JP2001181500A - ウエルドを有する成形品用ナイロン樹脂組成物 - Google Patents

ウエルドを有する成形品用ナイロン樹脂組成物

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JP2001181500A
JP2001181500A JP36908899A JP36908899A JP2001181500A JP 2001181500 A JP2001181500 A JP 2001181500A JP 36908899 A JP36908899 A JP 36908899A JP 36908899 A JP36908899 A JP 36908899A JP 2001181500 A JP2001181500 A JP 2001181500A
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Naoki Miyake
直木 三宅
Miki Terada
幹 寺田
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】強靱性、耐オイル・ガソリン性、耐磨耗性、な
どナイロン樹脂本来の特性にも均衡して優れたウエルド
強度、耐熱性を有するナイロン樹脂組成物を提供する。 【解決手段】(A)ナイロン樹脂100重量部に対し
て、(B)銅化合物を0.01〜5重量部、(C)フェ
ノール系安定剤0.1〜1.0重量部を配合してなるこ
とを特徴とするウエルドを有する成形品用ナイロン樹脂
組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性、成形品表
面外観、寸法安定性、特にウエルド部強度が優れたナイ
ロン樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ナイロン樹脂は、その優れた射出成形
性、耐熱性、強靱性、耐オイル・ガソリン性、耐磨耗性
などを利用して、自動車、機械部品から一般機器等の幅
広い分野で射出成形品として利用されている。上記分野
でのナイロン樹脂の開発経緯は基本的には金属材料から
の代替が多く、軽量化、防錆化などの利点の多い部品か
ら実用化が進んできた。更に最近はナイロン樹脂材料の
高性能化および成形加工技術の進展に伴い大型且つ複雑
形状で、従来技術では樹脂化が困難とされてきた部品へ
のナイロン樹脂の適用が検討されるようになってきてお
り、益々高応力下でナイロン樹脂が使用されることが予
想される。このような状況のなかで常に問題となるのが
ウエルド部の強度である。例えばガラス繊維強化ナイロ
ンの場合、非ウエルド部とウエルド部ではその強度比は
2〜8倍程度までになり製品設計で常にウエルド部での
安全率は問題となっているのが現状である。
【0003】これら低ウエルド強度の対策として従来は
流動解析によりウエルド部を予測し、該部に応力が集中
しないような製品設計を行うことが大半であった。しか
し、この方法では実際のウエルド強度を向上させるもの
ではなく、抜本的な対策ではないと言える。また、成形
条件面では一般的に射出成形において高速充填がウエル
ド強度を低下させない条件とされているが、高速充填は
樹脂のガス焼けを発生させる。特にウエルド部が最終充
填位置の場合、ウエルド強度はガス焼けにより著しく低
下する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来のナイロン樹脂における問題点であったウエルド強度
の向上を課題とし、また、高速充填の際にもガス焼けを
発生させず、安定したウエルド強度を有する成形品用ナ
イロン樹脂組成物を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは上記
の課題を解決すべく検討した結果、主として銅化合物お
よびフェノール系安定剤の併用効果により目的が達成さ
れることを見出し本発明に到達した。即ち本発明は、 (1)(A)ナイロン樹脂100重量部に対して、
(B)銅化合物を0.01〜5重量部、(C)フェノー
ル系安定剤0.1〜1.0重量部を配合してなることを
特徴とするウエルドを有する成形品用ナイロン樹脂組成
物。 (2)(C)フェノール系安定剤が2−t−ブチルハイ
ドロキノンである前記1に記載のナイロン樹脂組成物。 (3)重量平均繊維長が100〜400μmの範囲にあ
ってかつ繊維長が60μm以下のガラス繊維の割合が全
ガラス繊維の10〜50重量%を占めるガラス繊維
(D)を、さらに含有してなる前記1〜2のいずれかに
記載のナイロン樹脂組成物。 (4)(A)ナイロン樹脂が、ナイロン66、ナイロン
6およびそれらを主成分とする共重合ナイロンの中から
選ばれた少なくとも1種である前記1〜3のいずれかに
記載のナイロン樹脂組成物。 (5)共重合ナイロンが、ナイロン6成分98〜80重
量%およびナイロン66成分2〜20重量%からなる共
重合体、またはナイロン66成分98〜80重量%およ
びナイロン6成分2〜20重量%からなる共重合体であ
る前記4記載のナイロン樹脂組成物。 (6)銅化合物が1価の銅化合物である前記1〜5のい
ずれかに記載のナイロン樹脂組成物。 (7)1価の銅化合物がハロゲン化第1銅である前記6
に記載のナイロン樹脂組成物。 (8)(A)ナイロン樹脂、(B)銅化合物、(C)フ
ェノール系安定剤、さらに(D)ガラス繊維を溶融混練
してなる前記1〜7いずれかに記載のナイロン樹脂組成
物の製造方法。 (9)ナイロン樹脂組成物に溶融混練を1回行った段階
で該組成物中のガラス繊維が請求項3の関係を満たすも
のである前記3記載のナイロン樹脂樹脂組成物の製造方
法。 (10)前記1〜9いずれかに記載のナイロン樹脂組成
物からなる成形品。を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる(A)ナイロ
ン樹脂とは、アミノ酸、ラクタムあるいはジアミンとジ
カルボン酸を主たる構成成分とするナイロンである。そ
の主要構成成分の代表例としては、6ーアミノカプロン
酸、11ーアミノウンデカン酸、12ーアミノドデカン
酸、パラアミノメチル安息香酸などのアミノ酸、εーア
ミノカプロラクタム、ωーラウロラクタムなどのラクタ
ム、テトラメチレンジアミン、ヘキサメレンジアミン、
2ーメチルペンタメチレンジアミン、ウンデカメチレン
ジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4ー/
2,4,4ートリメチルヘキサメチレンジアミン、5ー
メチルノナメチレンジアミン、メタキシレンジアミン、
パラキシリレンジアミン、1,3ービス(アミノメチ
ル)シクロヘキサン、1,4ービス(アミノメチル)シ
クロヘキサン、1ーアミノー3ーアミノメチルー3,
5,5ートリメチルシクロヘキサン、ビス(4ーアミノ
シクロヘキシル)メタン、ビス(3ーメチルー4ーアミ
ノシクロヘキシル)メタン、2,2ービス(4ーアミノ
シクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノプロピル)ピ
ペラジン、アミノエチルピペラジンなどの脂肪族、脂環
族、芳香族のジアミン、およびアジピン酸、スペリン
酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テレフ
タル酸、イソフタル酸、2ークロロテレフタル酸、2ー
メチルテレフタル酸、5ーメチルイソフタル酸、5ーナ
トリウムスルホイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル
酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの脂肪族、脂環族、
芳香族のジカルボン酸が挙げられ、本発明においては、
これらの原料から誘導されるナイロンホモポリマーまた
はコポリマーを各々単独または混合物の形で用いること
ができる。
【0007】本発明において、とくに有用なナイロン樹
脂は、200℃以上の融点を有する耐熱性や強度に優れ
たナイロン樹脂であり、具体的な例としてはポリカプロ
アミド(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド
(ナイロン66)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナ
イロン46)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロ
ン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン
612)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサ
メチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン66/
6T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメ
チレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6
I)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチ
レンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタル
アミドコポリマー(ナイロン66/6T/6I)、ポリ
キシリレンアジパミド(ナイロンXD6)およびこれら
の混合物ないし共重合体などが挙げられる。とりわけ好
ましいものとしては、ナイロン6、ナイロン66、ナイ
ロン610、ナイロン6/66コポリマー、ナイロン6
/12コポリマーなどの例を挙げることができ、更にこ
れらのナイロン樹脂を成形性、耐熱性、振動溶着性など
の必要特性に応じて混合物として用いることも実用上好
適である。
【0008】とくに、ナイロン樹脂は、ナイロン66、
ナイロン6およびそれらを主成分とする共重合ナイロン
の中から選ばれた少なくとも1種であるのが好ましい。
この共重合ナイロンは、ナイロン6成分98〜80重量
%およびナイロン66成分2〜20重量%からなる共重
合体、またはナイロン66成分98〜80重量%および
ナイロン6成分2〜20重量%からなる共重合体である
のがよい。
【0009】これらナイロン樹脂の重合度にはとくに制
限がなく、1%の濃硫酸溶液中、25℃で測定した相対
粘度が、1.5〜5.0の範囲、特に2.0〜4.0の
範囲のものが好ましい。
【0010】本発明で用いられる(B)銅化合物の具体
的な例としては、塩化第一銅、塩化第二銅、臭化第一
銅、臭化第二銅、ヨウ化第一銅、ヨウ化第二銅、硫酸第
二銅、硝酸第二銅、リン酸銅、酢酸第一銅、酢酸第二
銅、サリチル酸第二銅、ステアリン酸第二銅、安息香酸
第二銅および前記無機ハロゲン化銅とキシリレンジアミ
ン、2ーメルカプトベンズイミダゾール、ベンズイミダ
ゾールなどとの錯化合物などが挙げられる。なかでも1
価の銅化合物とりわけ1価のハロゲン化銅化合物が好ま
しく、酢酸第1銅、ヨウ化第1銅などを特に好適な銅化
合物として例示できる。
【0011】本発明で用いられる(C)フェノール系安
定剤とは、通常の熱可塑性樹脂に添加されるフェノール
系安定剤であれば特にその種類を限定されるものではな
いが、ヒンダートフェノール化合物を好適に用いること
ができる。例えば、ペンタエリスリチル−テトラキス
{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート}、N,N−ヘキサメチレンビス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシ
ンナマミド、トリエチレングリコール−ビス{3−(3
−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート}、3,9−ビス{2−[3−(3−t
−ブチル−4−ハイドロキシ−5−メチルフェニル)プ
ロピニロキシ]−1,1−ジメチルエチル}−2,4,
8,10−テトラオキサピロ[5,5]ウンデカン、
3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルフ
ォスフォネート−ジエチルエステル、1,3,5−トリ
メチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,3,5−ト
リス(4−t−ブチル−3ハイドロキシ−2,6−ジメ
チルベンジ)イソシアネート、3,9−ビス{2−[3
−(3−t−ブチル−4−ハイドロキシ−5−メチルフ
ェニル)プロピニロキシ]−1,1−ジメチルエチル}
−2,4,8,10−テトラオキサピロ[5,5]ウン
デカン、N,N−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド及びト
リエチレングリコール−ビス{3−(3−t−ブチル−
5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト}が挙げられる。特に好ましいものとして2−t−ブ
チルハイドロキノンが挙げられる。
【0012】フェノール系安定剤は銅化合物と併用する
ことでナイロン成形品のウエルド強度を著しく向上させ
る。
【0013】銅化合物の添加量およびフェノール系安定
剤の添加量はウエルド強度を向上せしめるに足る量であ
るが、これにはナイロン樹脂100重量部に対して、銅
化合物0.01〜5重量部、およびフェノール系安定剤
0.1〜1.0重量部が求められる。銅化合物の添加量
が0.01重量部およびフェノール系安定剤の添加量が
0.1重量部に満たないと樹脂を射出成形において金型
内に高速充填した場合樹脂のガス焼けが発生し、ウエル
ド強度を著しく低下させる傾向にあり、逆に銅化合物5
重量部およびフェノール系安定剤1.0重量部を越える
量の添加では溶融成形時に金属銅の遊離あるいは、フェ
ノール系安定剤による著しい着色により製品の価値を減
ずることになる。
【0014】本発明では銅化合物と併用する形でハロゲ
ン化アルカリを添加することも可能である。このハロゲ
ン化アルカリ化合物の例としては、塩化リチウム、臭化
リチウム、ヨウ化リチウム、塩化カリウム、臭化カリウ
ム、ヨウ化カリウム、臭化ナトリウムおよびヨウ化ナト
リウムを挙げることができ、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナ
トリウムが特に好ましい。ハロゲン化アルカリの添加量
はナイロン樹脂100重量部に対して、0.1〜5重量
部が望ましい。
【0015】本発明では、重量平均繊維長が100〜4
00μmの範囲にあってかつ繊維長が60μm以下のガ
ラス繊維の割合が全ガラス繊維の10〜50重量%を占
めるガラス繊維(D)を、前記のナイロン樹脂、銅化合
物およびフェノール系安定剤に加えて、さらに配合する
のが好ましい。
【0016】本発明に用いられるガラス繊維(D)は、
特に、ナイロン樹脂組成物(ナイロン樹脂、銅化合物、
フェノール系安定剤、ガラス繊維からなる配合物)に溶
融混練を1回行った段階で該組成物中のガラス繊維につ
いて重量平均繊維長100〜400μmで、且つ繊維長
60μm以下のガラス繊維の割合が全ガラス繊維中10
〜50重量%の範囲に制御されていることが好ましい。
なぜならば繊維長60μm以下のガラス繊維が特定量存
在することによりナイロン樹脂組成物のウエルド強度を
向上させることができるからである。
【0017】この理由は必ずしも明確ではないが、ウエ
ルド部におけるガラス繊維の補強効果に影響を与えるこ
とが一因と考えられる。
【0018】ガラス繊維の好ましい重量平均繊維長およ
び60μm以下のガラス繊維の割合は各々120〜30
0μmおよび15〜40重量%の範囲である。ガラス繊
維の重量平均繊維長が上記の範囲より短いと樹脂組成物
の強度が低下するので好ましくなく、一方上記範囲より
長いと成形品外観、ウエルド強度が低下するので好まし
くない。また、60μm以下のガラス繊維の割合が上記
範囲より少ないとウエルド強度の低下を招くので好まし
くなく、逆に上記範囲より多いと機械強度への悪影響が
出るので好ましくない。かかる繊維長分布を有するガラ
ス繊維強化ナイロン樹脂組成物を1回の溶融混練工程で
得ることが生産効率上好ましく、それを実現するための
効率的な方法の一例としてストランド長1mm以上のガ
ラス繊維と繊維長20〜500μmのガラス繊維を適正
な割合の混合物として原料に使用する方法を挙げること
ができる。また、ストランド長の異なるガラス繊維を2
種以上併用する際には、用いるガラス繊維の平均径が2
μm以上異なる種類のものを使用することも好ましい方
法である。
【0019】本発明の樹脂組成物中の全ガラス繊維含有
量は、ナイロン樹脂100重量部に対して10〜150
重量部の範囲であり、20〜80重量部の範囲が更に好
ましい。
【0020】本発明においては上記の特定のガラス繊維
以外にも繊維状/非繊維状無機強化材を添加することも
可能であり、それら強化剤の具体例としては、炭素繊
維、チタン酸カリウィスカ、酸化亜鉛ウィスカ、硼酸ア
ルミウィスカ、アラミド繊維、アルミナ繊維、炭化珪素
繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維、石コウ繊維、
金属繊維などの繊維状充填剤、ワラステナイト、ゼオラ
イト、セリサイト、カオリン、マイカ、クレー、パイロ
フィライト、ベントナイト、アスベスト、タルク、アル
ミナシリケートなどの珪酸塩、アルミナ、酸化珪素、酸
化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化
鉄などの金属化合物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、ドロマイトなどの炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バ
リウムなどの硫酸塩、水酸化マグネシウム、水酸化カル
シウム、水酸化アルミニウムなどの水酸化物、ガラスビ
ーズ、セラミックビーズ、窒化ホウ素、炭化珪素および
シリカなどの非繊維状充填剤が挙げられ、これらは中空
であってもよく、さらにはこれら充填剤を2種類以上併
用することも可能である。また、これら繊維状/非繊維
状充填材をイソシアネート系化合物、有機シラン系化合
物、有機チタネート系化合物、有機ボラン系化合物、エ
ポキシ化合物などのカップリング剤で予備処理して使用
することは、より優れた機械的強度を得る意味において
好ましい。
【0021】また本発明のナイロン樹脂組成物にエポキ
シ基、アミノ基、イソシアネート基、水酸基、メルカプ
ト基、ウレイド基の中から選ばれた少なくとも1種の官
能基を有するアルコキシシランの添加は、機械的強度、
靱性などの向上に有効である。かかる化合物の具体例と
しては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシシラン、
β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメ
トキシシランなどのエポキシ基含有アルコキシシラン化
合物、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ
−メルカプトプロピルトリエトキシシランなどのメルカ
プト基含有アルコキシシラン化合物、γ−ウレイドプロ
ピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメ
トキシシシラン、γ−(2−ウレイドエチル)アミノプ
ロピルトリメトキシシランなどのウレイド基含有アルコ
キシシラン化合物、γ−イソシアナトプロピルトリエト
キシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−イソシアナトプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−イソシアナトプロピルメチルジエトキシシラ
ン、γ−イソシアナトプロピルエチルジメトキシシラ
ン、γ−イソシアナトプロピルエチルジエトキシシラ
ン、γ−イソシアナトプロピルトリクロロシランなどの
イソシアナト基含有アルコキシシラン化合物、γ−(2
−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメト
キシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシランな
どのアミノ基含有アルコキシシラン化合物、γ−ヒドロ
キシプロピルトリメトキシシラン、γ−ヒドロキシプロ
ピルトリエトキシシランなどの水酸基含有アルコキシシ
ラン化合物などなどが挙げられる。
【0022】さらに、本発明のナイロン樹脂組成物に
は、次亜リン酸塩などの着色防止剤、熱安定剤、滑剤、
紫外線防止剤、着色剤、などの添加剤を添加することが
できる。
【0023】本発明のナイロン樹脂組成物の調製方法は
特定の方法に限定されないが、具体的且つ効率的な例と
して原料のナイロン樹脂、銅化合物、フェノール系安定
剤、およびガラス繊維からなる混合物を単軸あるいは2
軸の押出機、バンバリーミキサー、ニーダーおよびミキ
シングロールなど公知の溶融混練機に供給して用いるナ
イロン樹脂の融点に応じて220〜330℃の温度で溶
融混練する方法などを挙げることができる。
【0024】この溶融混練において、好ましいガラス繊
維長分布を実現するためには、たとえば2軸押し出し機
で溶融混練する場合にガラス繊維の一部を樹脂原料フィ
ーダーからナイロン樹脂と共に供給し、残りのガラス繊
維を押し出し機の先端部分のサイドフィーダーから供給
してガラス繊維の受けるせん断履歴を制御する方法や原
料として用いるガラス繊維を異なる繊維長のものとする
方法などが挙げられる。
【0025】本発明においてウエルド強度向上に効果の
ある銅化合物およびフェノール系安定剤の添加は上記溶
融混練過程のいずれでなされても良い。このようにして
得られた本発明のナイロン樹脂組成物は、ウエルド強
度、耐熱性、成形製品表面外観、流動性が均衡して優れ
たものであり、特に射出成形における金型内への樹脂の
高速充填においてもガス焼けによりウエルド強度が著し
く低下するのを防ぐことができ、安定したウエルド強度
が得られる。この利点を生かしてウエルドを有する成形
品すべてに好適に用いることができる。
【0026】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はこれら実施例の記載に限定される
ものではない。また、実施例及び比較例中に示された配
合割合は全て重量部である。
【0027】また、以下の実施例において繊維長分布、
ウエルド強度、ウエルド部のガス焼けの程度および試験
片の色調の評価は、次の方法により行った。
【0028】繊維長分布 樹脂組成物約1gを電気炉中で燃焼させて樹脂成分を除
去し、得られたガラス繊維を顕微鏡写真で撮影し、各々
のガラス単繊維の長さを測定することによって求めた。
【0029】ウエルド強度 ウエルド強度は以下の条件で成形、ウエルド強度を測定
した。
【0030】 (成形条件) 使用金型 : ウエルド試験片(図1参照) 成形温度 : 290(ノズル)−290−280−270(℃) 金型温度 : 80(℃) 射出速度 : 100(mm/sec) (充填時間=0.3sec) スクリュー回転数: 100(rpm) 母材強度(非ウエルド強度)およびウエルド強度は以下
の標準方法に従って測定した。
【0031】引張強度 :ASTM D638 図1は、ここで使用したウエルド強度および母材強度測
定用試験片の金型を示す平面図である。図1において、
1は試験片であって、その長手方向中心部付近にウエル
ド部2が設けられている。本実施例ではウエルド部にガ
スベントを設置せずに成形を行った。3は今回使用しな
かった試験片である。4、5はそれぞれスプルー、ラン
ナーを示す。
【0032】ウエルド部のガス焼けの程度および試験片外観の色調 ウエルド部のガス焼け状態および試験片外観の色調は、
目視で3段階に識別した。
【0033】実施例1〜11、比較例1〜3 ナイロン樹脂、銅化合物、フェノール系安定剤およびガ
ラス繊維を表1、表2に示すように混合し、日本製鋼所
製TEX30型2軸押し出し機を用いてシリンダー温度
250〜280℃、スクリュー回転数150rpmで溶
融混練を行った。得られたペレットを乾燥後、射出成形
(金型温度80℃)により各種試験片を調製した。各サ
ンプルの繊維長分布、材料強度、外観などを測定した結
果は表1、表2に示すとおりであった。
【0034】なお、ここで表1、表2中のナイロン樹脂
の種類は、N6は相対粘度2.70のナイロン6、N6
/66は融点217℃相対粘度2.65のナイロン6/
66共重合体、N66は相対粘度2.90のナイロン6
6、N610は相対粘度2.70のナイロン610を表
す。また、フェノール系安定剤は、2−t−ブチルハイ
ドロキノンおよびN,N−ヘキサメチレンビス(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミ
ド)を使用した。銅化合物の種類は、CuIはヨウ化第
1銅、KIはヨウ化カリウム、CuI錯体はヨウ化第1
銅/2−メルカプトベンズイミダゾール=1/1錯体を
表す。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】実施例1〜7は比較例1〜3と比較しウエ
ルド強度、外観のバランスに優れた実用価値の高いもの
である。
【0038】また、ガラス繊維をストランド長1.5m
mのものと0.2mmのものを併用した実施例8〜10
の本発明の組成物は、特にウエルド強度が優れた実用価
値の高いものである。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のナイロン
樹脂組成物は、ウエルド強度、耐熱性、外観、流動性が
均衡して優れたものであり、特に射出成形における金型
内への樹脂の高速充填においてもガス焼けによりウエル
ド強度が著しく低下するのを防ぐことができ、安定した
ウエルド強度が得られる。この利点を生かしてウエルド
を有する成形品すべてに好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で使用したウエルド強度および母材強度
測定用試験片の金型を示す平面図である。
【符号の説明】
1 試験片(本実施例で使用したもの) 2 ウエルド部 3 試験片(未使用) 4 スプルー 5 ランナー
フロントページの続き Fターム(参考) 4F072 AA02 AA08 AB09 AB14 AD44 AE06 AF02 AF14 AF24 AK15 AL01 4J002 CL011 CL031 CL051 DD076 DD086 DF036 DG046 DH036 DL008 EG046 EG076 EJ017 EJ027 EJ037 EJ047 FA048 FD010 GM00 GN00

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ナイロン樹脂100重量部に対し
    て、(B)銅化合物を0.01〜5重量部、(C)フェ
    ノール系安定剤0.1〜1.0重量部を配合してなるこ
    とを特徴とするウエルドを有する成形品用ナイロン樹脂
    組成物。
  2. 【請求項2】 前記フェノール系安定剤が2−t−ブチ
    ルハイドロキノンである請求項1に記載のナイロン樹脂
    組成物。
  3. 【請求項3】 重量平均繊維長が100〜400μmの
    範囲にあってかつ繊維長が60μm以下のガラス繊維の
    割合が全ガラス繊維の10〜50重量%を占めるガラス
    繊維(D)を、さらに含有してなる請求項1〜2のいず
    れかに記載のナイロン樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 前記ナイロン樹脂が、ナイロン66、ナ
    イロン6およびそれらを主成分とする共重合ナイロンの
    中から選ばれた少なくとも1種である請求項1〜3のい
    ずれかに記載のナイロン樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 前記共重合ナイロンが、ナイロン6成分
    98〜80重量%およびナイロン66成分2〜20重量
    %からなる共重合体、またはナイロン66成分98〜8
    0重量%およびナイロン6成分2〜20重量%からなる
    共重合体である請求項4に記載のナイロン樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 前記銅化合物が1価の銅化合物である請
    求項1〜5のいずれかに記載のナイロン樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 前記1価の銅化合物がハロゲン化第1銅
    である請求項6に記載のナイロン樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 (A)ナイロン樹脂、(B)銅化合物、
    (C)フェノール系安定剤、さらに(D)ガラス繊維を
    溶融混練してなる請求項1〜7のいずれかに記載のナイ
    ロン樹脂組成物の製造方法。
  9. 【請求項9】 ナイロン樹脂組成物に溶融混練を1回行
    った段階で該組成物中のガラス繊維が請求項3の関係を
    満たすものである請求項3記載のナイロン樹脂組成物の
    製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかに記載のナイ
    ロン樹脂組成物からなる成形品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114456586A (zh) * 2022-01-26 2022-05-10 江苏金发科技新材料有限公司 一种无浮纤高焊接强度增强尼龙复合材料及其制备方法和应用

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