JP2001204246A - 培 地 - Google Patents

培 地

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JP2001204246A JP2000014800A JP2000014800A JP2001204246A JP 2001204246 A JP2001204246 A JP 2001204246A JP 2000014800 A JP2000014800 A JP 2000014800A JP 2000014800 A JP2000014800 A JP 2000014800A JP 2001204246 A JP2001204246 A JP 2001204246A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ピートモスを界面活性剤とベントナイトの水
溶液に漬けて混合し、ピートモスの表面を処理する方法
があるが、ピートモスは撥水性があるので、混合中にピ
ートモスが団子状の塊となり均一に混合できず、適切な
表面処理が行なえないと謂う問題があった。このように
適切な表面処理が行なえないと、ピートモスを圧縮成形
した培地は適正に水を吸収して復元することができず、
適切な野菜や水稲や花卉等の播種・育苗が行なえない。 【解決手段】 請求項1記載の発明は、植物繊維と粉状
の界面活性剤を混合して圧縮成形した培地としたもので
あり、請求項2記載の発明は、植物繊維と粘土質材と粉
状の界面活性剤を混合して、圧縮成形した培地としたも
のであり、請求項6記載の発明は、育苗ポット5内の底
面部の錐台形状5cに合わせたテーパ部1aを形成した
圧縮成形培地としたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、野菜や水稲や花
卉等の播種・育苗の際に、多数の育苗ポットを連設した
育苗トレイや箱状の育苗容器に装填される培地に関す
る。
【0002】
【従来技術と発明が解決しようとする課題】この種の従
来例としては、育苗トレイにピートモス等を圧縮成形し
た培地を装填した後に灌水して復元し、野菜や水稲や花
卉等を播種・育苗するものがある。併し乍ら、ピートモ
スは乾燥状態では、撥水性があり灌水しても吸水性が悪
くて、復元するのに非常に長い時間を要し、また、復元
能力も低くて、適切な形状の復元が行なえず、非常に作
業性が悪いものであった。
【0003】そこで、ピートモスを界面活性剤とベント
ナイトの水溶液に漬けて混合し、ピートモスの表面を処
理する方法があるが、前記のようにピートモスは撥水性
があるので、混合中にピートモスが団子状の塊となり均
一に混合できず、適切な表面処理が行なえないと謂う問
題があった。このように適切な表面処理が行なえない
と、ピートモスを圧縮成形した培地は適正に水を吸収し
て復元することができず、適切な野菜や水稲や花卉等の
播種・育苗が行なえない。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明は、従来の課題
を解決するために、請求項1記載の発明は、植物繊維と
粉状の界面活性剤を混合して圧縮成形した培地としたも
のであり、請求項2記載の発明は、植物繊維と粘土質材
と粉状の界面活性剤を混合して、圧縮成形した培地とし
たものであり、請求項3記載の発明は、粒径が1mm以
下の混合物を圧縮成形した請求項1又は2記載の培地と
したものであり、請求項4記載の発明は、植物繊維がピ
ートモスである請求項1乃至3記載の培地としたもので
あり、請求項5記載の発明は、粘土質材がベントナイト
である請求項1乃至4記載の培地としたものであり、請
求項6記載の発明は、育苗ポット5内の底面部の錐台形
状5cに合わせたテーパ部1aを形成した圧縮成形培地
としたものである。
【0005】
【発明の作用効果】請求項1記載の発明は、植物繊維と
粉状の界面活性剤を混合して圧縮成形した培地としたも
のであるから、植物繊維と粉状の界面活性剤とは容易に
均一に混合されて、圧縮成形した培地は、適正に水を吸
収して復元し、適切な野菜や水稲や花卉等の播種・育苗
が行なえる。また、圧縮成形前に混合物を乾燥する場合
にも、混合時に水を加えていないので、乾燥時間は短く
て良く、効率的である。
【0006】請求項2記載の発明は、植物繊維と粘土質
材と粉状の界面活性剤を混合して、圧縮成形した培地と
したものであるから、植物繊維と粘土質材と粉状の界面
活性剤とは容易に均一に混合されて、圧縮成形した培地
は、適正に水を吸収して復元し、適切な野菜や水稲や花
卉等の播種・育苗が行なえる。また、粘土質材が植物繊
維の撥水性を防止すると共に、バインダ−としての機能
も果たすので、圧縮成形後の形状が適正に維持され、播
種作業時の取扱いが非常に良い。一方、圧縮成形前に混
合物を乾燥する場合にも、混合時に水を加えていないの
で、乾燥時間は短くて良く、効率的である。
【0007】請求項3記載の発明は、粒径が1mm以下
の混合物を圧縮成形した請求項1又は2記載の培地とし
たものであるから、請求項1又は2記載の発明の作用効
果に加えて、混合後の圧縮成形作業が容易になると共
に、圧縮成形して得た圧縮成形培地に水を加えて復元さ
せる際の復元速度が速くて復元形状も非常に安定する。
然も、復元後の培地の強度も強くて育苗及び育苗後の苗
の取扱いが容易となる。
【0008】請求項4記載の発明は、植物繊維がピート
モスである請求項1乃至3記載の培地としたものである
から、世界中に拡販されていて入手が容易で安価なピー
トモスの優れた保水性と軽量な長所を兼ね備えた圧縮成
形培地を得ることができる。請求項5記載の発明は、粘
土質材がベントナイトである請求項1乃至4記載の培地
としたものであるから、大量に産出され安価なベントナ
イトの優れた吸水性を兼ね備えた安価な圧縮成形培地を
得ることができる。然も、ベントナイトの粘結力がピー
トモスの粒間を繋ぐバインダーとしての役もなし、培地
の形状を保持される効果もある。
【0009】請求項6記載の発明は、育苗ポット5内の
底面部の錐台形状5cに合わせたテーパ部1aを形成し
た圧縮成形培地としたものであるから、圧縮成形培地1
をそのテーパ部1aが下になる方向に育苗ポット5内に
入れると、育苗ポット5の底面部の錐台形状5cに圧縮
成形培地1のテーパ部1aが丁度嵌まり、圧縮成形培地
1は各育苗ポット5の所定の位置に適正な姿勢で収ま
る。従って、育苗ポット5内に入れられた培地1に水を
与えると、培地1は育苗ポット5内で適正な姿勢で膨張
し、事後の播種作業が適正に行なえる。
【0010】
【発明の実施の形態】この発明の実施の一形態であるレ
タスを播種育苗する場合について、以下に詳述する。図
1に示すものは、圧縮成形した培地(圧縮成形培地)1
の一実施例で、タブレット(錠剤状又は低い円柱状)の
形状に成形したものであり、底面にテーパ部1aが形成
されている。この圧縮成形培地1の材料となる植物繊維
を含む材料としては、ピートモスやヤシ類の果実繊維
(ヤシの実の果肉部の繊維を圧搾裁断したもの)、おが
屑、樹皮(バーク)、バーク堆肥などを用いることがで
きる。特に、ミズゴケ類が堆積してできたピートモスが
最も好ましい。なお、ピートモスとヤシ類の果実繊維等
を混合した材料を用いることもできる。
【0011】なお、ピートモスは、含水率約30%以下
に乾燥すると撥水性が顕著となる。そのため、ピートモ
スを圧縮成形する材料に使用する場合は、それが乾燥し
ていると、圧縮成形後使用時に水で膨張させるとき、そ
の水が吸収されにくくなり、取扱いが不便となる。そこ
で、圧縮成形前にピートモスに、界面活性剤(撥水防止
剤)とベントナイト或はモンモリロナイトとを混合し、
ピートモスの繊維表面を界面活性剤とベントナイト或は
モンモリロナイトにて処理(コーティング)し、それを
乾燥して圧縮成形すれば、圧縮成形されたピートモスが
乾燥していても吸水しやすいものとなり、上記問題は解
消される。
【0012】また、ピートモスは、一般にpH3.5〜
5.5と、pHが低いため、消石灰や生石灰、苦土石
灰、炭酸カルシウムなどでpH調節を行う。なお、取扱
易さと効果の面から苦土石灰が好ましい。ところで、上
記ベントナイト或はモンモリロナイトは、ピートモスを
圧縮成形する時のバインダーとして作用する粘結剤にも
なり、成形時の粘結効果を高めるものとなる。ほかのバ
インダーとしてアルギン酸ナトリウム等を使用すること
もできる。
【0013】また、圧縮成形した培地1が水を含んで膨
張するときの膨張倍率を大きくするため、前記ピートモ
ス等の植物繊維を含む材料に、市販の高吸水性ポリマー
等を混入させて用いることもできる。ここで、上記の圧
縮成形培地の一実施例として、植物繊維を含む材料とし
てピートモスを用いて製造する例を詳細に説明する。
【0014】先ず、市販のピートモス(含水率は通常4
0〜50%で、平均的には45%のものが多い)の塊を
解砕(解いて砕く)し、3mmメッシュ(縦横が3mm
の網目)で篩いをかけて、粒径が3mm以下のものを精
選する。尚、5mmメッシュ(縦横が5mmの網目)で
篩いをかけて、粒径が5mm以下のものを精選しても後
工程の混合時に混合むらが発生する恐れはあまりなく出
来上がった圧縮成形培地の使用上の問題はないので、精
選は5mmメッシュ以下であれば良い。併し乍ら、粒径
が5mmを超えるものは、後工程の混合時に混合むらが
発生し、出来上がった圧縮成形培地に水を加えて復元す
る際の復元性能が悪い(復元速度が遅く、復元形状も安
定しない)。
【0015】そして、この精選したピートモス1kgに対
して、ベントナイト100〜400g(200gが最適
で、200g以下であると若干出来上がった圧縮成形培
地の強度が弱くなるが、使用上の問題はさほどない。ま
た、200g以上用いても出来上がった圧縮成形培地の
性能は200gの場合に比して大差ない)と、苦土石灰
(Mg,Ca)10〜30g(ピートモスのPH調整の
為に入れるが、20gが最適である)と、界面活性剤で
ある粉状(粉末)のラウリル硫酸ナトリウム1〜10g
と肥料として窒素0.7〜4.2g・燐0.8〜4.8
g・カリウム0.6〜3.6gを混ぜたものと、を10
分間混合する。すると、ピートモスの撥水性が界面活性
剤でなくなり、ピートモスとベントナイトと苦土石灰と
肥料とが混在した含水率が40〜50%(平均的には5
5%のものが多い)の粉状の混合物が得られる。そし
て、ピートモスの表面にはベントナイトの微粒子が付着
した状態となる。
【0016】この混合物を含水率が15%になるまで乾
燥し、その後、圧延ロール等で1mmメッシュの細かな
粉(縦横が1mmの網目の篩いを通る粉)状まで粉砕し
て、粉状の培地を得る。そして、この1mmメッシュま
で粉砕したものを圧縮成形する。圧縮成形には、プレス
機を用い、底部に円錐台状のテーパ部2aを形成した下
型2の円筒状穴内に前記粉状の培地を詰めて上型3の円
筒状突部が上方から下降して圧縮成形して(図2参
照)、圧縮成形培地1を得る。
【0017】このときの圧縮する圧力は、含水率15%
のもので150kg/cm2 の圧力で圧縮すると良好に
圧縮成形できる。そして、混合物を1mmメッシュの細
かな粉状まで粉砕してから圧縮成形するのは、プレス機
で成形する際に、混合物を型に入れるのが容易になると
共に、圧縮成形して得た圧縮成形培地1に水を加えて復
元させる際に、復元速度が速くて復元形状も非常に安定
する。然も、復元後の培地の強度も強くて育苗及び育苗
後の苗の取扱いが容易となる。尚、テストで混合物を2
mmメッシュ(粒径2mm)の状態で圧縮成形してみた
が、成形後の水を加えて復元させる際の復元速度及び復
元形状の安定性は、共に劣るものであった。そして、復
元後の培地の強度も粒が大きいために弱くて壊れ易いも
のであった。
【0018】また、圧縮成形後の具体的な寸法を示す
と、圧縮成形培地1の大きさは、直径D1=15mm、
高さH1=15mmの底面にテーパ部1aを有する円筒
形状に圧縮成形される。次に、図3〜図7に示す育苗ト
レイ4は、発砲スチロールを材料として成形したもの
で、図6及び図7に示されるような平面視が円形で断面
形状がコップ状の育苗ポット5…を多数設けたものであ
る。そして、各育苗ポット5には、内側面5bから底面
5aに到るL字状の溝9・9・9・9が4箇所形成され
ており、その底部には育苗時の水抜け孔であり、育苗後
に苗を押し出す為に苗押出し棒7や指等を差し込むこと
のできる孔6…が開けられている。また、各育苗ポット
5の内側面5bの最下部5c(底面5aに連接する部
分)は、前記圧縮成形培地1のテーパ部1aが丁度嵌ま
る円錐台の形状にしている。尚、各溝9・9・9・9
は、育苗ポット5の上部からこの孔6まで連通してお
り、苗を育苗するときに、空気が自由に育苗ポット5の
上部から各溝9・9・9・9及び孔6を通って下部まで
流れるようになっている(勿論、逆に、空気が自由に育
苗ポット5の下部から孔6及び各溝9・9・9・9を通
って上部まで流れるようになっている)。また、灌水時
には、育苗ポット5内の培地に上面及び各溝9・9・9
・9から側面に水が浸透するので灌水も容易であり、ま
た、余分な水は各溝9・9・9・9及び孔6から排水さ
れるので水が過分に溜って根腐れを起こすことの防止に
もなる。
【0019】尚、育苗ポット5の内容部の大きさは、具
体的な寸法を示すと、底部直径D3=18mm、上端開
口部の口径D2=23mm、深さH2=37mmに形成
されている。以上のようにして成形した圧縮成形培地1
と育苗容器4とを用いて播種育苗する過程を図に基づい
て詳述すると、育苗容器4の各育苗ポット5…の各々に
圧縮された方向が上下方向となる姿勢で且つテーパ部1
aが下になる方向に圧縮成形培地1を入れる(図8)。
すると、各育苗ポット5の円錐台の形状である最下部5
cに圧縮成形培地1のテーパ部1aが丁度嵌まり、確実
に圧縮成形培地1は各育苗ポット5の所定の位置に適正
な姿勢で収まる。そして、その各育苗ポット5…内に入
れられた培地1に上から灌水し或は底面側からしみ込ま
せて水を含ませる。すると、培地1は各育苗ポット5…
内で膨張し、膨張した培地1’は育苗ポット5…内に充
満する(図9)。この圧縮成形培地1は、水を含んで膨
張すると、育苗ポット5の内側面5bとの間に少し空隙
が残り、上端開口部からH3=1〜2mm突出するよう
な大きさの培地1’になるように圧縮成形されている。
【0020】そして、このように充填された培地1’の
上部から周知の播種穴形成ロール10を転動させて圧を
掛けると(図10)、その播種穴形成突部11が培地
1’内に嵌まり込んで深さL=5mmの播種穴12を形
成すると共に、円筒外面13にて培地1’の上部が押圧
されて前記培地1’の育苗ポット5上端開口部から1〜
2mm突出した分だけ培地1’は圧縮されて、培地1’
は育苗ポット5内に充満される。このとき、圧縮成形さ
れた培地1の膨張に多少の誤差があって育苗ポット5の
内側面5bとの間に多少空隙が生じていても、育苗ポッ
ト5の適正な培地高さH2よりもH3だけ高く膨張させ
た後に適正な培地高さH2まで押圧するから、育苗ポッ
ト5に適切に培地を充填することができる。
【0021】その後、播種穴12に播種をして播種穴1
2部をバーミキュライト若しくは土にて覆土14して育
苗が行われる(図11)。その時、上記のように各育苗
ポット5に適切な培地の充填がなされるのであるが、仮
に、培地1の角が欠けていて、膨張後に押圧しても適切
な培地の充填が行なわれなかった場合にも、バーミキュ
ライトや土等の覆土14で育苗ポット5内の培地を適切
な量に補正できて、個々の苗が不均一に成長したり苗の
育苗に支障を来したりすることなく、良好な育苗が行な
えて、良質の苗を得ることができる。尚、覆土14には
バーミキュライトを用いると、比重が軽いので、種子が
出芽し易く出芽率が向上し、また、保水性が良いので育
苗も容易である。そして、適度に成長した苗は栽培圃場
に移植される。
【0022】そして、上記のようにして播種作業を終え
た育苗トレイ4を各育苗ポット5底部の各孔6…を塞が
ないような格子状の台に並べて、溝9と孔6を空気が自
由に流通できる状態で育苗が行われる。そして、適度に
成長した苗は栽培圃場に移植されるが、このとき、育苗
ポット5…の底部の孔6…に苗押出し棒7…を差し込む
か指で押し上げることにより育苗ポット5…内に収容さ
れた苗を押し出すと容易に苗を育苗トレイ4の育苗ポッ
ト5…から取り出すことができる(図12)。尚、覆土
26にはバーミキュライトを用いると、比重が軽いので
種子が出芽し易く出芽率が向上し、また、保水性が良い
ので育苗も容易である。
【0023】そして、この育苗トレイ4の各育苗ポット
5…には溝9…が設けられており、培地1’が膨張時に
溝9…内に入り込んで溝を埋めてしまわないので、溝9
…内には空間が形成されている。従って、育苗時に、苗
の根が伸長して培地内から溝9…内に出て伸びようとし
たとき、エアープルーニング効果により、そこで根の伸
長が止まる。よって、根が培地外周面に沿って過密に巻
いた状態になるのが防止されることと併せて、溝9…部
で根の伸長が止まる分、培地内で側根の成育が旺盛とな
るので、圃場へ移植したときの苗の活着が良好となる。
(尚、根が伸長し過ぎて培地外周面に沿って過密に巻い
た状態になると、移植後、圃場に活着しようとする新し
い根が培地外周面に過密に巻いた根に阻止されて、培地
の外の土壌に根が伸長しにくくなり活着しにくくなる問
題がある。)また、上記のような育苗上の効果を有する
育苗ポット5…を形成した育苗トレイ4を用いた育苗を
行うとき、圧縮成形培地1は、育苗ポット5に合わせた
円柱形状であるから、水を含んで膨張した時に溝9…内
を培地が塞ぐことがない。特に、前記のように、圧縮成
形培地1を、その圧縮された方向が上下方向となる姿勢
で各育苗ポット5内に入れ、そのように入れた圧縮成形
培地1に水を含ませることで圧縮成形培地1を各育苗ポ
ット5内で膨張させて充満させ、育苗ポット5内に培地
を充填する方法をとると、その圧縮成形培地1は、水を
含むと水平方向には大きく膨張せず上下方向に大きく膨
張するから、溝9…内を埋めるように培地が入り込むこ
とがなく溝9…内に空間が形成される状態に培地を育苗
ポット5内に充填することが容易に行なえる。従って、
この育苗ポット5…の溝9…によるエアープルーニング
効果を充分に奏する状態での播種、育苗が容易に行なえ
るものとなる。
【0024】尚、植物繊維を含む材料を圧縮成形した培
地1には、圧縮成形後、水を含ませて膨張させると、圧
縮成形時の圧縮方向とは略々反対方向に向かう膨張が大
きいという特性がある。例えば、図1に示すタブレット
の形状の圧縮成形培地1を、ピートモスを用いて、上下
方向から圧縮して成形したところ、圧縮成形時の大きさ
が直径15mm×高さ15mmの大きさのものが、水を
含んで膨張すると、圧縮方向の反対方向の膨張が、高さ
15mmから高さ38〜39mmとなって約2.5倍の
膨張となり、圧縮方向に交差する方向の膨張が、直径1
5mmから直径18〜19mmとなって約1.2倍の膨
張となった。
【0025】一方、育苗トレイ4は、発砲スチロールを
材料として成形され各育苗ポット5の内側面5bと底面
5aとで培地1’を覆った状態になっているので、断熱
性が良くて根部の温度が必要以上に上がることが防止さ
れ、夏場の熱い時期に苗を育苗しても、苗がひょろ長く
伸びてしまう徒長を防止でき、健全な苗の育成が行なえ
ると共に、育苗トレイ4の各育苗ポット5の各苗を均一
に成育させることができる。
【0026】そして、圧縮成形培地1は、前記のよう
に、水を含むと圧縮方向とは略々反対方向に大きく膨張
するが、その膨張後の培地1’は、膨張方向(上下方
向)の剪断に対しては強く、その膨張方向と交差する方
向(左右方向)の剪断に対しては弱い特性がある。
【0027】従来、エアープルーニング効果により根巻
きが起こっていない苗の茎を持って上方に引っ張って抜
こうとすると、根が培地に絡んでいないため苗だけが引
き抜かれてしまって培地ごと苗を引き抜くことはできに
くく、また、育苗ポットの底部の孔に棒を押し込んで培
地ごと苗を取り出そうとしても、根が培地に絡んでいな
いため底部に押し込んだ棒が土を崩してしまい培地ごと
苗を押し上げることはできにくい問題がある。
【0028】そこで、圧縮成形培地1…をその圧縮され
た方向が上下方向となる姿勢で各育苗ポット5…内に入
れ、該圧縮成形培地1…に水を含ませて圧縮成形培地1
…を各育苗ポット5…内で膨張させて充満させ、その
後、該膨張後の培地1’…に播種して育苗する育苗方法
をとることにより、各育苗ポット5…内で育苗された苗
の培地は上下方向の剪断に対して強いことになるから、
苗の茎を持って上方に引っ張って抜くことができ、ま
た、育苗ポット5…の底部の孔6…に苗押出し棒7…を
差し込んで育苗ポット5…内に収容された苗を押し出す
ときに培地が崩れにくく、苗の根があまり伸びていない
ときでも、従来に比べて苗を育苗ポット5…から取り出
しやすくなる。従って、移植機にて苗の植付けができる
適応性の高い苗(各育苗ポット5…内から上方に引き抜
く装置や下方から押し出す装置にて抜きやすい苗)を育
成することができる。
【0029】尚、育苗ポット5が平面視円形なので、上
記圧縮成形培地1の平面視形状も円形のものを用いる
が、育苗ポットが平面視四角形であれば、それに入れる
圧縮成形培地の平面視形状も四角形のものを用いると、
育苗ポット内に入れた圧縮成形培地に水を含ませて膨張
させたとき、適確に育苗ポット内に培地が充満する。よ
って、圧縮成形培地の平面視形状は、それを入れる育苗
トレイの育苗ポットの平面視形状に合わせたものとする
と、良好に育苗ポット内に培地を充満させられる。
【0030】更に、育苗トレイの材質は、発砲スチロー
ルに限定されるものではなく、硬質の合成樹脂や自由に
湾曲させれるような軟質の合成樹脂等の如何なる材質で
成型しても良い。また、上記の例においては、育苗トレ
イ4に多数配列した育苗ポット5の例を示したが、植木
鉢やビニールポット(鉢)等の単体の育苗容器に本願発
明を用いても良いことは、謂うまでもない。
【0031】また、上記の実施例においては、ピートモ
スに界面活性剤と粘土質材であるベントナイトとを共に
用いる例を示したが、界面活性剤のみを用いて培地を製
造しても良い。最後に、圧縮成形前にバインダーとして
ポリビニルアルコール又はポリアクリル酸塩又は水ガラ
ス(ケイ酸ナトリウム)等を混入すれば、復元後もブロ
ック強度が保持できて、培地1が崩れにくく、更に苗の
取扱いが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】圧縮成形培地1の一例を示す斜視図である。
【図2】圧縮成形培地1の圧縮成形の一例を示す側面図
である。
【図3】育苗トレイ4の一例を示す斜視図である。
【図4】育苗トレイ4の平面図である。
【図5】育苗トレイ4の底面図である。
【図6】育苗トレイ4の育苗ポット5の平面図である。
【図7】図4のS1−S1断面図である。
【図8】圧縮成形培地1を育苗ポット5へ装填した状態
を示す断面側面図である。
【図9】育苗ポット5へ装填した圧縮成形培地1が水を
含んで膨張が終了した状態を示す断面側面図である。
【図10】播種穴形成ロール47による作用説明側面図
である。
【図11】播種穴50に播種して覆土65した状態を示
す断面側面図である。
【図12】成育した苗を取り出す作用を示す断面側面図
である。
【符号の説明】
1 圧縮成形した培地 1a 圧縮成形した培
地のテーパ部 2 プレス機の下型 2a プレス機の下型
円錐台状テーパ部 3 プレス機の上型 4 育苗トレイ 5 育苗ポット 5b 育苗ポットの内
側面 5a 育苗ポットの底面 9 育苗ポットの
溝 6 育苗ポット底部の孔

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 植物繊維と粉状の界面活性剤を混合して
    圧縮成形したことを特徴とする培地。
  2. 【請求項2】 植物繊維と粘土質材と粉状の界面活性剤
    を混合して、圧縮成形したことを特徴とする培地。
  3. 【請求項3】 粒径が1mm以下の混合物を圧縮成形し
    たことを特徴とする請求項1又は2記載の培地。
  4. 【請求項4】 植物繊維がピートモスである請求項1乃
    至3記載の培地。
  5. 【請求項5】 粘土質材がベントナイトである請求項1
    乃至4記載の培地。
  6. 【請求項6】 育苗ポット5内の底面部の錐台形状5c
    に合わせたテーパ部1aを形成したことを特徴とする圧
    縮成形した培地。
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