JP2001160907A - 写真記録要素の画像形成方法および画像形成処理装置 - Google Patents

写真記録要素の画像形成方法および画像形成処理装置

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JP2001160907A
JP2001160907A JP34324099A JP34324099A JP2001160907A JP 2001160907 A JP2001160907 A JP 2001160907A JP 34324099 A JP34324099 A JP 34324099A JP 34324099 A JP34324099 A JP 34324099A JP 2001160907 A JP2001160907 A JP 2001160907A
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Hiroaki Takano
博明 高野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、撮影画面面積が縮小化され
たり、あるいは拡大プリントされる感光材料の色ノイズ
の劣化を伴わないで画質向上を達成する画像形成方法及
びその処理装置を提供することにある。 【解決手段】 写真記録要素の画像情報を複数の画素を
有する画像入力媒体を介しデジタル的に読み取り、その
デジタル画像情報を輝度情報と色情報とに分離する画像
形成方法において、該輝度情報にのみ画像処理を施すこ
とを特徴とする画像形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、写真記録要素の画
像形成方法および画像形成処理装置に関する。詳しく
は、画像情報をデジタル的に読み取った後、画像処理に
より画像形成する写真システムを簡易化する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀写真感光材料の中でも一般
的な撮影用カラー感光材料(以降、単に感光材料あるい
はフィルムとも言う)の形態としては、青色光を記録し
てイエロー色素画像を形成する単位、緑色光を記録して
マゼンタ色素画像を形成する単位及び赤色光を記録して
シアン色素画像を形成する単位からなる。発色現像処理
において、潜像を有するハロゲン化銀粒子を銀に還元す
る過程で発色現像主薬が酸化され、その発色現像主薬の
酸化体と色素供与性カプラーとの間でのカップリング反
応により、色素画像を形成する。未現像のハロゲン化銀
は定着工程により除去され、又現像銀は漂白、定着工程
により除去される。得られた感光材料の色素画像は、カ
ラーペーパー等に光学的に露光し、感光材料同様の現
像、漂白及び定着工程を施す事により、ポジのカラープ
リントが得られる。
【0003】このようなハロゲン化銀写真感光材料の形
態は、感光材料の構成を非常に複雑なものにしている。
例えば、少なくとも3種の感光性層を含有するだけでな
く、これら感光性層の感色性や色分離性を高める為にイ
エローコロイド銀や染料、色素形成カプラー、カラーペ
ーパー等に光学的に露光する際の色の忠実性を高める為
のマスキング用カラードカプラー、ハレーション防止の
為の微粒子黒色コロイド銀や染料等、多種多様の機能を
付加させている。
【0004】カラー感光材料の形態は、35mmサイズ
(135とも称す)と呼ばれる、縦24mm×横36m
mの撮影面積(864mm2)に1回分の撮影情報を光
学的に記録するものがあり、現在はこのサイズのものが
広く用いられている。
【0005】一方、35mmサイズフィルムを用いるシ
ステムでも、1回分の撮影画面面積を小さくするように
設定されたカメラ、及びこの縮小された撮影記録情報を
カラーペーパーに光学的な露光を行うプリンターよりな
る写真システムがある。
【0006】例えば、1コマの撮影画面面積を縦13m
m×横36mm(面積468mm2)に設定したパノラ
マサイズがよく知られている。標準サイズとパノラマサ
イズの切り替え機能が設けられたカメラ、又はパノラマ
撮影専用に製造されたカメラで撮影し、現像後カラーペ
ーパーへのプリント等により、一般的なプリントサイズ
に比べ、縦の長さが同じで横の長さを254mmにした
パノラマサイズプリントを得ることができる。
【0007】また、35mmサイズフィルムの1コマに
9mm×12mmの画面サイズで8分割して記録する連
続撮影写真システム(又は連写機能とも称す)も知られ
ており、ゴルフのスイングチェックなどの用途に用いら
れている。この場合、カメラは8個分のレンズやシャッ
ター、及びこれらを連続的に動作させる為の複雑な機構
を有した特殊なカメラが必要となる。さらに、撮影画面
面積を、縦17mm×横24mm(撮影面積408mm
2)に設定し、全撮影記録枚数を通常の倍にできるもの
として規格化されたハーフサイズや、立体写真(又は3
Dと称す)などが、35mmサイズフィルムを用いた1
コマの撮影画面面積の小さい写真システムとして知られ
ている。
【0008】また、上記35mmサイズ以外のフィルム
形態としては、アドバンスドフォトシステム(APS)
対応の縦17mm×横30mm(撮影面積510m
2)のフィルムサイズ、110フィルムの縦13mm
×横17mm(撮影面積221mm2)、ミノックスの
縦8mm×横11mm(撮影面積88mm2)やディス
クフィルムなどの形態があり、いずれも35mmサイズ
より縦、横ともに縮小された撮影記録面積を使用し、カ
メラやレンズつきフィルムのコンパクト化や写真システ
ムの簡易化、あるいは撮影用途を拡大させることを目的
に規格されている。
【0009】しかしながら、35mmサイズフィルムよ
りも撮影画面面積を小さくしたり、一部を拡大して用い
たり(高倍率拡大プリントやトリミング)、あるいは3
5mmサイズフィルムの1コマの撮影画面領域を複数の
コマに分割記録し、アナログプリンター等でカラープリ
ントを作製した場合に、以下に述べるような問題点が生
じる。すなわち、その画像情報の記録密度が低下するこ
とにより、フィルムの粒状度や色素雲サイズに起因する
色ノイズの影響の増大、あるいはフィルムサイズが小さ
いことによるレンズ性能やフィルムピント面精度の影響
の増大、拡大倍率が高いことによる傷、埃等による影響
が増大し、その結果として鮮鋭感の低下、粒状感の悪化
等の画質の低下を招くだけでなく、安定したプリント品
質や高い生産効率を維持出来ないなどの問題が生じる。
【0010】感光材料における撮影形態としては、撮影
者自らがカメラにフィルムをセットして撮影する場合
と、レンズ付きフィルムのようにレンズやカメラ本体に
相当する部品にすでにフィルムがセットされており、撮
影者が直接フィルムに手を触れることなく撮影する場合
がある。前者は、撮影者自身が撮影レンズやフィルムの
種類を選択し、フィルムに記録される画質を適宜選択で
きるシステムである。後者は、たとえ適正露光を得るた
めのストロボが備えられていても、安価なレンズと高感
度なフィルムが一般的に用いられる為、多くの場合、前
者に比較すると得られるプリント画質は低下する。
【0011】よって、レンズ付きフィルムを用いて撮影
した記録情報からアナログプリンター等で作製される一
般的なプリントサイズでは、記録情報の画質低下を抑制
することは実質的に不可能であり、さらに撮影画面面積
の縮小化あるいは一部分を高い倍率で拡大して使用する
写真システムとの組み合わせにおいては、鮮鋭感の低
下、粒状感の悪化を招き、さらに画質を低下させること
になる。
【0012】近年、パーソナルコンピューターの普及及
び記録メディアの高密度化により、発色現像済み感光材
料の記録情報を、フィルムスキャナー等の装置を用いて
電子画像情報に変換し、画像処理等の加工を行った後、
銀塩ペーパーやその他の材料に出力するという機会が増
えてきている。特開平10−111548号公報には、
このような画像情報の読み取りに適合させたカラー写真
記録要素、画像形成方法及びその装置が開示されてい
る。
【0013】また、EP第526,931号公報には、
従来のような発色現像済みカラーフィルムからカラーぺ
ーパーへの光学的投影露光方式を用いず、デジタル的な
読み取り方法による画像作製処理の迅速化方法が開示さ
れている。同様に、特開平6−266066号公報に
は、感光材料において色素画像を形成せず、残存銀や現
像銀の情報をデジタル的に読み取る方法が開示されてい
る。また、特開平9−146247号公報には、残存銀
を有する現像済み感光材料を、光学的なペーパーへの投
影露光と、拡散光を読み取り光としたネガフィルムスキ
ャナーを用いたデジタル的読み取りの両方に適応出来る
方法が開示されている。
【0014】特開平6−028468号公報には、感光
材料に記録された画像情報をデジタル的に読み取る際、
赤外波長領域の画像情報を用いる方法が開示されてい
る。このような方式を用いた技術としては、Appli
ed Science Fiction社のDigit
al ICEが知られており、またこの機能を採用した
商品としては、ニコン社製LS2000などがある。こ
の様な非可視域画像情報の利用は、感光材料の表面の
埃、キズあるいはカビといった画質低下要因を除去する
事を目的とした表面欠陥補正技術であり、同様な目的の
為の技術が特公平7−097402号公報、特開平10
−111930号公報に開示されているが、いずれにお
いても撮影画面面積の縮小化や、一部を拡大して使用す
ることによる読み取り画像の鮮鋭感や粒状感などの画質
支配因子の低下を改良できるものではない。
【0015】一方、デジタル画像処理により、鮮鋭感や
粒状感などの画質を改善できることが一般的に知られて
いる。例えば、空間領域で行うフィルタリングによる鮮
鋭化処理の手段であるラプラシアンフィルタ、平滑化の
手段として移動平均法やメディアンフィルタなどの平滑
化フィルタがその一例である。このようなデジタルフィ
ルタ処理については、デジタル画像処理入門(酒井幸市
著 コロナ社)やC言語で学ぶ実践画像処理(八木伸行
その他著 オーム社)等に記載されている。
【0016】また、上記画像処理機能(空間フィルタ)
を備えた市販のソフトウェアとしては、Adobe社製
フォトショップのフィルタ機能(アンシャープマスクや
ノイズ&スクラッチ)や、コニカ社製のフォトショップ
用プラグインソフトのノイズ除去ソフト等が知られてい
る。
【0017】平滑化処理は、特定の箇所に適応しその表
現効果を活用したり、傷や埃などの不要な情報を低減さ
せるなどの目的でオペレータ自身の判断によりパラメー
タを調整し、実行される。
【0018】平滑化処理は、フィルムスキャナーやデジ
タルカメラなどの固体撮像素子(半導体イメージセンサ
ー)の電気的なランダム雑音を除去する為にも用いられ
ている。ノイズの要因が特定され、周波数特性が既知の
場合は、フーリエ変換などの周波数領域によりフィルタ
リングを行う。
【0019】しかしながら、フィルムスキャナーのよう
にフィルムに記録された情報を忠実に読み取ることを基
本的な機能とする装置においては、以下の様な機能に対
しては未だ充分な機能を備えていないのが現状である。
例えば、入力段階で記録画像情報の画質を向上させる機
能、具体的には、撮影画面面積の縮小に伴う粒状感の悪
化や画像記録面積の一部を拡大し読み込むことに伴う粒
状感の悪化を予測する機能、前もって経験的に調べた情
報によって粒状感の劣化を抑制する機能、あるいは粒状
感等を好ましく改善させる機能などである。
【0020】フィルムスキャナー読み取り画像に対して
の鮮鋭化処理は、表現効果での活用だけでなく、以下の
ようなケースにおいて用いられる。例えば、撮影時のピ
ント調整不良による主要な被写体のボケの修正、一部拡
大時でのピントずれが認識されやすくなった事の修正、
デジタル的に読み取る際のピント調整不良、読み取りの
解像度設定を低く設定したり、あるいは装置の光学性能
が低いことによるボケの修正等に対し、より正確な情報
を得る為に用いられる。
【0021】一方、デジタルカメラの撮影画像に対して
のフィルタリングも、同様に撮影時のピンボケやカメラ
レンズなどの光学系の性能に起因する鮮鋭性の低下を改
善する目的で、オペレータが鮮鋭化処理を施す。平滑化
処理同様、オペレータが対象の画像を観察しながら施す
このような画像処理には、より構成が簡単な空間フィル
タが用いられる。しかしながら、空間フィルタは処理法
や処理パラメータの設定によっては、不要なノイズを含
む特定の周波数成分の強調を伴うため、結果的に平滑化
処理量も増大し、必要な信号の周波数領域や階調などの
情報損失を生じ、画質バランスの低下した画質となる。
【0022】現状においては、情報を忠実に読み取る為
の機能がフィルムスキャナー(アナログ、デジタル変換
装置)に求められていたり、装置に起因する画質低下要
因を低減させる為の過度なデジタル処理が行われていた
り、あるいはオペレータが画質の向上処理を施す際の画
質のばらつきや不効率などの問題を招く結果となってい
るのが現状である。
【0023】このような問題は、撮影画面面積を縮小し
たり、一部を拡大して使用することを前提とした写真シ
ステムにおいても、読み取った画像の画質を向上させる
過程において同様に起こりうると共に、更には前述のよ
うな感光材料の粒状や色素雲に起因する色ノイズの影響
が加わることになる。この対策として、得られた記録画
像に対し鮮鋭化処理を施すと、鮮鋭感は向上するが、そ
の一方では同時に色ノイズも強調されるため、結果的に
は鮮鋭化処理の適応量を制限したり、平滑化処理を施し
ても、色ムラが残ってしまうなどの問題が生じる。さら
に、階調補正、とりわけコントラスト強調処理や、彩度
強調処理を施した場合では、同様に色ノイズ強調を伴う
為、画質向上の妨げになっている。
【0024】テレビジョン、ビデオあるいはデジタルカ
メラなどの分野では、画像情報は輝度信号と色信号に分
けて取り扱われることが一般的に知られている。画質の
支配因子の1つである鮮鋭性は、輝度情報の解像度によ
り決定され、特に色情報の解像性能の影響はなく、むし
ろかなりのボケがあっても画質への影響が小さいという
特性が知られており、これを利用して、ビデオカメラや
近年急速な勢いで普及し始めているデジタルスチルカメ
ラなどでは、輝度と相関の高い緑の画素を多くし、赤及
び青の画素を減らしたベイヤー配列と呼ばれるカラーフ
ィルターが用いられている。コンベンショナルカラーネ
ガフィルムのA/D変換時においても、不十分なフィル
ム性能や、撮影画面面積を縮小したり、あるいは一部を
高い拡大倍率で用いることに伴う画質低下の改善に対し
て、画像処理が有効であることが認識されている。しか
しながら、画像処理の適応量を読み取り条件に応じて調
整し、かつ輝度情報と色情報とに異なる画像処理を施す
ことにより、例えば色ノイズの劣化を抑制するような具
体的な画像形成方法は、特には知られていない。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、撮影画面面積が縮小化されたり、あるいは拡大プリ
ントされる感光材料の色ノイズの劣化を伴わないで画質
向上を達成する画像形成方法及びその処理装置を提供す
ることである。
【0026】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、以下の手
段によって達成された。
【0027】以下に、本発明の詳細を説明する。 1.写真記録要素の画像情報を複数の画素を有する画像
入力媒体を介しデジタル的に読み取り、そのデジタル画
像情報を輝度情報と色情報とに分離する画像形成方法に
おいて、該輝度情報にのみ画像処理を施すことを特徴と
する画像形成方法。
【0028】2.現像処理済み写真記録要素の画像情報
を複数の画素を有する画像入力媒体を介しデジタル的に
読み取り、そのデジタル画像情報を輝度情報と色情報と
に分離する画像形成方法において、該色情報にのみ画像
処理を施すことを特徴とする画像形成方法。
【0029】3.現像処理済み写真記録要素の画像情報
を複数の画素を有する画像入力媒体を介しデジタル的に
読み取り、そのデジタル画像情報を輝度情報と色情報と
に分離する画像形成方法において、該輝度情報と該色情
報各々に異なる画像処理を施すことを特徴とする画像形
成方法。
【0030】4.輝度情報に施す画像処理が、鮮鋭化処
理に続いて平滑化処理を施すことを特徴とする前記1又
は3項に記載の画像形成方法。
【0031】5.鮮鋭化処理の適応量が、撮影画面面積
又は読み取りに用いる画面面積に応じて調整されること
を特徴とする前記4項に記載の画像形成方法。
【0032】6.平滑化処理の適応量が、鮮鋭化処理の
適用量に応じて調整されることを特徴とする前記4又は
5項に記載の画像形成方法。
【0033】7.色情報に施す画像処理が、平滑化処理
であることを特徴とする前記2又は3項に記載の画像形
成方法。
【0034】8.平滑化処理の適応量が、撮影画面面積
又は読み取りに用いる画面面積に応じて調整されること
を特徴とする前記7項に記載の画像形成方法。
【0035】9.平滑化処理の適応量が、コントラスト
強調や彩度強調処理量に応じて調整されることを特徴と
する前記7又は8項に記載の画像形成方法。
【0036】10.平滑化処理が、写真記録要素のノイ
ズ特性に基づいて、マスクサイズ、マスク形状及び閾値
を変更するフィルタにより行われることを特徴とする前
記4〜9項のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【0037】11.現像処理済み写真記録要素の撮影画
面面積を検出する手段、その画像情報の少なくとも一部
を複数の画素を有する画像入力媒体を介してデジタル的
に読み取る手段、得られたデジタル画像情報に対して輝
度情報と色情報に分離する手段、該輝度情報のみに鮮鋭
化処理次いでノイズ除去のデジタル画像処理を組み合わ
せて行なう手段、該写真記録要素の撮影画面面積又はデ
ジタル的に読み取る面積に応じ鮮鋭化処理とノイズ除去
処理の各々の適応量を調整する手段、コントラスト強調
及び彩度強調を施す際に該色情報のみに平滑化処理を前
処理として施す手段、該写真記録要素の撮影画面面積又
はデジタル的に読み取る面積、コントラスト強調及び彩
度強調処理量に応じ前記平滑化処理量を調整する手段、
画像処理された画像情報を出力する手段及びこれらを自
動化する手段を有することを特徴とする画像形成処理装
置。
【0038】12.前記輝度情報と色情報に分離する手
段が、BGR成分情報からLab成分情報への変換機能
を有することを特徴とする前記1〜10項のいずれか1
項に記載の画像形成方法。
【0039】13.前記輝度情報と色情報に分離する手
段が、BGR成分情報からLab成分情報への変換機能
を有することを特徴とする前記11項に記載の画像形成
処理装置。
【0040】14.前記デジタル的な読み取り手段にお
いて、光源が赤、緑、青の発光ダイオードであり、かつ
撮像素子が面CCDであることを特徴とする前記11又
は13項に記載の画像形成処理装置。
【0041】本発明に係る写真記録要素は、カラーのネ
ガ方式、ポジ方式のいずれでもよく、特にそれらに制限
はないが、従来のようにミニラボシステム等のオートプ
リンターで直接カラーペーパー等に投影露光することを
対象としないため、カラーネガフィルムで使用されるカ
ラードカプラー等の染料は使用しないことが好ましい。
【0042】本発明に係る感光材料の形態は、特に制限
はなく、通常の35mmや110サイズ等のロールフィ
ルム形態が好ましいが、更にはディスクフィルムのよう
な円盤型であったり、あるいは発色現像処理の際にカメ
ラから撮影済みフィルムを取り出さず、現像処理機にそ
のままセットするだけで現像処理可能な設計の感光材料
でもよい。
【0043】本発明で用いることのできるカメラは、特
に制限はなく一眼レフカメラ、コンパクトカメラ、レン
ズ付きフィルムのいずれの形態でも良いが、1コマの撮
影画面面積(以下、フォーマットとも称す)が現行の3
5mmサイズより小さいことが、本発明の効果を発揮す
る上で好ましい。例えば、110カメラ、ミノックスカ
メラ、8コマ連続撮影機能や立体写真撮影機能を有した
レンズ付きフィルム、あるいはデジタル入力を前提とし
た独自のフォーマットを有したレンズ付きフィルムに連
続撮影機能や立体撮影機能を付与したもの等が挙げられ
る。
【0044】請求項1の発明でいう画像入力媒体とは、
デジタルカメラやフィルムスキャナー等の装置で用いら
れているCCDで代表される撮像素子、あるいは半導体
イメージセンサー等を指す。市販の35mmフィルムス
キャナーの一例としては、コニカ社製Qscanが知ら
れている。これらの装置で用いられる撮像素子(半導体
イメージセンサー)は、CCDを1列に配した1次元の
ラインセンサー及び走査機構から構成されるものが一般
的である。本発明においては、デジタルカメラで使用さ
れているピクセル数を100万画素程度有する2次元の
モノクロCCDエリアセンサーを用い、かつフィルタに
より赤、緑、青の各色画像情報に分けて読み込み、その
後画像を1つに合成する方法が、安価な点、読み込みに
必要な時間を短縮出来る点及びユニットの交換で性能の
向上が容易に行える点等で好ましい。
【0045】本発明に係るデジタル的な読み取り手段、
すなわち、感光材料などの媒体に記録された被写体情報
を、CCD等の撮像素子を介して電気的な信号に変換す
る工程としては、上記の方法に限定されるものでなく、
市販のフィルムスキャナーで読み取ってもよいし、直接
市販のカラーデジタルカメラで撮影してもよい。
【0046】フィルムスキャナーを用いて感光材料の画
像情報を読み取る場合には、形成されたY、M、C色素
の各情報を検知できる波長の光を用いて、全面照射ある
いはスリット走査し、その反射又は透過光量を測定する
方法が好ましい。この場合、平行光を用いるより拡散光
を用いた方が、感光材料のマット剤、傷などに起因する
表面散乱等の情報が除去できるので好ましい。また、
赤、緑、青の可視色画像情報の分離をより効率的に行う
ための方法としては、撮像素子と感光材料との間に、フ
ィルターを取り付けた回転板を設け、この回転板を回転
させて読み取りを行う方法が一般的ではあるが、本発明
においては、赤、緑、青に発光するLEDを用いて、そ
れらを順次切り替えて読み取りを行うことが好ましい。
【0047】以下に本発明に係る画像読み取り方法の一
例について説明する。図1は、本発明に係る読み取り方
式の1形態であり、画像情報読み取り部1、及び画像処
理部2からなる機能ブロック図である。なお、図中、3
はメモリ、4はユーザー操作部、5はユーザー操作用表
示部を表す。
【0048】上記読み取り部を介して得られた現像済み
感光材料の各色画像情報を用いて、合成画像処理を行
う。次いで、合成した画像情報を輝度情報と色情報に分
離する処理を施したのち、抽出された輝度情報と色情報
に対し、それぞれ最適の補正処理を施すことにより、最
も効果的な画質向上処理を行うことができる。なお、こ
こで言う輝度情報とは、被写体の明るさの情報のみで構
成された電気的な信号情報(デジタル画像情報)を意味
し、それらは、例えばモノクロフィルムやモノクロCC
Dカメラなどにより得たり、あるいはカラーフィルムや
カラーCCDカメラの画像情報に対する演算処理により
得ることができる。また、本発明における色情報とは、
フィルムスキャナー等により得られるカラーフィルムの
色画像情報、あるいはカラーCCDカメラの撮影画像情
報に対する演算により得られる色画像情報、例えば被写
体の明るさ情報と色情報に分離したL***表示系に
おけるa**値を意味する。Labとは、CIE(Co
mmission Internationale d
e I’Eclairage:国際照明委員会)の
*、a*、b*の表色系の略であり、L*が輝度情報、a
*、b*が色情報を表し、以下Labと称す。これら輝度
情報と色情報を分離する具体的な演算例としては、Ad
obe社製フォトショップを用いて行う方法を挙げるこ
とができる。
【0049】図2に、本発明の画像読み込みから画像処
理までのフローの一例を示す。画像処理には、市販のソ
フトウェア、例えば上記Adobe社製フォトショップ
を使用すれば容易に行う事が出来るだけでなく、一連の
操作を自動化することも可能である。
【0050】前述のように、本発明では通常の赤、緑、
青の各可視色分解画像情報を読み取った後、カラー画像
を合成する。カラー合成画像を得た後、その画像情報を
RGBの色成分情報から、Lab色成分情報(輝度及び
色情報)へ変換する。この処理は、例えばAdobe社
製のフォットショップなどの画像処理アプリケーション
ソフトを用いれば容易に行うことが可能である。
【0051】本発明でいう画像処理とは、具体的には画
像の鮮鋭感を強調するためのアンシャープマスキングと
称される鮮鋭化処理、ノイズを低減させるための平滑化
処理、彩度を高めるための彩度強調処理等の画質向上処
理を指す。この様な画像処理は、上記Adobe社製フ
ォトショップに代表される市販のアプリケーションソフ
トウエア等を用いて、処理対象の画像情報に対し施すこ
とができる。
【0052】また、上記各画像処理の適応量、すなわち
画像処理の最も好ましい補正条件は、例えば前記ソフト
ウエアを用いた場合には、オペレーターがCRT画面上
で、画像処理後の効果を実際に確認しながら最適条件を
決定することができる。
【0053】請求項4の発明では、輝度情報への画質処
理は、鮮鋭化処理から行い、続いて平滑化処理を行うこ
とが好ましい。輝度情報への鮮鋭化処理、次いで適応さ
れる平滑化処理の組み合わせの最適値を求める為には、
パラメータ変更によるマトリックス表示などを予備実験
として行うことが好ましい。さらにこのようなマトリッ
クス表示を自動的に行うようプログラムをプラグインソ
フトとして作成・添付したり、スキャナーのソフトウエ
アの機能として予め組み込んでおいても良い。
【0054】図3には、画像処理のマトリックスの表示
例を示す。次いで、代表的な鮮鋭化処理の一例であるア
ンシャープマスキングを用いる方法について説明する。
アンシャープマスキングHijとは、以下の式で表現さ
れるものである。
【0055】 Hij=Kij1+C(Kij1−Kij2) 式中、Kij2は画素Kij1における局所平均値であ
り、ボケ画像(低周波数成分からなる画像)となる。K
ij1−Kij2はもともとの画像からボケ画像を差し引
くことで高周波数成分を取り出すことを意味する。Cは
係数で、高周波数成分を付与させる度合いを調整するも
ので、この高周波数成分をもともとの画像に足し合わせ
ることにより、高周波数領域を強調した画像が得られ
る。このとき、高周波のノイズを同時に強調しすぎない
ようパラメータを調整し、適応量を抑えることが必要で
ある。しかし、同時にある程度のノイズ(ランダム雑
音)も強調させることは、後の平滑化処理で、必要以上
の情報の損失を防ぐことに効果を発揮する。
【0056】続いて、平滑化処理の例について説明す
る。本発明における平滑化処理としては、下記で説明す
るメディアンフィルタを用いても良いし、あるいは、後
述のノイズ特性に合わせてマスクの大きさや閾値を変更
するフォトショッププラグインソフト(コニカ社製)の
ノイズ除去機能を用いたり、あるいはフォトショップの
ボカシフィルタ(ダスト&スクラッチ社製)を用いてノ
イズを除去、低減する方法等を挙げることができる。こ
のとき、出来るだけノイズの周波数成分に対し処理を施
し、信号まで除去せず少しノイズを残すような適応量、
すなわち最適の制御量にパラメータを調整するのが好ま
しい。
【0057】代表的な平滑化処理の1つであるメディア
ンフィルタは、下式で表現される。 Kij3=median(Knm) (n,m)∈N(Kij) 式中、Kij3は、画像処理後の注目画素濃度値を表
し、Knmは、処理前の注目画素濃度値を表し、Kij
は、注目する画素の濃度値を表す。
【0058】メディアンフィルタは、局所領域内での濃
度値(以降、ピクセル値とも言う)のメディアン(中央
値)を出力するような非線形のフィルタである。局所領
域として3×3マトリックスの画素近傍を想定した場合
には、各画素の大きいほうから順に並べたときの中央値
である5番目の濃度値を出力する。
【0059】本発明においては、使用する感光材料の特
性、フィルムフォーマットサイズ、シーンの種類等の条
件変化に対して、鮮鋭化処理と平滑化処理の最適条件を
経験的に求め、自動的に行えるよう一連の作業を登録し
たりプログラムをプラグインソフトとして作成、添付し
たり、あるいはスキャナーのソフトウエアの機能として
予め組み込んでおくことも好ましい。
【0060】図4には本発明における1実施形態の画像
処理で用いるマスクMの例を示す。図5には注目画素の
ピクセル値と、マスクMのサイズとの関係を示す。
【0061】図6には注目画素のピクセル値と、閾値と
の関係を示す。図7には形状を変えたマスクM1、M
2、M3を示す。
【0062】図4に示すマスクMのサイズ(画素の範
囲)は、ユーザーがユーザー操作部(図1)で入力した
パラメータと、後述する注目画素のピクセル値とに基づ
きリニアに変化する。
【0063】処理対象となる注目画素DtをマスクMの
中心に定め、注目画素Dtのピクセル値と、注目画素D
t以外の画素(周辺画素)Dn(n=1,,,,)のピ
クセル値との差を求める。次に、この差と閾値とを比較
する。
【0064】ここで、閾値は、ユーザーがユーザー操作
部4(図1)で入力したパラメータと、注目画素Dtの
ピクセル値とに基づき2次曲線的に変化する値である。
図7は、注目画素のピクセル値と、閾値との関係を示し
た図であり、かかる関係によれば、たとえばユーザーが
パラメータとして32を入力した場合、注目画素のピク
セル値が128(中間)のときには、閾値は32とな
り、注目画素のピクセル値が0(最小)又は255(最
大)のときには、閾値は2となる。
【0065】CPU2は、注目画素Dtと周辺画素Dn
のピクセル値との差を図6の関係に基づき決定された閾
値と比較する。かかる比較により、以下に示す(1)乃
至(3)のいずれかの場合が生じる。尚、図4に示すよ
うに、便宜的にマスクM内の周辺画素を、注目画素Dt
の周囲からD1、D2...というように名前を付け、
比較は周辺画素D1から行うものとする。
【0066】(1)注目画素Dtに隣接する周辺画素D
1におけるピクセル値の差>閾値 かかる場合、注目画素Dtのピクセル値はオリジナルの
値(入力値)を維持することにより、かかる注目画素に
対する処理を終了する。すなわち、注目画素Dtと周辺
画素D1のピクセル値の差が閾値より大きければ、注目
画素Dtの周辺は、たとえば画像のエッジ部に当たる可
能性があるものとして、平滑化を行わず、原画像を維持
するようにするのである。
【0067】(2)一部の周辺画素Dnにおける画素の
差>閾値 注目画素Dtの左方に隣接する画素D1において、その
ピクセル値の差分が閾値以下であれば、注目画素Dtの
上方に隣接する画素D2のピクセル値の差分と、閾値と
を比較する。
【0068】ここで、画素D2のピクセル値の差分>閾
値ならば、画素D1のピクセル値を、注目画素Dtのピ
クセル値に対して置換することにより、かかる注目画素
に関する処理を終了する。一方、画素D2のピクセル値
の差分≦閾値ならば、注目画素Dtの下方に隣接する画
素D3のピクセル値の差分と、閾値とを比較するように
処理を続行する。
【0069】ここで、画素D3のピクセル値の差分>閾
値ならば、画素D1と画素D2のピクセル値の平均を、
注目画素Dtのピクセル値に対して置換することによ
り、かかる注目画素に関する処理を終了する。一方、画
素D3のピクセル値の差分≦閾値ならば、同じことを繰
り返すようにして処理を続行する。
【0070】(3)全ての周辺画素Dnにおけるピクセ
ル値の差<閾値 上記(2)の処理において、マスクM内全ての画素にか
かるピクセル値の差分が閾値より小さい場合に該当す
る。かかる場合、全画素の平均値を、注目画素Dtのピ
クセル値に対して置換する。すなわち、注目画素Dtと
周辺画素Dnのピクセル値の差が閾値より小さければ、
注目画素Dtの周辺は、一様な色であるとみなせるの
で、上記処理を行って色の平滑化を行うのである。
【0071】本発明の色情報への画像処理は、前述の輝
度情報へ施す平滑化処理と同様の手段を用いて行うこと
が好ましい。本発明は、コントラスト強調や彩度強調な
ど、輝度情報だけに施すことでは不十分であったり、効
果が得られない画像処理を施す際に、色情報の強調に伴
うノイズの増大を抑制する為の前処理に関する。
【0072】感光材料は、少なくともイエロー、マゼン
タ、シアンの3つの色素のそれぞれの重なりによって被
写体階調情報を記録している為、スキャナーなどの装置
によるA/D変換時の、高拡大倍率、高解像度な条件設
定によっては、解像度に寄与の大きい輝度情報に関して
は細部に至るまで十分に得られる一方、色情報について
は、色素雲の濃度変動を被写体情報に基づく階調情報以
上の精度で得る結果となり、これがコントラスト強調や
彩度強調処理などの画質向上処理に伴い、ノイズ、具体
的には色ノイズとなって画質を低下させる原因となる。
そもそも色情報は、前述のようにある程度のボケが許容
される為、平滑化処理により細部の変動を読み取り段階
よりも低く抑えてしまうことで、解像情報には全く影響
を与えずに、色ノイズのみを抑制することが可能とな
る。このノイズは、主に感光材料の粒状度に起因してい
る。実際に観察される粒状感の程度は、撮影時の露光量
が不足したケース、すなわちアンダー露光条件下でより
発現しやすくなる。これは、低露光撮影域において主に
画像を形成しているのが、大きなハロゲン化銀粒子によ
り構成されている高感度層であることに起因している。
したがって、カラーネガフィルムの場合、撮影露光条件
によりノイズ量が変動するため、このノイズ量に合わせ
て平滑化処理を施すことが、処理時間の短縮あるいは過
度の画像処理を抑制する上で好ましい。
【0073】平滑化の処理方法としては、いかなる画質
処理にもある程度の効果が得られるように、予め適用量
を経験的に求めその条件を一様に適用する処理パターン
と、画質処理の各条件に応じて画質処理の適用量を個別
に設定し適用する処理パターンとに分けられる。
【0074】上記のようにして求めた各画像処理条件
は、フィルムの種類、フォーマットごとに、画質処理の
種類とその適用量を予め登録しておき、スキャナーで読
み取った後に自動的に補正を行えるようプログラムをプ
ラグインソフトとして添付したり、あるいはスキャナー
のソフトウエアの機能として予め組み込み使用するのが
好ましい。
【0075】このようにして得られた各画像データは、
各種画像表示装置を用いて見ることができる。画像表示
装置としては、カラーもしくはモノクロCRT、液晶デ
ィスプレイ、プラズマ発光ディスプレイ、ELディスプ
レイなど任意の装置が用いられる。
【0076】請求項11でいう感光材料の撮影画面面積
を検出する手段としては、画像情報読み取り時に用いる
フィルムホルダーを自動的に認識する方法や挿入される
感光材料の巾を自動的に検出する赤外線センサー等を予
めスキャナー装置に組み入れた方法等を挙げることがで
きる。
【0077】本発明では、このようにして読み取られた
画像信号を別の記録材料上に出力して最終画像を形成す
ることを前提としている。出力する材料としては、ハロ
ゲン化銀感光材料の他、各種ハードコピー装置が用いら
れる。例えばインクジェット方式、昇華型熱転写方式、
電子写真方式、サイカラー方式、サーモオートクロム方
式、ハロゲン化銀カラーぺーパーに露光する方法、ハロ
ゲン化銀熱現像方式など様々な方式が用いられる。例え
ば、コニカ社製CRTプリンターDP−8180やデジ
タルミニラボQD−21、富士写真フィルム社製フロン
ティア350システムなどの商品が知られている。いず
れの方法でも本発明の効果は充分に発揮されるが、出力
する材料としてはハロゲン化銀感光材料が好ましい。
【0078】本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料の
ハロゲン化銀乳剤に関しては、Research Di
sclosureNo.308119(以下RD308
119と略す)に記載されているものを用いることがで
きる。
【0079】以下に記載箇所を示す。 〔項目〕 〔RD308119の頁〕 沃度組成 993 I−A項 製造方法 993 I−A項 及び994 E項 晶癖 正常晶 993 I−A項 晶癖 双晶 993 I−A項 エピタキシャル 993 I−A項 ハロゲン組成一様 993 I−B項 ハロゲン組成一様でない 993 I−B項 ハロゲンコンバージョン 994 I−C項 ハロゲン置換 994 I−C項 金属含有 994 I−D項 単分散 995 I−F項 溶媒添加 995 I−F項 潜像形成位置 表面 995 I−G項 潜像形成位置 内部 995 I−G項 適用感光材料ネガ 995 I−H項 ポジ(内部カブリ粒子含) 995 I−H項 乳剤を混合している 995 I−J項 脱塩 995 II−A項 本発明においては、ハロゲン化銀乳剤に関して、物理熟
成、化学熟成及び分光増感を行ったものを使用する。こ
の様な工程で使用される添加剤は、Research
DisclosureNo.17643、No.187
16及びNo.308119(それぞれ、以下RD17
643、RD18716及びRD308119と略す)
に記載されている。以下に記載箇所を示す。
【0080】 〔項目〕〔RD308119の頁〕〔RD17643〕〔RD18716〕 化学増感剤 996 III−A項 23 648 分光増感剤 996 IV−A−A、 B、C、D、 23〜24 648〜649 H、I、J項 強色増感剤 996 IV−A−E、J項 23〜24 648〜649 カブリ防止剤 998 VI 24〜25 649 安定剤 998 VI 24〜25 649 本発明に使用できる公知の写真用添加剤も、上記Res
earch Disclosureに記載されている。
以下に関連のある記載箇所を示す。
【0081】 〔項目〕〔RD308119の頁〕〔RD17643〕〔RD18716〕 色濁り防止剤 1002VII−I項 25 650 色素画像安定剤 1001VII−J項 25 増白剤 998V 24 紫外線吸収剤 1003VIII−I項、 XIII−C項 25〜26 光吸収剤 1003VIII 25〜26 光散乱剤 1003VIII フィルター染料 1003VIII 25〜26 バインダー 1003IX 26 651 スタチック防止剤1006XIII 27 650 硬膜剤 1004X 26 651 可塑剤 1006XII 27 650 潤滑剤 1006XII 27 650 活性剤・塗布助剤1005XI 26〜27 650 マット剤 1007XVI 現像剤(感光材料に含有) 1001XXB項 本発明には種々のカプラーを加えて使用することが出
来、その具体例は、上記Research Discl
osureに記載されている。以下に関連のある記載箇
所を示す。
【0082】 〔項目〕 〔RD308119の頁〕 〔RD17643〕 イエローカプラー 1001VII−D項 VIIC〜G項 マゼンタカプラー 1001VII−D項 VIIC〜G項 シアンカプラー 1001VII−D項 VIIC〜G項 カラードカプラー 1002VII−G項 VIIG項 DIRカプラー 1001VII−F項 VIIF項 BARカプラー 1002VII−F項 その他の有用残基放出 1001VII−F項 カプラー アルカリ可溶カプラー 1001VII−E項 上記各添加剤は、RD308119XIVに記載されてい
る分散法などにより、添加することができる。
【0083】本発明のハロゲン化銀写真感光材料には、
前述RD308119VII−K項に記載されているフィ
ルター層や中間層等の補助層を設けることができる。
【0084】本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、前
述RD308119VII−K項に記載されている順層、
逆層、ユニット構成等の様々な層構成をとることができ
る。
【0085】本発明のハロゲン化銀写真感光材料を現像
処理するには、例えばT.H.ジェームズ著、セオリイ
オブ ザ ホトグラフィック プロセス第4版(Th
eTheory of The Photografi
c Process Forth Edition)第
291頁〜第334頁及びジャーナル オブ ザアメリ
カン ケミカル ソサエティ(Journal of
the American Chemical Soc
iety)第73巻、第3、100頁(1951)に記
載されている、それ自体公知の現像剤を使用することが
でき、また、前述のRD17643 28〜29頁、R
D18716 615頁及びRD308119XIXに記
載された通常の方法によって、現像処理することができ
る。
【0086】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0087】実施例1 デーライトにカラーバランスされた多層カラー感光材料
を、以下のように作製した。 〈多層カラー感光材料の作製〉下引処理を施した厚さ1
20μmの三酢酸セルロースフィルム支持体上に、下記
組成よりなる各層を順次塗布した。
【0088】尚、添加剤の使用量は、特に断わりのない
限り、感光材料1m2当たりのグラム数で示し、ハロゲ
ン化銀乳剤及びコロイド銀は銀換算値で示す。ハロゲン
化銀粒子の粒径は、立方体換算辺長で示す。また、増感
色素は同一層中に含まれるハロゲン化銀1モル当たりの
モル数で示した。 第1層:ハレーション防止層 黒色コロイド銀 0.15 紫外線吸収剤(UV−1) 0.30 高沸点溶媒(OIL−1) 0.16 ゼラチン 1.64 第2層:中間層 ゼラチン 0.80 第3層:低感度赤感性層 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.20μm) 0.44 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.40μm) 0.11 増感色素(SD−1) 2.6×10-5 増感色素(SD−2) 2.6×10-5 増感色素(SD−3) 3.1×10-4 増感色素(SD−4) 2.3×10-5 増感色素(SD−5) 2.8×10-4 シアンカプラー(C−1) 0.35 カラードシアンカプラー(CC−1) 0.065 化合物(GA−1) 2.0×10-3 高沸点溶媒(OIL−1) 0.33 ゼラチン 0.73 第4層:中感度赤感性層 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.40μm) 0.39 増感色素(SD−1) 1.3×10-4 増感色素(SD−2) 1.3×10-4 増感色素(SD−3) 2.5×10-4 増感色素(SD−4) 1.8×10-5 シアンカプラー(C−1) 0.24 カラードシアンカプラー(CC−1) 0.040 DIR化合物(D−1) 0.025 化合物(GA−1) 1.0×10-3 高沸点溶媒(OIL−1) 0.30 ゼラチン 0.59 第5層:高感度赤感性層 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.55μm) 0.91 増感色素(SD−1) 8.5×10-5 増感色素(SD−2) 9.1×10-5 増感色素(SD−3) 1.7×10-4 増感色素(SD−4) 2.3×10-5 シアンカプラー(C−2) 0.10 カラードシアンカプラー(CC−1) 0.014 DIR化合物(D−1) 7.5×10-3 化合物(GA−1) 1.4×10-3 高沸点溶媒(OIL−1) 0.12 ゼラチン 0.53 第6層:中間層 ゼラチン 1.14 第7層:低感度緑感性層 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.40μm) 0.32 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.30μm) 0.74 増感色素(SD−6) 5.5×10-4 増感色素(SD−1) 5.2×10-5 増感色素(SD−11) 4.8×10-5 マゼンタカプラー(M−1) 0.15 マゼンタカプラー(M−2) 0.37 カラードマゼンタカプラー(CM−1) 0.20 DIR化合物(D−2) 0.020 化合物(GA−1) 4.0×10-3 高沸点溶媒(OIL−2) 0.65 ゼラチン 1.65 第8層:高感度緑感性層 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.62μm) 0.79 増感色素(SD−7) 1.4×10-4 増感色素(SD−8) 1.5×10-4 増感色素(SD−9) 1.4×10-4 増感色素(SD−11) 7.1×10-5 マゼンタカプラー(M−2) 0.065 マゼンタカプラー(M−3) 0.025 カラードマゼンタカプラー(CM−2) 0.025 DIR化合物(D−3) 7.0×10-4 化合物(GA−1) 1.8×10-3 高沸点溶媒(OIL−2) 0.15 ゼラチン 0.46 第9層:イエローフィルター層 黄色コロイド銀 0.10 化合物(SC−1) 0.14 化合物(FS−1) 0.20 高沸点溶媒(OIL−2) 0.18 ゼラチン 1.20 第10層:低感度青感性層 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.40μm) 0.17 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.30μm) 0.20 増感色素(SD−10) 5.4×10-4 増感色素(SD−11) 2.0×10-4 イエローカプラー(Y−1) 0.62 イエローカプラー(Y−2) 0.31 化合物(GA−1) 4.5×10-3 高沸点溶媒(OIL−2) 0.20 ゼラチン 1.27 第11層:高感度青感性層 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.65μm) 0.66 イエローカプラー(Y−1) 0.10 化合物(GA−1) 2.0×10-3 高沸点溶媒(OIL−2) 0.04 ゼラチン 0.57 第12層:第1保護層 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.04μm、沃化銀含有率4.0モル%) 0.30 紫外線吸収剤(UV−2) 0.030 紫外線吸収剤(UV−3) 0.015 紫外線吸収剤(UV−4) 0.015 紫外線吸収剤(UV−5) 0.015 紫外線吸収剤(UV−6) 0.10 化合物(FS−1) 0.25 高沸点溶媒(OIL−1) 0.07 高沸点溶媒(OIL−3) 0.07 ゼラチン 1.04 第13層:第2保護層 アルカリ可溶性マット剤(平均粒径2μm) 0.15 マット剤(ポリメチルメタクリレート、平均粒径3μm) 0.04 滑り剤(WAX−1) 0.04 ゼラチン 0.55 尚、上記の組成物の他に、塗布助剤Su−1、分散助剤
Su−2、粘度調整剤V−1、硬膜剤H−1、H−2、
H−3、染料AI−1、AI−2、安定剤ST−1、カ
ブリ防止剤AF−1、AF−2及び防腐剤DI−1を適
宜添加した。
【0089】上記試料の作製に用いた化合物の構造を以
下に示す。
【0090】
【化1】
【0091】
【化2】
【0092】
【化3】
【0093】
【化4】
【0094】
【化5】
【0095】
【化6】
【0096】
【化7】
【0097】
【化8】
【0098】
【化9】
【0099】〈試料101の作製〉 (感光材料の加工)上記作製した多層カラー感光材料を
巾35mm、長さ120cmの35mmフィルムサイズ
に断裁、穿孔した後パトローネに収納し、それを既存の
レンズ付きフィルムユニットに装填した。 (撮影条件)作製したレンズ付きフィルムを用いて、異
なる風景と人物(顔)を各5シーンと鮮鋭性チャートの
計11シーンについて撮影を行った後、下記に示す発色
現像処理を行い、現像処理済み試料101を作製した。
なお、本試料における1コマ当たりの撮影画面面積は、
864mm2であった。 (発色現像処理) 処理工程 処理時間 処理温度 補充量* 発色現像 3分15秒 38± 0.3℃ 780ml 漂 白 45秒 38± 2.0℃ 150ml 定 着 1分30秒 38± 2.0℃ 830ml 安 定 60秒 38± 5.0℃ 830ml 乾 燥 60秒 55± 5.0℃ − *補充量は感光材料1m2当たりの値である。
【0100】発色現像液、漂白液、定着液、安定液及び
その補充液は、以下のものを使用した。 〔発色現像液〕 水 800ml 炭酸カリウム 30g 炭酸水素ナトリウム 2.5g 亜硫酸カリウム 3.0g 臭化ナトリウム 1.3g 沃化カリウム 1.2mg ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.5g 塩化ナトリウム 0.6g 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N− (β−ヒドロキシルエチル)アニリン硫酸塩 4.5g ジエチレントリアミン五酢酸 3.0g 水酸化カリウム 1.2g 水を加えて1リットルとし、水酸化カリウムまたは20%硫酸を用いてpH1 0.06に調整する。 〔発色現像補充液〕 水 800ml 炭酸カリウム 35g 炭酸水素ナトリウム 3.0g 亜硫酸カリウム 5.0g 臭化ナトリウム 0.4g ヒドロキシルアミン硫酸塩 3.1g 4−アミノ−メチル−N−エチル−N− (β−ヒドロキシルエチル)アニリン硫酸塩 6.3g 水酸化カリウム 2.0g ジエチレントリアミン五酢酸 3.0g 水酸化カリウムまたは20%硫酸を用いてpH10.18に調整後、水を加え て1リットルとする。 〔漂白液〕 水 700ml 1,3−ジアミノプロパン四酢酸鉄(III)アンモニウム 125g エチレンジアミン四酢酸 2.0g 硝酸ナトリウム 40g 臭化アンモニウム 150g 氷酢酸 40g アンモニア水または氷酢酸を用いてpH4.4に調整後、水を加えて1リット ルとする。 〔漂白補充液〕 水 700ml 1,3−ジアミノプロパン四酢酸鉄(III)アンモニウム 175g エチレンジアミン四酢酸 2.0g 硝酸ナトリウム 50g 臭化アンモニウム 200g 氷酢酸 56g アンモニア水または氷酢酸を用いてpH4.4に調整後、水を加えて1リット ルとする。 〔定着液〕 水 800ml チオシアン酸アンモニウム 120g チオ硫酸アンモニウム 150g 亜硫酸ナトリウム 15g エチレンジアミン四酢酸 2.0g アンモニア水または氷酢酸を用いてpH6.2に調整後、水を加えて1リット ルとする。 〔定着補充液〕 水 800ml チオシアン酸アンモニウム 150g チオ硫酸アンモニウム 180g 亜硫酸ナトリウム 20g エチレンジアミン四酢酸 2.0g アンモニア水または氷酢酸を用いてpH6.5に調整後、水を加えて1リット ルとする。 〔安定液及び安定補充液〕 水 900ml パラオクチルフェニルポリオキシエチレンエーテル(n=10)2.0g ジメチロール尿素 0.5g ヘキサメチレンテトラミン 0.2g 1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン 0.1g シロキサン(UCC製L−77) 0.1g アンモニア水 0.5ml アンモニア水または50%硫酸を用いてpH8.5に調整後、水を加えて1リ ットルとする。 〈試料102〜104の作製〉次いで、以下に従って現
像処理済み試料102〜104を作製した。
【0101】試料102は、35mmサイズに断裁した
前記感光材料を試料101と同じレンズ付きフィルムユ
ニットに装填し、撮影画面面積をハーフサイズ仕様に変
更した以外は、試料101と同様にして現像済み試料を
作製した。なお、本試料の1コマ当たりの撮影面積は、
408mm2であった。
【0102】試料103は、前記感光材料を110仕様
のサイズに断裁した後、それを110用カートリッジに
装填し、市販の110用カメラを用いて、試料101と
同一の構図で撮影及び現像処理を行い、現像済み試料を
作製した。なお、本試料の1コマ当たりの撮影面積は、
221mm2であった。
【0103】試料104は、前記感光材料をMINOX
仕様のサイズに断裁した後、それをMINOX専用カー
トリッジに装填し、市販のMINOXカメラを用いて、
試料101と同一の構図で撮影及び現像処理を行い、現
像済み試料を作製した。なお、本試料の1コマ当たりの
撮影面積は、88mm2であった。 (画像読み取りとポジ画像の合成)以上のようにして得
られた各現像処理済みの試料101〜104を3種類の
LED光源(メーカー:最大ピーク波長 スタンレー社
製R:635nm、日亜化学社製G:535nm、日亜
化学社製B:470nm)を順次切り替えながら、各試
料のR、G、B色分解ネガ画像情報を2048×204
8ピクセルのモノクロCCD(イーストマンコダック社
製KX4)を用いて読み取った。
【0104】ついで、得られた各試料の3つの色分解ネ
ガ画像に、階調反転処理を施したのち、Adobe社製
フォトショップを用いてR、G、Bの各色分解情報を1
つの画像データに合成する処理を行い、RGB合成ポジ
画像を得た。 (画像処理とプリントサンプル作製)上記で作製した試
料101〜104のRGB合成画像に以下に示すブロッ
クA〜Dの画像処理を施し、プリントサンプル101〜
116を作製した。 《ブロックAの画像処理》試料101〜104のRGB
合成画像に、下記に示す鮮鋭化処理を施した後、コニカ
社製デジタルミニラボシステムQD−21及びコニカ社
製カラーペーパータイプQAA7を用いてL版サイズカ
ラープリントサンプル101〜104を作製した。 〔鮮鋭化処理における適応量の設定〕各試料の鮮鋭化処
理の適応量の設定は、以下の手順で行った。焦点距離3
5mm、F=2のレンズを装着したニコン社製一眼レフ
カメラ(F4)で、コニカ社製CENTURIA400
カラーネガフィルムを装着して、試料101と同一のシ
ーンを撮影した後、前記発色現像処理を施した後、コニ
カ社製アナログプリンターNPS858を使用し、コニ
カ社製カラーペーパータイプQAA7にL版サイズプリ
ントとして出力し、それを基準アナログプリントサンプ
ルとし、先に作製した試料101〜104の各々の合成
画像をその基準アナログプリントサンプルの鮮鋭感に近
似させる作業を行い、表1に示すようにそれぞれの試料
の適応量を決定した。 《ブロックBの画像処理》試料101〜104のRGB
合成画像に、ブロックAで行ったと同様の鮮鋭化処理に
加えて、下記に示す粒状感に係る平滑化処理を行った
後、ブロックAと同様の方法でプリントサンプル105
〜108を作製した。 〔平滑化処理−ノイズ除去処理とも言う〕コニカ社製フ
ォトショッププラグインソフトのノイズ除去機能を使用
し、前記鮮鋭化処理で使用したと同様の基準アナログプ
リントサンプルの粒状感に試料101〜104の合成画
像を近似させるよう閾値と適用領域(半径)の数値をコ
ントロールして表1に示すような平滑化処理の各適用量
を設定した。 《ブロックCの画像処理》試料101〜104のRGB
色成分情報をLab色成分情報に変換した後、輝度情報
(L*)にのみブロックAと同様の鮮鋭化処理を施し、
ブロックAと同様にしてプリントサンプル109〜11
2を作製した。 《ブロックDの画像処理》試料101〜104のRGB
色成分情報をLab色成分情報に変換した後、輝度情報
(L*)にのみブロックBと同様の画像処理を施した以
外は、ブロックCと同様にしてプリントサンプル113
〜116を作製した。
【0105】表1に各プリントサンプル作製での具体的
な画像処理条件を示す。
【0106】
【表1】
【0107】(プリントサンプルの評価)上記作製した
プリントサンプル101〜116について、官能評価を
行った。具体的には、10名のパネラーにより、作製し
たプリントサンプルの色ノイズ(色の揺らぎ、ランダム
ネス)について下記の基準に則り官能評価を行った。
【0108】《色ノイズの影響度に関する官能評価ラン
ク》 5:色ノイズの発生が全くなく、濁りのない鮮明な画像
である 4:部分的に僅かな色ノイズは認められるが、画像の鮮
明感への影響は認められない 3:全画面内に平均的な色ノイズは認められるものの、
一般的な鑑賞に際してはその影響は特に気にならず、許
容されるレベルにある 2:部分的にかなり強い色ノイズが認められ、鮮明感が
明らかに低下していると判断される 1:画面全体に強い色ノイズが認められ、鑑賞に堪えら
れない品質である。
【0109】上記評価ランクの内、3〜5ランクが実用
上許容レベルにあると判断した。以上により得られた結
果を表2に示す。
【0110】なお、表中の*1〜*6は、下記の内容を
表す。 *1:プリントサンプル作製に用いた原画の撮影記録フ
ォーマットを表す *2:35mmフォーマットを1としたときの各原画の
面積比を表す *3:原画からL版カラープリントへのプリント線倍率
を表す *4:官能評価結果の平均点が3以上のものを○、3未
満のものを×で表示した *5:ブロックAを基準としたときの各ブロックでの効
果比(画質向上比)を表す *6:*5で言う画質向上比が1.00〜1.49のも
のを△、1.50〜1.99のものを○、2.00以上
のものを◎で表した。
【0111】
【表2】
【0112】表2より、35mmフォーマットサイズで
の官能評価平均点では、各ブロック間で大きな差はみら
れないものの、本発明110〜112において、撮影画
面面積が小さいにも関わらず、官能評価平均点の向上が
みられ、高い拡大倍率で使用する感光材料の画質改善に
有効なことが確認できた。また、本発明114〜116
においても、鮮鋭化処理、ついで平滑化処理の組み合わ
せ処理の効果が認められ、本発明の効果が確認できた。
【0113】実施例2 実施例1で作製した試料101〜104のRGB合成画
像を用いて、以下のブロックE〜Gの画像処理を施し、
プリントサンプル201〜212を作製した。 《ブロックEの画像処理》試料101〜104のRGB
合成画像に、コニカ社製フォトショップを用いて彩度強
調処理を施した後、コニカ社製デジタルミニラボシステ
ムQD−21及びコニカ社製カラーペーパータイプQA
A7を用いてL版サイズカラープリントサンプル201
〜204を作製した。なお、彩度強調処理は、フォトシ
ョップの彩度強調機能を用いて、そのCRT画面上で試
料101〜104のRGB合成画像で彩度として最も好
ましい条件を設定した。 《ブロックFの画像処理》試料101〜104のRGB
合成画像に、彩度強調処理の前にブロックBで行ったと
同様のノイズ除去処理を施した以外はブロックEと同様
にしてプリントサンプル205〜208を作製した。 《ブロックGの画像処理》試料101〜104のRGB
色成分情報をLab色成分情報に変換した後、色情報
(a*、b*)にのみブロックFと同様の画像処理を施
し、ブロックFと同様にしてプリントサンプル209〜
212を作製した。
【0114】表3に各プリントサンプル作製における詳
細な画像処理条件を示す。
【0115】
【表3】
【0116】(プリントサンプルの評価)上記作製した
プリントサンプル201〜212について、実施例1と
同様の官能評価に加え、鮮鋭性チャートのシーンについ
て、CRTモニタ画面上で種々の拡大倍率におけるフィ
ルム面換算10本/mmの解像状態の観察を行った。評
価は、10名のパネラーにより、作製したプリントサン
プルの鮮鋭感について下記の基準に則り官能評価を行
い、その平均点を求めた。 5.非常に良く〜良く解像している 4.良く〜十分解像している 3.十分〜やや解像している 2.やや解像している〜解像していない 1.全く解像していない。
【0117】以上により得られた結果を表4示す。な
お、表中*7は、ブロックEに対するF、Gブロックの
鮮鋭性官能評価値の差を表し、また*8は、前記*7の
値が0.5以上を×、0.25〜0.49を△、0.2
4以下を○で表示している。
【0118】
【表4】
【0119】表4より明らかなように、本発明に係るプ
リントサンプル209〜212は、彩度強調に伴う色ノ
イズの増加が少なく、かつ鮮鋭感の劣化の少ない良好な
画質が得られたことが判り、本発明の効果があることは
明らかである。
【0120】実施例3 実施例1で作製した試料101〜104のRGB合成画
像を用いて、以下のブロックH、Iの画像処理を施し、
プリントサンプル301〜308を作製した。 《ブロックHの画像処理》試料101〜104のRGB
合成画像に、実施例1のブロックAと同様の鮮鋭化処理
を施し、次いで実施例2のブロックFと同様のノイズ除
去処理及び彩度強調処理を施した後、コニカ社製デジタ
ルミニラボシステムQD−21及びコニカ社製カラーペ
ーパータイプQAA7を用いてL版サイズカラープリン
トサンプル301〜304を作製した。 《ブロックIの画像処理》試料101〜104のRGB
色成分情報をLab色成分情報に変換した後、L*情報
に、ブロックCと同様の鮮鋭化処理を施し、次いでa*
b*情報に対しブロックGと同様にノイズ除去処理及び
彩度強調処理を施した後、コニカ社製デジタルミニラボ
システムQD−21及びコニカ社製カラーペーパータイ
プQAA7を用いてL版サイズカラープリントサンプル
305〜308を作製した。
【0121】ブロックH及びIの詳細な画像処理条件を
表5に示す。
【0122】
【表5】
【0123】以上のようにして作製したプリントサンプ
ル301〜308について、実施例1と同様の官能評価
を行い、得られた結果を表6に示す。
【0124】
【表6】
【0125】表6より明らかなように、本発明に係るプ
リントサンプル305〜308は、実施例1で確認され
た画質向上効果に加えて、彩度強調に伴う色ノイズの増
加が少ない極めて高画質のプリントサンプルであり、本
発明の効果が確認できた。
【0126】
【発明の効果】本発明により、撮影画面面積が縮小化さ
れたり、あるいは拡大プリントされる感光材料の色ノイ
ズの劣化を伴わないで画質向上を達成する画像形成方法
及びその処理装置を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1形態であり、画像読み取り部及び画
像処理部等からなる機能ブロック図である。
【図2】本発明の画像読み込みから画像処理までを示す
フロー図の一例である。
【図3】画像処理のマトリックスの表示例を示す概念図
である。
【図4】本実施の形態の画像処理において用いるマスク
Mを示す概念図である。
【図5】注目画素のピクセル値とマスクMのサイズとの
関係を示すグラフである。
【図6】注目画素のピクセル値と閾値との関係を示すグ
ラフである。
【図7】形状を変えたマスクM1、M2、M3を示す概
念図である。
【符号の説明】
1 画像情報読み取り部 2 画像処理部(CPU) 3 メモリ 4 ユーザー操作部 5 ユーザー操作用表示部 6 画像出力装置(プリンター) M マスク M1 マスク1 M2 マスク2 M3 マスク3
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04N 1/409 H04N 1/04 D 5C079 1/46 1/40 101D 101C 1/46 Z Fターム(参考) 2H106 AB04 BA55 BH00 2H110 CE02 5B057 AA20 BA02 BA26 BA30 CA01 CA08 CA12 CA16 CB01 CB08 CB12 CB16 CC02 CE02 CE03 CE05 CE06 CE17 CE18 CH08 CH18 DA08 DA16 DA17 DB02 DB06 DB09 DC04 DC36 5C072 AA05 BA19 CA05 EA05 QA06 QA14 QA16 RA10 UA18 VA03 XA10 5C077 LL19 MM03 MP08 PP02 PP03 PP31 PP32 PP36 PP46 PP47 PP60 PP68 PQ08 PQ20 RR15 SS03 SS05 SS07 TT09 5C079 HB01 HB08 LA14 LA15 LA23 LA31 LA37 MA17 MA19 NA02 PA08

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 写真記録要素の画像情報を複数の画素を
    有する画像入力媒体を介しデジタル的に読み取り、その
    デジタル画像情報を輝度情報と色情報とに分離する画像
    形成方法において、該輝度情報にのみ画像処理を施すこ
    とを特徴とする画像形成方法。
  2. 【請求項2】 現像処理済み写真記録要素の画像情報を
    複数の画素を有する画像入力媒体を介しデジタル的に読
    み取り、そのデジタル画像情報を輝度情報と色情報とに
    分離する画像形成方法において、該色情報にのみ画像処
    理を施すことを特徴とする画像形成方法。
  3. 【請求項3】 現像処理済み写真記録要素の画像情報を
    複数の画素を有する画像入力媒体を介しデジタル的に読
    み取り、そのデジタル画像情報を輝度情報と色情報とに
    分離する画像形成方法において、該輝度情報と該色情報
    各々に異なる画像処理を施すことを特徴とする画像形成
    方法。
  4. 【請求項4】 輝度情報に施す画像処理が、鮮鋭化処理
    に続いて平滑化処理を施すことを特徴とする請求項1又
    は3に記載の画像形成方法。
  5. 【請求項5】 鮮鋭化処理の適応量が、撮影画面面積又
    は読み取りに用いる画面面積に応じて調整されることを
    特徴とする請求項4に記載の画像形成方法。
  6. 【請求項6】 平滑化処理の適応量が、鮮鋭化処理の適
    用量に応じて調整されることを特徴とする請求項4又は
    5に記載の画像形成方法。
  7. 【請求項7】 色情報に施す画像処理が、平滑化処理で
    あることを特徴とする請求項2又は3に記載の画像形成
    方法。
  8. 【請求項8】 平滑化処理の適応量が、撮影画面面積又
    は読み取りに用いる画面面積に応じて調整されることを
    特徴とする請求項7に記載の画像形成方法。
  9. 【請求項9】 平滑化処理の適応量が、コントラスト強
    調や彩度強調処理量に応じて調整されることを特徴とす
    る請求項7又は8に記載の画像形成方法。
  10. 【請求項10】 平滑化処理が、写真記録要素のノイズ
    特性に基づいて、マスクサイズ、マスク形状及び閾値を
    変更するフィルタにより行われることを特徴とする請求
    項4〜9のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  11. 【請求項11】 現像処理済み写真記録要素の撮影画面
    面積を検出する手段、その画像情報の少なくとも一部を
    複数の画素を有する画像入力媒体を介してデジタル的に
    読み取る手段、得られたデジタル画像情報に対して輝度
    情報と色情報に分離する手段、該輝度情報のみに鮮鋭化
    処理次いでノイズ除去のデジタル画像処理を組み合わせ
    て行なう手段、該写真記録要素の撮影画面面積又はデジ
    タル的に読み取る面積に応じ鮮鋭化処理とノイズ除去処
    理の各々の適応量を調整する手段、コントラスト強調及
    び彩度強調を施す際に該色情報のみに平滑化処理を前処
    理として施す手段、該写真記録要素の撮影画面面積又は
    デジタル的に読み取る面積、コントラスト強調及び彩度
    強調処理量に応じ前記平滑化処理量を調整する手段、画
    像処理された画像情報を出力する手段及びこれらを自動
    化する手段を有することを特徴とする画像形成処理装
    置。
  12. 【請求項12】 前記輝度情報と色情報に分離する手段
    が、BGR成分情報からLab成分情報への変換機能を
    有することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項
    に記載の画像形成方法。
  13. 【請求項13】 前記輝度情報と色情報に分離する手段
    が、BGR成分情報からLab成分情報への変換機能を
    有することを特徴とする請求項11に記載の画像形成処
    理装置。
  14. 【請求項14】 前記デジタル的な読み取り手段におい
    て、光源が赤、緑、青の発光ダイオードであり、かつ撮
    像素子が面CCDであることを特徴とする請求項11又
    は13に記載の画像形成処理装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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