JP2001171556A - 自動車の前部車体構造 - Google Patents

自動車の前部車体構造

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JP2001171556A
JP2001171556A JP35530299A JP35530299A JP2001171556A JP 2001171556 A JP2001171556 A JP 2001171556A JP 35530299 A JP35530299 A JP 35530299A JP 35530299 A JP35530299 A JP 35530299A JP 2001171556 A JP2001171556 A JP 2001171556A
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JP
Japan
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front side
side member
dash
brace
fitting
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JP35530299A
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English (en)
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Takamitsu Tajima
孝光 田島
Hiroshi Tarui
大志 樽井
Koji Kosho
宏次 古庄
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジンコンパートメント構成要素相互間の
位置決め作業性を改善し、組立治具を不要にする。 【解決手段】 ダッシュクロス8とともにダッシュロア
部材3を構成するフロントサイドメンバレインフォース
7をアルミニウム合金鋳物製とし、これに嵌合フランジ
部20を設定する。嵌合フランジ部20にフロントサイ
ドメンバ2の一部であるアルミニウム合金押出材製のメ
ンバリヤ4を嵌合させ、かつ爪部と位置決め穴31とを
嵌合させる。メンバリヤ4には外周嵌合方式でフロント
サイドメンバブレース25を嵌め合わせた上、メンバリ
ヤ4およびダッシュクロス8に対して溶接接合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の前部車体
構造としてエンジンコンパートメントの構造に関し、特
にフードリッジやフロントサイドメンバ等の各々のエン
ジンコンパートメント構成要素がアルミニウム合金に代
表されるような軽金属の押出成形材もしくは型成形材に
て形成される場合のエンジンコンパートメントの組立構
造に関する。
【0002】なお、押出成形材とは、アルミニウム合金
等により例えば閉断面形状等のほぼ均一な断面形状のも
のとして押出成形した長尺な型材を指し、また型成形材
とは、三次元的に複雑な形状の構造体をアルミニウム合
金等を用いてダイカスト鋳造法、金型鋳造法もしくは低
圧鋳造法等により軽合金鋳物として形成したものをい
う。
【0003】
【従来の技術】周知のように、自動車のエンジンコンパ
ートメントは、そのエンジンコンパートメント構成要素
であるフードリッジ、フロントサイドメンバおよびダッ
シュ部材等を鋼板やアルミニウム合金板を用いてそれぞ
れ所定形状にプレス成形した上でスポット溶接したもの
が一般的である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
構造では、エンジンコンパートメントそれ自体が複数の
パネル構成要素の集合体をもって組み立てられることも
さることながら、フードリッジやフロントサイドメンバ
等の各エンジンコンパートメント構成要素それ自体も予
め複数のパネル材を溶接接合することにより形成される
ため、いずれの場合にも、各パネル部品単体での剛性が
きわめて乏しいが故に、溶接接合に先立ってその都度所
定の組立治具を用いてパネル部品同士の相対位置決めを
行った上で仮止めのためのクランプを行わなければなら
ず、多数の組立治具を必要とするほか、組立工数の増加
によりコストアップが余儀なくされる。
【0005】本発明は以上のような課題に着目してなさ
れたもので、各エンジンコンパートメント構成要素をア
ルミニウム合金等の押出成形材もしくは型成形材をもっ
て形成することを前提とした上で、とりわけ各エンジン
コンパートメント構成要素同士の相対位置決めおよび仮
止めまでも自律的に行えるようにして、組立工数を削減
しつつその組立作業を簡素化できるようにした構造を提
供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、左右のフロントサイドメンバとフードリッジのほか
前記フロントサイドメンバを含む左右のフードリッジ同
士を互いに連結するダッシュロア部材をそれぞれ組み合
わせて溶接接合することでエンジンコンパートメントと
した自動車の前部車体構造であって、前記各々のエンジ
ンコンパートメント構成要素を軽金属の押出成形材もし
くは型成形材をもって形成し、前記ダッシュロア部材の
下部に車体前後方向に延びる嵌合ブラケットを一体に形
成するとともに、この嵌合ブラケットに閉断面構造のフ
ロントサイドメンバを嵌合固定し、前記フロントサイド
メンバとダッシュロア部材との間に、その両者にまたが
るようにして軽金属の押出成形材もしくは型成形材をも
って形成されたフロントサイドメンバブレースを配置し
たことを特徴としている。
【0007】上記ダッシュロア部材は単一構造部材とし
て形成されていてもよいが、例えば請求項2に記載の発
明のように、アルミニウム合金等の軽金属の押出成形材
もしくは型成形材をもって形成された上部側のダッシュ
クロスメンバと下部側のフロントサイドメンバレインフ
ォースとにより形成されていてもよい。
【0008】同様に、上記フロントサイドメンバは所定
の閉断面構造をもって車体前後方向に延びる単一構造部
材として形成されていてもよく、また車体前後方向で二
分割されている構造部材をジョイント部材を介して相互
に接続するようにしたものでもよい。
【0009】したがって、この請求項1に記載の発明で
は、エンジンコンパートメント構成要素であるダッシュ
ロア部材とフロントサイドメンバとの関係についてみた
場合、閉断面構造のフロントサイドメンバをダッシュロ
ア部材側の嵌合ブラケットに嵌合させることにより、そ
れのみをもって両者の位置精度出しである相対位置決め
と仮止めとがなされることから、この状態のままでレー
ザ溶接等の溶接を施せばよく、従来のような組立治具や
部品相互の仮止めのためのクランプ手段もしくは締結手
段は必要としないことになる。
【0010】そして、エンジンコンパートメント構成要
素であるフロントサイドメンバとダッシュロア部材側の
嵌合ブラケットとを相互に嵌合させるだけでなく、その
両者にまたがるようにしてフロントサイドメンバブレー
スを配置するようにしていることから、このフロントサ
イドメンバブレースによる補強効果が発揮され、車体組
立時あるいは組立後の車体の精度や剛性確保に寄与する
だけでなく、例えば車両衝突時にフロントサイドメンバ
が受ける衝撃をフロア側に効率よく伝達できるようにな
る。
【0011】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明におけるダッシュロア部材は、それぞれに軽金属
の押出成形材もしくは型成形材をもって形成された上部
側のダッシュクロスメンバと下部側のフロントサイドメ
ンバレインフォースとにより構成されていて、このフロ
ントサイドメンバレインフォースと一体に嵌合ブラケッ
トが形成されているとともに、前記ダッシュクロスメン
バとフロントサイドメンバは両者の接合部において互い
に凹凸嵌合するようになっていることを特徴としてい
る。
【0012】したがって、この請求項2に記載の発明で
は、ダッシュクロスメンバとフロントサイドメンバとの
接合部においても互いに凹凸嵌合するようになっている
ため、これによって両者の位置精度出しである相対位置
決めと仮止めとがなされることから、この状態のままで
レーザ溶接等の溶接を施せばよく、従来のような組立治
具は必要としないことになる。
【0013】請求項3に記載の発明は、請求項1または
2に記載の発明における嵌合ブラケットとフロントサイ
ドメンバとの嵌合部には位置決め用の爪部が予め形成さ
れていて、両者を嵌合固定した時にはその爪部によって
三次元方向の相対位置決めがなされるようになっている
ことを特徴としている。
【0014】したがって、この請求項3に記載の発明で
は、先に述べたフロントサイドメンバと嵌合ブラケット
との嵌合構造のより具体的な構造として、爪部のよる三
次元方向での位置決め構造となっているため、その嵌合
のみをもって両者の三次元方向での位置精度出しである
相対位置決めと仮止めとがなされることになる。そし
て、この爪部による嵌合部を溶接代として有効利用して
溶接接合してしまえばよいことから溶接長さをより長く
確保でき、結合強度が向上するだけでなく、必ずしもそ
れ以外の部位に溶接代を設定する必要がなくなる。
【0015】請求項4に記載の発明は、請求項2に記載
の発明におけるフロントサイドメンバブレースはフロン
トサイドメンバを抱持する形状となっているとともに上
下にフランジ部が形成されていて、このフランジ部が前
記フードリッジもしくは嵌合ブラケットに溶接されてい
ることを特徴としている。
【0016】したがって、この請求項4に記載の発明で
は、フロントサイドメンバブレースがフロントサイドメ
ンバを抱持することにより実質的に二重閉断面構造とな
ることから、フロントサイドメンバが受ける荷重をその
周辺部材に効率よく伝達できるようになり、とりわけフ
ロントサイドメンバの上下方向の撓みを防止しつつ、車
両衝突時にフロントサイドメンバが上下方向に変位する
のを防ぐことができるようになる。
【0017】請求項5に記載の発明は、請求項4に記載
の発明におけるフロントサイドメンバとこのフロントサ
イドメンバを抱持しているフロントサイドメンバブレー
スの一部とが断面略凹状のものとして形成されていると
ともに、その凹状断面をもって互いに嵌合していること
により、フロントサイドメンバの長手方向に沿ってハー
ネス類収容空間が形成されていることを特徴としてい
る。
【0018】したがって、この請求項5に記載の発明で
は、上記のフロントサイドメンバブレースがフロントサ
イドメンバを抱持しつつも実質的に凹凸嵌合しているこ
とから、上記抱持構造による強度向上効果が一段と顕著
となるだけでなく、その凹状断面をもって形成される空
間を有効利用してその空間にエンジンコンパートメント
内に配索されることになるワイヤハーネスを内蔵させ
る。これにより、例えばフードリッジ上部にワイヤハー
ネスを配索する場合と比べて、ワイヤハーネスの引き回
しが容易となるほか、エンジンルーム内のレイアウトス
ペースを他の部品等のレイアウトスペースとして効率的
に利用できるようになる。
【0019】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、エンジ
ンコンパートメント構成要素のうち少なくともダッシュ
ロア部材側の嵌合ブラケットとフロントサイドメンバと
の関係について、両者を嵌合固定構造とするとともにそ
の両者の間にフロントサイドメンバブレースを介在させ
た構造としたため、上記嵌合構造をもって両者の相対位
置決めと仮止めとがなされることからそのままの形態で
溶接接合することができるようになって、従来は必須と
された組立治具および仮止めのためのクランプ手段等を
廃止できる。その結果、位置決め作業性の向上と組立工
数の削減により組立作業を簡素化できるほか、上記フロ
ントサイドメンバブレースが介在していることにより嵌
合ブラケットとフロントサイドメンバとの結合部が補強
されるので、車両衝突時にフロントサイドメンバに加わ
る衝撃荷重をフロアパネル側に効率よく伝達もしくは分
散させることができ、その衝撃吸収性能ひいては安全性
が向上する効果がある。
【0020】また、請求項2に記載の発明によれば、ダ
ッシュロア部材がダッシュクロスメンバとフロントサイ
ドメンバレインフォースとで形成されているとともに、
ダッシュクロスメンバとフロントサイドメンバとが両者
の接合部で互いに凹凸嵌合するようになっているため、
請求項1に記載の発明と同様の効果のほかに、このダッ
シュクロスメンバとフロントサイドメンバとの関係にお
いても、位置決め作業性の向上と組立工数の削減により
組立作業を簡素化できる効果がある。
【0021】請求項3に記載の発明によれば、上記嵌合
ブラケットとフロントサイドメンバの両者が、爪部によ
る位置決め嵌合構造によって三次元方向での相対位置決
めがなされるようになっていることから、溶接接合に先
立つ両者の相対位置決めおよび仮止めがより正確かつ確
実になされるとともに、その爪部による嵌合部をそのま
ま溶接代として有効利用して溶接することにより溶接長
さを一段と大きく確保できるので、請求項1または2に
記載の発明と同様の効果に加えて、両者の結合部での結
合強度もしくは結合剛性が一層向上する効果がある。
【0022】請求項4に記載の発明によれば、フロント
サイドメンバブレースがフロントサイドメンバを抱持し
ていることにより実質的に二重閉断面構造となっている
とともに、そのフロントサイドメンバブレースに設定さ
れたフランジ部がフードリッジもしくは嵌合ブラケット
に溶接接合されるようになっていることから、フロント
サイドメンバブレースとフロントサイドメンバとの結合
部がより強固に補強され、フロントサイドメンバに加わ
る荷重を周辺部材に効率よく伝達できることはもちろん
のこと、特に車両衝突時にフロントサイドメンバに衝撃
荷重が作用しても、フロントサイドメンバの上下方向で
の撓み変形や変位を確実に防止でき、衝撃吸収性能ひい
ては安全性が一段と向上する効果がある。
【0023】請求項5に記載の発明によれば、フロント
サイドメンバおよびフロントサイドメンバブレースがと
もに凹状断面形状のものとして形成されていて、両者が
その凹状断面形状をもって相互に嵌合しているととも
に、エンジンルーム内に配索されるべきワイヤハーネス
をその凹状空間に内蔵させるようにしているため、フロ
ントサイドメンバとフロントサイドメンバブレースとの
結合強度および結合剛性が一段と向上するほか、上記凹
状空間を実質的にワイヤハーネスの収容空間として有効
利用しているため、例えばワイヤハーネスがフードリッ
ジ上にむき出しになっている場合と比べて車両衝突時等
にそのワイヤハーネスを保護することができるほか、エ
ンジンルーム内に配置されるべき他の部品のレイアウト
的な制約を緩和できる効果がある。
【0024】
【発明の実施の形態】図面は本発明に係る前部車体構造
たるエンジンコンパートメントの好ましい実施の形態を
示す図であって、特に図1はエンジンコンパートメント
構成要素の相互の関係を示す分解斜視図を、図2は正面
図を、図3は側面図をそれぞれ示しており、また図4以
下の図面はエンジンコンパートメント構成要素同士の各
結合部での詳細構造を示している。
【0025】図1〜3に示すように、エンジンコンパー
トメントは大別して、左右のフードリッジ1,1とフロ
ントサイドメンバ2,2、およびこれらのフロントサイ
ドメンバ2,2を含む左右のフードリッジ1,1同士の
間に架橋的に配置されてそれら両者を互いに連結してい
るダッシュロア部材3とから構成されていて、これらの
各エンジンコンパートメント構成要素1,2,3は後述
すようにアルミニウム合金等の押出成形材あるいはダイ
カスト鋳造法等によるアルミニウム合金鋳物をもって形
成されている。そして、フードリッジ1はその全体が予
め一体のものとして形成されているのに対して、フロン
トサイドメンバ2は、メンバリヤ4とメンバフロント5
およびメンバジョイント6とから構成されている一方、
ダッシュロア部材3は下側のフロントサイドメンバレイ
ンフォース7と上側のダッシュクロス8とから構成され
ている。
【0026】より詳しくは、上記フードリッジ1は、ス
トラットハウジング部(ストラットタワー)9やホイー
ルハウス部10およびダッシュサイド11のほか補強用
のリブ12等を含んでいて、これらは所定の三次元形状
となるように例えばアルミニウム合金鋳物をもって予め
一体に形成されているとともに、その下縁部側には後述
するフロントサイドメンバ2との溶接接合のために図4
に示すようなフランジ部13が突設されている。
【0027】一方、上記フロントサイドメンバ2は、そ
の長手方向においてメンバリヤ4とメンバフロント5お
よびそれら両者の間に介装されることになるメンバジョ
イント6との三要素に予め分割されていて、リヤメンバ
4は例えばアルミニウム合金の異形角柱状の押出成形材
にて断面略凹形状に形成されているとともに、メンバフ
ロント5は同じくアルミニウム合金のパイプ状の押出成
形材にて形成されていて、さらにメンバジョイント6は
例えばアルミニウム合金鋳物をもって異形パイプ状に形
成されている。
【0028】そして、上記メンバリヤ4とメンバフロン
ト5とをメンバジョイント6を介して相互に嵌合させる
べく接続した上で、その接合部にレーザ溶接等を施すこ
とにより所定長さのフロントサイドメンバ2が形成され
ようになっており、上記メンバリヤ4の一側壁の外周面
には図4に示すように後述する相手側部材たる嵌合ブラ
ケット20と嵌合することになる爪部14が形成されて
いるとともに、メンバリヤ4の下面部には図4に示すよ
うに後述する嵌合ブラケット20側の凸状部22と嵌合
することになる凹状溝15が長手方向に沿って形成され
ている。さらに、上記メンバリヤ4の後端上面部には図
5に示すように相手側部材たるダッシュクロス8との結
合部となる凹状溝16が形成されている。
【0029】ここで、フロントサイドメンバ2を形成す
ることになるメンバリヤ4はその断面形状が凹状断面形
状となっていることから、このメンバリヤ4の凹状部を
受容するためにメンバジョイント6側にも受容凹部17
が形成されている。
【0030】前記ダッシュロア部材3を構成することに
なるフロントサイドメンバレインフォース7およびダッ
シュクロス8はいずれもアルミニウム合金鋳物をもって
車幅方向に延在する形状に形成されていて、両者の相対
位置決めのためにフロントサイドメンバレインフォース
7側には突起部18が、ダッシュクロス8側にはその突
起部18に対応する位置決め穴19がそれぞれに形成さ
れている。そして、これらの突起部18と位置決め穴1
9とを嵌合させてフロントサイドメンバレインフォース
7とダッシュクロス8との相対位置決めを行いつつレー
ザ溶接を施すことにより、両者が一体化されてダッシュ
ロア部材3が形成される。
【0031】上記フロントサイドメンバレインフォース
7の左右両端部には上向きのコ字状断面形状をなす嵌合
ブラケット20が前方側に張り出すアームの如き形態で
一体に突出形成されていて、図4に示すようにこの嵌合
ブラケット20にて前記フロントサイドメンバ2のメン
バリヤ4を受容するかの如く嵌合保持することで両者が
結合されるようになっている。また、上記嵌合ブラケッ
ト20のうちその一側壁部には図4に示したようにフロ
ントサイドメンバ2側の爪部14と嵌合することになる
長穴状の複数の位置決め穴21が形成されているととも
に、底壁部側にはその長手方向に沿って凸状部22が形
成されていて、上記爪部14と位置決め穴21との相互
嵌合および嵌合ブラケット20側の凸状部22とフロン
トサイドメンバ2におけるメンバリヤ4側の凹状部15
との相互嵌合により、フロントサイドメンバ2とフロン
トサイドメンバレインフォース7たる嵌合ブラケット2
0との三次元方向での相対位置決めがなされるようにな
っている。
【0032】一方、上記フロントサイドメンバレインフ
ォース7とともにダッシュロア部材3を形成しているダ
ッシュクロス8の上端には比較的厚肉のフランジ部23
が車幅方向に沿って形成されていて、図5に示すように
このフランジ部23のうち上記フロントサイドメンバ2
側のメンバリヤ4に形成された凹状溝16に対応する部
分には断面略ウエッジ状の突状24が形成されている。
したがって、フロントサイドメンバレインフォース7側
の嵌合ブラケット20とフロントサイドメンバ2側のメ
ンバリヤ4とを相互に嵌合させたときには、同時にダッ
シュクロス8側の突状24とメンバリヤ4側の凹状溝1
6とが相互に嵌合してダッシュクロス8とメンバリヤ4
との相対位置決めがなされるようになっている。
【0033】ここで、図1に示すように上記フロントサ
イドメンバ2とフロントサイドメンバレインフォース7
との結合部には単にメンバリヤ4と嵌合ブラケット20
が関与しているだけでなく、略内アングル状のコーナー
補強材としてフロントサイドメンバブレース25が介在
している。すなわち、フロントサイドメンバブレース2
5は、上記フロントサイドメンバ2のメンバリヤ4の外
周を抱持するべく断面略凹凸状に形成された一般部25
aと、その一般部25aから後部に至るにしたがって漸
次幅広形状となる拡張フランジ部25bとを有してい
て、一般部25aは図4に示すように先に述べたように
メンバリヤ4の外周をフランジ部13とともに抱持する
べくそのメンバリヤ4の外周に凹凸嵌合するようになっ
ているとともに、拡張フランジ部25bは図6に示すよ
うにダッシュクロス8の前面側に当てがわれて溶接され
るようになっている。
【0034】したがって、本実施の形態によれば、図1
〜3のほか図4,5に示すように、左右のフロントサイ
ドメンバ2の構成要素であるメンバリヤ4、メンバジョ
イント6およびメンバフロント5相互の相対位置決めを
行いつつ、これらの左右のフロントサイドメンバ構成要
素4,5,6のほか、左右のフードリッジ1やフロント
サイドメンバブレース25、およびダッシュロア部材3
の構成要素であるフロントサイドメンバレインフォース
7とダッシュクロス8との部品相互の相対位置決めを行
った上で、それぞれの結合部位にレーザ溶接を施すこと
で自動車の前部車体構造たるエンジンコンパートメント
が組み立てられる。
【0035】すなわち、図1に示すように、ダッシュロ
ア部材3の構成要素であるフロントサイドメンバレイン
フォース7とダッシュクロス8とをその突起部18と位
置決め穴19との相互嵌合により相対位置決めを行うと
ともに、フロントサイドメンバ構成要素であるメンバリ
ヤ4をフロントサイドメンバレインフォース7の嵌合ブ
ラケット20に対してその上面側から嵌合させ、さらに
図4に示すようにフードリッジ1の下縁のフランジ部1
3を上記メンバリヤ4の上面に合致させて相対位置決め
を行い、その状態を保持したままで必要に応じてレーザ
溶接等による仮止めを施す。このとき、図4に示すよう
に嵌合ブラケット20側の凸状部22と位置決め穴21
が相手側部材であるメンバリヤ4の爪部14と凹状溝1
5にそれぞれ嵌合することで両者の三次元方向での相対
位置決めがなされ、同時に図5に示すようにダッシュク
ロス8側の突状24がメンバリヤ4側の凹状溝16に嵌
合することでダッシュクロス8とメンバリヤ4との間の
相対位置決めもなされることになる。
【0036】そして、図4に示すようにフードリッジ1
側のフランジ部13とフロントサイドメンバブレース2
5とで、先に相対位置決めがなされているフロントサイ
ドメンバレインフォース7側の嵌合ブラケット20とフ
ロントサイドメンバ2側のメンバリヤ4とを抱持するか
の如く、そのフロントサイドメンバブレース25をメン
バリヤ4に対して嵌合させるとともに、そのフロントサ
イドメンバブレース25の拡張フランジ部25bの後端
をダッシュクロス8の前端面に当接させて相対位置決め
を行い、必要に応じてレーザ溶接等による仮止めを施
す。
【0037】以上によりエンジンコンパートメントの主
要な構成要素相互の相対位置決めがなされたことにな
り、それらの構成要素相互の接合部位に図2,3に示す
ようにレーザ溶接を施して一体化する。なお、符号Bは
上記溶接接合によって形成された溶接部たる溶接ビード
を示している。このとき、図4,5に示すように、特に
フロントサイドメンバレインフォース7側の嵌合ブラケ
ット20とフロントサイドメンバ2側のメンバリヤ4と
の相互関係についてみた場合、嵌合ブラケット20の上
縁の溶接部B1のみならず爪部14と位置決め穴21と
の嵌合部位にも溶接部B2をもってレーザ溶接を施すこ
とにより必要十分な溶接長さが確保できる。
【0038】また、図4から明らかなように、フードリ
ッジ1の下縁のフランジ部13は溶接部B3をもってフ
ロントサイドメンバ2のメンバリヤ4と溶接接合される
とともに、フロントサイドメンバブレース25に予め設
定されている上側のフランジ部25cは溶接部B4をも
ってフードリッジ1に、下側のフランジ部25dは溶接
部B5をもって嵌合ブラケット20にそれぞれ溶接接合
される。
【0039】さらに、図6から明らかなように、フロン
トサイドメンバ2のメンバリヤ4に嵌合されたフロント
サイドメンバブレース25は溶接部B6をもってフロン
トサイドメンバレインフォース7に溶接接合されるとと
もに、溶接部B7,B8をもってダッシュクロス8に溶
接部接合されることになる。
【0040】こうしてエンジンコンパートメントの主要
な構成要素の溶接が終了したならば、図1に示すように
フロントサイドメンバ2のメンバリヤ4に対しメンバジ
ョイント6を介してメンバフロント5を嵌合させて、メ
ンバリヤ4とメンバジョイント6との接合部およびメン
バジョイント6とメンバフロント5との接合部にそれぞ
れレーザ溶接を施すことによりエンジンコンパートメン
トの組み立てが完了する。
【0041】ここで、上記フロントサイドメンバ2のメ
ンバリヤ4およびフロントサイドメンバブレース25の
側面に凹状空間が存在していることから、必要に応じて
この凹状空間をハーネス類収容空間31として有効利用
して、エンジンルーム内に配索されるべきワイヤハーネ
スを内蔵させることもできる。
【0042】すなわち、図1のほか図4および図7,8
に示すように、フロントサイドメンバブレース25のう
ちその拡張フランジ部25bをリブ構造とするとともに
ダッシュクロス8の上部も一部中空形状としておき、フ
ロントサイドメンバブレース25とダッシュクロス8と
を溶接接合する前に、ハーネス類収容空間31にワイヤ
ハーネス27,28を内蔵するべく、それらのフロント
サイドメンバブレース25とダッシュクロス8とにグロ
メット26を介してそれぞれワイヤハーネス27,28
を貫通させるように保持させるとともに両者をコネクタ
29,30にて接続し、さらにワイヤハーネス27,2
8がフロントサイドメンバブレース25やダッシュクロ
ス8に沿うように図示外のクリップにて仮保持し、その
後に上記溶接に供する。
【0043】こうすることにより、事後的なワイヤハー
ネス27,28の貫通作業が不要となるとともに、フロ
ントサイドメンバブレース25やダッシュクロス8が強
度部材として機能するが故に、万が一車両が衝突した場
合にもそのワイヤハーネス27,28を保護できるほ
か、例えばワイヤハーネス27,28をむき出しのまま
エンジンルーム内に配索した場合と比べてエンジンルー
ム内のレイアウトスペースを有効利用できるようにな
る。
【0044】以上のように本実施の形態によれば、エン
ジンコンパートメント構成要素であるフロントサイドメ
ンバ2やダッシュクロス8、フロントサイドメンバレイ
ンフォース7およびフロントサイドメンバブレース25
の部品相互の相対位置決めとして嵌合構造を基本として
いて、その位置決め状態を自律的に保持することができ
るため、その溶接組立に際して従来のような複雑な組立
治具や仮止めのためのクランプ手段等が不要となり、位
置決め作業性が向上するとともに組立工数を大幅に削減
できるようになる。
【0045】特に、フロントサイドメンバ2とダッシュ
ロア部材3たるフロントサイドメンバレインフォース7
との間には、メンバリヤ4と嵌合フランジ部20との嵌
合構造に加えて補強部材としてフロントサイドメンバブ
レース25が介在しているため、両者間の結合剛性およ
び強度が飛躍的に向上し、フロントサイドメンバ2が受
ける荷重をフロア側に効率よく伝達もしくは分散させる
ことができるほか、フロントサイドメンバ2のメンバリ
ヤ4およびフロントサイドメンバブレース25が凹状断
面構造となっているために、フロントサイドメンバ自体
の剛性も高いものとなり、例えばフロントサイドメンバ
2が衝撃力を受けた場合でもそのフロントサイドメンバ
2が上下方向に変位するのを防止することができる。
【0046】ここで、図4の変形例として、同図に示し
たフロントサイドメンバブレース25の下側のフランジ
部25dを短くして図9の形態としてもよく、さらに、
同じく図4に示した爪部の形状に代えて図11,12に
示した形状の爪部31もしくは32を採用することもで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る前部車体構造の好ましい実施の形
態を示すエンジンコンパートメントの分解斜視図。
【図2】図1に示すエンジンコンパートメントの正面説
明図。
【図3】図2の右側面説明図。
【図4】図1のA−A線に沿う断面説明図。
【図5】図4の左側面説明図。
【図6】図4の右側面説明図。
【図7】図6の要部拡大説明図。
【図8】図7の水平断面説明図。
【図9】図4の変形例を示す断面説明図。
【図10】図4の爪部の変形例を示す断面説明図。
【図11】図4の爪部の他の変形例を示す断面説明図。
【符号の説明】
1…フードリッジ(エンジンコンパートメント構成要
素) 2…フロントサイドメンバ(エンジンコンパートメント
構成要素) 3…ダッシュロア部材(エンジンコンパートメント構成
要素) 4…メンバリヤ 5…メンバフロント 7…フロントサイドメンバレインフォース 8…ダッシュクロス 14…爪部 15…凹状溝 16…凹状溝 18…突起部 19…位置決め穴 20…嵌合フランジ部 21…位置決め穴 22…凸状部 24…凸状 25…フロントサイドメンバブレース 25c,25d…フランジ部 27,28…ワイヤハーネス 31…ハーネス類収容空間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古庄 宏次 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 3D003 AA01 AA04 AA05 AA11 AA12 BB01 CA03 CA05 CA09 DA13

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左右のフロントサイドメンバとフードリ
    ッジのほか前記フロントサイドメンバを含む左右のフー
    ドリッジ同士を互いに連結するダッシュロア部材をそれ
    ぞれ組み合わせて溶接接合することでエンジンコンパー
    トメントとした自動車の前部車体構造であって、 前記各々のエンジンコンパートメント構成要素を軽金属
    の押出成形材もしくは型成形材をもって形成し、 前記ダッシュロア部材の下部に車体前後方向に延びる嵌
    合ブラケットを一体に形成するとともに、この嵌合ブラ
    ケットに閉断面構造のフロントサイドメンバを嵌合固定
    し、 前記フロントサイドメンバとダッシュロア部材との間
    に、その両者にまたがるようにして軽金属の押出成形材
    もしくは型成形材をもって形成されたフロントサイドメ
    ンバブレースを配置したことを特徴とする自動車の前部
    車体構造。
  2. 【請求項2】 前記ダッシュロア部材は、それぞれに軽
    金属の押出成形材もしくは型成形材をもって形成された
    上部側のダッシュクロスメンバと下部側のフロントサイ
    ドメンバレインフォースとにより構成されていて、 このフロントサイドメンバレインフォースと一体に嵌合
    ブラケットが形成されているとともに、 前記ダッシュクロスメンバとフロントサイドメンバは両
    者の接合部において互いに凹凸嵌合するようになってい
    ることを特徴とする請求項1に記載の自動車の前部車体
    構造。
  3. 【請求項3】 前記嵌合ブラケットとフロントサイドメ
    ンバとの嵌合部には位置決め用の爪部が予め形成されて
    いて、両者を嵌合固定した時にはその爪部によって三次
    元方向の相対位置決めがなされるようになっていること
    を特徴とする請求項1または2に記載の自動車の車体前
    部構造。
  4. 【請求項4】 前記フロントサイドメンバブレースはフ
    ロントサイドメンバを抱持する形状となっているととも
    に上下にフランジ部が形成されていて、このフランジ部
    が前記フードリッジもしくは嵌合ブラケットに溶接され
    ていることを特徴とする請求項2に記載の自動車の前部
    車体構造。
  5. 【請求項5】 前記フロントサイドメンバとこのフロン
    トサイドメンバを抱持しているフロントサイドメンバブ
    レースの一部とが断面略凹状のものとして形成されてい
    るとともに、その凹状断面をもって互いに嵌合している
    ことにより、フロントサイドメンバの長手方向に沿って
    ハーネス類収容空間が形成されていることを特徴とする
    請求項4に記載の自動車の前部車体構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017013747A (ja) * 2015-07-06 2017-01-19 トヨタ自動車株式会社 車両用フレームの接合構造
JP2019166884A (ja) * 2018-03-22 2019-10-03 ダイハツ工業株式会社 バッテリ行ハーネス配策構造

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