JP2001170558A - 耐食性とプレス成形性に優れた抵抗溶接可能な有機複合塗装金属板 - Google Patents
耐食性とプレス成形性に優れた抵抗溶接可能な有機複合塗装金属板Info
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Abstract
な有機複合塗装金属板の提供。 【解決手段】 表面に、塗料全固形分に対する質量%
で、クロム系防錆顔料:5〜40%、亜鉛−アルミニウ
ム−マグネシウム系導電性材料:1〜40%、有機樹
脂:20〜94%を含有する塗膜を、1〜20μmの厚
みで有することを特徴とする耐食性とプレス成形性に優
れた抵抗溶接可能な有機複合塗装金属板。亜鉛−アルミ
ニウム−マグネシウム系導電性材料は、質量%で、M
g:1〜10%、Al:2〜19%を含有し、残部がZ
n及び不可避的不純物よりなり、平均粒子径が1〜30
μmの亜鉛−アルミニウム−マグネシウム系合金粉末で
あることが好ましい。
Description
ス成形性を有し、抵抗溶接が可能な有機複合塗装金属板
に関するものである。
またはめっき鋼板を溶接により接合した後、複数の工程
による塗装を施してきた。自動車用部材の例で言えば、
塗装工程は、化成処理、電着塗装、1回以上の中塗り及
び上塗りの各工程よりなる。塗装に先立って鋼板を接合
する理由は、塗装後では鋼板表面の導電性が失われ、抵
抗溶接方式による部材の接合・組立が不可能となるから
である。
鋼板接合製品の組立後に塗装する場合、製造現場では、
組立後の部材全体を処理できるサイズの塗装・処理装置
を各工程毎に備えねばならず、製造コストに対する大き
い負担となってきた。また、多数の工程で排出される揮
発溶剤、廃液を各工程毎に処理することもコストに対す
る大きい負担となってきた。本発明は、上記問題点を抜
本的に解決できる塗装済みかつ抵抗溶接可能であって、
しかも耐食性とプレス成形性に優れた有機複合塗装金属
板の提供をその課題としている。
に有機樹脂塗膜を形成し、その塗膜中に防錆顔料および
導電性顔料粒子を配合することで、溶接性および耐食性
を向上させるものである。特に、低コストで耐食性、プ
レス成形性に優れる溶接可能な有機複合塗装金属板の開
発について鋭意研究を重ねた結果、金属板の上に防錆顔
料、亜鉛−アルミニウム−マグネシウム系導電性材料を
含有した塗装を行うことによって優れた耐食性、プレス
成形性および溶接性を得られることを見いだして本発明
至ったもので、その要旨とするところは、 (1)表面に、塗料全固形分に対する質量%で、クロム
系防錆顔料:5〜40%、亜鉛−アルミニウム−マグネ
シウム系導電性材料:1〜40%、有機樹脂:20〜9
4%を含有する塗膜を、1〜20μmの厚みで有するこ
とを特徴とする耐食性とプレス成形性に優れた抵抗溶接
可能な有機複合塗装金属板。
ウム系導電性材料が、質量%で、Mg:1〜10%、A
l:2〜19%を含有し、残部がZn及び不可避的不純
物よりなり、平均粒子径が1〜30μmの亜鉛−アルミ
ニウム−マグネシウム系合金粉末であることを特徴とす
る前記(1)に記載の耐食性とプレス成形性に優れた抵
抗溶接可能な有機複合塗装金属板。
ウム系合金粉末の50質量%以上が、Al/Zn/Zn
2 Mgの三元共晶組織を主体とするのものであることを
特徴とする前記(2)に記載の耐食性とプレス成形性に
優れた抵抗溶接可能な有機複合塗装金属板。 (4)基材金属板が亜鉛系めっき鋼板であって、塗膜の
下層として、クロム化合物を含有する防錆処理層を、さ
らに有することを特徴とする前記(1)〜(3)のいず
れかに記載の耐食性とプレス成形性に優れた抵抗溶接可
能な有機複合塗装金属板である。
本発明は、金属板の上に防錆顔料、亜鉛−アルミニウム
−マグネシウム系導電性材料を含有した塗装を行う。塗
装を行う金属板は、一般に公知の金属板を用いることが
でき、合金や他の金属をめっきした金属でも良い。金属
板の中でも、めっき鋼板において特に効果を発揮する。
また、めっき層として亜鉛系めっきを鋼板表面に形成し
た場合、亜鉛による鋼板の犠牲防食作用によりさらに大
きな効果が得られる。ここで亜鉛系めっきとは、単純に
亜鉛のみをめっきする純亜鉛めっき及び亜鉛めっき中に
Fe,Ni,Co,Cr,Al,Mn,Mg,Siなど
公知の1種または2種以上の合金元素をそれぞれ1〜2
0質量%含有する亜鉛系合金めっきを指すものである。
めっき層の形成の方法は、特に限定しないが、一般的に
は電気めっき法、溶融めっき法などによって形成され
る。
の犠牲防食作用による鋼板の腐食の抑制である。最終製
品として塗装後に使用される場合,チッピングなどで塗
膜に欠陥が生じたとしても、亜鉛系めっきの付着量が多
いほどこの欠陥を基点とした腐食を抑制できる。特に、
亜鉛系合金めっきは、純亜鉛めっきと比較して、めっき
金属の融点が高いので、抵抗溶接の際に溶接チップとの
間で合金化を起こしにくく、チップの損耗を抑制して溶
接作業性を向上させる。また、めっき層の耐食性が高
く、鋼板の腐食による赤錆の発生を犠牲防食効果により
防止しながら、めっき層の錆である白錆も発生しにくい
という利点がある。
は、塗膜の下層にクロム化合物含有防錆処理層を設け
る。クロム化合物含有防錆処理層は、クロム含有成分が
金属の表面を不働態化することで、特に、鋼板の切断端
面の耐食性を向上させる効果が高い。この層は、電解ク
ロメート処理、ロールコート、スプレー塗布など公知の
方法のうち任意の手段で形成して良い。有機塗膜は、塗
膜中の防錆顔料の作用により鋼板の耐食性を増加させつ
つ、抵抗溶接を実現するために必要な導電性を有する。
塗膜要件の詳細は後述するがその膜厚は、片面あたり1
〜20μmとする。膜厚1μm未満では耐食性に劣り、
膜厚20μmを超えると、有機塗膜層の電気抵抗が増加
して溶接性が低下する。鋼板の溶接性を重視する場合
は、塗膜の膜厚は1〜5μm、耐食性を重視する場合
は、塗膜の膜厚は5〜20μmとすることが望ましい。
〜40%のクロム系防錆顔料を含有させる。特に、クロ
ム酸ストロンチウム,クロム酸カルシウム,クロム酸亜
鉛,クロム酸バリウム,クロム酸アンモニウム,重クロ
ム酸アンモニウム等は、いずれもクロム酸塩なので、ク
ロム含有成分が金属の表面を不働態化することで、金属
板の切断端面の耐食性を向上させる。クロム系防錆顔料
塗膜の含有量が、全固形分に対する質量%で、5%未満
では防錆効果が不十分で、40%を超えると、塗膜凝集
力が低下し鋼板表面との密着性が悪化し、また、通電経
路を阻害し、溶接性を低下させる。溶接性を重視する場
合は、クロム系防錆顔料の含有量は5〜20%、耐食性
を重視する場合は、10〜40%が望ましい。
電性材料をさらに含有する。導電性材料は、スポット溶
接の際に塗膜中で相互に接触することで、溶接電流の経
路となる。詳しくは、スポット溶接の際に鋼板が溶接電
極により加圧される時に導電性材料が塗膜を一部破壊し
て相互に接触することによって溶接電極から金属板表面
に至る通電経路が確保されることになる。亜鉛−アルミ
ニウム−マグネシウム系導電性材料は、亜鉛に比べ硬い
ため上記の塗膜破壊の効果が大きい。また、この亜鉛−
アルミニウム−マグネシウム系導電性材料は、めっきと
同様に犠牲防食作用を持つため防錆顔料としての効果も
期待できる。
性材料の塗膜中の含有量は1〜40質量%とする。これ
は亜鉛−アルミニウム−マグネシウム系導電性材料の塗
膜中の含有量が1質量%未満では溶接性向上効果が不十
分で、40質量%を超えると塗膜凝集力が低下するため
に鋼板表面との密着性が低下するためである。ここで、
亜鉛−アルミニウム−マグネシウム系導電性材料は、M
g:1〜10質量%、Al:2〜19質量%を含有し、
残部がZn及び不可避的不純物よりなる亜鉛−アルミニ
ウム−マグネシウム系合金粉末であることが好ましい。
亜鉛−アルミニウム−マグネシウム系合金は、合金組成
によりAl/Zn/Zn2 Mgの三元共晶組織を主体と
した組織、または、Al/Zn/Zn2 Mgの三元共晶
組織、Zn2 Mg相、Zn11Mg2 相、Al相及びZn
相が混在した金属組織となり、これを粉砕して得られる
粉末は、こうした金属組織の混合物となる。
Mg:3%,Al:4%,Zn:93%の組成において
Al/Zn/Zn2 Mgの三元共晶点が存在し、この三
元共晶点近傍の組成においてAl/Zn/Zn2 Mgの
三元共晶組織が得られる。このAl/Zn/Zn2 Mg
の三元共晶組織は硬くて犠牲防食作用も高いため、本特
許における導電性材料として最も効果が高い。このAl
/Zn/Zn2 Mgの三元共晶組織を主体とする粒子が
50質量%以上得られる合金組成の範囲が、Mg:1〜
10質量%、Al:2〜19質量%を含有し、残部がZ
n及び不可避不純物であるため、この範囲の合金粉末を
使用することが好ましい。好ましくは、成分調整だけで
なく、粉砕前のインゴットにおいて、Al/Zn/Zn
2 Mgの三元共晶組織が50体積%以上得られているこ
とを、組織観察によって確認のうえで粉砕に供する。
粉末の、平均粒径は1〜30μmが望ましい。平均粒子
径を1〜30μmに限定した理由は、1μm未満では塗
膜中で相互に接触し難くなり、溶接電流の経路として不
十分であるためであり、30μmを超えると粒子による
凹凸により塗装鮮映性が低下するためである。鋼板が、
特に厳しい成形加工を施される場合、塗膜中の有機潤滑
剤として、ポリオレフィン系化合物、および、カルボン
酸エステル化合物のうち、少なくとも1種類を塗膜中に
含有することで、塗膜の摩擦抵抗値を低下させ成形時の
型かじりを軽減することが可能である。ただし、配合量
が多いと、塗膜凝集力が低下して塗膜と鋼板表面との密
着性が低下するため、密着性を重視する場合は,配合量
10質量%以下が望ましい。
良く、例えば、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、オイルフ
リーポリエステル樹脂、アクリル樹脂、アクリルエチレ
ン樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹
脂、ポリカーボネート樹脂などの1種類または2種類以
上の混合物が使用できる。必要に応じて防錆顔料、硬化
剤、着色顔料、あるいはプレス加工性を一段と向上させ
る潤滑剤等の各種添加剤を加えても良い。被覆方法は、
ロールコート、スプレーコート、カーテンフローコート
などの公知のいずれの方法であっても良い。
する。 (実施例1)表1に使用した亜鉛−アルミニウム−マグ
ネシウム系導電性材料を示す。表2におけるバインダー
樹脂としてエポキシ樹脂を用いた。鋼板に施すめっき
は、電気亜鉛めっき、または、Zn−Ni,Zn−F
e,Zn−Cr,溶融亜鉛めっき、合金化溶融亜鉛めっ
きなどの亜鉛系めっき及び亜鉛系合金めっきである。ク
ロム化合物含有防錆処理層および塗膜層は、バーコート
により形成した。また、下記試験のうち耐食性試験は、
シャー切断した有機複合塗装金属板に、自動車補修用ウ
レタン塗料をスプレー塗装し、乾燥膜厚50μmとした
ものを用いた。その他の試験は表3に示す構成の有機複
合塗装めっき鋼板をそのまま用いた。
板厚0.7mmの試験片切断端面における白錆および赤
錆の発生面積率を調査した。 塩水噴霧:2時間 乾燥:60℃、4時間 湿潤:50℃、湿度95%以上、2時間 試験サンプルの構成と試験結果は表3の通りである。表
3より、本発明の実施例が高い端面耐食性を有すること
がわかる。塗膜中の防錆顔料含有量の少ない例2は端面
錆面積率が50%以上となり耐食性が低かった。例25
は塗膜の厚みが薄すぎたために端面耐食性が低い。
験方法として、まず、適正溶接電流範囲を求めた後に、
限界連続溶接打点数を求めた。適正溶接範囲は以下の手
順で求めた。 原板:板厚0.7mmの普通鋼に所定の表面処理を施
し、2枚一組で使用 電極:オバラ株式会社T−16D(材質記号DHO
M)を使用 電極間加圧力:200kgf 溶接パターン:加圧開始→(0.5秒間)→所定電流
値の電流値を印加(0.2秒間)→加圧力解放の加圧・
通電パターンをスポット溶接の1サイクルに設定 適正溶接電流範囲:の溶接パターンに従い溶接電流
値を0.5KAずつ変化させ、ナゲット径4mm以上を
確保できる最低電流値を下限電流値、試験板と電極との
間に強い溶着を生じる最低電流値を上限電流値と定義。
適正溶接電流範囲は下限電流値と上限電流値の間であ
る。
径を確保できる連続溶接打点数の上限のことであり以下
の手順で求めた。 原板:板厚0.7mmの普通鋼に所定の表面処理を施
し、2枚1組で使用 電極:オバラ株式会社T−16D(材質記号DHO
M)を使用 電極間加圧力:200kgf 溶接パターン:加圧開始→(0.5秒間)→所定電流
値の電流値を印加(0.2秒間)→加圧力解放の加圧・
通電パターンをスポット溶接の1サイクルとした。 溶接電流値:先に求めた適正溶接電流範囲の中間値=
(下限電流値+上限電流値)/2 限界連続溶接打点:〜の条件で2枚組の試験片を
連続溶接。打点速度は1点/3秒。試験片間に形成され
るナゲットの直径4mm未満とならない最大連続打点数
が限界連続打点数である。
りである。溶接性に関して、本発明の実施例はいずれも
連続溶接打点数500点以上という優れた溶接性を示し
ている。例9は塗膜中の導電成分の量が不足するために
連続溶接打点が500点に達しなかった。例6は塗膜中
の過剰な防錆顔料が塗膜中の通電を阻害した。例27は
塗膜厚みが過剰である。
次の試験を実施した。プレス成形のビードを模した金型
で試料を挟み、金型に荷重を掛けつつ試料を一定速度で
引き抜き塗膜の損傷を調べるものである。 ・サンプル引き抜き巾:30mm ・金型:片側がφ4mm円筒,反対側が平板 ・押しつけ荷重:600kg ・引き抜き速度:200mm/min ・塗油:無し ・塗膜損傷評価:かじり、剥離の有無 試験サンプルの構成と試験結果は表3の通りである。成
形性に関して、本発明の実施例はいずれも金型とのかじ
りなしという優れた成形性を示した。例18は、樹脂量
が少なく密着性に劣るために塗膜の剥離を生じた。ま
た、例23,24は、Al/Zn/Zn2 Mgの三元共
晶組織を主体とする粒子を含まず金型との間にかじりが
生じた。
ニウム−マグネシウム系導電性材料を示す。表2におけ
るバインダー樹脂としてエポキシ樹脂を用いた。使用し
た金属板は、AA5182,AA6111,AA600
9,AA6010,AA6016,AA2117のアル
ミニウム合金板である。塗膜層は、バーコートにより形
成した。また、下記試験のうち耐食性試験は、シャー切
断した有機複合塗装金属板に自動車補修用ウレタン塗料
をスプレー塗装し、乾燥膜厚50μmとしたものを用い
た。その他の試験は、表4に示す構成の有機複合塗装金
属板をそのまま用いた。
板厚0.7mmの試験片切断端面における糸錆の発生長
さを調査した。 塩水噴霧:1時間 湿潤:40℃、湿度80%、23時間 試験サンプルの構成と試験結果は表4の通りである。表
4より、本発明の実施例が高い端面耐食性を有すること
がわかる。塗膜中の防錆顔料含有量の少ない例2は、糸
錆長さが5mm以上となり耐食性が悪かった。例25は
塗膜の厚みが薄すぎたために端面耐食性が悪い。
験方法として、まず、適正溶接電流範囲を求めた後に、
限界連続溶接打点数を求めた。適正溶接範囲は以下の手
順で求めた。 原板:板厚0.7mmの普通鋼に所定の表面処理を施
し、2枚一組で使用 電極:オバラ株式会社T−16D(材質記号DHO
M)を使用 電極間加圧力:200kgf 溶接パターン:加圧開始→(0.5秒間)→所定電流
値の電流値を印加(0.2秒間)→加圧力解放の加圧・
通電パターンをスポット溶接の1サイクルに設定 適正溶接電流範囲:の溶接パターンに従い、溶接電
流値を0.5KAずつ変化させナゲット径4mm以上を
確保できる最低電流値を下限電流値、試験板と電極との
間に強い溶着を生じる最低電流値を上限電流値と定義。
適正溶接電流範囲は下限電流値と上限電流値の間。
径を確保できる連続溶接打点数の上限のことであり、以
下の手順で求めた。 原板:板厚0.7mmの普通鋼に所定の表面処理を施
し、2枚1組で使用 電極:オバラ株式会社T−16D(材質記号DHO
M)を使用 電極間加圧力:200kgf 溶接パターン:加圧開始→(0.5秒間)→所定電流
値の電流値を印加(0.2秒間)→加圧力解放の加圧・
通電パターンをスポット溶接の1サイクルとする。 溶接電流値:先に求めた適正溶接電流範囲の中間値=
(下限電流値+上限電流値)/2 限界連続溶接打点:〜の条件で2枚組の試験片を
連続溶接。打点速度は1点/3秒。試験片間に形成され
るナゲットの直径4mm未満とならない最大連続打点数
が限界連続打点数である。
りである。溶接性に関して、本発明の実施例はいずれも
連続溶接打点数500点以上という優れた溶接性を示し
た。例9は塗膜中の導電成分の量が不足するために連続
溶接打点が500点に達しなかった。例6は塗膜中の過
剰な防錆顔料が塗膜中の通電を阻害した。例27は塗膜
厚みが過剰である。
次の試験を実施した。プレス成形のビードを模した金型
で試料を挟み、金型に荷重を掛けつつ一定速度で試料を
引き抜き、塗膜の損傷を調べるものである。 ・サンプル引き抜き巾:30mm ・金型:片側がφ4mm円筒,反対側が平板 ・押しつけ荷重:600kg ・引き抜き速度:200mm/min ・塗油:無し ・塗膜損傷評価:かじり、剥離の有無
りである。成形性に関して、本発明の実施例はいずれも
金型とのかじりなしという優れた成形性を示した。例1
8は樹脂量が少なく密着性に劣るために塗膜の剥離を生
じた。また、例23,24は、Al/Zn/Zn2 Mg
の三元共晶組織を主体とする粒子を含まず、金型との間
にかじりが生じた。
グネシウム系導電性材料を含有させることで、耐食性と
プレス成形性に優れる抵抗溶接が可能な有機複合塗装金
属板を提供できる。本発明の有機複合塗装金属板を用い
ることで、成形、接合後の塗装工程を簡略化することが
可能である。すなわち、金属板表面の有機塗膜が導電性
材料を含有することで、抵抗溶接による接合が可能とな
り、防錆顔料を含有することで耐食性が向上するため、
部材組立後の表面処理としては美観のために上塗りを施
すだけで良い。したがって、金属板を利用して製品を製
造する現場においては、本発明は、工程省略による製造
コストの大幅な削減をもたらし、その産業上の価値は極
めて高いものであるといえる。
Claims (4)
- 【請求項1】 表面に、塗料全固形分に対する質量%
で、クロム系防錆顔料:5〜40%、亜鉛−アルミニウ
ム−マグネシウム系導電性材料:1〜40%、有機樹
脂:20〜94%を含有する塗膜を、1〜20μmの厚
みで有することを特徴とする耐食性とプレス成形性に優
れた抵抗溶接可能な有機複合塗装金属板。 - 【請求項2】 前記亜鉛−アルミニウム−マグネシウム
系導電性材料が、質量%で、Mg:1〜10%、Al:
2〜19%を含有し、残部がZn及び不可避的不純物よ
りなり、平均粒子径が1〜30μmの亜鉛−アルミニウ
ム−マグネシウム系合金粉末であることを特徴とする請
求項1に記載の耐食性とプレス成形性に優れた抵抗溶接
可能な有機複合塗装金属板。 - 【請求項3】 前記亜鉛−アルミニウム−マグネシウム
系合金粉末の50質量%以上が、Al/Zn/Zn2 M
gの三元共晶組織を主体とするのものであることを特徴
とする請求項2に記載の耐食性とプレス成形性に優れた
抵抗溶接可能な有機複合塗装金属板。 - 【請求項4】 基材金属板が亜鉛系めっき鋼板であっ
て、塗膜の下層として、クロム化合物を含有する防錆処
理層を、さらに有することを特徴とする請求項1〜3の
いずれかに記載の耐食性とプレス成形性に優れた抵抗溶
接可能な有機複合塗装金属板。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36369199A JP3954766B2 (ja) | 1999-12-22 | 1999-12-22 | 耐食性とプレス成形性に優れた抵抗溶接可能な有機複合塗装金属板 |
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