JPH10273588A - 溶着用樹脂組成物 - Google Patents

溶着用樹脂組成物

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JPH10273588A
JPH10273588A JP9079547A JP7954797A JPH10273588A JP H10273588 A JPH10273588 A JP H10273588A JP 9079547 A JP9079547 A JP 9079547A JP 7954797 A JP7954797 A JP 7954797A JP H10273588 A JPH10273588 A JP H10273588A
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JP
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nylon
weight
carbon fibers
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resin composition
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JP9079547A
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English (en)
Inventor
Kazuki Miyamoto
和樹 宮本
Yasuhito Tachibana
泰人 立花
Kazuhiko Kobayashi
和彦 小林
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C66/00General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts
    • B29C66/70General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material
    • B29C66/71General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material characterised by the composition of the plastics material of the parts to be joined

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Lining Or Joining Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】成形性、耐熱性、強靱性、耐オイル・ガソリン
性、耐磨耗性成形品表面平滑性などナイロン樹脂本来の
特性にも均衡して優れた振動溶着に適したナイロン樹脂
組成物を提供する。 【解決手段】(A)ナイロン樹脂100重量部に対し
て、(B)ガラス繊維10〜150重量部および(C)
平均繊維径5〜15μmの炭素繊維5〜100重量部含
有することを特徴とする溶着用樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性、成形性品
表面外観、寸法安定性、振動溶着性が均衡して優れた溶
着用樹脂組成物に関し、更には溶融成形後の2つ以上の
成形品を振動溶着して得られる中空成形体などに適した
ナイロン樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ナイロン樹脂は、その優れた射出成形
性、耐熱性、強靱性、耐オイル・ガソリン性、耐磨耗性
などを利して、自動車、機械部品の分野で射出成形品と
して広範に利用されている。上記分野でのナイロン樹脂
の開発経緯は基本的には金属材料からの代替が主体であ
り、軽量化、防錆化などの利点の多い部品から実用化が
進んできた。更に最近はナイロン樹脂材料の高性能化お
よび成形加工技術の進展に伴って、大型且つ複雑形状
で、従来技術では樹脂化が困難とされてきた部品へのナ
イロン樹脂の適用が検討されるようになっている。この
ような難度の高い部品を樹脂化するためには射出成形や
押し出し成形、ブロー成形などの単独成形技術だけでは
不十分で、切削、接着、溶着などの後加工技術をを組み
合わせることが必要となる。しかし、従来のナイロン樹
脂材料の設計はかかる後加工への適用性まで考慮したも
のとは言えず、たとえば2つ以上のパーツからなるガラ
ス繊維強化ナイロン樹脂成形品を振動溶着法などによっ
て溶着して用いる場合には特に部品が大型の場合、溶着
部分の強度が不十分であるために使用が制限されるのが
現状であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述した従来
のナイロン樹脂における問題点であった振動溶着性の改
良を課題とし、更に成形性、耐熱性、強靱性、耐オイル
・ガソリン性、耐磨耗性成形品表面平滑性などナイロン
樹脂本来の特性にも均衡して優れた振動溶着に適したナ
イロン樹脂組成物を得ることを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは上記
の課題を解決すべく検討した結果、強化ナイロン樹脂に
おいて含有される炭素繊維の長さ分布を特定の範囲に制
御することにより目的が達成されることを見出し本発明
に到達した。即ち本発明は、 (1)「(A)ナイロン樹脂100重量部に対して、
(B)ガラス繊維10〜150重量部および(C)平均
繊維径5〜15μmの炭素繊維5〜100重量部含有す
ることを特徴とする溶着用樹脂組成物。」 (2)「該組成物中の炭素繊維の重量平均繊維長が10
0〜400μmの範囲にあってかつ繊維長が60μm以
下の炭素繊維の割合が全炭素繊維の10〜70重量%を
占める前記の溶着用樹脂組成物。」 (3)「用いる炭素繊維が平均繊維径5〜15μm、ス
トランド長が1mm以上の炭素繊維と、平均繊維径5〜
15μm、ストランド長が20〜500μmの炭素繊維
との混合物である前記の溶着用樹脂組成物。
【0005】(4)「ナイロン樹脂が融点200℃以上
の脂肪族ナイロン樹脂の中から選ばれた少なくとも1種
である前記いずれかの溶着用樹脂組成物。」 (5)「ナイロン樹脂が2種類以上のナイロンの混合物
である前記いずれかの溶着用樹脂組成物。
【0006】(6)「ナイロン樹脂がナイロン66、ナ
イロン6、ナイロン610およびそれらを主成分とする
共重合ナイロンの中から選ばれた少なくとも1種である
前記いずれかの溶着用樹脂組成物。」 (7)「共重合ナイロンがナイロン6成分とナイロン6
6成分からなる共重合体である前記の溶着用樹脂組成
物。」 (8)「共重合ナイロンがナイロン6成分98〜80重
量%およびナイロン66成分2〜20重量%からなる共
重合体またはナイロン66成分98〜80重量%および
ナイロン6成分2〜20重量%からなる共重合体である
前記いずれかの溶着用樹脂組成物。」 (9)「共重合ナイロンがナイロン6成分97〜90重
量%およびナイロン66成分3〜10重量%からなる共
重合体またはナイロン66成分97〜90重量%および
ナイロン6成分3〜10重量%からなる共重合体である
前記いずれかの溶着用樹脂組成物。」 (10)「(A)ナイロン樹脂100重量部に対して、
(B)ガラス繊維10〜150重量部および(C)平均
繊維径5〜15μmの炭素繊維5〜100重量部を溶融
混練することを特徴とする溶着用樹脂組成物の製造方
法。」 (11)「(A)成分、(B)成分および(C)成分の
溶融混練を1回行った段階で組成物中の炭素繊維の重量
平均繊維長が100〜400μmの範囲にあってかつ繊
維長が60μm以下の炭素繊維の割合が全炭素繊維の1
0〜70重量%を占めるものである溶着用樹脂組成物の
製造方法。」からなるものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、発明の実施の形態について
説明する。本発明において「重量」とは「質量」を意味
する。
【0008】本発明で用いられるナイロン樹脂とは、ア
ミノ酸、ラクタムあるいはジアミンとジカルボン酸を主
たる構成成分とするナイロンである。その主要構成成分
の代表例としては、6ーアミノカプロン酸、11ーアミ
ノウンデカン酸、12ーアミノドデカン酸、パラアミノ
メチル安息香酸などのアミノ酸、εーアミノカプロラク
タム、ωーラウロラクタムなどのラクタム、テトラメチ
レンジアミン、ヘキサメレンジアミン、2ーメチルペン
タメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデ
カメチレンジアミン、2,2,4ー/2,4,4ートリ
メチルヘキサメチレンジアミン、5ーメチルノナメチレ
ンジアミン、メタキシレンジアミン、パラキシリレンジ
アミン、1,3ービス(アミノメチル)シクロヘキサ
ン、1,4ービス(アミノメチル)シクロヘキサン、1
ーアミノー3ーアミノメチルー3,5,5ートリメチル
シクロヘキサン、ビス(4ーアミノシクロヘキシル)メ
タン、ビス(3ーメチルー4ーアミノシクロヘキシル)
メタン、2,2ービス(4ーアミノシクロヘキシル)プ
ロパン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、アミノエ
チルピペラジンなどの脂肪族、脂環族、芳香族のジアミ
ン、およびアジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セ
バシン酸、ドデカン二酸、テレフタル酸、イソフタル
酸、2ークロロテレフタル酸、2ーメチルテレフタル
酸、5ーメチルイソフタル酸、5ーナトリウムスルホイ
ソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロ
イソフタル酸などの脂肪族、脂環族、芳香族のジカルボ
ン酸が挙げられ、本発明においては、これらの原料から
誘導されるナイロンホモポリマーまたはコポリマーを各
々単独または混合物の形で用いることができる。
【0009】本発明において、とくに有用なナイロン樹
脂は、200℃以上の融点を有する耐熱性や強度に優れ
たナイロン樹脂であり、具体的な例としてはポリカプロ
アミド(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド
(ナイロン66)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナ
イロン46)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロ
ン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン
612)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサ
メチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン66/
6T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメ
チレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6
I)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチ
レンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタル
アミドコポリマー(ナイロン66/6T/6I)、ポリ
ヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリ−2メチルペン
タメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン6T
/M−5T)、ポリキシリレンアジパミド(ナイロンX
D6)およびこれらの混合物ないし共重合体などが挙げ
られる。
【0010】とりわけ好ましいものとしては、ナイロン
6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン6/66
コポリマー、ナイロン6/12コポリマーなどの例を挙
げることができ、更にこれらのナイロン樹脂を成形性、
耐熱性、振動溶着性などの必要特性に応じて混合物とし
て用いることも実用上好適である。
【0011】これらナイロン樹脂の重合度にはとくに制
限がなく、1%の濃硫酸溶液中、25℃で測定した相対
粘度が、1.5〜5.0の範囲、特に2.0〜4.0の
範囲のものが好ましい。
【0012】本発明で(B)成分として用いられるガラ
ス繊維の種類には特に制限がなく、通常樹脂の強化用に
使用されているものが好ましく使用できる。特に好まし
い例としては、平均繊維径が3〜20μmのチョップド
ガラス繊維、ミルドガラス繊維などを挙げることができ
る。
【0013】本発明の樹脂組成物中の全ガラス繊維含有
量はナイロン樹脂100重量部に対して10〜150重
量部の範囲であり、20〜80重量部の範囲が更に好ま
しい。
【0014】本発明で(C)成分として用いられる炭素
繊維は、ナイロン樹脂との溶融混練後の状態、特に1回
の溶融混練を受けた状態で重量平均繊維長100〜40
0μm且つ繊維長60μm以下の炭素繊維の割合が全炭
素繊維中10〜70重量%の範囲に制御されていること
が好ましい。なぜならば繊維長60μm以下の炭素繊維
が特定量存在することによりナイロン樹脂組成物の成形
品を振動溶着させた際、極めて高い溶着強度が得られる
からである。この理由は必ずしも明確ではないが、摩擦
熱で溶融したナイロン樹脂層中の炭素繊維の振動による
配向挙動に影響を与えることが一因と考えられる。特に
好ましい炭素繊維の重量平均繊維長および60μm以下
の炭素繊維の割合は、各々120〜350μmおよび1
5〜50重量%の範囲である。炭素繊維の重量平均繊維
長が上記の範囲より短いと樹脂組成物の強度が低下する
傾向があり、一方上記範囲より長いと成形品外観、振動
溶着性が低下する傾向がある。また、60μm以下の炭
素繊維の割合が上記範囲より少ないと振動溶着性の低下
を招き、逆に上記範囲より多いと機械強度への悪影響が
出るおそれがある。かかる繊維長分布を有する炭素繊維
強化ナイロン樹脂組成物を1回の溶融混練工程で得るこ
とが生産効率上好ましく、それを実現するための効率的
な方法の一例として繊維長20〜500μmのミルド炭
素繊維を原料に使用する方法を挙げることができる。
【0015】本発明の樹脂組成物中の全炭素繊維含有量
はナイロン樹脂100重量部に対して5〜100重量部
の範囲であり、8〜60重量部の範囲が更に好ましい。
【0016】本発明においては上記のガラス繊維および
特定の炭素繊維以外にも繊維状/非繊維状無機強化材を
添加することも可能であり、それら強化剤の具体例とし
ては、炭素繊維、チタン酸カリウィスカ、酸化亜鉛ウィ
スカ、硼酸アルミウィスカ、アルミナ繊維、炭化珪素繊
維、セラミック繊維、アスベスト繊維、石コウ繊維、金
属繊維などの繊維状充填剤、ワラステナイト、ゼオライ
ト、セリサイト、カオリン、マイカ、クレー、パイロフ
ィライト、ベントナイト、アスベスト、タルク、アルミ
ナシリケートなどの珪酸塩、アルミナ、酸化珪素、酸化
マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化鉄
などの金属化合物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、ドロマイトなどの炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バ
リウムなどの硫酸塩、水酸化マグネシウム、水酸化カル
シウム、水酸化アルミニウムなどの水酸化物、ガラスビ
ーズ、セラミックビーズ、窒化ホウ素、炭化珪素および
シリカなどの非繊維状充填剤が挙げられ、これらは中空
であってもよく、さらにはこれら充填剤を2種類以上併
用することも可能である。また、これら繊維状/非繊維
状充填材をイソシアネート系化合物、有機シラン系化合
物、有機チタネート系化合物、有機ボラン系化合物、エ
ポキシ化合物などのカップリング剤で予備処理して使用
することは、より優れた機械的強度を得る意味において
好ましい。
【0017】また本発明のナイロン樹脂組成物にエポキ
シ基、アミノ基、イソシアネート基、水酸基、メルカプ
ト基、ウレイド基の中から選ばれた少なくとも1種の官
能基を有するアルコキシシランの添加は、機械的強度、
靱性などの向上に有効である。かかる化合物の具体例と
しては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシシラン、
β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメ
トキシシランなどのエポキシ基含有アルコキシシラン化
合物、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ
−メルカプトプロピルトリエトキシシランなどのメルカ
プト基含有アルコキシシラン化合物、γ−ウレイドプロ
ピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメ
トキシシシラン、γ−(2−ウレイドエチル)アミノプ
ロピルトリメトキシシランなどのウレイド基含有アルコ
キシシラン化合物、γ−イソシアナトプロピルトリエト
キシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−イソシアナトプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−イソシアナトプロピルメチルジエトキシシラ
ン、γ−イソシアナトプロピルエチルジメトキシシラ
ン、γ−イソシアナトプロピルエチルジエトキシシラ
ン、γ−イソシアナトプロピルトリクロロシランなどの
イソシアナト基含有アルコキシシラン化合物、γ−(2
−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメト
キシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシランな
どのアミノ基含有アルコキシシラン化合物、γ−ヒドロ
キシプロピルトリメトキシシラン、γ−ヒドロキシプロ
ピルトリエトキシシランなどの水酸基含有アルコキシシ
ラン化合物などなどが挙げられる。
【0018】さらに、本発明のナイロン樹脂組成物に
は、タルク、カオリン、有機リン化合物、ポリエーテル
エーテルケトンなどの結晶核剤、次亜リン酸塩などの着
色防止剤、銅化合物、ヒンダードフェノール、ヒンダー
ドアミンなどの酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、紫外線防
止剤、着色剤、などの添加剤を添加することができる。
【0019】本発明のナイロン樹脂組成物の調製方法は
特定の方法に限定されないが、具体的且つ効率的な例と
して原料のナイロン樹脂、ガラス繊維および炭素繊維の
混合物を単軸あるいは2軸の押出機、バンバリーミキサ
ー、ニーダーおよびミキシングロールなど公知の溶融混
練機に供給して用いるナイロン樹脂の融点に応じて22
0〜330℃の温度で溶融混練する方法などを挙げるこ
とができる。
【0020】この溶融混練において、本発明の特定の炭
素繊維長分布を実現するためには、たとえば2軸押し出
し機で溶融混練する場合に炭素繊維の一部を樹脂原料フ
ィーダーからナイロン樹脂と共に供給し、残りの炭素繊
維を押し出し機の先端部分のサイドフィーダーから供給
して炭素繊維の受けるせん断履歴を制御する方法や、原
料としてミルド炭素繊維を用いる方法などが挙げられ
る。
【0021】このようにして得られた本発明の樹脂組成
物は成形品とし、それを振動溶着することにより、耐熱
性、成形製品表面外観、寸法安定性、振動溶着性が均衡
して優れた溶着成形体が得られる。特に射出成形や押し
出し成形、ブロー成形で得られた成形品を振動溶着法な
どによって溶着して用いる場合に特に有用であり、この
利点を生かしてたとえば自動車のインテークマニホール
ドなどの吸気系部品ウォーターインレット、ウォーター
アウトレットなどの冷却系部品、フューエルインジェク
ション、フューエルデリバリーパイプなどの燃料系部
品、オイルタンクなどの容器類といった中空形状部品用
などに好適に用いることができる。
【0022】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はこれら実施例の記載に限定される
ものではない。また、実施例及び比較例中に示された配
合割合は全て重量%である。
【0023】また、以下の実施例において材料強度、流
動性、成形品表面平滑性、振動溶着強度の評価は、次の
方法により行った。 [繊維長分布]樹脂組成物約1gを電気炉中で燃焼させ
て樹脂成分を除去し、得られたガラス繊維および炭素繊
維を顕微鏡写真で撮影し、各々のガラスおよび炭素単繊
維の長さを測定することによって求めた。 [材料強度]以下の標準方法に従って測定した。 引張強度 :ASTM D638 曲げ弾性率 :ASTM D790 [流動性]幅10mm、厚さ2mm、全長600mmの
渦巻き形状を有するスパイラルフロー測定金型を用い、
射出成形温度250℃、射出成形圧力30kgf/cm2
金型温度80℃の条件下で材料を射出成形した際に金型
内を流れた距離を測定して流動性の指標とした。流動長
が長いほど流動性が良好であることを示す。 [表面平滑性]80x80x3mmの角板を射出成形
し、得られた成形品表面で蛍光灯の反射像の鮮明度を肉
眼観察し、平滑性の指標とした。 ◎:蛍光灯の反射像が明瞭に観察される。 ○:蛍光灯の反射像が不明瞭ながらも観察される。 △:蛍光灯の反射像が観察できない。 [振動溶着強度測定]図1に示す表面形状で厚さ10m
mの試験片を射出成形で成形し、この成形片2つを溶着
面1同士が接着されるように接触させ、ブランソン社製
2850型振動溶着装置を用いて以下の条件で溶着し、
その後引っ張り試験を行い、溶着部分の強度を測定し
た。 振動数 : 240Hz 加圧力 : 70kgf 振幅 : 1.5mm 溶着代 : 1.5mm
【0024】実施例1 ナイロン樹脂とガラス繊維および炭素繊維の溶融混練は
日本製鋼所製TEX30型2軸押し出し機を用いて行っ
た。相対粘度2.70のナイロン6樹脂70%および繊
維径7μm、ストランド長1.5mmの炭素繊維10%
をドライブレンドしてシリンダー温度250℃、スクリ
ュー回転数150rpmの条件で運転中の押し出し機の
フィーダーに供給し、ついで押し出し機先端部のサイド
フィーダーから繊維径9μm、ストランド長3mmのガ
ラス繊維20%を供給して溶融混練を行い、押し出しガ
ットを冷却後ペレタイザーでペレット化した。
【0025】ここで得られた樹脂組成物中の重量平均炭
素繊維長は270μm、繊維長60μm以下の炭素繊維
の割合は全炭素繊維中35%であり、これを種々の試験
片に射出成形して流動性、表面平滑性、材料強度、溶着
強度などを測定した結果は表1に示すとおりであった。
【0026】
【表1】
【0027】比較例1 用いるガラス繊維を繊維径9μm、ストランド長3mm
のガラス繊維のみとし、その全てをサイドフィーダーか
ら供給した以外は実施例1に記載した方法と全く同様に
混練、ペレット化、射出成形、物性測定を行った。その
結果は表1に示すとおりであり、ここで得られた組成物
は特定の炭素繊維が含有されていないために実施例1に
示す本発明の組成物に比べて流動性、溶着強度、表面平
滑性に劣るものであった。
【0028】実施例2〜4 表2に示すように用いるナイロン樹脂、ガラス繊維およ
び炭素繊維の種類と配合量を変えた以外は実施例1に記
載した方法と全く同様の方法で溶融混練、ペレット化、
射出成形、物性測定を行い、表1に示す結果を得た。こ
こで得られた組成物も流動性、表面平滑性、溶着強度の
優れた実用価値の高いものであった。
【0029】
【表2】
【0030】実施例5 融点217℃、相対粘度2.65のナイロン6/66共
重合体65%をシリンダー温度250℃、スクリュー回
転数150rpmの条件で運転中の押し出し機のフィー
ダーに供給し、ついで押し出し機先端部のサイドフィー
ダーから繊維径9μm、ストランド長3mmのガラス繊
維20%および繊維径7μm、ストランド長約0.2m
mのミルド炭素繊維15%の混合物を供給して溶融混練
を行い、押し出しガットを冷却後ペレタイザーでペレッ
ト化した。
【0031】ここで得られた樹脂組成物中の重量平均炭
素繊維長は350μm、繊維長60μm以下の炭素繊維
の割合は全炭素繊維中30%であり、これを実施例1と
同様種々の試験片に射出成形して流動性、表面平滑性、
材料強度、溶着強度などを測定した結果は表1に示すと
おりであった。
【0032】
【表3】
【0033】実施例6〜8 表3に示すように用いるナイロン樹脂、ガラス繊維およ
び炭素繊維の種類と配合量を変えた以外は実施例5に記
載した方法と全く同様の方法で溶融混練、ペレット化、
射出成形、物性測定を行い、表1に示す結果を得た。こ
こで得られた組成物も流動性、表面平滑性、溶着強度の
優れた実用価値の高いものであった。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の樹脂組成
物は、耐熱性、成形製品表面外観、寸法安定性、振動溶
着性が均衡して優れたものであり、射出成形や押し出し
成形、ブロー成形で得られた成形品を振動溶着法などに
よって溶着して用いる場合に特に有用であり、この利点
を生かしてたとえば自動車のインテークマニホールドな
どの吸気系部品、オイルタンクなどの中空形状部品用な
どに好適に用いることができる。特に本発明のナイロン
樹脂組成物は成形品表面平滑性が良好であるためにイン
テークマニホールドなどの吸気系部品に用いられる場合
に気体通過時の抵抗が少なく高い効率を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で使用した溶着強度測定用試験片の形状
を示す平面図
【符号の説明】
1:溶着接合面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 7:06) B29K 77:00

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ナイロン樹脂100重量部に対し
    て、(B)ガラス繊維10〜150重量部および(C)
    平均繊維径5〜15μmの炭素繊維5〜100重量部含
    有することを特徴とする溶着用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】該組成物中の炭素繊維の重量平均繊維長が
    100〜400μmの範囲にあってかつ繊維長が60μ
    m以下の炭素繊維の割合が全炭素繊維の10〜70重量
    %を占める請求項1記載の溶着用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】用いる炭素繊維が平均繊維径5〜15μ
    m、ストランド長が1mm以上の炭素繊維と、平均繊維
    径5〜15μm、ストランド長が20〜500μmの炭
    素繊維との混合物である請求項2記載の溶着用樹脂組成
    物。
  4. 【請求項4】ナイロン樹脂が融点200℃以上の脂肪族
    ナイロン樹脂の中から選ばれた少なくとも1種である請
    求項1〜3いずれかに記載の溶着用樹脂組成物。
  5. 【請求項5】ナイロン樹脂が2種類以上のナイロンの混
    合物である請求項1〜4いずれかに記載の溶着用樹脂組
    成物。
  6. 【請求項6】ナイロン樹脂がナイロン66、ナイロン
    6、ナイロン610およびそれらを主成分とする共重合
    ナイロンの中から選ばれた少なくとも1種である請求項
    1〜4いずれかに記載の溶着用樹脂組成物。
  7. 【請求項7】共重合ナイロンがナイロン6成分とナイロ
    ン66成分からなる共重合体である請求項6記載の溶着
    用樹脂組成物。
  8. 【請求項8】共重合ナイロンがナイロン6成分98〜8
    0重量%およびナイロン66成分2〜20重量%からな
    る共重合体またはナイロン66成分98〜80重量%お
    よびナイロン6成分2〜20重量%からなる共重合体で
    ある請求項7記載の溶着用樹脂組成物。
  9. 【請求項9】共重合ナイロンがナイロン6成分97〜9
    0重量%およびナイロン66成分3〜10重量%からな
    る共重合体またはナイロン66成分97〜90重量%お
    よびナイロン6成分3〜10重量%からなる共重合体で
    ある請求項8記載の溶着用樹脂組成物。
  10. 【請求項10】(A)ナイロン樹脂100重量部に対し
    て、(B)ガラス繊維10〜150重量部および(C)
    平均繊維径5〜15μmの炭素繊維5〜100重量部を
    溶融混練することを特徴とする溶着用樹脂組成物の製造
    方法。
  11. 【請求項11】(A)成分、(B)成分および(C)成
    分の溶融混練を1回行った段階で組成物中の炭素繊維の
    重量平均繊維長が100〜400μmの範囲にあり、か
    つ繊維長が60μm以下の炭素繊維の割合が全炭素繊維
    の10〜70重量%を占めるものである請求項10記載
    の溶着用樹脂組成物の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007138178A (ja) * 2005-11-18 2007-06-07 Ems Chemie Ag 強化ポリアミド成形材料
WO2013147069A1 (ja) * 2012-03-30 2013-10-03 宇部興産株式会社 ガラス繊維強化ポリアミド樹脂組成物、それを用いた成形体及び摺動性部品

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