JP7408822B2 - 画像露光装置、画像露光方法、及びプログラム - Google Patents

画像露光装置、画像露光方法、及びプログラム Download PDF

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Description

本開示の技術は、画像露光装置、画像露光方法、及びプログラムに関する。
画像表示装置から出射される光を感光性記録媒体(例えば、インスタントフィルム)に露光する画像露光装置が知られている。感光性記録媒体には、画像露光装置に表示された表示画像が記録される。この画像露光装置は、インスタントカメラ等に用いられる。
また、感光性記録媒体に記録される記録画像にボケが生じることを抑制するために、画像表示装置と感光性記録媒体との間に、画像表示装置から感光性記録媒体へ照射される光の角度を制限する制限部材を設けることが知られている。制限部材は、画像表示装置から感光性記録媒体に照射される光から拡散光を抑制する。
しかし、制限部材の構造によっては、制限部材から出射された光が拡散する場合がある。この場合には、感光性記録媒体に記録される記録画像において、エッジ部分(例えば、被写体の輪郭)の濃度差が小さくなることにより視認性が低下する。すなわち、記録画像にボケが生じる。
国際公開第2019/187751号では、制限部材から出射された光が拡散することに起因して生じる記録画像のボケを抑制するために、表示画像の高周波成分の濃度差を強調することが提案されている。
国際公開第2019/187751号に記載の技術では、表示画像の高周波成分の濃度差を強調する際に、明部と暗部とを同じ重みで強調している。このように、表示画像の高周波成分の濃度差を強調した場合には、制限部材を単に設けた場合と比較して、記録画像のボケを抑制する効果が得られる。
国際公開第2019/187751号に記載の技術を用いた場合には、高周波成分の濃度差の強調度を上げると記録画像の明暗が強調される。しかしながら、本出願人は、一定以上強調度を上げた場合には、表示画像のうち強調された明部により、記録画像の明暗の強調効果が打ち消されることがあることを確認した。したがって、一定以上強調度を上げた場合には、記録画像の解像感が向上しないことがある。
本開示の技術は、記録画像の解像感を向上させることを可能とする画像露光装置、画像露光方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本開示の画像露光装置は、複数の画素を有し、複数の画素から光を感光性記録媒体に照射する画像表示装置と、感光性記録媒体を露光面が画像表示装置に対向する状態に支持する支持部材と、画像表示装置と支持部材との間に設けられ、かつ画像表示装置から感光性記録媒体に照射される光の角度を制限する制限部材と、プロセッサとを備え、プロセッサは、入力画像の高周波成分の濃度差のうち、暗部のみを強調することにより生成した表示画像を画像表示装置に表示させる制御を行う。
プロセッサは、入力画像の高周波成分の濃度差のうち、暗部に加えて明部を強調することにより表示画像を生成し、暗部の強調度が明部の強調度よりも高いことが好ましい。
プロセッサは、入力画像からアンシャープマスク処理により抽出した高周波成分の濃度差を強調することが好ましい。
プロセッサは、画像表示装置の解像度(単位:ppi)をDとした場合に、暗部を強調する範囲を、M=30/(2.54×1000/D)の関係式により得られる値M(単位:画素数)に応じた範囲とすることが好ましい。
プロセッサは、ガウシアンフィルタの標準偏差を値M以下とし、入力画像からガウシアンフィルタを用いたアンシャープマスク処理を行うことにより高周波成分を抽出することが好ましい。
制限部材は、拡散光学系の光学部材であることが好ましい。
光学部材は、画像表示装置の画素の配列面と平行となる面上における第1の方向に、光を透過する第1の光透過部と光を遮蔽する第1の光遮蔽部とが交互に配置され、かつ、第1の方向に非平行で、面上における第2の方向に、光を透過する第2の光透過部と光を遮蔽する第2の光遮蔽部とが交互に配置されたルーバフィルムであることが好ましい。
光学部材は、画像表示装置の画素の配列面と平行となる面上における第1の方向に、光を透過する第1の光透過部と光を遮蔽する第1の光遮蔽部とが交互に配置され、かつ、第1の方向に垂直で、面上における第2の方向に、光を透過する第2の光透過部と光を遮蔽する第2の光遮蔽部とが交互に配置されたルーバフィルムであることが好ましい。
ルーバフィルムは、第1の方向にのみ第1の光透過部と第1の光遮蔽部とが交互に配置された第1の層と、第2の方向にのみ第2の光透過部と第2の光遮蔽部とが交互に配置された第2の層と、が積層されていることが好ましい。
ルーバフィルムの厚みは、2.0mm以上でかつ4.0mm以下であり、第1の光遮蔽部及び第2の光遮蔽部の配列ピッチは、80μm以下であることが好ましい。
制限部材は、感光性記録媒体から一定距離、離れて配置されることが好ましい。
一定距離は、0.67mm以下であることが好ましい。
本開示の画像露光方法は、複数の画素を有し、複数の画素から光を感光性記録媒体に照射する画像表示装置と、感光性記録媒体を露光面が画像表示装置に対向する状態に支持する支持部材と、画像表示装置と支持部材との間に設けられ、かつ画像表示装置から感光性記録媒体に照射される光の角度を制限する制限部材と、を備えた画像露光装置における画像露光方法であって、入力画像の高周波成分の濃度差のうち、暗部のみを強調することにより生成した表示画像を画像表示装置に表示させる制御を行う。
本開示のプログラムは、複数の画素を有し、複数の画素から光を感光性記録媒体に照射する画像表示装置と、感光性記録媒体を露光面が画像表示装置に対向する状態に支持する支持部材と、画像表示装置と支持部材との間に設けられ、かつ画像表示装置から感光性記録媒体に照射される光の角度を制限する制限部材と、を備えた画像露光装置を制御するコンピュータに、入力画像の高周波成分の濃度差のうち、暗部のみを強調することにより生成した表示画像を画像表示装置に表示させる制御を行う処理を実行させる。
本開示の技術によれば、記録画像の解像感を向上させることを可能とする画像露光装置、画像露光方法、及びプログラムを提供することができる。
第1実施形態に係る画像露光装置の模式的図である。 第1実施形態に係る画像露光装置の分解斜視図である。 第1実施形態に係る画像露光装置の断面図である。 画素から出射された光の進行方向を説明する図である。 制限部材の構成を示す平面図である。 制限部材の構成を示す側面図である。 制限部材を通過した光の拡散を説明する図である。 光拡散により記録画像に生じるボケについて説明する図である。 制御部のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。 制御部が実行する画像処理の一例を示すフローチャートである。 高周波成分抽出処理を説明する図である。 重み付け処理を説明する図である。 重畳処理を説明する図である。 第1実施形態に係る画像露光装置の効果を説明する図である。 標準偏差を変化させることによる表示画像の変化の一例を示す図である。 第1変形例に係る制限部材の第1の層の構成を示す平面図である。 第1変形例に係る制限部材の第2の層の構成を示す平面図である。 第1変形例に係る制限部材の構成を示す側面図である。 第2変形例に係る重み付け処理を説明する図である。 第2変形例に係る重畳処理を説明する図である。
以下、図面を参照して、本実施形態の画像露光装置について説明する。
[第1実施形態]
まず、第1実施形態の画像露光装置の構成について説明する。図1は、第1実施形態に係る画像露光装置の模式的図である。図2は、第1実施形態に係る画像露光装置の分解斜視図である。図3は、第1実施形態に係る画像露光装置の断面図である。
図1に示すように、画像露光装置2は、例えば、インスタントカメラ(例えば、富士フイルム(株)社製、Instax(登録商標)(商品名:チェキ))の本体ケース10に収納される。
画像露光装置2は、画像表示装置3、支持部材4、制限部材5、及び制御部6を備える。画像表示装置3は、複数の画素30を有する。制御部6は、画像データに基づき、画像表示装置3に画像を表示させる。支持部材4は、画像表示装置3が表示した表示画像に応じた記録画像を記録する感光性記録媒体7を支持する。画像データは、例えば、本体ケース10に設けられた撮像素子(図示せず)により取得される。
制限部材5は、画像表示装置3と支持部材4との間に設けられており、画像表示装置3から感光性記録媒体7に照射される光の角度を制限する角度制限用の光学部材である。制限部材5は、例えば、ルーバフィルムである。
(画像表示装置)
画像表示装置3は、例えば、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)である。なお、画像表示装置3は、液晶表示装置に限られず、有機EL表示装置(OLED:Organic Light-Emitting Diode)、ブラウン管表示装置(CRT:Cathode Ray Tube)、発光ダイオード表示装置(LED:Light-Emitting Diode)等の表示装置であってもよい。
なお、画像表示装置3として液晶表示装置を用いた場合には、本体ケース10内にバックライト等の光源が設けられる。画像表示装置3として有機EL表示装置を用いた場合には、画素30を構成するLED素子が自ら発光するので、光源は不要である。
図3に示すように、画像表示装置3は、表示画像を表示するための複数の画素30を有する。画素30は、画像表示装置3の画像表示面31を構成する色情報の最小単位である。複数の画素30は、画像表示面31に二次元状に配列されている。すなわち、画像表示面31は、画素30の配列面であって、図2に示すX方向及びY方向に平行である。複数の画素30は、X方向及びY方向にそれぞれ一定のピッチで配列されている。なお、X方向とY方向とは互いに直交している。また、以下では、X方向及びY方向と直交する方向をZ方向という。
画素30の配列ピッチを、200μm以下とすることで、感光性記録媒体7に記録された記録画像の自然画としての印象を強くすることができる。このため、画素30の配列ピッチは、150μm以下であることが好ましく、125μm以下であることがより好ましく、85μm以下であることがさらに好ましい。
本実施形態では、画像表示装置3として、例えば、解像度(画素密度)が249ppi(pixel per inch)の液晶表示装置を用いる。249ppiの液晶表示装置では、1インチ(2.54cm)当たり249個の画素30が存在することから、画素30の配列ピッチは、約100μmである。
画像表示装置3の画像表示面31側には、画像表示面31を保護するためのガラス窓32が設けられている。ガラス窓32の厚みは、画像表示面31から感光性記録媒体7までの距離を短くするために、薄いことが好ましい。
(支持部材)
本実施形態の支持部材4は、感光性記録媒体7を、画像表示面31に対向する状態に支持する。なお、支持部材4は、感光性記録媒体7を直接的に支持してもよいし、間接的に支持してもよい。支持部材4は、感光性記録媒体7を支持することができればよく、その構造は特に限定されない。
本実施形態では、支持部材4は、内部に複数の感光性記録媒体7を収容したフィルムパックのケースである。支持部材4は、遮光性を有する箱形状のケースであって、画像表示装置3側の上面41に、画像表示装置3の画像表示面31から出射される光を通過させる露光開口42が設けられている。支持部材4の内部には、複数の感光性記録媒体7を収容する空間である収容部43が設けられている。
複数の感光性記録媒体7は、収容部43内に積層された状態で収容される。積層された感光性記録媒体7の間には、遮光シート(図示せず)が設けられている。積層された複数の感光性記録媒体7のうち、最上面に位置する感光性記録媒体7のみが、露光開口42から露光面7Aが露出されることにより露光される。
また、支持部材4の露光開口42とは反対側の面には、押圧部材44(図1参照)が設けられている。感光性記録媒体7は、押圧部材44により、画像表示装置3側に付勢される。これにより、感光性記録媒体7は、露光開口42の周辺に当接するように押し付けられる。この結果、感光性記録媒体7の露光面7Aと画像表示面31とが近接するので、画質の良好な画像が感光性記録媒体7に記録される。
支持部材4の材料としては、写真感光材料、磁気記録材料、又は光記録材料等の各種記録材料に用いられる記録材料用樹脂部材を用いることができる。記録材料用樹脂部材は、上記記録材料を収納、包装、被覆、保護、搬送、保管、形態支持等のために用いられる容器、蓋、及びそれに付随する付属部品、あるいは、上記記録材料を装填して機能を発揮する各種部材をいう。
また、支持部材4には、収容部43内から露光済みの感光性記録媒体7を、収容部43の外部に取り出すための取り出し口45が設けられている。取り出し口45から取り出された露光後の感光性記録媒体7は、展開ローラ11(図1参照)の間を通過することで、感光性記録媒体7に設けられたポッド部(図示せず)が破裂する。ポッド部内には、現像処理液が内包されており、ポッド部が破裂することで、感光性記録媒体7の内部に現像処理液が展延される。1~数分間経過した後に現像処理が十分に進む。これにより、感光性記録媒体7上に記録画像が形成される。
展開ローラ11は、本体ケース10の内部に設けられている。本体ケース10には、展開ローラ11の間を通過した感光性記録媒体7を、本体ケース10の外部に取り出すための取り出し口12が設けられている。
(感光性記録媒体)
感光性記録媒体7は、画像表示装置3から照射された光により記録画像を形成することが可能な感光性記録媒体であれば、特に限定されない。例えば、感光性記録媒体7として、インスタントカメラ(例えば、富士フイルム(株)社製、Instax(登録商標)(商品名:チェキ))に用いられるインスタント写真フィルムを用いることができる。このインスタント写真フィルムには、感光性記録媒体7及び遮光シートが組み込まれている。
感光性記録媒体7に用いられる感光材料として、例えば、ネガフィルム、リバーサルフィルム、印画紙、モノシート又はールアパート式のインスタント写真フィルム等の写真感光材料が挙げられる。
(制限部材)
図4、図5A、及び図5Bを参照して、本実施形態に係る制限部材5の一例を説明する。図4は、画像露光装置2の概略断面図であり、画素30から出射された光の進行方向を説明する。図5Aは、制限部材5の構成を示す平面図である。図5Bは、制限部材5の構成を示す側面図である。
本実施形態では、制限部材5は、特定の入射角で入射する光のみを透過させるルーバフィルムにより構成されている。図5Aに示すように、制限部材5には、画像表示装置3の画像表示面31と平行となる面上における第1の方向(図5Aに示すX方向に対応)に、光を透過させる光透過部51と、光を遮蔽する光遮蔽部52とが交互に配置されている。第1の方向に配置された光透過部51及び光遮蔽部52は、本開示の技術に係る第1の光透過部及び第1の光遮蔽部の一例である。
また、制限部材5には、第1の方向に垂直で、かつ画像表示装置3の画像表示面31と平行となる面上における第2の方向(図5Aに示すY方向に対応)に、光透過部51と光遮蔽部52とが交互に配置されている。本実施形態の第2の方向に配置された光透過部51及び光遮蔽部52は、本開示の技術に係る第2の光透過部及び第2の光遮蔽部の一例である。
このように、本実施形態においては、光透過部51は二次元的に配置され、かつ、光遮蔽部52は格子状に形成されている。本実施形態では、光遮蔽部52のX方向への配列ピッチと、光遮蔽部52のY方向へのとは等しい。X方向及びY方向への配列ピッチを、ピッチPという。光遮蔽部52のピッチPは、80μm以下であることが好ましく、65μm以下であることがより好ましい。光遮蔽部52のピッチPを上記範囲とすることで、画素30から出射された光のうち、斜めに出射された光を効果的に遮蔽することができる。
例えば、ピッチPを60μmとした場合には、光透過部51の幅を45μmとし、かつ、光遮蔽部52の幅を15μmとする。
制限部材5を上記構成とすることで、図4に示すように、画像表示装置3の画素30から感光性記録媒体7の露光面7Aに照射される光の角度を制限することができる。
図4に示すように、画像表示装置3の画素30から出射される光は、Z方向に対してなす角が±90°の範囲内のあらゆる方向に向かって伝搬する拡散光である。すなわち、制限部材5は、拡散光学系における光学部材である。
画素30から出射された光は、ガラス窓32を透過した後、制限部材5に入射する。制限部材5に入射した光のうちZ方向にほぼ平行な光が光透過部51を通過して感光性記録媒体7に入射する。また、制限部材5に入射した光のうちZ方向に対して斜めに進行する光は、光遮蔽部52に入射し、かつ光遮蔽部52により吸収される。このように、画像表示装置3から感光性記録媒体7に照射される光の角度を制限することで、感光性記録媒体7に記録される記録画像の画質が向上する。
光透過部51は、例えば、ガラス材料、又は透明なシリコーンゴム等の透光性部材で構成される。光透過部51は、光を透過させることができればよく、空洞であってもよい。
光遮蔽部52は、例えば、光を吸収する光吸収部材で構成される。光吸収部材として、着色された樹脂材料(例えば、黒色シリコーンゴム)を用いることができる。また、光吸収部材として、ND(Neutral Density)フィルタを用いることができる。NDフィルタは、中立な光学濃度のフィルタを意味し、露光に用いられる波長域において、波長に影響を与えることなく、均等に光を吸収(吸収率で50%以上99.999%以下、又は、光透過率で0.001%以上50%以下)できるフィルタである。なお、光遮蔽部52を、光を反射する光反射部材により構成することも可能である。
図5Bに示す制限部材5の厚みt1は、1.5mm以上でかつ4.0mm以下であることが好ましく、2.0mm以上でかつ4.0mm以下であることがより好ましく、2.5mm以上でかつ4.0mm以下であることがさらに好ましい。制限部材5の厚みt1を厚くすることで、Z方向に対してなす角度が小さい斜めの光を遮蔽することができる。ただし、厚みt1を厚くしすぎると、記録画像がぼけやすくなるため、上記のように上限を設けることが好ましい。
また、光透過部51及び光遮蔽部52の配列方向と、画素30の配列方向であるX方向及びY方向とのなす角度が近接している場合には、感光性記録媒体7に記録される記録画像にモアレ縞が生じる可能性がある。このモアレ縞の発生を抑制するために、光透過部51及び光遮蔽部52の配列方向とX方向及びY方向とのなす角度を、1度~45度の範囲内とすることが好ましく、5度~40度の範囲内とすることがより好ましい。
また、本実施形態では、制限部材5は、感光性記録媒体7の露光面7Aから一定距離Lだけ離した位置に配置される(図4参照)。すなわち、制限部材5と感光性記録媒体7の露光面7Aとの間には、空隙53が設けられる。一定距離Lは、屈折率が1.5のガラス基材の厚みに換算すると、1.50mm以下であることが好ましく、1.00mm以下であることがより好ましく、0.50mm以下であることがさらに好ましい。なお、一定距離Lは、屈折率が1.0の大気中の厚みに換算すると、1.00mm以下であることが好ましく、0.67mm以下であることがより好ましく、0.33mm以下であることがさらに好ましい。
(保護層)
図5Bに示すように、制限部材5の画像表示装置3側の表面である上面と、感光性記録媒体7側の表面である下面とに、それぞれ保護層54を形成してもよい。保護層54は、感光性記録媒体7に露光を繰り返すことによる制限部材5の損傷を防止する。
保護層54は、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート、又は塩化ビニル樹脂等で形成されたプラスチック板である。保護層54は、透光性を有する層であればよく、材質は特に限定されない。
保護層54の厚みt2は、0.1μm以上でかつ500μm以下であることが好ましい。t2≧0.1μmとすることで、制限部材5を保護する効果の他に、モアレ縞を目立たなくするという効果も得られる。また、t2≧0.1μmとすることで、制限部材5の欠陥又は構造に基づいて生じる画像の欠陥を目立たなくするという効果も得られる。また、t2≦500μmとすることで、記録画像のボケを抑制することができる。
なお、制限部材5の上面側の保護層54の厚みと、制限部材5の下面側の保護層54の厚みは異なっていてもよい。また、保護層54は、制限部材5の下面側にのみ設けられていてもよい。さらに、制限部材5に保護層54を設けることは必須ではなく、制限部材5に保護層54が設けられていなくてもよい。
次に、画像表示装置3の画素30から出射される光について説明する。上述したように制限部材5によって、画像表示装置3から感光性記録媒体7に照射される光の角度が制限されることにより、Z方向にほぼ平行な光が制限部材5の光透過部51を通過する。
しかしながら、画素30は、点光源の集合体と考えることができるので、図6に示すように、点光源30Aから出射された光は、拡散する。具体的には、画像表示面31からの光遮蔽部52の高さHと光透過部51の幅Qに応じて一定の角度を有する光成分が光透過部51を通過して拡散する。図7に示すように、拡散した光成分により、感光性記録媒体7に記録される記録画像では、高周波成分(エッジ部)Eの濃度差が表示画像に比べて、減少してしまう。すなわち、記録画像では、濃度差が小さくなるため、エッジ部が視認されにくくなる傾向がある。この結果、記録画像にボケが生じる可能性が高くなる。
制限部材5の厚みt1が厚くなるほど、画像表示装置3から感光性記録媒体7へ到達する光量が減少するため、非常に長い露光時間が必要となるという問題がある。また、保護層54の厚みt2が厚くなるほど、画像表示面31と感光性記録媒体7の露光面7Aとの距離Lが長くなり、かつ保護層54内では、光の角度が制限されないため、記録画像にボケが生じやすくなる。
このように、拡散光による記録画像のボケを制限部材5により完全に抑制することが困難であるため、制御部6は、画像表示装置3に表示させる表示画像のうち、高周波成分(エッジ部)の濃度差を増加させる強調処理を行う。高周波成分の濃度差が強調された表示画像に基づく光が感光性記録媒体7に露光されることにより、結果的に、感光性記録媒体7に記録される記録画像のボケが抑制される。
図8は、制御部6のハードウェア構成の一例を示す。制御部6は、CPU(Central Processing Unit)60、一時記憶領域としてのメモリ61、及び不揮発性の記憶部62を備えたコンピュータにより構成される。また、制御部6は、入力部63を備える。CPU60、メモリ61、記憶部62、及び入力部63は、バス64を介して接続されている。
記憶部62は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又はフラッシュメモリ等によって実現される。記憶部62には、画像処理プログラム65が記憶される。CPU60は、画像処理プログラム65を記憶部62から読み出し、読み出した画像処理プログラム65をメモリ61に展開してから実行する。CPU60は、画像処理プログラム65に基づいて処理を実行することによって制御部6として機能する。CPU60は、本開示の技術に係るプロセッサの一例である。
入力部63には、画像表示装置3に表示させる表示画像に応じた画像データが入力される。なお、画像データは、画像露光装置2内の撮像素子により取得されたものであってもよいし、画像露光装置2の外部から入力されたものであってもよい。以下、入力部63に入力される画像データが表す画像を入力画像という。
制御部6は、入力画像を強調処理することにより得られた表示画像を画像表示装置3に表示させる。また、制御部6は、入力画像の高周波成分の濃度差を強調することにより、入力画像の画質を劣化させた表示画像を、画像表示装置3に表示させる制御を行う。
図9は、制御部6が実行する画像処理の一例を示す。図9に示す画像処理は、CPU60が画像処理プログラム65に基づいて処理を実行することにより、実行される。
ステップS10で、制御部6は、入力画像から高周波成分を抽出する高周波成分抽出処理を行う。本実施形態では、高周波成分抽出処理の一例として、制御部6は、アンシャープマスク処理を行う。
具体的には、図10に示すように、まず、制御部6は、アンシャープマスク(カーネルとも称される)を入力画像に掛け合わせることにより、ぼかし画像(アンシャープ画像とも称される)を生成する。アンシャープマスクのサイズは、例えば、5×5画素である。
制御部6は、アンシャープマスクとして、例えば、下式(1)で表されるガウシアンフィルタを用いる。

ここで、x,yは、画素の座標を表す。f(x,y)は、フィルタ係数である。σは、分布の度合いを表す標準偏差である。本実施形態では、標準偏差σを、画素数(ピクセル数)で表記する。なお、標準偏差σは、入力画像に対するすぼかしの半径に対応する。
そして、制御部6は、図10に示すように、入力画像からぼかし画像を減算する(すなわち、差分をとる)ことにより、入力画像の高周波成分を表す差分画像を生成する。差分画像は、入力画像において階調差(すなわち濃度差)が大きい部分(すなわちエッジ部)に対応する部分で差分値が大きくなる。
次に、ステップS11で、制御部6は、ステップS10で抽出した高周波成分に対して重み付けを行う重み付け処理を行う。図11に示すように、制御部6は、差分画像のゼロより大きい正成分と、ゼロより小さい負成分とにそれぞれ重み付けを行う。具体的には、制御部6は、差分画像の正成分に重みWpを乗じ、かつ差分画像の負成分に重みWnを乗じる。本実施形態では、Wp=0、Wn>0とする。すなわち、本実施形態では、重み付け後の差分画像は、元の差分画像から負成分のみを抽出し、抽出した負成分に重み付けを行った画像である。重みWnの値は、任意に設定可能である。重みWnは、例えば、0.7である。
次に、ステップS12で、入力画像に高周波成分を重畳する重畳処理を行う。具体的には、図12に示すように、制御部6は、入力画像に、重み付け後の差分画像を加算することにより、高周波成分が重畳された表示画像を生成する。表示画像に加算される重み付け後の差分画像は負成分のみを有するので、表示画像は、入力画像の高周波成分の濃度差のうち暗部のみが強調された画像となる。強調処理において強調する範囲は、ガウシアンフィルタの標準偏差σに対応する。
なお、画像表示装置3の解像度をD(単位:ppi)とした場合、入力画像に対して適用するアンシャープマスク処理では、暗部を強調する範囲を下式(2)で得られる値M(単位:画素数)に応じた範囲とすることが好ましい。より具体的には、ガウシアンフィルタの標準偏差σを値M以下とする。
M=30/(2.54×1000/D) ・・・(2)
D=249の場合には、M≒2.94となる。このため、画像表示装置3の解像度が一般的な249ppiである場合には、標準偏差σを2.94以下とすることが好ましい。なお、ガウシアンフィルタの標準偏差σを値Mとした場合には、値Mより広い範囲が強調される。
[効果]
次に、本実施形態に係る画像露光装置2の効果について説明する。図13は、従来のように、入力画像の高周波成分の濃度差を強調する強調処理において、明部及び暗部を強調することにより得られた表示画像の一例を示す。図13において、二点鎖線は、従来の表示画像を画像表示装置3に表示させた場合に想定される記録画像の実際の階調変化の例を示す。
図6に示したように、画素30は点光源30Aの集合体であり、点光源30Aから出射される光は拡散光であるので、制限部材5の光透過部51を通過した光は拡散する。この拡散は、感光性記録媒体7において照射対象の画素領域の外側(周辺部)まで広がる可能性がある。拡散光が周辺部まで広がると、照射輝度が明るい画素領域の周辺部は期待されるより明るくなり、逆に、当該画素領域は期待されるより暗くなる。このように、明部の周辺が明るくなり、逆に、明部が暗くなることにより、明暗の強調効果が打ち消される。この結果、記録画像の階調変化が全体的になだらかになってしまう。
したがって、入力画像の高周波成分の濃度差を強調するための重みを大きくしたとしても、明暗の強調効果が打ち消されることになる。このように、従来の表示画像を画像表示装置3に表示させた場合には、「解像感が向上しない」といった現象が生じる可能性がある。さらに、表示画像がカラー画像の場合には、「周辺部の色変化が大きくなる」といった現象が生じる可能性がある。
これに対して本実施形態では、入力画像の高周波成分の濃度差を強調させる処理において暗部のみを強調することにより得られた表示画像を画像表示装置3に表示させるので、明暗の強調効果の打ち消される程度が低減し、かつ、周辺部の明暗の変化が低減される。したがって、本実施形態によれば、解像感を向上させることができる。さらに、表示画像がカラー画像の場合には、周辺部の色変化を低減することができる。
さらに、強調処理において強調する範囲に対応するガウシアンフィルタの標準偏差σを小さくすることにより、強調された画素に影響を受ける周辺部の領域を小さくすることができる。これにより、解像感をさらに向上させること、及び周辺部の色変化をさらに低減させることができる。
図14は、標準偏差σを変化させることによる表示画像の変化の一例を示す。標準偏差σを小さくするほど、強調処理により強調される暗部の領域が小さくなり、強調された画素に影響を受ける周辺部の領域が小さくなる。
[第1変形例]
次に、上記第1実施形態の第1変形例について説明する。第1実施形態では、画像露光装置2は、1層構成の制限部材5を用いているが、第1変形例では、2層構成の制限部材を用いる。
図15A~15Cは、制限部材の他の一例の構成を示す。図15Aは、第1変形例に係る制限部材5Aの第1の層55の構成を示す平面図である。図15Bは、第1変形例に係る制限部材5Aの第2の層56の構成を示す平面図である。図15Cは、第1変形例に係る制限部材5Aの構成を示す側面図である。
図15Cに示すように、制限部材5Aは、第1の層55と第2の層56とを積層することにより構成されている。図15Aに示すように、第1の層55には、第1の方向(X方向に対応)にのみ光透過部51と光遮蔽部52とが交互に配置されている。図15Bに示すように、第2の層56には、第1の方向に垂直な第2の方向(Y方向に対応)にのみ光透過部51と光遮蔽部52とが交互に配置されている。
このように、制限部材5Aは、第1の層55と第2の層56との2層構成である。2層構成の制限部材5Aは、1つの層で構成された制限部材5(図5A及び図5B参照)と同様の効果が得られる。
光遮蔽部52のピッチPは、第1実施形態と同様に、80μm以下であることが好ましく、65μm以下であることがより好ましい。また、モアレ縞の発生を抑制するために、光透過部51及び光遮蔽部52の配列方向とX方向及びY方向とのなす角度を、1度~45度の範囲内とすることが好ましく、5度~40度の範囲内とすることがより好ましい。
図15Cに示すように、制限部材5Aの厚みt1は、第1の層55の厚みと第2の層56の厚みとの合計値である。制限部材5Aの厚みt1は、第1実施形態と同様に、1.5mm以上でかつ4.0mm以下であることが好ましく、2.0mm以上でかつ4.0mm以下であることがより好ましく、2.5mm以上でかつ4.0mm以下であることがさらに好ましい。
また、第1の層55の画像表示装置3の表面である上面と、第2の層56の感光性記録媒体7側の表面である下面とに、それぞれ保護層54を形成してもよい。保護層54の厚みt2は、第1実施形態と同様に、0.1μm以上でかつ500μm以下であることが好ましい。
[第2変形例]
次に、上記第1実施形態の第2変形例について説明する。第1実施形態では、入力画像の高周波成分の濃度差を強調する処理において暗部のみを強調しているが、第2変形例では、暗部に加えて明部を強調する。なお、暗部の強調度を明部の強調度よりも高くする。
具体的には、第1実施形態では、差分画像の重み付け処理において、制御部6は、図11に示すように、差分画像の正成分に対する重みWpを0としている。本変形例では、制御部6は、図16に示すように、差分画像の正成分に対する重みWpを、0より大きく、かつ差分画像の負成分に対する重みWnよりも小さい値(すなわち、0<Wp<Wn)として、差分画像に重み付けを行う。
このように重み付けが行われた差分画像を入力画像に重畳すると、図17に示すように、表示画像は、入力画像の高周波成分の濃度差のうち、明部が強調され、かつ、明部よりも高い強調度で暗部が強調される。本変形例では、暗部の強調度が明部の強調度よりも高いので、第1実施形態と同様の効果が得られる。
[画像露光装置の効果実験]
次に、本開示の技術に係る画像露光装置2の効果に関して行った実験結果を示す。
(実験1)
本実験には、画像表示装置3として、解像度が249ppiの一般的な液晶表示装置を用いた。また、支持部材4の材料を金属プレートとした。また、感光性記録媒体7として、Instax用フィルムを用いた。
また、本実験には、第1変形例として示した2層構成の制限部材5A(図15A~15C参照)を用いた。第1の層55において、第1の方向への光透過部51の幅を45μmとし、かつ、光遮蔽部52の幅を15μmとした。すなわち、第1の方向における光遮蔽部52のピッチPを60μmとした。また、第2の層56において、第2の方向への光透過部51の幅を45μmとし、かつ、光遮蔽部52の幅を15μmとした。すなわち、第2の方向における光遮蔽部52のピッチPを60μmとした。
また、第1の層55と第2の層56との厚みをそれぞれ1.25mmとすることにより、制限部材5Aの厚みt1を2.5mmとした。また、保護層54の厚みt2を、0.2μmとした。また、モアレ縞の発生を抑制するために、光透過部51及び光遮蔽部52の配列方向とX方向及びY方向とのなす角度を8度とした。さらに、制限部材5Aから感光性記録媒体7の露光面7Aまでの距離L(図4参照)を0.5mmとした。
また、入力画像として、風景や人物等を被写体とした一般的な写真画像を用いた。
画像露光装置2の効果を確認するために、以下の3つの強調条件に基づいて入力画像を強調処理することにより得られた表示画像をそれぞれ画像表示装置3に表示させて、感光性記録媒体7に露光を行った。
第1強調条件:強調なし(Wp=0、Wn=0)
第2強調条件:明部及び暗部を強調(Wp=0.5、Wn=0.5)
第3強調条件:暗部のみを強調(Wp=0、Wn=0.5)
第1強調条件は、入力画像の高周波成分の強調を行わない、すなわち、入力画像を表示画像として用いることを意味している。
第2強調条件は、従来のように、入力画像の高周波成分の濃度差を強調する強調処理において、明部及び暗部を強調することにより得られた表示画像を用いることを意味している。明部の強調度に対応する重みWpと、暗部の強調度に対応する重みWnは同じである。
第3強調条件は、入力画像の高周波成分の濃度差を強調する強調処理において、暗部のみを強調することにより得られた表示画像を用いることを意味している。第3強調条件では、明部の強調度に対応する重みWpを0としている。
また、第2強調条件及び第強調条件を用いた強調処理では、ガウシアンフィルタにおける標準偏差σを2画素としてンシャープマスク処理を行った。
評価方法として、写真の解像感評価について熟練した評価熟練者が、感光性記録媒体7に記録された記録画像の解像感を目視で評価するによる官能評価を用いた。具体的には、第1強調条件で得られた記録画像に対して、第2強調条件及び第3強調条件で得られた記録画像のぼけ感が低減し、かつ視認性がよく、好ましい画像となっているかについて評価した。
解像感について、第1強調条件に対して第3強調条件が最も良好であり、次に第2強調条件が良好であるとの評価結果が得られた。すなわち、本開示の技術のように、入力画像の高周波成分の濃度差を強調する処理において暗部のみを強調した場合に、解像感が向上することが確認された。
(実験2)
次に、実験2として、強調する範囲に対応する標準偏差σの依存性について実験を行った。本実験では、以下の2つの強調条件に基づいて入力画像を強調処理することにより得られた表示画像をそれぞれ画像表示装置3に表示させて、感光性記録媒体7に露光を行った。実験2のその他の条件は、実験1と同様である。
第4強調条件:標準偏差σを3画素、暗部のみを強調(Wp=0、Wn=0.5)
第5強調条件:標準偏差σを1画素、暗部のみを強調(Wp=0、Wn=0.5)
第4強調条件及び第5強調条件は、上記第3強調条件と、標準偏差σの値のみが異なる。第4強調条件では、標準偏差σを3画素としている。第5強調条件では、標準偏差σを1画素としている。
実験2では、実験1と同様の手法で記録画像の評価を行った。この結果、解像感について、第5強調条件で得られた記録画像が、第4強調条件で得られた記録画像よりも良好であるとの評価結果が得られた。すなわち、標準偏差σを小さくすることにより、解像感が向上することが確認された。
次に、暗部の強調度に対応する重みWnと、強調する範囲に対応する標準偏差σとをそれぞれ変化させた場合について、上記と同様の評価を行った。下表1に評価結果を示す。なお、解像感について、A~Cの3段階による判定を行った。「A」は、解像感が最も優れていることを表している。「C」は、解像感が最も悪いことを表している。
表1に示すように、重みWnの値に依らず、標準偏差σを小さくすることにより、解像感が向上することが確認された。
なお、第1実施形態及び各変形例では、制御部6が行う強調処理として、アンシャープマスク処理を行う例について説明したが、アンシャープマスク処理に限定されず、例えば、コンボリューション処理等を適用してもよい。
また、制限部材の構成は、第1実施形態及び第1変形例で示した構成には限定されず、画像表示装置3から照射される光の角度を制限することが可能な部材であればよい。例えば、第1実施形態及び第1変形例では、光透過部51と光遮蔽部52とが配列される方向である第1の方向と第2の方向において、第2の方向を第1の方向と垂直としているが、第2の方向は、第1の方向と非平行であればよい。また、光透過部51と光遮蔽部52とが非周期に配置されていてもよい。例えば、ランダムに穴が開けられたキャピラリープレート等を制限部材として用いることも可能である。
また、第1実施形態及び各変形例では、画像表示装置3を、液晶表示装置等のディスプレイとしているが、画像表示装置3として、スマートフォン、又はタブレット端末などの携帯端末を適用することも可能である。この場合、画像表示装置3に制御部6が内蔵される。例えば、スマートフォン等のCPUが画像処理プログラム65を実行することにより、制御部6として機能して画像処理を行う。画像表示装置3は、画像処理が行われた画像データをスマートフォンから受信して画像データに応じた表示画像を画像表示面31に表示させる。
上記実施形態において、制御部6のハードウェア的な構造としては、次に示す各種のプロセッサを用いることができる。上記各種のプロセッサには、ソフトウェア(プログラム)を実行して機能する汎用的なプロセッサであるCPUに加えて、FPGA(Field-Programmable Gate Array)などの製造後に回路構成を変更可能なプロセッサが含まれる。FPGAには、PLD(Programmable Logic Device)、又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路などが含まれる。画像処理を、これらの各種のプロセッサのうちの1つで実行してもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGA、及びCPUとFPGAとの組み合わせ等)で実行してもよい。また、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。
また、上記各実施形態では、画像処理プログラム65が記憶部62に予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、これに限定されない。画像処理プログラム65は、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、又はUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の非一時的記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、画像処理プログラム65は、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。

Claims (14)

  1. 複数の画素を有し、前記複数の画素から光を感光性記録媒体に照射する画像表示装置と、
    前記感光性記録媒体を露光面が前記画像表示装置に対向する状態に支持する支持部材と、
    前記画像表示装置と前記支持部材との間に設けられ、かつ前記画像表示装置から前記感光性記録媒体に照射される前記光の角度を制限する制限部材と、
    プロセッサとを備え、
    前記プロセッサは、入力画像の高周波成分の濃度差のうち、暗部のみを強調することにより生成した表示画像を前記画像表示装置に表示させる制御を行う、
    画像露光装置。
  2. 前記プロセッサは、前記入力画像からアンシャープマスク処理により抽出した前記高周波成分の濃度差を強調する、
    請求項1に記載の画像露光装置。
  3. 前記プロセッサは、前記画像表示装置の解像度(単位:ppi)をDとした場合に、前記暗部を強調する範囲を、M=30/(2.54×1000/D)の関係式により得られる値M(単位:画素数)に応じた範囲とする、
    請求項1又は請求項2に記載の画像露光装置。
  4. 前記プロセッサは、ガウシアンフィルタの標準偏差を前記値M以下とし、前記入力画像から前記ガウシアンフィルタを用いたアンシャープマスク処理を行うことにより前記高周波成分を抽出する、
    請求項に記載の画像露光装置。
  5. 前記制限部材は、拡散光学系の光学部材である、
    請求項1から請求項のうちいずれか1項に記載の画像露光装置。
  6. 前記光学部材は、前記画像表示装置の前記画素の配列面と平行となる面上における第1の方向に、光を透過する第1の光透過部と光を遮蔽する第1の光遮蔽部とが交互に配置され、かつ、前記第1の方向に非平行で、前記面上における第2の方向に、光を透過する第2の光透過部と光を遮蔽する第2の光遮蔽部とが交互に配置されたルーバフィルムである、
    請求項に記載の画像露光装置。
  7. 前記光学部材は、前記画像表示装置の前記画素の配列面と平行となる面上における第1の方向に、光を透過する第1の光透過部と光を遮蔽する第1の光遮蔽部とが交互に配置され、かつ、前記第1の方向に垂直で、前記面上における第2の方向に、光を透過する第2の光透過部と光を遮蔽する第2の光遮蔽部とが交互に配置されたルーバフィルムである、
    請求項に記載の画像露光装置。
  8. 前記ルーバフィルムは、前記第1の方向にのみ前記第1の光透過部と前記第1の光遮蔽部とが交互に配置された第1の層と、前記第2の方向にのみ前記第2の光透過部と前記第2の光遮蔽部とが交互に配置された第2の層と、が積層されている、
    請求項又は請求項に記載の画像露光装置。
  9. 前記ルーバフィルムの厚みは、2.0mm以上でかつ4.0mm以下であり、
    前記第1の光遮蔽部及び前記第2の光遮蔽部の配列ピッチは、80μm以下である、
    請求項から請求項のうちいずれか1項に記載の画像露光装置。
  10. 前記制限部材は、前記感光性記録媒体から一定距離、離れて配置される、
    請求項1から請求項のうちいずれか1項に記載の画像露光装置。
  11. 前記一定距離は、0.67mm以下である、
    請求項10に記載の画像露光装置。
  12. 複数の画素を有し、前記複数の画素から光を感光性記録媒体に照射する画像表示装置と、前記感光性記録媒体を露光面が前記画像表示装置に対向する状態に支持する支持部材と、前記画像表示装置と前記支持部材との間に設けられ、かつ前記画像表示装置から前記感光性記録媒体に照射される前記光の角度を制限する制限部材と、を備えた画像露光装置における画像露光方法であって、
    入力画像の高周波成分の濃度差のうち、暗部のみを強調することにより生成した表示画像を前記画像表示装置に表示させる制御を行う、
    処理を含む画像露光方法。
  13. 複数の画素を有し、前記複数の画素から光を感光性記録媒体に照射する画像表示装置と、前記感光性記録媒体を露光面が前記画像表示装置に対向する状態に支持する支持部材と、前記画像表示装置と前記支持部材との間に設けられ、かつ前記画像表示装置から前記感光性記録媒体に照射される前記光の角度を制限する制限部材と、を備えた画像露光装置を制御するコンピュータに、
    入力画像の高周波成分の濃度差のうち、暗部のみを強調することにより生成した表示画像を前記画像表示装置に表示させる制御を行う、
    処理を実行させるためのプログラム。
  14. 複数の画素を有し、前記複数の画素から光を感光性記録媒体に照射する画像表示装置と、
    前記感光性記録媒体を露光面が前記画像表示装置に対向する状態に支持する支持部材と、
    前記画像表示装置と前記支持部材との間に設けられ、かつ前記画像表示装置から前記感光性記録媒体に照射される前記光の角度を制限する制限部材と、
    プロセッサと、
    を備える画像露光装置であって、
    前記プロセッサは、入力画像の高周波成分の濃度差のうち、暗部に加えて明部を強調することにより生成した表示画像を前記画像表示装置に表示させる制御を行い、
    前記暗部の強調度は前記明部の強調度よりも高い、
    画像露光装置。
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