JP3954766B2 - 耐食性とプレス成形性に優れた抵抗溶接可能な有機複合塗装金属板 - Google Patents

耐食性とプレス成形性に優れた抵抗溶接可能な有機複合塗装金属板 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高い耐食性とプレス成形性を有し、抵抗溶接が可能な有機複合塗装金属板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車部材等の製造は、冷延鋼板またはめっき鋼板を溶接により接合した後、複数の工程による塗装を施してきた。
自動車用部材の例で言えば、塗装工程は、化成処理、電着塗装、1回以上の中塗り及び上塗りの各工程よりなる。塗装に先立って鋼板を接合する理由は、塗装後では鋼板表面の導電性が失われ、抵抗溶接方式による部材の接合・組立が不可能となるからである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術において、鋼板接合製品の組立後に塗装する場合、製造現場では、組立後の部材全体を処理できるサイズの塗装・処理装置を各工程毎に備えねばならず、製造コストに対する大きい負担となってきた。
また、多数の工程で排出される揮発溶剤、廃液を各工程毎に処理することもコストに対する大きい負担となってきた。
本発明は、上記問題点を抜本的に解決できる塗装済みかつ抵抗溶接可能であって、しかも耐食性とプレス成形性に優れた有機複合塗装金属板の提供をその課題としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、金属板の表面に有機樹脂塗膜を形成し、その塗膜中に防錆顔料および導電性顔料粒子を配合することで、溶接性および耐食性を向上させるものである。特に、低コストで耐食性、プレス成形性に優れる溶接可能な有機複合塗装金属板の開発について鋭意研究を重ねた結果、金属板の上に防錆顔料、亜鉛−アルミニウム−マグネシウム系導電性材料を含有した塗装を行うことによって優れた耐食性、プレス成形性および溶接性を得られることを見いだして本発明至ったもので、その要旨とするところは、
(1)表面に、塗料全固形分に対する質量%で、クロム系防錆顔料:5〜40%、亜鉛−アルミニウム−マグネシウム系導電性材料:1〜40%、有機樹脂:20〜94%を含有する塗膜を、1〜20μmの厚みで有し、前記亜鉛−アルミニウム−マグネシウム系導電性材料が、質量%で、Mg:1〜10%、Al:2〜19%を含有し、残部がZn及び不可避的不純物よりなり、平均粒子径が1〜30μmの亜鉛−アルミニウム−マグネシウム系合金粉末であり、かつその50質量%以上がAl/Zn/Zn 2 Mgの三元共晶組織を主体とするのものであることを特徴とする耐食性とプレス成形性に優れた抵抗溶接可能な有機複合塗装金属板。
【0005】
)基材金属板が亜鉛系めっき鋼板であって、塗膜の下層として、クロム化合物を含有する防錆処理層を、さらに有することを特徴とする前記(1)に記載の耐食性とプレス成形性に優れた抵抗溶接可能な有機複合塗装金属板である。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明は、金属板の上に防錆顔料、亜鉛−アルミニウム−マグネシウム系導電性材料を含有した塗装を行う。塗装を行う金属板は、一般に公知の金属板を用いることができ、合金や他の金属をめっきした金属でも良い。
金属板の中でも、めっき鋼板において特に効果を発揮する。また、めっき層として亜鉛系めっきを鋼板表面に形成した場合、亜鉛による鋼板の犠牲防食作用によりさらに大きな効果が得られる。ここで亜鉛系めっきとは、単純に亜鉛のみをめっきする純亜鉛めっき及び亜鉛めっき中にFe,Ni,Co,Cr,Al,Mn,Mg,Siなど公知の1種または2種以上の合金元素をそれぞれ1〜20質量%含有する亜鉛系合金めっきを指すものである。めっき層の形成の方法は、特に限定しないが、一般的には電気めっき法、溶融めっき法などによって形成される。
【0007】
これら亜鉛系めっきを用いる理由は、亜鉛の犠牲防食作用による鋼板の腐食の抑制である。最終製品として塗装後に使用される場合,チッピングなどで塗膜に欠陥が生じたとしても、亜鉛系めっきの付着量が多いほどこの欠陥を基点とした腐食を抑制できる。特に、亜鉛系合金めっきは、純亜鉛めっきと比較して、めっき金属の融点が高いので、抵抗溶接の際に溶接チップとの間で合金化を起こしにくく、チップの損耗を抑制して溶接作業性を向上させる。また、めっき層の耐食性が高く、鋼板の腐食による赤錆の発生を犠牲防食効果により防止しながら、めっき層の錆である白錆も発生しにくいという利点がある。
【0008】
亜鉛系めっき鋼板に本発明を適用する場合は、塗膜の下層にクロム化合物含有防錆処理層を設ける。クロム化合物含有防錆処理層は、クロム含有成分が金属の表面を不働態化することで、特に、鋼板の切断端面の耐食性を向上させる効果が高い。この層は、電解クロメート処理、ロールコート、スプレー塗布など公知の方法のうち任意の手段で形成して良い。
有機塗膜は、塗膜中の防錆顔料の作用により鋼板の耐食性を増加させつつ、抵抗溶接を実現するために必要な導電性を有する。塗膜要件の詳細は後述するがその膜厚は、片面あたり1〜20μmとする。膜厚1μm未満では耐食性に劣り、膜厚20μmを超えると、有機塗膜層の電気抵抗が増加して溶接性が低下する。鋼板の溶接性を重視する場合は、塗膜の膜厚は1〜5μm、耐食性を重視する場合は、塗膜の膜厚は5〜20μmとすることが望ましい。
【0009】
塗膜には、全固形分に対する質量%で、5〜40%のクロム系防錆顔料を含有させる。特に、クロム酸ストロンチウム,クロム酸カルシウム,クロム酸亜鉛,クロム酸バリウム,クロム酸アンモニウム,重クロム酸アンモニウム等は、いずれもクロム酸塩なので、クロム含有成分が金属の表面を不働態化することで、金属板の切断端面の耐食性を向上させる。
クロム系防錆顔料塗膜の含有量が、全固形分に対する質量%で、5%未満では防錆効果が不十分で、40%を超えると、塗膜凝集力が低下し鋼板表面との密着性が悪化し、また、通電経路を阻害し、溶接性を低下させる。溶接性を重視する場合は、クロム系防錆顔料の含有量は5〜20%、耐食性を重視する場合は、10〜40%が望ましい。
【0010】
本発明の塗膜は、導電性を確保するため導電性材料をさらに含有する。導電性材料は、スポット溶接の際に塗膜中で相互に接触することで、溶接電流の経路となる。詳しくは、スポット溶接の際に鋼板が溶接電極により加圧される時に導電性材料が塗膜を一部破壊して相互に接触することによって溶接電極から金属板表面に至る通電経路が確保されることになる。
亜鉛−アルミニウム−マグネシウム系導電性材料は、亜鉛に比べ硬いため上記の塗膜破壊の効果が大きい。また、この亜鉛−アルミニウム−マグネシウム系導電性材料は、めっきと同様に犠牲防食作用を持つため防錆顔料としての効果も期待できる。
【0011】
亜鉛−アルミニウム−マグネシウム系導電性材料の塗膜中の含有量は1〜40質量%とする。これは亜鉛−アルミニウム−マグネシウム系導電性材料の塗膜中の含有量が1質量%未満では溶接性向上効果が不十分で、40質量%を超えると塗膜凝集力が低下するために鋼板表面との密着性が低下するためである。
ここで、亜鉛−アルミニウム−マグネシウム系導電性材料は、Mg:1〜10質量%、Al:2〜19質量%を含有し、残部がZn及び不可避的不純物よりなる亜鉛−アルミニウム−マグネシウム系合金粉末である。
亜鉛−アルミニウム−マグネシウム系合金は、合金組成によりAl/Zn/Zn2Mgの三元共晶組織を主体とした組織、または、Al/Zn/Zn2Mgの三元共晶組織、Zn2Mg相、Zn11Mg2相、Al相及びZn相が混在した金属組織となり、これを粉砕して得られる粉末は、こうした金属組織の混合物となる。
【0012】
Zn−Al−Mg三元系では、質量%で、Mg:3%、Al:4%、Zn:93%の組成においてAl/Zn/Zn2Mgの三元共晶点が存在し、この三元共晶点近傍の組成においてAl/Zn/Zn2Mgの三元共晶組織が得られる。このAl/Zn/Zn2Mgの三元共晶組織は硬くて犠牲防食作用も高いため、本特許における導電性材料として最も効果が高い。このAl/Zn/Zn2Mgの三元共晶組織を主体とする粒子が50質量%以上得られる合金組成の範囲が、Mg:1〜10質量%、Al:2〜19質量%を含有し、残部がZn及び不可避不純物であるため、この範囲の合金粉末を使用する。
分調整だけでなく、粉砕前のインゴットにおいて、Al/Zn/Zn2Mgの三元共晶組織が50体積%以上得られていることを、組織観察によって確認のうえで粉砕に供する。
【0013】
亜鉛−アルミニウム−マグネシウム系合金粉末の、平均粒径は1〜30μmである。平均粒子径を1〜30μmに限定した理由は、1μm未満では塗膜中で相互に接触し難くなり、溶接電流の経路として不十分であるためであり、30μmを超えると粒子による凹凸により塗装鮮映性が低下するためである。
鋼板が、特に厳しい成形加工を施される場合、塗膜中の有機潤滑剤として、ポリオレフィン系化合物、および、カルボン酸エステル化合物のうち、少なくとも1種類を塗膜中に含有することで、塗膜の摩擦抵抗値を低下させ成形時の型かじりを軽減することが可能である。ただし、配合量が多いと、塗膜凝集力が低下して塗膜と鋼板表面との密着性が低下するため、密着性を重視する場合は,配合量10質量%以下が望ましい。
【0014】
有機樹脂は、溶剤型、水溶性型いずれでも良く、例えば、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、オイルフリーポリエステル樹脂、アクリル樹脂、アクリルエチレン樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂などの1種類または2種類以上の混合物が使用できる。必要に応じて防錆顔料、硬化剤、着色顔料、あるいはプレス加工性を一段と向上させる潤滑剤等の各種添加剤を加えても良い。被覆方法は、ロールコート、スプレーコート、カーテンフローコートなどの公知のいずれの方法であっても良い。
【0015】
【実施例】
実施例により、本発明を、さらに詳しく説明する。
(実施例1)
表1に使用した亜鉛−アルミニウム−マグネシウム系導電性材料を示す。表2におけるバインダー樹脂としてエポキシ樹脂を用いた。
鋼板に施すめっきは、電気亜鉛めっき、または、Zn−Ni,Zn−Fe,Zn−Cr,溶融亜鉛めっき、合金化溶融亜鉛めっきなどの亜鉛系めっき及び亜鉛系合金めっきである。
クロム化合物含有防錆処理層および塗膜層は、バーコートにより形成した。また、下記試験のうち耐食性試験は、シャー切断した有機複合塗装金属板に、自動車補修用ウレタン塗料をスプレー塗装し、乾燥膜厚50μmとしたものを用いた。その他の試験は表3に示す構成の有機複合塗装めっき鋼板をそのまま用いた。
【0016】
【表1】
Figure 0003954766
【0017】
【表2】
Figure 0003954766
【0018】
(1)耐食性試験
次のようなサイクル腐食試験を100サイクル実施し、板厚0.7mmの試験片切断端面における白錆および赤錆の発生面積率を調査した。
(a)塩水噴霧:2時間
(b)乾燥:60℃、4時間
(c)湿潤:50℃、湿度95%以上、2時間
試験サンプルの構成と試験結果は表3の通りである。表3より、本発明の実施例が高い端面耐食性を有することがわかる。例22は塗膜の厚みが薄すぎたために端面耐食性が低い。
【0019】
(2)溶接性試験
スポット溶接による試験板の連続溶接性を調査した。試験方法として、まず、適正溶接電流範囲を求めた後に、限界連続溶接打点数を求めた。適正溶接範囲は以下の手順で求めた。
(a)原板:板厚0.7mmの普通鋼に所定の表面処理を施し、2枚一組で使用
(b)電極:オバラ株式会社T−16D(材質記号DHOM)を使用
(c)電極間加圧力:200kgf
(d)溶接パターン:
加圧開始→(0.5秒間)→所定電流値の電流値を印加(0.2秒間)→加圧力解放の加圧・通電パターンをスポット溶接の1サイクルに設定
(e)適正溶接電流範囲:(d)の溶接パターンに従い溶接電流値を0.5KAずつ変化させナゲット径4mm以上を確保できる最低電流値を下限電流値、試験板と電極との間に強い溶着を生じる最低電流値を上限電流値と定義。適正溶接電流範囲は下限電流値と上限電流値の間である。
【0020】
限界連続溶接打点数とは、必要なナゲット径を確保できる連続溶接打点数の上限のことであり以下の手順で求めた。
(a)原板:板厚0.7mmの普通鋼に所定の表面処理を施し、2枚1組で使用
(b)電極:オバラ株式会社T−16D(材質記号DHOM)を使用
(c)電極間加圧力:200kgf
(d)溶接パターン:
加圧開始→(0.5秒間)→所定電流値の電流値を印加(0.2秒間)→加圧力解放の加圧・通電パターンをスポット溶接の1サイクルとした。
(e)溶接電流値:先に求めた適正溶接電流範囲の中間値=(下限電流値+上限電流値)/2
(f)限界連続溶接打点:(a)〜(e)の条件で2枚組の試験片を連続溶接。打点速度は1点/秒。試験片間に形成されるナゲットの直径4mm未満とならない最大連続打点数が限界連続打点数である。
【0021】
試験サンプルの構成と試験結果は表3の通りである。溶接性に関して、本発明の実施例はいずれも連続溶接打点数500点以上という優れた溶接性を示している。例は塗膜中の導電成分の量が不足するために連続溶接打点が500点に達しなかった。例は塗膜中の過剰な防錆顔料が塗膜中の通電を阻害した。例24は塗膜厚みが過剰である。
【0022】
(3)成形性試験
プレス加工における塗膜のかじり、剥離を調べるため、次の試験を実施した。
プレス成形のビードを模した金型で試料を挟み、金型に荷重を掛けつつ試料を一定速度で引き抜き塗膜の損傷を調べるものである。
(a)サンプル引き抜き巾:30mm
(b)金型:片側がφ4mm円筒、反対側が平板
(c)押しつけ荷重:600kg
(d)引き抜き速度:200mm/min
(e)塗油:無し
(f)塗膜損傷評価:かじり、剥離の有無
試験サンプルの構成と試験結果は表3の通りである。成形性に関して、本発明の実施例はいずれも金型とのかじりなしという優れた成形性を示した。例20,21は、Al/Zn/Zn2Mgの三元共晶組織を主体とする粒子を含まず金型との間にかじりが生じた。
【0023】
【表3】
Figure 0003954766
【0024】
(実施例2)
表1に使用した亜鉛−アルミニウム−マグネシウム系導電性材料を示す。表2におけるバインダー樹脂としてエポキシ樹脂を用いた。使用した金属板は、AA5182,AA6111,AA6009,AA6010,AA6016,AA2117のアルミニウム合金板である。
塗膜層は、バーコートにより形成した。また、下記試験のうち耐食性試験は、シャー切断した有機複合塗装金属板に自動車補修用ウレタン塗料をスプレー塗装し、乾燥膜厚50μmとしたものを用いた。その他の試験は、表4に示す構成の有機複合塗装金属板をそのまま用いた。
【0025】
(1)耐食性試験
次のようなサイクル腐食試験を100サイクル実施し、板厚0.7mmの試験片切断端面における糸錆の発生長さを調査した。
(a)塩水噴霧:1時間
(b)湿潤:40℃、湿度80%、23時間
試験サンプルの構成と試験結果は表4の通りである。表4より、本発明の実施例が高い端面耐食性を有することがわかる。例22は塗膜の厚みが薄すぎたために端面耐食性が悪い。
【0026】
(2)溶接性試験
スポット溶接による試験板の連続溶接性を調査した。試験方法として、まず、適正溶接電流範囲を求めた後に、限界連続溶接打点数を求めた。適正溶接範囲は以下の手順で求めた。
(a)原板:板厚0.7mmの普通鋼に所定の表面処理を施し、2枚一組で使用
(b)電極:オバラ株式会社T−16D(材質記号DHOM)を使用
(c)電極間加圧力:200kgf
(d)溶接パターン:
加圧開始→(0.5秒間)→所定電流値の電流値を印加(0.2秒間)→加圧力解放の加圧・通電パターンをスポット溶接の1サイクルに設定
(e)適正溶接電流範囲:(d)の溶接パターンに従い、溶接電流値を0.5KAずつ変化させナゲット径4mm以上を確保できる最低電流値を下限電流値、試験板と電極との間に強い溶着を生じる最低電流値を上限電流値と定義。適正溶接電流範囲は下限電流値と上限電流値の間。
【0027】
限界連続溶接打点数とは、必要なナゲット径を確保できる連続溶接打点数の上限のことであり、以下の手順で求めた。
(a)原板:板厚0.7mmの普通鋼に所定の表面処理を施し、2枚1組で使用
(b)電極:オバラ株式会社T−16D(材質記号DHOM)を使用
(c)電極間加圧力:200kgf
(d)溶接パターン:
加圧開始→(0.5秒間)→所定電流値の電流値を印加(0.2秒間)→加圧力解放の加圧・通電パターンをスポット溶接の1サイクルとする。
(e)溶接電流値:先に求めた適正溶接電流範囲の中間値=(下限電流値+上限電流値)/2
(f)限界連続溶接打点:(a)〜(e)の条件で2枚組の試験片を連続溶接。打点速度は1点/3秒。試験片間に形成されるナゲットの直径4mm未満とならない最大連続打点数が限界連続打点数である。
【0028】
試験サンプルの構成と試験結果は表4の通りである。溶接性に関して、本発明の実施例はいずれも連続溶接打点数500点以上という優れた溶接性を示した。例は塗膜中の導電成分の量が不足するために連続溶接打点が500点に達しなかった。例は塗膜中の過剰な防錆顔料が塗膜中の通電を阻害した。例24は塗膜厚みが過剰である。
【0029】
【表4】
Figure 0003954766
【0030】
(3)成形性試験
プレス加工における塗膜のかじり、剥離を調べるために次の試験を実施した。プレス成形のビードを模した金型で試料を挟み、金型に荷重を掛けつつ一定速度で試料を引き抜き、塗膜の損傷を調べるものである。
(a)サンプル引き抜き巾:30mm
(b)金型:片側がφ4mm円筒,反対側が平板
(c)押しつけ荷重:600kg
(d)引き抜き速度:200mm/min
(e)塗油:無し
(f)塗膜損傷評価:かじり、剥離の有無
【0031】
試験サンプルの構成と試験結果は表4の通りである。成形性に関して、本発明の実施例はいずれも金型とのかじりなしという優れた成形性を示した。例20、21は、Al/Zn/Zn2Mgの三元共晶組織を主体とする粒子を含まず、金型との間にかじりが生じた。
【0032】
【発明の効果】
以上のように、亜鉛−アルミニウム−マグネシウム系導電性材料を含有させることで、耐食性とプレス成形性に優れる抵抗溶接が可能な有機複合塗装金属板を提供できる。本発明の有機複合塗装金属板を用いることで、成形、接合後の塗装工程を簡略化することが可能である。すなわち、金属板表面の有機塗膜が導電性材料を含有することで、抵抗溶接による接合が可能となり、防錆顔料を含有することで耐食性が向上するため、部材組立後の表面処理としては美観のために上塗りを施すだけで良い。したがって、金属板を利用して製品を製造する現場においては、本発明は、工程省略による製造コストの大幅な削減をもたらし、その産業上の価値は極めて高いものであるといえる。

Claims (2)

  1. 表面に、塗料全固形分に対する質量%で、クロム系防錆顔料:5〜40%、亜鉛−アルミニウム−マグネシウム系導電性材料:1〜40%、有機樹脂:20〜94%を含有する塗膜を、1〜20μmの厚みで有し、前記亜鉛−アルミニウム−マグネシウム系導電性材料が、質量%で、Mg:1〜10%、Al:2〜19%を含有し、残部がZn及び不可避的不純物よりなり、平均粒子径が1〜30μmの亜鉛−アルミニウム−マグネシウム系合金粉末であり、かつその50質量%以上がAl/Zn/Zn 2 Mgの三元共晶組織を主体とするのものであることを特徴とする耐食性とプレス成形性に優れた抵抗溶接可能な有機複合塗装金属板。
  2. 基材金属板が亜鉛系めっき鋼板であって、塗膜の下層として、クロム化合物を含有する防錆処理層を、さらに有することを特徴とする請求項1に記載の耐食性とプレス成形性に優れた抵抗溶接可能な有機複合塗装金属板。
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