JPH09276788A - 耐食性およびプレス成形性に優れる抵抗溶接可能有機複合めっき鋼板 - Google Patents

耐食性およびプレス成形性に優れる抵抗溶接可能有機複合めっき鋼板

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JPH09276788A
JPH09276788A JP9632196A JP9632196A JPH09276788A JP H09276788 A JPH09276788 A JP H09276788A JP 9632196 A JP9632196 A JP 9632196A JP 9632196 A JP9632196 A JP 9632196A JP H09276788 A JPH09276788 A JP H09276788A
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JP
Japan
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coating film
steel sheet
zinc
plated steel
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JP9632196A
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Kensho Yuasa
健正 湯浅
Ikuya Inoue
郁也 井上
Hiroshi Kanai
洋 金井
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C28/00Coating for obtaining at least two superposed coatings either by methods not provided for in a single one of groups C23C2/00 - C23C26/00 or by combinations of methods provided for in subclasses C23C and C25C or C25D

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、良好な端面耐食性と溶接性、及び
プレス時の成形性を兼ね備える有機複合めっき鋼板を提
供する。 【解決手段】 めっき層を構成する金属が亜鉛−鉄合金
または、亜鉛−ニッケル合金、または亜鉛−クロム合金
であるめっき鋼板の両面に、クロム化合物を主体とする
化学処理を施し、その上に、(1)乾燥塗膜中40〜9
6容量%の有機樹脂、および、(2)乾燥塗膜中3〜5
9容量%の導電性材料、および、(3)乾燥塗膜中1〜
57容量%の防錆顔料を必須とする厚み0.5〜20μ
mの有機塗膜を形成することを特徴とする有機複合めっ
き鋼板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プレス成形された
後、電気抵抗溶接により接合され、腐食環境にて使用さ
れる鋼板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】元来絶縁体である有機皮膜を有する有機
複合被覆鋼板を、抵抗溶接可能とするため、従来は、金
属粒子をはじめとする導電性物質を塗膜に添加する手法
がとられてきた。例えば、特開昭55−17508号公
報では、鋼板表面にZn含有塗膜を形成している。ま
た、耐食性を向上させるために塗膜に防錆顔料を添加し
たり、塗膜表面の摺動抵抗を低下させるために塗膜中に
ワックス添加した塗膜(特開昭62−73938号公
報)なども提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の有機複合めっき鋼板は、多量の添加成分を塗膜中に含
有するがために、塗膜の凝集力が低下している。そのた
め、鋼板の切断端面の耐食性が不十分となる。すなわ
ち、鋼板をシャー切断した際、切断面の耐食性は近傍の
塗膜がその切断面を覆うように伸びることで確保される
が、塗膜の凝集力が低下すると、塗膜が充分に伸びず、
切断面をカバーできなくなり、その結果として端面の防
食性が低下する。また、添加成分の量が過剰だと、塗膜
と鋼板の密着性が低下し、プレス加工などに伴う強いし
ごきにより塗膜が剥離しやすく、結果的に塗膜の防食性
能が著しく失われる。また、塗膜と上塗り塗装との密着
性も低下する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、塗膜中成分の
含有量を規定することで、塗膜の凝集力および、鋼板お
よび上塗り塗膜との密着力を向上させるものである。そ
の発明の要旨とするところは、 (1)めっき層を構成する金属が亜鉛−鉄合金または、
亜鉛−ニッケル合金、または亜鉛−クロム合金であるめ
っき鋼板の両面に、クロム化合物を主体とする化学処理
を施し、その上に、(1)乾燥塗膜中40〜96容量%
の有機樹脂、および、(2)乾燥塗膜中3〜59容量%
の導電性材料、および、(3)乾燥塗膜中1〜57容量
%の防錆顔料を必須とする厚み0.5〜20μmの有機
塗膜を形成することを特徴とする有機複合めっき鋼板。 (2)上記(1)記載の必須成分(1)と必須成分
(2)と必須成分(3)の合計量が、乾燥塗膜全体に対
して80容量%以上、100容量%以下であることを特
徴とする有機複合めっき鋼板である。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明では、鋼板上のめっきとし
て、亜鉛−鉄合金または、亜鉛−ニッケル合金、または
亜鉛−クロム合金などの亜鉛系合金電気めっきを採用し
ている。これは、めっき層が犠牲防食作用を有するとと
もに、純亜鉛めっきと比較して、めっき金属の融点が高
いので、電気抵抗溶接において、溶接チップとの間で合
金化を起こしにくく、チップの損耗を抑制して連続溶接
性を向上させる。クロム化合物含有防錆処理層は、クロ
ム含有成分が金属の表面を不働態化することで、鋼板の
耐食性を向上させる。この層は、電解クロメート処理、
ロールコート、スプレー塗布など公知の方法のうち任意
の手段で形成して良い。
【0006】有機塗膜は、鋼板の耐食性向上のための防
錆顔料、および、抵抗溶接性向上のための導電性材料を
含有する。塗膜の膜厚は、片面あたり0.5μm〜20
μmが望ましい。膜厚0.5μm未満では耐食性に劣
り、膜厚20μmを超えると溶接性が低下する。鋼板の
溶接性を重視する場合は、塗膜の膜厚は0.5〜5μ
m、耐食性を重視する場合は、塗膜の膜厚は5〜20μ
mの範囲が望ましい。
【0007】塗膜中の有機樹脂成分として、アクリル樹
脂、アクリルエチレン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹
脂、オイルフリーポリエステル樹脂、フェノール樹脂、
ポリカーボネート樹脂、および、メラミン樹脂、のう
ち、1種類または2種類以上の混合物を用いることがで
きる。エポキシ樹脂には、各種アミン、ポリアミド、酸
及び酸無水物などの硬化剤を添加しても良い。また、こ
れらの樹脂に対して、架橋剤として、フェノール樹脂、
メラミン樹脂や、イソシアネート化合物などを用いても
よい。塗膜形成方法は、ロールコート、スプレーコー
ト、カーテンフローコートなどの公知のいずれの方法で
あっても良い。
【0008】塗膜中の坊錆顔料である、クロム酸ストロ
ンチウム、クロム酸カルシウム、クロム酸亜鉛、クロム
酸バリウム、クロム酸アンモニウム、および、重クロム
酸アンモニウムは、いずれもクロム酸塩なので、前述の
クロム化合物含有防錆処理層と同様に、クロム含有成分
が金属の表面を不働態化することで、特に鋼板の切断端
面の耐食性を向上させる。塗膜中の合有量が3容量%未
満では防錆効果が薄く、59容量%を超えると、塗膜凝
集力が低下し鋼板表面との密着性が悪化する。また、塗
膜中の通電を阻害し、溶接性を低下させる。溶接性を重
視する場合は、防錆顔料の含有量が5〜20容量%、耐
食性を重視する場合は10〜59容量%が望ましい。
【0009】塗膜中の導電性粉末は、スポット溶接の際
に塗膜中で相互に接触することで、溶接電流の経路とな
る。詳しくは、スポット溶接の際に鋼板が溶接電極によ
り加圧される時、導電性粉末が塗膜を一部破壊して相互
に接触することで、溶接電極からめっき面に至る過電経
路が確保されることになる。
【0010】導電性粉末の平均粒子径は、0.1μm以
下だと、塗膜を貫通する能力に欠け、溶接性が低く、5
0μmを越えると、塗膜の厚みに対して過大であり、プ
レス加工などの際に塗膜から失われ、その効果を発揮し
ない。また、導電性粉末の塗膜中の含有量は、1容量%
未満では溶接性向上効果が薄く、57容量%を超える
と、塗膜凝集力が低下し、鋼板表面との密着性が低下す
る。さらに、上記の成分に加え、着色顔料、体質顔料、
潤滑剤などを塗膜中に添加しても良い。これら添加物が
塗膜中に占める割合を20容量%未満とすることで、塗
膜の凝集力、および、鋼材との密着性が確保され、プレ
ス成形加工における塗膜の剥離やかじりを抑制できる。
【0011】
【実施例】次に、本発明の実施例を示す。塗料の構成は
表1の通りである。表1における塗料バインダーとして
の有機樹脂は、架橋剤としてブロックポリイソシアネー
トを添加したエポキシ樹脂を用いた。鋼板に施すめっき
は、電気亜鉛めっき、または、Zn−Ni、Zn−F
e、Zn−Crなどの亜鉛系合金電気めっきである。ク
ロム化合物含有防錆処理層、および、塗膜層は、バーコ
ートにより形成した。また、下記試験のうち、耐食性試
験および上塗り塗装密着性試験は、シャー切断した有機
複合鋼板に、自動車補修用ウレタン塗料をスプレー塗装
し、乾燥膜厚50μmとしたものを用いた。その他の試
験は、表2に示す構成の有機複合鋼板をそのまま用い
た。
【0012】
【表1】
【0013】
【表2】
【0014】(1)耐食性試験 次のようなサイクル腐食試験を100サイクル実施し、
板厚0.7mmの試験片切断端面における白錆および赤
錆の発生面積率を調査した。 塩水噴霧:1時間、乾燥:60℃、3.5時間、
湿潤:50℃、湿度90%、3.5時間 試験サンプルの構成と試験結果は表2の通りであった。
表2より、本発明の実施例が高い端面耐食性を有するこ
とがわかる。塗膜中の防錆顔料含有量の少ない例2は、
端面錆面積率が50%以上となり、耐食性が低かった。
例14は、過剰の導電顔料を添加したため、樹脂のバイ
ンダー力不足のために耐食性低い。例24は、塗膜の厚
みが薄すぎて端面耐食性が低い。
【0015】(2)溶接性試験 スポット溶接による、試験板の連続溶接性を調査した。
試験方法として、まず、適正溶接電流範囲を求め、しか
る後に、限界連続溶接打点数を求めた。適正溶接範囲
は、以下の手順で求めた。 原板:板厚0.7mmの普通鋼に所定の表面処理を施
し、2枚一組で使用 電極:オバラ株式会社T−16D(材質記号DHO
M)を使用 電極間加圧力:200kgf 溶接パターン:下記の{ }内の加圧・通電パターン
をスポット溶接の1サイクルに設定 {加圧開始→(0.5秒間)→所定電流値の電流値を印
加(0.2秒間)→加圧力解放} 適正溶接電流範囲:の溶接パターンに従い、溶接電
流値を0.5KAずつ変化させ、ナゲット径4mm以上
を確保できる最低電流値を下限電流値、試験板と電極と
の間に強い溶着を生じる最低電流値を上限電流値と定
義。適正溶接電流範囲は下限電流値と上限電流値の間。
【0016】限界連続溶接打点数とは、必要なナゲット
径を確保できる連続溶接打点数の上限のことであり、以
下の手順で求めた。 原板:板厚0.7mmの普通鋼に所定の表面処理を施
し、2枚1組で使用 電極:オバラ株式会社T−16D(材質記号DHO
M)を使用 電極間加圧力:200kgf 溶接パターン:次の{ }内の加圧・通電パターンを
スポット溶接の1サイクルとする。{加圧開始→(0.
5秒間)→所定電流値の電流値を印加(0.2秒間)→
加圧力解放} 溶接電流値:先に求めた適正溶接電流範囲の中間値=
(下限電流値+上限電流値)/2 限界連続溶接打点:〜の条件で2枚組の試験片を
連続溶接。打点速度は1点/3秒。試験片間に形成され
るナゲットの直径4mm未満とならない最大連続打点数
が限界連続打点数。
【0017】試験サンプルの構成と試験結果は表2の通
りであった。溶接性に関して、本発明の実施例はいずれ
も、連続溶接打点数500点以上という優れた溶接性を
示した。例9は塗膜中の導電成分の量が不足するために
連続溶接打点が500点に達しなかった。例6は塗膜中
の過剰な防錆顔料が塗膜中の通電を阻害した。例21
は、めっき層のZnが溶接電極と合金化しやすかったた
めに電極損耗が激しく、溶接性が低い。例28は塗膜厚
みが過剰である。
【0018】(3)成形性試験 プレス加工における塗膜のかじり、剥離を調べるため、
次の試験を実施した。プレス成形のビードを模した金型
で鋼板を挟み、荷重を掛けつつ一定速度で引き抜き、塗
膜の損傷を調べるものである。 ・サンプル引き抜き巾:30mm ・金型:片側がφ4mm円筒、反対側が平板 ・押しつけ荷重:1000kg ・引き抜き速度:200mm/min ・塗油:あり ・塗膜損傷評価:かじり、剥離の有無 試験サンプルの構成と試験結果は表2の通りであった。
【0019】(4)上塗り塗装密着性試験 塗膜と上塗り塗装との密着性を調べるため、以下の手順
で試験を実施した。 上塗り塗装した試料を温度60℃、湿度95RH%以
上の環境で240時間試験後、取出し。 取出して24時間経過後、鋼板に達するカッター疵
を、2mm間隔でつけ、10×10マスのメッシュとす
る。 疵付け部にセロファンテープを密着させ、一気に引き
剥がす。 セロファンテープとともに剥離した塗膜のマス目数を
カウント。 試験サンプルの構成と試験結果は表2の通りであった。
塗装密着性に関して、本発明の実施例はいずれも、2m
mメッシュのマス目が、セロファンテープ剥離後も10
0個全て残存するという優れた密着性を示した。例6,
14,18,19は、バインダー樹脂量が少ないために
密着性に劣り、マス目の一部が剥離した。例30は、塗
膜中に含有される潤滑ワックス量が過剰だったために上
塗り塗膜との密着力に劣り、マス目の一部が剥離した。
【0020】成形性に関して、本発明の実施例はいずれ
も、塗膜剥離や金型とのかじりなしという優れた成形性
を示し、例6、14、18、19は、樹脂量が少なく密
着性に劣るために塗膜の剥離を生じた。例30は、塗膜
中に含有される潤滑ワックス量が過剰だったために塗膜
の凝集力、鋼板との密着力に劣り、成形性試験において
塗膜剥離を生じた。
【0021】
【発明の効果】以上の結果より、本発明による有機複合
めっき鋼板は、めっき種類、および有機塗膜中の導電性
材料と防錆顔料の量を特定することにより、良好な端面
耐食性と溶接性、上塗り塗装密着性及びプレス時の成形
性を兼ね備えることがわかる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 めっき層を構成する金属が亜鉛−鉄合金
    または、亜鉛−ニッケル合金、または亜鉛−クロム合金
    であるめっき鋼板の両面に、クロム化合物を主体とする
    化学処理を施し、その上に、(1)乾燥塗膜中40〜9
    6容量%の有機樹脂、および、(2)乾燥塗膜中3〜5
    9容量%の導電性材料、および、(3)乾燥塗膜中1〜
    57容量%の防錆顔料を必須とする厚み0.5〜20μ
    mの有機塗膜を形成することを特徴とする有機複合めっ
    き鋼板。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の必須成分(1)と必須成
    分(2)と必須成分(3)の合計量が、乾燥塗膜全体に
    対して80容量%以上、100容量%以下であることを
    特徴とする有機複合めっき鋼板。
JP9632196A 1996-04-18 1996-04-18 耐食性およびプレス成形性に優れる抵抗溶接可能有機複合めっき鋼板 Pending JPH09276788A (ja)

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