JP2001197840A - 灌水装置 - Google Patents

灌水装置

Info

Publication number
JP2001197840A
JP2001197840A JP2000010574A JP2000010574A JP2001197840A JP 2001197840 A JP2001197840 A JP 2001197840A JP 2000010574 A JP2000010574 A JP 2000010574A JP 2000010574 A JP2000010574 A JP 2000010574A JP 2001197840 A JP2001197840 A JP 2001197840A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
medium
watering
seedling raising
seedling
tray
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000010574A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4529211B2 (ja
Inventor
Hidehiro Okada
英博 岡田
Yoshihisa Ishiyama
佳寿 石山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Iseki and Co Ltd
Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
Original Assignee
Iseki and Co Ltd
Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Iseki and Co Ltd, Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd filed Critical Iseki and Co Ltd
Priority to JP2000010574A priority Critical patent/JP4529211B2/ja
Publication of JP2001197840A publication Critical patent/JP2001197840A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4529211B2 publication Critical patent/JP4529211B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 この種の従来例としては、搬送装置により移
送される育苗トレイ内の培地に均一に灌水するものがあ
るが、均一に灌水する為にその灌水行程(灌水距離)は
長く効率的ではなく、然も、圧縮成形した培地を用いる
場合には、その培地が水を吸収して膨張復元するのに時
間がかかり非常に作業能率が悪いものであった。 【解決手段】 搬送装置11により移送される育苗トレ
イ4内の培地1に上方から灌水する灌水装置において、
育苗トレイ4の移送方向上手側に吐出量が多い灌水部7
0を配置し、その下手側に吐出量が少ない灌水部71を
配置した灌水装置としたものであり、搬送装置11によ
り移送される受け皿4aに載置された育苗トレイ4の側
方から灌水する灌水部72を設けた灌水装置としたもの
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、野菜や水稲や花
卉等の播種作業の際に、育苗トレイ内の培地に灌水する
灌水装置に関する。
【0002】
【従来技術と発明が解決しようとする課題】この種の従
来例としては、搬送装置により移送される育苗トレイ内
の培地に均一に灌水するものがあるが、均一に灌水する
為にその灌水行程(灌水距離)は長く効率的ではなく、
然も、圧縮成形した培地を用いる場合には、その培地が
水を吸収して膨張復元するのに時間がかかり非常に作業
能率が悪いものであった。
【0003】
【課題を解決するための手段】この発明は、従来の課題
を解決するために、請求項1記載の発明は、搬送装置1
1により移送される育苗トレイ4内の培地1に上方から
灌水する灌水装置において、育苗トレイ4の移送方向上
手側に吐出量が多い灌水部70を配置し、その下手側に
吐出量が少ない灌水部71を配置した灌水装置としたも
のであり、請求項2記載の発明は、搬送装置11により
移送される育苗トレイ4の側方から灌水する灌水部72
を設けた請求項1記載の灌水装置としたものであり、請
求項3記載の発明は、搬送装置11により移送される受
け皿4aに載置された育苗トレイ4の側方から灌水する
灌水部72を設けた灌水装置としたものであり、請求項
4記載の発明は、育苗トレイ4内の培地1が圧縮成形し
た培地である請求項1乃至3記載の灌水装置としたもの
である。
【0004】
【発明の作用効果】請求項1記載の発明は、搬送装置1
1により移送される育苗トレイ4内の培地1に上方から
灌水する灌水装置において、育苗トレイ4の移送方向上
手側に吐出量が多い灌水部70を配置し、その下手側に
吐出量が少ない灌水部71を配置した灌水装置としたも
のであるから、最初に、吐出量が多い灌水部70により
大量の水が灌水されるので、培地1に水が急速に灌水さ
れ、その後、吐出量が少ない灌水部71により穏やかに
灌水されて、培地1に必要な水量が供給される。従っ
て、灌水時間若しくは灌水距離を短くしても十分な量の
灌水が行なわれ効率的であると共に、後で、吐出量が少
ない灌水部71により穏やかに灌水するので、培地1を
乱すことも防止され、良好な灌水作業が行なえる。
【0005】請求項2記載の発明は、搬送装置11によ
り移送される育苗トレイ4の側方から灌水する灌水部7
2を設けた請求項1記載の灌水装置としたものであるか
ら、請求項1記載の発明の作用効果に加えて、更に、灌
水時間若しくは灌水距離を短くしても十分な量の灌水が
行なわれ効率的である。
【0006】請求項3記載の発明は、搬送装置11によ
り移送される受け皿4aに載置された育苗トレイ4の側
方から灌水する灌水部72を設けた灌水装置としたもの
であるから、先ず、受け皿4aに水が溜り、その水を育
苗トレイ4の底から培地1に供給するので、灌水行程を
終えた後にも受け皿4aに溜った水が培地1に供給され
るので、能率的であり、且つ、培地1を乱すことも少な
い。
【0007】請求項4記載の発明は、育苗トレイ4内の
培地1が圧縮成形した培地である請求項1乃至3記載の
灌水装置としたものであるから、搬送装置11にて移送
される受け皿4aに載置された育苗トレイ4は、育苗ト
レイ4の側方から灌水する灌水部72により灌水される
水を受け皿4aの側方から受けて、受け皿4aに水が溜
り、育苗トレイ4の下方から圧縮成形した培地1に供給
される。そして、吐出量が多い灌水部70により大量の
水が灌水されるので、硬い圧縮成形した培地1は、上下
から水を吸収して急速に膨張し始める。その後、吐出量
が少ない灌水部71から穏やかに灌水されて、圧縮成形
した培地1の膨張完了に必要な水量が供給される。従っ
て、圧縮成形した培地1が硬い段階で大量の水をその上
下から与えて、初期膨張を早くし、その後、圧縮成形し
た培地1が水を吸収して膨張をしてその表面が軟らかく
なった後は、水を穏やかに与えるので、軟らかくなった
圧縮成形した培地1を灌水される水で崩すことが防止さ
れ、良好に且つ早く圧縮成形した培地1は水を吸収して
膨張を完了し、作業能率が良く且つ良好な灌水作業が行
なえる。
【0008】
【発明の実施の形態】この発明の実施の一形態であるレ
タスを播種育苗する場合について、以下に詳述する。図
1に示すものは、圧縮成形した培地(圧縮成形培地)1
の一実施例で、タブレット(錠剤状又は低い円柱状)の
形状に成形したものである。この圧縮成形培地1の材料
となる植物繊維を含む材料としては、ピートモスやヤシ
類の果実繊維(ヤシの実の果肉部の繊維を圧搾裁断した
もの)、おが屑、樹皮(バーク)、バーク堆肥などを用
いることができる。特に、ミズゴケ類が堆積してできた
ピートモスが最も好ましい。なお、ピートモスとヤシ類
の果実繊維等を混合した材料を用いることもできる。
【0009】なお、ピートモスは、含水率約30%以下
に乾燥すると撥水性が顕著となる。そのため、ピートモ
スを圧縮成形する材料に使用する場合は、それが乾燥し
ていると、圧縮成形後使用時に水で膨張させるとき、そ
の水が吸収されにくくなり、取扱いが不便となる。そこ
で、圧縮成形前にピートモスを、ベントナイト或はモン
モリロナイトと混合し又は水溶液に浸して、ピートモス
の繊維表面にベントナイト或はモンモリロナイトの微粒
子を付着させ、それを乾燥して圧縮成形すれば、圧縮成
形されたピートモスが乾燥していても吸水しやすいもの
となり、上記問題は解消される。また、ベントナイト或
はモンモリロナイトは粘土成分の一種で天然の物から抽
出できるものであるが、化学物質のものを用いるなら
ば、アルキレンオキサイド系やエステル系の非イオン活
性剤等の界面活性剤を撥水防止剤として用いることがで
きる。尚、ピートモスを界面活性剤にて撥水防止処理を
して、更に、ピートモスの繊維表面にベントナイト或は
モンモリロナイトの微粒子を付着させ、それを乾燥して
圧縮成形すれば、圧縮成形されたピートモスが乾燥して
いても更に吸水しやすいものとなる。
【0010】また、ピートモスは、一般にpH3.5〜
5.5と、pHが低いため、消石灰や生石灰、苦土石
灰、炭酸カルシウムなどでpH調節を行う。なお、取扱
易さと効果の面から苦土石灰が好ましい。ところで、上
記ベントナイト或はモンモリロナイトは、ピートモスを
圧縮成形する時のバインダーとして作用する粘結剤にも
なり、成形時の粘結効果を高めるものとなる。ほかのバ
インダーとしてアルギン酸ナトリウム等を使用すること
もできる。
【0011】また、圧縮成形した培地1が水を含んで膨
張するときの膨張倍率を大きくするため、前記ピートモ
ス等の植物繊維を含む材料に、市販の高吸水性ポリマー
等を混入させて用いることもできる。ここで、上記の圧
縮成形培地の一実施例として、植物繊維を含む材料とし
てピートモスを用いて製造する例を詳細に説明する。
【0012】先ず、市販のピートモス(含水率は通常4
0〜50%で、平均的には45%のものが多い)の塊を
解砕(解いて砕く)し、3mmメッシュ(縦横が3mm
の網目)で篩いをかけて、粒径が3mm以下のものを精
選する。尚、5mmメッシュ(縦横が5mmの網目)で
篩いをかけて、粒径が5mm以下のものを精選しても後
工程の混合時に混合むらが発生する恐れはあまりなく出
来上がった圧縮成形培地の使用上の問題はないので、精
選は5mmメッシュ以下であれば良い。併し乍ら、粒径
が5mmを超えるものは、後工程の混合時に混合むらが
発生し、出来上がった圧縮成形培地に水を加えて復元す
る際の復元性能が悪い(復元速度が遅く、復元形状も安
定しない)。
【0013】そして、この精選したピートモス1kgに対
して、ベントナイト100〜400g(200gが最適
で、200g以下であると若干出来上がった圧縮成形培
地の強度が弱くなるが、使用上の問題はさほどない。ま
た、200g以上用いても出来上がった圧縮成形培地の
性能は200gの場合に比して大差ない)と、苦土石灰
(Mg,Ca)10〜30g(ピートモスのPH調整の
為に入れるが、20gが最適である)と、界面活性剤で
ある粉状(粉末)のラウリル硫酸ナトリウムと肥料とし
て窒素0.7〜4.2g・燐0.8〜4.8g・カリウ
ム0.6〜3.6gを混ぜたものと、を10分間混合す
る。すると、ピートモスの撥水性が界面活性剤でなくな
り、ピートモスとベントナイトと苦土石灰と肥料とが混
在した含水率が40〜50%(平均的には55%のもの
が多い)の粉状の混合物が得られる。そして、ピートモ
スの表面にはベントナイトの微粒子が付着した状態とな
る。
【0014】この混合物を含水率が15%になるまで乾
燥し、その後、圧延ロール等で1mmメッシュの細かな
粉(縦横が1mmの網目の篩いを通る粉)状まで粉砕し
て、粉状の培地を得る。そして、この1mmメッシュま
で粉砕したものを圧縮成形する。圧縮成形には、プレス
機を用い、下型2の円筒状の穴内に前記粉状の培地を詰
めて上型3の円筒状突部が上方から下降して圧縮成形し
て(図2参照)、圧縮成形培地1を得る。
【0015】このときの圧縮する圧力は、含水率15%
のもので150kg/cm2 の圧力で圧縮すると良好に
圧縮成形できる。そして、混合物を1mmメッシュの細
かな粉状まで粉砕してから圧縮成形するのは、プレス機
で成形する際に、混合物を型に入れるのが容易になると
共に、圧縮成形して得た圧縮成形培地1に水を加えて復
元させる際に、復元速度が速くて復元形状も非常に安定
する。然も、復元後の培地の強度も強くて育苗及び育苗
後の苗の取扱いが容易となる。尚、テストで混合物を2
mmメッシュ(粒径2mm)の状態で圧縮成形してみた
が、成形後の水を加えて復元させる際の復元速度及び復
元形状の安定性は、共に劣るものであった。そして、復
元後の培地の強度も粒が大きいために弱くて壊れ易いも
のであった。
【0016】また、圧縮成形後の具体的な寸法を示す
と、圧縮成形培地1の大きさは、直径D1=15mm、
高さH1=15mmの円筒形状に圧縮成形される。次
に、図3〜図7に示す育苗トレイ4は、発砲スチロール
を材料として成形したもので、図6及び図7に示される
ような平面視が円形で断面形状がコップ状の育苗ポット
5…を多数設けたものである。そして、各育苗ポット5
には、内側面5bから底面5aに到るL字状の溝9・9
・9・9が4箇所形成されており、その底部には育苗時
の水抜け孔であり、育苗後に苗を押し出す為に苗押出し
棒7や指等を差し込むことのできる孔6…が開けられて
いる。尚、各溝9・9・9・9は、育苗ポット5の上部
からこの孔6まで連通しており、苗を育苗するときに、
空気が自由に育苗ポット5の上部から各溝9・9・9・
9及び孔6を通って下部まで流れるようになっている
(勿論、逆に、空気が自由に育苗ポット5の下部から孔
6及び各溝9・9・9・9を通って上部まで流れるよう
になっている)。また、灌水時には、育苗ポット5内の
培地に上面及び各溝9・9・9・9から側面に水が浸透
するので灌水も容易であり、また、余分な水は各溝9・
9・9・9及び孔6から排水されるので水が過分に溜っ
て根腐れを起こすことの防止にもなる。
【0017】尚、育苗ポット5の内容部の大きさは、具
体的な寸法を示すと、底部直径D3=18mm、上端開
口部の口径D2=23mm、深さH2=37mmに形成
されている。次に、図8〜図15に基づいて、上記の育
苗トレイ4に圧縮成形培地1を用いて播種する播種機1
0を説明する。
【0018】播種機10は、連続移送用の搬送装置とし
ての第1コンベア11・第2コンベア12と、連続移送
と間歇移送とを切替可能な播種コンベア13と、連続移
送用の第3コンベア14とが移送上手側から順に連ねて
設置されており、その各コンベア11、12、13、1
4上を順に引き継がれて受け皿4aに載置された育苗ト
レイ4が移送されていくようになっている。そして、第
1コンベア11上に前記圧縮成形培地1を各育苗ポット
5内に一個づつ供給する培地供給装置15とその下手側
に圧縮成形培地1を膨張させる培地用灌水装置16が設
置され、第2コンベア12上に鎮圧装置17が設置さ
れ、播種コンベア13上に点播型播種装置18が設置さ
れ、第3コンベア14上に覆土供給装置19・霧状灌水
装置20が設置されている。
【0019】ここで、この育苗トレイ4用の播種機10
の各装置の構成と前記圧縮成形培地1を用いた播種作業
について詳述する。第1コンベア11及び第2コンベア
12は、移送モータM1で駆動される構成となってい
る。これにより、その上に載せられた受け皿4aに載置
された育苗トレイ4は、移送モーターM1が回転すると
ベルト移動イ方向に連続移送される。
【0020】播種コンベア13は、フレーム21・21
で支持されたローラー軸22、23にローラー24、2
5がそれぞれ取り付けられ、そのローラー24・25間
に移送ベルト26が巻き掛けられている。そして、一方
のローラー軸22、即ち播種コンベア13の駆動軸に
は、連続移送用の駆動モータM2による連続駆動機構
と、間歇移送用のエアーシリンダーC1による間歇駆動
機構とが連動連結している。具体的には、まず、ローラ
ー軸22には、連続移送用のスプロケット27が連続駆
動側一方向クラッチ28を介して取り付けられ、そのス
プロケット27と駆動モーターM2の駆動軸29に一体
回転するように取り付けた連続駆動スプロケット30と
の間にチェン31が掛けられて、連続駆動機構が構成さ
れている。これにより、連続駆動側一方向クラッチ28
を境界に連続駆動側(駆動モーターM2側)とローラー
軸22側とにおいて、連続駆動側が駆動側となるときに
は連続駆動側からローラー軸22へ伝動し、ローラー軸
22側が駆動側となるときにはローラー軸22から連続
駆動側へは伝動しない。即ち、駆動モーターM2が駆動
回転するとき、その駆動モーターM2の連続回転がロー
ラー軸22へ伝動して播種コンベア20が連続移送状態
になる。駆動モーターM2が駆動しないときには、間歇
駆動機構によりローラー軸22側が間歇駆動されても、
駆動モーターM2は強制的に回転されることはない。
【0021】また、ローラー軸22には、間歇移送用の
スプロケット32が取り付けられ、そのスプロケット3
2と間歇駆動軸33に一体回転するように取り付けた間
歇駆動スプロケット34とにチェン35が掛けられ、更
に、間歇駆動軸33に、遊端側が間歇駆動用のエアーシ
リンダーC1のピストンC1aが連結するアーム36a
の基部が固着するアーム筒36が間歇駆動側一方向クラ
ッチ37を介して取り付けられて、間歇駆動機構が構成
されている。間歇駆動側一方向クラッチ37により、エ
アーシリンダC1のピストンC1aが突出してアーム筒
36が回転するときは間歇駆動軸33が一体回転するよ
う伝動され、エアーシリンダC1のピストンC1aが引
っ込んでアーム筒36が逆回転するときは間歇駆動軸3
3は無駆動となり伝動しない。これにより、エアーシリ
ンダC1のピストンC1aが所定のタイミングで一定ス
トローク作動すると、間歇駆動軸33が一定角度づつ間
歇に回転してローラー軸22が間歇駆動回転し、播種コ
ンベア13が間歇移送状態となる。また、間歇駆動側一
方向クラッチ37を境界に間歇駆動側(エアーシリンダ
C1側)とローラー軸22側との間で、間歇駆動側が駆
動側となるときには間歇駆動側からローラー軸22へ伝
動して前述の通り間歇回転がローラー軸22へ伝動し、
エアーシリンダC1が作動せず、連続駆動機構によりロ
ーラー軸22側が連続駆動されても、間歇駆動側一方向
クラッチ37からエアーシリンダC1側へはその連続回
転が伝動することはない。
【0022】ところで、播種コンベア13の間歇移送
は、育苗トレイ4の育苗ポット5…一列分づつ正確に且
つ迅速に間歇移送しなければならないので、ローラー軸
22が所定量回転したら、直ちに停止し、播種動作が終
了すれば、再び直ちに回転し始めなければならない。そ
こで、上記播種コンベア13の駆動機構において、連続
移送用のスプロケット27がローラー軸22に一体回転
するように取り付けられず連続駆動側一方向クラッチ2
8が介装されて取り付けられていることにより、以下の
点の効果が生じている。即ち、エアーシリンダC1が作
動して間歇駆動機構側からローラー軸22が間歇回転駆
動されたときに、その回転は連続駆動側一方向クラッチ
28から駆動モーターM2側には伝動されず、モーター
M2が強制的に回転されることはない。これにより、間
歇駆動時におけるローラー軸22の慣性重量を小さく留
めることができる。よって、エアーシリンダC1のピス
トンC1aが所定のストローク突出した後のローラー軸
22側の惰性回転を抑えることができ、また、エアーシ
リンダC1のピストンC1aの突出時の負荷を小さくで
きて、所定の移送量づつ正確且つ迅速な間歇移送ができ
るようになる。これにより、各育苗ポット5…の中央に
より正確に播種されるようになって播種精度が向上し、
また、播種作業スピードも高められて播種能率も向上す
る。尚、BLはブレーキ装置で、間歇移送用のスプロケ
ット32に一体の回転ディスク32aを挾み込んでロー
ラー軸22にブレーキ作用を施すもので、前述の間歇駆
動時におけるローラー軸22の惰性回転を更に抑えるた
めのものである。
【0023】以上のように、播種コンベア13の駆動機
構が構成されているので、移送ベルト26上に載せられ
た育苗トレイ4は、モーターM2とエアーシリンダC1
の作動切替により、ベルト移動方向に連続移送或は間歇
移送される。そして、モーターM2により移送ベルト2
6上に載せられた育苗トレイ4が連続移送されるときの
速度は、第1コンベア11・第2コンベア12上に載せ
られた育苗トレイ4の移動速度と同じ速度になるように
構成されており、エアーシリンダC1により間歇移送さ
れる速度は当然に遅い速度となる。
【0024】第3コンベア14は、移送モータM3で駆
動される構成となっている。これにより、育苗トレイ4
は、移送モーターM3が回転するときはベルト移動方向
に連続移送され、停止するときは移送停止される。尚、
第3コンベア14上に載せられた育苗トレイ4は、第1
コンベア11・第2コンベア12上に載せられた育苗ト
レイ4の移動速度と同じ速度にて移送されるように構成
している。
【0025】次に、培地供給装置15について詳述する
と、フレーム38に回転軸39を回転自在に支持し、該
回転軸39に一体回転するように繰出しロール40を設
けると共に、回転軸39のフレーム38から突出した端
部に従動プーリー41を固定して設けている。一方、フ
レーム38に歯車状の遊転輪42を回転自在に設けて、
そのフレーム38から突出した軸端部に駆動プーリー4
3を固定して設けている。そして、該駆動プーリー43
と従動プーリー41とに伝動ベルト44が掛け渡されて
いる。
【0026】そして、歯車状の遊転輪42の各歯42a
…が設けられている間隔は、育苗トレイ4の縦方向の育
苗ポット5に順次係合して行くピッチになっている。ま
た、繰出しロール40の表面には、培地1が1個少し余
裕をもって入る円筒状の孔40a…が8つ左右方向に一
列形成され、その各列が育苗トレイ4の縦方向の育苗ポ
ット5のピッチに合わせて12列設けられている。
【0027】45は培地ホッパーであって、左右方向に
長い箱状に形成されてフレーム38に下部が固定されて
いる。そして、培地ホッパー45は左右方向に8つの部
屋に仕切られており、その上端部は開口しているので各
々の部屋に上方から培地1…が装填できるようになって
いる。尚、この培地ホッパー45は、繰出しロール40
の最上部に位置する孔40a…に対応する位置に配置さ
れており、培地1が孔40a内に容易に入り、培地1が
破損することや傷がつくことが少なく、適切な培地1の
装填作業が行なえる。
【0028】46は上部が培地ホッパー45の下端に接
合された案内板であって、繰出しロール40の各孔40
a…に入った培地1…が脱落しないように下部まで案内
するものである。このように構成された培地供給装置1
5は、第1コンベア11に載置された育苗トレイ4…が
連続してイ方向に移送されてくると、遊転輪42の各歯
42a…が育苗トレイ4の育苗ポット5に順次係合して
回転し、その回転が駆動プーリー43・伝動ベルト44
・従動プーリー41と伝動して繰出しロール40が回転
する。その時、駆動プーリー43と従動プーリー41の
径が同じで、遊転輪42の歯42a…の数と繰出しロー
ル40の孔40a…の数が同じで且つ同ピッチに設けら
れているので、繰出しロール40の最下端に位置した
(案内板46から外れた)孔40aが常に育苗トレイ4
の育苗ポット5の上部に位置するようになる。従って、
第1コンベア11に載置された育苗トレイ4…が連続し
てイ方向に移送されてくると、繰出しロール40が回転
し、繰出しロール40の最上端(培地ホッパー45の各
部屋の下部位置)で培地ホッパー45の各部屋から培地
1が一個づつ孔40a…に供給される一方、繰出しロー
ル40の最下端(案内板46から外れた位置)の孔40
aから育苗トレイ4の育苗ポット5に培地1が適確に供
給される(図9)。
【0029】培地用灌水装置16は、ポンプにより水を
灌水することができる灌水装置で、上方灌水部16aと
下方灌水部16bとにより構成され、その下方を移送さ
れる受け皿4aに載置された育苗トレイ4の各育苗ポッ
ト5…内の圧縮成形培地1…に灌水する。
【0030】ここで、この培地用灌水装置16の構成及
び作用を図19乃至図21に基づいて詳述すると、上記
上方灌水部16aには、第1コンベア11にて移送され
る受け皿4aに載置された育苗トレイ4の上方を横切る
状態で配置された1本の水の吐出量が多い灌水部として
の大灌水パイプ70と2本の水の吐出量が少ない灌水部
としての小灌水パイプ71・71が設けられている。そ
して、受け皿4aに載置された育苗トレイ4の移送方向
上手側に大灌水パイプ70が配置され、その下手側に小
灌水パイプ71・71が配置されている。一方、下方灌
水部16bには、育苗トレイ4の移送方向に沿って育苗
トレイ4の左右両側に位置するように灌水部としての横
灌水パイプ72・72が配置されている。尚、下方灌水
部16bの横灌水パイプ72・72は、上方灌水部16
aの大灌水パイプ70よりも、受け皿4aに載置された
育苗トレイ4の移送方向上手側に配置されている。
【0031】従って、第1コンベア11にて移送される
受け皿4aに載置された育苗トレイ4は、最初に、下方
灌水部16bの横灌水パイプ72・72により灌水され
る水を受け皿4aの左右側方から受けて、受け皿4aに
水が溜り、育苗トレイ4の下方から即ち各育苗ポット5
…の孔6から各圧縮成形培地1…に供給される。そし
て、引き続き、上方灌水部16aの大灌水パイプ70に
より大量の水が灌水されるので、硬い各圧縮成形培地1
…は、上下から水を吸収して急速に膨張し始める。その
後、上方灌水部16aの2本の小灌水パイプ71・71
から霧状の少量の水が2段回に穏やかに灌水されて、各
圧縮成形培地1…の膨張完了に必要な水量が供給され
る。
【0032】このように、各圧縮成形培地1…が硬い段
階で大量の水をその上下から与えて、初期膨張を早く
し、その後、各圧縮成形培地1…が水を吸収して膨張を
してその表面が軟らかくなった後は、霧状の少量の水を
2段回にわけて穏やかに与えるので、軟らかくなった各
圧縮成形培地1…を灌水される水で崩すことが防止さ
れ、良好に且つ早く各圧縮成形培地1…は水を吸収して
膨張を完了する。
【0033】尚、受け皿4aの構成は、図20に示すよ
うに育苗トレイ4の移送方向の前後に位置する壁面は育
苗トレイ4の前後壁面に接当しており、順次移送される
受け皿4aに載置された育苗トレイ4…が前後方向で接
当して移送させることができ作業効率が良い。また、図
21に示すように育苗トレイ4の移送方向の左右に位置
する壁面は育苗トレイ4の左右壁面から上方ほど離れる
ような形状になっており、下方灌水部16bの横灌水パ
イプ72・72により灌水される水を適切に受けること
ができて適切な底面灌水が行なえ良好な灌水作業が行な
える。
【0034】育苗トレイ4の各育苗ポット5…内の圧縮
成形培地1…は、ピートモスの表面には粘土質材の微粒
子が付着して被膜が形成されているので、急速に水を吸
収して膨張し(灌水装置16から次行程の鎮圧装置17
のポット用鎮圧ローラー47までの距離Rを移送される
間に膨張は終了する。換言すると、圧縮成形培地1…の
膨張が終了するに必要な距離Rが、灌水装置16と次行
程の鎮圧装置17との間に設定されている。)、図16
に示すように育苗ポット5の内側面との間に少し空隙が
残り、上端開口部からH3=1〜2mm突出するような
大きさの培地1’になる。
【0035】鎮圧装置17は、左右支持フレーム間に各
育苗ポット5…に対応する押圧突起を有する一般的なポ
ット用鎮圧ローラー47が軸支されて設けられており、
この鎮圧ローラー47の表面48が移送されてくる育苗
トレイ4の育苗ポット5…内の膨張した培地1…を上か
ら押圧作用して図17のように鎮圧し、圧縮成形培地1
…間の内部の空隙を無くしてポット内形状の培地1’に
すると共に、その凸部49が表面に播種穴50を形成す
る。
【0036】点播型播種装置18は、種子S…を一粒づ
つ吸着する吸着ノズル51…が、エアータンク52に前
記育苗トレイ4の左右方向の育苗ポット5…の数(8
個)だけ取り付けられている。エアータンク52はバキ
ュウム装置Vと連結しており、吸着ノズル51…が種子
S…を収容する種子受け樋53上に移動したときにバキ
ュウム装置Vが吸引作動し、受け樋53に収容された種
子S…をノズル51…の先端口にそれぞれ一粒づつ吸着
する。そして、吸着ノズル51…の先端口に種子S…が
吸着された状態で、エアータンク52の左右に設けられ
た移動リンク54に連結するエアーシリンダーC2のピ
ストンC2aが突出作動して、各ノズル51…がそれに
対応する漏斗55…上に位置するようにエアータンク5
2が移動する。そして、前記バキュウム装置Vに作動が
停止して逆にエアーがノズル51…の先端口から吐出
し、更に、ノズル51…の内側のニードル51a…が各
ノズル51…の先端口から突出する。これにより、ノズ
ル51…の先端口に吸着していた種子S…が放出され
て、それぞれ対応する漏斗55…内に落下する。漏斗5
5…の出口はそれぞれ播種ホース56…が連結され、そ
のホース56…の下端口に播種ノズル57…が取り付け
られている。よって、漏斗55…内に落下した種子S…
は播種ホース56…内を通って播種ノズル57…の下端
口から放出される。以上のように、この播種装置18
は、吸着ノズル51…が一粒づつ吸着して播種位置に放
出するように構成されている。吸着ノズル51…の先端
口の口径は小さく設けられるので、粒径の小さい裸種子
でも確実に一粒づつ播種できる。
【0037】更に、上記播種装置18の播種ノズル57
…は、その下方に移送される育苗トレイ4の左右方向の
育苗ポット5…の配列ピッチに合わせてノズル57の下
端口が各育苗ポット5…の口部中央に前記鎮圧装置17
にて形成された播種穴50…に対応して位置するように
ノズル固定部材58で固定されている。ノズル固定部材
58は、その両端部で播種ノズル上下用シリンダC3、
C4のピストンC3a、C4aと連結し、また、固定部
材58の上下移動をガイドするガイド棒59、59に摺
動自在に係合している。上下用エアーシリンダC3、C
4のピストンC3a、C4aが突出作動して固定部材5
8が上から下に移動すると、播種ノズル57…が前工程
で形成された育苗ポット5…内の各播種穴50…近くま
で下動し、その播種穴50…内に一粒ずつ播種する。こ
の間、播種コンベア13は移送停止状態にあり、横一列
の育苗ポット5…への播種が完了すると、上下用エアー
シリンダC3、C4のピストンC3a、C4aが引っ込
み作動して固定部材58が下から上に移動する。その
後、播種コンベア13が間歇移送作動して、育苗トレイ
4の育苗ポット左右横方向一列分…だけ移送し再び停止
する。そして、再び、上下用エアーシリンダC3、C4
のピストンC3a、C4aが突出作動して、播種ノズル
57…の下端口直下の左右一列の育苗ポット5…に対し
て播種する。
【0038】上記播種装置18で育苗トレイ4の各育苗
ポット5…内に播種される間は、播種コンベア13は間
歇移送状態となるが、その前後は連続移送状態に切り替
わる。即ち、連続移送状態で、育苗トレイ4の先端部が
位置X1(育苗トレイ4…の移送方向最前列の育苗ポッ
ト5…が播種位置に来た時の育苗トレイ4の先端位置)
に移送されると、それを第1苗箱位置検出器(ここで
は、接触式のリミットスイッチ)が検出し、播種コンベ
ア13を連続移送状態から間歇移送状態に切り替える。
そして、間歇移送状態にて、各育苗ポット5…内に一粒
づつ播種され、移送方向最後列の育苗ポット5…が播種
ノズル57から播種された後で、育苗トレイ4の先端部
が位置X2(育苗トレイ4…の移送方向最後列の育苗ポ
ット5…が播種ノズル57…の真下となる位置から一回
間歇送りをした育苗トレイ4の先端位置)に移送される
と、それを第2苗箱位置検出器(ここでは、接触式のリ
ミットスイッチ)が検出し、播種コンベア13を間歇移
送状態から連続移送状態に切り替える。よって、位置X
1から位置X2の区間の距離は、育苗トレイ4の移送方
向の長さL+α(育苗トレイ4の移送方向の育苗ポット
列分+1列)の距離となる。そして、次の育苗トレイ4
が移送上手側から前記位置X1まで移送されてくると、
再び間歇移送状態に切り替わる。ところで、第1コンベ
ア11及び第2コンベア12の育苗トレイ4の移送速度
は、播種コンベア13が連続移送状態に切り替わる時に
丁度播種コンベア13の始端部に育苗トレイ4が一箱載
っているようなタイミングになる速度に設定されてい
る。また、第3コンベア14は、播種コンベア13が連
続移送状態の速度と同じ速度に設定されている。
【0039】覆土供給装置19は、覆土ホッパー60と
ベルト式の覆土繰出部61からなる。覆土繰出部61
は、モーターM4により回転駆動されるローラー62と
従動ローラー63とにベルト64が掛けられ、そのベル
ト64の回転により上部の覆土ホッパー60内の覆土を
定量づつ繰出し、この装置19の下をくぐるように移送
される各育苗ポット5…内に覆土65が図18のように
供給される。尚、野菜の場合は、覆土65にバーミキュ
ライトを用いると、比重が軽いので、種子が出芽し易く
出芽率が向上し、また、保水性が良いので育苗も容易で
ある。
【0040】霧状灌水装置20は、ポンプにより水を霧
状に散水して覆土の飛散や種子の移動を防止して灌水す
ることができる一般的なもので、その下方を移送される
図18のように覆土された育苗ポット5…に均一に灌水
する。そして、上記のようにして播種作業を終えた育苗
トレイ4を受け皿4aから取り出して各育苗ポット5底
部の各孔6…を塞がないような格子状の台に並べて、溝
9と孔6を空気が自由に流通できる状態で育苗が行われ
る。そして、適度に成長した苗は栽培圃場に移植される
が、このとき、育苗ポット5…の底部の孔6…に苗押出
し棒7…を差し込むか指で押し上げることにより育苗ポ
ット5…内に収容された苗を押し出すと容易に苗を育苗
トレイ4の育苗ポット5…から取り出すことができる
(図22)。尚、覆土26にはバーミキュライトを用い
ると、比重が軽いので種子が出芽し易く出芽率が向上
し、また、保水性が良いので育苗も容易である。
【0041】そして、この育苗トレイ4の各育苗ポット
5…には溝9…が設けられており、培地1’が膨張時に
溝9…内に入り込んで溝を埋めてしまわないので、溝9
…内には空間が形成されている。従って、育苗時に、苗
の根が伸長して培地内から溝9…内に出て伸びようとし
たとき、エアープルーニング効果により、そこで根の伸
長が止まる。よって、根が培地外周面に沿って過密に巻
いた状態になるのが防止されることと併せて、溝9…部
で根の伸長が止まる分、培地内で側根の成育が旺盛とな
るので、圃場へ移植したときの苗の活着が良好となる。
(尚、根が伸長し過ぎて培地外周面に沿って過密に巻い
た状態になると、移植後、圃場に活着しようとする新し
い根が培地外周面に過密に巻いた根に阻止されて、培地
の外の土壌に根が伸長しにくくなり活着しにくくなる問
題がある。) また、上記のような育苗上の効果を有する育苗ポット5
…を形成した育苗トレイ4を用いた育苗を行うとき、圧
縮成形培地1は、育苗ポット5に合わせた円柱形状であ
るから、水を含んで膨張した時に溝9…内を培地が塞ぐ
ことがない。特に、前記のように、圧縮成形培地1を、
その圧縮された方向が上下方向となる姿勢で各育苗ポッ
ト5内に入れ、そのように入れた圧縮成形培地1に水を
含ませることで圧縮成形培地1を各育苗ポット5内で膨
張させて充満させ、育苗ポット5内に培地を充填する方
法をとると、その圧縮成形培地1は、水を含むと水平方
向には大きく膨張せず上下方向に大きく膨張するから、
溝9…内を埋めるように培地が入り込むことがなく溝9
…内に空間が形成される状態に培地を育苗ポット5内に
充填することが容易に行なえる。従って、この育苗ポッ
ト5…の溝9…によるエアープルーニング効果を充分に
奏する状態での播種、育苗が容易に行なえるものとな
る。
【0042】更に、小さなゴミや砂や小石等が溝9内に
詰まると、その詰まった部分から上の溝9は灌水の度に
小さなゴミや砂や小石等が滞積して埋まってしまう。す
ると、エアープルーニング効果が得られなくなり、良質
な苗の育成が行なえなくなるが、各溝9・9・9・9の
溝深さは、上端部の溝深さA1から下端部の溝深さA2
に到るまで順次深くなるように形成され、然も、各溝9
・9・9・9の断面積も上端部の開口部面積から下端部
の開口部面積に到るまで順次広くなるように形成されて
いるので、育苗時に小さなゴミや砂や小石等が溝9の上
端部から溝9内に入っても、溝9内に詰まることなく下
端部から孔6を通って容易に外に排出され(溝9内に小
さなゴミや砂や小石等が入っていても、特に灌水時に、
水で容易に外部に押し流される。)、溝9が埋まってし
まうことが防止され、前記のようなエアープルーニング
効果を充分に奏する状態での育苗が容易に行なえる。
【0043】尚、植物繊維を含む材料を圧縮成形した培
地1には、圧縮成形後、水を含ませて膨張させると、圧
縮成形時の圧縮方向とは略々反対方向に向かう膨張が大
きいという特性がある。例えば、図1に示すタブレット
の形状の圧縮成形培地1を、ピートモスを用いて、上下
方向から圧縮して成形したところ、圧縮成形時の大きさ
が直径15mm×高さ15mmの大きさのものが、水を
含んで膨張すると、圧縮方向の反対方向の膨張が、高さ
15mmから高さ38〜39mmとなって約2.5倍の
膨張となり、圧縮方向に交差する方向の膨張が、直径1
5mmから直径18〜19mmとなって約1.2倍の膨
張となった。
【0044】一方、育苗トレイ4は、発砲スチロールを
材料として成形され各育苗ポット5の内側面5bと底面
5aとで培地1’を覆った状態になっているので、断熱
性が良くて根部の温度が必要以上に上がることが防止さ
れ、夏場の熱い時期に苗を育苗しても、苗がひょろ長く
伸びてしまう徒長を防止でき、健全な苗の育成が行なえ
ると共に、育苗トレイ4の各育苗ポット5の各苗を均一
に成育させることができる。
【0045】そして、圧縮成形培地1は、前記のよう
に、水を含むと圧縮方向とは略々反対方向に大きく膨張
するが、その膨張後の培地1’は、膨張方向(上下方
向)の剪断に対しては強く、その膨張方向と交差する方
向(左右方向)の剪断に対しては弱い特性がある。
【0046】従来、エアープルーニング効果により根巻
きが起こっていない苗の茎を持って上方に引っ張って抜
こうとすると、根が培地に絡んでいないため苗だけが引
き抜かれてしまって培地ごと苗を引き抜くことはできに
くく、また、育苗ポットの底部の孔に棒を押し込んで培
地ごと苗を取り出そうとしても、根が培地に絡んでいな
いため底部に押し込んだ棒が土を崩してしまい培地ごと
苗を押し上げることはできにくい問題がある。
【0047】そこで、圧縮成形培地1…をその圧縮され
た方向が上下方向となる姿勢で各育苗ポット5…内に入
れ、該圧縮成形培地1…に水を含ませて圧縮成形培地1
…を各育苗ポット5…内で膨張させて充満させ、その
後、該膨張後の培地1’…に播種して育苗する育苗方法
をとることにより、各育苗ポット5…内で育苗された苗
の培地は上下方向の剪断に対して強いことになるから、
苗の茎を持って上方に引っ張って抜くことができ、ま
た、育苗ポット5…の底部の孔6…に苗押出し棒7…を
差し込んで育苗ポット5…内に収容された苗を押し出す
ときに培地が崩れにくく、苗の根があまり伸びていない
ときでも、従来に比べて苗を育苗ポット5…から取り出
しやすくなる。従って、移植機にて苗の植付けができる
適応性の高い苗(各育苗ポット5…内から上方に引き抜
く装置や下方から押し出す装置にて抜きやすい苗)を育
成することができる。
【0048】尚、育苗ポット5が平面視円形なので、上
記圧縮成形培地1の平面視形状も円形のものを用いる
が、育苗ポットが平面視四角形であれば、それに入れる
圧縮成形培地の平面視形状も四角形のものを用いると、
育苗ポット内に入れた圧縮成形培地に水を含ませて膨張
させたとき、適確に育苗ポット内に培地が充満する。よ
って、圧縮成形培地の平面視形状は、それを入れる育苗
トレイの育苗ポットの平面視形状に合わせたものとする
と、良好に育苗ポット内に培地を充満させられる。
【0049】更に、育苗トレイの材質は、発砲スチロー
ルに限定されるものではなく、硬質の合成樹脂や自由に
湾曲させれるような軟質の合成樹脂等の如何なる材質で
成型しても良い。また、上記の例においては、育苗トレ
イ4に多数配列した育苗ポット5の例を示したが、植木
鉢やビニールポット(鉢)等の単体の育苗容器に本願発
明を用いても良いことは、謂うまでもない。
【0050】また、上記の実施例においては、ピートモ
スに粘土質材であるベントナイトと界面活性剤とを共に
用いる例を示したが、粘土質材であるベントナイトと界
面活性剤とを択一的に片方のみを用いて培地を製造して
も良い。最後に、圧縮成形前にバインダーとしてポリビ
ニルアルコール又はポリアクリル酸塩又は水ガラス(ケ
イ酸ナトリウム)等を混入すれば、復元後もブロック強
度が保持できて、培地1が崩れにくく、更に苗の取扱い
が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】圧縮成形培地1の一例を示す斜視図である。
【図2】圧縮成形培地1の圧縮成形の一例を示す側面図
である。
【図3】育苗トレイ4の一例を示す斜視図である。
【図4】育苗トレイ4の平面図である。
【図5】育苗トレイ4の底面図である。
【図6】育苗トレイ4の育苗ポット5の平面図である。
【図7】図4のS1−S1断面図である。
【図8】播種機10を示す全体側面図である。
【図9】培地供給装置15の要部を示す一部断面側面図
である。
【図10】図9のS2−S2断面図である。
【図11】播種装置18の要部を示す側面図である。
【図12】播種装置18の要部を示す正面断面図であ
る。
【図13】播種搬送装置13の駆動を説明する側面図で
ある。
【図14】吸着ノズル51の作用を示す正面断面図であ
る。
【図15】吸着ノズル51の作用を示す正面断面図であ
る。
【図16】育苗ポット5へ装填した圧縮成形培地1が水
を含んで膨張が終了した状態を示す断面側面図である。
【図17】播種穴形成ロール47による作用説明側面図
である。
【図18】播種穴50に播種して覆土65した状態を示
す断面側面図である。
【図19】培地用灌水装置の作用を示す平面図である。
【図20】培地用灌水装置の作用を示す縦断面図であ
る。
【図21】培地用灌水装置の作用を示す横断面図であ
る。
【図22】成育した苗を取り出す作用を示す断面側面図
である。
【符号の説明】
1 培地(圧縮成形培地) 4 育苗トレイ 4a 受け皿 11 搬送装置(第1コンベア) 16 灌水装置(培地用灌水装置) 70 吐出量が多い灌水部(大灌水パイプ) 71 吐出量が少ない灌水部(小灌水パイプ) 72 育苗トレイ4の側方から灌水する灌水部(横灌水
パイプ)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 搬送装置11により移送される育苗トレ
    イ4内の培地1に上方から灌水する灌水装置において、
    育苗トレイ4の移送方向上手側に吐出量が多い灌水部7
    0を配置し、その下手側に吐出量が少ない灌水部71を
    配置したことを特徴とする灌水装置。
  2. 【請求項2】 搬送装置11により移送される育苗トレ
    イ4の側方から灌水する灌水部72を設けたことを特徴
    とする請求項1記載の灌水装置。
  3. 【請求項3】 搬送装置11により移送される受け皿4
    aに載置された育苗トレイ4の側方から灌水する灌水部
    72を設けたことを特徴とする灌水装置。
  4. 【請求項4】 育苗トレイ4内の培地1が圧縮成形した
    培地であることを特徴とする請求項1乃至3記載の灌水
    装置。
JP2000010574A 2000-01-19 2000-01-19 播種機 Expired - Fee Related JP4529211B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000010574A JP4529211B2 (ja) 2000-01-19 2000-01-19 播種機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000010574A JP4529211B2 (ja) 2000-01-19 2000-01-19 播種機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001197840A true JP2001197840A (ja) 2001-07-24
JP4529211B2 JP4529211B2 (ja) 2010-08-25

Family

ID=18538577

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000010574A Expired - Fee Related JP4529211B2 (ja) 2000-01-19 2000-01-19 播種機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4529211B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008536512A (ja) * 2005-04-19 2008-09-11 プレシジョン・ドリップ・ベスローテン・フェンノートシャップ 植物材料の植付け
JP2009082006A (ja) * 2007-09-27 2009-04-23 Iseki & Co Ltd 苗植機
CN102160504A (zh) * 2011-01-13 2011-08-24 南京林业大学 一种适用于林木苗期根际土壤取样的根箱培养装置
CN107148857A (zh) * 2017-06-25 2017-09-12 花王生态工程股份有限公司 一种园林绿化灌溉系统
CN116439108A (zh) * 2023-06-15 2023-07-18 中国农业科学院农业环境与可持续发展研究所 智慧抗旱的智能滴灌系统

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61166331A (ja) * 1985-01-18 1986-07-28 神戸企業株式会社 幼植物栽培用育苗箱の散水装置
JPH03210129A (ja) * 1990-01-12 1991-09-13 Kubota Corp 立体式育苗用播種プラント
JPH0619444U (ja) * 1992-08-26 1994-03-15 ヤンマー農機株式会社 育苗装置
JPH078118A (ja) * 1993-06-30 1995-01-13 Iseki & Co Ltd 播種機における床土詰め装置
JPH11113416A (ja) * 1997-10-16 1999-04-27 Shinryo Corp 多段棚式生育装置用養液供給設備と方式
JPH11123010A (ja) * 1997-10-22 1999-05-11 Iseki & Co Ltd 播種方法と播種機
JPH11266694A (ja) * 1998-03-23 1999-10-05 Iseki & Co Ltd 培地とその製造方法
JP2000004668A (ja) * 1998-06-29 2000-01-11 Iseki & Co Ltd 圧縮成形培地

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61166331A (ja) * 1985-01-18 1986-07-28 神戸企業株式会社 幼植物栽培用育苗箱の散水装置
JPH03210129A (ja) * 1990-01-12 1991-09-13 Kubota Corp 立体式育苗用播種プラント
JPH0619444U (ja) * 1992-08-26 1994-03-15 ヤンマー農機株式会社 育苗装置
JPH078118A (ja) * 1993-06-30 1995-01-13 Iseki & Co Ltd 播種機における床土詰め装置
JPH11113416A (ja) * 1997-10-16 1999-04-27 Shinryo Corp 多段棚式生育装置用養液供給設備と方式
JPH11123010A (ja) * 1997-10-22 1999-05-11 Iseki & Co Ltd 播種方法と播種機
JPH11266694A (ja) * 1998-03-23 1999-10-05 Iseki & Co Ltd 培地とその製造方法
JP2000004668A (ja) * 1998-06-29 2000-01-11 Iseki & Co Ltd 圧縮成形培地

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008536512A (ja) * 2005-04-19 2008-09-11 プレシジョン・ドリップ・ベスローテン・フェンノートシャップ 植物材料の植付け
JP2009082006A (ja) * 2007-09-27 2009-04-23 Iseki & Co Ltd 苗植機
CN102160504A (zh) * 2011-01-13 2011-08-24 南京林业大学 一种适用于林木苗期根际土壤取样的根箱培养装置
CN107148857A (zh) * 2017-06-25 2017-09-12 花王生态工程股份有限公司 一种园林绿化灌溉系统
CN107148857B (zh) * 2017-06-25 2023-01-13 花王生态工程股份有限公司 一种园林绿化灌溉系统
CN116439108A (zh) * 2023-06-15 2023-07-18 中国农业科学院农业环境与可持续发展研究所 智慧抗旱的智能滴灌系统
CN116439108B (zh) * 2023-06-15 2023-09-12 中国农业科学院农业环境与可持续发展研究所 智慧抗旱的智能滴灌系统

Also Published As

Publication number Publication date
JP4529211B2 (ja) 2010-08-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2690272C (en) Compressed growing medium
EP2457438A1 (en) Compressed growing medium
CN100998300B (zh) 轻基质网袋容器包装系统
JPH05252834A (ja) 人工培養土による植物栽培法とその装置
JP4529211B2 (ja) 播種機
JP3896655B2 (ja) 播種方法
JPH11266694A (ja) 培地とその製造方法
JP2000116233A (ja) 培 地
JP2001178275A (ja) 鎮圧装置とトレイ底孔塞ぎ具と苗抜き補助具
JPH11168988A (ja) 培地装填装置と培地装填方法
KR101544160B1 (ko) 식재용 티슈 및 피더를 구비하는 수경재배장치
JP4670129B2 (ja) 培地
JP3637735B2 (ja) 苗床
JPH11289861A (ja) 培 地
JP2001245542A (ja) 灌水装置
JP4608720B2 (ja) 培地
JP2000014241A (ja) 培地及び苗の育苗方法
JP3932622B2 (ja) 育苗方法
JP2000004668A (ja) 圧縮成形培地
KR200186183Y1 (ko) 파종기
JP2967203B2 (ja) 包装培養士
JP2000217426A (ja) 培 地
JP2000201530A (ja) 培 地
JP2000217424A (ja) 培地と培地圧縮成形装置
KR100352637B1 (ko) 육묘판, 그에 따른 파종방법 및 파종기

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20070110

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Effective date: 20090917

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091020

A521 Written amendment

Effective date: 20091109

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100518

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Effective date: 20100531

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 3

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130618

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees