JP2001192228A - 線引き中の光ファイバーの冷却方法 - Google Patents
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Abstract
つ、線引き中の光ファイバーの冷却方法を提供する。 【解決手段】 ファイバー7の初期温度から前記ファイ
バー7の高速冷却の終了温度にするために、高速冷却1
0、すなわち周囲の空気における冷却より速い冷却が行
なわれ、その後に、前記ファイバー7の低速冷却の開始
温度から、前記ファイバー7の低速冷却の終了温度11
にするために、低速冷却11、すなわち周囲の空気にお
ける冷却よりゆっくりした冷却が行なわれることを特徴
とする。
Description
冷却ゾーンで少なくとも1つの冷却流体を接触させるこ
とによる、線引き中の光ファイバーの冷却方法に関する
ものである。
バーが存在する。酸化物ガラスを主成分とした光ファイ
バー、フッ化物ガラスを主成分とした光ファイバー、ポ
リマー材料を主成分としたプラスチック光ファイバーな
どである。酸化物ガラスによる光ファイバーは、一般
に、シリカガラスでできており、場合によっては少なく
とも部分的にドーピングされた太い円筒形のシリカガラ
スでできたプレフォームから、高温引き抜きすなわち線
引きによって製造される。該プレフォームは、一般に直
径20から200mmで、長さが300から2000m
mである。図1は、線引き塔1の概略図である。プレフ
ォーム2は、プレフォームの温度をおよそ2000℃に
する線引き炉3内で溶融される。こうして得られたファ
イバー7は、周囲の空気によって冷却され、次に少なく
とも1台の冷却装置4で冷却され、さらに再び周囲の空
気で冷却され、その後に被覆装置5に入れられる。線引
き塔1における冷却装置4の位置は、一般に、樹脂のコ
ーティングのレベルで好ましいファイバーの温度を得る
ために最適化される。この被覆装置5は、ほとんどの場
合、紫外線で硬化される少なくとも1つのの被覆樹脂に
よって、ファイバー7の被覆を行う。装置5は一般に、
少なくとも一台の硬化装置(5b、5d)をともなう少
なくとも一台の射出装置(5a、5c)を有する。図1
に示された例においては、装置5は、紫外線による樹脂
の硬化装置5bをともなう、樹脂の一次射出装置5aを
有し、さらに紫外線による樹脂の硬化装置5dをともな
う樹脂の二次射出装置5cを備える。さらに、被覆され
た光ファイバー8は、キャプスタン6によって引き出さ
れ、さらに巻取りコイル9に巻き付けられる。
下降垂直軸Zに沿って配置され、一般に、座標zが示し
ているような、線引き炉3の下部に対するそれらの位置
によって位置が定められる。図1に示されている装置の
あらゆるエレメントは、当業者によってよく知られてい
る。ここに示されていないその他のエレメントもまた、
当業者によってよく知られている。このようにして、た
とえば、被覆されていないファイバー及び/または被覆
されているファイバーの直径の測定手段、一次及び/ま
たは二次被覆におけるファイバーの偏心測定手段、さら
に一定の距離でのファイバーの温度測定手段は、従来の
技術に属している。
の温度を、被覆樹脂の塗布と相容れる温度、すなわちお
よそ50℃にすることを可能にしなければならない。実
際に、線引き炉から出されたファイバーの温度は、用い
る線引き炉及び線引き速度に応じて、シリカを主成分と
したファイバーについては、一般に、およそ1000か
ら2000℃と高い。線引き炉から出されてから、被覆
装置に投入されるまでの間のファイバーの冷却は、線引
きにおいて解決すべき重要な問題の1つであり、それ
は、線引き速度を高めることが望まれているだけに一層
深刻な問題となる。実際に、ファイバーの減衰は冷却条
件に応じて異なり、さらに、被覆装置への投入時のファ
イバーの温度が高すぎる場合には、そのことが、被覆に
おけるファイバーの偏心とともに前記被覆の品質の問題
を引き起こす恐れがある。ところで、工業生産における
シリカを主成分としたファイバーの線引き速度は、数年
前にはまだ300m/分であったが、次第に増大し、現
在ではおよそ1500m/分あるいはそれ以上の値に達
している。こうした傾向は、今日、光ファイバー産業の
重要な目標の1つである生産性の増大に結びいて確認さ
れている。
ーの製造の場合には、方法の原理は同じであるが、プレ
フォームは一般により小さいサイズ、数cmから数十c
m、たとえば10cmの最大長について、一般に15か
ら20mmの直径を有し、線引き炉から出された時の温
度は一般に、300から450℃である。この場合、同
じ技術的問題が生じる恐れがある。同じように、ポリマ
ー材料を主成分とした光ファイバーの製造の場合には、
プレフォームは一般により小さいサイズであり、一般に
数十cmの最大長さ、たとえば50cmの最大長さにつ
いて、数十mmの直径、たとえば80mmの直径を有
し、線引き炉から出された時の温度は一般に200から
250℃であり、ここでも同じ技術的問題が生じる恐れ
がある。以下の説明において、シリカを主成分とした光
ファイバーについて述べるが、シリカとは異なるガラス
を主成分とした光ファイバーを含む他のタイプの光ファ
イバーに対しても同じ説明が適用される。
るために、さまざまな装置が開発された。考えられる解
決策の一つは、特に、線引き炉と被覆装置との間の距離
を増大させることによって、冷却されるファイバーと周
囲の空気との間の熱交換面積を増大させるという方法で
ある。しかし、このような解決策は、現在使用されてい
る線引き塔の高さを増大させることを前提にし、それ
は、主に投資という観点からするとあまりに高くつく。
に存在する距離において、冷却効率を増大させる方法で
ある。現在使用されている線引き塔にとっては非常に不
十分であることが明らかな周囲の空気による単純な冷却
に加えて、たとえばEP−A1−0079186によっ
て表された工業的に使用されているさまざまな装置に共
通の原理は、線引き炉の出口から任意の距離においてフ
ァイバーの表面に向って径方向にガスを噴射し、熱交換
パイプ内におけるファイバーの一定の長さにわたって上
昇するまたは下降する前記ガスの循環からなる。一般
に、空気、二酸化炭素、窒素、アルゴンまたはヘリウ
ム、好ましくは場合によって窒素に混合されたヘリウム
のような、当業者によってよく知られている前記ガスの
熱伝導性が、熱伝達源となる。好ましくは、パイプは、
一般に水である冷却流体を用いて周辺が冷却される。た
とえば、US−A−4761168は、特殊な形状の交
換パイプの中をファイバーに沿ってガスを循環させるこ
とによって、ファイバーに沿って循環するガスの境界層
を定期的に交換することができるという点における、こ
のようなシステムの改良について述べている。このよう
な改良は、熱交換の効率を改善することを目的とする。
イバーをその後使用する際に生じる主な問題の1つは、
ファイバーの製造時にファイバーに必要となる冷却が、
線引き炉の出口で、また被覆装置への通過の前に、ファ
イバーに関連するレイリー散乱レベルを著しく上昇させ
る、したがって、使用されようとしている光ファイバー
が有する減衰の大部分を増大させてしまう恐れがある点
である。ところで、使用される波長すなわち1310n
mまたは1550nm近くにおける光ファイバーの減衰
は、前記ファイバーに光の信号をできるだけ効率よく伝
達するためにできるだけ弱くなければならない。
小化する、独自の方法及び/または装置によって得られ
る冷却のプロファイルを規定するために、さまざまな解
決策がすでに提案された。一般に、低速冷却のプロファ
イル、すなわち周囲の空気よる冷却よりゆっくりとした
冷却に少なくとも部分的に頼ることが提案されている。
たとえば、DE−A1−3713029は、線引き炉の
出口における低速冷却の実施を示している。
機械的強度を低下させることなく、理論上の最小限の減
衰に比べて、十分な減衰の最適な低下を得ることができ
ないという点で、十分なものではない。
光ファイバーの改良された冷却を可能にしながら、従来
の技術の冷却システムの不都合を解消することを目的と
する。本発明は特に、従来の技術によって良く知られた
冷却システムに比べて、本発明による冷却方法を使用す
る線引き法によって製造されたファイバーのレイリー散
乱、したがって減衰を保つ、さらには著しく減少させ、
ファイバーの機械的強度を保ことを目的とする。
なくとも1つの冷却ゾーンで少なくとも1つの冷却流体
を接触させることによる、線引き中の光ファイバーの冷
却方法であって、高速冷却、すなわち周囲の空気におけ
る冷却より速い冷却を行い、高速冷却ゾーンにおいて、
シリカガラスを主成分とするファイバーについては20
00℃から1500℃の間、フッ化物ガラスを主成分と
するファイバーについては450℃から250℃の間、
ポリマー材料を主成分とするファイバーの場合には25
0℃から175℃の間のファイバーの初期温度から、シ
リカガラスを主成分としたファイバーについては170
0℃から1200℃の間、フッ化物ガラスを主成分とし
たファイバーについては400℃から200℃の間、ポ
リマー材料を主成分としたファイバーの場合には225
℃から75℃の間の前記ファイバーの高速冷却の終了温
度にし、それに続いて、低速冷却、すなわち周囲の空気
における冷却よりゆっくりな冷却を行い、低速冷却ゾー
ンにおいて、シリカガラスを主成分とするファイバーに
ついては1700℃から1000℃の間、フッ化物ガラ
スを主成分とするファイバーについては400℃から1
50℃の間、ポリマー材料を主成分とするファイバーの
場合には225℃から50℃の間のファイバーの低速冷
却の開始温度から、シリカガラスを主成分としたファイ
バーについては1500℃から700℃の間、フッ化物
ガラスを主成分としたファイバーについては350℃か
ら25℃の間、ポリマー材料を主成分としたファイバー
の場合には200℃から25℃の間の前記ファイバーの
低速冷却の終了温度にすることを特徴とする、線引き中
の光ファイバーの冷却方法を対象とする。
のではないが、高速冷却ゾーンと低速冷却ゾーンとの間
に存在することができる。
における冷却と比べ、少なくとも同じぐらいの速さで、
好ましくはより速く行なわれる。いいかえれば、Tをフ
ァイバーの温度、tを時間とすると、高速冷却の瞬間的
勾配dT/dtは、高速冷却については、周囲の空気に
置かれたファイバーの冷却についての前記瞬間的勾配よ
りも大きい値をとる。前記瞬間的勾配は、高速冷却につ
いては、好ましくは、高速冷却ゾーンにおいて平均し
て、より好ましくは、高速冷却ゾーンの大部分におい
て、さらに好ましくは高速冷却ゾーンのほとんどすべて
において、周囲の空気に置かれたファイバーの冷却につ
いての前記瞬間的勾配よりも大きい値をとる。
における冷却と比べ、少なくとも同じぐらいゆっくり
と、好ましくはよりゆっくり行なわれる。いいかえれ
ば、Tをファイバーの温度、tを時間とすると、低速冷
却の瞬間的勾配dT/dtは、低速冷却については、周
囲の空気に置かれたファイバーの冷却についての前記瞬
間的勾配よりも小さい値をとる。前記瞬間的勾配は、低
速冷却については、好ましくは、低速冷却ゾーンにおい
て平均して、より好ましくは、低速冷却ゾーンの大部分
において、さらに好ましくは低速冷却ゾーンのほとんど
すべてにおいて、周囲の空気に置かれたファイバーの冷
却についての前記瞬間的勾配よりも小さい値をとる。
却ゾーンの温度のプロファイルは、クラッドの仮想(仏
語でfictive)の温度(Tfg)ができるだけ高
くなり、コアの仮想温度(Tfc)ができるだけ低くな
るように確立される。
による冷却方法を使用する線引きによって製造されるフ
ァイバーの機械的強度を改良することによって、冷却の
際のファイバーの減衰を保つことができる。機械的強度
は、ウェイブル(Weibull)の統計的法則を使用
することによって、このようにしてテストされたファイ
バーの統計的分布において、縦方向の伸びを受ける被覆
された光ファイバーの50%の破断に関するベルコア
(Bellcore)規格CR20の2/1998版に
よって規定される。
ってよく知られている。コアは、光のエネルギーの少な
くともおよそ50%が伝えられる部分、すなわち光ファ
イバーの中央部分に相当する。従来、直径125μmま
でに延在する部分、すなわちコアを補足する光ファイバ
ーの周囲部分をクラッドと呼ぶ。ここで対象となるの
は、機械的特性に対して、とりわけ光ファイバーの機械
的強度に対して影響を及ぼす、光ファイバーの周辺にお
けるクラッドの部分である。クラッドの仮想温度につい
て説明する。たとえば、プラズマの堆積が充填されるM
CVD(内付けCVD)タイプの方法によって製作され
る一次プレフォームから製造される光ファイバーの場合
には、充填の仮想温度が問題となる。
解するために、ガラス分野において最近導入された考え
方である。仮想温度は、一定の特性pのために、場合に
よっては一定のドーピングが行なわれたシリカ組成の熱
履歴を利用する。この考え方は、光ファイバー、とりわ
け線引き中の光ファイバーに適用することができる。こ
れまでは、この温度は、赤外線分析またはラマン分析に
よって材料で間接的に測定されている。本明細書におい
ては、レイリー散乱に関連した仮想温度について説明す
る。
度は、一定の組成について、そこに必要とされる冷却の
プロファイルに応じて継続的に下がり、前記シリカの温
度が、そのガラス転位温度より低くなると一定の値をと
る。
がなされている。ここでは、C.T.Moynihan
の論文、“Phenomenology of the
Structural Relaxation Pr
ocess and theGlass Transi
tion(構造的緩和プロセスとガラス転位の現象
学)”、Assignment of Glass T
ransition、ATM STP 1249、e
d.American Society fortes
ting and materials、1994、p
p.32−49とO.S.Narayanaswamy
の論文、Journal of theAmerica
n Ceramics Society, 1971
年, 54(10), pp.491−498と関連さ
せて、G.W.Schererの論文“Relaxai
on in Glass and Composite
s(ガラスと複合材料における緩和)”、Kriege
r Publishing,1992年を参照しよう。
これらの論文から、プログラミングによって、一定の組
成のガラスの緩和特性に基づいて仮想温度の計算をシミ
ュレーションすることが可能になった。前記シミュレー
ションは、可変的冷却条件に応じて再加熱され、高速冷
却で強化処理されるファイバーの機械的強度と減衰の測
定に基づいて、実験結果から相関させた。
あることから、本発明による冷却方法が実施された線引
き方法によって得られた光ファイバーの減衰は、必然的
に、ファイバーのコアの仮想温度に結びついている。光
ファイバーの表面での表面作用によって、本発明による
冷却方法が実施された線引き方法によって得られた光フ
ァイバーの機械的強度は、必然的にファイバーのクラッ
ドの仮想温度に結びついている。したがって、本発明に
よる方法の実施は、ファイバーのコアの仮想温度の最適
化と、ファイバーのクラッドの仮想温度の最適化との間
に見つけられる妥協点の結果である。
には、前記冷却装置による方法が実施された線引き方法
によって得られた光ファイバーの2つの重要なパラメー
タ、すなわち減衰と機械的強度を実際に制御することが
可能である。というのも、本発明によって実施されるよ
うな高速冷却のプロファイルは、実質的に前記光ファイ
バーの減衰に影響を与えないことが確認されたからであ
る。
めに使用可能な塔の高さを限定し、高速の線引きによる
経済的必要条件に適合できるという点である。実際に、
高速冷却ゾーンの存在によって、線引き塔の高さ及び/
または線引き速度の問題を解消し、低速冷却ゾーンを増
大させる、すなわち、減衰を改良することができる。そ
の一方、このようなゾーンは、有利には、線引き速度に
関係なく、低速冷却ゾーンへのファイバーの投入温度を
制御することができる。
ルは、コアの仮想温度ができるだけ低くなるように選択
され、その結果、クラッドの仮想温度ができるだけ高く
なるように、高速冷却のプロファイルが調整される。こ
のようにして、一定の低速冷却のプロファイルを利用す
る手段を準備して、コアの仮想温度を最小限にできるよ
うに線引きが行なわれる線引き塔にその手段を配置し、
さらに、高速冷却のプロファイルを利用する手段を規定
し、クラッドの仮想温度を最大化できるように前記の線
引き塔にその手段を配置することが可能である。最初に
減衰を制御し、その制御に応じて機械的強度の最大値を
利用しようとする場合には、このような手順で行えばよ
い。ほとんど場合これに該当する。
ァイルは、クラッドの仮想温度ができるだけ高くなるよ
うに選択され、その結果、コアの仮想温度ができるだけ
低くなるように低速冷却のプロファイルが調整される。
このようにして、一定の高速冷却のプロファイルを利用
する手段を準備し、クラッドの仮想温度を最大化できる
ように線引きが行なわれる線引き塔にその手段を配置
し、さらに、低速冷却のプロファイルを利用する手段を
規定し、コアの仮想温度を最小化できるように前記線引
き塔にその手段を配置することが可能である。最初に機
械的強度を制御し、その制御に応じて減衰の最小値を利
用しようとする場合には、このような手順で行えばよ
い。
ァイバーの初期温度は、線引き塔の出口におけるファイ
バーの温度とほぼ等しくなる。高速冷却ゾーンの出口に
おけるファイバーの温度は、先に説明したように、クラ
ッドの組成によって異なり、得ようとするクラッドの仮
想温度から確立される。
ァイバーの初期温度及び低速冷却ゾーンの出口における
ファイバーの温度は、先に説明したように、両者ともコ
アの組成によって異なり、得ようとするコアの仮想温度
から確立される。
は、前記低速冷却に続いて、第2の高速冷却ゾーンにお
ける追加の高速冷却が行なわれる。
ファイバーの機械的特性及び光学的特性を損なうことは
なしに、ファイバーの温度を、コーティングゾーンの入
口の温度にさせる。
て説明してきたが、先に記載した他のカテゴリのファイ
バーにも適用され、当業者によって良く知られているよ
うに、それとともに温度範囲も適合される。
素、二酸化炭素、ヘリウムによって形成されるグループ
の中から選択される。好ましくは、前記冷却流体は、場
合によっては窒素に混合されたヘリウムとする。
高速冷却装置と、1台の一定の低速冷却装置とを有す
る、本発明による方法を実施する装置に関するものであ
る。
い例として与えられる以下の説明によって、本発明がよ
りよく理解され、その他の特徴及び利点が明らかになる
だろう。
術の関連で説明した。線引き塔1は、線引き炉3と、従
来の技術による冷却装置4と、被覆装置5と、キャプス
タン6と、巻取りコイル9を備える。
明の方法による冷却装置12を除き、図1のあらゆるエ
レメントが示されている。前記冷却装置12は、高速冷
却ゾーン100を画定する第1の高速冷却装置10と、
低速冷却ゾーン101を画定する第2の低速冷却装置1
1とを備える。これら2つの装置は、一方が他方の上方
に位置し、そうして高さhの移行ゾーン105の範囲を
限定する。高さhはどんな値をとってもかまわない。
ば、本発明による冷却装置はさらに、高速冷却ゾーン1
02を規定する高速冷却パイプ13を備える。パイプ1
3の存在は、たとえば、低速冷却装置11の出口と被覆
装置5の入口との間で、周囲空気によってファイバー7
を冷却するための十分なスペースがあるという理由か
ら、不要なものとすることもできる。逆に、パイプ13
のような高速冷却装置の存在は、ファイバー7が、使用
可能なスペースにおいて被覆装置5内への投入温度に達
するために必要なものとすることもできる。この距離に
おいて、装置13は、ファイバー7からつくられた被覆
されたファイバー8の機械的特性及び/または光学的特
性にもはや実際には影響を与えず、ファイバー7の種々
の構成要素は、低速冷却装置11の出口で十分に固定さ
れる。
しているが、だからといって本発明の範囲を限定するも
のではない。
バーのいくつかの冷却曲線を示しているが、この装置は
図2に示されている装置と比べると、装置10及び13
を有していない。線引き炉3の出口の温度は1800
℃、線引きの炉3と被覆装置5との間の全高は9m、線
引き速度は900m/分である。このようにして、線引
き炉3の出口に、低速冷却装置11だけが存在する従来
の技術による場合が示されている。一定の効率を有する
長さ5mの再加熱装置11を使用することができる。横
座標には、メートルで表わされる線引き炉3の下からの
距離zが示され(図2参照)、縦座標には℃で表わされ
るファイバーの温度Tが示されている。冷却曲線の連続
部分の式は以下のようなタイプになる。
e、T0は、ガラスの緩和のパラメータである。それぞ
れ、再加熱装置11への投入温度T11、それぞれ16
60℃、1400℃、1170℃について、曲線31、
32、33が示されている。また、線引き炉3と被覆装
置5との間に冷却装置10、11、13のいずれももた
ない、空気による単純冷却の比較用曲線30が示され
る。
き装置において低速冷却装置11内への℃で表わされる
投入温度T11に応じて、縦座標に℃を単位とするファ
イバー7のコアの仮想温度Tfcを示している。このと
き、およそ1400℃の前記投入温度T11の最適値が
存在することが分かるが、その最適値については、ファ
イバー7のコアの仮想温度Tfcは、およそ1202℃
であり、最低となる。したがって、線引き塔1’の装置
11の最終位置は、この最低投入温度によって決定され
る。その値については、クラッドの仮想温度Tfgはお
よそ1423℃である。
る長さ20cmの高速冷却装置10を使用することがで
き、装置13をもたずに、図2による線引き装置を製作
するように、線引き塔1の線引き炉3と装置11の間に
高速冷却装置を置く。低速冷却装置への投入温度をT
11に保ちながら、クラッドの仮想温度Tfgについて
1440℃で最高値を得ることができるように、前記装
置10が調整される。こうして、常におよそ1202℃
のコアの仮想温度Tfcが予測される。
る空気による単純冷却は、およそ1259℃のコアの仮
想温度Tfcと、およそ1480℃のクラッドの仮想温
度T fgを与える。
最終的に課せられる冷却曲線50を示している。曲線3
0と32(図3参照)はあくまで目安として示されてい
る。高速冷却10の曲線50eと、それに続く低速冷却
11の曲線50dと、さらにその後の周囲の空気による
冷却50cが区別されるが、この冷却は、曲線50aに
表されているように被覆装置5まで続けられる、あるい
はまた曲線50bのように、装置5まで高速冷却13に
よって延長される。
ともなう高速冷却10を含む冷却段階を経た、線引き塔
1’で作られた被覆された光ファイバー8は、主に、空
気による冷却における0.005dB/km未満の減衰
レベルを保ちながらも、従来の技術の条件において製作
されたファイバーに比べて、1から10%改良された機
械的強度という観点から、改良された特性を有してい
る。
上述の実施形態に限定されるものではない。とりわけ、
コアの仮想温度Tfcが最小化され、クラッドの仮想温
度T fgが最大化された時に、線引き炉3の下からの全
ての距離に、線引き炉3の下と被覆装置5の上との間に
冷却装置12を置くことも可能である。
み込む線引き装置の概略図である。
む線引き装置の概略図である。
かの冷却曲線を示すグラフである。
同じ線引き装置における低速冷却装置11内の入口の温
度に応じて変化する、℃を単位とするファイバー7のコ
アの仮想温度が縦座標に示されているグラフである。
された冷却曲線を示すグラフである。
Claims (5)
- 【請求項1】 少なくとも1つの冷却ゾーン(10、1
1、13)で少なくとも1つの冷却流体と接触させるこ
とによる、線引き中の光ファイバー(7)の冷却方法で
あって、高速冷却(10)、すなわち周囲の空気におけ
る冷却より速い冷却を行い、高速冷却ゾーン(100)
において、シリカガラスを主成分とするファイバーにつ
いては2000℃から1500℃の間、フッ化物ガラス
を主成分とするファイバーについては450℃から25
0℃の間、ポリマー材料を主成分とするファイバーの場
合には250℃から175℃の間のファイバー(7)の
初期温度から、シリカガラスを主成分としたファイバー
については1700℃から1200℃の間、フッ化物ガ
ラスを主成分としたファイバーについては400℃から
200℃の間、ポリマー材料を主成分としたファイバー
の場合には225℃から75℃の間の前記ファイバーの
高速冷却(10)の終了温度にして、それに続いて、低
速冷却(11)、すなわち周囲の空気における冷却より
ゆっくりとした冷却を行い、低速冷却ゾーン(101)
において、シリカガラスを主成分とするファイバーにつ
いては1700℃から1000℃の間、フッ化物ガラス
を主成分とするファイバーについては400℃から15
0℃の間、ポリマー材料を主成分とするファイバーの場
合には225℃から50℃の間の前記ファイバー(7)
の低速冷却(11)の開始温度から、シリカガラスを主
成分としたファイバーについては1500℃から700
℃の間、フッ化物ガラスを主成分としたファイバーにつ
いては350℃から25℃の間、ポリマー材料を主成分
としたファイバーの場合には200℃から25℃の間の
前記ファイバー(7)の低速冷却の終了温度(11)に
することを特徴とする、線引き中の光ファイバー(7)
の冷却方法。 - 【請求項2】 各冷却ゾーン(10、11)の温度のプ
ロファイルが、クラッドの仮想温度(Tfg)ができる
だけ高くなり、コアの仮想温度(Tfc)ができるだけ
低くなるように確立される請求項1に記載の方法。 - 【請求項3】 低速冷却(11)のプロファイルが、コ
アの仮想温度(Tf c)ができるだけ低くなるように選
択され、クラッドの仮想温度(Tfg)ができるだけ高
くなるように高速冷却(10)のプロファイルが調整さ
れる請求項2に記載の方法。 - 【請求項4】 高速冷却(10)のプロファイルが、ク
ラッドの仮想温度(Tfg)ができるだけ高くなるよう
に選択され、コアの仮想温度(Tfc)ができるだけ高
くなるように低速冷却(11)のプロファイルが調整さ
れる請求項2に記載の方法。 - 【請求項5】 前記低速冷却(11)に続いて、第2の
高速冷却ゾーン(102)において追加の高速冷却(1
3)が行なわれる請求項1から4のいずれか一項に記載
の方法。
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