JP2001192551A - ウレタン−アクリル水分散体とその水蒸気透湿性シ―ト類 - Google Patents
ウレタン−アクリル水分散体とその水蒸気透湿性シ―ト類Info
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Abstract
透湿性シ―ト類として、機械的強度が強く、しかも応力
緩和性にすぐれるものを提供する。 【解決手段】 ウレタン成分10〜90重量%とアクリ
ル成分90〜10重量%とからなる分子内に中和された
カルボキシル基を有するウレタン−アクリルポリマ―の
水分散体であつて、そのフイルム化物(厚さ:50μ
m)の引張試験での引張弾性率が0.5Kg/mm2 以上
で、50%伸張させたときの1分後の応力残存率が50
%以下であり、かつ水蒸気透湿度が500g/m2・24
時間以上であるウレタン−アクリル水分散体をフイルム
成形材料とし、これを塗布、乾燥するなどして作製した
フイルム成形体からなる水蒸気透湿性シ―ト類。
Description
ル水分散体と、そのフイルム成形体からなる水蒸気透湿
性シ―ト類(シ―ト、テ―プなど)に関する。
用テ―プやシ―トなどでは、むれを防ぐために、水蒸気
透湿性を上げる検討がなされている。たとえば、汎用的
には、シ―トに穴をあけたり、不織布を使用するなどの
検討がなされている。その他、ポリウレタン製のテ―プ
やシ―トを使用する試みもある。
用法では、水蒸気のみならず、水分を通す問題があり、
さらに強度に劣るという問題もあつた。また、ポリウレ
タン製のものでは、透湿性が十分でなく、しかも応力緩
和性に劣るため、絆創膏などの医療用としては、その特
性が不十分で、実用性に乏しいものであつた。
蒸気のみを通して水分は通さない、いわゆる水蒸気透湿
性シ―ト類であつて、その機械的強度が強く、しかも応
力緩和性にすぐれるものを提供することを目的としてい
る。
的を達成するため、鋭意検討した結果、ウレタン成分と
アクリル成分とからなる分子内に中和されたカルボキシ
ル基を有するウレタン−アクリルポリマ―の水分散体を
使用すると、これをフイルム成形したものが水蒸気のみ
を通して水分は通さない水蒸気透湿性シ―ト類として良
好に機能し、ウレタン成分とアクリル成分との量や組成
などを適宜調整することにより、機械的強度が強く、し
かも応力緩和性にすぐれたものとなり、絆創膏などの医
療用のテ―プなどに好適に利用できることを知り、本発
明を完成した。
90重量%とアクリル成分90〜10重量%とからなる
分子内に中和されたカルボキシル基を有するウレタン−
アクリルポリマ―の水分散体であつて、そのフイルム化
物(厚さ:50μm)の引張試験での引張弾性率が0.
5Kg/mm2 以上で、50%伸張させたときの1分後の応
力残存率が50%以下であり、かつ水蒸気透湿度が50
0g/m2・24時間以上であることを特徴とするウレタ
ン−アクリル水分散体(請求項1)と、このウレタン−
アクリル水分散体のフイルム成形体からなることを特徴
とする水蒸気透湿性シ―ト類(請求項2)とに係るもの
である。
ル水分散体は、ポリオ―ルとポリイソシアネ―トとを反
応させて得られるポリウレタンからなるウレタン成分
と、アクリルモノマ―を重合させて得られるアクリル成
分とから構成されて、その分子内に中和されたカルボキ
シル基を有するウレタン−アクリルポリマ―が水中に均
一にかつ安定に分散された水分散体を指すものである。
は、種々の方法で調製できるが、その中でも、乳化剤を
用いる必要のない方法として、ポリオ―ルとポリイソ
シアネ―トとからウレタンプレポリマ―を生成し、これ
にアクリルモノマ―を加え、上記プレポリマ―に含ませ
たカルボキシル基を中和して水に分散させ、上記プレポ
リマ―の主鎖延長とアクリルモノマ―の重合を行う方
法、上記と同様にウレタンプレポリマ―を生成し、こ
れに含ませたカルボキシル基を中和して水に分散させ、
上記プレポリマ―の主鎖延長を行つたのち、アクリルモ
ノマ―を加えて重合を行う方法、上記と同様にウレタ
ンプレポリマ―を生成する際に、ポリオ―ルの一部を、
アクリルモノマ―を原料としたアクリルポリオ―ルと置
換することにより、アクリル成分をあらかじめ導入した
ウレタンプレポリマ―を生成し、これに含ませたカルボ
キシル基を中和して水に分散させ、上記プレポリマ―の
主鎖延長を行う方法により、容易に調製することができ
る。
の原料であるポリオ―ルとしては、1分子中に少なくと
も2個またはそれ以上の水酸基を有する低分子ポリオ―
ルや高分子ポリオ―ルが用いられる。低分子ポリオ―ル
には、エチレングリコ―ル、ジエチレングリコ―ル、プ
ロピレングリコ―ル、ブチレングリコ―ル、ヘキサメチ
レングリコ―ルなどの2価のアルコ―ル、トリメチロ―
ルプロパン、グリセリン、ペンタエリスリト―ルなどの
3価アルコ―ルなどがある。高分子ポリオ―ルには、ポ
リエチレングリコ―ル、ポリプロピレングリコ―ル、ポ
リテトラメチレングリコ―ルなどのポリエ―テルポリオ
―ル、前記2価のアルコ―ル、ジプロピレングリコ―
ル、1,4−ブタンジオ―ル、1,6−ヘキサンジオ―
ル、ネオペンチルグリコ―ルなどのアルコ―ルとアジピ
ン酸、アゼライン酸、セバチン酸などの2塩基酸との重
縮合物であるポリエステルポリオ―ル、ポリカプロラク
トンなどのラクトン系開環重合体ポリオ―ル、ポリカ―
ボネ―トジオ―ル、アミン変性エポキシ樹脂のようなエ
ポキシポリオ―ルなどがある。
アネ―トとしては、芳香族、脂肪族、脂環族のポリイソ
シアネ―トが用いられる。その中でも、ポリオ―ルとの
速やかな反応および水との反応抑制の観点から、イソホ
ロンジイソシアネ―ト、シクロヘキサン−1,4−ジイ
ソシアネ―ト、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイ
ソシアネ―トなどの脂環族ポリイソシアネ―トが好まし
い。ポリイソシアネ―トは、上記のようなジイソシアネ
―トに限らず、トリないしそれ以上のイソシアネ―トで
あつてもよい。ポリイソシアネ―トの使用量は、ポリオ
―ルに対して、NCO/OH(当量比)が1.1〜3.
0となる割合とするのがよい。少なすぎるとウレタンの
凝集性が低くなり、また多すぎるとウレタンの物性に柔
軟性がなくなり、機械的強度と応力保持性の調整に好結
果を得にくい。
せて、ウレタンプレポリマ―を生成するにあたり、この
プレポリマ―の分子内にカルボキシル基を含ませて、そ
の中和による水分散化を可能とするため、ポリオ―ルの
一部として、カルボキシル基含有ポリオ―ルが用いられ
る。具体的には、2,2−ジメチロ―ルプロピオン酸、
2,2−ジメチロ―ル酢酸、2,2−ジメチロ―ル酪酸
などがあり、とくに2,2−ジメチロ―ルプロピオン酸
が好ましい。これらは、反応を速やかに進行させるた
め、N−メチルピロリドンのような溶媒を少量使用し、
これに溶解して添加するのがよい。また、上記反応に際
しては、ポリイソシアネ―トと水との反応を抑えるた
め、乾燥空気や窒素などで置換したり、各原料を脱水操
作しておくのがよい。反応触媒として、ジブチルすずジ
ラウレ―ト、オクトエ酸すず、1,4−ジアザビシクロ
(2,2,2)オクタンなどを用いてもよい。
レタンプレポリマ―に対し、まず、アクリルモノマ―を
加え、ついで、上記プレポリマ―に含ませたカルボキシ
ル基を中和して水に分散させ、上記プレポリマ―の主鎖
延長とアクリルモノマ―の重合を同時にまたは連続的に
行うものである。また、上記の方法では、上記のよう
に生成したウレタンプレポリマ―を、まず、これに含ま
せたカルボキシル基を中和して水に分散させ、上記プレ
ポリマ―の主鎖延長を行つたのち、これにアクリルモノ
マ―を加えて、その重合を行うものである。
―には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル
酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アク
リル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)
アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘ
キシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリ
ル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メ
タ)アクリル酸イソノニルなどの(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステルが用いられる。その他、(メタ)アクリ
ル酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ―ト、ヒドロ
キシルプロピル(メタ)アクリレ―トなどの水酸基含有
(メタ)アクリレ―ト、(メタ)アクリルアミド、N−
メチロ―ル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル
(メタ)アクリルアミドなども使用できる。また、スチ
レン、酢酸ビニル、マレイン酸、イタコン酸などの他の
モノマ―を併用してもよく、これら他のモノマ―を共重
合させてなるものも、本発明にいうアクリル成分に含ま
れる。
シル基を中和するには、塩基として水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、トリエチルアミンなどが用いられる。
この中和後、水に分散させるには、中和物を水中に加え
てもよいし、中和物の中に水を加えるようにしてもよ
い。その際、撹拌しながら分散させるのが好ましく、通
常の撹拌機による撹拌のほか、ホモミキサやホモジナイ
ザなどを使用して攪拌してもよい。ウレタンプレポリマ
―の主鎖延長に際しては、ポリアミンを添加して行うの
が望ましい。ポリアミンの添加量としては、残存NCO
当量に対して1当量になるようにするのがよい。ポリア
ミンとしては、エチレンジアミン、プロピレンジアミ
ン、ヘキサメチレンジアミンなどが用いられる。
は、重合開始剤を添加して、所定温度に加熱して行うこ
とができる。重合開始剤としては、アゾビスイソブチロ
ニトリル、アゾビスイソブチルバレロニトリル、2,
2′−アゾビス〔2−(2−イミダゾリン−2−イル)
プロパン〕などのアゾ化合物や、過酸化ベンゾイルなど
の有機過酸化物などが用いられる。重合開始剤は、油溶
性でも水溶性でもよく、粉末状のものは水または少量の
有機溶剤に溶かして使用される。重合開始剤の使用量と
しては、アクリルモノマ―100重量部に対して、通常
0.01〜5重量部、好ましくは0.05〜2重量部と
するのがよい。
シアネ―トを上記と同様に反応させてウレタンプレポリ
マ―を生成する際に、ポリオ―ルの一部を、アクリルモ
ノマ―を原料としたアクリルポリオ―ルと置換して、ア
クリル成分をあらかじめ導入したウレタンプレポリマ―
を生成し、これに含ませたカルボキシル基を中和して水
に分散させ、上記プレポリマ―の主鎖延長を行うもので
あり、上記の中和、水分散および主鎖延長については、
前記と同様にして行うことができる。
として前記した(メタ)アクリル酸アルキルエステルを
主成分とし、これに前記した水酸基含有(メタ)アクリ
レ―トとさらに(メタ)アクリル酸やマレイン酸、イタ
コン酸などのカルボキシル基含有モノマ―を加えたモノ
マ―混合物を、2−メルカプトエタノ―ル、1−メルカ
プト−2−プロパノ―ル、3−メルカプト−1−プロパ
ノ―ル、p−メルカプトフエノ―ルなどの水酸基含有連
鎖移動剤の存在下、2,2′−アゾビスイソブチロニト
リルなどのアゾ系開始剤や過酸化ベンゾイルなどの過酸
化物系開始剤を用いて共重合させて得られるものが、と
くに好ましく用いられる。また、このようなアクリルポ
リオ―ルは、高分子ポリオ―ルなどの存在下で上記共重
合を行わせて得られるものが、さらに好ましい。これ
は、高分子ポリオ―ルなどとアクリルポリオ―ルとの相
溶性に好結果が得られるためである。
ルは、分子内に水酸基含有(メタ)アクリレ―トおよび
水酸基含有連鎖移動剤に由来する水酸基を有し、この水
酸基がポリイソシアネ―トとの反応に関与し、また分子
内にカルボキシル基含有モノマ―に由来するカルボキシ
ル基を有し、このカルボキシル基が上記反応で生成する
ウレタンプレポリマ―の分子内に導入される。このた
め、上記の方法では、ポリイソシアネ―トとの反応に
際し、前記した2,2−ジメチロ―ルプロピオン酸など
のカルボキシル基含有ポリオ―ルを使用する必要はとく
にない。
か、これらを適宜組み合わせることにより、ウレタン−
アクリル水分散体をさらに容易に調製することができ
る。たとえば、上記の方法において、プレポリマ―
の主鎖延長とアクリルモノマ―の重合を行つたのち、再
度アクリルモノマ―を加えて重合する方法、上記の
方法において、プレポリマ―の主鎖延長を行つたのち、
再度アクリルモノマ―を加えて重合する方法などが挙げ
られる。なお、これらの方法において、再度加えるモノ
マ―としては、上述のアクリルモノマ―以外に、スチレ
ン、酢酸ビニルなどの他のモノマ―をこれら単独で使用
してもよく、もちろん、これら他のモノマ―とアクリル
モノマ―とを併用してもよい。
調製されるウレタン−アクリル水分散体は、ウレタン成
分の原料であるポリオ―ルおよびポリイソシアネ―トの
使用量と、アクリル成分の原料であるアクリルモノマ―
の使用量を調整することにより、ウレタン成分が10〜
90重量%、好ましくは20〜80重量%、より好まし
くは30〜70重量%で、アクリル成分が90〜10重
量%、好ましくは80〜20重量%、より好ましくは7
0〜30重量%となるように設定される。ここで、ウレ
タン成分が10重量%未満となり、アクリル成分が90
重量%を超えると、水分散体の安定性に劣るようにな
り、また、ウレタン成分が90重量%を超え、アクリル
成分が10重量%未満となると、フイルム成形体の機械
的強度や応力緩和性などの特性に劣りやすくなる。
ン−アクリル水分散体は、そのフイルム化物(厚さ:5
0μm)の引張試験(断面積:約2mm2 、長さ:10m
m、引張速度:300mm/分)による引張弾性率が0.
5Kg/mm2 以上、好ましくは1Kg/mm2 以上、より好ま
しくは3Kg/mm2 以上(通常30Kg/mm2 以下、好まし
くは20Kg/mm2 以下)であり、また上記フイルム化物
を50%伸張させたときの1分後の応力残存率が50%
以下、好ましくは40%以下、より好ましくは30%以
下(通常15%以上)であり、さらに水蒸気透湿度が5
00g/m2・24時間以上、好ましくは600g/m2・
24時間以上、より好ましくは700g/m2・24時間
以上であることを大きな特徴としている。
水蒸気透湿度を有していることにより、そのフイルム成
形体が絆創膏などの医療用のテ―プなどとして望まれる
すぐれた機械的強度、応力緩和性および水蒸気透湿性を
備えたものとなる。これに対して、上記の各物性が前記
範囲外になると、上記いずれかの特性が損なわれるよう
になる。なお、上記の各物性を前記範囲内とするために
は、前記した水分散体の調製方法において、ウレタン成
分とアクリル成分の割合とともに、上記両成分を構成す
る原料組成を選択する、とくにアクリル成分の原料であ
るアクリルモノマ―組成を適宜選択するなどの方法がと
られる。
クリル水分散体は、固形分濃度が通常25〜60重量%
となるように調製されるが、この水分散体をフイルム成
形体用の材料としてそのまま使用してもよいし、必要に
よりポリビニルアルコ―ルやその他の分散性改良剤、増
粘剤などを添加して使用してもよく、さらに老化防止剤
や紫外線吸収剤などの安定剤を添加して使用してもよ
い。
は、これを剥離性基材上に塗布し、乾燥するなどして、
厚さが通常10〜200μmとなるフイルム成形体とす
ることができる。このフイルム成形体は、水蒸気のみを
通して水分は通さない、いわゆる水蒸気透湿性シ―ト類
として使用でき、既述したように、その機械的強度が強
く、しかも応力緩和性にすぐれていることから、絆創膏
などの医療用テ―プや、その他各種用途に幅広く利用す
ることができる。
体的に説明する。本発明は以下の実施例にのみ限定され
ない。以下、部とあるのは重量部を意味する。
計を備えたフラスコに、ジエチレングリコ―ルアジピン
酸エステル(数平均分子量2,500、水酸基価43.
6)100部を投入し、100℃で加熱脱気して水分を
とり除いた。常圧に戻し、これに4,4′−ジシクロヘ
キシルメタンジイソシアネ―ト53.71部、ヒドロキ
シエチルアクリレ―ト0.86部、ジメチロ―ルプロピ
オン酸15部を乾燥したN−メチルピロリドン37.5
部に溶解して加えた。これにジブチルすずジラウレ―ト
0.08部を加え、65℃で4時間反応させて、分子内
にカルボキシル基を含有するウレタンプレポリマ―を得
た。
れにアクリル酸ブチル96.14部およびメタクリル酸
メチル96.14部を加え、よく撹拌したのち、トリエ
チルアミン22.63部を加え、よく撹拌して、中和し
た。別のフラスコに蒸留水576.7部を入れ、これに
上記の中和物を滴下ロ―トにより滴下した。滴下完了
後、エチレンジアミン3.15部を蒸留水28.35部
で希釈して加え、1時間撹拌した。1時間窒素置換後、
2,2′−アゾビス〔2−(2−イミダゾリン−2−イ
ル)プロパン〕0.08部をメタノ―ル1部に溶解しか
つ蒸留水1部で希釈して加えた。これを60℃に加熱し
て5時間反応させ、さらに70℃加熱して2時間反応さ
せた。このように主鎖延長および重合を行い、ウレタン
成分50重量%とアクリル成分50重量%とからなる分
子内に中和されたカルボキシル基を有するウレタン−ア
クリル水分散体を得た。
水酸基価37.1)50部の存在下、アクリル酸ブチル
45部およびアクリル酸5部を、水酸基含有連鎖移動剤
として2−メルカプトエタノ―ル1部、重合開始剤とし
て2,2′−アゾビスイソブチロニトリル0.1部を用
いて、窒素気流下、50℃で6時間重合反応を行い、粘
稠液体を得た。この粘稠液体は、上記のポリプロピレン
グリコ―ルと生成した分子内にカルボキシル基を含有す
るアクリルポリオ―ルとの混合物からなるものであつ
た。
理し、残存する水分を除去した。これにイソホロンジイ
ソシアネ―ト10.2部を加え、さらにジブチルチンジ
ラウレ―ト0.03部を加え、65℃で3時間反応させ
て、分子内にカルボキシル基を含有するウレタンプレポ
リマ―を得た。このウレタンプレポリマ―にトリエチル
アミン7.02部を加えて、カルボキシル基を中和し
た。この中和物に撹拌しながら水276.08部を加
え、水に分散させた。これにエチレンジアミン1.39
部を水12.5部で希釈して加え、65℃で3時間反応
させた。
クリル核ポリマ―粒子を含有する水分散物を得た。この
水分散物に、さらに水116.7部を加え、均一に撹拌
後、アクリル酸ブチル10部およびメタクリル酸メチル
40部を加えて、窒素気流中で1時間撹拌して、上記モ
ノマ―混合物を水分散しているウレタン−アクリル核ポ
リマ―粒子に吸収させた。ついで、2,2′−アゾビス
〔2−(2−イミダゾリン−2−イル)〕プロパン0.
02部を加え、重合反応を開始し、60℃で5時間保持
し、さらに70℃に昇温して2時間保持した。この重合
反応によつて、ウレタン成分36重量%とアクリル成分
64重量%とからなる分子内に中和されたカルボキシル
基を有するウレタン−アクリル水分散体を得た。
長して得たウレタン−アクリル核ポリマ―粒子を含有す
る水分散物を使用し、この水分散物に、さらに水11
6.7部を加え、均一に撹拌後、アクリル酸ブチル10
部、アクリル酸エチル10部およびメタクリル酸メチル
30部を加えて、窒素気流中で1時間撹拌して、上記モ
ノマ―混合物を水分散しているウレタン−アクリル核ポ
リマ―粒子に吸収させた。ついで、2,2′−アゾビス
〔2−(2−イミダゾリン−2−イル)〕プロパン0.
02部を加え、重合反応を開始し、60℃で5時間保持
し、さらに70℃に昇温して2時間保持した。この重合
反応によつて、ウレタン成分36重量%とアクリル成分
64重量%とからなる分子内に中和されたカルボキシル
基を有するウレタン−アクリル水分散体を得た。
ル水分散体を、離型処理したポリエチレンテレフタレ―
トフイルム上に塗布し、乾燥機中120℃で5分間乾燥
し、厚さが50μmのフイルム化物を作製した。このフ
イルム化物を用いて、下記の方法で、引張弾性率、応力
残存率および水蒸気透湿度を測定した。これらの測定結
果は、表1に示されるとおりであつた。なお、表1に
は、比較例1として、市販の医療用ドレツシングポリウ
レタンフイルム(厚み50μm)について、上記と同様
に測定した結果を併記した。
積約2mm2 となるようにサンプリングし、引張試験機と
して、オ―トグラフAGS−50D型(島津製作所製)
を用い、試験サンプルの長さを10mmとし、300mm/
分の引張速度で引張試験を行い、そのときの応力−歪み
曲線における最初の直線部分の応力−歪みを読み取り、
下記の式にしたがつて、引張弾性率を算出した。 F:引張り応力 A:断面積 ΔL:歪み量 Lo :サンプルの初期長さ
で、かつ同じ引張試験機を用いて、300mm/分の引張
速度で引張り、50%伸張時点(5mm)で引張試験機を
止め、その後の応力の変化を読み取り、下記の式に示す
ように、50%伸張時点の応力に対して、1分後の応力
を、応力残存率とした。
ス容器に精製水20mlを入れ、容器上部をサンプルフ
イルム化物で覆い、ガラス容器の側面に粘着テ―プを巻
いてガラス容器とフイルム化物を密着シ―ルした。これ
を40℃,30%RHの条件下で24時間保存し、保存
前後の精製水の重量差から水蒸発量を求めた。この量か
ら、フイルム化物1m2あたりの水蒸気透湿度(水蒸気透
湿量)(g/m2・24時間)を算出した。
〜3の各ウレタン−アクリル水分散体は、そのフイルム
化物の引張弾性率が0.5Kg/mm2 以上、50%伸張さ
せたときの1分後の応力残存率が50%以下で、水蒸気
透湿度が500g/m2・24時間以上であり、市販フイ
ルムに比べて、機械的強度が強く、応力緩和性にすぐ
れ、水蒸気透湿度も満足できるものであることがわか
る。
分とアクリル成分とからなる分子内に中和されたカルボ
キシル基を有するウレタン−アクリルポリマ―の水分散
体からなるウレタン−アクリル水分散体をフイルム成形
材料としたことにより、絆創膏などの医療用テ―プなど
に有用な水蒸気透湿性シ―ト類として、水蒸気透湿性に
加えて、機械的強度が強く、かつ応力緩和性にすぐれる
ものを提供できる。
Claims (2)
- 【請求項1】 ウレタン成分10〜90重量%とアクリ
ル成分90〜10重量%とからなる分子内に中和された
カルボキシル基を有するウレタン−アクリルポリマ―の
水分散体であつて、そのフイルム化物(厚さ:50μ
m)の引張試験での引張弾性率が0.5Kg/mm2 以上
で、50%伸張させたときの1分後の応力残存率が50
%以下であり、かつ水蒸気透湿度が500g/m2・24
時間以上であることを特徴とするウレタン−アクリル水
分散体。 - 【請求項2】 請求項1に記載のウレタン−アクリル水
分散体のフイルム成形体からなることを特徴とする水蒸
気透湿性シ―ト類。
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---|---|---|---|
JP2000006018A JP4746729B2 (ja) | 2000-01-11 | 2000-01-11 | ウレタン−アクリル水分散体とその水蒸気透湿性シ―ト類 |
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JP2000006018A JP4746729B2 (ja) | 2000-01-11 | 2000-01-11 | ウレタン−アクリル水分散体とその水蒸気透湿性シ―ト類 |
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