JPH1192960A - 耐食性及び接合性に優れた自動車燃料容器用有機被覆鋼板 - Google Patents
耐食性及び接合性に優れた自動車燃料容器用有機被覆鋼板Info
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- C23C28/30—Coatings combining at least one metallic layer and at least one inorganic non-metallic layer
- C23C28/32—Coatings combining at least one metallic layer and at least one inorganic non-metallic layer including at least one pure metallic layer
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 劣化ガソリン耐食性を有し、かつロウ付け性
および抵抗溶接性に優れた自動車燃料容器用鋼板を提供
する。 【解決手段】 Zn又は/及びNi,Sn,Al,F
e,Co,Mg,Mnの1種又は2種以上からなる合金
を20〜60g/m2 でめっきした後、燃料容器内面側
に使用される面においては、更にクロメート皮膜を施
し、更にその上に金属粉を含有した有機皮膜を処理す
る。また、容器外面側に使用される面においては、クロ
メート、樹脂クロメート皮膜のみ、或いは、クロメート
皮膜上に薄膜有機被覆を施した層を設ける。 【効果】 自動車燃料容器用素材に必要な、劣化ガソリ
ン耐食性を有すると共に、ロウ付け性および抵抗溶接性
も良好な亜鉛系素材が得られる。
および抵抗溶接性に優れた自動車燃料容器用鋼板を提供
する。 【解決手段】 Zn又は/及びNi,Sn,Al,F
e,Co,Mg,Mnの1種又は2種以上からなる合金
を20〜60g/m2 でめっきした後、燃料容器内面側
に使用される面においては、更にクロメート皮膜を施
し、更にその上に金属粉を含有した有機皮膜を処理す
る。また、容器外面側に使用される面においては、クロ
メート、樹脂クロメート皮膜のみ、或いは、クロメート
皮膜上に薄膜有機被覆を施した層を設ける。 【効果】 自動車燃料容器用素材に必要な、劣化ガソリ
ン耐食性を有すると共に、ロウ付け性および抵抗溶接性
も良好な亜鉛系素材が得られる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、通常ガソリン、劣
化ガソリン或いはアルコール燃料に対して優れた防錆性
とロウ付けや抵抗溶接等の接合性に優れた自動車燃料容
器用有機被覆鋼板に関する。
化ガソリン或いはアルコール燃料に対して優れた防錆性
とロウ付けや抵抗溶接等の接合性に優れた自動車燃料容
器用有機被覆鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の燃料タンクは、車体のデザイン
に合わせて最後に設計されることが通常で、その形状は
近年益々複雑になる傾向にある。また燃料タンクは自動
車の重要保安部品であるため、その使用材料には、優れ
た深絞り特性は勿論のこと、成型後の衝撃による耐割れ
性が良いことも要求される。これに加えて、フィルター
目詰まりに繋がるような腐食物の生成が少なく、耐孔あ
き腐食性の良好な材料で製造されることが重要である。
に合わせて最後に設計されることが通常で、その形状は
近年益々複雑になる傾向にある。また燃料タンクは自動
車の重要保安部品であるため、その使用材料には、優れ
た深絞り特性は勿論のこと、成型後の衝撃による耐割れ
性が良いことも要求される。これに加えて、フィルター
目詰まりに繋がるような腐食物の生成が少なく、耐孔あ
き腐食性の良好な材料で製造されることが重要である。
【0003】従来、一般に自動車燃料タンク用材料とし
ては、ターンシートと称されるPb−Sn合金めっき鋼
板(特公昭57−61833号公報)や、亜鉛めっき鋼
板に厚クロメート処理を施したもの(特公昭53−19
981号公報)が使用されてきた。しかし、最近は、高
温下や長期間の放置によってガソリンが劣化し(劣化ガ
ソリンの生成)、強腐食性環境を発生することがわかっ
ている。この劣化ガソリン環境に対して、上記素材の防
錆力が充分でないこと、また、近年の環境への負荷軽減
からPbを試用しない材料が求められていることから、
劣化ガソリンに強く、かつターンシートのようにPbを
含まない新たな素材開発の要求が強まっている。また、
上記内面耐食性以外に、タンク本体と各種パイプを接合
するロウ付け性にも優れた素材であることも重要であ
る。
ては、ターンシートと称されるPb−Sn合金めっき鋼
板(特公昭57−61833号公報)や、亜鉛めっき鋼
板に厚クロメート処理を施したもの(特公昭53−19
981号公報)が使用されてきた。しかし、最近は、高
温下や長期間の放置によってガソリンが劣化し(劣化ガ
ソリンの生成)、強腐食性環境を発生することがわかっ
ている。この劣化ガソリン環境に対して、上記素材の防
錆力が充分でないこと、また、近年の環境への負荷軽減
からPbを試用しない材料が求められていることから、
劣化ガソリンに強く、かつターンシートのようにPbを
含まない新たな素材開発の要求が強まっている。また、
上記内面耐食性以外に、タンク本体と各種パイプを接合
するロウ付け性にも優れた素材であることも重要であ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来材
の懸念事項を解決し、自動車用燃料タンクとして使用可
能な内面耐食性とタンク本体と付属配管を接合するロウ
付け或いはタンク本体を接合するシーム溶接性及びタン
ク内部に納められる小物部品とタンク本体を接合するス
ポット溶接性等の抵抗溶接性が良好な亜鉛系めっき層を
基材とした自動車燃料タンク用鋼板を提供することであ
る。
の懸念事項を解決し、自動車用燃料タンクとして使用可
能な内面耐食性とタンク本体と付属配管を接合するロウ
付け或いはタンク本体を接合するシーム溶接性及びタン
ク内部に納められる小物部品とタンク本体を接合するス
ポット溶接性等の抵抗溶接性が良好な亜鉛系めっき層を
基材とした自動車燃料タンク用鋼板を提供することであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、 (1)鋼板両面にZnまたはZnとNi,Sn,Al,
Fe,Co,Mg,Mnの1種又は2種以上からなる合
金を目付量20〜60g/m2 で形成し、容器内面側に
使用される面に対して、その上にクロメート皮膜層をク
ロム換算で10〜100mg/m2 形成し、さらにその
上層に、Zn,Al,Ni,Mg,Sn,ステンレス
鋼、またはこれらの合金の金属粉末の1種または2種以
上を20〜70重量%含有して残部が、エポキシ系,フ
ェノール系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリエ
チレン系、フタル酸系、フッ素系、シリコーン系の内1
種または2種以上からなる有機樹脂皮膜を厚さ2〜20
μ施したことを特徴とする耐食性及び接合性に優れた自
動車燃料容器用有機被覆鋼板、
Fe,Co,Mg,Mnの1種又は2種以上からなる合
金を目付量20〜60g/m2 で形成し、容器内面側に
使用される面に対して、その上にクロメート皮膜層をク
ロム換算で10〜100mg/m2 形成し、さらにその
上層に、Zn,Al,Ni,Mg,Sn,ステンレス
鋼、またはこれらの合金の金属粉末の1種または2種以
上を20〜70重量%含有して残部が、エポキシ系,フ
ェノール系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリエ
チレン系、フタル酸系、フッ素系、シリコーン系の内1
種または2種以上からなる有機樹脂皮膜を厚さ2〜20
μ施したことを特徴とする耐食性及び接合性に優れた自
動車燃料容器用有機被覆鋼板、
【0006】(2)容器外面側の表面に、クロム換算で
10〜100mg/m2 のクロメート皮膜層、又は、有
機樹脂とクロム酸が混合された樹脂クロメート皮膜層を
形成したことを特徴とする耐食性及び接合性に優れた前
記(1)に記載の自動車燃料容器用有機被覆鋼板、 (3)容器外面側の表面に、クロム換算で10〜100
mg/m2 のクロメート皮膜層を形成し、さらにその表
面に2μ以下の有機被覆を形成したことを特徴とする前
記(1)記載の耐食性及び接合性に優れた自動車燃料容
器用有機被覆鋼板である。
10〜100mg/m2 のクロメート皮膜層、又は、有
機樹脂とクロム酸が混合された樹脂クロメート皮膜層を
形成したことを特徴とする耐食性及び接合性に優れた前
記(1)に記載の自動車燃料容器用有機被覆鋼板、 (3)容器外面側の表面に、クロム換算で10〜100
mg/m2 のクロメート皮膜層を形成し、さらにその表
面に2μ以下の有機被覆を形成したことを特徴とする前
記(1)記載の耐食性及び接合性に優れた自動車燃料容
器用有機被覆鋼板である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明者らは、自動車メーカーで
従来から使用されている黄銅ロウを用いてロウ付けが可
能であることや、比較的経済的に製造できるめっき種で
あることを前提に考えた場合、亜鉛系めっきが考えられ
るが、亜鉛系めっき層のみでは劣化ガソリンに対して充
分な防錆性を得ることができないことを知見している。
そこで、劣化ガソリンに対して防錆力を持たせる手法と
して、タンク内面のめっき層にクロメートを施し、更に
有機被覆すればよいことを検討した。逆に外面側では、
内面と同様な有機被覆では外面耐食性は確保されるもの
の、ロウ付け性や抵抗溶接性が低下することになる。そ
こで、外面側には抵抗溶接性やロウ付け性が低下しない
程度の後処理皮膜を形成することを検討した。
従来から使用されている黄銅ロウを用いてロウ付けが可
能であることや、比較的経済的に製造できるめっき種で
あることを前提に考えた場合、亜鉛系めっきが考えられ
るが、亜鉛系めっき層のみでは劣化ガソリンに対して充
分な防錆性を得ることができないことを知見している。
そこで、劣化ガソリンに対して防錆力を持たせる手法と
して、タンク内面のめっき層にクロメートを施し、更に
有機被覆すればよいことを検討した。逆に外面側では、
内面と同様な有機被覆では外面耐食性は確保されるもの
の、ロウ付け性や抵抗溶接性が低下することになる。そ
こで、外面側には抵抗溶接性やロウ付け性が低下しない
程度の後処理皮膜を形成することを検討した。
【0008】基材となる亜鉛めっき層は、電気めっき
法,溶融めっき法,気相めっき法の何れでも良く、その
種類は、Zn単独やZnとNi,Sn,Al,Fe,C
o,Mg,Mnの1種または2種以上からなる合金めっ
きであり、そのめっき層中に更に酸化物微粒子、例えば
Al2 O3 ,SiO2 ,TiO2 ,ZrO2 ,SnO2
等を含有してもよい。一方、めっき付着量は20g/m
2 未満の低めっき量では、その上に有機皮膜があっても
充分な耐食性が得られない。また、厚くなりすぎると抵
抗溶接性が低下するため、めっき量の上限は、60g/
m2 である。即ち、適正なめっき量としては、片道当た
り、20g/m2 以上,60g/m2 以下である。
法,溶融めっき法,気相めっき法の何れでも良く、その
種類は、Zn単独やZnとNi,Sn,Al,Fe,C
o,Mg,Mnの1種または2種以上からなる合金めっ
きであり、そのめっき層中に更に酸化物微粒子、例えば
Al2 O3 ,SiO2 ,TiO2 ,ZrO2 ,SnO2
等を含有してもよい。一方、めっき付着量は20g/m
2 未満の低めっき量では、その上に有機皮膜があっても
充分な耐食性が得られない。また、厚くなりすぎると抵
抗溶接性が低下するため、めっき量の上限は、60g/
m2 である。即ち、適正なめっき量としては、片道当た
り、20g/m2 以上,60g/m2 以下である。
【0009】次に、その上に形成するクロメート皮膜層
について述べる。クロメート皮膜は防錆力付与はもちろ
んのこと、その上に施される有機樹脂皮膜の密着性を確
保する。クロム換算での付着量が10mg/m2 より少
ないと、クロメート皮膜の被覆性が充分でなく、点状錆
発生や有機樹脂皮膜の密着強度が充分でない。一方、1
00mg/m2 を越えると、その効果は飽和する。
について述べる。クロメート皮膜は防錆力付与はもちろ
んのこと、その上に施される有機樹脂皮膜の密着性を確
保する。クロム換算での付着量が10mg/m2 より少
ないと、クロメート皮膜の被覆性が充分でなく、点状錆
発生や有機樹脂皮膜の密着強度が充分でない。一方、1
00mg/m2 を越えると、その効果は飽和する。
【0010】次に、内面側に施す有機皮膜は、耐劣化ガ
ソリン性を確保するのが主目的である。しかし、その厚
みが2μ未満では、充分な被覆性が確保されないことに
より、その効果が十分に発揮されない。また、有機膜厚
が2μ以上になると、抵抗溶接性が劣ってくるため、皮
膜中に、通電点を確保するため、金属粉を含有させる。
その金属粉の大きさから言っても、有機皮膜の厚みは2
μ以上が必要である。一方、その有機皮膜の上限は、2
0μである。これを越えると、金属粉を含有させても充
分な溶接性が得られなくなる。また、耐劣化ガソリン性
も飽和しており、コストが上がるだけで有意ではない。
ここで使用する金属粉としては、Zn,Al,Ni,M
g,Sn,ステンレス鋼またはこれらの合金粉末であ
る。そして、その含有量は、20%未満では、厚膜樹脂
中での通電点として充分に作用せず、結果、抵抗溶接性
が確保されない。逆に、70%を越えると樹脂成分が少
なく、皮膜の連続性が困難となる。よって、樹脂中に含
有される金属粉末は、皮膜の20%以上、70%以下が
必要である。
ソリン性を確保するのが主目的である。しかし、その厚
みが2μ未満では、充分な被覆性が確保されないことに
より、その効果が十分に発揮されない。また、有機膜厚
が2μ以上になると、抵抗溶接性が劣ってくるため、皮
膜中に、通電点を確保するため、金属粉を含有させる。
その金属粉の大きさから言っても、有機皮膜の厚みは2
μ以上が必要である。一方、その有機皮膜の上限は、2
0μである。これを越えると、金属粉を含有させても充
分な溶接性が得られなくなる。また、耐劣化ガソリン性
も飽和しており、コストが上がるだけで有意ではない。
ここで使用する金属粉としては、Zn,Al,Ni,M
g,Sn,ステンレス鋼またはこれらの合金粉末であ
る。そして、その含有量は、20%未満では、厚膜樹脂
中での通電点として充分に作用せず、結果、抵抗溶接性
が確保されない。逆に、70%を越えると樹脂成分が少
なく、皮膜の連続性が困難となる。よって、樹脂中に含
有される金属粉末は、皮膜の20%以上、70%以下が
必要である。
【0011】次に、外面側の望ましい皮膜について述べ
る。クロメート皮膜層の効果は前述の通りである。ここ
で言うクロメート皮膜は無機系の従来公知組成の処理液
での形成で充分である。また、その処理法も浸漬,スプ
レー,電解,塗布などの公知の方法でよい。一方、これ
以外に、樹脂とクロムを含有した処理液で処理される樹
脂クロメート皮膜でも良い。樹脂クロメート皮膜の場合
は、無機クロメートと比較して、形成膜厚が厚く、適度
な接触抵抗値を必要とする抵抗溶接性に有効である。即
ち、接触抵抗値を高くすることで、板−板間での発熱を
促進し、溶接ナゲットの形成を促進させることができ
る。また、樹脂膜があることによって、溶接電極チップ
とめっき金属の合金化を抑制、電極チップの劣化を抑制
することから、連続溶接作業性に有利である。あるい
は、クロムを含有しない有機皮膜でもよい。
る。クロメート皮膜層の効果は前述の通りである。ここ
で言うクロメート皮膜は無機系の従来公知組成の処理液
での形成で充分である。また、その処理法も浸漬,スプ
レー,電解,塗布などの公知の方法でよい。一方、これ
以外に、樹脂とクロムを含有した処理液で処理される樹
脂クロメート皮膜でも良い。樹脂クロメート皮膜の場合
は、無機クロメートと比較して、形成膜厚が厚く、適度
な接触抵抗値を必要とする抵抗溶接性に有効である。即
ち、接触抵抗値を高くすることで、板−板間での発熱を
促進し、溶接ナゲットの形成を促進させることができ
る。また、樹脂膜があることによって、溶接電極チップ
とめっき金属の合金化を抑制、電極チップの劣化を抑制
することから、連続溶接作業性に有利である。あるい
は、クロムを含有しない有機皮膜でもよい。
【0012】但し、内面側にも皮膜があり、外面側の皮
膜が厚くなりすぎると、両面ともに絶縁状態となり、ワ
イヤーシーム溶接のような特殊なシーム溶接や、大電
流,高加圧でのスポット溶接が必要となり不経済かつ安
定性に難のある溶接となってしまう。さらには、外面側
にはロウ付けが要求される。シーム溶接やスポット溶接
などの抵抗溶接性に加え良好なロウ付け性を得るために
は、外面側有機皮膜の膜厚は、2μ以下とすることが必
要である。本発明は、以上のような知見を基に得られた
ものである。
膜が厚くなりすぎると、両面ともに絶縁状態となり、ワ
イヤーシーム溶接のような特殊なシーム溶接や、大電
流,高加圧でのスポット溶接が必要となり不経済かつ安
定性に難のある溶接となってしまう。さらには、外面側
にはロウ付けが要求される。シーム溶接やスポット溶接
などの抵抗溶接性に加え良好なロウ付け性を得るために
は、外面側有機皮膜の膜厚は、2μ以下とすることが必
要である。本発明は、以上のような知見を基に得られた
ものである。
【0013】(実施例)次に、本発明を実施例に基づい
て説明する。まず、被めっき鋼板は、燃料容器用鋼板に
必要な深絞り性を確保するため、極低炭素鋼板を使用し
た。その成分例を表1に示す。
て説明する。まず、被めっき鋼板は、燃料容器用鋼板に
必要な深絞り性を確保するため、極低炭素鋼板を使用し
た。その成分例を表1に示す。
【0014】
【表1】
【0015】このような鋼板に対し、電気めっき法や溶
融めっき法で、亜鉛系めっき層を施す。Zn,ZnとF
e,Sn,Mnの1種または2種以上からなるめっき層
は電気、溶融めっき法何れでも製造できる。また、Zn
とNi,Coの1種または2種からなるめっき層は電気
めっき法、ZnとAl,Mgの1種または2種からなる
めっき層は溶融めっき法で製造でき、気相めっき法では
上記めっき種は全て可能である。
融めっき法で、亜鉛系めっき層を施す。Zn,ZnとF
e,Sn,Mnの1種または2種以上からなるめっき層
は電気、溶融めっき法何れでも製造できる。また、Zn
とNi,Coの1種または2種からなるめっき層は電気
めっき法、ZnとAl,Mgの1種または2種からなる
めっき層は溶融めっき法で製造でき、気相めっき法では
上記めっき種は全て可能である。
【0016】めっき後のクロメートとしては、CrO3
−SiO2 系無機クロメートや更にH3 PO4 まで含ん
だ無機クロメート、或いは、有機樹脂とクロム酸が混合
された液を塗布、乾燥させた、いわゆる樹脂クロメート
皮膜などを施した。更には、内面側には、ZnやAl,
Ni等の金属粉末を含有した樹脂を、バーコーターで所
定の膜厚になるよう塗装した。外面側の有機皮膜も同様
で、バーコーターで薄膜塗装を実施、評価サンプルを製
造した。
−SiO2 系無機クロメートや更にH3 PO4 まで含ん
だ無機クロメート、或いは、有機樹脂とクロム酸が混合
された液を塗布、乾燥させた、いわゆる樹脂クロメート
皮膜などを施した。更には、内面側には、ZnやAl,
Ni等の金属粉末を含有した樹脂を、バーコーターで所
定の膜厚になるよう塗装した。外面側の有機皮膜も同様
で、バーコーターで薄膜塗装を実施、評価サンプルを製
造した。
【0017】製造したサンプルを用い、以下の特性を評
価、本発明の優位性を確認した。 内面耐食性 有機酸(蟻酸500ppm)を含有したガソリン(劣化
ガソリン)溶液に、試験液温度45℃にて、4週間浸漬
した。4週間後にサンプルを取り出し、腐食生成物を除
去した後、腐食深さで評価した。評価結果 評価
基準 ◎ 腐食深さ≦100μm 〇 100μm<腐食深さ≦200μm △ 200μm<腐食深さ≦300μm × 300μm<腐食深さ
価、本発明の優位性を確認した。 内面耐食性 有機酸(蟻酸500ppm)を含有したガソリン(劣化
ガソリン)溶液に、試験液温度45℃にて、4週間浸漬
した。4週間後にサンプルを取り出し、腐食生成物を除
去した後、腐食深さで評価した。評価結果 評価
基準 ◎ 腐食深さ≦100μm 〇 100μm<腐食深さ≦200μm △ 200μm<腐食深さ≦300μm × 300μm<腐食深さ
【0018】ロウ付け性 Cu−Znロウ材と塩化物系フラックス液を用い、製造
したサンプル上での拡がり性と、2枚の板を接合したの
ち、剪断引っ張りを行った時の、剥離状況を観察した。 評価結果 評価基準 〇 ロウ材の拡がり良好で、剪断引っ張りで、母材から破断する △ ロウ材の拡がりやや不良だが、剪断引っ張りでは、熱影響部から破断 する × ロウ材の拡がり不十分で、剪断引っ張りで、接合部のロウ材部分から 剥離する
したサンプル上での拡がり性と、2枚の板を接合したの
ち、剪断引っ張りを行った時の、剥離状況を観察した。 評価結果 評価基準 〇 ロウ材の拡がり良好で、剪断引っ張りで、母材から破断する △ ロウ材の拡がりやや不良だが、剪断引っ張りでは、熱影響部から破断 する × ロウ材の拡がり不十分で、剪断引っ張りで、接合部のロウ材部分から 剥離する
【0019】スポット溶接性 先端6mm径のCu−Cr電極を用い、溶接電流10k
Aで、2枚のサンプルをスポット溶接した。その材料に
ついて、剪断引っ張り試験を実施、剥離状況を観察し
た。 評価結果 評価基準 〇 剪断引っ張りで、母材から破断する △ 剪断引っ張りでは、熱影響部から破断する × 剪断引っ張りで、スポット部から剥離する 評価結果を表2に示す。
Aで、2枚のサンプルをスポット溶接した。その材料に
ついて、剪断引っ張り試験を実施、剥離状況を観察し
た。 評価結果 評価基準 〇 剪断引っ張りで、母材から破断する △ 剪断引っ張りでは、熱影響部から破断する × 剪断引っ張りで、スポット部から剥離する 評価結果を表2に示す。
【0020】
【表2】
【0021】
【発明の効果】本発明は、自動車燃料容器素材におい
て、内面に使用される面に厚膜有機被覆を施し、劣化ガ
ソリン耐食性を向上させる。その場合、厚膜皮膜による
溶接性低下を防止するため、通電点を持たせる意図から
金属粉を含有させている。一方で、容器外面は、ロウ付
け性や抵抗溶接性を確保するためにクロメートや薄膜有
機被膜を望ましい皮膜とした。以上のような施策によ
り、耐劣化ガソリン性と良ロウ付け性および良好なシー
ム溶接やスポット溶接などの抵抗溶接性を有する自動車
燃料容器用鋼板が得られる。
て、内面に使用される面に厚膜有機被覆を施し、劣化ガ
ソリン耐食性を向上させる。その場合、厚膜皮膜による
溶接性低下を防止するため、通電点を持たせる意図から
金属粉を含有させている。一方で、容器外面は、ロウ付
け性や抵抗溶接性を確保するためにクロメートや薄膜有
機被膜を望ましい皮膜とした。以上のような施策によ
り、耐劣化ガソリン性と良ロウ付け性および良好なシー
ム溶接やスポット溶接などの抵抗溶接性を有する自動車
燃料容器用鋼板が得られる。
Claims (3)
- 【請求項1】 鋼板両面にZnまたはZnとNi,S
n,Al,Fe,Co,Mg,Mnの1種又は2種以上
からなる合金を目付量20〜60g/m2 で形成し、容
器内面側に使用される面に対して、その上にクロメート
皮膜層をクロム換算で10〜100mg/m2 形成し、
さらにその上層に、Zn,Al,Ni,Mg,Sn,ス
テンレス鋼、またはこれらの合金の金属粉末の1種また
は2種以上を20〜70重量%含有して残部が、エポキ
シ系,フェノール系、ポリエステル系、ポリウレタン
系、ポリエチレン系、フタル酸系、フッ素系、シリコー
ン系の内1種または2種以上からなる有機樹脂皮膜を厚
さ2〜20μ施したことを特徴とする耐食性及び接合性
に優れた自動車燃料容器用有機被覆鋼板。 - 【請求項2】 容器外面側の表面に、クロム換算で10
〜100mg/m2のクロメート皮膜層、又は、有機樹
脂とクロム酸が混合された樹脂クロメート皮膜層を形成
したことを特徴とする耐食性及び接合性に優れた請求項
1に記載の自動車燃料容器用有機被覆鋼板。 - 【請求項3】 容器外面側の表面に、クロム換算で10
〜100mg/m2のクロメート皮膜層を形成し、さら
にその表面に2μ以下の有機被覆を形成したことを特徴
とする請求項1に記載の耐食性及び接合性に優れた自動
車燃料容器用有機被覆鋼板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25224997A JPH1192960A (ja) | 1997-09-17 | 1997-09-17 | 耐食性及び接合性に優れた自動車燃料容器用有機被覆鋼板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25224997A JPH1192960A (ja) | 1997-09-17 | 1997-09-17 | 耐食性及び接合性に優れた自動車燃料容器用有機被覆鋼板 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1192960A true JPH1192960A (ja) | 1999-04-06 |
Family
ID=17234604
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25224997A Pending JPH1192960A (ja) | 1997-09-17 | 1997-09-17 | 耐食性及び接合性に優れた自動車燃料容器用有機被覆鋼板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1192960A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001170558A (ja) * | 1999-12-22 | 2001-06-26 | Nippon Steel Corp | 耐食性とプレス成形性に優れた抵抗溶接可能な有機複合塗装金属板 |
WO2003095195A1 (fr) * | 2002-05-14 | 2003-11-20 | Nippon Steel Corporation | Materiau metallique recouvert pouvant etre soude presentant une excellente resistance a la corrosion au niveau de la partie travaillee |
-
1997
- 1997-09-17 JP JP25224997A patent/JPH1192960A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001170558A (ja) * | 1999-12-22 | 2001-06-26 | Nippon Steel Corp | 耐食性とプレス成形性に優れた抵抗溶接可能な有機複合塗装金属板 |
WO2003095195A1 (fr) * | 2002-05-14 | 2003-11-20 | Nippon Steel Corporation | Materiau metallique recouvert pouvant etre soude presentant une excellente resistance a la corrosion au niveau de la partie travaillee |
US7390564B2 (en) | 2002-05-14 | 2008-06-24 | Nippon Steel Corporation | Coated metal material capable of being welded which is excellent in corrosion resistance of worked zone |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050330 |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20060207 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
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A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20060613 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |