JP4213778B2 - 感圧性接着テープまたはシートの製造方法 - Google Patents

感圧性接着テープまたはシートの製造方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水中にウレタン・アクリル混成ポリマ―が分散されてなる水分散型感圧性接着剤組成物を用いた感圧性接着テープまたはシートの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ウレタン材料は、基材への密着性、耐摩耗性、耐衝撃性などにすぐれる特徴を有しているが、ウレタン単独ではコスト面での不利があつたり、各種用途に使用する場合に十分な性能が得られないことが多い。このため、ウレタンと他種材料を複合化することが検討されており、たとえば、塗料やインクなどの分野では、米国特許第5,173,526号明細書、同第5,623,016号明細書、特開平9−3400号公報などにみられるように、ウレタンにスチレンやアクリルなどを複合化した材料を用いる検討がなされている。
【0003】
しかし、感圧性接着剤の分野では、上記のようなウレタン複合材料を用いた例はあまりみられない。接着力やタツクなどの性能を満足させにくいためである。数少ない例として、米国特許第5,173,526号明細書において、ウレタン・アクリル複合材料を溶剤系や無溶剤系の感圧性接着剤として応用することが、提案されている。この提案では、たとえば、ポリエスルポリオ―ルやポリエ―テルポリオ―ルなどに芳香族ジイソシアネ―トを反応させて得たウレタンプレポリマ―とともに、両末端水酸基を有する液状アクリル系ポリマ―を使用し、これらの両成分を支持体上などへの塗工後に反応させて、ウレタン・アクリル複合材料からなる感圧性接着剤を得るようにしたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の提案では、塗工後反応させたのちでも、分子鎖の長い混成ポリマ―を形成しにくく、耐熱性などに問題があり、剥離時に感圧性接着剤の一部が被着体に残る場合がある。また、それを解決するために架橋を行うと接着力が低下するなど、感圧性接着剤の用途としては極めて限定されたものとなる。また、溶剤系で取り扱う場合、環境汚染や安全衛生上の問題もある。
【0005】
本発明は、このような事情に照らし、ウレタン複合材料を用いて、接着特性上なんら問題のない、しかも環境汚染や安全衛生上の問題も起こらない、水分散型感圧性接着剤を得、これを用いて感圧性接着テープまたはシートを得ることを目的とする。また、一般の水分散型感圧性接着剤では乳化剤に起因した耐水性(白化性)の問題があるが、本発明は、このような耐水性の問題もない上記水分散型感圧性接着剤を得、これを用いて感圧性接着テープまたはシートを得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の目的を達成するため、鋭意検討した結果、原料成分としてカルボキシル基含有ウレタンプレポリマ―とアクリル系モノマ―とを用い、これらを水媒体中で特定手法で反応処理したときに、分子鎖長の長いウレタン・アクリル混成ポリマ―を生成でき、これによれば、耐熱性などの問題のない、接着力やタツクなどにすぐれた性能を発現でき、また水分散型として溶剤の使用に起因した環境汚染や安全衛生上の問題もなく、さらに乳化剤を必要としないため、すぐれた耐水性も得られることを知り、本発明を完成した。
【0007】
すなわち、本発明は、水中にカルボキシル基含有ウレタンプレポリマーとアクリル系モノマーとの重量比1:9から9:1の混合物を原料成分としたウレタン・アクリル混成ポリマーが分散されてなる水分散型感圧性接着剤組成物を用いた感圧性接着テープまたはシートの製造方法として、a)カルボキシル基含有ウレタンプレポリマーを得る工程、b)上記のウレタンプレポリマーとアクリル系モノマーとを重量比1:9から9:1で混合し、かつ塩基で中和する工程、c)この中和物を水中に分散する工程、d)この水分散液にポリアミンを加えて上記のウレタンプレポリマーを鎖延長し、かつラジカル重合開始剤を加えて上記のアクリル系モノマーを重合する工程により、水中にウレタン・アクリル混成ポリマーが分散された水分散液を得、これに増粘剤を加えて水分散型感圧性接着剤組成物とし、これを支持体上に塗布し、加熱乾燥して、接着剤層を形成する方法であって、上記のa工程は、ポリイソシアネートとポリオール(分子内にカルボキシル基を含まない)とを反応させ、これにさらにカルボキシル基含有ポリオールを反応させて、カルボキシル基含有ウレタンプレポリマーを得る工程であり、かつ上記のポリイソシアネートは4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートであることを特徴とする感圧性接着テープまたはシートの製造方法(請求項1)に係るものである。
【0008】
また、本発明は、上記の感圧性接着テープまたはシートの製造方法として、とくに上記のポリイソシアネートとポリオール(分子内にカルボキシル基を含まない)との使用量を、NCO/OH比(当量比)が2.0〜9.0の範囲となるようにする方法(請求項)を、提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明においては、水中にカルボキシル基含有ウレタンプレポリマ―とアクリル系モノマ―とを原料成分としたウレタン・アクリル混成ポリマ―が分散された水分散液を得、これに増粘剤を加えて水分散型感圧性接着剤組成物としたものであり、ここで、上記の水分散液は、以下のa〜d工程により、製造できる。
【0010】
a工程においては、ポリイソシアネ―トと、ポリオ―ル(分子内にカルボキシル基を含まない)と、カルボキシル基含有ポリオ―ルとを、反応させて、カルボキシル基含有ウレタンプレポリマ―を得る。その際、ポリイソシアネ―トと水との反応を抑えるため、乾燥空気や窒素などで置換したり、各材料を脱水操作しておくのがよい。また、反応触媒として、ジブチルすずジラウレ―ト、オクトエ酸すず、1,4−ジアザビシクロ−2,2,2−オクタンなどを使用してもよい。反応順序はとくに限定されないが、通常は、まず、ポリイソシアネ―トとポリオ―ル(分子内にカルボキシル基を含まない)とを反応させ、これにさらにカルボキシル基含有ポリオ―ルを加えて反応させるのが望ましい。
【0011】
ポリイソシアネ―トとしては、芳香族、脂肪族、脂環族のポリイソシアネ―トをいずれも使用できる。これらの中でも、ポリオ―ルとの速やかな反応および水との反応を抑制する点から、イソホロジイソシアネ―ト、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネ―ト、4,4´−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネ―トなどの脂環族ポリイソシアネ―トがとくに好ましく用いられる。ポリイソシアネ―トとしては、通常はジイソシアネ―トが用いられるが、場合により、トリないしそれ以上のポリイソシアネ―トを用いることもできる。
【0012】
ポリオ―ル(分子内にカルボキシル基を含まない)は、1分子中に水酸基を2個またはそれ以上有するものであり、低分子のポリオ―ルと高分子のポリオ―ルとがある。低分子のポリオ―ルとしては、エチレングリコ―ル、ジエチレングリコ―ル、プロピレングリコ―ル、ジプロピレングリコ―ル、ブチレングリコ―ル(1,4−ブタンジオ―ル)、ヘキサメチレングリコ―ル(1,6−ヘキサンジオ―ル)、ネオペンチルグリコ―ルなどの2価アルコ―ル、トリメチロ―ルプロパン、グリセリン、ペンタエリスリト―ルなどの3価アルコ―ルなどがある。また、高分子のポリオ―ルとしては、ポリエ―テルポリオ―ル、ポリエステルポリオ―ル、アクリルポリオ―ル、エポキシポリオ―ルなどがある。
【0013】
上記のポリエ―テルポリオ―ルとしては、ポリエチレングリコ―ル、ポリプロピレングリコ―ル、ポリテトラメチレングリコ―ルなどがある。ポリエステルポリオ―ルとしては、前記の2価アルコ―ルとアジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸などの2塩基酸との重縮合物や、その他、ポリカプロラクトンなどのラクトン系開環重合体ポリオ―ル、ポリカ―ボネ―トジオ―ルなどがある。アクリルポリオ―ルとしては、ヒドロキシルエチル(メタ)アクリレ―ト、ヒドロキシルプロピル(メタ)アクリレ―トなどの水酸基含有モノマ―の共重合体や、その他、水酸基含有物とアクリル系モノマ―との共重合体などがある。エポキシポリオ―ルとしては、アミン変性エポキシ樹脂などがある。
【0014】
これらのポリオ―ルは、その1種を単独でまたは2種以上を混合して使用できる。その際、ポリイソシアネ―トとの反応性、アクリル系モノマ―との相溶性、最終的な接着特性などを考慮し、その種類や分子量などを適宜選択すればよい。これらポリオ―ルの使用量は、前記のポリイソシアネ―トに対し、NCO/OH比(当量比)が2.0〜9.0、好ましくは3.0〜8.0の範囲となるようにするのがよい。上記比が過少では、反応に関与するカルボキシル基含有ポリオ―ルの量が減少して水分散液の安定性が悪くなり、また過多となると、最終的な接着特性が悪化し、とくに接着力やタツクが低下する。
【0015】
カルボキシル含有ポリオ―ルは、上記のポリイソシアネ―トとポリオ―ルとの反応後に加えて、さらに反応を進めることにより、生成するウレタンプレポリマ―の分子内にカルボキシル基を導入させるためのものである。具体例としては、2,2−ジメチロ―ルプロピオン酸、2,2−ジメチロ―ル酢酸、2,2−ジメチロ―ル酪酸などが挙げられ、とくに2,2−ジメチロ―ルプロピオン酸が好ましく用いられる。これらを加えるときには、反応を速やかに進行させるために、N−メチルピロリドンなどの溶剤に溶解して加えるのが望ましい。
【0016】
b工程においては、このようにして得たカルボキシル基含有ウレタンプレポリマ―にアクリル系モノマ―を混合し、かつこの混合後に上記のプレポリマ―分子内のカルボキシル基を塩基により中和する。上記の塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエチルアミンなどの第三級アミンが挙げられるが、このうち、第三級アミンがとくに好ましく用いられる。
【0017】
また、上記のアクリル系モノマ―としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステルが主として用いられる。その他、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド、N−メチロ―ル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミドなども用いられる。
【0018】
これらのアクリル系モノマ―は、最終的に良好な接着特性、とくに良好な接着力およびタツクが得られるように、そのモノマ―組成を適宜選択するのがよい。また、これらのアクリル系モノマ―は、前記のカルボキシル基含有ウレタンプレポリマ―とアクリル系モノマ―との重量比が1:9から9:1となるように、つまりは、アクリル系モノマ―が前記のウレタンプレポリマ―との合計量中、10〜90重量%となるように、好ましくは20〜80重量%となるように、混合することが肝要である。10重量%未満では、接着力やタツクが小さくなり、90重量%を超えると、安定な水分散液が得られなくなる。
【0019】
c工程においては、上記のようにカルボキシル基含有ウレタンプレポリマ―にアクリル系モノマ―を混合し、かつ塩基により中和したのちに、この中和物を水中に分散させる。この分散は、あらかじめ窒素置換した所定量の水に上記の中和物を攪拌しながら滴下して行えばよく、攪拌は通常の攪拌機を用いてもよいし、必要によりホモミキサやホモジナイザなどを用いて行つてもよい。これにより、上記中和物が水中に安定に分散された水分散液が得られる。
【0020】
d工程においては、このような水分散液にポリアミンを加えて上記のウレタンプレポリマ―を鎖延長し、かつラジカル重合開始剤を加えて上記のアクリル系モノマ―を重合させる。上記の鎖延長と重合との両反応は、この順に行つてもよいし、同時に行つてもよい。また、これらの反応は室温下で行うこともできるが、通常は加温して反応させるのが望ましい。
【0021】
鎖延長のためのポリアミンとしては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどのジアミンが好ましく用いられる。使用量は、前記のウレタンプレポリマ―の組成に応じて適宜選択されるが、通常は、上記プレポリマ―100重量部あたり、0.5〜5重量部とするのがよい。また、重合のためのラジカル重合開始剤には、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソブチルバレロニトリルなどのアゾ化合物や、過酸化ベンゾイルなどの有機過酸化物が用いられる。使用量は、アクリル系モノマ―100重量部あたり、0.01〜5重量部、好ましくは0.05〜2重量部とするのがよい。
【0022】
このような鎖延長と重合により分子鎖長の長いウレタン・アクリル混成ポリマ―が生成し、この混成ポリマ―が水中に安定に分散された水分散液が得られる。本発明においては、この水分散液に増粘剤を加えて水分散型感圧性接着剤組成物とするが、必要によりポリビニルアルコ―ルやその他の分散性改良剤などを加えて使用してもよい。また、粘着付与樹脂、軟化剤、顔料、架橋剤などの公知の種々の添加剤を加えてもよい。架橋剤を加える場合、この架橋剤は水溶性でも油溶性でもよく、油溶性の場合は少量の有機溶剤に溶かしたり、水に乳化させて添加すればよい。他の添加剤についても同様である。
【0023】
本発明の水分散型感圧性接着剤組成物は、使用に際し、ポリエステルフイルムなどのプラスチツクフイルムや、不織布、紙、金属箔、その他離型紙などの支持体の片面または両面に塗布し、これを加熱乾燥して、水分を除いた感圧性接着テ―プやシ―トなどとして、利用することができる。
【0024】
【実施例】
つぎに、本発明の実施例を記載して、より具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例にのみ限定されるものではない。なお、以下において、部とあるのは重量部を意味するものとする。
【0025】
実施例1
還流冷却管、ガス導入管(兼脱気用管)、攪拌装置、温度計を備えたフラスコに、ポリオ―ルとしてジエチレングリコ―ルアジピン酸エステル100部(数平均分子量:2,500、水酸基価:41)を入れ、80℃で加熱脱気して、水分を取り除いた。常圧に戻し、4,4´−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネ―ト49.2部を加えて、脱気したのち、再び常圧に戻し、ジブチルすずジラウレ―ト2.98×10-2部を加えて、65℃で1時間反応させた。ポリイソシアネ―トとポリオ―ルとのNCO/OH比は5.3であつた。その後、30℃まで冷却したのち、カルボキシル基含有ポリオ―ルとしてジメチロ―ルプロピオン酸12.4部をN−メチルピロリドン31部に溶解して加え、脱気したのち、70℃で3時間反応させて、カルボキシル基含有ウレタンプレポリマ―を得た。
【0026】
このウレタンプレポリマ―を30℃まで冷却し、これにアクリル酸ブチル484.8部(アクリル酸ブチル/ウレタンプレポリマ―の重量比は75/25)を加えて、よく攪拌したのち、トリエチルアミン9.4部を加え、よく攪拌して、中和した。別のフラスコに蒸留水920.8部を入れ、1.5時間窒素置換したのち、これに上記の中和物を滴下ロ―トにより滴下した。滴下完了後、エチレンジアミン4部を蒸留水で3倍に希釈して加え、さらにN−メチルピロリドン2部に溶解したアゾビスイソブチルバレロニトリル0.73部を加え、60℃に加熱して2時間反応させることにより、鎖延長および重合を完了した。
【0027】
このようにして水中にウレタン・アクリル混成ポリマ―が分散された水分散液を得たのち、この水分散液をポリカルボン酸型増粘剤(Rhom & Hass社製の「プライマルTT−615」)で増粘して、水分散型感圧性接着剤組成物とした。この感圧性接着剤組成物を、厚さが25μmのポリエチレンテレフタレ―トフイルム上に塗布したのち、110℃で10分間加熱乾燥して、厚さが50μmの接着剤層を形成し、感圧性接着シ―トを作製した。
【0028】
実施例2
実施例1と同様のフラスコに、ジエチレングリコ―ルアジピン酸エステル100部(数平均分子量:2,500、水酸基価:41)を入れ、80℃で加熱脱気して、水分を取り除いた。常圧に戻し、4,4´−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネ―ト28.4部を加えて、脱気したのち、再び常圧に戻し、ジブチルすずジラウレ―ト2.57×10-2部を加えて、65℃で1時間反応させた。ポリイソシアネ―トとポリオ―ルとのNCO/OH比は3.1であつた。その後、30℃まで冷却したのち、ジメチロ―ルプロピオン酸6.3部をN−メチルピロリドン15.8部に溶解して加え、脱気したのち、70℃で3時間反応させて、カルボキシル基含有ウレタンプレポリマ―を得た。
【0029】
このウレタンプレポリマ―を30℃まで冷却し、これにアクリル酸ブチル44.9部(アクリル酸ブチル/ウレタンプレポリマ―の重量比は25/75)を加えて、よく攪拌したのち、トリエチルアミン4.8部を加え、よく攪拌して、中和した。別のフラスコに蒸留水175.9部を入れ、1.5時間窒素置換したのち、これに上記の中和物を滴下ロ―トにより滴下した。滴下完了後、エチレンジアミン1.8部を蒸留水で3倍に希釈して加え、さらにN−メチルピロリドン2部に溶解したアゾビスイソブチルバレロニトリル0.07部を加え、60℃に加熱して2時間反応させることにより、鎖延長および重合を完了した。
【0030】
このようにして水中にウレタン・アクリル混成ポリマ―が分散された水分散液を得たのち、この水分散液をポリカルボン酸型増粘剤(Rhom & Hass社製の「プライマルTT−615」)で増粘して、水分散型感圧性接着剤組成物とした。この感圧性接着剤組成物を用い、以下、実施例1と同様にして、厚さが50μmの接着剤層を有する感圧性接着シ―トを作製した。
【0031】
実施例3
実施例1と同様のフラスコに、ポリオ―ルとしてポリプロピレングリコ―ル100部(数平均分子量:3,000、水酸基価:38)を入れ、80℃で加熱脱気して、水分を取り除いた。常圧に戻し、4,4´−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネ―ト44.9部を加えて、脱気したのち、再び常圧に戻し、ジブチルすずジラウレ―ト2.90×10-2部を加えて、65℃で1時間反応させた。ポリイソシアネ―トとポリオ―ルとのNCO/OH比は5.3であつた。その後、30℃まで冷却したのち、ジメチロ―ルプロピオン酸12.1部をN−メチルピロリドン30.3部に溶解して加え、脱気したのち、70℃で3時間反応させて、カルボキシル基含有ウレタンプレポリマ―を得た。
【0032】
このウレタンプレポリマ―を30℃まで冷却し、これにアクリル酸2−エチルヘキシル157部(アクリル酸2−エチルヘキシル/ウレタンプレポリマ―の重量比は50/50)を加えて、よく攪拌したのち、トリエチルアミン9.1部を加え、よく攪拌して、中和した。別のフラスコに蒸留水423部を入れ、1.5時間窒素置換したのち、これに上記の中和物を滴下ロ―トにより滴下した。滴下完了後、エチレンジアミン3.3部を蒸留水で3倍に希釈して加え、さらにN−メチルピロリドン2部に溶解したアゾビスイソブチルバレロニトリル0.24部を加え、60℃に加熱して2時間反応させ、鎖延長および重合を完了した。
【0033】
このようにして水中にウレタン・アクリル混成ポリマ―が分散された水分散液を得たのち、この水分散液をポリカルボン酸型増粘剤(Rhom & Hass社製の「プライマルTT−615」)で増粘して、水分散型感圧性接着剤組成物とした。この感圧性接着剤組成物を用い、以下、実施例1と同様にして、厚さが50μmの接着剤層を有する感圧性接着シ―トを作製した。
【0034】
実施例4
実施例1と同様のフラスコに、ポリプロピレングリコ―ル100部(数平均分子量:3,000、水酸基価:38)を入れ、80℃で加熱脱気して、水分を取り除いた。常圧に戻し、4,4´−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネ―ト61部を加えて、脱気したのち、再び常圧に戻し、ジブチルすずジラウレ―ト3.22×10-2部を加えて、65℃で1時間反応させた。ポリイソシアネ―トとポリオ―ルとのNCO/OH比は7.2であつた。その後、30℃まで冷却したのち、ジメチロ―ルプロピオン酸13.4部をN−メチルピロリドン33.5部に溶解して加え、脱気したのち、70℃で3時間反応させて、カルボキシル基含有ウレタンプレポリマ―を得た。
【0035】
このウレタンプレポリマ―を30℃まで冷却し、これにアクリル酸2−エチルヘキシル174.4部(アクリル酸2−エチルヘキシル/ウレタンプレポリマ―の重量比は50/50)を加えて、よく攪拌したのち、トリエチルアミン10.1部を加え、よく攪拌して、中和した。別のフラスコに蒸留水464.4部を入れ、1.5時間窒素置換したのち、上記の中和物を滴下ロ―トにより滴下した。滴下完了後、エチレンジアミン6.6部を蒸留水で3倍に希釈して加え、さらにN−メチルピロリドン2部に溶解したアゾビスイソブチルバレロニトリル0.26部を加え、60℃で2時間加熱反応させて、鎖延長と重合を完了した。
【0036】
このようにして水中にウレタン・アクリル混成ポリマ―が分散された水分散液を得たのち、この水分散液をポリカルボン酸型増粘剤(Rhom & Hass社製の「プライマルTT−615」)で増粘して、水分散型感圧性接着剤組成物とした。この感圧性接着剤組成物を用い、以下、実施例1と同様にして、厚さが50μmの接着剤層を有する感圧性接着シ―トを作製した。
【0037】
比較例1
実施例1で得たカルボキシル基含有ウレタンプレホリマ―を30℃に冷却し、これにアクリル酸ブチル8.5部(アクリル酸ブチル/ウレタンプレポリマ―の重量比は5/95)を加えて、よく攪拌したのち、トリエチルアミン9.4部を加え、よく攪拌して、中和した。別のフラスコに蒸留水206.4部を入れ、1.5時間窒素置換したのち、これに上記の中和物を滴下ロ―トにより滴下した。滴下完了後、エチレンジアミン4部を蒸留水で3倍に希釈して加え、さらにN−メチルピロリドン2部に溶解したアゾビスイソブチルバレロニトリル0.01部を加え、60℃で2時間加熱反応させ、鎖延長および重合を完了した。
【0038】
このようにして水中にウレタン・アクリル混成ポリマ―が分散された水分散液を得たのち、この水分散液をポリカルボン酸型増粘剤(Rhom & Hass社製の「プライマルTT−615」)で増粘して、水分散型感圧性接着剤組成物とした。この感圧性接着剤組成物を用い、以下、実施例1と同様にして、厚さが50μmの接着剤層を有する感圧性接着シ―トを作製した。
【0039】
比較例2
実施例1で得たカルボキシル基含有ウレタンプレホリマ―を30℃に冷却し、これにアクリル酸ブチル3,070.4部(アクリル酸ブチル/ウレタンプレポリマ―の重量比は95/5)を加えて、よく攪拌したのち、トリエチルアミン9.4部を加え、よく攪拌して、中和した。別のフラスコに蒸留水4,799.2部を入れ、1.5時間窒素置換したのち、上記の中和物を滴下ロ―トにより滴下した。滴下完了後、エチレンジアミン4部を蒸留水で3倍に希釈して加え、さらにN−メチルピロリドン2部に溶解したアゾビスイソブチルバレロニトリル4.6部を加え、60℃で2時間加熱反応させて、鎖延長と重合を試みた。しかし、反応途中で凝集物が発生し、安定な水分散液が得られず、その後の水分散型感圧性接着剤組成物の調製および感圧性接着シ―トの作製を行えなかつた。
【0040】
比較例3
還流冷却管、ガス導入管、攪拌装置、温度計を備えたフラスコに、アクリル酸ブチル95部、アクリル酸5部、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム3部、N−メチルピロリドン2部に溶解したアゾビスイソブチルバレロニトリル0.15部、蒸留水150部を入れた。窒素気流下で1.5時間攪拌したのち、60℃に加熱して2時間反応させることにより、アクリル系重合体エマルジヨンを得た。これをポリカルボン酸型増粘剤(Rhom & Hass社製の「プライマルTT−615」)で増粘して、感圧性接着剤組成物とした。この感圧性接着剤組成物を用い、以下、実施例1と同様にして、厚さが50μmの接着剤層を有する感圧性接着シ―トを作製した。
【0041】
上記の実施例1〜4および比較例1,3で得られた感圧性接着シ―トにつき、下記の方法により、接着力試験、タツク試験、耐水性試験(白化度)を行つた。これらの結果は、表1に示されるとおりであつた。
【0042】
<接着力試験>
ステンレススチ―ル板に対する180゜剥離接着力を、JIS Z 0237にしたがつて、測定した。
【0043】
<タツク試験>
感圧性接着シ―トの接着剤層表面のタツク感を指触により調べ、タツクありを○、タツクがややありを△、タツクなしを×、と評価した。
【0044】
<耐水性試験>
感圧性接着シ―トを蒸留水中に浸漬して、24時間後の接着剤層の白化度を、Hazeメ―タで測定した。浸漬前のHaze値に比べて浸漬後の値が100%以上上昇しているものを×、100%未満であるものを○、と評価した。
【0045】
Figure 0004213778
【0046】
上記の表1から明らかなように、本発明の実施例1〜4の水分散型感圧性接着剤組成物を用いることにより、接着力およびタツクにすぐれる感圧性接着シ―トを作製でき、しかも、このものは耐水性にもすぐれていることがわかる。これに対して、ウレタンに対するアクリルの比率が低すぎる比較例1の感圧性接着シ―トでは上記接着特性に劣り、また従来のアクリル系重合体エマルジヨンを用いた比較例3の感圧性接着シ―トでは耐水性に著しく劣つている。
【0047】
なお、上記の実施例において、カルボキシル基含有イソシアネ―トプレポリマ―の合成に際し、ポリイソシアネ―ト(4,4´−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネ―ト)とポリオ―ル(ジエチレングリコ―ルアジピン酸エステルまたはポリプロピレングリコ―ル)との使用比率を代え、たとえば、NCO/OH比が11.1となるように変更したときには、最終的に得られる感圧性接着シ―トの接着力やタツクが低下する傾向が認められた。これより上記NCO/OH比は、2.0〜9.0の範囲内に設定するのが望ましいこともわかつた。
【0048】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、特定のポリイソシアネートなどの原料を用いて特定手法で得たカルボキシル基含有ウレタンプレポリマーとアクリル系モノマーとを特定割合で使用し、これらを水媒体中で特定手法で反応処理して、ウレタン・アクリル混成ポリマーを生成させ、これに増粘剤を加えることにより、環境汚染や安全衛生上の問題のない水分散型として、接着力やタックなどにすぐれ、しかも耐水性にもすぐれた、実用性の極めて高いウレタン・アクリル複合材料からなる感圧性接着剤組成物を得、これを用いて感圧性接着テープまたはシートを製造する方法を提供することができる。

Claims (2)

  1. a)カルボキシル基含有ウレタンプレポリマーを得る工程、b)上記のウレタンプレポリマーとアクリル系モノマーとを重量比1:9から9:1で混合し、かつ塩基で中和する工程、c)この中和物を水中に分散する工程、d)この水分散液にポリアミンを加えて上記のウレタンプレポリマーを鎖延長し、かつラジカル重合開始剤を加えて上記のアクリル系モノマーを重合する工程により、水中にウレタン・アクリル混成ポリマーが分散された水分散液を得、これに増粘剤を加えて水分散型感圧性接着剤組成物とし、これを支持体上に塗布し、加熱乾燥して、接着剤層を形成する方法であって、上記のa工程は、ポリイソシアネートとポリオール(分子内にカルボキシル基を含まない)とを反応させ、これにさらにカルボキシル基含有ポリオールを反応させて、カルボキシル基含有ウレタンプレポリマーを得る工程であり、かつ上記のポリイソシアネートは4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートであることを特徴とする感圧性接着テープまたはシートの製造方法。
  2. ポリイソシアネートとポリオール(分子内にカルボキシル基を含まない)とは、NCO/OH比(当量比)が2.0〜9.0の範囲にある請求項1に記載の感圧性接着テープまたはシートの製造方法。
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