JP4608720B2 - 培地 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、野菜や水稲や花卉等の播種・育苗の際に、多数の育苗ポットを連設した育苗トレイや箱状の育苗容器に装填される培地に関する。
【0002】
【従来技術と発明が解決しようとする課題】
この種の従来例としては、育苗トレイにピートモス等を圧縮成形した培地を装填した後に灌水して復元し、野菜や水稲や花卉等を播種・育苗するものがある。
併し乍ら、ピートモスは乾燥状態では、撥水性があり灌水しても吸水性が悪くて、復元するのに非常に長い時間を要し、また、復元能力も低くて、適切な形状の復元が行なえず、非常に作業性が悪いものであった。
【0003】
そこで、ピートモスを界面活性剤とベントナイトの水溶液に漬けて混合し、ピートモスの表面を処理する方法があるが、前記のようにピートモスは撥水性があるので、混合中にピートモスが団子状の塊となり均一に混合できず、適切な表面処理が行なえないと謂う問題があった。このように適切な表面処理が行なえないと、ピートモスを圧縮成形した培地は適正に水を吸収して復元することができず、適切な野菜や水稲や花卉等の播種・育苗が行なえない。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この発明は、従来の課題を解決するために、請求項1記載の発明は、粒径が5mm以下のピートモス1kgに対して、ベントナイトを100〜400gと、苦土石灰を10〜30gと、粉状の界面活性剤を1〜10gと、肥料として窒素を0.7〜4.2g及び燐を0.8〜4.8g及びカリウムを0.6〜3.6gを混合し、含水率が15%になるまで乾燥した後に、粒径が1mm以下まで粉砕した粉状の混合物を圧縮成形した培地としたものであり、請求項2記載の発明は、界面活性剤がラウリル硫酸ナトリウムであり、粒径が1mm以下まで粉砕した粉状の混合物をプレス機で150kg/cm 2 の圧力で圧縮した請求項1記載の培地としたものであり、請求項3記載の発明は、底部に円錐台状のテーパ部2aを形成した下型2の円筒状穴内に粉状の混合物を詰めて上型3の円筒状突部が上方から下降して圧縮成形することにより、底面にテーパ部1aを有する円筒形状に圧縮成形した請求項1又は2記載の培地としたものである
【0005】
【発明の作用効果】
請求項1記載の発明は、粒径が5mm以下のピートモス1kgに対して、ベントナイトを100〜400gと、苦土石灰を10〜30gと、粉状の界面活性剤を1〜10gと、肥料として窒素を0.7〜4.2g及び燐を0.8〜4.8g及びカリウムを0.6〜3.6gを混合し、含水率が15%になるまで乾燥した後に、粒径が1mm以下まで粉砕した粉状の混合物を圧縮成形した培地としたものであるから、粒径が5mm以下のピートモスを用いることにより、後工程の混合時に混合むらが発生して、出来上がった培地に水を加えて復元する際の復元速度が遅く、復元形状も安定しないと謂うような事態を回避できる。そして、ピートモスとベントナイトと苦土石灰と粉状の界面活性剤と肥料として窒素及び燐及びカリウムは容易に均一に混合されて、圧縮成形した培地は、適正に水を吸収して復元し、適切な野菜や水稲や花卉等の播種・育苗が行なえる。また、ピートモスの表面にはベントナイトの微粒子が付着した状態となり、ベントナイトがピートモスの撥水性を防止すると共に、バインダ−としての機能も果たすので、圧縮成形後の形状が適正に維持され、播種作業時の取扱いが非常に良い。一方、圧縮成形前に混合物を乾燥する、混合時に水を加えていないから、乾燥時間は短くて良く、効率的である。
そして、ピートモス1kgに対して、ベントナイトを100〜400g混合するので、出来上がった培地の強度に使用上の問題はなく、苦土石灰を10〜30g混合してピートモスのPH調整が適切に行なえる。
また、混合物を粒径が1mm以下の細かな粉状まで粉砕してから圧縮成形するので、プレス機で成形する際に、混合物を型に入れるのが容易になると共に、圧縮成形して得た培地に水を加えて復元させる際に、復元速度が速くて復元形状も非常に安定する。然も、復元後の培地の強度も強くて育苗及び育苗後の苗の取扱いが容易となる。
【0006】
請求項2記載の発明は、界面活性剤がラウリル硫酸ナトリウムであり、粒径が1mm以下まで粉砕した粉状の混合物をプレス機で150kg/cm 2 の圧力で圧縮したことを特徴とする請求項1記載の培地としたものであるから、請求項1記載の発明の作用効果に加えて、含水率15%の粒径が1mm以下まで粉砕した粉状の混合物を150kg/cm 2 の圧力で圧縮すると良好に圧縮成形できる。
【0007】
請求項3記載の発明は、底部に円錐台状のテーパ部2aを形成した下型2の円筒状穴内に粉状の混合物を詰めて上型3の円筒状突部が上方から下降して圧縮成形することにより、底面にテーパ部1aを有する円筒形状に圧縮成形した請求項1又は2記載の培地としたものであるから、請求項1又は2記載の発明の作用効果に加えて、育苗ポット内側面の底面部を培地のテーパ部1aが丁度嵌まる円錐台の形状にした育苗トレイを用いれば、培地を圧縮された方向が上下方向となる姿勢で且つテーパ部1aが下になる方向で育苗ポット内に入れると、育苗ポットの底面部の円錐台の形状に培地のテーパ部1aが丁度嵌まり、培地は育苗ポットの所定の位置に適正な姿勢で収まる。従って、育苗ポット内に入れられた培地に水を与えると、培地は育苗ポット内で適正な姿勢で膨張し、事後の播種作業が適正に行なえる。
また、培地をその圧縮された方向が上下方向となる姿勢で育苗ポット内に入れ、培地に水を含ませて培地を育苗ポット内で膨張させて充満させ、その後、該膨張後の培地に播種して育苗することにより、育苗ポット内で育苗された苗の培地は上下方向の剪断に対して強いことになるから、苗の茎を持って上方に引っ張って抜くことができ、培地が崩れにくく、苗の根があまり伸びていないときでも、苗を育苗ポットから取り出しやすくなる。従って、移植機にて苗の植付けができる適応性の高い苗を育成することができる。
【0008】
【0009】
【0010】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の一形態であるレタスを播種育苗する場合について、以下に詳述する。
図1に示すものは、圧縮成形した培地(圧縮成形培地)1の一実施例で、タブレット(錠剤状又は低い円柱状)の形状に成形したものであり、底面にテーパ部1aが形成されている。この圧縮成形培地1の材料となる植物繊維を含む材料としては、ピートモスやヤシ類の果実繊維(ヤシの実の果肉部の繊維を圧搾裁断したもの)、おが屑、樹皮(バーク)、バーク堆肥などを用いることができる。特に、ミズゴケ類が堆積してできたピートモスが最も好ましい。なお、ピートモスとヤシ類の果実繊維等を混合した材料を用いることもできる。
【0011】
なお、ピートモスは、含水率約30%以下に乾燥すると撥水性が顕著となる。そのため、ピートモスを圧縮成形する材料に使用する場合は、それが乾燥していると、圧縮成形後使用時に水で膨張させるとき、その水が吸収されにくくなり、取扱いが不便となる。そこで、圧縮成形前にピートモスに、界面活性剤(撥水防止剤)とベントナイト或はモンモリロナイトとを混合し、ピートモスの繊維表面を界面活性剤とベントナイト或はモンモリロナイトにて処理(コーティング)し、それを乾燥して圧縮成形すれば、圧縮成形されたピートモスが乾燥していても吸水しやすいものとなり、上記問題は解消される。
【0012】
また、ピートモスは、一般にpH3.5〜5.5と、pHが低いため、消石灰や生石灰、苦土石灰、炭酸カルシウムなどでpH調節を行う。なお、取扱易さと効果の面から苦土石灰が好ましい。ところで、上記ベントナイト或はモンモリロナイトは、ピートモスを圧縮成形する時のバインダーとして作用する粘結剤にもなり、成形時の粘結効果を高めるものとなる。ほかのバインダーとしてアルギン酸ナトリウム等を使用することもできる。
【0013】
また、圧縮成形した培地1が水を含んで膨張するときの膨張倍率を大きくするため、前記ピートモス等の植物繊維を含む材料に、市販の高吸水性ポリマー等を混入させて用いることもできる。
【0014】
ここで、上記の圧縮成形培地の一実施例として、植物繊維を含む材料としてピートモスを用いて製造する例を詳細に説明する。
【0015】
先ず、市販のピートモス(含水率は通常40〜50%で、平均的には45%のものが多い)の塊を解砕(解いて砕く)し、3mmメッシュ(縦横が3mmの網目)で篩いをかけて、粒径が3mm以下のものを精選する。尚、5mmメッシュ(縦横が5mmの網目)で篩いをかけて、粒径が5mm以下のものを精選しても後工程の混合時に混合むらが発生する恐れはあまりなく出来上がった圧縮成形培地の使用上の問題はないので、精選は5mmメッシュ以下であれば良い。併し乍ら、粒径が5mmを超えるものは、後工程の混合時に混合むらが発生し、出来上がった圧縮成形培地に水を加えて復元する際の復元性能が悪い(復元速度が遅く、復元形状も安定しない)。
【0016】
そして、この精選したピートモス1kgに対して、ベントナイト100〜400g(200gが最適で、200g以下であると若干出来上がった圧縮成形培地の強度が弱くなるが、使用上の問題はさほどない。また、200g以上用いても出来上がった圧縮成形培地の性能は200gの場合に比して大差ない)と、苦土石灰(Mg,Ca)10〜30g(ピートモスのPH調整の為に入れるが、20gが最適である)と、界面活性剤である粉状(粉末)のラウリル硫酸ナトリウム1〜10gと肥料として窒素0.7〜4.2g・燐0.8〜4.8g・カリウム0.6〜3.6gを混ぜたものと、を10分間混合する。すると、ピートモスの撥水性が界面活性剤でなくなり、ピートモスとベントナイトと苦土石灰と肥料とが混在した含水率が40〜50%(平均的には55%のものが多い)の粉状の混合物が得られる。そして、ピートモスの表面にはベントナイトの微粒子が付着した状態となる。
【0017】
この混合物を含水率が15%になるまで乾燥し、その後、圧延ロール等で1mmメッシュの細かな粉(縦横が1mmの網目の篩いを通る粉)状まで粉砕して、粉状の培地を得る。
【0018】
そして、この1mmメッシュまで粉砕したものを圧縮成形する。圧縮成形には、プレス機を用い、底部に円錐台状のテーパ部2aを形成した下型2の円筒状穴内に前記粉状の培地を詰めて上型3の円筒状突部が上方から下降して圧縮成形して(図2参照)、圧縮成形培地1を得る。
【0019】
このときの圧縮する圧力は、含水率15%のもので150kg/cm2 の圧力で圧縮すると良好に圧縮成形できる。
【0020】
そして、混合物を1mmメッシュの細かな粉状まで粉砕してから圧縮成形するのは、プレス機で成形する際に、混合物を型に入れるのが容易になると共に、圧縮成形して得た圧縮成形培地1に水を加えて復元させる際に、復元速度が速くて復元形状も非常に安定する。然も、復元後の培地の強度も強くて育苗及び育苗後の苗の取扱いが容易となる。尚、テストで混合物を2mmメッシュ(粒径2mm)の状態で圧縮成形してみたが、成形後の水を加えて復元させる際の復元速度及び復元形状の安定性は、共に劣るものであった。そして、復元後の培地の強度も粒が大きいために弱くて壊れ易いものであった。
【0021】
また、圧縮成形後の具体的な寸法を示すと、圧縮成形培地1の大きさは、直径D1=15mm、高さH1=15mmの底面にテーパ部1aを有する円筒形状に圧縮成形される。
【0022】
次に、図3〜図7に示す育苗トレイ4は、発砲スチロールを材料として成形したもので、図6及び図7に示されるような平面視が円形で断面形状がコップ状の育苗ポット5…を多数設けたものである。そして、各育苗ポット5には、内側面5bから底面5aに到るL字状の溝9・9・9・9が4箇所形成されており、その底部には育苗時の水抜け孔であり、育苗後に苗を押し出す為に苗押出し棒7や指等を差し込むことのできる孔6…が開けられている。また、各育苗ポット5の内側面5bの最下部5c(底面5aに連接する部分)は、前記圧縮成形培地1のテーパ部1aが丁度嵌まる円錐台の形状にしている。尚、各溝9・9・9・9は、育苗ポット5の上部からこの孔6まで連通しており、苗を育苗するときに、空気が自由に育苗ポット5の上部から各溝9・9・9・9及び孔6を通って下部まで流れるようになっている(勿論、逆に、空気が自由に育苗ポット5の下部から孔6及び各溝9・9・9・9を通って上部まで流れるようになっている)。また、灌水時には、育苗ポット5内の培地に上面及び各溝9・9・9・9から側面に水が浸透するので灌水も容易であり、また、余分な水は各溝9・9・9・9及び孔6から排水されるので水が過分に溜って根腐れを起こすことの防止にもなる。
【0023】
尚、育苗ポット5の内容部の大きさは、具体的な寸法を示すと、底部直径D3=18mm、上端開口部の口径D2=23mm、深さH2=37mmに形成されている。
【0024】
以上のようにして成形した圧縮成形培地1と育苗容器4とを用いて播種育苗する過程を図に基づいて詳述すると、育苗容器4の各育苗ポット5…の各々に圧縮された方向が上下方向となる姿勢で且つテーパ部1aが下になる方向に圧縮成形培地1を入れる(図8)。すると、各育苗ポット5の円錐台の形状である最下部5cに圧縮成形培地1のテーパ部1aが丁度嵌まり、確実に圧縮成形培地1は各育苗ポット5の所定の位置に適正な姿勢で収まる。そして、その各育苗ポット5…内に入れられた培地1に上から灌水し或は底面側からしみ込ませて水を含ませる。すると、培地1は各育苗ポット5…内で膨張し、膨張した培地1’は育苗ポット5…内に充満する(図9)。この圧縮成形培地1は、水を含んで膨張すると、育苗ポット5の内側面5bとの間に少し空隙が残り、上端開口部からH3=1〜2mm突出するような大きさの培地1’になるように圧縮成形されている。
【0025】
そして、このように充填された培地1’の上部から周知の播種穴形成ロール10を転動させて圧を掛けると(図10)、その播種穴形成突部11が培地1’内に嵌まり込んで深さL=5mmの播種穴12を形成すると共に、円筒外面13にて培地1’の上部が押圧されて前記培地1’の育苗ポット5上端開口部から1〜2mm突出した分だけ培地1’は圧縮されて、培地1’は育苗ポット5内に充満される。このとき、圧縮成形された培地1の膨張に多少の誤差があって育苗ポット5の内側面5bとの間に多少空隙が生じていても、育苗ポット5の適正な培地高さH2よりもH3だけ高く膨張させた後に適正な培地高さH2まで押圧するから、育苗ポット5に適切に培地を充填することができる。
【0026】
その後、播種穴12に播種をして播種穴12部をバーミキュライト若しくは土にて覆土14して育苗が行われる(図11)。その時、上記のように各育苗ポット5に適切な培地の充填がなされるのであるが、仮に、培地1の角が欠けていて、膨張後に押圧しても適切な培地の充填が行なわれなかった場合にも、バーミキュライトや土等の覆土14で育苗ポット5内の培地を適切な量に補正できて、個々の苗が不均一に成長したり苗の育苗に支障を来したりすることなく、良好な育苗が行なえて、良質の苗を得ることができる。尚、覆土14にはバーミキュライトを用いると、比重が軽いので、種子が出芽し易く出芽率が向上し、また、保水性が良いので育苗も容易である。そして、適度に成長した苗は栽培圃場に移植される。
【0027】
そして、上記のようにして播種作業を終えた育苗トレイ4を各育苗ポット5底部の各孔6…を塞がないような格子状の台に並べて、溝9と孔6を空気が自由に流通できる状態で育苗が行われる。そして、適度に成長した苗は栽培圃場に移植されるが、このとき、育苗ポット5…の底部の孔6…に苗押出し棒7…を差し込むか指で押し上げることにより育苗ポット5…内に収容された苗を押し出すと容易に苗を育苗トレイ4の育苗ポット5…から取り出すことができる(図12)。尚、覆土26にはバーミキュライトを用いると、比重が軽いので種子が出芽し易く出芽率が向上し、また、保水性が良いので育苗も容易である。
【0028】
そして、この育苗トレイ4の各育苗ポット5…には溝9…が設けられており、培地1’が膨張時に溝9…内に入り込んで溝を埋めてしまわないので、溝9…内には空間が形成されている。従って、育苗時に、苗の根が伸長して培地内から溝9…内に出て伸びようとしたとき、エアープルーニング効果により、そこで根の伸長が止まる。よって、根が培地外周面に沿って過密に巻いた状態になるのが防止されることと併せて、溝9…部で根の伸長が止まる分、培地内で側根の成育が旺盛となるので、圃場へ移植したときの苗の活着が良好となる。(尚、根が伸長し過ぎて培地外周面に沿って過密に巻いた状態になると、移植後、圃場に活着しようとする新しい根が培地外周面に過密に巻いた根に阻止されて、培地の外の土壌に根が伸長しにくくなり活着しにくくなる問題がある。)
【0029】
また、上記のような育苗上の効果を有する育苗ポット5…を形成した育苗トレイ4を用いた育苗を行うとき、圧縮成形培地1は、育苗ポット5に合わせた円柱形状であるから、水を含んで膨張した時に溝9…内を培地が塞ぐことがない。特に、前記のように、圧縮成形培地1を、その圧縮された方向が上下方向となる姿勢で各育苗ポット5内に入れ、そのように入れた圧縮成形培地1に水を含ませることで圧縮成形培地1を各育苗ポット5内で膨張させて充満させ、育苗ポット5内に培地を充填する方法をとると、その圧縮成形培地1は、水を含むと水平方向には大きく膨張せず上下方向に大きく膨張するから、溝9…内を埋めるように培地が入り込むことがなく溝9…内に空間が形成される状態に培地を育苗ポット5内に充填することが容易に行なえる。従って、この育苗ポット5…の溝9…によるエアープルーニング効果を充分に奏する状態での播種、育苗が容易に行なえるものとなる。
【0030】
尚、植物繊維を含む材料を圧縮成形した培地1には、圧縮成形後、水を含ませて膨張させると、圧縮成形時の圧縮方向とは略々反対方向に向かう膨張が大きいという特性がある。例えば、図1に示すタブレットの形状の圧縮成形培地1を、ピートモスを用いて、上下方向から圧縮して成形したところ、圧縮成形時の大きさが直径15mm×高さ15mmの大きさのものが、水を含んで膨張すると、圧縮方向の反対方向の膨張が、高さ15mmから高さ38〜39mmとなって約2.5倍の膨張となり、圧縮方向に交差する方向の膨張が、直径15mmから直径18〜19mmとなって約1.2倍の膨張となった。
【0031】
一方、育苗トレイ4は、発砲スチロールを材料として成形され各育苗ポット5の内側面5bと底面5aとで培地1’を覆った状態になっているので、断熱性が良くて根部の温度が必要以上に上がることが防止され、夏場の熱い時期に苗を育苗しても、苗がひょろ長く伸びてしまう徒長を防止でき、健全な苗の育成が行なえると共に、育苗トレイ4の各育苗ポット5の各苗を均一に成育させることができる。
【0032】
そして、圧縮成形培地1は、前記のように、水を含むと圧縮方向とは略々反対方向に大きく膨張するが、その膨張後の培地1’は、膨張方向(上下方向)の剪断に対しては強く、その膨張方向と交差する方向(左右方向)の剪断に対しては弱い特性がある。
【0033】
従来、エアープルーニング効果により根巻きが起こっていない苗の茎を持って上方に引っ張って抜こうとすると、根が培地に絡んでいないため苗だけが引き抜かれてしまって培地ごと苗を引き抜くことはできにくく、また、育苗ポットの底部の孔に棒を押し込んで培地ごと苗を取り出そうとしても、根が培地に絡んでいないため底部に押し込んだ棒が土を崩してしまい培地ごと苗を押し上げることはできにくい問題がある。
【0034】
そこで、圧縮成形培地1…をその圧縮された方向が上下方向となる姿勢で各育苗ポット5…内に入れ、該圧縮成形培地1…に水を含ませて圧縮成形培地1…を各育苗ポット5…内で膨張させて充満させ、その後、該膨張後の培地1’…に播種して育苗する育苗方法をとることにより、各育苗ポット5…内で育苗された苗の培地は上下方向の剪断に対して強いことになるから、苗の茎を持って上方に引っ張って抜くことができ、また、育苗ポット5…の底部の孔6…に苗押出し棒7…を差し込んで育苗ポット5…内に収容された苗を押し出すときに培地が崩れにくく、苗の根があまり伸びていないときでも、従来に比べて苗を育苗ポット5…から取り出しやすくなる。従って、移植機にて苗の植付けができる適応性の高い苗(各育苗ポット5…内から上方に引き抜く装置や下方から押し出す装置にて抜きやすい苗)を育成することができる。
【0035】
尚、育苗ポット5が平面視円形なので、上記圧縮成形培地1の平面視形状も円形のものを用いるが、育苗ポットが平面視四角形であれば、それに入れる圧縮成形培地の平面視形状も四角形のものを用いると、育苗ポット内に入れた圧縮成形培地に水を含ませて膨張させたとき、適確に育苗ポット内に培地が充満する。よって、圧縮成形培地の平面視形状は、それを入れる育苗トレイの育苗ポットの平面視形状に合わせたものとすると、良好に育苗ポット内に培地を充満させられる。
【0036】
更に、育苗トレイの材質は、発砲スチロールに限定されるものではなく、硬質の合成樹脂や自由に湾曲させれるような軟質の合成樹脂等の如何なる材質で成型しても良い。
【0037】
また、上記の例においては、育苗トレイ4に多数配列した育苗ポット5の例を示したが、植木鉢やビニールポット(鉢)等の単体の育苗容器に本願発明を用いても良いことは、謂うまでもない。
【0038】
また、上記の実施例においては、ピートモスに界面活性剤と粘土質材であるベントナイトとを共に用いる例を示したが、界面活性剤のみを用いて培地を製造しても良い。
【0039】
最後に、圧縮成形前にバインダーとしてポリビニルアルコール又はポリアクリル酸塩又は水ガラス(ケイ酸ナトリウム)等を混入すれば、復元後もブロック強度が保持できて、培地1が崩れにくく、更に苗の取扱いが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】圧縮成形培地1の一例を示す斜視図である。
【図2】圧縮成形培地1の圧縮成形の一例を示す側面図である。
【図3】育苗トレイ4の一例を示す斜視図である。
【図4】育苗トレイ4の平面図である。
【図5】育苗トレイ4の底面図である。
【図6】育苗トレイ4の育苗ポット5の平面図である。
【図7】図4のS1−S1断面図である。
【図8】圧縮成形培地1を育苗ポット5へ装填した状態を示す断面側面図である。
【図9】育苗ポット5へ装填した圧縮成形培地1が水を含んで膨張が終了した状態を示す断面側面図である。
【図10】播種穴形成ロール47による作用説明側面図である。
【図11】播種穴50に播種して覆土65した状態を示す断面側面図である。
【図12】成育した苗を取り出す作用を示す断面側面図である。
【符号の説明】
1 圧縮成形した培地

Claims (3)

  1. 粒径が5mm以下のピートモス1kgに対して、ベントナイトを100〜400gと、苦土石灰を10〜30gと、粉状の界面活性剤を1〜10gと、肥料として窒素を0.7〜4.2g及び燐を0.8〜4.8g及びカリウムを0.6〜3.6gを混合し、含水率が15%になるまで乾燥した後に、粒径が1mm以下まで粉砕した粉状の混合物を圧縮成形したことを特徴とする培地。
  2. 界面活性剤がラウリル硫酸ナトリウムであり、粒径が1mm以下まで粉砕した粉状の混合物をプレス機で150kg/cm 2 の圧力で圧縮したことを特徴とする請求項1記載の培地。
  3. 底部に円錐台状のテーパ部2aを形成した下型2の円筒状穴内に粉状の混合物を詰めて上型3の円筒状突部が上方から下降して圧縮成形することにより、底面にテーパ部1aを有する円筒形状に圧縮成形したことを特徴とする請求項1又は2記載の培地。
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