JP2001173190A - 水の流下方向制御性を有する建築用構造部材および建築用外壁構造体 - Google Patents

水の流下方向制御性を有する建築用構造部材および建築用外壁構造体

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JP2001173190A
JP2001173190A JP35742999A JP35742999A JP2001173190A JP 2001173190 A JP2001173190 A JP 2001173190A JP 35742999 A JP35742999 A JP 35742999A JP 35742999 A JP35742999 A JP 35742999A JP 2001173190 A JP2001173190 A JP 2001173190A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】薄肉にすることができ、簡易に製造可能であっ
て、建築物の見え掛かり面にも適用することができる、
水の流下方向制御性を有する建築用構造部材を提供す
る。 【解決手段】基材の少なくとも一方の面上に複数の親水
性領域と疎水性領域とを交互に隣接して並列的に形成
し、かつ前記親水性領域と前記疎水性領域との境界線
は、前記基材が鉛直状態にされたときの鉛直方向に対し
て斜交する方向に延びるようにしたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物の外壁や屋
根、外装材等に用いられる、水の流下方向制御性を有す
る建築用構造部材および建築用外壁構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】接合部を有する、例えば外装材等の防水
工法において、解決すべき問題として、鉛直または傾斜
状態に設置される外装材表面上を伝う水の流下方向を制
御することが挙げられる。すなわち、鉛直または傾斜状
態に設置された建築部材の表面を伝う雨水等の水の流下
方向は、部材表面の濡れ性状に応じて不規則になる。こ
のため、雨水の一部は、目地部等の接合部方向へ移動
し、接合部の欠陥部等を通じて浸入し、屋内側へ拡散し
得る。したがって、このような接合部への水の移動を防
止する必要がある。
【0003】従来、例えば外装材においては、表面を伝
って不規則に流下する水の方向制御を意図して、部材表
面に互いに離間して配列された複数の凹条溝または突条
部を形成し、かつこれら凹条溝または突条部を、部材の
鉛直状態での鉛直方向と斜交する方向に延びるようにし
た、いわゆる「斜め溝形水返し」を設けることが行なわ
れている。
【0004】この斜め溝形水返し構造を有する建築部材
は、雨水等の流下水を凹条溝または突条部に沿って斜め
方向に誘導できるため、流下水が屋内側に浸入し得る箇
所(例えば、目地部)から遠ざかるように方向制御でき
る。よって、水の屋内側への浸入および拡散の危険性を
回避することが可能になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、水の方
向制御性が求められる建築部材に上記斜め溝形水返しを
適用する場合、次に述べるように種々の問題がある。一
つには、上記した斜め溝形水返しを設けた部材は、厚さ
方向の断面が大幅に増加されるので、狭い隙間に介装す
るための薄肉の建築部材に適用することが困難となる。
二つ目は、部材に斜め溝形水返しを設けるために押出し
成形等の機械加工を施す必要があり、製造工程が複雑化
するばかりか、製品価格の上昇を招くおそれがある。三
つ目は、斜め溝形水返しを外装材等の見え掛かり面に適
用する場合、外観性が損なわれるおそれがある。
【0006】本発明の目的は、水の流下方向を親水性お
よび疎水性の両領域の構成により良好に制御することが
可能な建築用構造部材を提供することにある。
【0007】本発明の別の目的は、簡易に製造すること
ができる、水の流下方向を制御可能な建築用構造部材を
提供することにある。
【0008】本発明のさらに別の目的は、外観性に優れ
た建築物の見え掛かり面に適用することができる、水の
流下方向を制御可能な建築用構造部材を提供することに
ある。
【0009】本発明のさらに別の目的は、屋外側から屋
内側への水の浸入および拡散を防止可能な建築用外壁構
造体を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る建築用構造
部材は、基材の少なくとも一方の面上に複数の親水性領
域と疎水性領域とを交互に隣接して並列的に形成し、か
つ前記親水性領域と前記疎水性領域との境界線は、前記
基材が鉛直状態にされたときの鉛直方向に対して斜交す
る方向に延びるようにしたことを特徴とするものであ
る。
【0011】本発明に係る建築用外壁構造体は、外壁パ
ネル間に縦目地部材を介在させた建築用外壁構造体であ
って、前記外壁パネル同士の対向する面上に複数の親水
性領域と疎水性領域とを交互に隣接して並列的に形成
し、かつ前記親水性領域と前記疎水性領域との境界線を
鉛直方向に対して斜交させるとともにその斜交方向が前
記外壁パネルの屋内側から屋外側に下方に向かって延び
るようにしたことを特徴とするものである。
【0012】本発明に係る別の建築用外壁構造体は、外
壁部材の側端面にサッシ縦枠体を取り付けた建築用外壁
構造体であって、前記外壁部材側に位置する前記サッシ
縦枠体の側面に複数の親水性領域と疎水性領域とを交互
に隣接して並列的に形成し、かつ前記親水性領域と前記
疎水性領域との境界線を鉛直方向に対して斜交させると
ともにその斜交方向が前記サッシ縦枠体の屋内側から屋
外側に向かって下方に延びるようにしたことを特徴とす
るものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0014】この発明の建築用構造部材は、基材の少な
くとも一方の面上に複数の例えば帯状をなす親水性領域
と複数の例えば帯状をなす疎水性領域とが交互に隣接し
て並列的に形成されている。前記親水性領域と前記疎水
性領域との境界線は、前記基材が鉛直状態にされたとき
の鉛直方向に対して斜交する方向に延出されている。
【0015】前記親水性領域および前記疎水性領域は、
同じ幅でも異なる幅であってもよい。また、これら領域
の幅は10〜40mmであることが好ましい。各領域の
幅を10mm未満にすると、良好な水の流下制御性を損
なうおそれがある。また、各領域の幅を40mm超にす
ると、水の流下制御量が著しく低下するおそれがある。
【0016】前記親水性領域および前記疎水性領域の境
界線の延びる方向は、前記基材が鉛直状態にて用いられ
る場合、鉛直方向に対して30〜60度斜交する方向で
あることが好ましい。また、前記基材が傾斜状態にて用
いられる場合、その傾斜角度は水平面に対してtanθ
=3/10を満たす角度θ以上であることが好ましい。
このように傾斜された状態においては、前記親水性領域
および前記疎水性領域の各境界線の延びる方向は、斜面
に沿う高さ方向に対して45〜75度斜交する方向であ
ることが好ましい。
【0017】本発明に係る建築用構造部材は、具体的に
は次に説明する3つの形態を有する。
【0018】(1)表面が親水性を示す基材に疎水性材
料(塗料)を所望の間隔で例えば帯状に斜交して塗布
し、乾燥することにより帯状をなす露出した基材表面部
分を親水性領域、疎水性材料の被覆部分を疎水性領域と
した建築用構造部材が得られる。
【0019】表面が親水性を示す基材は、基材自体が親
水性を示す材料から作られる場合と、表面全体に親水性
材料(塗料)を被覆する場合とが挙げられる。ここに用
いる親水性材料からなる基材としては、例えばコンクリ
ート材やフレキシブル板等を挙げることができる。ま
た、親水性材料(塗料)としては、例えばシュアレック
ストップ(関西ペイント株式会社製商品名)等を挙げる
ことができる。
【0020】前記疎水性材料(塗料)としては、例えば
アクアシール(住友精化株式会社製商品名)やアレスレ
タン(関西ペイント株式会社製商品名)等を挙げること
ができる。
【0021】前記疎水性材料の被膜厚さは、500μm
以下であることが好ましい。
【0022】(2)表面が疎水性を示す基材に親水性材
料(塗料)を所望の間隔で例えば帯状に斜交して塗布
し、乾燥することにより帯状をなす露出した基材表面部
分を疎水性領域、親水性材料の被覆部分を親水性領域と
した建築用構造部材が得られる。
【0023】表面が疎水性を示す基材としては、基材自
体が疎水性を示す材料から作られるものと、表面全体に
疎水性材料(塗料)を被覆したものとが挙げられる。こ
こに用いる疎水性材料としては、前記(1)で説明した
のと同様なものを挙げることができる。
【0024】前記親水性材料(塗料)としては、前記
(1)で説明したのと同様なものを用いることができ
る。
【0025】前記親水性性材料の被膜厚さは、500μ
m以下であることが好ましい。
【0026】(3)基材表面に親水性材料(塗料)およ
び疎水性材料(塗料)を例えば帯状に斜交して交互に塗
布し、乾燥することにより帯状をなす親水性材料の被覆
部分を親水性領域、疎水性材料の被覆部分を疎水性領域
とした建築用構造部材が得られる。
【0027】前記親水性材料、疎水性材料は前記(1)
で説明したのと同様なものを用いることができる。
【0028】前記親水性性材料および疎水性材料の被膜
厚さは、それぞれ500μm以下であることが好まし
い。
【0029】なお、前記(1)から(3)の建築用構造
部材において前記親水性材料および/または疎水性膜材
料に色材を混入させることによって、需要者の好みに応
じた色にしたり、互いに異なる色としたストライプ状に
することを許容する。さらに、両材料とも透明または半
透明のものを用いることによって、基材表面の呈する色
調等を維持することもできる。
【0030】次に、本発明に係る建築用構造部材を図面
を参照してより具体的に説明する。
【0031】図1の(a)は、本発明に係る建築用構造
部材の正面図、同図(b)は同図(a)のA−A線に沿
う断面図、同図(c)は、同図(a)のB−B線に沿う
断面図である。
【0032】図1に示す建築用構造部材1は、プレート
状の基材10の一方の面上に複数の親水性領域である親
水性膜11と複数の疎水性領域である疎水性膜12とが
交互に隣接して被覆されている。これら親水性膜11お
よび疎水性膜12は、例えば互いに同じ幅の帯状をな
す。また、これら親水性膜11および疎水性膜12は、
前記基材10の鉛直方向に対して斜交して配列されてい
る。このため親水性膜11と疎水性膜12との各境界線
もまた、基材10の鉛直方向に対して斜交している。
【0033】以上説明した構成(例えば図1に示す構
成)の建築用構造部材1は、鉛直または傾斜状態にて水
の流下方向を制御することができる。これを、図2の
(a),(b)を参照して次に詳述する。なお、図2の
(a)は図1の建築用構造部材表面に水滴が親水性膜と
疎水性膜との両方にまたがって付着している状態を模式
的に拡大して示す断面図、同図の(b)は図1の外装材
表面に付着した水滴が誘導流下される様子を模式的に示
す正面図である。
【0034】図2の(a)に示すように、親水性膜11
と疎水性膜12とでは水接触角が異なり、親水性膜11
と疎水性膜12とにわたって付着している水滴2は、そ
の上縁と下縁での界面張力が共に上方に作用する。した
がって、水滴2に作用する重力に抗してその位置に保持
されやすくなる。
【0035】親水性膜11と疎水性膜12とにわたり付
着保持された水滴2は、図2(b)に示すように新たな
水滴の供給によって合体されてその質量を増し、界面張
力の鉛直上方成分が作用重力に抗しきれなくなると流下
を開始する。この時、親水性膜11および疎水性膜12
の各境界線は、鉛直方向に対して斜交しているので、水
滴2は疎水性膜12と親水性膜11との境界に沿って斜
め下方に流下移動される。このような水滴は、前記境界
に沿って流下する過程で合体されて水滴群になり、同様
に疎水性膜12と親水性膜11との境界に沿って連続的
に上方から斜め下方に流下される。
【0036】したがって、基材10の少なくとも一方の
面に複数の親水性膜11と疎水性膜12とを鉛直方向に
対して斜交して交互にかつ隣接して並列的に被覆するこ
とによって、親水性膜11と疎水性膜12との各境界線
を鉛直方向に対して斜交させ、それら膜11,12の各
境界において鉛直方向に対して斜交する方向に水の流下
を誘導させる、水返しの作用を奏することが可能にな
る。
【0037】事実、上記した水の流下誘導作用は、以下
のようにして調べた散水実験結果から実証された。
【0038】供試部材としては、親水性の平滑な表面を
有する、縦400mm×横300mmのプレート状ガラ
ス基材の一方の面上に、複数の互いに離間して延びる撥
水性塗料(アクアシール)からなる疎水性膜を被覆し
て、この疎水性膜と露出親水性領域とを基材が鉛直に縦
置されたときの鉛直方向に対して45度斜交させて交互
に並列的に形成したものを用いた。上記疎水性膜は幅3
0mm、膜厚500μmであり、上記露出親水性領域は
幅50mmであった。また、上記で用いたのと同様な親
水性の平滑な表面を有するプレート状ガラス基材を比較
の部材として用いた。
【0039】これらの部材を鉛直状態に縦置して、縦3
00mm×横150mmの長方形領域面に散水した。そ
の結果、基材表面に疎水性膜が被覆されていない比較の
部材では、散水量の殆ど(約88%以上)が直接、鉛直
下方へ流下したのに対し、親水性領域と疎水性膜とを形
成した本発明の部材では、直接鉛直下方に流下したのは
散水量の約25%以下であり、約75%以上は疎水性膜
と親水性膜との境界に沿って斜め45度下方に誘導流下
された。
【0040】また、本発明による建築用構造部材は、機
械加工等の成形を施す必要がなく、基材の表面に親水性
膜および疎水性膜を、親水性表面の基材にあっては疎水
性膜のみを塗布、乾燥してなる構成であるので、非常に
簡易に製造することができる。
【0041】さらに、本発明による建築用構造部材は、
外観性を損なう凹条溝や凸条等の成形を施す必要がない
ので、優れた外観性を有する。
【0042】さらに、前記(1)の建築用構造部材、つ
まり表面が親水性を示す基材に疎水性材料(塗料)を所
望の間隔で例えば帯状に斜交して塗布し、乾燥すること
により帯状をなす露出した基材表面部分を親水性領域、
疎水性材料の被覆部分を疎水性領域とした建築用構造部
材によれば、基材と疎水性材料の被覆部分との境界に僅
かな段差が形成されるため、親水性領域である露出した
基材表面とこの領域の下方に隣接する疎水性材料の被覆
部分の境界線において前述した図2の(a)の水滴保持
作用を高めることができると共に、この境界線に沿う水
滴の流下性をより一層高めることができる。したがっ
て、より一層水返しの作用を高めた建築用構造部材を実
現することが可能になる。
【0043】
【実施例】以下、本発明の好ましい実施例を図面を参照
して説明する。
【0044】(実施例1)図3の(a)は、実施例1に
係る建築用構造部材を外壁パネルに適用した建築用外壁
構造体を示す水平断面図、同図の(b)は同図の(a)
のA−A線に沿う断面図である。
【0045】外壁パネル30は、図3の(a)に示すよ
うに互いに所定の間隙を存して表裏面が揃うように配置
されている。屋内側の前記パネル30が対向する面には
位置決め用の凹条溝34が形成されている。
【0046】外壁パネル30は、図3の(b)に示すよ
うに、各外壁パネル30が対向する側面全体にわたって
複数の帯状をなす互いに同幅の親水性膜11と疎水性膜
12とが鉛直方向に対して45度に斜交して交互にかつ
互いに隣接して並列的に被覆されている。前記親水性膜
11および疎水性膜12の各境界線の斜交方向は、屋内
側から屋外側に下方に向かって配列されている。
【0047】円筒状をなす2本の屋内側2次シール部材
33は、前記外壁パネル30の前記位置決め用の凹条溝
34間に互いに当接して介在されている。
【0048】バックアップ部材31は、屋外側の前記外
壁パネル30間に介在されている。屋外側1次シール材
32は、前記バックアップ部材31を含む前記2つの外
壁パネル30間の間隙に充填されている。なお、前記バ
ックアップ部材31および前記シール材32の代わりと
してゴム製の定形ガスケット等を介在させることもでき
る。
【0049】このような構成の外壁パネルによれば、屋
外側一次シール材32およびバックアップ部材31が経
年的に劣化し、これら部材32,31を通して浸入した
水は、図3の(b)に示すように外壁パネル30の対向
面全体にわたって複数の親水性膜11とこの親水性膜1
1と同幅の複数の疎水性膜12とが屋内側から屋外側に
下方に向かって鉛直方向に対して45度に斜交して交互
に隣接して並列的に被覆されているため、親水性膜11
および疎水性膜12の各境界線も同様に斜交しているの
で、浸入した水を既述したように親水性膜11と疎水性
膜12との境界に沿って屋外側へ流下誘導することがで
きる。したがって外壁パネル30の対向側面は、水返し
の作用を奏するために、水が屋外側一次シール部材32
およびバックアップ部材31を通して前記外壁パネル3
0の側面を伝ってさらに屋内側に浸入するのを防止する
ことができる。
【0050】(実施例2)図4の(a)は、実施例2に
係る建築用構造部材を外壁材と取り合うサッシ縦枠材に
適用した建築用外壁構造体を示す水平断面図、同図の
(b)は同図の(a)のA−A線に沿う断面図である。
【0051】サッシ縦枠4は、その側面が外壁材43の
側端面に屋外側から屋内側に向けて配置されたシーリン
グ材45およびバックアップ部材44を介して取付けら
れている。胴縁42は、前記外壁材43の屋内側に図示
しないジョイナーを介して取り付けられている。なお、
前記バックアップ部材44および前記シーリング材45
の代わりにゴム製の定形ガスケット等を介在させること
もでき、またこれら部材を介在させることなく、前記サ
ッシ縦枠4はその側面が前記外壁材43の側端面が直接
取り付けられた構造とすることもできる。
【0052】前記サッシ縦枠4の前記外壁材43側に位
置する側面には、図4の(b)に示すように複数の帯状
をなす互いに同幅の親水性膜11と疎水性膜12とが鉛
直方向に対して45度に斜交して交互にかつ隣接して並
列的に被覆されている。前記親水性膜11と疎水性膜1
2との各境界線の斜交方向は、屋内側から屋外側に下方
に向かって配列されている。
【0053】このような外壁材43にサッシ縦枠4を取
付けた構造によれば、前記外壁材43とサッシ縦枠4の
間のシーリング材45の欠陥等により雨水がシーリング
材45を通して屋内側に浸入すると、前記サッシ縦枠4
の前記外壁材43側に位置する側面は図4の(b)に示
すように複数の互いに同幅の親水性膜11と疎水性膜1
2とは、これらの各境界線が屋内側から屋外側に下方に
向かって鉛直方向に対して45度に斜交して延びるよう
に交互に隣接して並列的に被覆されているため、親水性
膜11および疎水性膜12の各境界線も同様に斜交して
いるので、雨水を既述したように親水性膜11と疎水性
膜12との境界に沿って屋外側へ流下誘導させることが
できる。また、開口部であるサッシ枠体の上方から上記
取り合い部の屋内側に流下した雨水や結露水が壁体内に
浸入し拡散するのを防止することができる。
【0054】(実施例3)図5の(a)は、実施例3に
係る建築用構造部材を外装材と胴縁とを結合させるため
のジョイナー部材に適用した建築用外壁構造体を示す水
平断面図、同図の(b)は、同図の(a)のA−A線に
沿う断面図である。
【0055】薄肉のジョイナー部材5は、図5の(a)
に示すように胴縁51の屋外側を向く面に防水紙52を
介在して取り付けられている。ジョイナー部材5の屋外
側を向く面には、鉛直方向に延びる位置決め用の凸条5
aが設けられている。また、ジョイナー部材5の屋外側
の面にはさらに、前記凸条5aの断面高さよりも低い2
つの突条5bが前記凸条5aの両側に前記凸条5aと所
定の間隔を存し、かつ前記凸条5aと並列するように設
けられている。
【0056】外装材53は、その背面に突条5bの突先
が当接し、かつ外装材53の側端面の一部が凸条5aの
立ち上がり面の一部と接するように取り付けられ、外装
材53の露出する鉛直面が揃えられている。外装材53
の屋外側の側縁は面取りされている。
【0057】縦目地シール材54は、隣り合う外装材5
3の側端面と凸条5aの屋外側を向く露出面とにより形
成された縦溝部に充填されている。
【0058】ジョイナー部材5の屋外側を向く面におけ
る、凸条5aと突条5bとの間の領域面上には、図5
(b)に示すように複数の帯状をなす互いに同幅の親水
性膜11と疎水性膜12とが鉛直方向に対して45度に
斜交して交互に隣接して並列的に被覆されている。前記
親水性膜11および前記疎水性膜の各境界線の斜交方向
は、突条5b側から凸条5a側に向かって斜め下方に配
列されている。
【0059】このようなジョイナー部材5に外装材53
を取り付けた構造によれば、前記縦目地シール材54の
欠陥等により雨水が縦目地シール材54を通して屋内側
にジョイナー部材5の凸条5aの表面を伝って浸入する
とき、前記ジョイナー部材5の屋外側を向く面におけ
る、凸条5aと突条5bとの間の領域面上には、複数の
帯状をなす互いに同幅の親水性膜11と疎水性膜12と
が、突条5b側から凸条5a側に下方に向かって鉛直方
向に対して45度に斜交して交互に隣接して並列的に被
覆されているため、親水性膜11および疎水性膜12の
各境界線も同様に斜交しているので、浸入雨水を親水性
膜11と疎水性膜12との境界に沿って凸条5a側へ流
下誘導されるので、ジョイナー部材5の屋外側を向く表
面全体にわたる雨水の拡散を防止することができる。ま
た、ジョイナー部材5の屋外側を向く表面上に付着した
結露水も同様に流下誘導することができ、結露水の拡散
を防止することができる。
【0060】(実施例4)図6の(a)は、実施例4に
係る建築用構造部材を外装材に適用した建築用外壁構造
体を示す水平断面図、同図の(b)は、同図の(a)の
b矢視図である。
【0061】図6の(a)に示すように、複数の外装材
6は、一方の側端部(例えば左側端部)において屋内側
の高さ方向に亘って切欠かれた切欠部61aを有し、他
方の側端部(右側端部)において屋外側の高さ方向に亘
って切欠かれた切欠部61bを有する。このような複数
の外装材6において、それらの左側端部の切欠部61a
と右側端部の切欠部61bとを図示しないシール材を介
して突き当てることにより各外装材6が屋内側、屋外側
で面一となるように連結されている。このような隣接す
る外装材6の接合部(縦目地部)62は面取りされてい
る。
【0062】外装材6の縦目地部62付近の屋外側露出
面上には、図6(b)に示すように、前記縦目地部62
側から所望の幅(例えば、50〜200mm)にわたっ
て複数の帯状をなす互いに同幅の親水性膜11と疎水性
膜12とが鉛直方向に対して45度に斜交して交互にか
つ隣接して並列的に被覆されている。前記親水性膜11
および前記疎水性膜12の各境界線の斜交方向は、前記
縦目地部62側から斜め下方に向かって配列されてい
る。なお、外装材6間の図示しない他の接合部において
も上述したのと同様に親水性膜と疎水性膜とが被覆さ
れ、これら親水性膜および疎水性膜の各境界線の斜交方
向もまた図示しない縦目地部側から斜め下方に向かって
配列されている。
【0063】このような外装材6を連結した構造によれ
ば、各外装材6の縦目地部62付近の屋外側露出面に雨
水が吹き付けられると、前記各外装材6の縦目地部62
付近の屋外側露出表面には複数の親水性膜11および疎
水性膜12が、各境界線が縦目地部62を中心にして鉛
直方向に対して下方に斜交して延びるように、交互にか
つ隣接して並列的に被覆されているため、親水性膜11
と疎水性膜12との境界に沿って縦目地部62側から離
れるように雨滴を流下誘導させることができ、縦目地部
62の防水負荷を軽減することができる。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による水の
流下方向制御性を有する建築用構造部材は、機械加工等
による断面の厚さ方向の長さが増すような成形を施す必
要がなく、従来の斜め溝形水返しと同様な水の流下制御
機能を部材の表面処理のみによって付与することができ
る。したがって、薄肉部材や狭い間隙に介装される部材
に適用することができ、接合部の詳細設計の自由度を増
すことができる。また、非常に簡易に製造できるので、
製造コストを大幅に節減することができる。さらに、外
観性を損なう凹条溝や凸条等の成形を施す必要がないの
で、外観性に優れた屋根材、外壁材等の建築物の見え掛
かり面の部材として適用することができる。そして、こ
のような水の流下方向制御性を有する建築用構造部材を
適用した建築用外壁構造体によれば、屋外側から屋内側
への水の浸入および拡散を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る建築用構造部材を示
す図。
【図2】図1の建築用構造部材の作用を模式的に示す
図。
【図3】本発明の実施例1に係る建築用構造部材を外壁
パネルに適用した建築用外壁構造体を示す図。
【図4】本発明の実施例2に係る建築用構造部材を外壁
材と取り合うサッシ縦枠材に適用した建築用外壁構造体
を示す図。
【図5】本発明の実施例3に係る建築用構造部材を外装
材と胴縁とを結合させるためのジョイナー部材に適用し
た建築用外壁構造体を示す図。
【図6】本発明の実施例4に係る建築用構造部材を外装
材に適用した建築用外壁構造体を示す図。
【符号の説明】
1…建築用構造部材、 10…基材、 11…親水性膜、 12…疎水性膜、 2…水滴、 3…目地部材、 3a…基材、 30…外装パネル、 31…バックアップ部材、 32…屋外側1次シール材、 33…屋内側2次シール部材、 4…サッシ縦枠、 43…外装材、 44…バックアップ部材、 45…シーリング材、 5…ジョイナー部材、 5a…凸条、 5b…突条、 53…外装材、 54…縦目地シール材、 6…外装材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2E001 DA01 DA02 FA04 FA16 FA52 FA71 GA06 GA12 GA43 GA67 HF00 KA03 KA05 LA00 2E110 AA14 AA15 AB04 BD23 CA03 CA07 CA21 DA03 DA09 DA10 DA22 DC06 DD02 DD03 DD12 GA31Y GA31Z GA33W GA33Y GA44Z GB23W GB55Z

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材の少なくとも一方の面上に複数の親
    水性領域と疎水性領域とを交互に隣接して並列的に形成
    し、かつ前記親水性領域と前記疎水性領域との境界線
    は、前記基材が鉛直状態にされたときの鉛直方向に対し
    て斜交する方向に延びるようにしたことを特徴とする、
    水の流下方向制御性を有する建築用構造部材。
  2. 【請求項2】 外壁パネル間に縦目地部材を介在させた
    建築用外壁構造体であって、前記外壁パネル同士の対向
    する面上に複数の親水性領域と疎水性領域とを交互に隣
    接して並列的に形成し、かつ前記親水性領域と前記疎水
    性領域との境界線を鉛直方向に対して斜交させるととも
    にその斜交方向が前記外壁パネルの屋内側から屋外側に
    下方に向かって延びるようにしたことを特徴とする建築
    用外壁構造体。
  3. 【請求項3】 外壁部材の側端面にサッシ縦枠体を取り
    付けた建築用外壁構造体であって、前記外壁部材側に位
    置する前記サッシ縦枠体の側面に複数の親水性領域と疎
    水性領域とを交互に隣接して並列的に形成し、かつ前記
    親水性領域と前記疎水性領域との境界線を鉛直方向に対
    して斜交させるとともにその斜交方向が前記サッシ縦枠
    体の屋内側から屋外側に向かって下方に延びるようにし
    たことを特徴とする建築用外壁構造体。
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