JP2001176129A - 光ディスク - Google Patents
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Abstract
りも高密度の次世代高密度記録規格とDVD規格とが、
両用再生可能な光ディスクを提供する。 【解決手段】 第1の基板1、第1の基板1の第1の主
表面に設けられた第1凹凸形状部、第1凹凸形状部の表
面に第1反射膜を配置して構成された第1情報記録層
(中密度記録層)3、第1情報記録層3の表面に設けら
れた接着層6、接着層6に第2の主表面を接した第2の
基板4、第2の基板4の第1の主表面に設けられた第2
凹凸形状部、第2凹凸形状部の表面に第2反射膜を配置
して構成した第2情報記録層(高密度記録層)5、第2
情報記録層5の表面に形成された保護層7とから構成さ
れている。第1情報記録層3は第1の基板1の下から、
第2情報記録層5は、第2の基板4の上から光を照射し
て読み出す。
Description
り、特に、異なる記録密度の異なる規格からなる複数の
記録層を有した光ディスクに関するものである。
タル動画のような大容量の情報を取り扱う要請が生じて
おり、大容量の情報を蓄積可能な光記録媒体(光ディス
ク)の要求が高まっている。そして、この光記録媒体
(光ディスク)の記録容量に対する要求は、ますます大
容量化の方向へ進んでいる。例えば、CD(コンパクト
ディスク)の記録容量は、650MB(メガバイト)レ
ベルであったが、DVDの登場により、その記憶容量は
4.7GB(ギガバイト)レベルにまで拡大された。
長化により20GBレベルの大容量記録が可能な「次世
代高密度記録用光ディスク」が複数提案されている(例
えば、平成11年秋季応用物理学会学術講演会 講演予
稿集、2p−ZY−7、3p−ZC−1〜2参照)。
は、適当な高密度ディスク基板15の最表面に凹凸形状
部が形成され、CDと同様に、アルミニウム(Al)等
の金属薄膜からなる反射膜を堆積し、高密度記録層5と
している。そして、高密度記録層5の形成後、厚さ10
0〜120μm程度の保護層(シート等を使用)7を高
密度記録層5の上に設けている。図5に示す次世代高密
度記録用光ディスクの再生時は、保護層7側より、波長
λ=410nm帯のレーザ光(高密度記録層読取り光)
8を、開口数(NA)=0.7〜0.85程度のレンズ
を用いて集光して照射し、反射光から高密度記録層5に
記録された情報を読取る。図5に示す次世代高密度記録
規格の光ディスクでは、主に基板傾きによる収差発生を
防止する目的から、読取り時に透過する媒体、即ち保護
層7の厚さtpを、tp<100〜200μm程度に薄く
し、保護層7を高密度記録層読取り光8が透過して再生
する方法が複数提案されている。即ち、厚い主基板(高
密度ディスク基板)15を高密度記録層読取り光8が透
過しない光学的設計がなされた構造が複数提案されてい
る。
のレベルの高密度光記録媒体が市販されるようになれ
ば、現在のDVDは中密度光記録媒体とみなされるであ
ろう。そして、市場には、CD等の低密度光記録媒体、
DVDなどの中密度光記録媒体、及び上記のような高密
度光記録媒体が混在し、複数の規格が併存する状況とな
るであろうと予測される。
る。図4に示すように、DVDは、厚さ0.6mm、直
径12cmの透明基板(第1の基板)1の表面に凹凸形
状部を形成し、更にAl等の全反射膜を配置して記録層
3を形成している(本発明においては、以後、DVD相
当の記録層を「中密度記録層」3と呼ぶこととす
る。)。更に、この透明基板(第1の基板)1と、厚さ
td=0.6mm、直径12cmの透明平板12とを接
着層6を介して貼り合わせ、DVDが組み立てられてい
る。この貼り合わせにより、DVDの全体のディスク厚
tDは、CDと同じ1.2mmとなる。図4に示すDV
Dを再生する時は、凹凸形状部(中密度記録層)3を形
成した透明基板(第1の基板)1の裏面側から、波長λ
=650nm帯のレーザ光(中密度記録層読取り光)9
を、NA=0.6程度のレンズを用いて集光して照射
し、その反射光から凹凸形状部(中密度記録層)3に記
録された情報を読取る。
の場合は、図4に示した下側の第1の基板1だけでな
く、上側の第2の基板12の表面にも、ピットを形成し
第2の記録層とする。第1の基板1側の第1の記録層に
は半透明膜、第2の基板12側の第2の記録層にはCD
等と同様の全反射膜を形成し、透明な接着層6を介して
貼り合わせを行なう。この際の2層の間隔ΔdをΔd=
55±15μmに厳密に設定する必要がある。再生時
は、半透明膜を形成した第1の基板1の側から、波長6
50nm帯のレーザ光を用いた第1及び第2の記録層読
取り光を、NA=0.6程度のレンズで集光させ、反射
光から、第1及び第2の記録層に記録された情報を得
る。第1及び第2の記録層とも、レンズのフォーカシン
グ動作で層選択を行なうことで、再生可能である。結
局、DVD2層ディスクにおいて、上方の第1の基板1
2を平板としたのが、DVD単層ディスクと考えること
も可能である。
とDVDなどの中密度光記録媒体とが混在している。ユ
ーザの取り扱いの煩雑さや再生装置の重複を避ける目的
から、低密度記録規格と中密度記録規格の光ディスク
を、同一再生装置で再生する技術も多く発表されてい
る。つまり、DVD再生装置においても、先行規格であ
るCDとの互換再生機能が事実上必須とされている。
や、複数の基板厚さに適合する光学系が開発されてき
た。同時に、光ディスク側でも、このような互換性実現
のための試みが開始されている。例えば、「スーパー・
オーディオCD(SACD)」として商品化され始めた
言わば中密度音楽用ディスクでは、図6に示すような
「ハイブリッドSACD」と称する多層構造の光ディス
クが提案されている(特開平9−91752号公報等参
照)。このハイブリッドSACDは、第1の基板1と第
2の基板24の2枚の基板を貼り合わせ、中間に中密度
記録層3、最上層にCD規格の低密度記録層19を設け
ることにより、再生装置の互換性を可能としている。即
ち、厚さtS=0.6mm、直径12cmの透明の第1
の基板1の表面に凹凸形状部を形成し、この凹凸形状部
の上に半透過膜を堆積し、中密度記録層3を形成してい
る。更に、第1の基板1と同様な、厚さ0.6mm、直
径12cmの透明の第2の基板24の表面に凹凸形状部
を形成し、この凹凸形状部の上にはCD等と同様の全反
射膜を堆積し低密度記録層19を形成している。そし
て、第1の基板1及び第2の基板24を透明な接着層6
で貼り合わせている。2枚の基板を貼り合わせている点
では、図4に示したDVD単層ディスクや図示を省略し
たDVD2層ディスクと基本的に同じである。ただし、
ハイブリッドSACDでは、上方の第2の基板24の最
上部に凹凸形状部(低密度記録層)19が位置するよう
にし、下方の第1の基板1の最上部に中密度記録層3が
位置するようにし、それぞれの基板の方向を合わせてい
る。こうして、最上部凹凸形状部層(低密度記録層)1
9は、CD規格に準拠した凹凸形状部が形成され、ディ
スクの中央部には中密度記録層3が形成されている。図
6に示すハイブリッドSACDの再生方法は2種類存在
する。
膜からなる中密度記録層3を形成した第1の基板1の側
から、波長λ=650nm帯のレーザ光(中密度記録層
読取り光)9を、NA=0.6程度のレンズを用いて集
光して照射し、反射光から中密度記録層3に記録された
情報を読取る。即ち、DVDと同等の再生方法である。
(情報量)は得られないものの、CDとみなしての再生
も可能である。この再生時は、第1の基板1の側から、
波長λ=780nm帯のレーザ光(低密度記録層読取り
光)10を、NA=0.45程度のレンズを用いて集光
して照射し、反射光から情報を読取る。
Dを、CD再生装置を用いて再生すれば、ハイブリッド
SACDを通常のCDとみなしての再生が可能となる。
このように、ハイブリッドSACD方式を用いれば、同
一コンテンツを、従来CDと、SACD(高品位音響)
の2種の方式で1枚のディスクに格納出来るため、この
ディスクのみ購入することで、他の(広く普及した)従
来のCD再生装置でも互換再生が可能であるという利点
を有する。このため、消費者は、どの規格の再生装置で
あるかを問わずに、同一コンテンツは1枚の購入で済ま
せることが可能となる。
大容量化の要求から、現在のDVD規格よりも更に高密
度の次世代高密度記録規格が登場すると、現在のCD相
当の低密度記録規格,DVD相当の中密度記録規格に加
え、高密度記録規格の第3の規格が加わることになる。
従って、再生装置が複雑化するのみならず、従来普及し
ているCD再生装置のみや、DVD再生装置のみを保有
するユーザに対するコンテンツ供給を妨げる危険を有す
る。
D再生装置のみを保有するユーザにもCD品位でのコン
テンツを供給可能とすることを意図したものである。し
かし、DVD相当の中密度記録層3を持つ第1の基板1
と、CD相当の低密度記録層19を持つ第2の基板24
を独立に作製し、貼り合わせる構造となっているため、
光ディスクの製造コストが高くなるという欠点を有す
る。つまり、CD製造コストとSACD製造コストの両
方が重畳され、コスト高となる。これゆえ、現実にソフ
ト製作(ソフトメーカ)側の同意が得られず、製品とし
てのハイブリッドSACDは事実上皆無となっている。
ためには、中密度記録層3は半透過層にする必要があ
り、反射率の低下から特性の劣化を招いていた。この解
決のために波長選択膜を使用すると、更に、コスト高に
なるという欠点を有していた。
透過する光透過層の厚みtは厳密に制御する必要がある
ので、図6に示したハイブリッドSACDや、図示を省
略したDVD2層ディスクにおいて、接着層の厚さを含
めて各層の厚さ、及び全体の厚さを厳密に制御する必要
があり、コスト高の原因となっていた。即ち、光透過層
の厚みtの厚さ誤差Δtは、対物レンズの設計中心、N
A値、及び読取り光の波長等により上限がある。光透過
層の厚さ誤差Δtが、スポットに与える収差量は、NA
値及び読取り光の波長に規定される。具体的には、シス
テム側に要請として、CDの場合には、NA=0.45
の場合は、光透過層の厚さ誤差ΔtCDの上限(規格)は
±100μmである。DVDの場合には、NA=0.6
において、光透過層の厚さ誤差ΔtDVDの上限(規格)
は±30μmとされている。DVD2層ディスクの場
合、接着層6の部分の間隔Δd=55±15μmが規格
として規定されているのは、Δdを2|ΔtDVD|=6
0μm程度に納める必要があるからである。
スクが併存する状況に対応した再生互換の問題は、現在
のDVD規格が中密度記録規格とみなされるであろう次
世代の高密度記録規格が実用化される際にも当然予想さ
れる状況である。即ち、近い将来、DVD規格とDVD
規格よりも高密度の光ディスク規格(高密度記録規格)
との再生互換の問題が現実化すると予想される。従っ
て、次世代高密度記録規格(高密度記録規格)とDVD
規格(中密度記録規格)との両用再生可能なディスク構
造が課題となっている。
み、安価で、且つ特性の劣化がなく、現在の中密度記録
規格(DVD規格)よりも高密度の次世代高密度記録規
格(高密度記録規格)と中密度記録規格(DVD規格)
とが、両用再生可能な光ディスクを提供しようとするも
のである。
密度記録規格及び高密度記録規格(次世代高密度記録規
格)と記録密度の異なる3規格の光ディスクに対して、
互換性を有し、それぞれの規格で再生可能な光ディスク
を提供することである。
間層の厚さを含めて各層の厚さの制限が緩やかで、所望
の厚さを容易に実現でき、低コスト化が容易な複数規格
互換再生可能な光ディスクを提供することである。
の特徴は、第1波長の光に対して透明で、光ディスク規
格厚の1/2の厚さの第1の基板;第1の基板の第1の
主表面に設けられた第1凹凸形状部;第1凹凸形状部の
表面に、第1波長の光を実質的に完全反射する第1反射
膜を配置して構成された第1情報記録層;第1情報記録
層の表面に設けられた接着層;接着層に第2の主表面を
接した第2の基板;第2の基板の第1の主表面に設けら
れた第1凹凸形状部よりも高密度の第2凹凸形状部;第
2凹凸形状部の表面に、第1波長よりも短かい第2波長
の光を実質的に完全反射する第2反射膜を配置して構成
した第2情報記録層;第2情報記録層の表面に形成さ
れ、第2波長の光に対して透明で、厚さ10μm乃至2
00μmの保護層とからなることを光ディスクであるこ
とである。この保護層の厚さは約100〜120μmが
より好ましい。ここで、「第1の主表面」及び「第2の
主表面」は、基板の表面と裏面との関係にある互いに対
向する二つの主表面のいずれかの主表面である。本発明
において、「実質的に完全反射する」とは、半透明膜と
して意図していない反射膜を想定しており、例えば反射
率70%以上であれば、実質的に完全反射とみなすこと
が可能である。より望ましくは、反射率90%以上が、
実質的に完全反射と言える。
格の「中密度記録層」とし、「第2情報記録層」は、次
世代高密度記録規格等のDVD規格よりも高密度の「高
密度記録層」とすることが出来る。この場合は、第1情
報記録層に記録された情報を読み出すための第1波長の
光は、「中密度記録層読取り光」、第2情報記録層に記
録された情報を読み出すための第2波長の光は、「高密
度記録層読取り光」と定義することが可能である。ま
た、本発明において、「凹凸形状部」とは、トラック案
内溝及び記録ピットからなる凹凸形状を有する部分であ
る。例えば、第1波長は630〜670nmの範囲の波
長に選び、第2波長は390〜430nmの範囲の波長
に選ぶことが可能である。
いては、再生時には第1波長の光は、第1波長の光に対
して透明な第1の基板側から入射出来る。一方、第2波
長の光は、第2波長の光に対して透明な保護層側から入
射出来る。このように第1波長及び第2波長の光の再生
時の入射面が逆であるために、第1情報記録層(中密度
記録層)に対しては、保護層の膜厚は光学的には関与し
ない。一方、第2情報記録層(高密度記録層)に対して
は、第1の基板の厚さ及び第2の基板の厚さは、光学的
に関与しない。特に、第2の基板の厚さは第1情報記録
層(中密度記録層)及び第2情報記録層(高密度記録
層)のいずれにも影響を与えず、厚さの選択の自由度を
有している。従って、第1の基板の厚さを第1情報記録
層(中密度記録層)に対して最適に、保護層厚を第2情
報記録層(高密度記録層)に対して最適化することが容
易である。しかも第2の基板の厚さの選択性があるの
で、第1の基板、接着層、第2の基板、保護層の厚さの
合計を、光ディスク規格厚(許容範囲ΔtCDを考慮した
CDの規格厚tD+|ΔtCD|の範囲内)に設定するこ
とが極めて簡単である。冒頭で述べたように、光ディス
クにおいては、読取り光が透過する光透過層の厚みtは
厳密に制御する必要があり、CDの場合には、NA=
0.45として、光透過層の厚さ誤差ΔtCDの上限
(規格)は±100μmである。DVDの場合には、N
A=0.6において、光透過層の厚さ誤差Δt DVDの上
限(規格)は±30μmである。例えば、保護層の膜厚
を100μm以下にしておけば、第1の基板、接着層、
第2の基板、保護層の厚さの合計を、許容範囲ΔtCDを
考慮したCDの規格厚tD+|ΔtCD|の範囲内に設定
出来る。また、最初に第1の基板、第2の基板基板及び
接着層の厚さの合計をtD−|ΔtCD|に選んでおけ
ば、保護層の膜厚は最大2|ΔtCD|の範囲まで選択で
きることになる。これは、第2の基板基板の厚さの選択
の自由度を考慮すれば、簡単に実現可能である。
れば、例えばNTSC現行放送品位(中密度記録規格)
と、高精細放送品位(次世代高密度記録規格)の両方
で、同一のコンテンツが記録された光ディスクを容易に
作製可能である。また、ダウンコンバート装置や、青色
レーザダイオード(LD)を読取り光源に用いた次世代
高密度記録用光ディスク再生装置(次世代高密度記録再
生装置)を有しないユーザでも、中密度記録規格のDV
D再生装置での再生が可能であり、再生装置を問わない
コンテンツ流通が可能となる。
の基板の第2の主表面に設けられた第1凹凸形状部;第
1凹凸形状部の表面に、第1波長の光を実質的に完全反
射する反射膜を配置して構成された第1情報記録層;第
1情報記録層の表面に設けられ、第1波長の光に対して
透明な接着層;接着層に第1の主表面を接し、第1波長
の光に対して透明で、光ディスク規格厚の1/2の厚さ
の第2の基板;第2の基板の第2の主表面に設けられた
第1凹凸形状部よりも高密度の第2凹凸形状部;第2凹
凸形状部の表面に、第1波長よりも短かい第2波長の光
を反射し、第1波長の光を透過する波長選択膜を堆積し
て構成した第2情報記録層;第2情報記録層の表面に形
成され、第1及び第2波長の光に対して透明で、厚さ1
0μm乃至200μmの保護層とからなる光ディスクで
あることである。この保護層の厚さは約100〜120
μmがより好ましい。
上記の第1の特徴に係る光ディスクの構造を基本として
いるが、第1情報記録層(中密度記録層)及び第2情報
記録層(高密度記録層)の2層に記録された情報を、共
に同一の方向から照射する第1波長及び第2波長の読取
り光で読取る構造としている点が異なる。従って、本発
明の第2の特徴に係る光ディスクは、第1の特徴に係る
光ディスクの構造を上下反転した第1の基板1と第2の
基板4との位置関係となっている。
生に用いる光源は、例えば、第1情報記録層に記録され
た情報を読み出すための光は、第1波長λ1=630〜
670nmの範囲の波長を有するように選び、第2情報
記録層に記録された情報を読み出すための光は、第2波
長λ2=390〜430nmの範囲の波長を有するよう
に選ぶことが可能である。より具体的には、第1波長λ
1=約650nmの光と、第2波長λ2=約410nmの
光とのように、互いの波長が大きく異なるように、それ
ぞれの波長を選択することが出来る。このため、第1波
長λ1=約650nm帯の光を透過し、第2波長λ2=約
410nm帯の光を高反射率にするような波長選択性を
持つ波長選択膜の作製は、第1波長λ1及び第2波長λ2
が互いに大きく異なるため、誘電体多層膜等を用いれば
容易に実現出来る。例えば、波長選択膜が第1波長λ1
の光を20〜40%透過するように構成することは容易
に可能である。
スクは製造が容易で、しかも反射率の低下に伴う特性の
劣化も少なく出来る。
いては、第2情報記録層の表面に形成する保護層の厚さ
は、10μm乃至200μm程度と薄くて良いので、第
2の基板の厚さを第1情報記録層(中密度記録層)に対
して最適に、保護層厚を第2情報記録層(高密度記録
層)に対して最適化し、しかも第1の基板、接着層、第
2の基板、保護層の厚さの合計を、光ディスク規格厚に
設定することも容易である。
報記録層を、それぞれDVD規格、及び次世代高密度記
録規格に対応させ、この2規格で再生可能な光ディスク
が容易に実現出来る。従って、本発明の第1の特徴に係
る光ディスクと同様に、NTSC現行放送品位(中密度
記録規格)と、高精細放送品位(次世代高密度記録規
格)の両方で、同一のコンテンツが記録された光ディス
クを容易に作製可能である。また、次世代高密度記録用
光ディスク再生装置(次世代高密度記録再生装置)を有
しないユーザでも、中密度記録規格のDVD再生装置で
の再生が可能であり、再生装置を問わないコンテンツ流
通が可能となる。
して透明で光ディスク規格厚の1/4の厚さの第1の基
板;第1の基板の第2の主表面に設けられた第1凹凸形
状部;第1凹凸形状部の表面に、第3波長より短い第1
波長の光を反射し、第3波長の光を透過する反射率を有
する波長選択膜を堆積して構成された第1情報記録層;
第1情報記録層の表面に設けられ、第1波長及び第3波
長の光に対して透明な第1接着層;第1接着層に第1の
主表面を接し、第1波長及び第3波長の光に対して透明
な光学材料からなる第2の基板;第2の基板の第2の主
表面に設けられた第1凹凸形状部よりも高密度の第2凹
凸形状部;第2凹凸形状部の表面に、第1波長よりも短
かい第2波長の光を反射し、第1波長及び第3波長の光
を透過する波長選択膜を堆積して構成した第2情報記録
層;第2情報記録層の表面に形成され、第1乃至第3波
長の光に対して透明で、厚さ10μm乃至200μmの
第1保護層;第1の基板の第1の主表面に設けられ、第
3波長の光に対して透明な第2接着層;第2接着層に第
2の主表面を接し、第1の基板と等しい厚さの第3の基
板;第3の基板の第1の主表面に設けられた第1凹凸形
状部よりも低密度の第3凹凸形状部;第3凹凸形状部の
表面に、第3波長の光を実質的に完全反射する反射膜を
配置して構成した第3情報記録層;第3情報記録層の表
面に形成された第2保護層とからなる光ディスクである
ことである。第1保護層の厚さは100〜120μm程
度がより好ましい。第2の基板の厚さは約0.5mm程
度に選定可能である。
第2の特徴に係る光ディスクの応用例であり、低密度記
録規格も含めた3規格の互換再生構造を有する光ディス
クを提供するものである。そして、本発明の第2の特徴
に係る光ディスクの再生に用いる光源は、例えば、第1
情報記録層に記録された情報を読み出すための光は第1
波長λ1=630〜670nmの範囲の波長を有するよ
うに選ぶことが出来る。また、第2情報記録層に記録さ
れた情報を読み出すための光は、第2波長λ2=390
〜430nmの範囲の波長を有するように、第3情報記
録層に記録された情報を読み出すための光は、第3波長
λ3=760〜810nmの範囲の波長を有するように
選ぶことが可能である。このため、第2情報記録層及び
第1情報記録層に用いる半透明膜としての波長選択膜の
作製は、第1波長λ1、第2波長λ 2、第3波長λ3の光の
波長が、それぞれ互いに大きく異なるため、誘電体多層
膜等を用いれば容易に実現出来る。例えば、第2情報記
録層に用いる波長選択膜が、第1波長λ1の光を20〜
40%透過するように構成することは容易に可能であ
る。あるいは、第2情報記録層及び第1情報記録層に用
いる波長選択膜が波長760〜810nmの光を60%
以上透過するように構成することは容易に可能である。
特に、同一方向入射で3層再生しているので、1層当
たりに換算すればコスト的には十分安価となる。従っ
て、例えば、第1情報記録層、第2情報記録層及び第3
情報記録層を、それぞれDVD規格、次世代高密度記録
規格及びCD規格に対応させ、この3規格で再生可能な
光ディスクが容易に実現出来る。
第1乃至第3の実施の形態を説明する。以下の図面の記
載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符
号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、
厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実の
ものとは異なることに留意すべきである。従って、具体
的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきもの
である。また図面相互間においても互いの寸法の関係や
比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
の形態に係る光ディスクは、図1の断面図に示すよう
に、第1の基板1;この第1の基板1の第1の主表面に
設けられた第1凹凸形状部;第1凹凸形状部の表面に第
1反射膜を配置して構成された第1情報記録層(中密度
記録層)3;第1情報記録層(中密度記録層)3の表面
に設けられた接着層6;接着層6に第2の主表面を接し
た第2の基板4;第2の基板4の第1の主表面に設けら
れた第2凹凸形状部;第2凹凸形状部の表面に第2反射
膜を配置して構成した第2情報記録層(高密度記録層)
5;第2情報記録層(高密度記録層)5の表面に形成さ
れた保護層7とから構成されている。
て透明な光学材料からなり、光ディスク規格厚tD=
1.2mmの1/2の0.6mmの厚さtsを有する。
第1の基板1に用いる透明基板としては、ポリカーボネ
ートやポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアク
リル系樹脂よりなるプラスチック基板やガラス基板等が
好適である。「第1凹凸形状部」とは、第1トラック案
内溝及び第1記録ピットからなる凹凸形状を有する部分
である。第1凹凸形状部は、例えば、DVD規格に準拠
した凹凸形状を構成すれば良い。第1反射膜は、第1波
長λ1の光に対して70%以上の反射率を有する。好ま
しくは、アルミニウム(Al)、金(Au)等の金属薄
膜からなる全反射膜である。第2の基板4は、透明基板
である必要はないが、光ディスク規格厚tD=の1/2
の0.6mmの厚さ、若しくは0.6mmより極く僅か
薄い厚さである。「第2凹凸形状部」とは、第2トラッ
ク案内溝及び第2記録ピットからなる凹凸形状を有する
部分で、第1凹凸形状部よりも高密度に形成されてい
る。即ち、第2トラック案内溝のトラックピッチは第1
トラック案内溝のトラックピッチよりも小さく形成さ
れ、第2記録ピットの光学密度は、第1記録ピットの光
学密度よりも高密度に形成されている。この第2凹凸形
状部は、例えば、次世代高密度記録規格の第2トラック
案内溝及び第2記録ピットを有する。この場合は、例え
ば、トラックピッチ0.36μm、最短ピット長0.1
9μmに選べば良い。第2反射膜は、第1波長λ1より
も短かい第2波長λ2の光に対して70%以上の反射率
を有する。
明な材料から構成され、厚さtp=10μm乃至200
μmである。保護層7の厚さtpは、より好ましくはtp
=100〜120μm程度とすれば良い。保護層7とし
ては紫外(UV)線硬化樹脂等を使用出来る。保護層7
の厚さtpは、第2波長λ2及び第2情報記録層(高密度
記録層)5に照射するレンズのNA値によって決まる。
例えば、第2波長λ2=0.4μmとし、NA≧0.7
8のレンズを用いて集光して、第2情報記録層(高密度
記録層)5に第2波長λ2の光を照射するとすれば、最
大厚みtpmax=180μmとなる。よって、保護層7の
最大厚みは、180μm乃至200μm程度が好ましい
といえる。一方、保護層7の厚さtpの下限は、第2情
報記録層(高密度記録層)5を保護する保護機能が確保
されるかによって決まる。即ち、本発明の第1の実施の
形態に係る光ディスクの信頼性や、レンズの保護層7表
面への衝突の影響を考慮するとtpmin=10μm以上で
あることが好ましい。
係る光ディスクは: (a) DVDとしての再生時は、透明基板である第1
の基板1の側から、波長λ=650nm帯のレーザ光
(中密度記録層読取り光)9をNA=0.6程度のレン
ズを集光して照射し、反射光から第1情報記録層(中密
度記録層)3に記録された情報を読取る; (b)次世代高密度記録用光ディスクとしての再生時
は、保護層7側より、波長λ=410nm帯のレーザ光
(高密度記録層読取り光)8をNA=0.7〜0.85
程度のレンズを用いて集光して照射し、反射光から第2
情報記録層(高密度記録層)5に記録された情報を読取
る、ことが可能である。
係る光ディスクの構造によれば、DVDとしての中密度
記録規格を満足する上、次世代高密度記録規格に対して
もその仕様を完全に満足することが可能である。各基板
1,4については、一面にのみ記録層を持ち、各々単純
な全反射膜を形成しただけの、容易に作製可能な構造と
なっている。ここで、本発明では、第1情報記録層(中
密度記録層)3及び第2情報記録層(高密度記録層)5
の2層を逆方向から読取る構成としたため、2層構造で
ありながら、DVD2層ディスクやハイブリッドSAC
Dと異なり、半透過膜構造や、透明接着層が不要であ
る。また、接着層等の層間膜厚の精密な制御を必要とし
ない。このため、製造工程が単純で製造歩留まりが高
く、製造コストも安価になる。高密度記録層用基板とな
る第2の基板4については、透明であることも不要であ
る。しかも、DVD2層ディスクの場合は、透明接着層
の厚さΔdをΔd=55±15μmに厳密に制御する必
要があった。従って、2枚の基板の貼り合わせ構造であ
りながら、DVD2層ディスクよりも、低い製造コスト
で製造することが可能である。
クは以下のような製造工程で製造出来る。
12cmの第1の基板1及び第2の基板4の2枚を用意
する。そして、第1の基板1の第1の主表面に、DVD
規格に準拠した第1凹凸形状部を形成する。第1凹凸形
状部の第1トラック案内溝は、第1の基板1がプラスチ
ック基板の場合には射出成形によって形成すれば良く、
ガラス基板の場合にはフォトポリマー法(2P法)によ
って形成すれば良い。この第1凹凸形状部の上に、真空
蒸着やスパッタリング法により、アルミニウム(A
l)、金(Au)等の金属薄膜を堆積し全反射膜を構成
し、第1情報記録層(中密度記録層)3を形成する。
面に、次世代高密度記録規格に準拠した第2凹凸形状部
を形成する。第2凹凸形状部の上に、真空蒸着やスパッ
タリング法により、アルミニウム(Al)、金(Au)
等の金属薄膜を堆積し、全反射膜を構成し、第2情報記
録層(高密度記録層)5を形成する。そして、第2情報
記録層(高密度記録層)5の上に、塗布法、真空蒸着、
スパッタリング法、若しくはCVD法等によりにより、
保護層7を形成する。
2情報記録層(高密度記録層)5の凹凸形状部面が位置
し、下方の第1の基板1の上面、即ち両基板の中間に、
第1情報記録層(中密度記録層)が位置するように、第
1の基板1と第2の基板4とを接着層6で貼り合わせ
る。
は、情報記録層にまで到達する光透過層の厚さ誤差Δt
について厳しい要求がある。即ち、光透過層の厚みt
が、対物レンズの設計中心からずれた場合、光透過層の
厚さ誤差Δtがスポットに与える収差量は、NA値及び
レーザ光の波長λに比例する。具体的には、CDの場合
には、NA=0.45が実用化されているので、この場
合は、光透過層の厚さ誤差ΔtCDの規格は±100μm
である。また、DVDの場合には、NA=0.6でΔt
DVDの規格は±30μmである。本発明の第1の実施の
形態に係る光ディスクによれば、次世代高密度記録規格
に対応した第2情報記録層(高密度記録層)5とDVD
規格に対応した第1情報記録層(中密度記録層)3で
は、再生時読取り光の入射面が逆であるゆえに、DVD
では保護層7の厚さ誤差Δtは光学的には関与せず、一
方、第2情報記録層(高密度記録層)5に記録された情
報の読取りには、第1の基板1の厚さ誤差ΔtDVDは光
学的に関与していない。更に、第2の基板4の厚さは第
1情報記録層(中密度記録層)3及び第2情報記録層
(高密度記録層)5のいずれにも影響を与えないので厚
さの選択の自由度を有している。従って、第1の基板1
の厚さを第1情報記録層(中密度記録層)3に対して最
適に、保護層7の厚さを第2情報記録層(高密度記録
層)5に対して最適化することが容易である。しかも第
2の基板4の厚さの選択性があるので、第1の基板1、
接着層6、第2の基板4、保護層7の厚さの合計を、光
ディスク規格厚(許容範囲ΔtCDを考慮したCDの規格
厚tD+|ΔtCD|の範囲内)に設定することが極めて
簡単である。従って、第1の基板1の基板厚をDVD規
格に、保護層7の厚さtpを次世代高密度記録規格に最
適化し、同時に全体の厚さが光ディスク規格厚を満足す
るディスクの作製が簡単に得られる。
クによれば、例えばNTSC現行放送品位と、高精細放
送品位の両方で同一のコンテンツが記録されたディスク
が容易に作製可能である。従って、ダウンコンバート
や、青色LDを用いた次世代高密度記録用光ディスク再
生装置を有しないユーザでも、DVD再生装置での第1
情報記録層(中密度記録層)3に記録された情報の再生
が可能であり、再生装置を問わないコンテンツ流通が可
能である。
の形態に係る光ディスクは、図2に示すように、第1の
実施の形態に係る光ディスクの構造を基本としている
が、第2情報記録層(高密度記録層)16及び第1情報
記録層(中密度記録層)3の2層に記録された情報を、
共に同一の方向から照射する高密度記録層読取り光8及
び中密度記録層読取り光9で読取る構造としている点が
異なる。従って、本発明の第2の実施の形態に係る光デ
ィスクは、第1の実施の形態に係る光ディスクの構造を
上下反転した第1の基板1と第2の基板4との位置関係
となっている。
ディスクは、第1の基板1;第1の基板1の第2の主表
面に設けられた第1凹凸形状部;第1凹凸形状部の表面
に反射膜を配置して構成された第1情報記録層(中密度
記録層)3;第1情報記録層(中密度記録層)3の表面
に設けられた接着層6;接着層6に第1の主表面を接し
た第2の基板4;第2の基板4の第2の主表面に設けら
れた第2凹凸形状部;第2凹凸形状部の表面に第2波長
λ2の光を反射し、第1波長λ1の光を透過する波長選択
膜を堆積して構成した第2情報記録層(高密度記録層)
16;第2情報記録層(高密度記録層)16の表面に形
成された保護層7とから構成されている。つまり、図2
に示した第1の基板1と第2の基板4との位置関係にお
いて、接着層6により、第1の基板1と第2の基板4と
を接着した構造となっている。
が、光ディスク規格厚tD=1.2mmの1/2の0.
6mmの厚さ、若しくは0.6mmより極く僅か薄い厚
さt sを有する。第1凹凸形状部は、第1トラック案内
溝及び第1記録ピットからなる凹凸形状を有する部分
で、例えば、DVD規格に準拠した凹凸形状を有する。
第1凹凸形状部の表面に堆積された反射膜は、第1波長
λ1の光に対して70%以上の反射率を有する。好まし
くは、アルミニウム(Al)、金(Au)等の金属薄膜
からなる全反射膜である。接着層6は第1波長λ1の光
に対して透明な材料から構成されている。第2の基板4
は、第1波長λ1に対して透明な光学材料からなり、光
ディスク規格厚の1/2の厚さの0.6mmの厚さであ
る。第2凹凸形状部は、第2トラック案内溝及び第2記
録ピットからなる凹凸形状を有する部分で、第1凹凸形
状部よりも高密度に形成されている。即ち、第2トラッ
ク案内溝のトラックピッチは第1トラック案内溝のトラ
ックピッチよりも小さく形成され、第2記録ピットの光
学密度は、第1記録ピットの光学密度よりも高密度に形
成されている。この第2凹凸形状部は、例えば、次世代
高密度記録規格の第2トラック案内溝及び第2記録ピッ
トを有する。この場合は、例えば、トラックピッチ0.
36μm、最短ピット長0.19μmに選べば良い。第
2凹凸形状部の表面に堆積された波長選択膜は、第1波
長λ1よりも短かい第2波長λ2の光を反射し、第1波長
λ1の光を透過する光学的特性を有する。この第2情報
記録層(高密度記録層)16を構成する波長選択膜は、
例えば、第1波長λ1=約650nm帯の中密度記録層
読取り光9と第2波長λ2=約410nm帯の高密度記
録層読取り光8とに対して波長選択性を有する半透過膜
となっている。即ち、第1波長λ1=650nm帯のレ
ーザ光に対する透過率を所定値以上とし、第2波長λ2
=410nm帯のレーザ光に対する反射率を所定値以上
としている。この波長選択膜は、酸化チタン(Ti
O2)、硫化亜鉛(ZnS)、酸化膜(SiO2)、窒化
膜(Si3N4)等の所定の組み合わせを用いた誘電体多
層膜を用いることが出来る。
面に形成される保護層7は、第2波長λ2の光に対して
透明な材料から構成され、厚さtp=10μm乃至20
0μmである。保護層7の厚さtpは、より好ましくは
tp=100〜120μm程度とすれば良い。保護層7
としては紫外(UV)線硬化樹脂等を使用出来る。例え
ば、第2波長λ2=0.4μmとし、NA≧0.78の
レンズを用いて集光して、第2情報記録層(高密度記録
層)16に第2波長λ2の光を照射するとすれば、最大
厚みtpmax=180μmとなる。よって、保護層7の最
大厚みは、180〜200μm程度が好ましいといえ
る。保護層7の厚さtpの下限は、第2情報記録層(高
密度記録層)16を保護する保護機能が確保されるかに
よって決まる。即ち、本発明の第2の実施の形態に係る
光ディスクの信頼性や、レンズの保護層7表面への衝突
の影響を考慮するとtpmin=10μm以上であることが
好ましい。
クは、2層DVDやハイブリッドSACDと異なり、こ
の2層の再生に用いる光源は、第1波長λ1=約650
nm帯の中密度記録層読取り光9と第2波長λ2=約4
10nm帯の高密度記録層読取り光8で、波長が互いに
大きく離れている。従って、第1波長λ1=約650n
m帯の中密度記録層読取り光9を透過し、第2波長λ2
=約410nm帯の高密度記録層読取り光8を高反射率
にするような波長選択性を持つ第2情報記録層(高密度
記録層)16用の波長選択膜の作製は十分容易である。
従って、本発明の第2の実施の形態に係る光ディスクは
製造が容易で、反射率の低下に伴う特性の劣化も少な
く、工業的に大きな利点を有する。従って、同一方向入
射での2層再生でも、第1の実施の形態に匹敵する性能
が期待出来る上、コストも全く同等と考えられる。
ク上面に従来と同様のレーベル層が形成可能である。
クにおいては、第2情報記録層(高密度記録層)16の
表面に形成する保護層7の厚さtpは、10μm乃至2
00μm程度と薄くて良いので、第2の基板4の厚さを
第1情報記録層(中密度記録層)3に対して最適にし、
保護層7の厚さtpを第2情報記録層(高密度記録層)
16に対して最適化し、しかも第1の基板1、接着層
6、第2の基板4、保護層7の厚さの合計を、光ディス
ク規格厚tDの許容範囲内に設定することも容易であ
る。
と同様に、NTSC現行放送品位(中密度記録規格)
と、高精細放送品位(次世代高密度記録規格)の両方
で、同一のコンテンツが記録された光ディスクを容易に
作製可能である。また、次世代高密度記録用光ディスク
再生装置(次世代高密度記録再生装置)を有しないユー
ザでも、中密度記録規格のDVD再生装置での再生が可
能であり、再生装置を問わないコンテンツ流通が可能と
なる。
第3の実施の形態に係る光ディスクは、第2の実施の形
態に係る光ディスクの応用例であり、低密度記録規格で
あるCD規格も含めた3規格の互換再生構造を有する光
ディスクを提供するものである。即ち、本発明の第3の
実施の形態に係る光ディスクは、第1の基板17;第1
の基板17の第2の主表面に設けられた第1凹凸形状
部;第1凹凸形状部の表面に波長選択膜を堆積して構成
された第1情報記録層(中密度記録層)3;第1情報記
録層(中密度記録層)3の表面に設けられた第1接着層
6;第1接着層6に第1の主表面を接した第2の基板
4;第2の基板4の第2の主表面に設けられた第2凹凸
形状部;第2凹凸形状部の表面に波長選択膜を堆積して
構成した第2情報記録層(高密度記録層)16;第2情
報記録層(高密度記録層)16の表面に形成された第1
保護層7;第1の基板17の第1の主表面に設けられた
第2接着層20;第2接着層20に第2の主表面を接し
た第3の基板18;第3の基板18の第1の主表面に設
けられた第3凹凸形状部;第3凹凸形状部の表面に反射
膜を配置して構成した第3情報記録層(低密度記録層)
19;第3情報記録層(低密度記録層)19の表面に形
成された第2保護層21とから構成されている。このよ
うに本発明の第3の実施の形態に係る光ディスクは、第
1の基板17、第2の基板4、及び第3の基板18を、
第1接着層6及び第2接着層20で貼り合わせ、合計の
厚さtD=約1.2mmとした構造である。
の1/4の厚さのts2=0.3mmである。第1凹凸形
状部は、第1トラック案内溝及び第1記録ピットからな
る凹凸形状を有する部分で、例えば、DVD規格に準拠
した凹凸形状を有する。第1凹凸形状部の表面に堆積し
た波長選択膜は、第1波長λ1の光を反射し、第1波長
λ1より長い第3波長λ3の光を透過する光学特性を有す
る。この波長選択膜は、酸化チタン(TiO2)、硫化
亜鉛(ZnS)、酸化膜(SiO2)、窒化膜(Si3N
4)等の所定の組み合わせを用いた誘電体多層膜を用い
ることが出来る。第1接着層6は、第1波長λ1及び第
3波長λ3の光に対して透明な材料から構成されてい
る。第2の基板4は、第1波長λ1及び第3波長λ3の光
に対して透明な光学材料からなる。第2凹凸形状部は、
第2トラック案内溝及び第2記録ピットからなる凹凸形
状を有する部分で、第1凹凸形状部よりも高密度に形成
されている。即ち、第2トラック案内溝のトラックピッ
チは、第1トラック案内溝のトラックピッチよりも小さ
く形成され、第2記録ピットの光学密度は、第1記録ピ
ットの光学密度よりも高密度に形成されている。この第
2凹凸形状部は、例えば、次世代高密度記録規格の第2
トラック案内溝及び第2記録ピットを有する。この場合
は、例えば、トラックピッチ0.36μm、最短ピット
長0.19μmに選べば良い。第2凹凸形状部の表面に
堆積された波長選択膜は、第1波長λ1よりも短かい第
2波長λ2の光を反射し、第1波長λ1及び第3波長λ3
の光を透過する光学特性を有する。この波長選択膜は、
上記と同様な誘電体多層膜を用いることが出来る。第1
保護層7は、第1波長λ1乃至第3波長λ3の光に対して
透明で、厚さtp=10μm乃至200μm程度に形成
されている。第1保護層7の厚さtpは、より好ましく
はtp=100〜120μm程度とすれば良い。第1保
護層7としては紫外(UV)線硬化樹脂等を使用出来
る。例えば、第2波長λ2=0.4μmとし、NA≧
0.78のレンズを用いて集光して、第2情報記録層
(高密度記録層)16に第2波長λ2の光を照射すると
すれば、最大厚みtpmax=180μmとなる。よって、
第1保護層7の最大厚みは、180〜200μm程度が
好ましいといえる。第1保護層7の厚さtpの下限は、
第2情報記録層(高密度記録層)16を保護する保護機
能が確保されるかによって決まる。即ち、本発明の第3
の実施の形態に係る光ディスクの信頼性や、レンズの第
1保護層7表面への衝突の影響を考慮するとtpmin=1
0μm以上であることが好ましい。
して透明な材料で構成されている。第3の基板18の厚
さは、光ディスク規格厚tDの1/4の厚さのts3=
0.3mmである。第3凹凸形状部は、第3トラック案
内溝及び第3記録ピットからなる凹凸形状を有する部分
で、第1凹凸形状部よりも低密度である。この第3凹凸
形状部は、例えば、CD規格の第3トラック案内溝及び
第3記録ピットを有する。この場合は、例えば、トラッ
クピッチ1.6μm程度に選べば良い。第3情報記録層
(低密度記録層)19を構成する反射膜は、第3波長λ
3の光に対して70%以上の反射率を有する。好ましく
は、アルミニウム(Al)、金(Au)等の金属薄膜か
らなる全反射膜である。第2保護層21は紫外(UV)
線硬化樹脂等を使用出来る。
る光ディスクにおいては、第2情報記録層(高密度記録
層)16、第1情報記録層(中密度記録層)3、及び低
密度記録層19のすべての記録層を、同一の方向から照
射する第2波長λ2の高密度記録層読取り光8、第1波
長λ1の中密度記録層読取り光9、及び第3波長λ3の低
密度記録層読取り光10で読取る構造としている。例え
ば、高密度記録層読取り光8は、波長λ2=410nm
帯のレーザ光を用い、そのNA=0.7〜0.85程度
のレンズを用いて集光して照射し、反射光から第2情報
記録層(高密度記録層)16に記録された情報を読取
る。中密度記録層読取り光9は、例えば、波長λ2=6
50nm帯のレーザ光を、NA=0.6程度のレンズを
用いて集光して照射し、その反射光から第1情報記録層
(中密度記録層)3に記録された情報を読取る。そし
て、低密度記録層読取り光10は、例えば、波長λ1=
780nm帯のレーザ光を、NA=0.45程度のレン
ズを用いて集光して照射し、反射光から低密度記録層1
9に記録された情報を読取る。
16の波長λ2=780nm及びλ2=650nm帯のレ
ーザ光に対する透過率を所定値以上とし、波長λ2=4
10nm帯のレーザ光に対する反射率を所定値以上とす
ることは、波長が異なるので比較的容易である。また、
第1情報記録層(中密度記録層)3の波長λ2=780
nmのレーザ光に対する透過率を所定値以上とし、波長
λ1=650nm帯のレーザ光に対する反射率を所定値
以上とすることは、波長が異なるので比較的容易であ
る。従って、本発明の第3の実施の形態に係る光ディス
クをCDとみなして読取る際には、第3情報記録層(低
密度記録層)19の低密度記録層読取り光10に対する
所定の反射率と、第2情報記録層(高密度記録層)16
及び第1情報記録層(中密度記録層)3の低密度記録層
読取り光10に対する所定の透過率が得られ、良好なC
D再生動作が可能である。DVDとみなして読取る際に
は、第1情報記録層(中密度記録層)3の中密度記録層
読取り光9に対する所定の反射率と、第2情報記録層
(高密度記録層)16の中密度記録層読取り光9に対す
る所定の透過率が得られ、良好なDVD再生動作が可能
である。そして、第2情報記録層(高密度記録層)16
に記録された情報を読取る際には、第2情報記録層(高
密度記録層)16の高密度記録層読取り光8に対する所
定の反射率が得られ、良好な高密度記録層再生動作が可
能である。
係る光ディスクにおいては、第2情報記録層(高密度記
録層)16及び第1情報記録層(中密度記録層)3に用
いる半透明膜としての波長選択膜の作製は容易である。
従って、本発明の第3の実施の形態に係る光ディスクは
製造が容易で、反射率の低下に伴う特性の劣化も少な
く、工業的に大きな利点を有する。
で、1層当たりに換算すればコスト的には十分安価とな
る。従って、CD、DVD、次世代高密度記録規格の3
規格で再生可能な光ディスクが容易に実現出来る。
ク上面に従来と同様のレーベル層が形成可能である。
発明は第1乃至第3の実施の形態によって記載したが、
この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定す
るものであると理解すべきではない。この開示から当業
者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明
らかとなろう。
明においては、3枚の基板4,17,18の貼り合わせ
構造としたが、第2の実施の形態のDVD側基板の裏面
にCD用凹凸形状部を形成した構造とすれば、2枚の基
板でも、光学的に同等な光ディスクが、更に安価に実現
出来ることはいうまでもない。
どの選択、あるいは記録規格でCD/DVD以外の選
択、あるいは記録型ディスク構造の混在を含め、特許請
求の範囲に係る発明特定事項が規定する範囲内で自由に
選択可能である。
ない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。
ディスクにおいて、第1情報記録層(中密度記録層)と
第2情報記録層(高密度記録層)とを同一ディスクに設
け、且つ、ディスク基板の対向する2方向から再生する
構造としているので、異なる2規格で再生可能なディス
クを、容易、且つ安価に実現出来る。
用光ディスクにおいて、第1情報記録層(中密度記録
層)と第2情報記録層(高密度記録層)を同一ディスク
に設け、且つ、ディスク基板の同一方向から再生する構
造としているので、簡単な装置で両層が再生可能であ
る。
密度記録層)、第2情報記録層(高密度記録層)及び第
3情報記録層(低密度記録層)を同一光ディスクに設
け、3種の方式のすべてにおいて、それぞれ再生が可能
である。
厚さを含めて各層の厚さの制限が緩やかであり、所望の
厚さを容易に実現できるので、高性能で且つ低コストの
複数規格互換再生可能な光ディスクを提供することが可
能である。
ない、広範囲なコンテンツ供給が、安価且つ容易に可能
である。
概略構造を示す断面図である。
概略構造を示す断面図である。
概略構造を示す断面図である。
示す断面図である。
概略構造を示す断面図である。
を示す断面図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 第1情報記録層と第2情報記録層とを有
する光ディスクにおいて、 前記第1情報記録層に記録された情報を読み出すための
第1波長の光に対して透明で、光ディスク規格厚の1/
2の厚さで、第1及び第2の主表面を有した第1の基板
と、 前記第1の基板の第1の主表面に設けられた第1凹凸形
状部と、 前記第1凹凸形状部の表面に、前記第1波長の光を実質
的に完全反射する第1反射膜を配置して構成された前記
第1情報記録層と、 前記第1情報記録層の表面に設けられた接着層と、 第1及び第2の主表面を有し、前記接着層に該第2の主
表面を接した第2の基板と、 前記第2の基板の第1の主表面に設けられた前記第1凹
凸形状部よりも高密度の第2凹凸形状部と、 前記第1波長よりも短かい第2波長を有し、前記第2情
報記録層に記録された情報を読み出すための光を実質的
に完全反射する第2反射膜を、前記第2凹凸形状部の表
面に配置して構成した前記第2情報記録層と、 前記第2情報記録層の表面に形成され、前記第2波長の
光に対して透明で、厚さ10μm乃至200μmの保護
層とからなることを特徴とする光ディスク。 - 【請求項2】 第1情報記録層と第2情報記録層とを有
する光ディスクにおいて、 第1及び第2の主表面を有した第1の基板と、 前記第1の基板の第2の主表面に設けられた第1凹凸形
状部と、 前記第1凹凸形状部の表面に、前記第1情報記録層に記
録された情報を読み出すための第1波長の光を実質的に
完全反射する反射膜を配置して構成された前記第1情報
記録層と、 前記第1情報記録層の表面に設けられ、前記第1波長の
光に対して透明な接着層と、 第1及び第2の主表面を有し、前記接着層に該第1の主
表面を接し、前記第1波長の光に対して透明で、光ディ
スク規格厚の1/2の厚さの第2の基板と、 前記第2の基板の第2の主表面に設けられた前記第1凹
凸形状部よりも高密度の第2凹凸形状部と、 前記第2凹凸形状部の表面に、前記第1波長よりも短か
い第2波長を有し、前記第2情報記録層に記録された情
報を読み出すための光を反射し、前記第1波長の光を透
過する波長選択膜を堆積して構成した前記第2情報記録
層と、 前記第2情報記録層の表面に形成され、前記第1及び第
2波長の光に対して透明で、厚さ10μm乃至200μ
mの保護層とからなることを特徴とする光ディスク。 - 【請求項3】 互いに規格の異なる第1情報記録層、第
2情報記録層及び第3情報記録層とを有する光ディスク
において、 第1及び第2の主表面を有し、第3波長の光に対して透
明で、光ディスク規格厚の1/4の厚さの第1の基板
と、 前記第1の基板の第2の主表面に設けられた第1凹凸形
状部と、 前記第1凹凸形状部の表面に、前記第3波長より短い第
1波長の光を反射し、前記第3波長の光を透過する反射
率を有する波長選択膜を堆積して構成された前記第1情
報記録層と、 前記第1情報記録層の表面に設けられ、前記第1波長及
び第3波長の光に対して透明な第1接着層と、 第1及び第2の主表面を有し、前記第1接着層に該第1
の主表面を接し、前記第1波長及び第3波長の光に対し
て透明な光学材料からなる第2の基板と、 前記第2の基板の第2の主表面に設けられた前記第1凹
凸形状部よりも高密度の第2凹凸形状部と、 前記第2凹凸形状部の表面に、前記第1波長よりも短か
い第2波長の光を反射し、前記第1波長及び第3波長の
光を透過する波長選択膜を堆積して構成した前記第2情
報記録層と、 前記第2情報記録層の表面に形成され、前記第1乃至第
3波長の光に対して透明で、厚さ10μm乃至200μ
mの第1保護層と、 前記第1の基板の第1の主表面に設けられ、前記第3波
長の光に対して透明なた第2接着層と、 第1及び第2の主表面を有し、前記第2接着層に該第2
の主表面を接し、前記第1の基板と等しい厚さの第3の
基板と、 前記第3の基板の第1の主表面に設けられた前記第1凹
凸形状部よりも低密度の第3凹凸形状部と、 前記第3凹凸形状部の表面に、前記第3波長の光を実質
的に完全反射する反射膜を配置して構成した前記第3情
報記録層と、 前記第3情報記録層の表面に形成された第2保護層とか
らなることを特徴とする光ディスク。 - 【請求項4】 前記第1波長が630〜670nmの範
囲の波長であり、前記第2波長が390〜430nmの
範囲の波長であることを特徴とする請求項1乃至3のい
ずれか1項記載の光ディスク。 - 【請求項5】 前記波長選択膜が前記第1波長の光を2
0〜40%透過することを特徴とする請求項2乃至4の
いずれか1項記載の光ディスク。 - 【請求項6】 前記波長選択膜が波長760〜810n
mの光を60%以上透過することを特徴とする請求項2
乃至5のいずれか1項記載の光ディスク。
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