JP2003319776A - 有核細胞分離方法 - Google Patents

有核細胞分離方法

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JP2003319776A
JP2003319776A JP2002130015A JP2002130015A JP2003319776A JP 2003319776 A JP2003319776 A JP 2003319776A JP 2002130015 A JP2002130015 A JP 2002130015A JP 2002130015 A JP2002130015 A JP 2002130015A JP 2003319776 A JP2003319776 A JP 2003319776A
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Masaya Sumida
政哉 澄田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 診断、再生医療、基礎科学研究などに用いら
れる有核細胞を、簡便な操作で、短時間に、尿から分離
する方法及びそれに用いる装置を提供すること 【解決手段】 尿から有核細胞を分離する方法であっ
て、有核細胞よりも大きい物質を尿から除去した後に、
有核細胞よりも大きい物質が除去された尿を、有核細胞
捕捉材が包含されたフィルターに導入して有核細胞を捕
捉させ、次いで、フィルターに流体を導入して捕捉され
ている有核細胞を回収する工程を含むことからなる有核
細胞分離方法及びそれに用いられる装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、尿中に存在する細
胞を分離する方法及びそれに用いられる分離装置に関す
る。この発明により分離された細胞は、臨床検査や基礎
医科学研究や疾患の治療などに用いられる。
【0002】
【従来の技術】尿中には各種細胞が存在していることは
周知の事実であり、細胞は、非侵襲的に採取できること
から、腎疾患の診断方法として以前より検討されている
(たとえば、堀田修、「尿中単核球解析による内科的腎
疾患の病態評価」、臨床病理、48、498〜504、
2000)。臨床検査の分野では、尿中の細胞の分析
は、いわゆる、「尿沈渣検査法」として一定の位置を確
立しているものの、「沈渣の検査は、遠心・鏡検という
時間と手数のかかる操作を必要とするため、とにかくお
ろそかにしがちである」(金井泉著、「臨床検査法提
要」、金原出版)という認識が一般的である。
【0003】一方、近年、いわゆる、再生医療が注目を
集めており、各種細胞を、組織や臓器の欠損・機能不全
を治療する医療に用いる検討がなされている。これらの
細胞は、生体にそのソースを用いることが多いが、筋肉
や骨などの組織、肝臓、腎臓などの臓器中から細胞を得
る場合、組織や臓器を消化し、細胞を遊離することが必
要となる。しかし、血液や骨髄などの体液をソースとす
る方法は、消化分離の工程を必要としないために、その
将来が期待されている。尿も、体液に分類され、その採
取の容易さから当然、研究対象となるべきものである
が、血液や骨髄と比してはるかに細胞濃度が低く、尿か
らの効率的な細胞分離の方法が現存しないため研究対象
になっていないのが現状である。
【0004】遠心分離ではない、尿からの細胞分離も提
案されている。たとえば、特開平6−308126号公
報には、診断目的で、尿沈渣を5μmのメンブレンフィ
ルターでトラップさせて尿沈渣検査に用い、尿沈渣が除
去された尿に固定化抗体を添加して、免疫学的検査を行
う方法が開示されている。しかしながら、この方法によ
り得られる尿沈渣は、5μmのメンブレンフィルターに
よる分離、すなわち、サイズによる分離であるため、有
核細胞のみならず、大きさが5μm以上であれば結晶な
ど非細胞成分もトラップされ、再生医療では、通常、不
必要な赤血球もトラップされるため(もともと尿沈渣検
査とは、それらも検査することが目的であるので、当然
である)、回収操作を行った場合、赤血球の混入が不可
避となる。
【0005】特開平9−119926号公報には、やは
り診断目的で、尿を細菌と白血球が通過しない、十分小
さなポアーサイズのフィルターで濾過し、フィルター上
にトラップされた細菌と白血球を蛍光ラベルして測定す
る技術が開示されているが、この技術を用いると、前述
した再生医療で不要な赤血球のみならず、安全上問題で
ある細菌さえもトラップされ、回収時に混入される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、診
断、再生医療、基礎科学研究などに用いられる有核細胞
を、簡便な操作で、短時間に、尿から分離する方法及び
それに用いる装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決するために、先ず、尿中の有形成分の全てが必要
な尿沈渣検査作業とは全く別の発想を持たなければ、課
題の解決は難しいとの仮説を立てた。この仮説に基づ
き、有核細胞に普遍的な挙動の利用、さらには、尿特有
の問題点の克服を主なテーマとして研究を行った結果、
本発明を完成させるに至った。
【0008】すなわち、本発明は、以下のとおりであ
る。 (1) 尿から有核細胞を分離する方法であって、有核
細胞よりも大きい物質を尿から除去した後に、有核細胞
よりも大きい物質が除去された尿を、有核細胞捕捉材が
包含されたフィルターに尿を導入して有核細胞を捕捉さ
せ、次いで、フィルターに流体を導入して捕捉されてい
る有核細胞を回収する工程を含むことからなる有核細胞
分離方法。 (2) 尿から有核細胞を分離するフィルター装置であ
って、液体流入口と液体流出口を有する容器に有核細胞
捕捉材が包含されたフィルター、フィルターの液体流入
口より上流にあって、有核細胞よりも大きい物質を尿か
ら除去する手段、有核細胞よりも大きい物質を除去する
手段に尿を導入する手段、有核細胞よりも大きい物質が
除去された尿をフィルター手段に導入する手段、フィル
ターから有核細胞を回収するためにフィルターに流体を
注入する手段、及び有核細胞を回収する手段を含む有核
細胞分離装置 (3) 有核細胞捕捉材が、繊維塊、織布、不織布、ス
ポンジ状多孔質体からえらばれた少なくとも一種である
(2)に記載の有核細胞分離装置。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おいて、尿とは、ヒトあるいはヒト以外の動物の尿のこ
とであり、健常人(動物)および患者(疾患動物)のい
ずれでもよいが、一般に、健常人(動物)の尿には有核
細胞はほとんど存在しておらず、腎疾患などの疾病に罹
患した場合に有核細胞は増えるといわれているので、患
者尿を用いることが好ましい場合がある。有核細胞と
は、核を有する細胞のこと(したがって、核を有しない
細胞である赤血球は含まれない)であり、代表的な具体
例として、正常細胞としては、白血球、顆粒球、好中
球、好酸球、好塩基球、リンパ球、単球、マクロファー
ジ、Tリンパ球、Bリンパ球、NK細胞、NK/T細
胞、樹状細胞、多核巨細胞、上皮細胞、内皮細胞、間葉
系細胞、およびこれらの幹/前駆細胞があげられるが、
これらに限定されるものではない。異常細胞としては、
悪性腫瘍細胞(白血病、腎癌、悪性リンパ腫、神経芽細
胞腫などがあるが、これらに限定されるものではない)
があげられる。
【0010】本発明で用いられるフィルターは、液体流
入口と液体流出口を有する容器に有核細胞捕捉材が包含
されたものである。液体流入口と液体流出口を有する容
器の材質は、成形性や滅菌性に優れ、細胞毒性が低いも
のが好ましい。容器の材質を例示すると、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル樹脂、ナ
イロン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアクリ
ルアミド、ポリウレタン、塩化ビニルなどの合成高分
子、ヒドロキシアパタイト、ガラス、アルミナ、チタニ
アなどの無機材料、ステンレス、チタン、アルミニウム
などの金属などがあげられるが、これらに限定されるも
のではない。容器の形状は、直方体、立方体、円柱形、
楕円柱形などがあげられるが、いずれの形状でもよい。
【0011】有核細胞捕捉材の材質としては、通常用い
られている有核細胞捕捉材であればいかなる材料も使用
できるが、成形性が良好で、滅菌性および細胞毒性が低
いという点で好ましいものを例示すると、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル樹脂、ナ
イロン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアクリ
ルアミド、ポリウレタンなどの合成高分子、アガロー
ス、セルロース、酢酸セルロース、キチン、キトサン、
アルギン酸塩などの天然高分子、ヒドロキシアパタイ
ト、ガラス、アルミナ、チタニアなどの無機材料、ステ
ンレス、チタン、アルミニムなどの金属などがあげられ
る。
【0012】捕捉材の形状としては、繊維塊、織布、不
織布、スポンジ状多孔質体、平板、ビーズなどがあげら
れるが、有核細胞の捕捉性能の点から、繊維塊、織布、
不織布およびスポンジ状多孔質体から選ばれた少なくと
も一種が好ましく、中でも、不織布がより好ましい。不
織布の場合、抗体など、特定の細胞に特異的に結合する
いわゆるバイオリガンドを用いない限りは、その繊維径
は10μm未満が好ましく、より好ましくは1.0μm
以上5.0μm以下である。繊維径が1.0μm未満で
は、有核細胞が繊維に強固に粘着するおそれがある。繊
維径が大きくなると、5.0μmを越えると、有核細胞
が繊維に捕捉されず素通りする可能性が高くなる。尿中
に存在する赤血球は、捕捉材に捕捉されることなく流出
するが、通常、赤血球は再生医療などで利用されること
はないので、流失に伴なう障害はない。
【0013】本発明のフィルターには、液体流入口から
尿が導入されるが、この液体流入口の上流には、有核細
胞よりも大きい物質を尿から除去する手段が接続されて
いる。有核細胞よりも大きい物質を尿から除去するに
は、有核細胞と当該物質の物理的性質の差、すなわち、
大きさや重さに着目し、分離することが一般的である。
有核細胞よりも大きい物質、たとえば、各種円柱、結晶
類などを尿から除去する手段としては、遠心分離装置、
フィルターなどがあげられるが、フィルターが簡便なた
めに好ましい。いずれの手段を採用する場合にも、有核
細胞とそれよりも大きい物質とが分離されるように、分
離手段、条件などを選択する必要がある。
【0014】有核細胞よりも大きい物質を尿から除去す
る手段としてフィルターを用いる場合、一般に、孔径が
10μm以上であればいかなるものも使用できるが、そ
の選定に際しては、所望の有核細胞は通過するが、それ
より大きい物質が捕捉されるような孔径をもったフィル
ターを選定する必要がある。たとえば、多核巨細胞を回
収する場合、同細胞の大きさは20〜25μmであるの
で、孔径が10μmであれば、同細胞はトラップされて
除去されるために好ましくない。したがって、この場合
には、孔径25μm以上のフィルターを用いる、といっ
たように、目的とする細胞に応じフィルターを適宜選択
することが必要である(たとえば、堀田修、「尿中単核
球解析による内科的腎疾患の病態評価」、臨床病理、4
8、498〜504、2000に記載されている、単核
球を目的細胞とする場合、孔径は10μm程度でよ
い)。
【0015】本発明において、有核細胞よりも大きい物
質を除去する手段に尿を導入する手段は、たとえば、前
記の孔径10μm以上のフィルターに尿を導入する手段
のことである。いったん、なんらかの容器に採取された
尿を、たとえば、輸液用プラスチック製バッグに保存し
ている場合、尿を導入する手段として、このバッグに接
続可能なルアーアダプター付きチューブがあげられる。
また、尿を導入する手段として、漏斗状の採尿器を用
い、これを有核細胞よりも大きい物質を除去する手段に
接続しておき、いったん他の容器に採尿することなく、
直接、前記のフィルターに尿を導入してもよい。有核細
胞よりも大きい物質が除去された尿を、有核細胞捕捉材
が包含されたフィルター手段に導入する手段としては、
チューブなどがあげられる。フィルターから有核細胞を
回収するために、フィルターに液体を注入する手段は、
フィルターに注入する液体を入れた容器を予め接続して
おくか、後から接続可能とするかにより、以下のように
分類される。
【0016】フィルターに注入する液体を入れた容器を
予め接続しておく場合は、上記手段としては、バッグ付
きチューブ、シリンジなどがあげられる。フィルターに
液体を注入する方法としては、落差による方法、バッグ
を押しつぶす方法、シリンジのプランジャーを手または
機械で押す方法などがあげられる。フィルターに注入す
る液体を入れた容器を予め接続しないで、後から接続す
る場合、シリンジが接続可能である穿刺可能なセプタム
付きチューブ、ルアーアダプター付きチューブ、三方活
栓付きチューブ、バッグと接続可能な回路、すなわち、
スパイク付きチューブ、ルアーアダプター付きチュー
ブ、あるいは無菌接続を行うのであれば、単なるチュー
ブというように適宜選択する。シリンジの場合、チュー
ブを介さずフィルターの入口または出口に直接接続して
もよい。
【0017】フィルターに注入する流体としては、細胞
に悪影響を及ぼすものでなければいかなる液体も使用で
きるが、いくつかを例示すると、生理食塩水、D−PB
S(ダルベッコリン酸塩緩衝液)、HBSS(ハンクス
液)などの緩衝液、RPMI−1640などの培地があ
げられる。これらの液体に、細胞保護、栄養補給、抗凝
固性付与、凍結 保存時の凍害防止、粘度向上(回収率
向上に有効な場合がある)などの目的で、必要に応じ
て、アルブミン、グロブリン、グルコース、サッカロー
ス、トレハロース、クエン酸化合物、EDTA、ジメチ
ルスルホキシド、デキストラン、ポリビニルピロリド
ン、グリセリン、キチン誘導体、ヒドロキシエチルデン
プン、ゼラチンなどを添加してもよい。なお、ここでい
う流体とは、液体のみならず、液体と気体の混合物も含
む。
【0018】有核細胞を回収する手段としては、回収し
た細胞含有液体を漏洩せず、また細胞に対して悪影響を
及ぼさないものであればどのようなものも使用できる。
その具体例としては、細胞を回収する容器を予め接続し
ておくか、後から接続するかにより以下のように分類さ
れる。
【0019】すなわち、予め接続しておく場合は、上記
手段としては、バッグ付きチューブ、シリンジ付きチュ
ーブなどがあげられる。後から接続する場合は、バッグ
やシリンジと接続可能な回路、すなわち、スパイク付き
チューブ(バッグと接続可能)、ルアーアダプター付き
チューブ(ルアー付きバッグやシリンジと接続可能)、
単なるチューブ(無菌接続装置を用いることで、チュー
ブ付きバッグのチューブに接続可能)というように使い
分ける。また、チューブの先端を開放しておいて、先端
から流出する液体をコニカルチューブやビーカー等の容
器に滴下し回収することもできる。ただし、この場合は
開放系操作となるため、無菌操作に厳重な注意が必要で
ある。
【0020】フィルターに尿を導入する手段と、フィル
ターに捕捉されていた有核細胞を回収する手段の位置関
係は、濾過時の通液方向と同一方向に液体を注入する場
合には、液体を導入する手段は、フィルター入口より上
流に、細胞を回収する手段はフィルター出口より下流に
接続される。濾過時の通液方向とは逆方向に液体を注入
する場合には、液体を導入する手段はフィルター出口よ
り下流に、細胞を回収する手段はフィルター入口より上
流に接続される。濾過時の通液方向とは逆方向に流体を
注入することが高い回収率が得られる傾向にあるのでよ
り好ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に実施例により本発明を具体
的に説明するが、本発明はこれにより限定されるもので
はない。
【0022】
【実施例1】本実施例は有核細胞の一つである、白血球
の回収を企図したものである。 (1)有核細胞捕捉材 平均繊維径2.3μmのポリエステル不織布(目付約6
0g/m2、嵩高約0.3mm)18枚と、平均繊維径
12μmのポリエステル不織布(目付約100g/
2、嵩高約0.47mm)16枚を重ね、押し切りカ
ッターで35mm角に切断し、有核細胞細胞捕捉材とし
た。 (2)フィルターおよび細胞分離回収装置 図1の、本発明の有核細胞分離工程図に基づいて説明す
る。(1)で作成した有核細胞捕捉材を、容器外寸(縦
×横×厚 み)41×41×18mmで、液体流出口と
液体流入口を対角線上に持つポリカーボネート製容器の
出口側に平均繊維径12μmのポリエステル不織布がく
るように積層してフィルター5とした。フィルターの入
口側には、先端がスパイク1で、途中に細胞回収バッグ
4への分岐を有する三方活栓3と孔径15μmのポリエ
チレン製メッシュを内部に包含するインラインメッシュ
チャンバー(コシナ社製、製品番号4315)2を有す
るチューブを接続した。フィルター5の出口側には、途
中に三方活栓6を有し、末端がドレインバッグ7に接続
されたチューブが接続されている。
【0023】(3)原料尿 10人の健常人ボランティアドナーから合計約3リット
ルの尿を収集し、輸液用バッグ(容量3リットル)に入
れた。 (4)細胞分離回収操作 (1)で作製した細胞分離回収装置のスパイク1に、
(3)の原料尿バッグを接続した。三方活栓3は原料尿
バッグとフィルター5のみが連通する方向に、三方活栓
6はフィルター5とドレインバッグ7のみが連通する方
向に開放し、原料尿をインラインメッシュチャンバー2
を経由しフィルター5に落差で通液して濾過した。次
に、三方活栓6に生理食塩水50mlを入れた50ml
注射器(ルアーロック口)を接続し、三方活栓6は注射
器とフィルター5のみが連通する方向にし、三方活栓3
はフィルター5と細胞回収バッグ4のみが連通する方向
に開放した。シリンジのプランジャーを手で押すことに
よって、フィルター5に捕捉されている細胞を回収バッ
グ4に回収した。
【0024】(5)分析 細胞回収バッグ4に回収された有核細胞浮遊液の白血球
数を(シスメックス社製「SF3000」)を用いて測
定した。なお、本実施例では、健常人尿を用いたため、
存在する白血球は微量であった。したがって、本来なら
ば、原料尿と回収後の白血球数を測定して本フィルター
による回収率を算出すべきであるが、分離前(原料尿)
の白血球数を測定することが困難であることから、分離
後の白血球数のみ、すなわち本フィルターにより白血球
が分離回収されることの確認とした。 (6)結果 本分離操作により、4.4×106の白血球が回収され
たことが明らかになった。本分離操作に要した時間は約
2分であった。
【0025】
【発明の効果】本発明によると、簡便な操作で、短時間
に、尿から有核細胞を分離できる。そのため、従来、省
みられなかった尿中細胞を用いた再生医療などの研究の
進展や尿の臨床検査の発展に対する貢献が極めて大き
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による有核細胞分離工程図。
【符号の説明】
1 スパイク 2 インラインメッシュチャンバー 3 3方活栓 4 回収バッグ 5 フィルター 6 3方活栓 7 ドレインバッグ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 尿から有核細胞を分離する方法であっ
    て、有核細胞よりも大きい物質を尿から除去した後に、
    有核細胞よりも大きい物質が除去された尿を、有核細胞
    捕捉材が包含されたフィルターに導入して有核細胞を捕
    捉させ、次いで、フィルターに流体を導入して捕捉され
    ている有核細胞を回収する工程を含むことからなる有核
    細胞分離方法。
  2. 【請求項2】 尿から有核細胞を分離するフィルター装
    置であって、液体流入口と液体流出口を有する容器に有
    核細胞捕捉材が包含されたフィルター、フィルターの液
    体流入口より上流にあって、有核細胞よりも大きい物質
    を尿から除去する手段、有核細胞よりも大きい物質を除
    去する手段に尿を導入する手段、有核細胞よりも大きい
    物質が除去された尿をフィルター手段に導入する手段、
    フィルターから有核細胞を回収するためにフィルターに
    流体を注入する手段、及び有核細胞を回収する手段を含
    む有核細胞分離装置
  3. 【請求項3】 有核細胞捕捉材が、繊維塊、織布、不織
    布およびスポンジ状多孔質体からえらばれた少なくとも
    一種である請求項2記載の有核細胞分離装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008086235A (ja) * 2006-09-29 2008-04-17 Kaneka Corp 細胞回収方法及び細胞回収フィルター
JP2011509657A (ja) * 2008-01-09 2011-03-31 サイトシステムズ リミテッド 濾過により生体物質を分離する装置および方法

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