JP2001189607A - 非可逆回路素子及びその製造方法 - Google Patents

非可逆回路素子及びその製造方法

Info

Publication number
JP2001189607A
JP2001189607A JP37437299A JP37437299A JP2001189607A JP 2001189607 A JP2001189607 A JP 2001189607A JP 37437299 A JP37437299 A JP 37437299A JP 37437299 A JP37437299 A JP 37437299A JP 2001189607 A JP2001189607 A JP 2001189607A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
center conductor
conductor assembly
element substrate
capacitive element
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP37437299A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideto Mikami
秀人 三上
Shuichi Watanabe
修一 渡辺
Hiroyuki Ito
博之 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Proterial Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Metals Ltd filed Critical Hitachi Metals Ltd
Priority to JP37437299A priority Critical patent/JP2001189607A/ja
Publication of JP2001189607A publication Critical patent/JP2001189607A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Non-Reversible Transmitting Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 中心導体組立体と容量素子基板を内面電極同
士で接続するとき、電気的にも機械的にも確実かつ強固
であって、かつ製造容易で大量生産向きな非可逆回路素
子及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 フェライト及びこのフェライトと絶縁状
態を保って配置された中心導体10とを有する中心導体
組立体1と、略中央に形成した凹穴20内に中心導体組
立体1を収容し、中心導体組立体1と電気的に接続され
た容量素子基板2と、中心導体組立体1に直流磁界を印
加する永久磁石4と、これらを磁性ヨークを兼ねる金属
製上下ケース5、6内に配置してなる非可逆回路素子で
あって、前記中心導体組立体1及び/又は容量素子基板
2を積層燒結体で形成すると共に、中心導体組立体の外
側面電極11と容量素子基板の内側面電極22の下部に
非導通部17、220を有する半割スルーホールを形成
し、外側面電極11と内側面電極22を対向配置し電極
材を充填して両者を接続した非可逆回路素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高周波信号に対し
て非可逆伝送特性を有する非可逆回路素子に関し、具体
的には携帯電話などの移動体通信システムの中で使用さ
れ、一般にアイソレータやサーキュレータと呼ばれる非
可逆回路素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】非可逆回路素子は、ガーネット等のフェ
ライトに複数の中心導体を交差させて設け、直流磁界を
磁石によってフェライトに加え、フェライト内に磁気共
鳴回転磁界を生じさせて、ある中心導体に入力された信
号を減衰させること無く特定方向の中心導体へ伝送する
回路素子である。例えば、アイソレータは、3つの中心
導体を交差させ、うち一つを無反射終端とすることによ
り、他の2つの中心導体間で、特定方向の信号はほとん
ど減衰させずに通過させるが、逆方向の信号は大きく減
衰させるような特性を持たせた非可逆回路素子である。
この様な非可逆回路素子は、移動体通信機や携帯電話機
等に使用され、送信部及び受信部内での反射波の除去、
インピーダンス整合、増幅器・発振器等の安定動作など
のために必要不可欠な回路素子となっている。
【0003】従来の非可逆回路素子の中心導体として
は、薄い銅板から成るア−ス電極から3方向に放射状に
延びたストリップラインで円盤状フェライトを包み、こ
れらのストリップラインを互いに絶縁を保ち中央120
度で交差するようにして織り込んで設けている。このよ
うにして組み立てられたフェライトは貫通穴を有する誘
電体基板内に装着され、中心導体のアース電極側はアー
ス板に、入出力電極は誘電体基板上面の外部電極にそれ
ぞれ半田付け等して接続されている。さらにフェライト
の中心導体の上には直流磁界を与えるための永久磁石と
ヨークを兼ねた金属製ケースを配置し、さらに下側の金
属製ケースとの間で磁気回路を構成して非可逆回路素子
としている。
【0004】移動体通信の分野では、このような非可逆
回路素子においても小型高性能化の要求は高まるばかり
で、今やコンマ数mm単位での低背化が求められてい
る。しかしながら、上記のような中心導体とフェライト
を織り込む構造では小型・低背化には限界がある。ま
た、中心導体に対するフェライトの位置合わせが困難で
微妙なズレがその特性に大きな影響を与えるといった問
題があった。そこで、フェライトを複数のフェライトグ
リーンシートを積層した燒結積層体となし、積層体内部
に中心導体を印刷形成したものが種々提案されている
(例えば特開平7−212107号公報)。また、同様
に誘電体基板についても複数のセラミックグリーンシー
トに整合用コンデンサを電極パターンで印刷形成しなが
ら積層し、一体燒結することが提案されている(例えば
特開平9−55607号公報)。
【0005】図10は特開平7−212107号公報で
開示された一例を示すものである。非可逆回路素子9
は、フェライト積層体90と、フェライト積層体90を
収容する基台91と、誘電体フィルム92と、遮蔽板9
3と、永久磁石94a,94bと、上部ヨーク95a
と、下部ヨーク95bとから構成されている。ここでフ
ェライト積層体90は、円板状のグリーンシートの上面
に互いに絶縁され、かつ等角度で交差する中心導体を導
電ペーストを印刷し、この上に他の同形状のグリーンシ
ートを積層密着して中心導体を挟み込み、その後、積層
したグリーンシートの側面及び上下面にそれぞれ電極と
なる導電体ペーストを印刷して焼成を行なうことで一体
燒結型のフェライト積層体90としている。
【0006】基台91には、その中央にフェライト積層
体90を収容する円形凹部96を有している。円形凹部
96の内面にはフェライト積層体90を収容したとき
に、入出力電極90b及び90cと接触導通する内部電
極91b及び91cと、アース電極90dに接触導通す
る側面アース電極91dと、下部アース電極に接触導通
し下部アース電極と同一形状のアース面電極97とが形
成されている(他のアース電極についても同様)。電極
91bは、円形凹部96の内周面から基台91の上面に
かけて形成されており、スルーホール98を介して基台
91の下部に設けられた入出力端子99に接続されてい
る。電極91cについても電極91bと同様である。
【0007】次に、フェライト積層体90を基台91の
円形凹部96に挿入すると、入出力電極90b及び90
cは、それぞれ内面電極91b及び91cに接触導通
し、スルーホールを介して入出力端子に電気的に接続さ
れる。フェライト積層体90の上面には、誘電体フィル
ム92が搭載され遮蔽板93が冠着される。これによ
り、コンデンサ電極90g,90h,及び90i、誘電
体フィルム92、及び遮蔽板93は静電容量を構成す
る。遮蔽板93を冠着するとその接続部93dはアース
電極90dに接触導通すると共に側面アース電極91d
に接触導通する(以下93e、93fについても同
様)。次に、永久磁石94aは遮蔽板93の上面に搭載
され、永久磁石94bは基台91の下部に配置される。
これら永久磁石94a及び94bは、上部ヨーク95a
及び95bによって固定されている。また、上部ヨーク
95a及び下部ヨーク95bは、互いに接続部を接続す
ることにより閉磁路を構成している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】さて、繰り返すようで
あるがこの分野では小型であると共に性能的にも高い信
頼性が要求される。例えば外部からのノイズによる誤作
動が少なく、かつ過酷な振動や衝撃などにも耐え得る構
造であることが必要である。ここで中心導体組立体と容
量素子基板との接続構造に着目してみると、特開平9−
55607号公報で開示されたものは、中心導体を交互
に織り込み各中心導体の電極端を容量素子基板上面に形
成した電極パターンに半田付けして接続している。これ
は従来の接続構造であって低背化に問題がある。そこで
低背化を進めるために外面電極と内面電極を対向させ側
面同士を接続する構造が考えられる。上述の特開平7−
212107号公報によるものはその例であるが、本例
では遮蔽板を側面電極に嵌着することで接触導通させた
だけの構造であった。従って、振動や衝撃に対する信頼
性に極めて乏しいと言う問題がある。また、特開平10
−178304号公報にも外側面電極と内側面電極の接
続が見られるが、この側面電極同士の接続に関し如何様
にしたかの具体的な開示はない。このように従来、側面
電極同士の接続構造について電気的また機械的に信頼性
の高い具体的な接続構造の提案はなかった。
【0009】また、従来より外面側の側面電極の形成に
は印刷や転写等の手段が使われるが、貫通穴の側面にあ
る内側面電極はこれらの手段では大量にかつ低コストで
生産することが困難であった。
【0010】以上のことより本発明は、アイソレータや
サーキュレータを構成する中心導体組立体と容量素子基
板との内外面電極部を側面同士で接続する場合、その位
置合わせが容易で、電極部が電気的にも機械的にも確実
かつ強固に接続できる信頼性の高い接続構造となした非
可逆回路素子及びこのとき内外面電極部の形成が容易で
大量生産向きな製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】そこで、本願発明者らは
中心導体組立体と容量素子基板を積層体で形成すること
によって、電極パターンの形成と共にスルーホールも容
易かつ正確に形成可能であることに着目し、このスルー
ホールを電極部に利用することにより上記問題を解決で
きると考え本発明に想到したものである。即ち、第1の
発明は、フェライト及びこのフェライトと絶縁状態を保
って配置された中心導体とを有する中心導体組立体と、
略中央に形成した凹穴内に前記中心導体組立体を収容
し、且つ中心導体組立体と電気的に接続された容量素子
基板と、前記中心導体組立体に直流磁界を印加する永久
磁石とを有し、これらを磁性ヨークを兼ねる金属製ケー
ス内に配置してなる非可逆回路素子において、前記中心
導体組立体及び/又は容量素子基板を積層燒結体で形成
すると共に、スルーホールの一部を切断することによっ
て前記中心導体組立体の外側面電極及び/又は前記容量
素子基板の内側面電極を形成し、前記外側面電極と内側
面電極を対向配置し、両者の間隙に導電材を充填して前
記中心導体組立体と容量素子基板とを側面同士で接続し
た非可逆回路素子である。
【0012】上記において、中心導体組立体の電極部は
下端までスルーホールを貫通していない非導通部を持っ
た外側面電極となし、他方の容量素子基板の電極部は下
端までスルーホールを貫通していない非導通部を持った
内側面電極となし、電極材を充填したとき下端の非導通
部を除いて接続部を形成することが望ましい。また、ス
ルーホールの一部によって形成された電極部は、単数あ
るいは10以下の複数であることが望ましい。さらに、
中心導体組立体は矩形体であると共に容量素子基板の略
中央部には中心導体組立体との間隙を0.2mm以内で
嵌合する貫通穴を有したものであることが望ましい。
【0013】また、本発明では側面電極同士を接合する
場合、その基体を積層構造体で構成しているので接続部
の少なくとも一方は確実に電極に導通させ、他方は確実
にアース板に導通させないような電極構成とするときに
有利である。即ち、第2の発明は、フェライト及び該フ
ェライトと絶縁状態を保って配置された中心導体とを有
する中心導体組立体と、この中心導体組立体を略中央に
形成した凹穴内に収容し、且つ中心導体組立体と電気的
に接続した容量素子基板と、前記中心導体部に直流磁界
を印加する永久磁石とを有し、これらを磁性ヨークを兼
ねる金属製ケース内に配置してなる非可逆回路素子にお
いて、前記中心導体組立体の各電極部は外側面の下端に
非導通部を有し上端部のみに導通する外側面電極とな
し、他方、前記容量素子基板側の各電極部は内側面の下
端に非導通部を有し整合容量を形成する容量電極のみに
導通する内側面電極となし、これら外側面電極と内側面
電極を対向配置し、その間隙に導電材を充填することに
よって下端の非導通部を除いて中心導体組立体と容量素
子基板とを側面同士で接続した非可逆回路素子である。
【0014】また、本発明は、中心導体組立体と容量素
子基板のそれぞれの内外側面に電極部を容易に且つ大量
生産で形成することができる製造方法として有効であ
る。即ち、第3の発明は、フェライト及びこのフェライ
トと絶縁状態を保って配置された中心導体とを有する中
心導体組立体と、略中央に形成した凹穴内に前記中心導
体組立体を収容し、且つ中心導体組立体と電気的に接続
された容量素子基板と、前記中心導体組立体に直流磁界
を印加する永久磁石とを有し、これらを磁性ヨークを兼
ねる金属製ケース内に配置してなる非可逆回路素子の製
造方法であって、前記中心導体組立体及び/又は容量素
子基板を積層燒結体で形成し、前記中心導体組立体の電
極部及び/又は前記容量素子基板の電極部にスルーホー
ルを設け、中心導体組立体側及び容量素子基板側にスル
ーホールの一部を切断することによって、スルーホール
の一部で形成された外側面電極及び内側面電極を形成す
る工程を含む非可逆回路素子の製造方法である。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の非可逆回路素子の
実施例を図面を参照して説明する。図1は本発明の非可
逆回路素子の一実施例を示す分解斜視図、図2はその非
可逆回路素子の中心導体組立体と容量素子基板の接合部
を示す拡大上面図、図3は積層型容量素子基板の内側面
電極部の一例を示す一部斜視図、図4は他の例を示す内
側面電極部の一部斜視図、図5はさらに他の実施例を示
す内側面電極部の一部斜視図、図6は容量素子基板を積
層圧着後に貫通穴を形成する例を示す分解斜視図、図7
は同じく貫通穴を形成した後に積層圧着する例を示す分
解斜視図、図8(A)は図6の容量素子基板の完成後の
上面斜視図、(B)は同じく裏面から見た下面斜視図、
図9は積層型中心導体組立体の一例を示す分解斜視図で
ある。
【0016】先ず、図1よりこの非可逆回路素子の基本
構成としては、中心導体組立体1、中央部の貫通穴の中
に前記中心導体組立体1を組み込むようになした容量素
子基板2、この容量素子基板1に組み入れられるチップ
あるいは抵抗膜で形成した抵抗体3、中心導体組立体1
に直流磁界を印加する永久磁石4、磁性ヨークを兼ねる
金属製の上ケース5と同じく下ケース6とからなってい
る。尚、容量素子基板2と下ケース6との間に導電板、
あるいは導電板を組み入れた樹脂ケース等を挿入しても
良い。また、基板中央部の貫通穴20と中心導体組立体
1はその嵌合と位置合わせが容易かつ正確に行われるよ
うに矩形形状としているが、必ずしもこれに限ることは
なく円形や六角形、八角形等であっても良い。
【0017】ここで本実施例の中心導体組立体1は、印
刷導体パターンからなる中心導体をガ−ネット等のフェ
ライト層間に内装した一体型の積層燒結体からなり、そ
の外側面には入力電極11、出力電極13及びロード電
極15が、下面にはそれぞれのアース電極(図示せず)
が設けられている。容量素子基板2も一体型の積層燒結
体からなり、その上面には整合用のコンデンサを形成す
るための入力容量電極21、出力容量電極23と終端チ
ップ抵抗3が組まれるアース電極29及びロード電極2
5が形成され、貫通穴20の内側面には入出力容量電極
21、23と繋がる入出力電極22、24とロード側に
繋がるロード電極26が形成されている。また、容量素
子基板2の外側面には実装基板に対して電気的に接続す
るための出力端子27、アース端子28及び入力端子、
アース端子(図示せず)がそれぞれ設けられている。そ
して入出力電極とアース端子及び下ケース6あるいはア
ース板(容量素子基板2と下ケース6との間に別途アー
ス板を設けた場合)との間で共振容量が得られるように
なっている。
【0018】上記中心導体組立体1及び容量素子基板2
はそれぞれ別個に製造し、中心導体組立体1を容量素子
基板2の貫通穴20内に嵌合装着させた後、中心導体組
立体1の外側面に形成した入出力電極11、13及びロ
ード電極15を容量素子基板2の内側面に形成した入出
力電極22、24及びロード電極26にそれぞれ電気的
に接続することによって非可逆回路素子が構成される。
このように外側面電極と内側面電極という側面電極同士
を直接接続することによって、周囲空間を有効に利用し
て非可逆回路素子の高さ方向および横方向の小型化を達
成することが出来る。尚、容量素子基板2には外面側に
設けた側面電極27、28他と貫通穴20の周りに設け
た内側面電極22、24、26とがあるが、本発明では
後者を内側面電極と呼び、他方の中心導体組立体1の外
側に設けた電極を外側面電極と呼び、これらが本願発明
の対象電極である。以下、本発明の外側面電極と内側面
電極との接続構造及び製造方法について説明する。
【0019】図2は中心導体組立体1の外側面電極11
と容量素子基板2の内側面電極22との接続部を示す上
面図である。11a、11b、11cと22a、22
b、22cはそれぞれ積層体を製造する際に同時に設け
たスルーホールを切断した残りの一部であって、これを
外側面電極11と内側面電極22となしている。本例で
はφ0.2mmのスルーホールを略中央で縦方向に切断
した略半割状の電極部(以下、半割スルーホールと言う
ことがある。)11a〜11cと22a〜22cをそれ
ぞれ3個形成したものである。中心導体組立体1を容量
素子基板2の貫通穴20内に嵌合することによって外側
面電極11と内側面電極22は隙間gをもって対向配置
され、その後、隙間g部分に半田などの導電材を充填し
加熱リフローして両者を電気的かつ機械的に接合したも
のである。この接続部によれば半割スルーホール形状と
したことにより電極材の結合が強くなり機械的にも強固
な接続状態が得られる。また半田をリフローする前の状
態においても、ある程度の強度を持って組み立っている
のでハンドリング等によるズレや破損の発生が抑えられ
るので都合がよい。しかし、その数が多くあってもその
効果は変わらず逆に製造上の手間が増え煩雑になる。基
板のサイズによって変わってくるが5mm角であれば3
〜5個、7mm角であれば4〜8個程度であろう。
【0020】また、中心導体組立体1の外形と貫通穴2
0の形状は相似した矩形であり、中心導体組立体1を容
量素子基板2の貫通穴20内に挿入することによって外
側面電極11と内側面電極22の位置決めを行うと共に
半割スルーホール11a〜11cと22a〜22cを対
向配置させることができる。これによってピンポイント
的に適量の導電材30を充填し易くなり、加熱リフロー
することにより自然と両者を接合することができる。こ
のときの外側面電極11と内側面電極22の嵌合状態は
図2では少し誇張して見えるが、多くとも間隙gは0.
2mm以内になるように設定することが好ましい。ここ
では組立性も考慮して約0.1mmとしているが性能的
に安定させるには0.05mm程度を目処にする必要が
ある。これが約0.2mmを越えると半田の量が多くな
るし、リフローした際に断続部分が生じる等の可能性が
あり好ましくない。
【0021】また、半割スルーホール22a〜22c又
は11a〜11cは図3に示すように下端まで連通する
ことがないように非道通部220を形成している。これ
により導電材30が下端まで流出することなく電気的に
確実に非導通状態を保って接続することが出来るので電
気的な接続構造においても信頼性が高まるという効果が
ある。本発明の中心導体組立体及び/又は誘電体基板は
積層構造であるから、内側面であっても外側面であって
も部分的に電極を形成することが容易となる。特に下端
側に非導通部を形成する場合などグリーンシートの成形
段階で印刷パターンを変更するだけでよいので効率的
で、特に内側面電極の非導通部の形成が容易かつ正確に
行える。これによって余分な半田の流出やアース電極と
の導通短絡が抑えられると言う効果が達成される。よっ
て、上記した半割スルーホールで電極部を構成すると電
気的また機械的な接続構造として信頼性は向上する
【0022】図4は他の実施例を示す部分斜視図であ
る。本例の内側面電極72は下部に非導通部720を有
する長円状の半割スルーホール72aを1個設けたもの
である。上記したように半割スルーホールの数は電極部
の大きさ等を考慮して適宜設定すれば良いが、図のよう
な長円形でもよい。この場合の長径長さも適宜設定すれ
ばよい。この実施例では、スルーホールの数を少なくで
きるため製造コストを低減できる。また、内面電極の面
積を広くとることができるため、組立時に対向する外側
面電極の位置ズレが生じた場合にも接続の信頼性を保つ
ことができる。さらに、接合部における電気的な損失を
低減できるため低損失の非可逆回路素子を提供できる。
【0023】図5は本発明の更に他の実施例を示す容量
素子基板の部分斜視図である。本例では内側面電極82
aの上端は容量形成用電極に繋がり、他方の下端部側に
は非導通部820を形成するようにしたもので全体を平
面電極としている。この実施例では、半割スルーホール
を設けないため、積層体の内部導体パターンを容量形成
のため広く有効に活用することができ素子全体をより小
型化することが可能である。一方で機械的な結合力はさ
ほど必要でない場合であるとか、或いは複数の接続部の
うち選択的に本例のような接続構造を採るような場合に
本実施例を採用しても良い。
【0024】次に、容量素子基板2を製造方法と共に説
明する。図6及び図7は容量素子基板2の分解斜視図で
あり、図8に完成後の姿を示し、(A)は上面斜視図を
(B)は下面斜視図を示している。本例の容量素子基板
2は第1、第2、第3及び第4の誘電体層2a、2b、
2c及び2dと実装面に電気的な接続をするための脚部
201、202とからなる多層構造である。まずガラス
を主成分とした第1〜第4の誘電体層2a〜2d用のグ
リーンシートをドクターブレード法にて作成し、所定の
位置にスル−ホ−ルを開ける。第1の誘電体層2aのグ
リーンシート上には、所定の整合容量が得られるように
第1の入力容量電極21a、第1の出力容量電極23
a、第1のロード容量電極25a及び接地電極29aを
銀ペースト等の導電材で印刷する。そして、これらの整
合容量用電極について後に貫通穴を形成することによっ
て内側面電極部22、24、26を形成するような位置
にスルーホール22a、24a、26aが形成されてい
る。また、接地電極29aには、この電極をグランド電
極と接続するためのスル−ホ−ル30aが形成されてい
る。第2の誘電体層2bのグリーンシート上にはグラン
ド電極200bと後に入出力端子と連なる電極201
b、203bおよび内側面電極部22、24、26と連
なる電極202b、204b、206bを印刷し、また
第1の誘電体層2aに設けたスルーホール22a、24
a、26aに対応合致する位置にスルーホールを形成し
ておく。
【0025】第3の誘電体層2cのグリーンシート上に
は第2の入力容量電極21c、第2の出力容量電極23
c及び第2のロード容量電極25cを同様に印刷し、さ
らに第1、第2の誘電体層2a、2bと対応合致する位
置に各スルーホールを形成する。第4の誘電体層2dの
グリーンシート上には第2の誘電体層と同様にグランド
電極200dと入出力端子と連なる電極201d、20
3dを印刷形成する。第4の誘電体層2dにはグランド
電極200dとケ−ス下を接続するスルーホール300
d、301dのみが形成されている。次いで、第1〜第
4の誘電体層2a〜2dのグリーンシートと脚部20
1、202を順次積層し熱圧着して一体型の積層体を得
る。得られた積層体に中心導体組立体1が嵌合されるべ
き貫通穴20を上記スルーホールを略2分割するように
して打ち抜いて形成する。その後、シートを所定の大き
さに切断し900℃で焼成する。焼成した積層体の側面
と脚部側面および裏面に入出端子及び接地端子として銀
ペーストを塗布し焼成炉にて焼きつけて容量素子基板2
を形成するものである。
【0026】図7は図6と同様に第1〜第4の誘電体層
7a〜7d用のグリーンシートと脚部701、702を
順次積層して一体型の積層体としたものであるが、図6
は積層後に貫通穴20を形成したものであったのに対
し、図7ではそれぞれのグリーンシートに貫通穴70a
〜70dを予め設けたものを積層したものである点で相
違している。またスルーホールは設けない例を示してい
るが半割スルーホールの形で単数または複数設けても良
い。他の構成については同様であるのでここでの説明は
省略する。
【0027】次に、中心導体組立体1を製造方法と共に
説明する。この組立体はガーネット等のフェライト(中
心導体組立体用)のグリーンシートをドクターブレード
法にて作成し、このグリーンシートに所定パターンの中
心導体及び電極部をそれぞれ導電性のペ−ストを印刷し
て形成する。図9にその構造を斜視図で示すように、グ
リーンシート1a、1b、1cにはそれぞれ中心導体1
0a、10b、10cを互いに絶縁を保って等角度で交
差するように設け、グリーンシート1dにはその裏面に
アース電極(図示せず)を形成している。各シートの外
側面には中心導体10aの一端と接続して入力電極11
を構成する電極(11b、11c)と、10aの他端と
接続してアース電極に接続する電極(12b、12c、
12d)と、また中心導体10bの一端と接続してロー
ド電極15を構成する電極(15a、15c)と、10
bの他端と接続してアース電極に接続する電極(16
a、16c、16d)と、同じく中心導体10cの一端
と接続して出力電極13を構成する電極(13a、13
b)と、10cの他端と接続してアース電極に接続する
電極(14a、14b、14d)の各電極部を形成して
いる。
【0028】このとき電極部11、13及び15の外側
面の端部には下層のグリーンシート1dを除いて貫通す
るスルーホールを形成しておく(図示せず)。このよう
にして形成したグリーンシートを重ねて熱圧着し、積層
体を得た後スルーホールを2分割するような位置でこの
積層体を所定の大きさの所定の形状に切断する。その
後、これをフェライトの所定の焼成温度で焼成し次い
で、焼成体の下面、側面に銀ペーストを焼き付けること
によってグランド電極、入出力電極を形成する。以上に
より電極11、13及び15の下端に非導通部を有しス
ルーホールの一部で構成された半割状の外側面電極11
a〜11cが形成された(図2参照)中心導体組立体1
が得られる。尚、ここで外側面電極の場合はスルーホー
ルを利用した半割状電極部とするまでもなく、単に下端
に非導通部を有した平面電極部としても良い。
【0029】以上のように本発明の非可逆回路素子の製
造方法によれば、スルーホールを利用しているので内側
面電極と外側面電極及びこれらの中にある非導通部など
を極めて正確かつ容易に形成することが出来る。従来の
ような印刷や転写などの手段より効率的で大量生産向き
であり低コスト化も可能である。尚、上記した実施例は
本発明の一例を示すものであってこれに限定されるもの
ではない。本発明は他の実施態様によっても実施するこ
とが出来る。例えば、穴20が貫通でなくキャビティ状
の底があるものにも適用できる。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、容
量素子基板の貫通穴の中に中心導体組立体を収容し、両
者の側面電極同士を接続する構造としたので非可逆回路
素子の特に高さ方向の小型化に有効である。このとき、
内側面電極及び/又は外側面電極をスルーホールの一部
を用いた電極構造とすることによって両者の電気的な接
続および機械的な接続において高信頼性を発揮すること
が出来る。また、中心導体積層体と磁石の間や、中心導
体積層体と金属下ケ−スの間に、容量素子基板との電気
的接続を取るための基板等の介在物を入れないで漏れ磁
束を小さくできることから磁石を薄くしさらに低背化を
進めることが可能となる。また、本発明によれば製造面
においても効率的に大量生産が可能となる。よって、低
背化と信頼性の向上をはかった非可逆回路素子を得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の非可逆回路素子の一実施例を示す分解
斜視図である。
【図2】実施例の中心導体組立体と容量素子基板の接合
部を示す拡大上面図である。
【図3】積層型容量素子基板の内側面電極部の一例を示
す一部斜視図である。
【図4】積層型容量素子基板の他の例を示す内側面電極
部の一部斜視図である。
【図5】本発明のさらに他の実施例を示す内側面電極部
の一部斜視図である。
【図6】容量素子基板を積層圧着後に貫通穴を形成する
例を示す分解斜視図である。
【図7】同じく貫通穴を形成した後に積層圧着する例を
示す分解斜視図である。
【図8】図6の容量素子基板の完成後の姿を示し、
(A)は上面斜視図を(B)は下面斜視図である。
【図9】積層型中心導体組立体の一例を示す分解斜視図
である。
【図10】従来の非可逆回路素子の構造の一例を示す斜
視図である。
【符号の説明】
1:中心導体組立体 2、7、8:容量素子基板 3:抵抗素子 4:永久磁石 5:金属上ケース 6:金属下ケース 10a、10b、10c:中心導体、11、13、1
5:外側面電極、11a、11b、11c:半割スルー
ホール電極、20:貫通穴、21、23、25:整合容
量用電極、22、24、26:内側面電極、22a、2
2b、22c:半割スルーホール電極、220、72
0、820:非導通部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェライト及びこのフェライトと絶縁状
    態を保って配置された中心導体とを有する中心導体組立
    体と、略中央に形成した凹穴内に前記中心導体組立体を
    収容し、且つ中心導体組立体と電気的に接続された容量
    素子基板と、前記中心導体組立体に直流磁界を印加する
    永久磁石とを有し、これらを磁性ヨークを兼ねる金属製
    ケース内に配置してなる非可逆回路素子において、前記
    中心導体組立体及び/又は容量素子基板を積層燒結体で
    形成すると共に、スルーホールの一部を切断することに
    よって前記中心導体組立体の外側面電極及び/又は前記
    容量素子基板の内側面電極を形成し、前記外側面電極と
    内側面電極を対向配置し、両者の間隙に導電材を充填し
    て前記中心導体組立体と容量素子基板とを側面同士で接
    続したことを特徴とする非可逆回路素子。
  2. 【請求項2】 前記中心導体組立体の電極部は下端まで
    スルーホールを貫通していない非導通部を持った外側面
    電極となし、他方、前記容量素子基板の電極部は下端ま
    でスルーホールを貫通していない非導通部を持った内側
    面電極となし、電極材を充填したとき下端の非導通部を
    除いて接続部を形成したことを特徴とする請求項1記載
    の非可逆回路素子。
  3. 【請求項3】 前記スルーホールの一部によって形成さ
    れた電極部は、単数あるいは10以下の複数からなるこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載の非可逆回路素
    子。
  4. 【請求項4】 フェライト及び該フェライトと絶縁状態
    を保って配置された中心導体とを有する中心導体組立体
    と、この中心導体組立体を略中央に形成した凹穴内に収
    容し、且つ中心導体組立体と電気的に接続した容量素子
    基板と、前記中心導体部に直流磁界を印加する永久磁石
    とを有し、これらを磁性ヨークを兼ねる金属製ケース内
    に配置してなる非可逆回路素子において、前記中心導体
    組立体の電極部は外側面の下端に非導通部を有し上端部
    のみに導通する外側面電極となし、他方、前記容量素子
    基板側の電極部は内側面の下端に非導通部を有し整合容
    量を形成する容量電極のみに導通する内側面電極とな
    し、これら外側面電極と内側面電極を対向配置し、その
    間隙に導電材を充填することによって下端の非導通部を
    除いて中心導体組立体と容量素子基板とを側面同士で接
    続したことを特徴とする非可逆回路素子。
  5. 【請求項5】 前記中心導体組立体は矩形体であると共
    に前記容量素子基板の略中央部には前記中心導体組立体
    との間隙を0.2mm以内で嵌合する貫通穴を有したも
    のであることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記
    載の非可逆回路素子。
  6. 【請求項6】 フェライト及びこのフェライトと絶縁状
    態を保って配置された中心導体とを有する中心導体組立
    体と、略中央に形成した凹穴内に前記中心導体組立体を
    収容し、且つ中心導体組立体と電気的に接続された容量
    素子基板と、前記中心導体組立体に直流磁界を印加する
    永久磁石とを有し、これらを磁性ヨークを兼ねる金属製
    ケース内に配置してなる非可逆回路素子の製造方法であ
    って、前記中心導体組立体及び/又は容量素子基板を積
    層燒結体で形成し、前記中心導体組立体の電極部及び/
    又は前記容量素子基板の電極部にスルーホールを設け、
    中心導体組立体側及び容量素子基板側にスルーホールの
    一部を切断することによって、スルーホールの一部で形
    成された外側面電極及び内側面電極を形成する工程を含
    むことを特徴とする非可逆回路素子の製造方法。
JP37437299A 1999-12-28 1999-12-28 非可逆回路素子及びその製造方法 Pending JP2001189607A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP37437299A JP2001189607A (ja) 1999-12-28 1999-12-28 非可逆回路素子及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP37437299A JP2001189607A (ja) 1999-12-28 1999-12-28 非可逆回路素子及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001189607A true JP2001189607A (ja) 2001-07-10

Family

ID=18503741

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP37437299A Pending JP2001189607A (ja) 1999-12-28 1999-12-28 非可逆回路素子及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001189607A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009170737A (ja) * 2008-01-18 2009-07-30 Murata Mfg Co Ltd 電子部品

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009170737A (ja) * 2008-01-18 2009-07-30 Murata Mfg Co Ltd 電子部品

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1939973B1 (en) Irreversible circuit element, its manufacturing method and communication apparatus
JP4345709B2 (ja) 非可逆回路素子、その製造方法及び通信装置
US8058945B2 (en) Ferrite magnet device, nonreciprocal circuit device, and composite electronic component
US20060022766A1 (en) High frequency circuit module having non-reciprocal circuit element
KR20010090579A (ko) 비가역 회로소자 및 이를 사용한 무선 통신기기
JP2001326503A (ja) 非可逆回路素子及び通信装置
JP3680682B2 (ja) 非可逆回路素子および通信機装置
JP2001189607A (ja) 非可逆回路素子及びその製造方法
JP4517326B2 (ja) 非可逆回路素子及びこれを用いた無線通信機器
JP3939622B2 (ja) 非可逆回路素子及びアイソレータ並びに非可逆回路素子の製造方法
JP2003142903A (ja) 非可逆回路素子及び通信装置
JP2002026615A (ja) 非可逆回路素子および通信装置
KR20000062780A (ko) 비가역 회로 소자 및 그 제조 방법과 그를 이용한 무선단말 장치
JP2001077605A (ja) 非可逆回路素子及び通信機装置
JPH10284907A (ja) 非可逆回路素子
JP3829806B2 (ja) 積層基板、積層基板の製造方法、非可逆回路素子および通信装置
US6888432B2 (en) Laminated substrate, method of producing the same, nonreciprocal circuit element, and communication device
JPH088610A (ja) 非可逆回路素子
JP4636355B2 (ja) 中心導体組立体およびこれを用いた非可逆回路素子
JP2004015430A (ja) 2ポート型非可逆回路素子および通信装置
JP2002164712A (ja) 中心電極組立体、非可逆回路素子及び通信装置
JP3683220B2 (ja) 非可逆回路素子
JP3948391B2 (ja) 非可逆回路素子、その製造方法及び通信装置
JP2004350164A (ja) 非可逆回路素子、非可逆回路素子の製造方法および通信装置
JP3705275B2 (ja) 非可逆回路素子の製造方法及び通信機装置