JP2000004668A - 圧縮成形培地 - Google Patents

圧縮成形培地

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JP2000004668A
JP2000004668A JP10182457A JP18245798A JP2000004668A JP 2000004668 A JP2000004668 A JP 2000004668A JP 10182457 A JP10182457 A JP 10182457A JP 18245798 A JP18245798 A JP 18245798A JP 2000004668 A JP2000004668 A JP 2000004668A
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compression
seedling
molded
moss
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Hidehiro Okada
英博 岡田
Tetsuo Setogawa
哲夫 瀬戸川
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Iseki and Co Ltd
Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
Original Assignee
Iseki and Co Ltd
Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 従来のピートモスは非常に高い密度に圧縮成
形しているので、ピートモスの撥水性も作用して灌水し
ても吸水性が悪く、復元するのに非常に長い時間を要し
非常に作業性が悪いものであった。また、復元能力も低
くて、適切な形状の復元が行なえず、適切な播種・育苗
作業が行い難いものであった。 【解決手段】 ピ−トモス等の植物繊維を1立方センチ
メートルあたりの重量が0.6g〜1.0gになるよう
に圧縮成形した圧縮成形培地とし、また、ピ−トモス等
の植物繊維とピートモス等の植物繊維の撥水性を防止す
るベントナイトやモンモリロナイト等の粘土質材或はア
ルキレンオキサイド系やエステル系の非イオン活性剤等
の界面活性剤を混合して、1立方センチメートルあたり
の重量が0.6g〜1.0gになるように圧縮成形した
圧縮成形培地とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、野菜や水稲や花
卉等の播種・育苗の際に、多数の育苗ポットを連設した
育苗トレイや箱状又は鉢状の育苗容器に装填される培地
に関する。
【0002】
【従来技術と発明が解決しようとする課題】この種の従
来例としては、育苗トレイにピートモス等を圧縮成形し
た人口培地を装填した後に灌水して復元し、野菜や水稲
や花卉等を播種・育苗するものがある。併し乍ら、この
従来のピートモスは非常に高い密度に圧縮成形している
ので、ピートモスの撥水性も作用して灌水しても吸水性
が悪く、復元するのに非常に長い時間を要し非常に作業
性が悪いものであった。また、復元能力も低くて、適切
な形状の復元が行なえず、適切な播種・育苗作業が行い
難いものであった。
【0003】
【課題を解決するための手段】この発明は、従来の課題
を解決するために、請求項1記載の発明は、ピ−トモス
等の植物繊維を1立方センチメートルあたりの重量が
0.6g〜1.0gになるように圧縮成形した圧縮成形
培地としたものであり、請求項2記載の発明は、ピ−ト
モス等の植物繊維とピートモス等の植物繊維の撥水性を
防止するベントナイトやモンモリロナイト等の粘土質材
或はアルキレンオキサイド系やエステル系の非イオン活
性剤等の界面活性剤を混合して、1立方センチメートル
あたりの重量が0.6g〜1.0gになるように圧縮成
形した圧縮成形培地としたものであり、請求項3記載の
発明は、ピ−トモス等の植物繊維とアルキレンオキサイ
ド系やエステル系の非イオン活性剤等の界面活性剤とジ
ェランガム等のゲル化性水溶性ポリマーを混合して圧縮
成形した圧縮成形培地としたものであり、請求項4記載
の発明は、ピ−トモス等の植物繊維とアルキレンオキサ
イド系やエステル系の非イオン活性剤等の界面活性剤と
ジェランガム等のゲル化性水溶性ポリマーを混合して、
1立方センチメートルあたりの重量が0.6g〜1.0
gになるように圧縮成形した圧縮成形培地としたもので
あり、請求項5記載の発明は、請求項1または請求項2
または請求項3または請求項4記載の培地を、錠剤状、
円柱状、球状、又は平板状に圧縮成形したものである。
【0004】
【発明の作用効果】請求項1記載の発明は、ピ−トモス
等の植物繊維を1立方センチメートルあたりの重量が
0.6g〜1.0gになるように圧縮成形した圧縮成形
培地としたものであるから、軽量で保水性の良いピート
モス等の植物繊維の特性を活かしたままで復元性が良い
培地を得ることができる。従って、この培地は、使用時
に水を加えることにより所望の形状に復元するので播種
作業が効率良く行なえ、また、軽量で保水性が良いので
育苗作業が容易である。
【0005】更に、軽量で容積の小さい乾燥状態で保存
及び輸送を行なうことができ、非常に産業上優れてい
る。請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明に加え
て、ピ−トモス等の植物繊維とピートモス等の植物繊維
の撥水性を防止するベントナイトやモンモリロナイト等
の粘土質材或はアルキレンオキサイド系やエステル系の
非イオン活性剤等の界面活性剤を混合して、1立方セン
チメートルあたりの重量が0.6g〜1.0gになるよ
うに圧縮成形したものであるから、軽量で保水性の良い
ピートモス等の植物繊維の特性を活かしたままで吸水性
が良い培地を得ることができる。従って、この培地は、
使用時に水を加えることにより直ちに所望の形状に復元
するので播種作業が効率良く行なえ、また、軽量で保水
性が良いので育苗作業が容易である。
【0006】請求項3記載の発明は、ピ−トモス等の植
物繊維とアルキレンオキサイド系やエステル系の非イオ
ン活性剤等の界面活性剤とジェランガム等のゲル化性水
溶性ポリマーを混合して圧縮成形した圧縮成形培地とし
たものであるから、軽量で容積の小さい乾燥状態で保存
及び輸送を行なうことができ、非常に産業上優れてい
る。また、使用時に水を加えることにより所望の形状に
復元させた後は、軽量で保水性の良いピートモス等の植
物繊維の特性を活かしたままで、根鉢部分の崩壊や欠損
を防止することができて、良好な播種作業が行える。更
に、育苗後は、苗の根鉢部分がしっかりとした形状を保
持しているので、機械移植に適した苗となる。
【0007】請求項4記載の発明は、ピ−トモス等の植
物繊維とアルキレンオキサイド系やエステル系の非イオ
ン活性剤等の界面活性剤とジェランガム等のゲル化性水
溶性ポリマーを混合して、1立方センチメートルあたり
の重量が0.6g〜1.0gになるように圧縮成形した
ものであるから、請求項3記載の発明の作用効果に加え
て、使用時に水を加えることにより直ちに所望の形状に
復元するので播種作業が効率良く行なえる。
【0008】請求項5記載の発明は、請求項1または請
求項2または請求項3または請求項4記載の培地を、錠
剤状、円柱状、球状、又は平板状に圧縮成形したもので
あるから、請求項1〜4記載の培地の作用効果に加え
て、軽量で容積の小さい乾燥状態で保存及び輸送を行な
うことができ、非常に産業上優れている。また、育苗容
器の形状に合わせた形状にすることによって、更に、播
種作業が効率良く行なえる。
【0009】
【発明の実施の形態】この発明の実施の一形態であるレ
タスを播種育苗する場合について、以下に詳述する。図
1に示すものは、圧縮成形した培地(圧縮成形培地)1
の一実施例で、タブレット(錠剤)の形状に成形したも
のである。この培地1の材料となる植物繊維を含む材料
としては、ピ−トやヤシ類の果実繊維(ヤシの実の果肉
部の繊維を圧搾裁断したもの)、おが屑、樹皮(パ−
ク)などを用いることができる。特に、好ましいのはピ
−トであって、しかもそのうち、ミズゴケ類が堆積して
できたピ−トモスが最も好ましい。なお、ピ−トモスと
ヤシ類の果実繊維等を混合した材料を用いることもでき
る。
【0010】なお、ピ−トモスは、含水率約30%以下
に乾燥すると撥水性が顕著となる。そのため、ピ−トモ
スを圧縮成形する材料に使用する場合は、それが乾燥し
ていると、圧縮成形後使用時に水で膨張させるとき、そ
の水が吸収されにくくなり、取扱いが不便となる。そこ
で、圧縮成形前にピ−トモスを、ベントナイト或はモン
モリロナイトと混合し又は水溶液に浸して、ピ−トモス
の繊維表面にベントナイト或はモンモリロナイトの微粒
子を付着させ、それを乾燥して圧縮成形すれば、圧縮成
形されたピ−トモスが乾燥していても吸水しやすいもの
となり、上記問題は解消される。また、ベントナイト或
はモンモリロナイトは粘土成分の一種で天然の物から抽
出できるものであるが、化学物質のものを用いるなら
ば、アルキレンオキサイド系やエステル系の非イオン活
性剤等の界面活性剤を撥水防止剤として用いることがで
きる。
【0011】また、ピ−トモスは、一般にpH3.5〜
5.5と、pHが低いため、消石灰や生石灰、苦土石
灰、炭酸カルシウムなどでpH調節を行う。なお、取扱
易さと効果の面から消石灰が好ましい。ところで、上記
ベントナイト或はモンモリロナイトは、ピ−トモスを圧
縮成形する時のバインダ−として作用する粘結剤にもな
り、成形時の粘結効果を高めるものとなる。
【0012】また、ベントナイト或はモンモリロナイト
の代わりに他のバインダ−として、ジェランガムやキサ
タンガムやカラヤガム等のゲル化性水溶性ポリマー(天
然高分子)を使用すると、水を加えることにより所望の
形状に復元させた後、軽量で保水性の良いピートモス等
の植物繊維の特性を活かしたままで、根鉢部分の崩壊や
欠損を防止することができて、良好な播種作業が行え
る。更に、育苗後は、苗の根鉢部分がしっかりとした形
状を保持しているので、機械移植に適した苗となる。
【0013】また、圧縮成形した培地1が水を含んで膨
張するときの膨張倍率を大きくするため、前記ピ−トモ
ス等の植物繊維を含む材料に、市販の高吸水性ポリマ−
等を混入させて用いることもできる。ここで、上記の培
地の一実施例としてピ−トモスの繊維表面にベントナイ
ト或はモンモリロナイトの微粒子を付着させて乾燥させ
たものを粒径が3mm以下で長さが7.5mm以下(圧
縮成形後の直径D1=15mmの半分以下)に圧搾裁断
(粉砕)したもの(尚、粒径は1mm以下のものが好ま
しく、圧縮成形後に水を含んで復元する際に、ますっぐ
適正な形状に復元する)を用いて圧縮成形する例を説明
すると、圧縮成形には、プレス機を用い、下型2の円筒
状の穴内に前記培地を詰めて上型3の円筒状突部が上方
から下降して圧縮成形する(図2参照)。この圧縮時
に、先ず、粒径が小さいものを下型2の穴内にを入れ、
最後に、粒径が少し大きいものを下型2の穴内にを入れ
て圧縮成形して、圧縮成形した培地は片面側の粒径が小
さく他面側の粒径が少し大きい状態になるようにする。
即ち、圧縮成形した培地の片面側は粒が細かく他面側は
粒が粗い状態になるようにする。(また、下型2の穴内
に培地を入れた後に少し振動を加えるか、培地の比重の
差で下方の粒径が小さくなるように下型2の穴内に培地
を入れても、圧縮成形した培地は片面側の粒径が小さく
他面側の粒径が少し大きい状態になる。) このときの圧縮する圧力は、材料の含水率によって異な
るが、50〜300kg/cm2 の圧力で圧縮し、材料
が0.6g/cm3 〜1.0g/cm3 になるまで圧縮
成形する。また、圧縮する材料の含水は、ピ−トモスの
圧縮の場合、繊維質を傷めないよう、45〜60%の含
水率のものが好ましい。
【0014】また、圧縮成形後の具体的な寸法を示す
と、圧縮成形培地1の大きさは、直径D1=15mm、
高さH1=15mmの円筒形状に圧縮成形される。この
圧縮成形時に、材料を0.6g/cm3 〜1.0g/c
3 に圧縮するのは、0.6g/cm3 以下だと灌水し
て復元する際に、吸水に3分以上の時間がかかる上に、
復元した後に壊れ易い。また、1.0g/cm3 以上に
圧縮すると、灌水して復元する際に、良好な復元が行え
なくなり、極端に膨張率が低くなる。そこで、本発明の
ように材料を0.6g/cm3 〜1.0g/cm3 に圧
縮すると、灌水して復元する際に、吸水して10〜20
秒で復元し、その膨張率も2倍以上となり、所望の形状
に適切に復元する。
【0015】次に、図3〜図7に示す育苗トレイ4は、
発砲スチロ−ルを材料として成形したもので、図6及び
図7に示されるような平面視が円形で断面形状がコップ
状の育苗ポット5…を多数設けたものである。そして、
各育苗ポット5には、内側面5aから底面5bに到るL
字状の溝9・9・9・9が4箇所形成されており、その
底部には育苗時の水抜け孔であり、育苗後に苗を押し出
す為に苗押出し棒7や指等を差し込むことのできる孔6
…が開けられている。尚、各溝9・9・9・9は、育苗
ポット5の上部からこの孔6まで連通しており、苗を育
苗するときに、空気が自由に育苗ポット5の上部から各
溝9・9・9・9及び孔6を通って下部まで流れるよう
になっている(勿論、逆に、空気が自由に育苗ポット5
の下部から孔6及び各溝9・9・9・9を通って上部ま
で流れるようになっている)。また、灌水時には、育苗
ポット5内の培地に上面及び各溝9・9・9・9から側
面に水が浸透するので灌水も容易であり、また、余分な
水は各溝9・9・9・9及び孔6から排水されるので水
が過分に溜って根腐れを起こすことの防止にもなる。
【0016】そして、特に、各溝9・9・9・9の溝深
さは、上端部の溝深さA1から下端部の溝深さA2に到
るまで順次深くなるように形成されている。尚、育苗ポ
ット5の内容部の大きさは、具体的な寸法を示すと、底
部直径D3=18mm、上端開口部の口径D2=23m
m、深さH2=37mm、上端部の溝深さA1=3.5
mm、下端部の溝深さA2=4.7mmに形成されてい
る。
【0017】次に、上記の育苗トレイ4と圧縮成形培地
1を用いた播種作業の説明をする。先ず、育苗トレイ4
の各育苗ポット5…内に粒の粗い側が上になるように圧
縮成形培地1を入れる(図8)。そして、その各育苗ポ
ット5…内に入れられた培地1に上から灌水する。する
と、培地1は各育苗ポット5…内で膨張し、膨張した培
地1’は育苗ポット5…内にほぼ充満する(図9)。こ
の圧縮成形培地1は、水を含んで膨張すると、育苗ポッ
ト5の内側面との間に少し空隙が残り、上端開口部から
H3=1〜2mm突出するような大きさの培地1’にな
るように圧縮成形されている。また、培地は、前記のよ
うにピ−トモスの繊維表面にベントナイト或はモンモリ
ロナイトの微粒子を付着させて乾燥させたものを粒径が
3mm以下で長さが7.5mm以下(圧縮成形後の直径
D1=15mmの半分以下)に圧搾裁断(粉砕)したも
のを用い、0.6g/cm3 〜1.0g/cm3 に圧縮
成形しているので、水を含んで復元する際に、短時間で
まっすぐ綺麗に復元する。更に、粒径を1mm以下にす
ると、圧縮成形後に水を含んで復元する際に、希望する
形状とおりに適正に復元する。
【0018】そして、このように充填された培地1’の
上部から周知の播種穴形成ロール22を転動させて圧を
掛けると(図10)、その播種穴形成突部23が培地
1’内に嵌まり込んで深さL=5mmの播種穴24を形
成すると共に、円筒外面25にて培地1’の上部が押圧
されて前記培地1’の育苗ポット5上端開口部から1〜
2mm突出した分だけ培地1’は圧縮されて、培地1’
は育苗ポット5内に充満される(図11)。このとき、
圧縮成形された培地1の膨張に多少の誤差があって育苗
ポット5の内側面との間に多少空隙が生じていても、育
苗ポット5の適正な培地高さH2よりもH3だけ高く膨
張させた後に適正な培地高さH2まで押圧するから、育
苗ポット5に適切に培地を充填することができる。
【0019】その後、播種穴24に播種をして播種穴2
4部をバーミキュライト若しくは土にて覆土26する
(図12)。その時、上記のように各育苗ポット5に適
切な培地の充填がなされるのであるが、仮に、培地1の
角が欠けていて、膨張後に押圧しても適切な培地の充填
が行なわれなかった場合にも、バーミキュライトや土等
の覆土26で育苗ポット5内の培地を適切な量に補正で
きて、個々の苗が不均一に成長したり苗の育苗に支障を
来したりすることなく、良好な育苗が行なえて、良質の
苗を得ることができる。
【0020】また、育苗ポット5内で復元した培地1’
の上面側の粒は粗いので、上面の種子の周りには培地の
粒間に空気が存在することになり、種子が発芽時に酸素
欠乏になりにくくなり、発芽が適正に行なわれて、適正
な苗が得られる。また、発芽が安定するので、欠株も少
なくなり、補植の手間も軽減されて効率が良い。そし
て、上記のようにして播種作業を終えた育苗トレイ4を
各育苗ポット5底部の各孔6…を塞がないような格子状
の台に並べて、溝9と孔6を空気が自由に流通できる状
態で育苗が行われる。そして、適度に成長した苗は栽培
圃場に移植されるが、このとき、育苗ポット5…の底部
の孔6…に苗押出し棒7…を差し込むか指で押し上げる
ことにより育苗ポット5…内に収容された苗を押し出す
と容易に苗を育苗トレイ4の育苗ポット5…から取り出
すことができる(図13)。尚、覆土26にはバーミキ
ュライトを用いると、比重が軽いので種子が出芽し易く
出芽率が向上し、また、保水性が良いので育苗も容易で
ある。
【0021】そして、この育苗トレイ4の各育苗ポット
5…には溝9…が設けられており、培地1’が膨張時に
溝9…内に入り込んで溝を埋めてしまわないので、溝9
…内には空間が形成されている。従って、育苗時に、苗
の根が伸長して培地内から溝9…内に出て伸びようとし
たとき、エア−プル−ニング効果により、そこで根の伸
長が止まる。よって、根が培地外周面に沿って過密に巻
いた状態になるのが防止されることと併せて、溝9…部
で根の伸長が止まる分、培地内で側根の成育が旺盛とな
るので、圃場へ移植したときの苗の活着が良好となる。
(尚、根が伸長し過ぎて培地外周面に沿って過密に巻い
た状態になると、移植後、圃場に活着しようとする新し
い根が培地外周面に過密に巻いた根に阻止されて、培地
の外の土壌に根が伸長しにくくなり活着しにくくなる問
題がある。) また、上記のような育苗上の効果を有する育苗ポット5
…を形成した育苗トレイ4を用いた育苗を行うとき、圧
縮成形培地1は、育苗ポット5に合わせた円柱形状であ
るから、水を含んで膨張した時に溝9…内を培地が塞ぐ
ことがない。特に、前記のように、圧縮成形培地1を、
その圧縮された方向が上下方向となる姿勢で各育苗ポッ
ト5内に入れ、そのように入れた圧縮成形培地1に水を
含ませることで培地1を各育苗ポット5内で膨張させて
充満させ、育苗ポット5内に培地を充填する方法をとる
と、その圧縮成形培地1は、水を含むと水平方向には大
きく膨張せず上下方向に大きく膨張するから、溝9…内
を埋めるように培地が入り込むことがなく溝9…内に空
間が形成される状態に培地を育苗ポット5内に充填する
ことが容易に行なえる。従って、この育苗ポット5…の
溝9…によるエア−プル−ニング効果を充分に奏する状
態での播種、育苗が容易に行なえるものとなる。
【0022】更に、小さなゴミや砂や小石等が溝9内に
詰まると、その詰まった部分から上の溝9は灌水の度に
小さなゴミや砂や小石等が滞積して埋まってしまう。す
ると、エア−プル−ニング効果が得られなくなり、良質
な苗の育成が行なえなくなるが、各溝9・9・9・9の
溝深さは、上端部の溝深さA1から下端部の溝深さA2
に到るまで順次深くなるように形成され、然も、各溝9
・9・9・9の断面積も上端部の開口部面積から下端部
の開口部面積に到るまで順次広くなるように形成されて
いるので、育苗時に小さなゴミや砂や小石等が溝9の上
端部から溝9内に入っても、溝9内に詰まることなく下
端部から孔6を通って容易に外に排出され(溝9内に小
さなゴミや砂や小石等が入っていても、特に灌水時に、
水で容易に外部に押し流される。)、溝9が埋まってし
まうことが防止され、前記のようなエア−プル−ニング
効果を充分に奏する状態での育苗が容易に行なえる。
【0023】尚、植物繊維を含む材料を圧縮成形した培
地1には、圧縮成形後、水を含ませて膨張させると、圧
縮成形時の圧縮方向とは略々反対方向に向かう膨張が大
きいという特性がある。例えば、図1に示すタブレット
の形状の圧縮成形培地1を、ピ−トモスを用いて、上下
方向から圧縮して成形したところ、圧縮成形時の大きさ
が直径15mm×高さ15mmの大きさのものが、水を
含んで膨張すると、圧縮方向の反対方向の膨張が、高さ
15mmから高さ38〜39mmとなって約2.5倍の
膨張となり、圧縮方向に交差する方向の膨張が、直径1
5mmから直径18〜19mmとなって約1.2倍の膨
張となった。
【0024】一方、育苗トレイ4は、発砲スチロ−ルを
材料として成形され各育苗ポット5の内側面5aと底面
5bとで培地1’を覆った状態になっているので、断熱
性が良くて根部の温度が必要以上に上がることが防止さ
れ、夏場の熱い時期に苗を育苗しても、苗がひょろ長く
伸びてしまう徒長を防止でき、健全な苗の育成が行なえ
ると共に、育苗トレイ4の各育苗ポット5の各苗を均一
に成育させることができる。
【0025】そして、圧縮成形培地1は、前記のよう
に、水を含むと圧縮方向とは略々反対方向に大きく膨張
するが、その膨張後の培地1’は、膨張方向(上下方
向)の剪断に対しては強く、その膨張方向と交差する方
向(左右方向)の剪断に対しては弱い特性がある。従
来、エア−プル−ニング効果により根巻きが起こってい
ない苗の茎を持って上方に引っ張って抜こうとすると、
根が培地に絡んでいないため苗だけが引き抜かれてしま
って培地ごと苗を引き抜くことはできにくく、また、育
苗ポットの底部の孔に棒を押し込んで培地ごと苗を取り
出そうとしても、根が培地に絡んでいないため底部に押
し込んだ棒が土を崩してしまい培地ごと苗を押し上げる
ことはできにくい問題がある。
【0026】そこで、圧縮成形培地1…をその圧縮され
た方向が上下方向となる姿勢で各育苗ポット5…内に入
れ、該培地1…に水を含ませて培地1…を各育苗ポット
5…内で膨張させて充満させ、その後、該膨張後の培地
1’…に播種して育苗する育苗方法をとることにより、
各育苗ポット5…内で育苗された苗の培地1は上下方向
の剪断に対して強いことになるから、苗の茎を持って上
方に引っ張って抜くことができ、また、育苗ポット5…
の底部の孔6…に苗押出し棒7…を差し込んで育苗ポッ
ト5…内に収容された苗を押し出すときに培地1が崩れ
にくく、苗の根があまり伸びていないときでも、従来に
比べて苗を育苗ポット5…から取り出しやすくなる。従
って、移植機にて苗の植付けができる適応性の高い苗
(各育苗ポット5…内から上方に引き抜く装置や下方か
ら押し出す装置にて抜きやすい苗)を育成することがで
きる。
【0027】尚、育苗ポット5が平面視円形なので、上
記圧縮成形培地1の平面視形状も円形のものを用いる
が、育苗ポットが平面視四角形であれば、それに入れる
圧縮成形培地の平面視形状も四角形のものを用いると、
育苗ポット内に入れた培地に水を含ませて膨張させたと
き、適確に育苗ポット内に培地が充満する。よって、圧
縮成形培地の平面視形状は、それを入れる育苗トレイの
育苗ポットの平面視形状に合わせたものとすると、良好
に育苗ポット内に培地を充満させられる。
【0028】更に、育苗トレイの材質は、発砲スチロ−
ルに限定されるものではなく、硬質の合成樹脂や自由に
湾曲させれるような軟質の合成樹脂等の如何なる材質で
成型しても良い。次に、圧縮成形培地1を他の形状に圧
縮成形した例について説明する。図14は、圧縮成形培
地1の第2実施例を示す斜視図であり、前記実施例の培
地1の粒の粗い側に播種穴30を形成してある。このよ
うに培地1の粒の粗い側に播種穴30を形成しておく
と、この播種穴30が目印となって育苗トレイ4の各育
苗ポット5…内に粒の粗い側が上になるように圧縮成形
培地1を入れることが容易になり非常に作業性が良い。
また、上下方向の入れ間違いが回避されるので、育苗ポ
ット5内で復元した培地1’の上面側の粒は常に粗い側
となり、種子が発芽時に酸素欠乏になりにくく、発芽が
適正に行なわれて、適正な苗が得られる。
【0029】最後に、上記の圧縮成形培地はタブレット
(錠剤)の形状に成形した例を示したが、円柱状・球状
・平板状等の他の如何なる形状に圧縮成形しても良い。
また、圧縮成形培地を育苗ポットや育苗容器の形状に合
わせた形状にすることにより、育苗ポットや育苗容器に
あった形状に復元させることができて播種作業が効率良
く行なえる。
【0030】また、上記の例においては、育苗トレイ4
に多数配列した育苗ポット5の例を示したが、植木鉢や
ビニールポット(鉢)等の単体の育苗容器に本願発明を
用いても良いことは、謂うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】圧縮成形培地1の一例を示す斜視図である。
【図2】圧縮成形培地1の圧縮成形の一例を示す側面図
である。
【図3】育苗トレイ4の一例を示す斜視図である。
【図4】育苗トレイ4の平面図である。
【図5】育苗トレイ4の底面図である。
【図6】育苗トレイ4の育苗ポット5の平面図である。
【図7】図4のS1−S1断面図である。
【図8】培地1の育苗ポット5への装填例を示す断面側
面図である。
【図9】育苗ポット5へ装填した培地1が水を含んで膨
張が終了した状態を示す断面側面図である。
【図10】播種穴形成ロール22による作用説明側面図
である。
【図11】播種穴24が形成された状態を示す断面側面
図である。
【図12】播種穴24に播種して覆土26した状態を示
す断面側面図である。
【図13】苗が成育した状態を示す断面側面図である。
【図14】圧縮成形培地1の第2実施例を示す斜視図で
ある。
【符号の説明】
1 圧縮成形培地 4 育苗トレイ 5 育苗ポット

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ピ−トモス等の植物繊維を1立方センチ
    メートルあたりの重量が0.6g〜1.0gになるよう
    に圧縮成形したことを特徴とする圧縮成形培地。
  2. 【請求項2】 ピ−トモス等の植物繊維とピートモス等
    の植物繊維の撥水性を防止するベントナイトやモンモリ
    ロナイト等の粘土質材或はアルキレンオキサイド系やエ
    ステル系の非イオン活性剤等の界面活性剤を混合して、
    1立方センチメートルあたりの重量が0.6g〜1.0
    gになるように圧縮成形したことを特徴とする圧縮成形
    培地。
  3. 【請求項3】 ピ−トモス等の植物繊維とアルキレンオ
    キサイド系やエステル系の非イオン活性剤等の界面活性
    剤とジェランガム等のゲル化性水溶性ポリマーを混合し
    て圧縮成形したことを特徴とする圧縮成形培地。
  4. 【請求項4】 ピ−トモス等の植物繊維とアルキレンオ
    キサイド系やエステル系の非イオン活性剤等の界面活性
    剤とジェランガム等のゲル化性水溶性ポリマーを混合し
    て、1立方センチメートルあたりの重量が0.6g〜
    1.0gになるように圧縮成形したことを特徴とする圧
    縮成形培地。
  5. 【請求項5】 請求項1または請求項2または請求項3
    または請求項4記載の培地を、錠剤状、円柱状、球状、
    又は平板状に圧縮成形したことを特徴とする圧縮成形培
    地。
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