の遮蔽効果の観点から好ましい。
本発明に係る混合体は、上記被覆用組成物の粉末と、黒色無機顔料の粉末とを所定の質量比になるように秤量し、ボールミル等を用いて大気中において1〜24時間混合して製造することができる。
[ペースト]
本発明に係るペーストは、上記被覆用組成物と、樹脂と、溶剤とを含有するものである。あるいは、被覆用組成物に代えて上記混合体と、樹脂と、溶剤とを含有するものであってもよい。上記被覆用組成物又は上記混合体をペーストにすることにより、電子部品の電極・抵抗体層等の上に塗布して被覆層を形成させることができる。
このような樹脂としては、エチルセルロース(EC)やアクリル樹脂等の高分子樹脂が好ましく、また、溶剤としては、純水、α−テルピネオールやブチルカルビトールアセテート等が好ましい。ペーストの各成分の配合比は、上記被覆用組成物又は上記混合体が70〜90質量%、樹脂が0.5〜15質量%、溶剤が5〜30質量%であることが好ましい。
このペーストは、上記被覆用組成物の粉末又は上記混合体と、溶剤に樹脂を溶解させたビークルとを擂潰機で混合した後、3本ロールで混練して製造することができる。
[電子部品]
本発明に係る電子部品は、上記ペーストを塗布し、焼成した被覆層を有するものである。このような電子部品としては、チップ抵抗器やチップヒューズが挙げられる。
図2は、本発明に係るペーストからなる被覆層を有するチップ抵抗器の一実施形態における断面図である。
このチップ抵抗器1は、アルミナ基板2と、その上に設けられた上面電極3,3と、抵抗体層4と、これらの上に形成された1次ガラス5と、1次ガラス5上に設けられた保護ガラス6と、上面電極3,3の上面の一部とアルミナ基板2の側面及び底面の一部を覆うように形成された側面電極7と、側面電極7上に以下の順で設けられたニッケルメッキ層8と、スズメッキ層9とから構成されている。ここで、1次ガラス5と保護ガラス6とを合わせて被覆層10と呼ぶ。
アルミナ基板2は、厚さ0.2〜0.7mmの直方体状の酸化アルミニウム板からなり、上面電極3,3は、アルミナ基板2の表面中央部を除いた表面上に、厚さ2〜10μmで形成されている。抵抗体層4は、上面電極3,3の設けられていないアルミナ基板2上とその周辺の上面電極3,3を覆うように設けられている。
また、抵抗体層4の上には、この抵抗体層4の上面と側面を被覆して、上面電極3,3と接するように1次ガラス5が形成されていて、この1次ガラス5の表面全面には保護ガラス6が形成されている。
側面電極7は、抵抗体層4と1次ガラス5とで被覆されていない上面電極3,3の上面部分及び側面と、アルミナ基板2の側面と、アルミナ基板2の底面の中央部を除いた表面上を覆うように形成されている。この側面電極7全体を覆うようにニッケルメッキ層8が設けられていて、さらに、このニッケルメッキ層8全体を覆うようにスズメッキ層9が設けられている。
上面電極3,3としては、銀又は銀−パラジウム電極を、また、抵抗体層4としてはルテニウム酸化物を用いることができる。側面電極7としては、銀又は銀−パラジウム電極を用いることができる。
また、1次ガラス5としては、上記被覆用組成物からなるペーストを塗布し、焼成したものが好ましく、また、保護ガラス6としては、光線の遮蔽効果の点から、上記混合体からなるペーストを塗布し、焼成したものが好ましい。この1次ガラス5の厚さは、1〜10μmであるのが好ましい。また、保護ガラス6の厚さは、1〜10μmであるのが好ましい。
上面電極3,3及び抵抗体層4上に、1次ガラス5及び保護ガラス6とからなる被覆層10を設けることにより、側面電極7上にニッケルメッキ層8とスズメッキ層9とを形成させるために、このチップをメッキ液に浸漬させた際の上面電極3,3及び抵抗体層4の溶出を減らして耐酸性及び耐アルカリ性を向上させることができる。
また、被覆層10に、本発明に係る被覆用組成物または混合体を用いることにより、該被覆用組成物または該混合体からのリンに起因する脱離ガス量を0〜20%とすることができ、上面電極3と抵抗体層4との界面での脱離ガスによる反応を抑制して、抵抗体層4の膨張を抑制し、チップ抵抗器1の歩留を向上させることができる。
また、抵抗体層4の上面及び側面に、上記被覆用組成物からなるペーストを塗布し、焼成した1次ガラス5を設けることにより、抵抗体層4を物理的に保護することができる。また、この1次ガラス5の上からレーザーを照射してトリミングを行い抵抗値を修正するのだが、1次ガラス5を設けることにより、トリミング時の抵抗体層4へのクラック等のダメージを軽減することができる。
この1次ガラス5の上には、再度上記混合体からなるペーストを塗布し、焼成して保護ガラス6を設けても、あるいは設けなくてもよい。このようにして設けた保護ガラス6には、上記黒色無機顔料が含まれているため、光線の遮蔽効果があり、トリミング後のレーザー焼けを隠し、チップ抵抗器1の見栄えを良好にすることができる。
このチップ抵抗器1は、一般に次のような工程を経て製造する。アルミナ基板2上に銀又は銀−パラジウムの導電ペーストを印刷・乾燥・焼成して、上面電極3,3を形成する。その後、上面電極3,3の上面の一部とアルミナ基板2の上にルテニウム系抵抗体ペーストを印刷・乾燥・焼成して、抵抗体層4を形成する。
この抵抗体層4の上面及び側面に被覆用組成物からなるペーストをスクリーン印刷し乾燥した後、約605℃で焼成して1次ガラス5を形成する。次いで、1次ガラス5の上からレーザーを照射して、この抵抗体層4の一部を破壊して抵抗値修正(トリミング)を行う。その後、1次ガラス5上に再度混合体からなるペーストを印刷・乾燥し、約500〜650℃で焼成して、保護ガラス6を形成する。
次に、上記のアルミナ基板2を小さなチップに切断し、ディッピング或いはローラ等によって、上面電極3,3の上面の一部とアルミナ基板2の側面及び底面の一部に銀又は銀−パラジウムの導電ペーストを塗布し、乾燥・焼成して、側面電極7を形成する。
最後に、このチップをニッケルメッキ液に、ついでスズメッキ液に浸漬して、露出している側面電極7上に、半田付け時の電極食われ防止のためのニッケルメッキ層8とスズメッキ層9とをこの順で形成して、厚膜チップ抵抗器1を作製する。
また、図3は、本発明に係るペーストからなる被覆層を有するチップヒューズの一実施形態における断面図である。
このチップヒューズ20は、アルミナ基板2と、その上に設けられたガラスグレーズ層11と、ガラスグレーズ層11上に設けられたヒューズ導電体層12と、上面電極3,3と、この上面電極3,3の上面の一部とヒューズ導電体層12を覆うように形成された1次ガラス5と、1次ガラス5上に設けられた保護ガラス6と、上面電極3,3の上面の一部とアルミナ基板2の側面及び底面の一部を覆うように形成された側面電極7と、側面電極7上に以下の順で設けられた銅メッキ層13と、ニッケルメッキ層8と、スズメッキ層9とから構成されている。ここで、1次ガラス5と保護ガラス6とを合わせて、チップ抵抗器1の場合と同様に被覆層10と呼ぶ。
アルミナ基板2は、厚さ0.2〜0.7mmの直方体状の酸化アルミニウム板からなり、アルミナ基板2の表面全面には厚さ40〜80μmのガラスグレーズ層11が形成されている。このガラスグレーズ層11の表面中央部には、ヒューズ導電体層12が形成されている。
上面電極3,3は、ヒューズ導電体層12の表面中央部を除いた表面上と、ヒューズ導電体層12が形成されていないガラスグレーズ層11の表面上とを覆うように厚さ2〜10μmで設けられている。
1次ガラス5は、上面電極3,3の設けられていないヒューズ導電体層12上とその周辺の上面電極3,3を覆うように設けられている。この1次ガラス5の表面全面には保護ガラス6が形成されている。
側面電極7は、1次ガラス5で被覆されていない上面電極3,3の上面部分及び側面と、ガラスグレーズ層11の側面と、アルミナ基板2の側面と、アルミナ基板2の底面の中央部を除いた表面上を覆うように形成されている。この側面電極7全体を覆うように銅メッキ層13が設けられていて、この銅メッキ層13全体を覆うようにニッケルメッキ層8が設けられている。さらに、このニッケルメッキ層8全体を覆うようにスズメッキ層9が設けられている。
ガラスグレーズ層11としては、アルミナ基板2より熱伝導率の低いガラスペーストを用いることができ、また、ヒューズ導電体層12としては金、銀等の導体材料を含む金属有機化合物もしくは金属ペーストを用いることができる。このヒューズ導電体層12の厚さは、0.5〜2μmであるのが好ましい。また、上面電極3,3又は側面電極7としては、銀又は銀−パラジウム電極を用いることができる。
また、1次ガラス5としては、上記被覆用組成物からなるペーストを塗布し、焼成したものが好ましく、また、保護ガラス6としては、光線の遮蔽効果の点から、上記混合体からなるペーストを塗布し、焼成したものが好ましい。この1次ガラス5の厚さは、1〜10μmであるのが好ましい。また、保護ガラス6の厚さは、1〜10μmであるのが好ましい。
一般的に銅メッキ液はアルカリ性であり、ニッケルメッキ液及びスズメッキ液は酸性であるため、チップヒューズ20は、酸性・アルカリ性のいずれに対しても耐食性を求められる。ヒューズ導電体層12及び上面電極3,3上に、1次ガラス5及び保護ガラス6とからなる被覆層10を設けることにより、側面電極7上に銅メッキ層13、ニッケルメッキ層8、及びスズメッキ層9を形成するために、このチップをメッキ液に浸漬させた際のヒューズ導電体層12及び上面電極3,3の溶出を減らして耐酸性及び耐アルカリ性を向上させることができる。
また、ヒューズ導電体層12上に、上記ペーストを塗布し、焼成した1次ガラス5を設けることにより、このヒューズ導電体層12を物理的に保護するのみならず、熱伝導率の低い1次ガラス5とガラスグレーズ層11とでヒューズ導電体層12を挟むことにより、ヒューズ導電体層12の過剰な温度上昇を防止することができる。
このチップヒューズ20は、一般に次のような工程を経て製造する。アルミナ基板2上に、これより熱伝導率の低いガラスペーストを印刷・乾燥した後、焼き付け処理を行い、ガラスグレーズ層11を形成する。次いで、このガラスグレーズ層11の表面に、金、銀等の導体材料を含む金属有機化合物を印刷・乾燥し、600〜800℃で焼成して、0.5〜2μm程度の厚さのヒューズ導体層12を形成する。
次いで、所定形状のヒューズ導体層12が形成されるように、ヒューズ導体層12のエッチング処理を行う。続いて、ガラスグレーズ層11及びヒューズ導体層12上に銀又は銀−パラジウムの導電ペーストを印刷・乾燥・焼成して、上面電極を形成3,3を形成する。
その後、上面電極3,3の上面の一部及びヒューズ導電体層12を覆うように被覆用組成物からなるペーストをスクリーン印刷し乾燥した後、約500〜650℃で焼成して1次ガラス5を形成する。次いで、1次ガラス5の上に再度混合体からなるペーストを印刷・乾燥し、約500〜650℃で焼成して、保護ガラス6を形成する。
次に、上記のアルミナ基板2を小さなチップに切断し、ディッピング或いはローラ等によって、上面電極3,3の上面の一部とアルミナ基板2の側面及び底面の一部に銀又は銀−パラジウムの導電ペーストを塗布し、乾燥・焼成して、側面電極7を形成する。
最後に、このチップを銅メッキ液、ニッケルメッキ液、ついでスズメッキ液に浸漬して、露出している側面電極7上に、半田付け時の電極食われ防止のための銅メッキ層13、ニッケルメッキ層8、スズメッキ層9をこの順で形成して、厚膜チップヒューズ20を作製する。
以下、実施例により、本発明をさらに詳しく説明する。本発明は、下記実施例に何ら制限されるものではない。
[実施例1〜7]
原料の(NHPO・3HO、ZnO、SrCOを酸化物換算で表1に示す配合量(モル%)となるように秤量・混合した。その後、混合した原料をアルミナるつぼにて1200℃で1時間溶融した。
得られた融液をカーボン板上に流し出し、冷却した後、粉砕用アルミナ乳鉢にて細かく粉砕し、#325メッシュの篩を用いて分級し、ガラス組成物の粉末を得た。このガラス組成物中の各酸化物の含有量(質量%)を、原子吸光分析装置(AA−880Mk型、日本Jarrellash製)を用いて分析した。原料の配合量と、ガラス組成物中の各酸化物の含有量を、表1に示す。
Figure 2006137665
次いで、このガラス組成物の粉末と、セラミック粉末として平均粒径1μmの酸化アルミニウム粉末(実施例1)、一酸化チタン粉末(実施例2)、チタンブラック粉末(ジェムコ製)(実施例3)、二酸化チタン粉末(実施例4)、窒化チタン粉末(実施例5)、酸化ジルコニウム粉末(実施例6)、酸化ケイ素粉末(実施例7)、ケイ酸ジルコニウム粉末(実施例8)と、α−テルピネオールにエチルセルロースを10質量%溶解させたビークルとを擂潰機で混合した後、3本ロールで混練し、ペーストを得た。
次いで、このペーストをスクリーン印刷によりアルミナ基板上に塗布した後、150℃で10分間乾燥し、605℃で10分間焼成し、被覆層を作製した。
このようにして得られた焼成基板を所定の温度に保持した下記のNiメッキ液、Snメッキ液、及びCuメッキ液に各々浸漬し、1時間毎、計3時間後までの基板の質量変化を測定した。この基板の質量の経時変化及び被覆層の面積から、単位時間・単位面積当りの質量減少量DPL(10−2mg・hr−1・cm−2)を求めた。この結果を、各々表1に示す。
なお、Niメッキ液としては、スルファミン酸ニッケル(NiHSONH)、塩化ニッケル(NiCl・6HO)、ほう酸(HBO)、及び添加剤を所定量溶解し、pHを4〜5に調整した溶液を用いた。
また、Snメッキ液としては、第一スズ(Sn2+)、遊離アルカノールスルフォン酸(CHCH(OH)CHSOH)、ホルマリン(HCHO)、及び添加剤を所定量溶解し、pHを5〜6に調整した溶液を用いた。
また、Cuメッキ液としては、ピロリン酸銅(Cu・3HO)、金属銅、ピロリン酸カリウム(K・3HO)とアンモニア(NHOH)を所定量溶解し、pHを8〜9に調整した溶液を用いた。
また、メッキ浴温度は、Niメッキ液では65℃、Snメッキ液では25℃、Cuメッキ液では45℃とした。
また、このペーストを用いて、ルテニウム酸化物からなる抵抗体層上に上記と同様に塗布して被覆層としたチップ抵抗器を作製し、抵抗体層の膨張を被覆層の上から目視で観察した。抵抗体層及び被覆層の膨張が見られた場合を「あり」、全く見られなかった場合を「なし」と評価した。この結果を、各々表1に示す。
[比較例1](セラミックを添加しないガラス組成物)
セラミック粉末を添加しない以外は、実施例1と同様にして、ガラス組成物、ペーストを作製した。次いで、実施例1と同様にしてアルミナ基板上にこのペーストを塗布して被覆層を作製し、Niメッキ液、Snメッキ液、Cuメッキ液に浸漬した際の質量減少量DPLを求めた。原料の配合量と、ガラス組成物中の各酸化物の含有量、質量減少量の結果を、表1に各々示す。また、実施例1と同様にして、チップ抵抗器を作製し、抵抗体層及び被覆層の膨張を評価した。この結果も表1に示す。
表1の結果から、比較例1と実施例1〜8とを比較すると、比較例1及び実施例1〜8のガラス組成物中のPbOの含有量は0.1質量%以下と大変少なかった。また、Biの含有量は、いずれも分析装置の検出限界値以下であった。
また、質量減少量DPLについて、Niメッキ液に対しては、実施例1〜8のそれは比較例1の0.2〜0.3倍程度であり、また、Snメッキ液に対しては、実施例1〜8のそれは比較例1の0.1〜0.25倍程度であることから、セラミックを添加した実施例1〜8の被覆用組成物は、耐酸性に優れていることがわかった。また、Cuメッキ液に対しては、実施例1〜8のそれは比較例1の0.2〜0.6倍程度であり、耐アルカリ性にも優れていることがわかった。
また、チップ抵抗器の抵抗体層及び被覆層の膨張は、比較例1のそれでは観察されたが、実施例1〜8のそれでは見られなかった。
以上の結果から、本発明に係る被覆用組成物、ペースト、及び該ペーストからなる被覆層を有する電子部品は、PbOの含有量が0.1質量%以下であり、メッキ液に対する耐酸性及び耐アルカリ性に優れており、チップ抵抗器の被覆層に用いた場合に脱離ガス量が減少し、抵抗体層の膨張を起こさないことが確認された。
[実施例9〜16]
実施例9〜16は、原料の配合量(モル%)を、(NHPO・3HO、ZnO、
BaCOを酸化物換算で表2に示す配合量(モル%)となるように秤量・混合した点において実施例1〜8と異なっており、ペーストを得るために用いたセラミック粉末は、実施例1〜8と同様のものを実施例9〜16に対応させ、評価方法については実施例1〜8の場合と同様とした。原料の配合量、ガラス組成物中の各酸化物の含有量、及び質量減少量DPL(10−2mg・hr−1・cm−2)を、各々表2に示す。なお、比較例2については、セラミック粉末を添加しない以外は、実施例9と同様であり、原料の配合量と、ガラス組成物中の各酸化物の含有量、質量減少量の結果は、表2に示すとおりである。
Figure 2006137665
表2の結果から、比較例1と実施例9〜16とを比較すると、比較例1及び実施例9〜16のガラス組成物中のPbOの含有量は0.1質量%以下と大変少なかった。また、Biの含有量は、いずれも分析装置の検出限界値以下であった。
また、質量減少量DPLについて、Niメッキ液に対しては、実施例9〜16のそれは比較例1の0.2〜0.3倍程度であり、また、Snメッキ液に対しては、実施例9〜16のそれは比較例1の0.1〜0.25倍程度であることから、セラミックを添加した実施例9〜16の被覆用組成物は、耐酸性に優れていることがわかった。また、Cuメッキ液に対しては、実施例9〜16のそれは比較例1の0.2〜0.6倍程度であり、耐アルカリ性にも優れていることがわかった。
また、チップ抵抗器の抵抗体層及び被覆層の膨張は、比較例1のそれでは観察されたが、実施例9〜16のそれでは見られなかった。
以上の結果から、本発明に係る被覆用組成物、ペースト、及び該ペーストからなる被覆層を有する電子部品は、PbOの含有量が0.1質量%以下であり、メッキ液に対する耐酸性及び耐アルカリ性に優れており、チップ抵抗器の被覆層に用いた場合に脱離ガス量が減少し、抵抗体層の膨張を起こさないことが確認された。
[実施例17〜24]
実施例17〜24は、原料の配合量(モル%)を、(NHPO・3HO、ZnO、CaCOを酸化物換算で表3に示す配合量(モル%)となるように秤量・混合した点において実施例1〜8と異なっており、ペーストを得るために用いたセラミック粉末は、実施例1〜8と同様のものを実施例17〜24に対応させ、評価方法については実施例1〜8の場合と同様とした。原料の配合量、ガラス組成物中の各酸化物の含有量、及び質量減少量DPL(10−2mg・hr−1・cm−2)を、各々表3に示す。なお、比較例3については、セラミック粉末を添加しない以外は、実施例17と同様であり、原料の配合量と、ガラス組成物中の各酸化物の含有量、質量減少量の結果は、表3に示すとおりである。
Figure 2006137665
表3の結果から、比較例1と実施例17〜24とを比較すると、比較例1及び実施例17〜24のガラス組成物中のPbOの含有量は0.1質量%以下と大変少なかった。また、Biの含有量は、いずれも分析装置の検出限界値以下であった。
また、質量減少量DPLについて、Niメッキ液に対しては、実施例17〜24のそれは比較例1の0.2〜0.3倍程度であり、また、Snメッキ液に対しては、実施例9〜16のそれは比較例1の0.1〜0.25倍程度であることから、セラミックを添加した実施例17〜24の被覆用組成物は、耐酸性に優れていることがわかった。また、Cuメッキ液に対しては、実施例17〜24のそれは比較例1の0.2〜0.6倍程度であり、耐アルカリ性にも優れていることがわかった。
また、チップ抵抗器の抵抗体層及び被覆層の膨張は、比較例1のそれでは観察されたが、実施例17〜24のそれでは見られなかった。
以上の結果から、本発明に係る被覆用組成物、ペースト、及び該ペーストからなる被覆層を有する電子部品は、PbOの含有量が0.1質量%以下であり、メッキ液に対する耐酸性及び耐アルカリ性に優れており、チップ抵抗器の被覆層に用いた場合に脱離ガス量が減少し、抵抗体層の膨張を起こさないことが確認された。
本発明に用いるガラス組成物の一実施形態における酸化リン(P)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ストロンチウム(SrO)の配合量とガラス化の可否を示す三角組成図である。 本発明に係るペーストからなる被覆層を有するチップ抵抗器の一実施形態における断面図である。 本発明に係るペーストからなる被覆層を有するチップヒューズの一実施形態における断面図である。
符号の説明
10 被覆層


Claims (9)

  1. 酸化リンの配合量が30〜45モル%、
    酸化亜鉛の配合量が45〜60モル%、
    及び酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、並びに酸化バリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種以上のアルカリ土類金属酸化物の配合量が5〜15モル%であるガラス組成物に、
    セラミックが添加されてなることを特徴とする被覆用組成物。
  2. 前記セラミックが、酸化アルミニウム、酸化チタン、窒化チタン、チタンブラック、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素、及びケイ酸ジルコニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種以上である請求項1記載の被覆用組成物。
  3. 前記ガラス組成物における酸化亜鉛と酸化リンとの配合比(酸化亜鉛/酸化リン)が、1以上である請求項1又は2に記載の被覆用組成物。
  4. 酸化リンの配合量が30〜45モル%、
    酸化亜鉛の配合量が45〜60モル%、
    及び酸化ストロンチウムの配合量が5〜15モル%であるガラス組成物に、
    前記セラミックが添加されてなり、さらに、1.5質量%以下の不可避不純物を含有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の被覆用組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の被覆用組成物に、さらに、黒色無機顔料を混合したことを特徴とする混合体。
  6. 前記黒色無機顔料が、酸化鉄、酸化コバルト、酸化マンガン、酸化クロム、及び酸化銅からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の酸化物である請求項5記載の混合体。
  7. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の被覆用組成物と、樹脂と、溶剤とを含有することを特徴とするペースト。
  8. 請求項5又は6に記載の混合体と、樹脂と、溶剤とを含有することを特徴とするペースト。
  9. 請求項7又は8に記載のペーストを塗布し、焼成した被覆層を有することを特徴とする電子部品。

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