JP4207341B2 - 光ディスク - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスクに係り、特に記録密度の異なる複数規格の情報を同一ディスクに記録し、互換再生可能な光ディスクに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
マルチメディア等の興隆に伴い、ディジタル動画のような大容量の情報を取り扱う要請が生じており、大容量の情報を蓄積可能な光記録媒体(光ディスク)の要求が高まっている。そして、この光記録媒体(光ディスク)の記録容量に対する要求は、ますます大容量化の方向へ進んでいる。例えば、CD(コンパクトディスク)の記録容量は、650MB(メガバイト)レベルであったが、DVDの登場により、その記憶容量は、例えば片面単層ディスクで4.7GB(ギガバイト)レベルにまで拡大された。
【0003】
現在では、図8に示すような、光源の短波長化により20GBレベルの大容量記録が可能な「次世代高密度記録用光ディスク」が複数提案されている(例えば、平成11年秋季応用物理学会学術講演会 講演予稿集、2p−ZY−7、3p−ZC−1〜2参照)。
【0004】
図8に示す次世代高密度記録用光ディスクは、適当な基板1の最表面に凹凸形状部が形成され、CDと同様に、アルミニウム(Al)等の金属薄膜からなる反射膜層を堆積し、高密度記録領域3aとしている。そして、高密度記録領域3aの形成後、厚さ100〜120μm程度の保護層(シート等を使用)6を高密度記録領域3aの上に設けている。図8に示す次世代高密度記録用光ディスクの再生時は、保護層6側より、波長λ=410nm帯のレーザ光(高密度記録領域読取り光)9を、開口数(NA)=0.7〜0.85程度のレンズを用いて集光して照射し、反射光から高密度記録領域3aに記録された情報を読取る。図8に示す次世代高密度記録規格の光ディスクでは、主に基板傾きによる収差発生を防止する目的から、読取り時に透過する媒体、即ち保護層6の厚さtを、t<100〜200μm程度に薄くし、保護層6を介して高密度記録領域読取り光9を照射して再生する方法が複数提案されている。つまり、厚い主基板(高密度光ディスク基板)1を高密度記録領域読取り光9が透過しないように光学的設計のなされた構造が複数提案されている。
【0005】
図8に示す次世代高密度記録用光ディスクのレベルの高密度光記録媒体が市販されるようになれば、現在のDVDは中密度光記録媒体とみなされるであろう。そして、市場には、CD等の低密度光記録媒体、DVDなどの中密度光記録媒体、及び上記のような高密度光記録媒体が混在し、複数の規格が併存する状況となるであろうと予測される。
【0006】
図7はCDの構造例を示す断面図である。図7に示すように、CDは、厚さt=1.2mm±0.1mm、直径12cmあるいは8cmの透明基板1の表面に凹凸形状部を形成し、更にアルミニウム(Al)等の全反射膜層を堆積して記録領域3bを形成している(本発明においては、以後、CD相当の記録領域を「低密度記録領域」3bと呼ぶこととする。)。そして、通常最表面には、保護層6が形成されている。図7に示すCDを再生する時は、凹凸形状部(低密度記録領域)3bを形成した透明基板(第1の基板)1の裏面側から、波長λ=780nm帯のレーザ光(低密度記録領域読取り光)10を、NA=0.45程度のレンズを用いて集光して照射し、その反射光から凹凸形状部(低密度記録領域)3bに記録された情報を読取る。
【0007】
一方、図7と図8の中間の記録密度を有するDVDでは(本発明においては、以後、DVD相当の記録領域を「中密度記録領域」と呼ぶこととする。)、基板2枚の張り合わせを前提としているため、他規格と両立する光ディスクの作成にはやや困難が生じる。
【0008】
図9はDVD2層光ディスクの例である。厚さt=0.6mm、直径12cmの透明な第1の基板13及び第2の基板11の各々の表面に記録ピットを形成し、第2の基板11側には半透明膜、第1の基板13側にはCD等と同様の全反射膜層を形成し、透明な接着層16を介して張り合わせを行なう。この際の2層の間隔は55±15μmと規格に定められている。再生時は、半透明膜を形成した第2の基板11の側から、波長650nm帯のレーザ光を用いた第1の記録領域読取り光15b及び第2の記録領域読取り光15aを、NA=0.6程度のレンズで集光させ、反射光から、第1の記録領域14及び第2の記録領域12に記録された情報を得る。第1の記録領域14及び第2の記録領域12とも、レンズのフォーカシング動作で層選択を行なうことで、再生可能である。
【0009】
なお、DVD単層光ディスクの場合は、上方の第1の基板13を平板とし、下方の第2の基板11のみに記録ピットを形成し、この記録ピットに全反射膜層を形成した構造となる。
【0010】
このように、現在は、CD等の低密度光記録媒体とDVDなどの中密度光記録媒体とが混在している。ユーザの取り扱いの煩雑さや再生装置の重複を避ける目的から、低密度記録規格と中密度記録規格の光ディスクを、同一再生装置で再生する技術も多く発表されている。つまり、DVD再生装置においても、先行規格であるCDとの互換再生機能が事実上必須とされている。
【0011】
このため、再生装置側では、複数の光源や、複数の基板厚さに適合する光学系が開発されてきた。同時に、光ディスク側でも、このような互換性実現のための試みが開始されている。例えば、「スーパー・オーディオCD(SACD)」として商品化され始めた、言わば、中密度音楽用光ディスクでは、図10に示すような「ハイブリッドSACD」と称する多層構造の光ディスクが提案されている(特開平9−91752号公報等参照)。このハイブリッドSACDは、第1の基板19と第2の基板21の2枚の基板を張り合わせ、中間に中密度記録領域20、最上層にCD規格の低密度記録領域22を設けることにより、再生装置の互換性を可能としている。即ち、厚さt=0.6mm、直径12cmの透明の第1の基板19の表面に凹凸形状部を形成し、この凹凸形状部の上に半透明膜を堆積し、中密度記録領域20を形成している。更に、第1の基板19と同様な、厚さ0.6mm、直径12cmの透明の第2の基板21の表面に凹凸形状部を形成し、この凹凸形状部の上にはCD等と同様の全反射膜層を堆積し低密度記録領域22を形成している。そして、第1の基板19及び第2の基板21を透明な接着層16で張り合わせている。2枚の基板を張り合わせている点では、図9に示したDVD2層光ディスクと基本的に同じである。ただし、ハイブリッドSACDでは、上方の第2の基板21の最上部に凹凸形状部(低密度記録領域)22が位置するようにし、下方の第1の基板19の最上部に中密度記録領域20が位置するようにし、それぞれの基板の方向を合わせている。こうして、最上部の凹凸形状部層(低密度記録領域)22は、CD規格に準拠した凹凸形状部が形成され、光ディスクの中央部には中密度記録領域20が形成されている。図10に示すハイブリッドSACDの再生方法は2種類存在する。
【0012】
(a)SACDとしての再生時は、半透明膜からなる中密度記録領域20を形成した第1の基板19の側から、波長λ=650nm帯のレーザ光(中密度記録領域読取り光)15cを、NA=0.6程度のレンズを用いて集光して照射し、反射光から中密度記録領域20に記録された情報を読取る。即ち、DVDと同等の再生方法である。
【0013】
(b)一方、SACDとしての記録密度(情報量)は得られないものの、CDとみなしての再生も可能である。この再生時は、第1の基板19の側から、波長λ=780nm帯のレーザ光(低密度記録領域読取り光)10を、NA=0.45程度のレンズを用いて集光して照射し、反射光から情報を読取る。
【0014】
こうして、図10に示すハイブリッドSACDを、CD再生装置を用いて再生すれば、ハイブリッドSACDを通常のCDとみなしての再生が可能となる。このように、ハイブリッドSACD方式を用いれば、同一コンテンツを、従来CDと、SACD(高品位音響)の2種の方式で1枚の光ディスクに格納出来るため、この光ディスクのみ購入することで、他の(広く普及した)従来のCD再生装置でも互換再生が可能であるという利点を有する。このため、消費者は、再生装置を問わず、同一コンテンツは1枚の購入で済む。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
このように、高密度・大容量化の要求から、現在のDVD規格よりも更に高密度の次世代高密度記録規格が登場すると、現在のCD相当の「低密度記録規格」,DVD相当の「中密度記録規格」に加え、「高密度記録規格」の第3の規格が加わることになる。従って、再生装置が複雑化するのみならず、従来普及しているCD再生装置のみや、DVD再生装置のみを保有するユーザに対するコンテンツ供給を妨げる危険を有する。
【0016】
図10に示したハイブリッドSACDは、CD再生装置のみを保有するユーザにもCD品位でのコンテンツを供給可能としたものである。しかし、DVD相当の中密度記録領域20を持つ第1の基板19と、CD相当の低密度記録領域22を持つ第2の基板21を独立に作製し、張り合わせる構造となっているため、光ディスクの製造コストが高くなるという欠点を有する。つまり、CD製造コストとSACD製造コストの両方が重畳され、コスト高となる。これゆえ、現実にソフト製作(ソフトメーカ)側の同意が得られず、製品としてのハイブリッドSACDは事実上皆無となっている。
【0017】
また、複数層を同一表面方向から再生するためには、中密度記録領域20は半透過層にする必要があり、反射率の低下から特性の劣化を招いていた。この解決のために波長選択膜を使用すると、更に、コスト高になるという欠点を有していた。
【0018】
また、光ディスクにおいては、読取り光が透過する光透過層の厚みtは厳密に制御する必要があるので、図10に示したハイブリッドSACDや、図9に示したDVD2層ディスクにおいて、接着層16の厚さを含めて各層の厚さ、及び全体の厚さを厳密に制御する必要があり、コスト高の原因となっていた。即ち、光透過層の厚みtの厚み誤差Δtは、対物レンズの設計中心、NA値、及び読取り光の波長λ等により上限がある。光透過層の厚み誤差Δtが、スポットに与える収差量は、NA値及び読取り光の波長λに規定される。具体的には、システム側の要請として、CDの場合には、NA=0.45の場合は、光透過層の厚み誤差ΔtCDの上限(規格)は±100μmである。DVDの場合には、NA=0.6において、光透過層の厚み誤差ΔtDVDの上限(規格)は±30μmとされている。図9に示したDVD2層ディスクの場合、接着層16の部分の間隔Δd=55±15μmが規格として規定されているのは、Δdを2|ΔtDVD|=60μm程度に納める必要があるからである。
【0019】
このような、CD規格とDVD規格の光ディスクが併存する状況に対応した再生互換の問題は、現在のDVD規格が中密度記録規格とみなされるであろう次世代の高密度記録規格が実用化される際にも当然予想される状況である。即ち、近い将来、DVD規格(中密度記録規格)と、DVD規格よりも高密度の光ディスク規格(高密度記録規格)との再生互換の問題が現実化すると予想される。従って、次世代高密度記録規格(高密度記録規格)とDVD規格(中密度記録規格)との両用再生可能な光ディスク構造が課題となっている。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の課題に鑑み、安価で、且つ特性劣化なく、現在の低密度記録規格(CD規格)よりも高密度の次世代高密度記録規格(高密度記録規格)と低密度記録規格(CD規格)とが、両用再生可能な光ディスクを提供しようとするものである。
【0021】
本発明の他の目的は、低密度記録規格、中密度記録規格及び高密度記録規格(次世代高密度記録規格)と記録密度の異なる3規格の光ディスクに対して、互換性を有し、それぞれの規格で再生可能で、安価な光ディスクを提供することである。
【0022】
本発明のさらに他の目的は、接着層等の中間層の厚さを含めて各層の厚さの制限が緩やかで、所望の厚さを容易に実現でき、低コスト化が容易な複数規格互換再生可能な光ディスクを提供することである。
【0023】
上記目的を達成するために、本発明の第1の特徴は、低密度記録領域、及びこの低密度記録領域よりも記録密度の高い高密度記録領域を有する光ディスクにおいて、主表面に低密度記録領域と低密度記録領域よりも外周側に高密度記録領域とが形成され、且つ低密度記録領域に記録された情報を読み出すための光を透過させる透明な光学材料からなり、CD規格厚を有する基板と、この基板の主表面に形成された低密度記録領域と高密度記録領域とで幾何学的寸法が異なる凹凸形状部と、凹凸形状部の表面に、低密度記録領域及び高密度記録領域の全体に亘って形成された反射膜層と、この反射膜層の上部に形成され、高密度記録領域に記録された情報を読み取るために必要な光学的厚さを有し、高密度記録領域に記録された情報を読み出すための光を透過させる透明薄膜の保護層とからなる光ディスクであることである。なお、「凹凸形状部」とは、トラック案内溝及び記録ピットからなる凹凸形状を有する部分である。そして、凹凸形状部の表面に、反射膜層を形成することにより、内周側領域を低密度記録領域、外周側領域を高密度記録領域にしている。保護層は、高密度記録領域に記録された情報を読み出すための光(高密度記録領域読取り光)を透過する透明薄膜から構成されている。さらに、この保護層は、高密度記録領域に記録された情報を読み取るために必要な光学的厚さを有する。この保護層の「高密度記録領域に記録された情報を読み取るために必要な光学的厚さ」tpの最大厚みは、ディスクチルト等のシステム的許容度を総合的に勘案した上で、主に対物レンズの光学的設計で定まる。例えば、高密度記録領域をこの保護層を透過して読取る光(高密度記録領域読取り光)の波長λ、及び高密度記録領域に読取り光を照射するレンズのNA値等が考慮される。一方、保護層の光学的厚さtpの下限tpminは、高密度記録領域を保護する保護機能が確保されるかによって決まる。
【0024】
本発明の第1の特徴に係る光ディスクは、高密度記録領域に記録された情報を読取る際には、高密度記録領域読取り光が保護層を透過するように、保護層が形成された基板の主表面側から入射する。一方、低密度記録領域に記録された情報を読取る際には、基板の他の主表面、即ち、裏面側から、低密度記録領域読取り光がCD規格厚を透過して、低密度記録領域に入射する。
【0025】
このように、高密度記録領域読取り光と低密度記録領域読取り光は、再生時の入射面が逆である。このため、低密度記録領域に対しては、保護層の光学的厚さtは光学的に関与しない。一方、次世代高密度記録用光ディスクでは、基板厚tは光学的に関与していない。従って、基板厚tを低密度記録領域、保護層厚tを高密度記録領域に最適化することが出来る。
【0026】
本発明の第1の特徴に係る光ディスクによれば、基板と保護層の厚さの合計を、許容範囲ΔtCDを考慮したCD規格厚tの範囲内に設定することが容易に可能である。高密度記録領域読取り光と低密度記録領域読取り光の、再生時の入射面が互いに逆であるであるためである。
【0027】
本発明の第1の特徴に係る光ディスクにおいては、低密度記録領域は、CD規格(低密度記録規格)とし、高密度記録領域は次世代高密度記録規格とすることが可能である。このようにしておけば、次世代高密度記録用光ディスクの普及時において、従来システム(CD再生装置)との光ディスク側互換性を可能にするものである。次世代高密度記録用光ディスクで想定される高品位映像の同一内容を、CDの記録密度で記録することは所詮無理である。しかし、本発明の第1の特徴に係る光ディスクの高密度記録領域に、例えば高解像度画像・音声情報を収録し、低密度記録領域に、例えば、高密度記録領域に記録された情報の代表的、あるいは要約情報の収録、ビデオCD規格での予告編の収録、映画主題歌やサウンドトラック等の収録をしておけば、CD再生装置で低密度記録領域の情報を再生することが可能となる。あるいは、高密度記録領域にはゲームプログラムを記録し、低密度記録領域には、このゲームのユーザデータを記録するようにしても良い。
【0028】
本発明の第1の特徴に係る光ディスクにおいて、低密度記録領域と、高密度記録領域の境界を定める円の直径が8cmとしておけば、規格として存在する8cmCDとして認知することが出来るので、良好に再生動作が可能である。
【0029】
また、本発明の第1の特徴に係る光ディスクにおいて、低密度記録領域の更に内周側に、高密度記録領域再生時のリードインエリアを配置しておくと好都合である。低密度記録領域及び高密度記録領域の2領域からなる光ディスク以外の次世代高密度記録用光ディスクでは、最内周から高密度記録がなされるのが通常であるからである。つまり、この次世代高密度記録規格の光ディスクのリードインエリアを、CD規格のリードインエリアよりも内周側に設定しておけば、次世代高密度記録用光ディスク再生時には、この高密度リードインエリアを最初に再生出来る。更に、本発明の光ディスクであるか、従来型の次世代高密度記録用光ディスクであるか否かの情報を記録しておくことも出来る。更に、再度、高密度記録領域がスタートする半径、アドレス等を記録しておくことにより、問題なく本発明の光ディスクの高密度記録領域を再生することも可能である。
【0030】
また、本発明の第1の特徴に係る光ディスクにおいて、低密度記録領域の保護層側と、高密度記録領域の基板の裏面側との、いずれか一方、若しくは両方に、レーベルを設けても良い。低密度記録用レーベル及び高密度記録用レーベルを設けることにより、各規格の表面であることを表示出来るので、容易に面の選択が可能となる。
【0031】
また、本発明の第1の特徴に係る光ディスクにおいて、低密度記録領域を、低密度追記型記録領域、書換え型記録領域としても良い。この低密度追記型記録領域、書換え型記録領域は、CD−R、あるいはCD−RW規格に準拠するように構成出来る。
【0036】
本発明の第1の特徴に係る光ディスクにおいて、低密度記録領域及び高密度記録領域に形成される記録ピットの深さを等しくしておけば、一回のエッチングで、記録ピットを形成出来るので、原盤マスタリングが容易になる。
【0037】
また、低密度記録領域及び高密度記録領域に、連続した1本のトラック案内溝を形成しておけば、原盤マスタリングは連続した一回の工程で可能である。
【0038】
また、本発明の第1の特徴に係る光ディスクにおいて、低密度記録領域及び高密度記録領域に、独立したトラック案内溝をそれぞれ形成するようにすれば、マスタリング光学系を各々専用に用意することが出来、より特性良好な原盤マスタリングが可能である。
【0039】
更に、本発明の第1の特徴に係る光ディスクにおいて、内周側領域及び外周側領域のトラック案内溝が、同一方向螺旋として形成しておけば、光ディスク上下に各々の再生ピックアップを搭載した再生装置を用い、上下の反転を伴わず、且つスピンドル回転方向を一方向に限定して、簡易な再生装置での再生が可能となる。この構造は、ゲーム機におけるプログラム再生とユーザデータ記録を兼ねる用途において、光ディスク反転や入れ替えを伴わない構造として、好適である。
【0040】
更に、本発明の第1の特徴に係る光ディスクにおいて、内周側領域の記録ピットと外周側領域の記録ピットは凹凸が同一方向であっても、互いに反転方向の関係で形成されていてもかまわない。
【0041】
【発明の実施の形態】
次に、図面を参照して、本発明の第1乃至第6の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0042】
(第1の実施の形態)
図1に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る光ディスクは、基板1、この基板1の主表面に設けられ内周側領域5と外周側領域4とを有する凹凸形状部、凹凸形状部の表面に配置された反射膜層、この反射膜層の上部に形成された保護層(シート)6とから構成されている。
【0043】
ここで、基板1は、透明な光学材料からなる透明基板であり、CD規格厚t=1.2mm±0.1mmを有する。基板1に用いる透明基板としては、ポリカーボネートやポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル系樹脂よりなるプラスチック基板やガラス基板等が好適である。基板1の主表面に設けられた凹凸形状部の外周側領域4は、内周側領域5とはその表面の幾何学的寸法を異にする。ここで、「凹凸形状部」とは、トラック案内溝及び記録ピットからなる凹凸形状を有する部分である。例えば、内周側領域5はトラックピッチ1.6μmのトラック案内溝からなるCD規格の凹凸形状とし、外周側領域4は、トラックピッチ0.36μmのトラック案内溝からなる次世代高密度記録規格の凹凸形状とすれば良い。そして、凹凸形状部の表面に、反射膜層を形成することにより、内周側領域5を低密度記録領域3b、外周側領域4を高密度記録領域3aとしている。反射膜層は、70%以上、好ましくは90%以上の反射率を有する全反射膜層である。この全反射膜層は、例えばアルミニウム(Al)、金(Au)等の金属薄膜から構成すれば良い。この結果、本発明の第1の実施の形態に係る光ディスクの記録面は半径方向に2領域に分割され、内周部に、例えばCD規格の内周側領域5、外周部に外周側領域4を配置している。
【0044】
保護層(シート)6は、高密度記録領域3aに記録された情報を読み取るために必要な光学的厚さを有する透明薄膜から構成されている。例えば、紫外(UV)線硬化樹脂等の薄膜を保護層6として使用出来る。この保護層6の「高密度記録領域3aに記録された情報を読み取るために必要な光学的厚さ」tは、ディスクチルト等のシステム的許容度を総合的に勘案した上で、主に対物レンズの光学的設計で定まる。前述の物理学会学術講演会の発表例等の構想においては、最大厚みtpmax=200μm程度とされている。一方、保護層6の光学的厚さtの下限tpminは、高密度記録領域3aを保護する保護機能が確保されるかによって決まる。即ち、本発明の第1の実施の形態に係る光ディスクの信頼性や、レンズの保護層6の表面への衝突の影響を考慮するとtpmin=10μm以上であることが好ましい。従って、保護層6の光学的厚さtはt=10μm乃至200μmである。保護層6の光学的厚さtは、より好ましくはt=100〜120μm程度とすれば良い。
【0045】
本発明の第1の実施の形態に係る光ディスクは、高密度記録領域3aに記録された情報を読取る際には、高密度記録領域読取り光9が保護層6を透過するように、保護層6が形成された基板1の主表面側(上面)から入射する。一方、低密度記録領域3bに記録された情報を読取る際には、基板1の他の主表面、即ち、裏面側から、低密度記録領域読取り光10がCD規格厚t=1.2mm±0.1mmを透過して、内周側領域5に入射する。
【0046】
このように、高密度記録領域読取り光9と低密度記録領域読取り光10は、再生時の入射面が互いに逆である。このため、低密度記録領域3bに対しては、保護層6の光学的厚さtは光学的に関与しない。一方、次世代高密度記録用光ディスクとしての高密度記録領域3aでは、基板厚tは光学的に関与していない。従って、基板厚tを低密度記録領域3b、保護層6の厚さtを高密度記録領域3aに最適化することが出来る。
【0047】
光ディスクにおいては、情報記録領域にまで到達する光透過層の厚み誤差Δtについて厳しい要求がある。既に説明したように、CDの場合には、NA=0.45において、光透過層の厚み誤差Δtの規格はΔtCD=±100μmである。本発明の第1の実施の形態に係る光ディスクによれば、基板1と保護層6の厚さの合計を、CD規格厚tDの許容範囲ΔtCD内に設定することが容易に可能である。これは、上述したように、高密度記録領域読取り光9と低密度記録領域読取り光10の、再生時の入射面が互いに逆であるためである。例えば、保護層の光学的厚さtpを、tp=100μm以下とすれば、基板1と保護層6の厚さの合計を、許容範囲Δtを考慮したCD規格厚tD+|ΔtCD|の範囲内に設定出来る。最初に基板1の厚さをtD−|ΔtCD|に選んでおけば、保護層6の光学的厚さtpは最大2|ΔtCD|の範囲まで選択できることになる。従って、保護層6の光学的厚さtpは、先に述べた最大値200μm迄の範囲で選んでおけば、許容範囲を満足することが可能である。従って、次世代高密度記録用光ディスクの製法そのままで、CD規格の光ディスク構造も満たすことが可能となる。
【0048】
既に述べたように、本発明の第1の実施の形態に係る光ディスクにおいては、内周側領域5は、CD規格(低密度記録規格)とし、外周側領域4は次世代高密度記録規格とすることが可能である。このようにしておけば、次世代高密度記録用光ディスクの普及時において、従来システム(CD再生装置)との光ディスク側互換性を可能に出来る。次世代高密度記録用光ディスクで想定される高品位映像の同一内容を、CDの記録密度で記録することは所詮無理である。しかし、本発明の第1の実施の形態に係る光ディスクの外周側領域4に、例えば高解像度画像・音声情報を収録し、内周側領域5に、例えば、外周側領域4に記録された情報の代表的、あるいは要約情報の収録、ビデオCD規格での予告編の収録、映画主題歌やサウンドトラック等の収録をしておけば、CD再生装置で内周側領域5の情報を再生することが可能となる。あるいは、外周側領域4にはゲームプログラムを記録し、内周側領域5には、このゲームのユーザデータを記録するようにしても良い。
【0049】
(第2の実施の形態)
図2に示す本発明の第2の実施の形態に係る光ディスクは、第1の実施の形態に係る光ディスクと同様に、基板1、この基板1の主表面に設けられ内周側領域5と外周側領域4とを有する凹凸形状部、凹凸形状部の表面に配置された反射膜層、この反射膜層の上部に形成された保護層(シート)6とから構成されている。そして、凹凸形状部の表面に反射膜層を形成することにより、内周側領域5を低密度記録領域3b、外周側領域4を高密度記録領域3aとしている。保護層(シート)6は、高密度記録領域3aに記録された情報を読み取るために必要な光学的厚さtを有している。更に、本発明の第2の実施の形態に係る光ディスクは、内周側領域5の保護層6側に低密度記録用レーベル23を設け、外周側領域4の基板1の裏面側に高密度記録用レーベル24を設けている。
【0050】
本発明の第2の実施の形態に係る光ディスクは、外周側領域4に記録された情報を読取る際には、図2に示すように、高密度記録領域読取り光9が基板1の主表面側(上面)から入射する。一方、内周側領域5に記録された情報を読取る際には、基板1の他の主表面(下面)側から、低密度記録領域読取り光10が内周側領域5に入射する。しかし、図2から分かるように、高密度記録領域読取り光9及び低密度記録領域読取り光10が透過しない領域が存在するので、この領域に低密度記録用レーベル23及び高密度記録用レーベル24を配置することが可能である。そして、第1の実施の形態で説明したように、高密度記録領域読取り光9と低密度記録領域読取り光10は、再生時の入射面が逆であるため、基板1の基板厚tを内周側領域5、保護層6の厚さtを外周側領域4に最適化することが出来る。そして、基板1と保護層6の厚さの合計を、CD規格厚tの許容範囲ΔtCD内に設定することが容易に可能である。
【0051】
2種の光ディスクを同じ側から再生する再生装置においては、各々で光ディスク面を反転しての再生が必要である。図2に示す本発明の第2の実施の形態に係る光ディスクにおいては、低密度記録用レーベル23及び高密度記録用レーベル24を用いて、低密度記録規格の表面であるのか、高密度記録規格の表面であるのかを表示することが出来るので、ユーザは、容易に面の選択が可能である。
【0052】
また、コンテンツ記録の際、例えば、外周側領域4に高画質映画を記録し、高密度記録用レーベル24にその内容を表示し、内周側領域5にサウンドトラックの音声情報を記録し、低密度記録用レーベル23に音声情報である旨表示しても良い。例えばライブコンサートの記録映像では、オープニング曲の音声情報を内周側領域5に記録し、低密度記録用レーベル23にその旨表示しても良い。これらにより、同一タイトルで、容量の大幅に異なるコンテンツを共存出来、ユーザは容易に面の選択が可能となる。
【0053】
(第3の実施の形態)
図3に示す本発明の第3の実施の形態に係る光ディスクは、第1の実施の形態に係る光ディスクと同様に、基板1、この基板1の主表面に設けられ内周側領域5と外周側領域4とを有する凹凸形状部、凹凸形状部の表面に配置された反射膜層、この反射膜層の上部に形成された保護層(シート)6とから構成されている。そして、凹凸形状部の表面に、反射膜層を形成することにより、内周側領域5を低密度記録領域3b、外周側領域4を高密度記録領域3aとしている。更に本発明の第3の実施の形態に係る光ディスクは図3に示すように、内周側領域(低密度記録領域)5の更に内周側に高密度記録領域再生時のリードインエリア(高密度記録領域リードインエリア)25を配置している。
【0054】
図3に示すように、規格に準じて最内周に高密度記録領域リードインエリア25を設け、また境界部にリードアウトエリアを設けることで、プレーヤもCDとして認知しうる。また、この境界部がなす円の直径を約8cmとすることで、規格として存在する8cmCDとして認知され、良好に再生動作を行なうことが可能である。
【0055】
この境界部の外周部側の領域は、外周側領域4として構成されているので、記録ピットも高密度記録規格で形成されている。外周側領域4は、記録ピットの上部の保護層6側から高密度記録領域読取り光を照射して再生する構造とされている。従って、次世代高密度記録用光ディスクとして再生しようとする際は、境界部の外周部側の領域が、世代高密度記録用光ディスクとしての光学仕様を満足するため、良好に再生動作が行なわれる。図3に示す本発明の第3の実施の形態に係る光ディスにおいても、保護層(シート)6は、高密度記録領域3aに記録された情報を読み取るために必要な光学的厚さtを有している。即ち、保護層6は、100〜120μmの透明層として、内周側領域5を構成する低密度記録領域、外周側領域4及び高密度記録領域リードインエリア25を構成する高密度記録領域の上部に設けられている。
【0056】
従来提案されている(本発明の内周側領域5及び外周側領域4の2領域からなる光ディスク以外の)次世代高密度記録用光ディスクでは、最内周から高密度記録がなされるのが通常である。従って、この次世代高密度記録規格の光ディスクのリードインエリアを、CD規格のリードインエリアよりも内周側に設定すれば、次世代高密度記録用光ディスク再生時には、この高密度リードインエリアを最初に再生出来る。このため、本発明の光ディスクであるか、従来型の次世代高密度記録用光ディスクであるか否かの情報を記録しておくことが出来る。更に、再度、外周側領域4がスタートする半径、アドレス等を記録しておくことにより、問題なく本発明の光ディスクの外周側領域4を再生することが可能である。
【0057】
(第4の実施の形態)
図4に示す本発明の第4の実施の形態に係る光ディスクは、DVD等の中密度記録領域も含めた3規格互換再生が可能な光ディスクである。即ち、本発明の第4の実施の形態に係る光ディスクは、第1の基板19;この第1の基板19の第1の主表面に設けられた第1凹凸形状部;この第1凹凸形状部の表面に第1反射膜層を配置して構成された中密度記録領域20;この中密度記録領域20の表面に設けられた接着層16;この接着層16に第2の主表面を接した第2の基板21;この第2の基板21の第1の主表面に設けられた第2凹凸形状部;この第2凹凸形状部の表面に配置された第2反射膜層;この第2反射膜層の表面に形成された保護層6とから構成されている。
【0058】
第1凹凸形状部の表面に配置された第1反射膜層は、第2波長λの中密度記録領域読取り光15dを反射し、第1波長λの低密度記録領域読取り光10を透過する波長選択性を有した半透明膜(ハーフミラー)である。この波長選択性を有した半透明膜は、酸化チタン(TiO)、硫化亜鉛(ZnS)、酸化膜(SiO)、窒化膜(Si)等の所定の組み合わせを用いた誘電体多層膜を用いることが出来る。
【0059】
第1の基板19は、第1及び第2の主表面を有した透明な光学材料からなり、CD規格厚tの1/2の厚さ(=0.6mm)を有し、直径は12cmである。
【0060】
そして、接着層16は、第1波長λの低密度記録領域読取り光10を透過する波長選択性を有した接着剤から構成されている。また第2の基板21は、第1及び第2の主表面を有し、第1の基板19と等しい厚さ(=0.6mm)と直径(=12cm)を有する。第1の基板19及び第2の基板21には、ポリカーボネートやポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル系樹脂よりなるプラスチック基板やガラス基板等が使用可能である。第2の基板21の第1の主表面に設けられた第2凹凸形状部は、内周側領域5と、この内周側領域5とは幾何学的寸法の異なる外周側領域4とを有する。そして、第2反射膜層は、第2凹凸形状部の表面に、内周側領域5を低密度記録領域3b、外周側領域4を高密度記録領域3aとするようにして配置されている。第2反射膜層は、70%以上、好ましくは90%以上の反射率を有する全反射膜層である。この全反射膜層は、例えばアルミニウム(Al)、金(Au)等の金属薄膜から構成すれば良い。保護層6は、透明薄膜から構成され、第1の実施の形態で説明した高密度記録領域3aに記録された情報を読み取るために必要な光学的厚さtを有する。
【0061】
即ち、本発明の第4の実施の形態に係る光ディスクは、図4に示すように、上方の第1の基板21の最上部に高密度記録領域3a及び低密度記録領域3bが位置するように、第1の基板21及び第2の基板19を同方向に向け、透明な接着層16で張り合わせている。
【0062】
本発明の第4の実施の形態に係る光ディスクにおいては、例えば、光ディスクの最上面側の低密度記録領域3bをCD規格(低密度記録規格)、高密度記録領域3aを次世代高密度記録規格とし、光ディスクの中央部の中密度記録領域20をDVD規格(中密度記録規格)とすることが可能である。CD、DVD、次世代高密度記録用光ディスクの3種の規格を満たす光ディスクは、通常3層の記録領域を必要とし、3枚の基板の張り合わせが必要と考えられる。つまり、従来は、2枚の基板の張り合わせでは困難が大きいと考えられていた。しかしながら、既に第1乃至第3の実施の形態で説明したように、本発明によれば、CD規格(低密度記録規格)と次世代高密度記録規格の2規格に関しては、1層のみで実現可能なことから、これに図4に示すように、1層(基板1枚)を加えることで、3規格の(部分的)互換が可能になる。
【0063】
(a)本発明の第4の実施の形態に係る光ディスクをCDとしての再生する時は、第1の基板19側より、波長780nm帯のレーザ光(低密度記録領域読取り光)10をNA=0.45程度のレンズで集光させ、低密度記録領域3bからの反射光から低密度記録領域3bに記録された情報を得る。
【0064】
(b)DVDとしての再生時は、半透明膜を形成した第1の基板19の側から、波長650nm帯のレーザ光(中密度記録領域読取り光)15dを、NA=0.6程度のレンズで集光させ、中密度記録領域20からの反射光から中密度記録領域20に記録された情報を得る。
【0065】
(c)次世代高密度記録用光ディスクとしての再生する時は、保護層6側より、波長410nm帯のレーザ光(高密度記録領域読取り光)9を、NA=0.7〜0.85程度のレンズで集光させ、高密度記録領域3aからの反射光から高密度記録領域3aに記録された情報を得る。
【0066】
このように、本発明の第4の実施の形態に係る技術により、第1の基板19及び第2の基板21を利用した2層の記録領域(20;3a,3b)を用い、3種の規格で再生可能な光ディスクを得ることが可能である。
【0067】
本発明の第4の実施の形態に係る光ディスクの製造コストは従来のDVD2層光ディスク、あるいはハイブリッドSACDと同程度である。つまり、3規格の互換再生ディスクが2規格の互換再生ディスクの製造コストで可能になるので、1規格当たりの製造コストは、より安価になる。
【0068】
(第5の実施の形態)
図5に示す本発明の第5の実施の形態に係る光ディスクは、第1の実施の形態に係る光ディスクと同様に、基板1、この基板1の主表面に設けられ内周側領域5と外周側領域4とを有する凹凸形状部、凹凸形状部の表面に配置された反射膜層、この反射膜層の上部に形成された保護層(シート)6とから構成されている。そして、凹凸形状部の表面に、反射膜層を形成することにより、内周側領域5を低密度記録領域3b、外周側領域4を高密度記録領域3aとしている。保護層(シート)6は、高密度記録領域3aに記録された情報を読み取るために必要な光学的厚さtを有している。
【0069】
そして、本発明の第5の実施の形態に係る光ディスクにおいては、図5に示すように、内周側領域5に追記型記録領域26を配置し、所謂CD−R、RWなどの、追記型、書換え型の記録構造をとっている。この場合、原盤マスタリングにおいて、内周部はウォブル(蛇行)を伴うグルーブ(連続溝)として形成し、外周部で、記録信号を変調(記録光束のオンオフ変調)するとともに、記録媒体を成膜後、アルミニウム(Al)や金(Au)の全反射膜層を成膜すれば良い。この場合、記録媒体の成膜領域を、マスク等で限定しても良いが、全反射膜層が最上層で、且つ次世代高密度記録用光ディスクでは保護膜側からの再生であることから、このような領域限定は必ずしも必要でない。
【0070】
本発明の第5の実施の形態に係る光ディスクは、外周側領域4に記録された情報を読取る際には、図5に示すように、高密度記録領域読取り光9が基板1の主表面側(上面)から入射する。一方、内周側領域5に記録された追記型、書換え型の記録情報を読取る際には、基板1の他の主表面(下面)側から、低密度記録領域読取り光10が追記型記録領域26に入射する。
【0071】
このような、内周側領域5を有する光ディスクにおいては、種々の用途に適用可能となる。例えば、高解像度動画を取り入れたゲームにおいて、ユーザの途中経過やデータ等を、この内周側領域5に記録することで、従来ゲーム機で必要とされた本体メモリやメモリカードなどを別体で必要としないように出来る。即ち、付加機能を持つゲームソフト用光ディスクが可能である。
【0072】
また、一般に、再生動作より記録動作の方が困難が大きく、高密度化しにくいのが一般的であるが、この構造によれば、記録部分のみは既に一般に普及しているCD−R、CD−RWと等価であるため、容易に記録動作が可能である。加えて、この用途では、再生コンテンツと比較して、記録を必要とするデータ容量は十分小さいため、このような低密度でも十分目的を達することが可能である。
【0073】
(第6の実施の形態)
図6に示す本発明の第6の実施の形態に係る光ディスクは、第4の実施の形態と同様な、DVD等の中密度記録領域20を有する3規格互換再生が可能な光ディスクである。即ち、本発明の第6の実施の形態に係る光ディスクは、第1の基板19;この第1の基板19の第1の主表面に設けられた第1凹凸形状部;この第1凹凸形状部の表面に、選択的に第1反射膜層を配置して構成された中密度記録領域20;この中密度記録領域20の表面に設けられた接着層16;この接着層16に第2の主表面を接した第2の基板21;この第2の基板21の第1の主表面に設けられた第2凹凸形状部;この第2凹凸形状部の表面に配置された第2反射膜層;この第2反射膜層の表面に形成された保護層6とから構成されている。保護層(シート)6は、高密度記録領域3aに記録された情報を読み取るために必要な光学的厚さtを有している。
【0074】
図4に示した第4の実施の形態に係る光ディスクとは異なり、第6の実施の形態に係る光ディスクは、最上層の内周側領域5を下側に平行投影した第1反射膜層の領域を透明領域27に構成してある。即ち、内周側領域5には第1反射膜層が配置されないように、第1反射膜層を選択的に形成している。最上層の内周側領域5を平行投影した領域を透明領域27にしておけば、第1反射膜層の透過特性に影響されて低密度記録領域3bへの光が減衰や散乱することもないので、低密度記録領域3bの再生特性が向上する。この場合は、第1反射膜層は、図4に示す本発明の第4の実施の形態に係る光ディスクのように誘電体多層膜等を用いて、半透明膜にする必要もない。従って、アルミニウム(Al)等の全反射膜層を、最上層の内周側領域5を平行投影した領域に配置しないように、マスク等を用いて、選択的に形成するだけで良い。従って、簡単且つ安価に光ディスクを製造出来る。そして、内周側領域5と、外周側領域4の境界を定める円の直径を8cmに選定しておけば、規格として存在する8cmCDとして認知することが出来るので、良好に再生動作が可能である。
【0075】
(原盤マスタリング)
一般に、原盤マスタリングではフォトリソグラフィー、エッチング等の工程を用いる。同一工程では2領域を原盤マスタリングするには、従来に対し若干の改良が必要である。ピット幅の変更には2ビームと1ビームの切換え、記録光パワーの切換え等を行なえば良いし、トラックピッチの変化には、マスタリング線速やフィード速度を変化させれば良い。
【0076】
なお、領域によって読取り光束の照射方向が異なるが、これは光に対して同じ記録ピットの凹凸が、見かけ上逆転することを意味する。いずれにせよ、再生は可能であるが、トラッキング方式によらず、同一のトラッキング極性を得たい場合は、原盤マスタリングで内外周を順にマスクし、ネガレジスト、ポジレジストの両方で露光することで、凹凸の混在した光ディスクが作製可能である。また、まだ規格の定まらない次世代高密度記録用光ディスクにおいて、記録ピットの凹凸を(読取り側から見て)CDと反転する規格とすれば、マスタリング上は同一凹凸方向で良く、容易に作製出来る。
【0077】
次世代高密度記録規格のピット深さと低密度記録規格(CD規格)のピット深さを同じに設定すれば、一回のエッチングで、次世代高密度記録規格と低密度記録規格(CD規格)の両方の記録ピットが形成出来る。また、マスク手法を用いて選択的エッチングを行なえば、次世代高密度記録規格と低密度記録規格(CD規格)のそれぞれにとって光学的に最適なピット深さを形成出来、再生特性を向上させることも可能である。
【0078】
また、2領域を連続した1本のトラック案内溝とすれば、原盤マスタリングは連続した一回の工程で可能である。この際、ビーム切換えや線速切換えをすることで、ピット幅やトラック幅も制御可能である。
【0079】
一方、2領域を独立なトラック案内溝とすれば、マスタリング光学系を各々専用に用意することが出来、より特性良好な原盤マスタリングが可能である。
【0080】
また、2領域を同一方向螺旋とすることで、光ディスク上下に各々の再生ピックアップを搭載した再生装置を用い、上下の反転を伴わず、且つスピンドル回転方向を一方向に限定して、簡易な再生装置での再生が可能となる。この構造は、ゲーム機におけるプログラム再生とユーザデータ記録を兼ねる用途において、光ディスク反転や入れ替えを伴わない構造として好適である。
【0081】
【発明の効果】
本発明によれば、次世代高密度記録用光ディスクの記録領域に、CD再生装置で再生可能な低密度記録領域を設けているので、単機能次世代高密度記録用光ディスクとほぼ同等の製造コストで、CD再生装置でも所定の再生動作が可能となる。
【0082】
また、本発明によれば、2枚の基板を用いた構造を採用することにより、低密度記録規格(CD規格)、中密度記録規格(DVD規格)及び次世代高密度記録規格の3規格でそれぞれ再生可能な複数装置互換再生型光ディスクを、DVD2層光ディスクと同等のコストで実現出来る。
【0083】
更に本発明によれば、接着層等の中間層の厚さを含めて各層の厚さの制限が緩やかであり、所望の厚さを容易に実現できるので、高性能で且つ低コストの複数規格互換再生可能な光ディスクを提供することが可能である。
従って、本発明によれば、次世代高密度記録規格への移行が円滑に行なわれ、従来型再生装置のみを保有するユーザにも一定のコンテンツ供給が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る光ディスクの概略構造を示す断面図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係る光ディスクの概略構造を示す断面図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態に係る光ディスクの概略構造を示す断面図である。
【図4】本発明の第4の実施の形態に係る光ディスクの概略構造を示す断面図である。
【図5】本発明の第5の実施の形態に係る光ディスクの概略構造を示す断面図である。
【図6】本発明の第6の実施の形態に係る光ディスクの概略構造を示す断面図である。
【図7】従来例に係る光ディスク(CD)の概略構造を示す断面図である。
【図8】従来例に係る光ディスク(次世代高密度記録用光ディスク)の概略構造を示す断面図である。
【図9】従来例に係る光ディスク(DVD2層光ディスク)の概略構造を示す断面図である。
【図10】従来例に係る光ディスク(ハイブリッドSACD)の概略構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1 基板
2 回転(対称)軸
3a 高密度記録領域
3b,22 低密度記録領域
4 外周側領域
5 内周側領域
6 保護層
9 高密度層読取り光
10 低密度層読取り光
11,21 第2の基板
12 第2の記録領域
13,19 第1の基板
14 第1の記録領域
15a、15c 第2の記録領域読取り光
15b 第1の記録領域読取り光
15d 中密度記録領域読取り光
16 接着層
20 中密度記録領域
23 低密度記録領域用レーベル
24 高密度記録領域用レーベル
25 高密度記録領域リードインエリア
26 追記型記録領域
27 透過領域
光ディスク厚さ
保護層厚さ
基板厚さ

Claims (6)

  1. 低密度記録領域、及び該低密度記録領域よりも記録密度の高い高密度記録領域を有する光ディスクにおいて、
    主表面に前記低密度記録領域と前記低密度記録領域よりも外周側に前記高密度記録領域とが形成され、且つ前記低密度記録領域に記録された情報を読み出すための光を透過させる透明な光学材料からなり、CD規格厚を有する基板と、
    前記基板の主表面に形成された前記低密度記録領域と前記高密度記録領域とで幾何学的寸法が異なる凹凸形状部と、
    前記凹凸形状部の表面に、前記低密度記録領域及び前記高密度記録領域の全体に亘って形成された反射膜層と、
    前記反射膜層の上部に形成され、前記高密度記録領域に記録された情報を読み取るために必要な光学的厚さを有し、前記高密度記録領域に記録された情報を読み出すための光を透過させる透明薄膜の保護層
    とからなることを特徴とする光ディスク。
  2. 前記低密度記録領域と、前記高密度記録領域の境界を定める円の直径が8cmであることを特徴とする請求項1記載の光ディスク。
  3. 前記低密度記録領域の更に内周側に、前記高密度記録領域再生時のリードインエリアを配置したことを特徴とする請求項1又は2記載の光ディスク。
  4. 前記低密度記録領域及び前記高密度記録領域に形成される記録ピットの深さが等しいことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項記載の光ディスク。
  5. 前記低密度記録領域及び前記高密度記録領域に、連続した1本のトラック案内溝が形成されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項記載の光ディスク。
  6. 前記低密度記録領域及び前記高密度記録領域に、独立したトラック案内溝がそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項記載の光ディスク。
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