JP2001199472A - 平版印刷版用包装材及び平版印刷版包装構造 - Google Patents

平版印刷版用包装材及び平版印刷版包装構造

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JP2001199472A JP2000070263A JP2000070263A JP2001199472A JP 2001199472 A JP2001199472 A JP 2001199472A JP 2000070263 A JP2000070263 A JP 2000070263A JP 2000070263 A JP2000070263 A JP 2000070263A JP 2001199472 A JP2001199472 A JP 2001199472A
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Takayuki Usui
孝之 碓井
Tokikazu Masuda
時一 増田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コストで、しかも膜剥れを確実に防止でき
る平版印刷版用包装材及び平版印刷版包装構造を得る。 【解決手段】 平版印刷版10の塗布膜を保護する合紙
14は、塗布膜と接触する接触部のベック平滑度が3秒
以上900秒以下とされる。これにより、膜剥れが確実
に防止される。合紙14は、ベック平滑度以外の物性や
材料は特に限定されないので、低コストの材料を選択す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平版印刷版用包装
材及び平版印刷版包装構造に関し、さらに詳しくは、平
版印刷版の塗布膜に接触されて塗布膜を保護する平版印
刷版用包装材と、この包装材を使用した平版印刷版保護
構造に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の製版法(電子写真製版法を含む)
では、製版工程の自動化を容易にすべく、感光性印刷版
や感熱性印刷板等の平版印刷版が広く用いられている。
平版印刷版は、一般にシート状或いはコイル状のアルミ
ニウム板等の支持体に、例えば、砂目立て、陽極酸化、
シリケート処理、その他化成処理等の表面処理を単独又
は適宜組み合わせて行い、次いで、感光層又は感熱層
(これらをまとめて「塗布膜」という)の塗布、乾燥処
理を行った後に所望のサイズに切断されることで製造さ
れる。この平版印刷版は、露光、現像処理、ガム引き等
の製版処理が行われ、印刷機にセットされ、インクが塗
布されることで、紙面に文字、画像等が印刷される。
【0003】ところで、複数の平版印刷版を積層して運
搬等する場合、支持体に塗布された塗布膜を保護するた
めに、合紙と呼ばれる紙を塗布膜に接触させることがあ
る。また、積層された平版印刷版の積層方向の少なくと
も一方の面に、当てボールと呼ばれる保護用の厚紙を配
置することもある。特に、平版印刷版を効率よく荷扱い
するために、複数の平版印刷版を厚み方向に積層して平
版印刷版性の積層束を構成し、この積層束を包装した状
態で荷扱いすることがあり、この場合は上記した合紙や
当てボールを塗布膜に接触させることが好ましい。
【0004】例えば、特開平2−25845号には、加
熱圧着処理された合成パルプ混抄紙からなる合紙が記載
されている。そして、合紙をこのように構成すること
で、平版印刷版との擦れによる塗布膜の剥れ(いわゆる
「膜剥れ」)が生じることがないようになっている。
【0005】しかし、合成パルプはそれ自体高価である
ため、合紙の材料コストが高くなる。また、合成パルプ
混抄紙は一般的な紙と分けて製造する必要があるので、
合紙の製造コストも高くなってしまう。
【0006】一方、特開平3−36545号には、合紙
又は当てボールの少なくとも一方を、含水率8%以下の
ものを使用する感光性印刷版(平版印刷版)の梱包構造
が示されている。そして、このように含水率8%以下の
ものを使用することで、感光性印刷版の露光可視画性や
耐刷などの劣化を防止している。
【0007】しかし、このような梱包構造であっても、
合紙や当てボールと平版印刷版の塗布膜とが擦れあった
ときには、膜剥れが生じることがある。
【0008】また、このように合紙や当てボールが接触
された平版印刷版を自動製版機等で使用する場合には、
合紙や当てボールを平版印刷版から剥離する必要があ
る。従って、合紙の剥離と平版印刷版の供給とを自動で
行う自動給版機能を持った自動製版機やいわゆるプレー
トセッター等を用いると、製版作業の効率化を図ること
ができる。
【0009】ところが、合紙や当てボールが平版印刷版
に強く密着していると、合紙や当てボールが平版印刷版
から剥離されることなく供給されてしまうため、自動給
版動作が停止する等の不都合が生じることがある。
【0010】例えば、平版印刷版の画像形成面(塗布膜
が塗布されている面)に合紙が接触した状態で合紙を吸
盤等で吸着して持ち上げると、合紙と平版印刷版とが一
体となったまま持ち上げられて供給されてしまうことが
ある。また、平版印刷版の非画像形成面(塗布膜が塗布
されていない面)を吸着して持ち上げた場合にも、画像
形成面に合紙が密着した状態のまま平版印刷版が供給さ
れてしまうことがある。さらに、積層束から平版印刷版
の画像形成面又は非画像形成面(合紙は接触していな
い)を吸着して持ち上げると、その下側に合紙と平版印
刷版とが密着した状態で持ち上げられて供給されてしま
うことがある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事実を
考慮し、低コストで、しかも膜剥れを確実に防止できる
平版印刷版用包装材及び平版印刷版包装構造を得ること
を第1の課題とする。また、平版印刷版の画像形成面に
対して高い剥離性を有すると共に、画像形成面の品質に
影響を与えることなく確実に保護できる平版印刷版用包
装材と、この包装材を使用した平版印刷版保護構造を得
ることを第2の課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明で
は、平版印刷版を包装した状態で少なくとも一部が平版
印刷版の塗布膜に接触する平版印刷版用包装材であっ
て、前記平版印刷版の塗布膜に接触する接触部のベック
平滑度が3秒以上900秒以下であることを特徴とす
る。
【0013】このように、平版印刷版の塗布膜に接触す
る接触部のベック平滑度が3秒以上900秒以下である
平版印刷版用包装材を使用することで、例えば運搬中に
接触部が塗布膜と擦れあったような場合でも、膜剥れが
確実に防止される。
【0014】また、この平版印刷版用包装材は、接触部
が上記したベック平滑度を有しているば、材質は特に限
定されない。従って、低コストの材料を選択すること
で、平版印刷版用包装材を低コストで製造できる。
【0015】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、前記接触部のベック平滑度が3秒以
上100秒以下であることを特徴とする。
【0016】従って、膜剥れがさらに確実に防止され
る。
【0017】請求項3に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、前記接触部のベック平滑度が250
秒以上900秒以下であることを特徴とする。
【0018】従って、膜剥れがさらに確実に防止され
る。
【0019】請求項4に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、前記接触部のベック平滑度が8秒以
上560秒以下であることを特徴とする。
【0020】このように、接触部のベック平滑度を8秒
以上560秒以下とすることで、平版印刷版の塗布膜に
対して高い剥離性を有するので、例えば、平版印刷版用
包装材の剥離と平版印刷版の供給とを自動で行う自動給
版機能を持った自動製版機やいわゆるプレートセッター
等を使用した場合に、平版印刷版用包装材と平版印刷版
とが密着した状態のままで供給されることがなくなる。
このため、自動給版動作が停止することもない。
【0021】請求項5に記載の発明では、請求項1〜請
求項4のいずれかに記載の平版印刷版用包装材を使用し
て平版印刷版を包装する平版印刷版包装構造であって、
前記接触部を前記平版印刷版の塗布膜に接触させてこの
平版印刷版を包装することを特徴とする。
【0022】従って、平版印刷版をこの平版印刷版包装
構造で包装して運搬等する場合に接触部が塗布膜と擦れ
あっても、膜剥れが確実に防止される。
【0023】また、低コストの材料によって構成された
平版印刷版用包装材を使用することで、平版印刷版包装
構造も低コストで構成できる。
【0024】
【発明の実施の形態】図1には、本発明の第1実施形態
に係る合紙(平版印刷版用包装材)14を使用して平版
印刷版10を包装する過程の一部が示されている。
【0025】平版印刷版10は、長方形の板状に形成さ
れた薄いアルミニウム製の支持体上に、塗布膜(感光性
印刷版の場合には感光層、感熱性印刷版の場合には感熱
層)を塗布して形成されている。この塗布膜に、露光、
現像処理、ガム引き等の製版処理が行われ、印刷機にセ
ットされ、インクが塗布されることで、紙面に文字、画
像等が印刷される。なお、本実施形態の平版印刷版10
は、印刷に必要な処理(露光や現像等)が施される前段
階のものであり、場合によっては平版印刷版原版あるい
は平版印刷版材と称されることもある。
【0026】なお、このような構成とされていれば、平
版印刷版10の具体的構成は特に限定されないが、例え
ば、ヒートモード方式およびフォトン方式のレーザ刷版
用の平版印刷版とすることによって、デジタルデータか
ら直接製版可能な平版印刷版とすることができる。
【0027】また、平版印刷版10は、感光層又は感熱
層中の成分を種々選択することによって、種々の製版方
法に対応した平版印刷版とすることができる。本発明の
平版印刷版の具体的態様の例としては、下記(1)〜
(11)の態様が挙げられる。 (1) 感光層が赤外線吸収剤、熱によって酸を発生す
る化合物、および酸によって架橋する化合物を含有する
態様。 (2) 感光層が赤外線吸収剤、および熱によってアル
カリ溶解性となる化合物を含有する態様。 (3) 感光層が、レーザ光照射によってラジカルを発
生する化合物、アルカリに可溶のバインダー、および多
官能性のモノマーあるいはプレポリマーを含有する層
と、酸素遮断層との2層を含む態様。 (4) 感光層が、物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層
との2層からなる態様。 (5) 感光層が、多官能性モノマーおよび多官能性バ
インダーとを含有する重合層と、ハロゲン化銀と還元剤
を含有する層と、酸素遮断層との3層を含む態様。 (6) 感光層が、ノボラック樹脂およびナフトキノン
ジアジドを含有する層と、ハロゲン化銀を含有する層と
の2層を含む態様。 (7) 感光層が、有機光導電体を含む態様。 (8) 感光層が、レーザー光照射によって除去される
レーザー光吸収層と、親油性層および/または親水性層
とからなる2〜3層を含む態様。 (9) 感光層が、エネルギーを吸収して酸を発生する
化合物、酸によってスルホン酸またはカルボン酸を発生
する官能基を側鎖に有する高分子化合物、および可視光
を吸収することで酸発生剤にエネルギーを与える化合物
を含有する態様。 (10) 感光層が、キノンジアジド化合物と、ノボラ
ック樹脂とを含有する態様。 (11) 感光層が、光又は紫外線により分解して自己
もしくは層内の他の分子との架橋構造を形成する化合物
とアルカリに可溶のバインダーとを含有する態様。
【0028】特に、近年では、レーザーで露光する高感
度感光タイプの塗布膜を塗布した平版印刷版や、感熱タ
イプの平版印刷版が使用されることもあるが(例えば上
記した(1)〜(3)の態様等)、このような高感度タ
イプの平版印刷版の場合には、本発明の平版印刷版用包
装材を使用することで、画像形成面の品質低下を確実に
防止できる。
【0029】また、本実施形態の平版印刷版10(上記
した(1)〜(11)の全ての態様の平版印刷版)は、
積層束12を構成した状態で自動給版機能を持った自動
製版機やいわゆるプレートセッター等にセットされ、製
版工程への供給(給版)される場合がある平版印刷版で
ある。後述するように、ベック平滑度が8秒以上560
秒以下の平版印刷版用包装材を使用することによって、
平版印刷版10と平版印刷版用包装材とが一体で自動製
版機等に搬送されてしまうことを防止する構成では、実
際の使用状況において平版印刷版の使用者が平版刷版1
0を自動給版機構によって給版するか、手動で給版する
か等の使い方に左右されることなく(換言すれば、給版
方法以前の問題として)、本発明の平版印刷版用包装材
を使用することで、画像形成面の品質低下を確実に防止
できる。もちろん、(1)〜(11)以外の態様の平版
印刷版であっても、自動給版機能を持った自動製版機や
いわゆるプレートセッター等にセットされ、製版工程へ
の供給(給版)される可能性がある平版印刷版は、全て
本実施形態の平版印刷版10に含まれる。
【0030】なお、自動給版機能を持った自動製版機や
いわゆるプレートセッター等にセットされるときに、後
述する保護用厚紙22が無く、平版印刷版10と合紙1
4とが各々2枚程度の少量でセットされる場合もある。
【0031】そして、図1からも分かるように、塗布膜
を保護する合紙14と、平版印刷版10と、を交互に厚
み方向に重ね合わせ、さらにこの上面及び下面に保護用
厚紙22を配置して、平版印刷版10の積層束12が構
成されている。1つの積層束12を構成する平版印刷版
10の数は特に限定されないが、運搬や保管の効率化の
観点等から、例えば10枚〜100枚とすることができ
る。また、このように10枚〜100枚の平版印刷版1
0によって積層束12を構成した場合には、平版印刷版
10と保護用厚紙22とがずれないように、粘着テープ
等の固定手段でこれらを固定することが好ましい。ま
た、さらに多くの平版印刷版10によって積層束12を
構成し、より効率的に(少ない荷扱いの回数で)運搬や
保管をできるようにすることも可能である。例えば、平
版印刷版10の枚数を最大で3000枚程度とし、平版
印刷版10の20〜100枚ごとに保護用厚紙22を入
れるようにしてもよい。さらに、平版印刷版10の枚数
を最大で3000枚程度とし、その上下にのみ保護用厚
紙22を配置してもよい。加えて、平版印刷版10の種
類によっては、保護用厚紙22を省略してもよい。
【0032】このようにして構成された積層束12を、
図2に示すように、内装紙16によって内装し、粘着テ
ープ24によって内装紙16を所定位置で張り付ける。
これによって、不用意に内装紙16が広がったり脱落し
たりしないように固定され、平版印刷版10は確実に遮
光及び防湿される。なお、第1実施形態では、この積層
束12を内装紙16によって内装することで本実施形態
の平版印刷版包装構造18が構成されている。また、平
版印刷版10の種類や運搬方法等に応じ、積層束12を
さらに外装箱によって外装したり、パレットに積載した
りしてもよい。
【0033】ここで、本実施形態の合紙14は、平版印
刷版10の塗布膜に接触する接触部のベック平滑度(J
IS P8119に定義される)が3秒以上900秒以
下とされている。
【0034】表1には、本発明の平版印刷版用包装材の
接触部(塗布膜に接触する部分)のベック平滑度と膜剥
れとの関係が示されている。この表の膜剥れ性の評価に
おいて、「◎」は膜剥れが全く発生していないことを、
「○」は、平版印刷版10の種類によっては膜剥れが僅
かに発生することもあるが、実用上問題となる程度では
ないことを示す。また、表1における「包装材の用途の
例」はあくまで一例であり、例えば接触部のベック平滑
度が3秒以上13秒以下の包装材を合紙14として使用
したり、ベック平滑度が60以上900以下の包装材
を、後述するように保護用厚紙32として使用したりし
てもよい。
【0035】
【表1】
【0036】この表1から、接触部のベック平滑度が3
秒以上900秒以下の包装材では、膜剥れが実質的に発
生しないことが分かる。本実施形態の合紙14は上記し
たように接触部のベック平滑度が3秒以上900秒以下
のものを使用しているので、平版印刷版10の膜剥れが
発生しない。特に、接触部のベック平滑度が3秒以上1
00秒以下、又は250秒以上900秒以下のものを使
用すれば、平版印刷版10の種類を問わず、膜剥れが全
く発生しないので、好ましい。例えば運搬等によって合
紙14が塗布膜と擦れあったような場合でも、いわゆる
膜剥れが確実に防止される。
【0037】また、本実施形態の平版印刷版10は、前
述のように、積層束12を構成した状態で自動給版機能
を持った自動製版機やいわゆるプレートセッター等にセ
ットされ、製版工程への供給(給版)される平版印刷版
とされる場合がある。
【0038】表1には、本発明の平版印刷版用包装材の
接触部のベック平滑度と、塗布膜からの剥離性との関係
も併せて示されている。表1の「塗布膜からの剥離性」
とは、自動給版機能を持った自動製版機やいわゆるプレ
ートセッター等に積層束12をセットして自動製版機に
給版する場合の包装材の塗布膜からの剥れやすさであ
り、「◎」は問題なく包装材が塗布膜から剥離されるこ
とを、「○」は平版印刷版10のごく一部の種類によっ
ては包装材が塗布膜から剥離されることなく平版印刷版
10と包装材とが一体で給版される場合があることを示
す。
【0039】この表1から、接触部のベック平滑度が8
秒以上560秒以下の包装材では、自動給版機能を持っ
た自動製版機やプレートセッター等に積層束12をセッ
トして自動製版機に給版する場合に、平版印刷版10の
種類を問わず、包装材が塗布膜から確実に剥離されるこ
とが分かる。また、ベック平滑度がこの範囲外であって
も、3秒以上900秒以下という条件を満たしていれ
ば、平版印刷版10の種類を適切に選択すれば、包装材
を塗布膜から確実に剥離させることが可能になる。従っ
て、平版印刷版10と包装材とが一体となったまま自動
製版機等に供給されてしまうことがなく、給版動作が停
止することもない。
【0040】そして、本実施形態の合紙14は、上記し
たように接触部のベック平滑度が3秒以上900秒以下
のものを使用しているので、平版印刷版10として適切
なものを選択して使用すれば、平版印刷版10と合紙1
4とが一体となったまま自動製版機等に供給されてしま
うことがない。特に、接触部のベック平滑度が8秒以上
秒以上560秒以下の合紙14ものを使用すれば、平版
印刷版10の種類を問わず、平版印刷版10と合紙14
とが一体となったまま自動製版機等に供給されてしまう
ことを確実に防止できる。
【0041】しかも、合紙14としては、このようにベ
ック平滑度の条件を満たしていれば、その材料やベック
平滑度以外の物性は特に限定されない。従って、材料コ
ストの低いものを選択することで、合紙14を低コスト
で製造することができる。例えば、合紙14として、木
材パルプを100%使用した紙や、木材パルプを100
%使用せず合成パルプを使用した紙、及びこれらの紙の
表面に低密度ポリエチレン層を設けた紙等を使用でき
る。特に、合成パルプを使用しない紙では、材料コスト
が低くなるので、低コストで合紙14を製造することが
できる。より具体的には、漂白クラフトパルプから抄造
した坪量30〜60g/m2 、密度0.7〜0.85g
/cm3 、水分4〜6%、PH4〜6の合紙が挙げられ
るが、もちろんこれに限定されない。
【0042】図3には、本発明の第2実施形態に係る保
護用厚紙(平版印刷版用包装材)22を使用して平版印
刷版10を包装する過程が示されている。
【0043】第2実施形態では、合紙14を使用せず平
版印刷版10のみが、塗布膜が同じ方向(図3では上方
向)を向くように積層されている。最も上に位置する平
版印刷版10の塗布膜には、保護用厚紙32が接触する
ように配置されている。そして、積層された平版印刷版
10と保護用厚紙32とで、積層束12が構成されてい
る。なお、第2実施形態においても第1実施形態と同
様、積層束12を内装紙16によって内装することで、
本実施形態の平版印刷版包装構造34が構成されてい
る。
【0044】また、第2実施形態においても保護用厚紙
32の接触部(塗布膜に接触する部分)のベック平滑度
は、第1実施形態の合紙14の接触部と同様、3秒以上
900秒以下とされている。従って、第2実施形態にお
いても、例えば運搬等によって保護用厚紙32が塗布膜
と擦れあったような場合の膜剥れが防止される。特に、
接触部のベック平滑度が3秒以上100秒以下、又は2
50秒以上900秒以下の保護用厚紙32を使用した場
合には、平版印刷版10の種類を問わず、平版印刷版1
0の膜剥れが防止される。
【0045】しかも、保護用厚紙32としては、このよ
うにベック平滑度の条件を満たしていれば、その材料や
ベック平滑度以外の物性は特に限定されない。例えば、
保護用厚紙32の材料として、木材パルプ、麻等の天然
繊維、ポリオレフィン等の線状高分子から得られる合成
パルプ、再生セルロース等を単独又は混合して使用する
ことができる。特に、木材パルプや天然繊維繊等、低コ
ストの材用を選択することで、保護用厚紙32を低コス
トで製造することができる。より具体的には、例えば、
原料故紙を叩解し、4%の濃度に希釈した紙料にサイズ
剤を厚紙重量の0.1%、紙力剤を厚紙重量の0.2%
になるように加え、さらに硫酸アルミニウムをPHが
5.0になるまで加えた紙料を用いて抄紙して得られた
密度0.72g/cm3、坪量640g/m2の保護用厚
紙32を挙げることができるが、もちろんこれに限定さ
れない。
【0046】なお、第2実施形態においても、平版印刷
版10が自動給版機構によって給版される場合には、ベ
ック平滑度が8秒以上秒以上560秒以下のものを使用
すれば、平版印刷版10の種類を問わず、平版印刷版1
0と合紙14とが一体となったまま自動製版機等に供給
されてしまうことを確実に防止できる。また、接触部の
ベック平滑度がこの範囲外であっても、平版印刷版10
として適切なものを選択すれば、平版印刷版10と合紙
14とが一体で自動製版機等に供給されてしまうことを
防止可能となる。
【0047】図4には、本発明の第3実施形態に係る内
装紙(平版印刷版用包装材)36を使用して平版印刷版
10を包装する過程が示されている。
【0048】第3実施形態では、第1実施形態の合紙1
4や保護用厚紙22、及び第2実施形態の保護用厚紙3
2を用いることなく、平版印刷版10のみによって積層
束12が構成されている。そして、この積層束12を内
装紙36によって内装することで、本実施形態の平版印
刷版包装構造38が構成されている。従って、内装紙3
6の一部が、平版印刷版10の塗布膜に接触する接触部
となっている。
【0049】内装紙36の接触部のベック平滑度は3秒
以上900秒以下とされている。従って、第3実施形態
においても、例えば運搬等によって内装紙36が塗布膜
と擦れあったような場合の膜剥れが防止される。
【0050】しかも、内装紙36としては、このように
ベック平滑度の条件を満たしていれば、その材料やベッ
ク平滑度以外の物性は特に限定されないため、例えば、
材料コストの低いものを選択することで、内装紙36を
低コストで製造することができる。
【0051】以上説明したように、本発明のいずれの実
施形態においても、平版印刷版用包装材(合紙14、保
護用厚紙32及び内装紙36)の接触部のベック平滑度
を3秒以上900秒以下としており、膜剥れを確実に防
止することが可能になっている。加えて、第1実施形態
及び第2実施形態では、接触部のベック平滑度をさらに
8秒以上560秒以下とすることで、自動給版機構を用
いて平版印刷版10を給版するときに、平版印刷版用包
装材が平版印刷版10と一体で給版されてしまうこと
が、平版印刷版10の種類を問わず確実に防止される。
また、接触部のベック平滑度をこのように設定する以外
は特に平版印刷版用包装材の材料や物性が限定されない
ので、材料選択の幅が広がり、例えば低コストで製造で
きる材料を使用することも可能となる。
【0052】なお、本発明の平版印刷版用包装材は、上
記した合紙14、保護用厚紙32及び内装紙36に限定
されない。要するに、平版印刷版10の包装形態に応じ
て平版印刷版10の塗布膜と接触する接触部が上記した
ベック平滑度の値を満足しているものは、本発明の平版
印刷版用包装材に含まれる。例えば、平版印刷版10を
合紙、保護用厚紙及び内装紙を使用することなく、紙製
(段ボールやクラフト紙及び紙製のハニカム構造材等)
あるいはその他の材料製の外装材によって外装する場合
には、少なくとも外装材の接触部が上記したベック平滑
度の値を満足していれば、この外装材は本発明の平版印
刷版用包装材に含まれる。
【0053】また、平版印刷版10をパレットやスキッ
ド等の積載部材に直接積載する場合には、少なくとも積
載部材の接触部(積載部材以外に、例えば固定用の部材
等がある場合には、これらの部材の接触部)が上記した
ベック平滑度の値を満足していれば、この外装材又は固
定用の部材等は本発明の平版印刷版用包装材に含まれ
る。
【0054】
【発明の効果】請求項1に記載の発明では、平版印刷版
を包装した状態で少なくとも一部が平版印刷版の塗布膜
に接触する平版印刷版用包装材であって、前記平版印刷
版の塗布膜に接触する接触部のベック平滑度が3秒以上
900秒以下とされているので、膜剥れが確実に防止さ
れると共に低コストとなる。
【0055】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、前記接触部のベック平滑度が3秒以
上100秒以下とされているので、膜剥れがさらに確実
に防止される。
【0056】請求項3に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、前記接触部のベック平滑度が250
秒以上900秒以下とされているので、膜剥れがさらに
確実に防止される。
【0057】請求項4に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、前記接触部のベック平滑度が8秒以
上560秒以下とされているので、自動給版機構におい
て平版印刷版用包装材と平版印刷版とが密着した状態の
ままで供給されることがなくなくなる。
【0058】請求項5に記載の発明では、請求項1〜請
求項4のいずれかに記載の平版印刷版用包装材を使用し
て平版印刷版を包装する平版印刷版包装構造であって、
前記接触部を前記平版印刷版の塗布膜に接触させてこの
平版印刷版を包装するので、膜剥れが確実に防止される
と共に、低コストとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の平版印刷版用包装材を
使用して平版印刷版を包装する工程を示す斜視図であ
る。
【図2】本発明の第1実施形態の平版印刷版用包装材を
使用して平版印刷版を包装した状態を示す斜視図であ
る。
【図3】本発明の第2実施形態の平版印刷版用包装材を
使用して平版印刷版を包装する工程を示す斜視図であ
る。
【図4】本発明の第3実施形態の平版印刷版用包装材を
使用して平版印刷版を包装する工程を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
10 平版印刷版 14 合紙(平版印刷版用包装材) 18 平版印刷版包装構造 32 保護用厚紙(平版印刷版用包装材) 34 平版印刷版包装構造 36 内装紙(平版印刷版用包装材) 38 平版印刷版包装構造
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H096 AA06 LA22 LA30 2H114 AA04 DA73 FA06 3E086 AA02 AB01 AD30 BA02 BA14 BA15 BB90 CA40

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平版印刷版を包装した状態で少なくとも
    一部が平版印刷版の塗布膜に接触する平版印刷版用包装
    材であって、 前記平版印刷版の塗布膜に接触する接触部のベック平滑
    度が3秒以上900秒以下であることを特徴とする平版
    印刷版用包装材。
  2. 【請求項2】 前記接触部のベック平滑度が3秒以上1
    00秒以下であることを特徴とする請求項1に記載の平
    版印刷版用包装材。
  3. 【請求項3】 前記接触部のベック平滑度が250秒以
    上900秒以下であることを特徴とする請求項1に記載
    の平版印刷版用包装材。
  4. 【請求項4】 前記接触部のベック平滑度が8秒以上5
    60秒以下であることを特徴とする請求項1に記載の平
    版印刷版用包装材。
  5. 【請求項5】 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の
    平版印刷版用包装材を使用して平版印刷版を包装する平
    版印刷版包装構造であって、 前記接触部を前記平版印刷版の塗布膜に接触させてこの
    平版印刷版を包装することを特徴とする平版印刷版包装
    構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7754411B2 (en) 2002-02-27 2010-07-13 Tokushu Paper Mfg. Co., Ltd. Slip sheet for a planographic printing plate, production process thereof and a protected planographic printing plate and laminate thereof

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