JP2001176336A - 耐熱耐油性電線 - Google Patents
耐熱耐油性電線Info
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- JP2001176336A JP2001176336A JP36020699A JP36020699A JP2001176336A JP 2001176336 A JP2001176336 A JP 2001176336A JP 36020699 A JP36020699 A JP 36020699A JP 36020699 A JP36020699 A JP 36020699A JP 2001176336 A JP2001176336 A JP 2001176336A
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- resistant
- heat
- electric wire
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 内燃機関等で使用する高温油に対する
耐熱耐油性に優れた耐熱耐油性電線を提供する。 【解決手段】 導体部20の外周部における絶縁被覆
層30が、テトラフルオロエチレン−プロピレン系共重
合体からなるフッ素系ゴムで形成された耐熱耐油性電線
10を使用する。
耐熱耐油性に優れた耐熱耐油性電線を提供する。 【解決手段】 導体部20の外周部における絶縁被覆
層30が、テトラフルオロエチレン−プロピレン系共重
合体からなるフッ素系ゴムで形成された耐熱耐油性電線
10を使用する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等の内燃機
関のトランスミッション油及び/又はエンジン油に接触
しその油温及び/又は油圧を検出するセンサーのリード
電線などに使用される耐熱耐油性電線に関するものであ
る。
関のトランスミッション油及び/又はエンジン油に接触
しその油温及び/又は油圧を検出するセンサーのリード
電線などに使用される耐熱耐油性電線に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車等の内燃機関において耐熱
・耐油性等が必要とされる機器の耐熱部位における電気
配線用電線等としては、特に耐熱性・耐油性に優れてお
り、連続使用可能温度が150℃と比較的高いことか
ら、アクリル系ゴムが使用されている。しかして、近年
における機器の小型化・高出力・軽量化等に伴い、熱負
荷はさらに増加する傾向にあり、例えば自動車における
オートマチックトランスミッションのオイルパン内のト
ランスミッション油などは、使用条件によっては、16
0〜170℃にもなりうるとされている。このため、油
温や油圧等の検出用として利用される電線としては、こ
のような絶縁被覆層が上記アクリル系ゴムからなる電線
では、とても対応しきれなくなっている。
・耐油性等が必要とされる機器の耐熱部位における電気
配線用電線等としては、特に耐熱性・耐油性に優れてお
り、連続使用可能温度が150℃と比較的高いことか
ら、アクリル系ゴムが使用されている。しかして、近年
における機器の小型化・高出力・軽量化等に伴い、熱負
荷はさらに増加する傾向にあり、例えば自動車における
オートマチックトランスミッションのオイルパン内のト
ランスミッション油などは、使用条件によっては、16
0〜170℃にもなりうるとされている。このため、油
温や油圧等の検出用として利用される電線としては、こ
のような絶縁被覆層が上記アクリル系ゴムからなる電線
では、とても対応しきれなくなっている。
【0003】一般的に、自動車等のトランスミッション
油及び/又はエンジン油は、走行中に、その油温及び/
又は油圧を、油内に挿入されるセンサーにより常時検出
し、油温等が過熱して所定の温度を超えないように冷却
システムと連動させて適正な温度になるよう制御してい
る。ここで、油温及び/又は油圧を検出するセンサーの
リード電線に使用される耐熱耐油性電線については、上
記したように機器の小型化・高出力化に伴う負荷の上昇
により、より高温度の油に対する耐熱・耐油性が要求さ
れている。このような前記絶縁被覆層として、フッ化ビ
ニリデン系フッ素ゴム、例えば、フッ化ビニリデン−ヘ
キサフルオロプロピレン又はフッ化ビニリデン−ヘキサ
フルオロプロピレン−テトラフルオロエチレンの架橋共
重合体からなるフッ素系ゴム(以下、FKMと記す。)
が提案されている。
油及び/又はエンジン油は、走行中に、その油温及び/
又は油圧を、油内に挿入されるセンサーにより常時検出
し、油温等が過熱して所定の温度を超えないように冷却
システムと連動させて適正な温度になるよう制御してい
る。ここで、油温及び/又は油圧を検出するセンサーの
リード電線に使用される耐熱耐油性電線については、上
記したように機器の小型化・高出力化に伴う負荷の上昇
により、より高温度の油に対する耐熱・耐油性が要求さ
れている。このような前記絶縁被覆層として、フッ化ビ
ニリデン系フッ素ゴム、例えば、フッ化ビニリデン−ヘ
キサフルオロプロピレン又はフッ化ビニリデン−ヘキサ
フルオロプロピレン−テトラフルオロエチレンの架橋共
重合体からなるフッ素系ゴム(以下、FKMと記す。)
が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、フッ化
ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体等から
なるフッ素系ゴムなどは、高温油雰囲気中における物性
変化が大きい。そこで自動車用などの過酷な使用環境に
おいて物性変化が小さい電線被覆材料が要望されてい
る。
ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体等から
なるフッ素系ゴムなどは、高温油雰囲気中における物性
変化が大きい。そこで自動車用などの過酷な使用環境に
おいて物性変化が小さい電線被覆材料が要望されてい
る。
【0005】本発明の目的は、かかる点に鑑みたもの
で、従来の代表的なフッ素系ゴムであるFKMが達成し
えなかった、高温油に対する充分な耐熱耐油性を有する
優れた耐熱耐油性電線を提供することにある。
で、従来の代表的なフッ素系ゴムであるFKMが達成し
えなかった、高温油に対する充分な耐熱耐油性を有する
優れた耐熱耐油性電線を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の課題を
解決するためになされたものであって、本発明に従え
ば、内燃機関のトランスミッション油及び/又はエンジ
ン油に対する耐熱耐油性の絶縁被覆層を外周部に有する
耐熱耐油性電線において、前記絶縁被覆層が、テトラフ
ルオロエチレン−プロピレン系共重合体からなるフッ素
系ゴムで形成されていることを特徴とする耐熱耐油性電
線、が提供される。
解決するためになされたものであって、本発明に従え
ば、内燃機関のトランスミッション油及び/又はエンジ
ン油に対する耐熱耐油性の絶縁被覆層を外周部に有する
耐熱耐油性電線において、前記絶縁被覆層が、テトラフ
ルオロエチレン−プロピレン系共重合体からなるフッ素
系ゴムで形成されていることを特徴とする耐熱耐油性電
線、が提供される。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0008】本発明の耐熱耐油性電線において、その外
周の絶縁被覆層が、テトラフルオロエチレン−プロピレ
ン系共重合体からなるフッ素系ゴムで形成されているこ
とを特徴とする。
周の絶縁被覆層が、テトラフルオロエチレン−プロピレ
ン系共重合体からなるフッ素系ゴムで形成されているこ
とを特徴とする。
【0009】テトラフルオロエチレン−プロピレン系共
重合体は、主成分としてテトラフルオロエチレンとプロ
ピレンからなる共重合体であって、テトラフルオロエチ
レン/プロピレンのモル比は、95/5〜30/70
(モル%/モル%)、好ましくは90/10〜45/5
5(モル%/モル%)である。
重合体は、主成分としてテトラフルオロエチレンとプロ
ピレンからなる共重合体であって、テトラフルオロエチ
レン/プロピレンのモル比は、95/5〜30/70
(モル%/モル%)、好ましくは90/10〜45/5
5(モル%/モル%)である。
【0010】また、主成分のテトラフルオロエチレンと
プロピレンに、さらにこれらと共重合可能な単量体成分
を加えて重合してもよい。このような共重合可能な単量
体成分としては、例えば、フッ化ビニリデン、フッ化ビ
ニル、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロメチル
ビニルエーテル、パーフルオロエチルビニルエーテル、
クロロエチルビニルエーテル、グリシジルビニルエーテ
ル、クロロトリフルオロエチレン、エチレン、ブテン−
1、イソブテン、(メタ)アクリル酸及びそのエステル
等が挙げられる。これらの共重合可能な単量体成分は、
テトラフルオロエチレン及びプロピレンの合計量100
モルに対し、100モル以下、好ましくは70モル以下
の範囲で使用することが望ましい。
プロピレンに、さらにこれらと共重合可能な単量体成分
を加えて重合してもよい。このような共重合可能な単量
体成分としては、例えば、フッ化ビニリデン、フッ化ビ
ニル、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロメチル
ビニルエーテル、パーフルオロエチルビニルエーテル、
クロロエチルビニルエーテル、グリシジルビニルエーテ
ル、クロロトリフルオロエチレン、エチレン、ブテン−
1、イソブテン、(メタ)アクリル酸及びそのエステル
等が挙げられる。これらの共重合可能な単量体成分は、
テトラフルオロエチレン及びプロピレンの合計量100
モルに対し、100モル以下、好ましくは70モル以下
の範囲で使用することが望ましい。
【0011】本発明において、特に好ましいテトラフル
オロエチレン−プロピレン系共重合体としては、テトラ
フルオロエチレン−プロピレン共重合体及びテトラフル
オロエチレン−プロピレン−フッ化ビニリデン共重合体
が挙げられる。
オロエチレン−プロピレン系共重合体としては、テトラ
フルオロエチレン−プロピレン共重合体及びテトラフル
オロエチレン−プロピレン−フッ化ビニリデン共重合体
が挙げられる。
【0012】本発明において、外周の絶縁被覆層として
使用するテトラフルオロエチレン−プロピレン系共重合
体は、より強い耐熱耐油性を具備するため、架橋されて
いることが好ましい。架橋は、常法に従い化学架橋又は
放射線架橋によって行うことができる。
使用するテトラフルオロエチレン−プロピレン系共重合
体は、より強い耐熱耐油性を具備するため、架橋されて
いることが好ましい。架橋は、常法に従い化学架橋又は
放射線架橋によって行うことができる。
【0013】化学架橋による場合の架橋剤としては、ジ
クミルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシシクロ
ヘキサン、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオ
キシイソプロピルカーボネート、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン、1,3
−ビス−(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼ
ン、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−
トリメチルシクロヘキサン、ビスフェノールAF、ヘキ
サメチレンジアミンカルバメート等が挙げられる。その
配合量は、ベースのテトラフルオロエチレン−プロピレ
ン系共重合体100質量部に対し、0.2〜3質量部程
度である。
クミルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシシクロ
ヘキサン、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオ
キシイソプロピルカーボネート、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン、1,3
−ビス−(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼ
ン、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−
トリメチルシクロヘキサン、ビスフェノールAF、ヘキ
サメチレンジアミンカルバメート等が挙げられる。その
配合量は、ベースのテトラフルオロエチレン−プロピレ
ン系共重合体100質量部に対し、0.2〜3質量部程
度である。
【0014】γ線、α線、β線、陽子線、X線、電子線
等の照射による放射線架橋を行う場合には架橋助剤を用
いてもよい。架橋助剤としては、トリアリルイソシアヌ
レート、トリアリルシアヌレート、トリメチロールプロ
パントリ(メタ)アクリレート、トリアクリルホルマー
ル、ジアリールメラミン、ジアリールフタレート、テト
ラメチルプロパンテトラ(メタ)アクリレート等が挙げ
られる。これらの配合量は、ベースのテトラフルオロエ
チレン−プロピレン系共重合体100質量部に対し、
0.1〜5質量部程度である。
等の照射による放射線架橋を行う場合には架橋助剤を用
いてもよい。架橋助剤としては、トリアリルイソシアヌ
レート、トリアリルシアヌレート、トリメチロールプロ
パントリ(メタ)アクリレート、トリアクリルホルマー
ル、ジアリールメラミン、ジアリールフタレート、テト
ラメチルプロパンテトラ(メタ)アクリレート等が挙げ
られる。これらの配合量は、ベースのテトラフルオロエ
チレン−プロピレン系共重合体100質量部に対し、
0.1〜5質量部程度である。
【0015】本発明におけるテトラフルオロエチレン−
プロピレン系共重合体からなるフッ素系ゴムには、劣化
防止剤、補強剤、充填剤、抗酸化剤、安定剤、難燃剤、
顔料、滑剤等の通常のゴム材料に配合される各種の添加
剤を本発明の目的を損なわない範囲において必要に応じ
て添加することができる。
プロピレン系共重合体からなるフッ素系ゴムには、劣化
防止剤、補強剤、充填剤、抗酸化剤、安定剤、難燃剤、
顔料、滑剤等の通常のゴム材料に配合される各種の添加
剤を本発明の目的を損なわない範囲において必要に応じ
て添加することができる。
【0016】以下、図面を参照しながら、本発明の実施
の形態をより具体的に説明する。図1は、本発明の耐熱
耐油性電線10の一実施例を示す説明図であり、これ
は、芯線部となる中心の導体部20と、その外周を被覆
する絶縁被覆層30とから構成される。
の形態をより具体的に説明する。図1は、本発明の耐熱
耐油性電線10の一実施例を示す説明図であり、これ
は、芯線部となる中心の導体部20と、その外周を被覆
する絶縁被覆層30とから構成される。
【0017】導体部20は、銅線や錫メッキ軟銅線等の
素線の撚り線からなり、例えば素線数/素線径(本/m
m)が20/0.18〜84/0.45で外径が0.8
〜4.8mmのものである。これは、公称断面積、0.
5〜15mm2 に相当する撚り線である。
素線の撚り線からなり、例えば素線数/素線径(本/m
m)が20/0.18〜84/0.45で外径が0.8
〜4.8mmのものである。これは、公称断面積、0.
5〜15mm2 に相当する撚り線である。
【0018】本発明においては、この導体部外周上に、
テトラフルオロエチレン−プロピレン系共重合体のフッ
素系ゴムからなる絶縁被覆層30が、例えば肉厚0.2
0〜0.80mm、仕上がり外径1.7〜6.4mmと
して形成されている。
テトラフルオロエチレン−プロピレン系共重合体のフッ
素系ゴムからなる絶縁被覆層30が、例えば肉厚0.2
0〜0.80mm、仕上がり外径1.7〜6.4mmと
して形成されている。
【0019】なお、図1においては、導体部を絶縁被覆
層で直接被覆しているが、両者の間に内部導体層を設け
てもよく、また、当該絶縁被覆層の上に耐熱性のシース
を設けてもよい。また、図1の耐熱耐油性電線を、さら
に数本撚り合わせ、これを耐熱性のシースで覆ってケー
ブルを構成してもよい。
層で直接被覆しているが、両者の間に内部導体層を設け
てもよく、また、当該絶縁被覆層の上に耐熱性のシース
を設けてもよい。また、図1の耐熱耐油性電線を、さら
に数本撚り合わせ、これを耐熱性のシースで覆ってケー
ブルを構成してもよい。
【0020】本発明の耐熱耐油性電線は、導体部20の
外周上に絶縁被覆層30を押出被覆することにより形成
することが好ましい。
外周上に絶縁被覆層30を押出被覆することにより形成
することが好ましい。
【0021】絶縁被覆層を形成するコンパウンドは、テ
トラフルオロエチレン−プロピレン系共重合体と、補強
剤及び架橋剤等の添加剤とを2ロールインターナルミキ
サ、一軸混練機、及び二軸混練機等の溶融混練機で溶融
混練して調製する。
トラフルオロエチレン−プロピレン系共重合体と、補強
剤及び架橋剤等の添加剤とを2ロールインターナルミキ
サ、一軸混練機、及び二軸混練機等の溶融混練機で溶融
混練して調製する。
【0022】得られたコンパウンドは、押出成形機に供
給して、好ましくはシリンダ温度、、ヘッド温度が12
0℃以下程度の条件で、上記銅の撚り線等の導体部の外
周上に絶縁被覆層として押出成形被覆することにより、
絶縁被覆層を外周に有する電線を形成する。
給して、好ましくはシリンダ温度、、ヘッド温度が12
0℃以下程度の条件で、上記銅の撚り線等の導体部の外
周上に絶縁被覆層として押出成形被覆することにより、
絶縁被覆層を外周に有する電線を形成する。
【0023】引続きこの絶縁被覆層は、150〜300
℃程度に加熱して、化学架橋するか、又は例えば電子線
加速器から電子線等を20〜500kGy程度照射して
放射線架橋することが好ましい。
℃程度に加熱して、化学架橋するか、又は例えば電子線
加速器から電子線等を20〜500kGy程度照射して
放射線架橋することが好ましい。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明がこれらによって限定されるものではな
い。なお、実施例中、部とは質量部を示す。
るが、本発明がこれらによって限定されるものではな
い。なお、実施例中、部とは質量部を示す。
【0025】〔実施例1〕 (1) テトラフルオロエチレン−プロピレン共重合体か
らなるフッ素系ゴム〔テトラフルオロエチレン/プロピ
レンモル比:55/45(モル%/モル%)〕100部
に、MTカーボン30部、トリアリルイソシアヌレート
3部、ジクミルパーオキシド2部を配合して、二軸混練
機で充分に混練して得られたコンパウンドを、L/D=
24の30mmφの押出機に供給して、素線径0.18
mmの銅線20本を撚り合わせた外径1.0mmの導体
線上に、0.30mmの肉厚で押出被覆した。その後2
20℃に加熱して架橋し、耐熱耐油性電線の試料とした
(これをフッ素ゴム被覆電線試料−1とする。)。
らなるフッ素系ゴム〔テトラフルオロエチレン/プロピ
レンモル比:55/45(モル%/モル%)〕100部
に、MTカーボン30部、トリアリルイソシアヌレート
3部、ジクミルパーオキシド2部を配合して、二軸混練
機で充分に混練して得られたコンパウンドを、L/D=
24の30mmφの押出機に供給して、素線径0.18
mmの銅線20本を撚り合わせた外径1.0mmの導体
線上に、0.30mmの肉厚で押出被覆した。その後2
20℃に加熱して架橋し、耐熱耐油性電線の試料とした
(これをフッ素ゴム被覆電線試料−1とする。)。
【0026】(2) エンジン油(商品名:トヨタキャッ
スルクリーンSJ)をオイルバス中で175℃に保持
し、フッ素ゴム被覆電線試料−1を浸漬した。200〜
1000時間放置した後取りだして、JIS C 30
05に準拠して、浸漬前後の引張強さ保持率及び伸び保
持率を測定した。結果を表1に示す。
スルクリーンSJ)をオイルバス中で175℃に保持
し、フッ素ゴム被覆電線試料−1を浸漬した。200〜
1000時間放置した後取りだして、JIS C 30
05に準拠して、浸漬前後の引張強さ保持率及び伸び保
持率を測定した。結果を表1に示す。
【0027】同様にして、トランスミッション油(商品
名:トヨタオートフルードD−II)をオイルバス中で1
75℃に保持し、フッ素ゴム被覆電線試料−1を浸積
し、200〜1000時間放置した後取りだし、JIS
C 3005に準拠して、浸漬前後の引張強さ保持率
及び伸び保持率を測定した。結果を表2に示す。
名:トヨタオートフルードD−II)をオイルバス中で1
75℃に保持し、フッ素ゴム被覆電線試料−1を浸積
し、200〜1000時間放置した後取りだし、JIS
C 3005に準拠して、浸漬前後の引張強さ保持率
及び伸び保持率を測定した。結果を表2に示す。
【0028】実験中、被覆電線表面を目視で観察した
が、1000時間浸漬後においても、被覆電線の表面に
は、クラックの発生は、全く認められなかった。
が、1000時間浸漬後においても、被覆電線の表面に
は、クラックの発生は、全く認められなかった。
【0029】なお、表1及び2において、引張強さ保持
率(伸び保持率)100%とは、浸漬時間0における引
張強さ(伸び)を浸漬後にもそのまま保持していること
を意味し、例えば引張強さ(伸び)保持率90%とは、
保持率が浸漬前の引張強さ(伸び)の90%に低下して
いることを意味する。実施例1の被覆電線は、クラック
の発生もなく、また引張強さ保持率(伸び保持率)で評
価した場合、優れた耐熱耐油性を有していることがわか
った。
率(伸び保持率)100%とは、浸漬時間0における引
張強さ(伸び)を浸漬後にもそのまま保持していること
を意味し、例えば引張強さ(伸び)保持率90%とは、
保持率が浸漬前の引張強さ(伸び)の90%に低下して
いることを意味する。実施例1の被覆電線は、クラック
の発生もなく、また引張強さ保持率(伸び保持率)で評
価した場合、優れた耐熱耐油性を有していることがわか
った。
【0030】〔実施例2〕 (1) テトラフルオロエチレン−プロピレン−フッ化ビ
ニリデン共重合体からなるフッ素系ゴム〔テトラフルオ
ロエチレン/プロピレン/フッ化ビニリデンモル比:4
0/25/35(モル%/モル%/モル%)〕100部
に、MTカーボン30部、酸化マグネシウム3部、水酸
化カルシウム6部、ビスフェノールAF1.5部、テト
ラブチルアンモニウムブロマイド1部を配合したコンパ
ウンドを使用した他は、実施例1と同様に押出被覆して
耐熱耐油性電線の試料を作製した(これをフッ素ゴム被
覆電線試料−2とする。)。
ニリデン共重合体からなるフッ素系ゴム〔テトラフルオ
ロエチレン/プロピレン/フッ化ビニリデンモル比:4
0/25/35(モル%/モル%/モル%)〕100部
に、MTカーボン30部、酸化マグネシウム3部、水酸
化カルシウム6部、ビスフェノールAF1.5部、テト
ラブチルアンモニウムブロマイド1部を配合したコンパ
ウンドを使用した他は、実施例1と同様に押出被覆して
耐熱耐油性電線の試料を作製した(これをフッ素ゴム被
覆電線試料−2とする。)。
【0031】(2) このフッ素ゴム被覆電線試料−2に
ついて、実施例1と同様にエンジン油及びトランスミッ
ション油に浸漬し、200〜1000時間放置した後取
りだして、JIS C 3005に準拠して引張強さ保
持率及び伸び保持率を測定した。結果を、表1及び2に
示す。
ついて、実施例1と同様にエンジン油及びトランスミッ
ション油に浸漬し、200〜1000時間放置した後取
りだして、JIS C 3005に準拠して引張強さ保
持率及び伸び保持率を測定した。結果を、表1及び2に
示す。
【0032】なお、1000時間浸漬後においても、被
覆電線の表面には、クラックの発生は、全く認められな
かった。
覆電線の表面には、クラックの発生は、全く認められな
かった。
【0033】〔比較例1〕 (1) フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−
テトラフルオロエチレン共重合体からなるフッ素系ゴム
(FKM)〔フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピ
レン/テトラフルオロエチレンモル比:60/15/2
5(モル%/モル%/モル%)〕100部に、MTカー
ボン30部、酸化マグネシウム3部、水酸化カルシウム
6部、ビスフェノールAF1.5部、テトラブチルアン
モニウムブロマイド1部を配合したコンパウンドを使用
した他は、実施例1と同様に押出被覆して耐熱耐油性電
線の試料を作製した(これをフッ素ゴム被覆電線試料−
3とする。)。
テトラフルオロエチレン共重合体からなるフッ素系ゴム
(FKM)〔フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピ
レン/テトラフルオロエチレンモル比:60/15/2
5(モル%/モル%/モル%)〕100部に、MTカー
ボン30部、酸化マグネシウム3部、水酸化カルシウム
6部、ビスフェノールAF1.5部、テトラブチルアン
モニウムブロマイド1部を配合したコンパウンドを使用
した他は、実施例1と同様に押出被覆して耐熱耐油性電
線の試料を作製した(これをフッ素ゴム被覆電線試料−
3とする。)。
【0034】(2) このフッ素ゴム被覆電線試料−3に
ついて、実施例1と同様にエンジン油及びトランスミッ
ション油に浸漬し、200〜1000時間放置した後取
りだして、JIS C 3005に準拠して引張強さ保
持率及び伸び保持率を測定した。結果を、表1及び2に
示す。
ついて、実施例1と同様にエンジン油及びトランスミッ
ション油に浸漬し、200〜1000時間放置した後取
りだして、JIS C 3005に準拠して引張強さ保
持率及び伸び保持率を測定した。結果を、表1及び2に
示す。
【0035】なお、この場合、被覆電線の表面には、す
でに200時間を経過した時点で微細なクラックの発生
が観察された。
でに200時間を経過した時点で微細なクラックの発生
が観察された。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【発明の効果】以上実施例から明らかなごとく、本発明
のテトラフルオロエチレン−プロピレン系共重合体から
なるフッ素系ゴムで形成されている前記絶縁被覆層を備
えた耐熱耐油性電線は、高温のトランスミッション油や
エンジン油に対する耐熱耐油性に優れている。具体的に
は、例えばオートマチックトランスミッションやエンジ
ンのオイルパン内等の高温油雰囲気中における使用環境
で充分な耐熱耐油性を有しており、センサのリード電線
として好適に使用されるものである。
のテトラフルオロエチレン−プロピレン系共重合体から
なるフッ素系ゴムで形成されている前記絶縁被覆層を備
えた耐熱耐油性電線は、高温のトランスミッション油や
エンジン油に対する耐熱耐油性に優れている。具体的に
は、例えばオートマチックトランスミッションやエンジ
ンのオイルパン内等の高温油雰囲気中における使用環境
で充分な耐熱耐油性を有しており、センサのリード電線
として好適に使用されるものである。
【0039】なお、従来提案されているフッ化ビニリデ
ン−ヘキサフルオロプロピレン系共重合体からなるフッ
素系ゴム(FKM)は、トランスミッション油等に浸漬
中に物性変化が大きいことが認められるので、絶縁被覆
層としては、本発明のフッ素系ゴムからなる被覆層が優
れている。
ン−ヘキサフルオロプロピレン系共重合体からなるフッ
素系ゴム(FKM)は、トランスミッション油等に浸漬
中に物性変化が大きいことが認められるので、絶縁被覆
層としては、本発明のフッ素系ゴムからなる被覆層が優
れている。
【0040】また、本発明の耐熱耐油性電線は、自動車
だけでなく船舶等の内燃機関においても同様に使用でき
るものであり、またセンサのリード電線だけでなく、そ
の他の耐熱耐油性電線として好適に使用可能である。さ
らに、本発明の耐熱耐油性電線は、内燃機関だけでな
く、油温や油圧の制御システムを備えた電動機の軸受け
に供給される高温油の油温や油圧を測定するセンサのリ
ード電線としても有用なものである。
だけでなく船舶等の内燃機関においても同様に使用でき
るものであり、またセンサのリード電線だけでなく、そ
の他の耐熱耐油性電線として好適に使用可能である。さ
らに、本発明の耐熱耐油性電線は、内燃機関だけでな
く、油温や油圧の制御システムを備えた電動機の軸受け
に供給される高温油の油温や油圧を測定するセンサのリ
ード電線としても有用なものである。
【図1】本発明の耐熱耐油性電線を示す説明図である。
10 耐熱耐油性電線 20 導体部 30 絶縁被覆層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5G305 AA02 AB24 AB32 BA12 BA13 CA01 CA03 CA38 CA51 CA54 5G313 FA08 FB03 FC10 FD07 5G315 CA02 CA04 CB02 CC08 CD07
Claims (2)
- 【請求項1】 内燃機関のトランスミッション油及び/
又はエンジン油に対する耐熱耐油性の絶縁被覆層を外周
部に有する耐熱耐油性電線において、前記絶縁被覆層
が、テトラフルオロエチレン−プロピレン系共重合体か
らなるフッ素系ゴムで形成されていることを特徴とする
耐熱耐油性電線。 - 【請求項2】 前記耐熱耐油性電線が自動車のオートマ
チックトランスミッション及び/又はエンジンのオイル
パン内において使用される請求項1に記載の耐熱耐油性
電線。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36020699A JP2001176336A (ja) | 1999-12-20 | 1999-12-20 | 耐熱耐油性電線 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36020699A JP2001176336A (ja) | 1999-12-20 | 1999-12-20 | 耐熱耐油性電線 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001176336A true JP2001176336A (ja) | 2001-06-29 |
Family
ID=18468371
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP36020699A Withdrawn JP2001176336A (ja) | 1999-12-20 | 1999-12-20 | 耐熱耐油性電線 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001176336A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006125921A (ja) * | 2004-10-27 | 2006-05-18 | Hitachi Ltd | 酸素センサ |
JP2009224048A (ja) * | 2008-03-13 | 2009-10-01 | Daikin Ind Ltd | 可撓性耐熱被覆電線 |
JP2009245927A (ja) * | 2008-03-28 | 2009-10-22 | Ls Cable Ltd | 高耐熱性絶縁材製造用組成物及びこれを用いて製造された高耐熱絶縁電線 |
JP2009272100A (ja) * | 2008-05-02 | 2009-11-19 | Kurabe Ind Co Ltd | 耐熱耐油絶縁電線及びその製造方法 |
WO2011093403A1 (ja) | 2010-01-29 | 2011-08-04 | 旭硝子株式会社 | 含フッ素弾性共重合体及び製造方法 |
KR101240468B1 (ko) * | 2011-06-29 | 2013-03-11 | 대광중전기 주식회사 | 동피복 중공형 부스바에 냉각장치를 구비하는 배전반 |
CN110734609A (zh) * | 2019-12-05 | 2020-01-31 | 万华化学(宁波)有限公司 | 高韧耐油型聚丙烯复合材料及其制备方法 |
-
1999
- 1999-12-20 JP JP36020699A patent/JP2001176336A/ja not_active Withdrawn
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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CN110734609A (zh) * | 2019-12-05 | 2020-01-31 | 万华化学(宁波)有限公司 | 高韧耐油型聚丙烯复合材料及其制备方法 |
CN110734609B (zh) * | 2019-12-05 | 2022-07-12 | 万华化学(宁波)有限公司 | 高韧耐油型聚丙烯复合材料及其制备方法 |
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Legal Events
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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