JP4389050B2 - 建築用外壁構造体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築物の外壁や屋根、外装材等に用いられる建築用外壁構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】
接合部を有する、例えば外装材等の防水工法において、解決すべき問題として、鉛直または傾斜状態に設置される外装材表面上を伝う水の流下方向を制御することが挙げられる。すなわち、鉛直または傾斜状態に設置された建築部材の表面を伝う雨水等の水の流下方向は、部材表面の濡れ性状に応じて不規則になる。このため、雨水の一部は、目地部等の接合部方向へ移動し、接合部の欠陥部等を通じて浸入し、屋内側へ拡散し得る。したがって、このような接合部への水の移動を防止する必要がある。
【0003】
従来、例えば外装材においては、表面を伝って不規則に流下する水の方向制御を意図して、部材表面に互いに離間して配列された複数の凹条溝または突条部を形成し、かつこれら凹条溝または突条部を、部材の鉛直状態での鉛直方向と斜交する方向に延びるようにした、いわゆる「斜め溝形水返し」を設けることが行なわれている。
【0004】
この斜め溝形水返し構造を有する建築部材は、雨水等の流下水を凹条溝または突条部に沿って斜め方向に誘導できるため、流下水が屋内側に浸入し得る箇所(例えば、目地部)から遠ざかるように方向制御できる。よって、水の屋内側への浸入および拡散の危険性を回避することが可能になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、水の方向制御性が求められる建築部材に上記斜め溝形水返しを適用する場合、次に述べるように種々の問題がある。一つには、上記した斜め溝形水返しを設けた部材は、厚さ方向の断面が大幅に増加されるので、狭い隙間に介装するための薄肉の建築部材に適用することが困難となる。二つ目は、部材に斜め溝形水返しを設けるために押出し成形等の機械加工を施す必要があり、製造工程が複雑化するばかりか、製品価格の上昇を招くおそれがある。三つ目は、斜め溝形水返しを外装材等の見え掛かり面に適用する場合、外観性が損なわれるおそれがある。
【0009】
本発明の目的は、屋外側から屋内側への水の浸入および拡散を防止可能な建築用外壁構造体を提供することにある。
【0011】
本発明に係る建築用外壁構造体は、外壁パネル間に縦目地部材を介在させた建築用外壁構造体であって、前記外壁パネル同士の対向する面上に複数の親水性領域と疎水性領域とを交互に隣接して並列的に形成し、かつ前記親水性領域と前記疎水性領域との境界線を鉛直方向に対して斜交させるとともにその斜交方向が前記外壁パネルの屋内側から屋外側に下方に向かって延び出し、前記親水性領域と疎水性領域との境界に沿って流下する水を前記外壁パネルの屋外側に誘導し集約するようにしたことを特徴とするものである。
【0012】
本発明に係る建築用外壁構造体は、外壁部材の側端面にサッシ縦枠体を取り付けた建築用外壁構造体であって、前記外壁部材側に位置する前記サッシ縦枠体の側面に複数の親水性領域と疎水性領域とを交互に隣接して並列的に形成し、かつ前記親水性領域と前記疎水性領域との境界線を鉛直方向に対して斜交させるとともにその斜交方向が前記外壁パネルの屋内側から屋外側に下方に向かって延び出し、前記親水性領域と疎水性領域との境界に沿って流下する水を前記外壁パネルの屋外側に誘導し集約するようにしたことを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0014】
この発明の建築用構造部材は、基材の少なくとも一方の面上に複数の例えば帯状をなす親水性領域と複数の例えば帯状をなす疎水性領域とが交互に隣接して並列的に形成されている。前記親水性領域と前記疎水性領域との境界線は、前記基材が鉛直状態にされたときの鉛直方向に対して斜交する方向に延出されている。
【0015】
前記親水性領域および前記疎水性領域は、同じ幅でも異なる幅であってもよい。また、これら領域の幅は10〜40mmであることが好ましい。各領域の幅を10mm未満にすると、良好な水の流下制御性を損なうおそれがある。また、各領域の幅を40mm超にすると、水の流下制御量が著しく低下するおそれがある。
【0016】
前記親水性領域および前記疎水性領域の境界線の延びる方向は、前記基材が鉛直状態にて用いられる場合、鉛直方向に対して30〜60度斜交する方向であることが好ましい。また、前記基材が傾斜状態にて用いられる場合、その傾斜角度は水平面に対してtanθ=3/10を満たす角度θ以上であることが好ましい。このように傾斜された状態においては、前記親水性領域および前記疎水性領域の各境界線の延びる方向は、斜面に沿う高さ方向に対して45〜75度斜交する方向であることが好ましい。
【0017】
本発明に係る建築用構造部材は、具体的には次に説明する3つの形態を有する。
【0018】
(1)表面が親水性を示す基材に疎水性材料(塗料)を所望の間隔で例えば帯状に斜交して塗布し、乾燥することにより帯状をなす露出した基材表面部分を親水性領域、疎水性材料の被覆部分を疎水性領域とした建築用構造部材が得られる。
【0019】
表面が親水性を示す基材は、基材自体が親水性を示す材料から作られる場合と、表面全体に親水性材料(塗料)を被覆する場合とが挙げられる。ここに用いる親水性材料からなる基材としては、例えばコンクリート材やフレキシブル板等を挙げることができる。また、親水性材料(塗料)としては、例えばシュアレックストップ(関西ペイント株式会社製商品名)等を挙げることができる。
【0020】
前記疎水性材料(塗料)としては、例えばアクアシール(住友精化株式会社製商品名)やアレスレタン(関西ペイント株式会社製商品名)等を挙げることができる。
【0021】
前記疎水性材料の被膜厚さは、500μm以下であることが好ましい。
【0022】
(2)表面が疎水性を示す基材に親水性材料(塗料)を所望の間隔で例えば帯状に斜交して塗布し、乾燥することにより帯状をなす露出した基材表面部分を疎水性領域、親水性材料の被覆部分を親水性領域とした建築用構造部材が得られる。
【0023】
表面が疎水性を示す基材としては、基材自体が疎水性を示す材料から作られるものと、表面全体に疎水性材料(塗料)を被覆したものとが挙げられる。ここに用いる疎水性材料としては、前記(1)で説明したのと同様なものを挙げることができる。
【0024】
前記親水性材料(塗料)としては、前記(1)で説明したのと同様なものを用いることができる。
【0025】
前記親水性性材料の被膜厚さは、500μm以下であることが好ましい。
【0026】
(3)基材表面に親水性材料(塗料)および疎水性材料(塗料)を例えば帯状に斜交して交互に塗布し、乾燥することにより帯状をなす親水性材料の被覆部分を親水性領域、疎水性材料の被覆部分を疎水性領域とした建築用構造部材が得られる。
【0027】
前記親水性材料、疎水性材料は前記(1)で説明したのと同様なものを用いることができる。
【0028】
前記親水性性材料および疎水性材料の被膜厚さは、それぞれ500μm以下であることが好ましい。
【0029】
なお、前記(1)から(3)の建築用構造部材において前記親水性材料および/または疎水性膜材料に色材を混入させることによって、需要者の好みに応じた色にしたり、互いに異なる色としたストライプ状にすることを許容する。さらに、両材料とも透明または半透明のものを用いることによって、基材表面の呈する色調等を維持することもできる。
【0030】
次に、本発明に係る建築用構造部材を図面を参照してより具体的に説明する。
【0031】
図1の(a)は、本発明に係る建築用構造部材の正面図、同図(b)は同図(a)のA−A線に沿う断面図、同図(c)は、同図(a)のB−B線に沿う断面図である。
【0032】
図1に示す建築用構造部材1は、プレート状の基材10の一方の面上に複数の親水性領域である親水性膜11と複数の疎水性領域である疎水性膜12とが交互に隣接して被覆されている。これら親水性膜11および疎水性膜12は、例えば互いに同じ幅の帯状をなす。また、これら親水性膜11および疎水性膜12は、前記基材10の鉛直方向に対して斜交して配列されている。このため親水性膜11と疎水性膜12との各境界線もまた、基材10の鉛直方向に対して斜交している。
【0033】
以上説明した構成(例えば図1に示す構成)の建築用構造部材1は、鉛直または傾斜状態にて水の流下方向を制御することができる。これを、図2の(a),(b)を参照して次に詳述する。なお、図2の(a)は図1の建築用構造部材表面に水滴が親水性膜と疎水性膜との両方にまたがって付着している状態を模式的に拡大して示す断面図、同図の(b)は図1の外装材表面に付着した水滴が誘導流下される様子を模式的に示す正面図である。
【0034】
図2の(a)に示すように、親水性膜11と疎水性膜12とでは水接触角が異なり、親水性膜11と疎水性膜12とにわたって付着している水滴2は、その上縁と下縁での界面張力が共に上方に作用する。したがって、水滴2に作用する重力に抗してその位置に保持されやすくなる。
【0035】
親水性膜11と疎水性膜12とにわたり付着保持された水滴2は、図2(b)に示すように新たな水滴の供給によって合体されてその質量を増し、界面張力の鉛直上方成分が作用重力に抗しきれなくなると流下を開始する。この時、親水性膜11および疎水性膜12の各境界線は、鉛直方向に対して斜交しているので、水滴2は疎水性膜12と親水性膜11との境界に沿って斜め下方に流下移動される。このような水滴は、前記境界に沿って流下する過程で合体されて水滴群になり、同様に疎水性膜12と親水性膜11との境界に沿って連続的に上方から斜め下方に流下される。
【0036】
したがって、基材10の少なくとも一方の面に複数の親水性膜11と疎水性膜12とを鉛直方向に対して斜交して交互にかつ隣接して並列的に被覆することによって、親水性膜11と疎水性膜12との各境界線を鉛直方向に対して斜交させ、それら膜11,12の各境界において鉛直方向に対して斜交する方向に水の流下を誘導させる、水返しの作用を奏することが可能になる。
【0037】
事実、上記した水の流下誘導作用は、以下のようにして調べた散水実験結果から実証された。
【0038】
供試部材としては、親水性の平滑な表面を有する、縦400mm×横300mmのプレート状ガラス基材の一方の面上に、複数の互いに離間して延びる撥水性塗料(アクアシール)からなる疎水性膜を被覆して、この疎水性膜と露出親水性領域とを基材が鉛直に縦置されたときの鉛直方向に対して45度斜交させて交互に並列的に形成したものを用いた。上記疎水性膜は幅30mm、膜厚500μmであり、上記露出親水性領域は幅50mmであった。また、上記で用いたのと同様な親水性の平滑な表面を有するプレート状ガラス基材を比較の部材として用いた。
【0039】
これらの部材を鉛直状態に縦置して、縦300mm×横150mmの長方形領域面に散水した。その結果、基材表面に疎水性膜が被覆されていない比較の部材では、散水量の殆ど(約88%以上)が直接、鉛直下方へ流下したのに対し、親水性領域と疎水性膜とを形成した本発明の部材では、直接鉛直下方に流下したのは散水量の約25%以下であり、約75%以上は疎水性膜と親水性膜との境界に沿って斜め45度下方に誘導流下された。
【0040】
また、本発明による建築用構造部材は、機械加工等の成形を施す必要がなく、基材の表面に親水性膜および疎水性膜を、親水性表面の基材にあっては疎水性膜のみを塗布、乾燥してなる構成であるので、非常に簡易に製造することができる。
【0041】
さらに、本発明による建築用構造部材は、外観性を損なう凹条溝や凸条等の成形を施す必要がないので、優れた外観性を有する。
【0042】
さらに、前記(1)の建築用構造部材、つまり表面が親水性を示す基材に疎水性材料(塗料)を所望の間隔で例えば帯状に斜交して塗布し、乾燥することにより帯状をなす露出した基材表面部分を親水性領域、疎水性材料の被覆部分を疎水性領域とした建築用構造部材によれば、基材と疎水性材料の被覆部分との境界に僅かな段差が形成されるため、親水性領域である露出した基材表面とこの領域の下方に隣接する疎水性材料の被覆部分の境界線において前述した図2の(a)の水滴保持作用を高めることができると共に、この境界線に沿う水滴の流下性をより一層高めることができる。したがって、より一層水返しの作用を高めた建築用構造部材を実現することが可能になる。
【0043】
【実施例】
以下、本発明の好ましい実施例を図面を参照して説明する。
【0044】
(実施例1)
図3の(a)は、実施例1に係る建築用構造部材を外壁パネルに適用した建築用外壁構造体を示す水平断面図、同図の(b)は同図の(a)のA−A線に沿う断面図である。
【0045】
外壁パネル30は、図3の(a)に示すように互いに所定の間隙を存して表裏面が揃うように配置されている。屋内側の前記パネル30が対向する面には位置決め用の凹条溝34が形成されている。
【0046】
外壁パネル30は、図3の(b)に示すように、各外壁パネル30が対向する側面全体にわたって複数の帯状をなす互いに同幅の親水性膜11と疎水性膜12とが鉛直方向に対して45度に斜交して交互にかつ互いに隣接して並列的に被覆されている。前記親水性膜11および疎水性膜12の各境界線の斜交方向は、屋内側から屋外側に下方に向かって配列されている。
【0047】
円筒状をなす2本の屋内側2次シール部材33は、前記外壁パネル30の前記位置決め用の凹条溝34間に互いに当接して介在されている。
【0048】
バックアップ部材31は、屋外側の前記外壁パネル30間に介在されている。屋外側1次シール材32は、前記バックアップ部材31を含む前記2つの外壁パネル30間の間隙に充填されている。なお、前記バックアップ部材31および前記シール材32の代わりとしてゴム製の定形ガスケット等を介在させることもできる。
【0049】
このような構成の外壁パネルによれば、屋外側一次シール材32およびバックアップ部材31が経年的に劣化し、これら部材32,31を通して浸入した水は、図3の(b)に示すように外壁パネル30の対向面全体にわたって複数の親水性膜11とこの親水性膜11と同幅の複数の疎水性膜12とが屋内側から屋外側に下方に向かって鉛直方向に対して45度に斜交して交互に隣接して並列的に被覆されているため、親水性膜11および疎水性膜12の各境界線も同様に斜交しているので、浸入した水を既述したように親水性膜11と疎水性膜12との境界に沿って屋外側へ流下誘導することができる。したがって外壁パネル30の対向側面は、水返しの作用を奏するために、水が屋外側一次シール部材32およびバックアップ部材31を通して前記外壁パネル30の側面を伝ってさらに屋内側に浸入するのを防止することができる。
【0050】
(実施例2)
図4の(a)は、実施例2に係る建築用構造部材を外壁材と取り合うサッシ縦枠材に適用した建築用外壁構造体を示す水平断面図、同図の(b)は同図の(a)のA−A線に沿う断面図である。
【0051】
サッシ縦枠4は、その側面が外壁材43の側端面に屋外側から屋内側に向けて配置されたシーリング材45およびバックアップ部材44を介して取付けられている。胴縁42は、前記外壁材43の屋内側に図示しないジョイナーを介して取り付けられている。なお、前記バックアップ部材44および前記シーリング材45の代わりにゴム製の定形ガスケット等を介在させることもでき、またこれら部材を介在させることなく、前記サッシ縦枠4はその側面が前記外壁材43の側端面が直接取り付けられた構造とすることもできる。
【0052】
前記サッシ縦枠4の前記外壁材43側に位置する側面には、図4の(b)に示すように複数の帯状をなす互いに同幅の親水性膜11と疎水性膜12とが鉛直方向に対して45度に斜交して交互にかつ隣接して並列的に被覆されている。前記親水性膜11と疎水性膜12との各境界線の斜交方向は、屋内側から屋外側に下方に向かって配列されている。
【0053】
このような外壁材43にサッシ縦枠4を取付けた構造によれば、前記外壁材43とサッシ縦枠4の間のシーリング材45の欠陥等により雨水がシーリング材45を通して屋内側に浸入すると、前記サッシ縦枠4の前記外壁材43側に位置する側面は図4の(b)に示すように複数の互いに同幅の親水性膜11と疎水性膜12とは、これらの各境界線が屋内側から屋外側に下方に向かって鉛直方向に対して45度に斜交して延びるように交互に隣接して並列的に被覆されているため、親水性膜11および疎水性膜12の各境界線も同様に斜交しているので、雨水を既述したように親水性膜11と疎水性膜12との境界に沿って屋外側へ流下誘導させることができる。また、開口部であるサッシ枠体の上方から上記取り合い部の屋内側に流下した雨水や結露水が壁体内に浸入し拡散するのを防止することができる。
【0054】
(実施例3)
図5の(a)は、実施例3に係る建築用構造部材を外装材と胴縁とを結合させるためのジョイナー部材に適用した建築用外壁構造体を示す水平断面図、同図の(b)は、同図の(a)のA−A線に沿う断面図である。
【0055】
薄肉のジョイナー部材5は、図5の(a)に示すように胴縁51の屋外側を向く面に防水紙52を介在して取り付けられている。ジョイナー部材5の屋外側を向く面には、鉛直方向に延びる位置決め用の凸条5aが設けられている。また、ジョイナー部材5の屋外側の面にはさらに、前記凸条5aの断面高さよりも低い2つの突条5bが前記凸条5aの両側に前記凸条5aと所定の間隔を存し、かつ前記凸条5aと並列するように設けられている。
【0056】
外装材53は、その背面に突条5bの突先が当接し、かつ外装材53の側端面の一部が凸条5aの立ち上がり面の一部と接するように取り付けられ、外装材53の露出する鉛直面が揃えられている。外装材53の屋外側の側縁は面取りされている。
【0057】
縦目地シール材54は、隣り合う外装材53の側端面と凸条5aの屋外側を向く露出面とにより形成された縦溝部に充填されている。
【0058】
ジョイナー部材5の屋外側を向く面における、凸条5aと突条5bとの間の領域面上には、図5(b)に示すように複数の帯状をなす互いに同幅の親水性膜11と疎水性膜12とが鉛直方向に対して45度に斜交して交互に隣接して並列的に被覆されている。前記親水性膜11および前記疎水性膜の各境界線の斜交方向は、突条5b側から凸条5a側に向かって斜め下方に配列されている。
【0059】
このようなジョイナー部材5に外装材53を取り付けた構造によれば、前記縦目地シール材54の欠陥等により雨水が縦目地シール材54を通して屋内側にジョイナー部材5の凸条5aの表面を伝って浸入するとき、前記ジョイナー部材5の屋外側を向く面における、凸条5aと突条5bとの間の領域面上には、複数の帯状をなす互いに同幅の親水性膜11と疎水性膜12とが、突条5b側から凸条5a側に下方に向かって鉛直方向に対して45度に斜交して交互に隣接して並列的に被覆されているため、親水性膜11および疎水性膜12の各境界線も同様に斜交しているので、浸入雨水を親水性膜11と疎水性膜12との境界に沿って凸条5a側へ流下誘導されるので、ジョイナー部材5の屋外側を向く表面全体にわたる雨水の拡散を防止することができる。また、ジョイナー部材5の屋外側を向く表面上に付着した結露水も同様に流下誘導することができ、結露水の拡散を防止することができる。
【0060】
(実施例4)
図6の(a)は、実施例4に係る建築用構造部材を外装材に適用した建築用外壁構造体を示す水平断面図、同図の(b)は、同図の(a)のb矢視図である。
【0061】
図6の(a)に示すように、複数の外装材6は、一方の側端部(例えば左側端部)において屋内側の高さ方向に亘って切欠かれた切欠部61aを有し、他方の側端部(右側端部)において屋外側の高さ方向に亘って切欠かれた切欠部61bを有する。このような複数の外装材6において、それらの左側端部の切欠部61aと右側端部の切欠部61bとを図示しないシール材を介して突き当てることにより各外装材6が屋内側、屋外側で面一となるように連結されている。このような隣接する外装材6の接合部(縦目地部)62は面取りされている。
【0062】
外装材6の縦目地部62付近の屋外側露出面上には、図6(b)に示すように、前記縦目地部62側から所望の幅(例えば、50〜200mm)にわたって複数の帯状をなす互いに同幅の親水性膜11と疎水性膜12とが鉛直方向に対して45度に斜交して交互にかつ隣接して並列的に被覆されている。前記親水性膜11および前記疎水性膜12の各境界線の斜交方向は、前記縦目地部62側から斜め下方に向かって配列されている。なお、外装材6間の図示しない他の接合部においても上述したのと同様に親水性膜と疎水性膜とが被覆され、これら親水性膜および疎水性膜の各境界線の斜交方向もまた図示しない縦目地部側から斜め下方に向かって配列されている。
【0063】
このような外装材6を連結した構造によれば、各外装材6の縦目地部62付近の屋外側露出面に雨水が吹き付けられると、前記各外装材6の縦目地部62付近の屋外側露出表面には複数の親水性膜11および疎水性膜12が、各境界線が縦目地部62を中心にして鉛直方向に対して下方に斜交して延びるように、交互にかつ隣接して並列的に被覆されているため、親水性膜11と疎水性膜12との境界に沿って縦目地部62側から離れるように雨滴を流下誘導させることができ、縦目地部62の防水負荷を軽減することができる。
【0064】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明による水の流下方向制御性を有する建築用構造部材は、機械加工等による断面の厚さ方向の長さが増すような成形を施す必要がなく、従来の斜め溝形水返しと同様な水の流下制御機能を部材の表面処理のみによって付与することができる。したがって、薄肉部材や狭い間隙に介装される部材に適用することができ、接合部の詳細設計の自由度を増すことができる。また、非常に簡易に製造できるので、製造コストを大幅に節減することができる。さらに、外観性を損なう凹条溝や凸条等の成形を施す必要がないので、外観性に優れた屋根材、外壁材等の建築物の見え掛かり面の部材として適用することができる。そして、このような水の流下方向制御性を有する建築用構造部材を適用した建築用外壁構造体によれば、屋外側から屋内側への水の浸入および拡散を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る建築用構造部材を示す図。
【図2】図1の建築用構造部材の作用を模式的に示す図。
【図3】本発明の実施例1に係る建築用構造部材を外壁パネルに適用した建築用外壁構造体を示す図。
【図4】本発明の実施例2に係る建築用構造部材を外壁材と取り合うサッシ縦枠材に適用した建築用外壁構造体を示す図。
【図5】本発明の実施例3に係る建築用構造部材を外装材と胴縁とを結合させるためのジョイナー部材に適用した建築用外壁構造体を示す図。
【図6】本発明の実施例4に係る建築用構造部材を外装材に適用した建築用外壁構造体を示す図。
【符号の説明】
1…建築用構造部材、
10…基材、
11…親水性膜、
12…疎水性膜、
2…水滴、
3…目地部材、
3a…基材、
30…外装パネル、
31…バックアップ部材、
32…屋外側1次シール材、
33…屋内側2次シール部材、
4…サッシ縦枠、
43…外装材、
44…バックアップ部材、
45…シーリング材、
5…ジョイナー部材、
5a…凸条、
5b…突条、
53…外装材、
54…縦目地シール材、
6…外装材。

Claims (2)

  1. 外壁パネル間に縦目地部材を介在させた建築用外壁構造体であって、前記外壁パネル同士の対向する面上に複数の親水性領域と疎水性領域とを交互に隣接して並列的に形成し、かつ前記親水性領域と前記疎水性領域との境界線を鉛直方向に対して斜交させるとともにその斜交方向が前記外壁パネルの屋内側から屋外側に下方に向かって延び出し、前記親水性領域と疎水性領域との境界に沿って流下する水を前記外壁パネルの屋外側に誘導し集約するようにしたことを特徴とする建築用外壁構造体。
  2. 外壁部材の側端面にサッシ縦枠体を取り付けた建築用外壁構造体であって、前記外壁部材側に位置する前記サッシ縦枠体の側面に複数の親水性領域と疎水性領域とを交互に隣接して並列的に形成し、かつ前記親水性領域と前記疎水性領域との境界線を鉛直方向に対して斜交させるとともにその斜交方向が前記外壁パネルの屋内側から屋外側に下方に向かって延び出し、前記親水性領域と疎水性領域との境界に沿って流下する水を前記外壁パネルの屋外側に誘導し集約するようにしたことを特徴とする建築用外壁構造体。
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