JP3344154B2 - 含ふっ素エラストマ被覆電線・ケーブル - Google Patents
含ふっ素エラストマ被覆電線・ケーブルInfo
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- JP3344154B2 JP3344154B2 JP10178995A JP10178995A JP3344154B2 JP 3344154 B2 JP3344154 B2 JP 3344154B2 JP 10178995 A JP10178995 A JP 10178995A JP 10178995 A JP10178995 A JP 10178995A JP 3344154 B2 JP3344154 B2 JP 3344154B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、テトラフルオロエチレ
ン−プロピレン系共重合体を主体とした被覆層を有する
含ふっ素エラストマ被覆電線・ケーブルに関するもので
ある。
ン−プロピレン系共重合体を主体とした被覆層を有する
含ふっ素エラストマ被覆電線・ケーブルに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】一般に、電線・ケーブルの被覆材料とし
てはクロロプロピレンゴムやクロロスルホン化ポリエチ
レンゴム等があるが、この他にテトラフルオロエチレン
−プロピレン系共重合体がある。
てはクロロプロピレンゴムやクロロスルホン化ポリエチ
レンゴム等があるが、この他にテトラフルオロエチレン
−プロピレン系共重合体がある。
【0003】このテトラフルオロエチレン−プロピレン
系共重合体は高度の熱安定性、電気絶縁性、耐熱性、耐
油性、耐薬品性、難燃性を有する架橋可能な含ふっ素エ
ラストマ共重合体であり、この共重合体を導体上又は電
線コア外周に被覆し、パーオキサイドを用いて高圧蒸気
や鉛被缶架橋によって架橋することで、極めて優れた特
性の電線・ケーブルを得ることができる。
系共重合体は高度の熱安定性、電気絶縁性、耐熱性、耐
油性、耐薬品性、難燃性を有する架橋可能な含ふっ素エ
ラストマ共重合体であり、この共重合体を導体上又は電
線コア外周に被覆し、パーオキサイドを用いて高圧蒸気
や鉛被缶架橋によって架橋することで、極めて優れた特
性の電線・ケーブルを得ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このテ
トラフルオロエチレン−プロピレン系共重合体からなる
被覆材料を用いた電線・ケーブルは、クロロプロピレン
ゴムやクロロスルホン化ポリエチレンゴム等のような幅
広く用いられている被覆材料からなる電線・ケーブルと
比較すると耐屈曲疲労性が非常に劣るため、繰り返し曲
げを加えられる環境下で使用される場合、その被覆層に
比較的短時間でクラックを生じてしまうという問題点が
あった。
トラフルオロエチレン−プロピレン系共重合体からなる
被覆材料を用いた電線・ケーブルは、クロロプロピレン
ゴムやクロロスルホン化ポリエチレンゴム等のような幅
広く用いられている被覆材料からなる電線・ケーブルと
比較すると耐屈曲疲労性が非常に劣るため、繰り返し曲
げを加えられる環境下で使用される場合、その被覆層に
比較的短時間でクラックを生じてしまうという問題点が
あった。
【0005】そこで、本発明の目的は、上記の問題点を
有効に解決するために案出されたものであり、その目的
は耐屈曲疲労性に優れた新規な含ふっ素エラストマ被覆
電線・ケーブルを提供するものである。
有効に解決するために案出されたものであり、その目的
は耐屈曲疲労性に優れた新規な含ふっ素エラストマ被覆
電線・ケーブルを提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1の発明は、導体上または電線コア外周に被覆
層が形成された含ふっ素エラストマ被覆電線・ケーブル
において、テトラフルオロエチレン−プロピレン系共重
合体とエチレン系コポリマの含有重量比が90/10か
ら60/40である樹脂分100重量部に対し、酸化防
止剤として、テトラキス[メチレン−3−(3′,5′
−ジ−第三ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート]メタン及び含硫黄エステル化合物を各々0.
5〜10重量部、有機過酸化物を0.5〜5重量部及び
架橋助剤を0.1〜5重量部添加してなる組成物からな
る被覆層を有し、該被覆層は、架橋されて成ることを特
徴とする含ふっ素エラストマ被覆電線・ケーブルであ
る。
に請求項1の発明は、導体上または電線コア外周に被覆
層が形成された含ふっ素エラストマ被覆電線・ケーブル
において、テトラフルオロエチレン−プロピレン系共重
合体とエチレン系コポリマの含有重量比が90/10か
ら60/40である樹脂分100重量部に対し、酸化防
止剤として、テトラキス[メチレン−3−(3′,5′
−ジ−第三ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート]メタン及び含硫黄エステル化合物を各々0.
5〜10重量部、有機過酸化物を0.5〜5重量部及び
架橋助剤を0.1〜5重量部添加してなる組成物からな
る被覆層を有し、該被覆層は、架橋されて成ることを特
徴とする含ふっ素エラストマ被覆電線・ケーブルであ
る。
【0007】請求項2の発明は、上記被覆層は、1時間
半減期130℃以上である有機過酸化物の存在下で架橋
されて成ることを特徴とする請求項1記載の含ふっ素エ
ラストマ被覆電線・ケーブルである。
半減期130℃以上である有機過酸化物の存在下で架橋
されて成ることを特徴とする請求項1記載の含ふっ素エ
ラストマ被覆電線・ケーブルである。
【0008】請求項3の発明は、上記被覆層は、有機過
酸化物及び架橋助剤の存在下で架橋されて成ることを特
徴とする請求項1又は請求項2記載の含ふっ素エラスト
マ被覆電線・ケーブルである。
酸化物及び架橋助剤の存在下で架橋されて成ることを特
徴とする請求項1又は請求項2記載の含ふっ素エラスト
マ被覆電線・ケーブルである。
【0009】
【作用】この組成物の主体となるテトラフルオロエチレ
ン−プロピレン共重合体としては、主成分のテトラフル
オロエチレンとプロピレンに加えて、これらと共重合可
能な成分、例えば、エチレン、ブテン−1、イソブテ
ン、アクリル酸及びそのアルキルエステル、メタクリル
酸及びそのアルキルエステル、フッ化ビニル、フッ化ビ
ニリデン、ヘキサフルオロプロペン、クロロエチルビニ
ルエーテル、グリシジルビニルエーテル、クロロトリフ
ルオロエチレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル
等を適宜含有せしめたものでよい。
ン−プロピレン共重合体としては、主成分のテトラフル
オロエチレンとプロピレンに加えて、これらと共重合可
能な成分、例えば、エチレン、ブテン−1、イソブテ
ン、アクリル酸及びそのアルキルエステル、メタクリル
酸及びそのアルキルエステル、フッ化ビニル、フッ化ビ
ニリデン、ヘキサフルオロプロペン、クロロエチルビニ
ルエーテル、グリシジルビニルエーテル、クロロトリフ
ルオロエチレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル
等を適宜含有せしめたものでよい。
【0010】また、テトラフルオロエチレン−プロピレ
ン系共重合体は耐熱性、成形性などの面からテトラフル
オロエチレン−プロピレンの含有モル比が95/5〜3
0/70の範囲から選定するのが望ましく、特に好まし
くは、90/10〜45/55の範囲である。
ン系共重合体は耐熱性、成形性などの面からテトラフル
オロエチレン−プロピレンの含有モル比が95/5〜3
0/70の範囲から選定するのが望ましく、特に好まし
くは、90/10〜45/55の範囲である。
【0011】また、適宜加えられる主成分以外の成分の
含有量としては50モル%以下、特に30モル%以下の
範囲から選定することが望ましい。
含有量としては50モル%以下、特に30モル%以下の
範囲から選定することが望ましい。
【0012】テトラフルオロエチレン−プロピレン系共
重合の数平均分子量は2万〜15万、望ましくは3〜1
0万の範囲から選定することが押出性及び機械的強度の
点から好ましく、数平均分子量が大きすぎると成形体に
クラックが発生し易くなり、一方、小さすぎると機械的
強度が不十分となり、この場合の数分子量調整は、単量
体濃度、重合開始剤濃度、単量体重合開始剤量比、重合
温度、連鎖移動剤使用などの共重合反応条件の操作によ
り直接生成重合体の分子量を調整する方法、あるいは共
重合反応時には高分子量共重合体を生成し、これを酸素
存在下に加熱処理するなどして低分子量化する方法によ
り行うことができる。
重合の数平均分子量は2万〜15万、望ましくは3〜1
0万の範囲から選定することが押出性及び機械的強度の
点から好ましく、数平均分子量が大きすぎると成形体に
クラックが発生し易くなり、一方、小さすぎると機械的
強度が不十分となり、この場合の数分子量調整は、単量
体濃度、重合開始剤濃度、単量体重合開始剤量比、重合
温度、連鎖移動剤使用などの共重合反応条件の操作によ
り直接生成重合体の分子量を調整する方法、あるいは共
重合反応時には高分子量共重合体を生成し、これを酸素
存在下に加熱処理するなどして低分子量化する方法によ
り行うことができる。
【0013】また、このテトラフルオロエチレン−プロ
ピレン共重合体と混合されるエチレン系コポリマとして
は、エチレン・エチルアクリレート、エチレンメチルア
クリレート、エチレン・メチル・メタアクリレート、エ
チレンプロピレンコポリマ、超低密度ポリエチレン、エ
チレン酢酸ビニルコポマ、エチレン−プロピレンコポリ
マ等が挙げられる。
ピレン共重合体と混合されるエチレン系コポリマとして
は、エチレン・エチルアクリレート、エチレンメチルア
クリレート、エチレン・メチル・メタアクリレート、エ
チレンプロピレンコポリマ、超低密度ポリエチレン、エ
チレン酢酸ビニルコポマ、エチレン−プロピレンコポリ
マ等が挙げられる。
【0014】テトラフルオロエチレン−プロピレン共重
合体とエチレン系コポリマの含有重量比を90/10か
ら60/40と制限したのは、テトラフルオロエチレン
−プロピレン共重合体の割合が多いと耐屈曲疲労性が向
上せず、またエチレン系コポリマの割合が多いと耐熱性
や耐油性が大巾に低下するからである。
合体とエチレン系コポリマの含有重量比を90/10か
ら60/40と制限したのは、テトラフルオロエチレン
−プロピレン共重合体の割合が多いと耐屈曲疲労性が向
上せず、またエチレン系コポリマの割合が多いと耐熱性
や耐油性が大巾に低下するからである。
【0015】酸化防止剤は、テトラキス[メチレン−3
−(3′,5′−ジ−第三ブチル−4′−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート]メタンと含硫黄エステル化合
物を併用することにより極めて大きな相乗効果が得られ
る。
−(3′,5′−ジ−第三ブチル−4′−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート]メタンと含硫黄エステル化合
物を併用することにより極めて大きな相乗効果が得られ
る。
【0016】
【0017】
【0018】この両者の添加量を各々0.5〜10重量
部に制限したのは0.5重量部未満では酸化防止の効果
が低く、10重量部を越えると、それ以上の効果がえら
れない上に、架橋阻害やブリードを発生するからであ
る。
部に制限したのは0.5重量部未満では酸化防止の効果
が低く、10重量部を越えると、それ以上の効果がえら
れない上に、架橋阻害やブリードを発生するからであ
る。
【0019】さらに、このテトラフルオロエチレン−プ
ロピレン共重合体に混合される有機過酸化物としては、
1時間半減期130℃以上のものの例として、ジベンゾ
イルパーオキサイドの如き、ジアシルパーオキサイド、
ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイ
ド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパー
オキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキ
シベンゾエートの如き、パーオキシエステル類などのモ
ノパーオキシ化合物及び2,5−ジメチル−2,5−ジ
−(t−ブチルパーオキシ)−ヘキシン3,2,5−ジ
メチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)−ヘキ
サン、1,4−ビス−(t−ブチルパーオキシイソプロ
ピル)ベンゼン、1,3−ビス−(t−ブチルパーオキ
シイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5
−ジ−(ベンゾイルパーオキシ)−ヘキサン等のパーオ
キシ化合物等が挙げられる。
ロピレン共重合体に混合される有機過酸化物としては、
1時間半減期130℃以上のものの例として、ジベンゾ
イルパーオキサイドの如き、ジアシルパーオキサイド、
ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイ
ド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパー
オキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキ
シベンゾエートの如き、パーオキシエステル類などのモ
ノパーオキシ化合物及び2,5−ジメチル−2,5−ジ
−(t−ブチルパーオキシ)−ヘキシン3,2,5−ジ
メチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)−ヘキ
サン、1,4−ビス−(t−ブチルパーオキシイソプロ
ピル)ベンゼン、1,3−ビス−(t−ブチルパーオキ
シイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5
−ジ−(ベンゾイルパーオキシ)−ヘキサン等のパーオ
キシ化合物等が挙げられる。
【0020】そして、これらの配合量は樹脂分100重
量部に対して0.5〜5重量部とするのが好ましく、
0.5重量部未満では架橋が不十分となって良好な機械
特性が得られず、また、5重量部を越えてもそれ以上の
効果はなく、むしろ耐熱性や耐屈曲疲労性を低下させる
からである。
量部に対して0.5〜5重量部とするのが好ましく、
0.5重量部未満では架橋が不十分となって良好な機械
特性が得られず、また、5重量部を越えてもそれ以上の
効果はなく、むしろ耐熱性や耐屈曲疲労性を低下させる
からである。
【0021】同様に、架橋助剤としては、例えば、アリ
ル化合物、硫黄、有機アミン、マレイミド類、メタクリ
レート類、ジビニル化合物等が挙げられる。好ましくは
フタル酸ジアリル、リン酸トリアリル、ジアヌル酸トリ
アリル、イソシアヌル酸トリアリル、ジアリルメラミン
の如き多アリル化合物、エチレングリコールジメタクリ
レート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、
多価アルコールメタクリレート及びパラ−ベンゾキノン
ジオキシム、P,P´−ジベンゾキノンジオキシム等の
オキシム化合物が用いられ、特に多アリル化合物が望ま
しい。
ル化合物、硫黄、有機アミン、マレイミド類、メタクリ
レート類、ジビニル化合物等が挙げられる。好ましくは
フタル酸ジアリル、リン酸トリアリル、ジアヌル酸トリ
アリル、イソシアヌル酸トリアリル、ジアリルメラミン
の如き多アリル化合物、エチレングリコールジメタクリ
レート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、
多価アルコールメタクリレート及びパラ−ベンゾキノン
ジオキシム、P,P´−ジベンゾキノンジオキシム等の
オキシム化合物が用いられ、特に多アリル化合物が望ま
しい。
【0022】そして、この架橋助剤の配合量も同様に
0.1〜5重量部とするのが好ましく、この範囲より少
ないと架橋が不十分となり、多いとブリードしてスクリ
ューへの材料の食込み不良を引き起こすからである。
尚、本発明では架橋助剤の配合量を0.1〜5重量部に
限定したが、1〜4重量部の範囲で顕著な効果が得られ
る。
0.1〜5重量部とするのが好ましく、この範囲より少
ないと架橋が不十分となり、多いとブリードしてスクリ
ューへの材料の食込み不良を引き起こすからである。
尚、本発明では架橋助剤の配合量を0.1〜5重量部に
限定したが、1〜4重量部の範囲で顕著な効果が得られ
る。
【0023】また、これらの配合剤に加え、金属酸化
物、滑剤、充填剤、補強剤、安定剤、着色剤、カーボン
ブラック等を適当量添加しても差し支えない。
物、滑剤、充填剤、補強剤、安定剤、着色剤、カーボン
ブラック等を適当量添加しても差し支えない。
【0024】
【実施例】以下、本発明の一実施例を添付図面に基づい
て詳述する。
て詳述する。
【0025】先ず、図1により本発明における電線・ケ
ーブルを説明する。
ーブルを説明する。
【0026】図1において、1は導体、2は被覆層、3
は絶縁電線、4はシース、5は介在である。
は絶縁電線、4はシース、5は介在である。
【0027】次に、表1に示す配合で、被覆層とシース
の材料を調整し、これを導体に押出被覆して絶縁電線
(実施例6,7)とし、さらにこれら電線にシースを被
覆してケーブル(実施例1〜5,比較例1〜5)とし
た。
の材料を調整し、これを導体に押出被覆して絶縁電線
(実施例6,7)とし、さらにこれら電線にシースを被
覆してケーブル(実施例1〜5,比較例1〜5)とし
た。
【0028】
【表1】
【0029】表1の実施例と比較例に示すように、テト
ラフルオロエチレン−プロピレン共重合体とエチレン系
コポリマの混合ポリマに、有機過酸化物と、架橋助剤及
び金属酸化物を配合し、これを50〜60℃に加熱した
ロールで15分間均一に混練して組成物を形成した後、
図1に示すように、これらの組成物をヘッド:80℃、
シリンダー1:80℃、シリンダー2:60℃に設定し
た40m/m押出機(L/D=22)を用い、断面積
0.75mm2 の銅撚線からなる導体1の外周に厚さ
1.1mmに押出被覆して被覆層2を形成し、その後、
これを13気圧の水蒸気中(約190℃に3分間浸漬す
ることにより、この被覆層2を架橋して7種類(実施例
6,7)の絶縁電線3を製造した。
ラフルオロエチレン−プロピレン共重合体とエチレン系
コポリマの混合ポリマに、有機過酸化物と、架橋助剤及
び金属酸化物を配合し、これを50〜60℃に加熱した
ロールで15分間均一に混練して組成物を形成した後、
図1に示すように、これらの組成物をヘッド:80℃、
シリンダー1:80℃、シリンダー2:60℃に設定し
た40m/m押出機(L/D=22)を用い、断面積
0.75mm2 の銅撚線からなる導体1の外周に厚さ
1.1mmに押出被覆して被覆層2を形成し、その後、
これを13気圧の水蒸気中(約190℃に3分間浸漬す
ることにより、この被覆層2を架橋して7種類(実施例
6,7)の絶縁電線3を製造した。
【0030】次に、これら7種類の絶縁電線のうち、5
種類の絶縁電線を用い、図1に示すように、同種類の絶
縁電線3をそれぞれ2本撚合わせた外周に、上記と同じ
組成物を介在5と共に18気圧の水蒸気中(約200
℃)に3分間浸漬することにより架橋して外周が11.
0mmの5種類の試料ケーブル(実施例1〜5)を製造
した。
種類の絶縁電線を用い、図1に示すように、同種類の絶
縁電線3をそれぞれ2本撚合わせた外周に、上記と同じ
組成物を介在5と共に18気圧の水蒸気中(約200
℃)に3分間浸漬することにより架橋して外周が11.
0mmの5種類の試料ケーブル(実施例1〜5)を製造
した。
【0031】そして、これら各試料ケーブル及び試料電
線について、ゲル分率、引張特性および耐屈曲疲労性、
耐熱老化性、耐油性を評価し、その結果を表1の下欄に
示した。尚、単純ゲル分率は、ケーブルから所定量切り
取ったサンプルを70℃のテトラフルオロフラン中に2
4時間浸漬後、次式のように求めた。
線について、ゲル分率、引張特性および耐屈曲疲労性、
耐熱老化性、耐油性を評価し、その結果を表1の下欄に
示した。尚、単純ゲル分率は、ケーブルから所定量切り
取ったサンプルを70℃のテトラフルオロフラン中に2
4時間浸漬後、次式のように求めた。
【0032】 単純ゲル(%)=溶解後の重量/初期重量×100 また、引張特性の評価方法の場合、試料電線については
被覆層2(チューブ)を、試料ケーブルについてはシー
ス5を摩耗し、1mm試料を作製、JISK−6301
に準じて行った。
被覆層2(チューブ)を、試料ケーブルについてはシー
ス5を摩耗し、1mm試料を作製、JISK−6301
に準じて行った。
【0033】そして、耐油性は120℃に加熱したAS
TM2号油に18h浸漬した後、上記引張試験を行っ
た。
TM2号油に18h浸漬した後、上記引張試験を行っ
た。
【0034】耐熱老化性については180℃に保持した
老化槽中に試料を入れ、伸びの50%到達時間(日)を
評価した。
老化槽中に試料を入れ、伸びの50%到達時間(日)を
評価した。
【0035】また、耐屈曲疲労性はJISC−3004
に準じた方法により一定温度50℃の雰囲気中におい
て、ケーブルをその10倍径のマンドレルに押しあてて
繰り返し屈曲を与え、シースに亀裂が発生するまでの屈
曲回数により評価した。
に準じた方法により一定温度50℃の雰囲気中におい
て、ケーブルをその10倍径のマンドレルに押しあてて
繰り返し屈曲を与え、シースに亀裂が発生するまでの屈
曲回数により評価した。
【0036】さらに、ブリードの評価は試料ケーブルの
一部をアルミ箔に包み、60℃に保持した恒温槽中に一
週間入れた後の試料表面を観察して行った。比較例につ
いても、実施例と同様の製造方法により試料ケーブルを
作製した。
一部をアルミ箔に包み、60℃に保持した恒温槽中に一
週間入れた後の試料表面を観察して行った。比較例につ
いても、実施例と同様の製造方法により試料ケーブルを
作製した。
【0037】その結果、表1からも明らかなように、本
発明に係わる実施例1〜5の試料ケーブル及び実施例
6,7の試料電線は、いずれもゲル分率が90%以上で
引張特性、耐熱老化性、耐油性も良好であり、亀裂発生
までの繰り返し屈曲回数が20万回以上と優れた耐屈曲
疲労性を示していることが分かる。
発明に係わる実施例1〜5の試料ケーブル及び実施例
6,7の試料電線は、いずれもゲル分率が90%以上で
引張特性、耐熱老化性、耐油性も良好であり、亀裂発生
までの繰り返し屈曲回数が20万回以上と優れた耐屈曲
疲労性を示していることが分かる。
【0038】これに対し、比較例をみると、比較例1の
ようにエチレン系コポリマが少ないと耐屈曲疲労性が劣
り、比較例2のように規定を越えると耐油性が大巾に低
下する。また比較例3及び比較例4は酸化防止剤が規定
外の例であるが、酸化防止剤が少ないと耐熱性は低く、
また、多すぎるとブリードを生じてしまう。架橋助剤が
規定以上を越える比較例5は、押出時に材料がスクリュ
ーに食い込まず、押出不可であった。これは架橋助材剤
がブリードしたためと考えられる。
ようにエチレン系コポリマが少ないと耐屈曲疲労性が劣
り、比較例2のように規定を越えると耐油性が大巾に低
下する。また比較例3及び比較例4は酸化防止剤が規定
外の例であるが、酸化防止剤が少ないと耐熱性は低く、
また、多すぎるとブリードを生じてしまう。架橋助剤が
規定以上を越える比較例5は、押出時に材料がスクリュ
ーに食い込まず、押出不可であった。これは架橋助材剤
がブリードしたためと考えられる。
【0039】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、所定の組
成物を用いることにより、電線特性、特に耐屈曲疲労性
が大巾に向上し、信頼性の高い含ふっ素エラストマ被覆
電線・ケーブルが得られる等といった優れた効果を有す
る。
成物を用いることにより、電線特性、特に耐屈曲疲労性
が大巾に向上し、信頼性の高い含ふっ素エラストマ被覆
電線・ケーブルが得られる等といった優れた効果を有す
る。
【図1】本発明の一実施例を示す断面図である。
1 導体 2 被覆層 3 絶縁電線 4 シース 5 介在
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−20932(JP,A) 特開 平6−220265(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01B 7/04 H01B 3/44
Claims (3)
- 【請求項1】導体上または電線コア外周に被覆層が形成
された含ふっ素エラストマ被覆電線・ケーブルにおい
て、テトラフルオロエチレン−プロピレン系共重合体と
エチレン系コポリマの含有重量比が90/10から60
/40である樹脂分100重量部に対し、酸化防止剤と
して、テトラキス[メチレン−3−(3′,5′−ジ−
第三ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト]メタン及び含硫黄エステル化合物を各々0.5〜1
0重量部、有機過酸化物を0.5〜5重量部及び架橋助
剤を0.1〜5重量部添加してなる組成物からなる被覆
層を有し、該被覆層は、架橋されて成ることを特徴とす
る含ふっ素エラストマ被覆電線・ケーブル。 - 【請求項2】 上記被覆層は、1時間半減期130℃以
上である有機過酸化物の存在下で架橋されて成ることを
特徴とする請求項1記載の含ふっ素エラストマ被覆電線
・ケーブル。 - 【請求項3】 上記被覆層は、有機過酸化物及び架橋助
剤の存在下で架橋されて成ることを特徴とする請求項1
又は請求項2記載の含ふっ素エラストマ被覆電線・ケー
ブル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10178995A JP3344154B2 (ja) | 1995-04-26 | 1995-04-26 | 含ふっ素エラストマ被覆電線・ケーブル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10178995A JP3344154B2 (ja) | 1995-04-26 | 1995-04-26 | 含ふっ素エラストマ被覆電線・ケーブル |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08298022A JPH08298022A (ja) | 1996-11-12 |
JP3344154B2 true JP3344154B2 (ja) | 2002-11-11 |
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ID=14309945
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP10178995A Expired - Fee Related JP3344154B2 (ja) | 1995-04-26 | 1995-04-26 | 含ふっ素エラストマ被覆電線・ケーブル |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3344154B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP1777287A1 (de) * | 2005-10-21 | 2007-04-25 | Symrise GmbH & Co. KG | Allergiereduktion in Parfümölen und Duftstoffen |
-
1995
- 1995-04-26 JP JP10178995A patent/JP3344154B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08298022A (ja) | 1996-11-12 |
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