JP2001161352A - 生体組織再生用細胞の分離方法、生体組織再生用細胞及び生体組織再生用細胞分離装置 - Google Patents

生体組織再生用細胞の分離方法、生体組織再生用細胞及び生体組織再生用細胞分離装置

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JP2001161352A
JP2001161352A JP34551599A JP34551599A JP2001161352A JP 2001161352 A JP2001161352 A JP 2001161352A JP 34551599 A JP34551599 A JP 34551599A JP 34551599 A JP34551599 A JP 34551599A JP 2001161352 A JP2001161352 A JP 2001161352A
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regenerating
tissue
fluid
separation filter
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Masaya Sumida
政哉 澄田
Shuji Terajima
修司 寺嶋
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12MAPPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
    • C12M47/00Means for after-treatment of the produced biomass or of the fermentation or metabolic products, e.g. storage of biomass
    • C12M47/04Cell isolation or sorting

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 簡便な操作かつ非完全開放系で、組織再生用
細胞を分離濃縮する方法及び装置を提供する。 【解決手段】 生体組織再生用細胞と、夾雑細胞の混合
液を細胞分離フィルターにて、組織再生用細胞を捕捉さ
せた後、前記細胞分離フィルターに流体を導入して当該
細胞を回収する生体組織再生用細胞の分離方法。細胞分
離フィルター3の入口より上流に接続される、原料細胞
注入器具を接続した時のみ連通する弁を有する原料細胞
注入器具接続手段1と、該細胞分離フィルターの出口よ
り下流または入口より上流に接続される、前記細胞分離
フィルターに流体を注入する流体注入器具を接続した時
のみ連通する弁を有する流体注入器具接続手段7と、該
細胞分離フィルターの入口より上流または出口より下流
で該流体注入器具接続手段とは細胞分離フィルター3を
介して互いに反対の側に接続される細胞回収手段6を含
む生体組織再生用細胞分離装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はいわゆる組織工学を
用いて生体組織の病変および/または欠損を修復再生す
るために用いる細胞の分離方法、細胞及び分離装置に関
する。得られた細胞は生体組織再生用細胞を用いて行う
各種生体組織病変および/または欠損の治療及び免疫学
や細胞生物学等の基礎科学分野で用いることが可能とな
る。
【0002】
【従来の技術】生体の組織または臓器(以下、単に組織
という)の幹および/または前駆細胞を用いて、同組織
をin vitroまたはin vivoで形成するこ
とで組織の病変および/または欠損を治療する、いわゆ
る組織工学(Tissue engineering。
再生医学とも言う)が大変注目を集めており、世界各国
で研究開発が盛んに行われている(例えば、月刊組織培
養工学、Vol.24、No.4、特集:組織工学I、
1998年4月、同、Vol.24、No.5、特集:
組織工学II、1998年5月)。骨髄や血液(末梢
血、臍帯/胎盤血)中には骨や軟骨、血管などを形成す
る細胞の幹/前駆細胞である間葉系幹/前駆細胞が含ま
れていることがあきらかにされた(例えば、国際公開特
許WO95/25164号公報、WO97/26326
号公報、英国公開特許GB2301114A号公報)。
これらの細胞が存在する部位には、しばしば赤血球など
の夾雑細胞が混在しており、夾雑細胞を除去し組織再生
用細胞を濃縮分離する必要がある。国際公開特許WO9
5/25164号公報にはFicoll−Hypaqu
e比重遠心法を用いて、末梢血から、組織再生用細胞を
濃縮分離する方法が開示されている。また、英国公開特
許GB2301114A号公報にはPercoll比重
遠心法を用いて骨髄から組織再生用細胞を濃縮分離する
方法が開示されている。これら、比重遠心法がベースと
なる方法は、免疫学や細胞生物学、あるいは臨床検査医
学などでは汎用される方法であるが、実験室レベルの煩
雑で、しかもクリーンベンチ内で行われるものの完全開
放系の操作のため無菌性に難があり、ルーチンの臨床行
為としてはとうてい受け入れられるものではなかった。
組織工学が実験室レベルの実験医療から脱皮し、ルーチ
ンの医療行為として発展するには、本分離濃縮操作の簡
便化と非完全開放系での処理が待望されていた。一方、
血液医学の分野においては、造血組織、すなわち骨髄の
再生である造血幹細胞移植は、すでに通常の医療行為と
して確立されており、同分野で用いる造血幹細胞の濃縮
分離には、たとえば特開平8−104643号公報で提
案されている、簡便操作が特徴であるフィルター法が利
用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は簡便な
操作かつ非完全開放系で組織再生用細胞を分離濃縮する
方法及び装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる課題
を解決すべく、鋭意検討を進めた。その結果、造血幹細
胞の濃縮分離に用いるフィルターを用いると、造血組織
以外の組織再生用細胞の濃縮分離をも可能になるという
驚くべき発見を行い、さらに本用途特有の使用方法に適
した装置に改良することを加えて、本発明を完成するに
至った。すなわち本発明は、造血組織を除く生体組織の
再生に用いられる組織再生用細胞と、夾雑細胞の混合液
を細胞分離フィルターに通液し、夾雑細胞を通過させ、
組織再生用細胞を捕捉させた後、前記細胞分離フィルタ
ーに流体を導入して当該細胞を回収する工程を含むこと
を特徴とする生体組織再生用細胞の分離方法であり、ま
た本発明は、造血組織を除く生体組織の再生に用いられ
る組織再生用細胞と、夾雑細胞の混合液を細胞分離フィ
ルターに通液し、夾雑細胞を通過させ、組織再生用細胞
を捕捉させた後、前記細胞分離フィルターに流体を導入
して当該細胞を回収して得られたものであることを特徴
とする生体組織再生用細胞であり、さらに本発明は少な
くとも入口と出口を有する細胞分離フィルターと、該細
胞分離フィルターの入口より上流に接続される、常時閉
鎖しており原料細胞注入器具を接続した時のみ連通する
弁を有する原料細胞注入器具接続手段と、該細胞分離フ
ィルターの出口より下流または入口より上流に接続され
る、常時閉鎖しており前記細胞分離フィルターに流体を
注入する流体注入器具を接続した時のみ連通する弁を有
する流体注入器具接続手段と、該細胞分離フィルターの
入口より上流または出口より下流で該流体注入器具接続
手段とは細胞分離フィルターを介して互いに反対の側に
接続される細胞回収手段を含む生体組織再生用細胞分離
装置である。
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
言う生体組織とは、骨、軟骨、筋肉、腱などの結合組
織、血管、神経、皮膚、毛髪、各種臓器のことを言う
が、造血組織である骨髄は含まない。本発明で言う生体
組織再生用細胞とは、前述の組織を再生するために用い
られる、前述の組織の幹および/または前駆細胞のこと
を言い、例えば間葉系前駆細胞、血管内皮前駆細胞、神
経幹細胞などがあげられるが、これらに限定されるもの
ではない。また、生体組織の再生は、当該組織の病変、
欠損、傷害などで必要になるが、これらに限定されるも
のではない。夾雑細胞とは、これらの細胞が存在する部
位にしばしば混在する、赤血球など本目的(組織の再
生)機能を有していない細胞のことを言う。本発明で言
う細胞分離フィルターとは濾材を液体導入口と液体導出
口を有する容器に充填したものである。濾材としては通
常用いられている細胞捕捉材であればいかなる材料も使
用できるが、成形性、滅菌性や細胞毒性が低いという点
で好ましいものを例示すると、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリスチレン、アクリル樹脂、ナイロン、ポリ
エステル、ポリカーボネート、ポリアクリルアミド、ポ
リウレタン等の合成高分子、アガロース、セルロース、
酢酸セルロース、キチン、キトサン、アルギン酸塩等の
天然高分子、ヒドロキシアパタイト、ガラス、アルミ
ナ、チタニア等の無機材料、ステンレス、チタン、アル
ミニウム等の金属があげられる。また、濾材の形状とし
ては、織布、不織布、スポンジ状構造体(膜を含む)、
ビーズ等があげられる。不織布の場合、後述する抗体等
の特定の細胞に特異的に結合するいわゆるバイオリガン
ド類を表面に固定しない場合は、通常、繊維径は1.0
μm以上30μm以下であり、好ましくは1.0μm以
上20μm以下であり、さらにより好ましくは1.5μ
m以上10μm以下である。1.0μm未満では回収必
要細胞が強固に捕捉されてしまい回収困難となる可能性
がある。また、30μmを超えると回収必要細胞が繊維
に捕捉されず素通りする可能性が高くなる。いずれの場
合も回収率の低下につながるおそれがあるので好ましく
ない。また、スポンジ状構造体を用いる場合、孔径は通
常2.0μm以上25μm以下であり、好ましくは3.
0μm以上20μm以下であり、さらにより好ましくは
4.0μm以上15μm以下である。2.0μm未満で
は流れ性が著しく劣り、通液自体が困難になるおそれが
あり、また25μmを超えると回収必要細胞の捕捉率が
低下し、回収率の低下を招くので好ましくない。この濾
材を充填する、液体導入口と液体導出口を有する容器の
材質としては成形性や滅菌性に優れ、細胞毒性が低いと
いう点で好ましいものを例示すると、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリスチレン、アクリル樹脂、ナイロ
ン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアクリルア
ミド、ポリウレタン、塩化ビニル等の合成高分子、ヒド
ロキシアパタイト、ガラス、アルミナ、チタニア等の無
機材料、ステンレス、チタン、アルミニウム等の金属が
あげられるが、これらに限定されるものではない。容器
の構造としては、形状は直方体、立方体、円柱形、楕円
柱形などがあげられるが、いずれの形状でもよい。ま
た、液体導入口と液体導出口の位置としては、液体導入
口は濾材の最上層に液体を導入できる位置であればよ
く、また液体導出口は濾材の最下層から液体を導出でき
る位置であれば良い。
【0006】本発明による生体組織再生用細胞の分離方
法は前述の生体組織再生用細胞と夾雑細胞の混合液を、
前述の細胞分離フィルターに通液した後、流体を該フィ
ルターに導入して捕捉されている生体組織再生用細胞を
回収するものであるが、回収用の流体を導入する前に、
該フィルターに微量残存する夾雑細胞を洗い流す目的で
リンスを行っても良い。リンス液としては細胞に悪影響
を及ぼさない液体であればいかなる液体も使用可能であ
るが、いくつか例示すると生理食塩水、ダルベッコリン
酸塩緩衝液(D−PBS)やハンクス液(HBSS)な
どの緩衝液、RPMI1640などの培地があげられ
る。リンス液の導入方向としては生体組織再生用細胞と
夾雑細胞の混合液の通液方向と同一方向あるいは逆方向
が考えられるが、同一方向の方が捕捉された細胞が漏出
する可能性が低い傾向にあるのでより好ましい。捕捉し
た細胞を回収するために該フィルターに導入する流体と
しては細胞に悪影響を及ぼさない流体であればいかなる
流体も使用できるが、いくつか例示すると、生理食塩
水、D−PBS(ダルベッコリン酸塩緩衝液)、HBS
S(ハンクス液)などの緩衝液、RPMI−1640な
どの培地があげられる。これらの液体に、細胞保護、栄
養補給、抗凝固性付与、凍結保存時の凍害防止、粘度向
上(回収率向上に有効な場合がある)等の目的で必要に
応じ、アルブミン、グロブリン、グルコース、サッカロ
ース、トレハロース、クエン酸化合物、EDTA、ジメ
チルスルホキシド、デキストラン、ポリビニルピロリド
ン、グリセリン、キチン誘導体、ヒドロキシエチルデン
プン、ゼラチン等を添加してもよい。また、ここで言う
流体とは、液体単体のみならず、空気、アルゴン、窒素
など細胞に悪影響を及ぼさない気体を混合したものも含
まれる。流体の導入方向としては生体組織再生用細胞と
夾雑細胞の混合液の通液方向と同一方向あるいは逆方向
が考えられるが、逆方向の方が高い回収率が得られる傾
向にあるのでより好ましい。
【0007】本発明の生体組織再生用細胞分離装置にお
ける、常時閉鎖しており原料細胞注入器具を接続した時
のみ連通する弁を有する原料細胞注入器具接続手段と
は、いわゆるSYRINGE ACTIVATED C
HECKVALVE(以下、単にチェックバルブと呼
ぶ)に類するものを言い、チェックバルブの例を言う
と、原料細胞注入器具、すなわち原料細胞液の入ったシ
リンジを接続すると、シリンジの口の先端で押すことに
より弁が開き、シリンジを外すと弁が閉じるものである
(通常、シリンジ接続部はメスルアー口が具備されてお
り、バネまたは弾性体が内蔵されており、前述の動作が
行われる)。本発明における常時閉鎖しており前記細胞
分離フィルターに流体を注入する流体注入器具を接続し
た時のみ連通する弁を有する流体注入器具接続手段もま
た、前述の原料細胞注入器具接続手段と同様のチェック
バルブ類のことを言い、流体注入器具、すなわち細胞回
収用流体を入れたシリンジを接続すると弁が開き、シリ
ンジを外すと弁が閉じるものである。通常、これらの目
的には造血幹細胞分離の際のように原料細胞が血液バッ
グに入っていることは稀であり、ほとんどがシリンジに
入っていると考えられるため、これらの手段は非常に有
効に作用する。本発明で言うフィルターの入口より上流
または出口より下流に接続される細胞回収手段とは、フ
ィルターから流出した細胞をいかなる容器で回収するか
により、以下のように分類される。すなわち、バッグに
回収する場合は、予めバッグを接続しておくか、バッグ
と接続可能な回路、すなわちスパイク付きチューブ、ル
アーアダプター付きチューブ、あるいは無菌接続器によ
る接続を行うのであれば単なるチューブというように適
宜選択する。また、コニカルチューブに収集する場合
は、先端が開放された回路であればよく、ルアー口のシ
リンジで収集する場合はルアーアダプター、三方活栓を
用いる。また、シリンジの場合、チューブを介さずフィ
ルターの入口または出口に直接接続してもよい。液体注
入器具接続手段と細胞回収手段の位置関係は、濾過時の
通液方向と同一方向に液体を注入する場合は、液体注入
器具接続手段はフィルター入口より上流に、細胞回収手
段はフィルター出口より下流に接続され、濾過時の通液
方向とは逆方向に液体を注入する場合は、液体注入器具
接続手段はフィルター出口より下流に、細胞回収手段は
フィルター入口より上流に接続される。即ち、液体注入
器具接続手段と細胞回収手段は細胞分離フィルターを介
して互いに反対の側に位置する。濾過時の通液方向とは
逆方向に液体を注入することが高い回収率が得られる傾
向にあるのでより好ましい。本発明で得られた生体組織
再生用細胞は、そのまま、あるいは必要に応じさらなる
分離精製、培養、活性化、増幅、遺伝子導入、凍結保
存、WO97/26326号公報で提案されているハイ
ドロキシアパタイトなどの骨補填材との複合化、第34
回日本人工臓器学会大会予稿集S1−1で提案されてい
る人工血管との複合化などの各種処理が施された後、各
種生体組織の病変および/または欠損の治療や基礎科学
分野の研究に用いられる。
【0008】
【実施例】以下に実施例により本発明をより詳細に説明
するが、本発明はこれらにより限定されるものではな
い。
【実施例1】1.細胞分離装置 平均繊維径2.3μmのポリエステル不織布(目付60
g/m 、嵩高0.3mm)18枚と平均繊維径12
μmのポリエステル不織布(目付100g/m 、嵩
高0.47mm)16枚を重ね、押し切りカッターで3
5mm角に切断した。これを容器外寸(縦×横×厚み)
41×41×18mmで液体流出口と液体流入口を対角
線上に持つポリカーボネート製容器の出口側に平均繊維
径12μmのポリエステル不織布がくるように充填して
細胞分離フィルターとした。なお、本フィルターの有効
濾過断面積は9cm である。この細胞分離フィルタ
ー3の入口より上流に原料細胞注入器具接続手段たるチ
ェックバルブ1と細胞回収バッグ6が接続された三方活
栓2を、出口より下流に流体注入器具接続手段たるチェ
ックバルブ7とスパイク5が接続された三方活栓4を組
み付け、図1に示す細胞分離装置とした。なお、チェッ
クバルブとしては、QOSINA社製“Needlel
ess Luar Lock Valve”製品番号8
0362を用いた。 2.細胞分離操作 100mlシリンジ(16ゲージ針付き、予め28ml
の抗凝固剤を充填済み)を用いて臍帯/胎盤血管から約
70mlの臍帯血を採血した。このシリンジから針を外
し、1.で作成した細胞分離装置のチェックバルブ1に
接続した。三方活栓2は原料細胞注入器具接続手段たる
チェックバルブ1と細胞分離フィルター3のみが連通す
る方向に、三方活栓4は細胞分離フィルター3とスパイ
ク5のみが連通する方向にした。次に、スパイク5の下
に廃液用コニカルチューブを置き、臍帯血の入ったシリ
ンジのプランジャーを手で押すことで臍帯血を濾過し、
赤血球や血漿をコニカルチューブに排液した。次に、原
料細胞注入器具接続手段たるチェックバルブ1に生理食
塩水20mlが入った30mlシリンジを接続し、同シ
リンジのプランジャーを押すことで、細胞分離フィルタ
ー内に生理食塩水を導入し、フィルター内に微量残存す
る赤血球、血漿を洗浄除去した(洗液は廃液用コニカル
チューブに排液した)。次に、三方活栓4を流体注入器
具接続手段たるチェックバルブ7と細胞分離フィルター
3のみが連通する方向に、三方活栓2を細胞分離フィル
ター3と細胞回収バッグ6のみが連通する方向にした。
そして流体注入器具接続手段たるチェックバルブ7にデ
キストラン40注(デキストラン40の10%生理食塩
水溶液)18mlと空気10mlを回収用流体として含
む流体注入器具たる30mlシリンジを接続し、先にデ
キストラン40注が通液されるようにシリンジを立てて
空気をプランジャー側に移動させ、プランジャーを押す
ことで回収用流体をフィルターに通液し、フィルターに
捕捉されていた細胞を細胞回収バッグ6に回収した。な
お、本操作に要した時間はわずか5分であった。 3.分析方法および結果 WO95/25164号公報で提案されている表面抗原
により間葉系幹/前駆細胞を定量した。すなわち、コー
ルター社EPICS−ELITEフローサイトメーター
装置を用い、HLA−DR陽性かつCD11b陽性かつ
CD34陽性かつCD3陰性の細胞集団を間葉系幹/前
駆細胞集団と定義し、この細胞集団の回収率を評価し
た。その結果、本分離操作により60%の間葉系幹/前
駆細胞集団が回収されていることが分った。
【0009】
【発明の効果】以上示したように本発明によれば簡便な
操作かつ非完全開放系で組織再生用細胞が高率に分離濃
縮できるので、組織工学が実験室レベルの実験医療から
脱皮し、ルーチンの医療行為への発展に貢献すること極
めて大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の生体組織再生用細胞分離装置の模式
図である
【符号の説明】
1 チェックバルブ 2 三方活栓 3 細胞分離フィルター 4 三方活栓 5 スパイク 6 細胞回収バッグ 7 チェックバルブ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 造血組織を除く生体組織の再生に用いら
    れる組織再生用細胞と、夾雑細胞の混合液を細胞分離フ
    ィルターに通液し、夾雑細胞を通過させ、組織再生用細
    胞を捕捉させた後、前記細胞分離フィルターに流体を導
    入して当該細胞を回収する工程を含むことを特徴とする
    生体組織再生用細胞の分離方法。
  2. 【請求項2】 造血組織を除く生体組織の再生に用いら
    れる組織再生用細胞と、夾雑細胞の混合液を細胞分離フ
    ィルターに通液し、夾雑細胞を通過させ、組織再生用細
    胞を捕捉させた後、前記細胞分離フィルターに流体を導
    入して当該細胞を回収して得られたものであることを特
    徴とする生体組織再生用細胞。
  3. 【請求項3】 少なくとも入口と出口を有する細胞分離
    フィルターと、該細胞分離フィルターの入口より上流に
    接続される、常時閉鎖しており原料細胞注入器具を接続
    した時のみ連通する弁を有する原料細胞注入器具接続手
    段と、該細胞分離フィルターの出口より下流または入口
    より上流に接続される、常時閉鎖しており前記細胞分離
    フィルターに流体を注入する流体注入器具を接続した時
    のみ連通する弁を有する流体注入器具接続手段と、該細
    胞分離フィルターの入口より上流または出口より下流で
    該流体注入器具接続手段とは細胞分離フィルターを介し
    て互いに反対の側に接続される細胞回収手段を含む生体
    組織再生用細胞分離装置。
JP34551599A 1999-12-03 1999-12-03 生体組織再生用細胞の分離方法、生体組織再生用細胞及び生体組織再生用細胞分離装置 Pending JP2001161352A (ja)

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