JP2016211926A - 試料の視認性評価方法 - Google Patents

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敏男 安藤
桜子 重松
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桜子 重松
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Abstract

【課題】試料の視認性を数値化して客観的に評価する方法を提供する。
【解決手段】二次元的に分布するドットパターン1を準備し、試料5を介して、このドットパターン1を撮影し、撮影されたドットパターン像3を出力画像として生成させる。出力画像を入力画像であるドットパターン1と同じドット数に分割するとともに、各ドットを2以上の種類に分類する。分類された各種類のドット毎に輝度を数値化して度数分布を求め、輝度の平均値及び標準偏差から、信号ノイズ比を算出するとともに、該信号ノイズ比に、出力画像の明るさを表す係数であって、0以上1以下の範囲内の数であり、度数分布の階調数をnとしたとき、n/2のときに最大値1となり、n/2から離れるほど減少して0に近づく値bを乗算する。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば合成樹脂等の光透過性材料からなる試料を介して対象物を観察する際に、試料の視認性を評価する方法に関する。
CCL(銅張積層体)に対するフォトリソグラフィ工程や、CCLを使用するFPC(フレキシブルプリント基板)実装の過程では、CCLに設けられたアライメントマークを基準に接合、切断、露光、エッチング等のさまざまな加工が行われる。これらの工程での加工精度を維持するためには、CCLの合成樹脂層を介してアライメントマークを正確に認識することが重要となる。
画像の視認性評価手法として、特許文献1では、人間が目で見る状態のボケ量を定量的に評価する方法が提案されている。この特許文献1では、有限要素を光源とする画像を形成し、その画像を画像撮像手段に投射して撮像し、次に、評価手段によって撮像された画像のボケ量を評価している。しかし、特許文献1の手法では、画像に変形歪みが発生した場合でも、黒白の境界部の傾斜(ボケ)に変化が無ければ、視認性が良好と評価されてしまい、視認性を正当に評価できない、という欠点があった。
また、特許文献2では、基材フィルムと防眩層とが積層された高精細化ディスプレイ用防眩フィルムの評価方法が提案されている。この特許文献2では、JIS K7105−1981に定める像鮮明度測定装置を用いて、所定の巾をもつ光学くしを通して得られる4種類の像鮮明度と、防眩層の60度光沢度を指標としている。しかし、特許文献2の手法においても、特許文献1と同様、画像に変形歪みが発生した場合でも、黒白の境界部の傾斜(ボケ)に変化が無ければ、視認性が良好と評価されてしまい、視認性を正当に評価できない。また、評価できる方向が、光学くしに対して直角方向の一方向しか評価できない、という欠点があった。
CCLの合成樹脂層の光透過率が小さい場合や、散乱、屈折などが大きい場合、さらに合成樹脂層の厚みが不均一で歪が存在する場合などには、視認性が大幅に低下する。その結果、アライメントマークを正確に認識できず、加工精度の低下を招くおそれがある。そのため、合成樹脂層の視認性を事前に客観的な数値データとして把握しておくことが求められていた。このようなことから、本発明者らは、先に、試料を介して二次元的なドットパターンを撮影し、その出力画像から輝度の度数分布を求め、信号ノイズ比(SNR)を算出することによって、試料の視認性を数値化して評価する方法を提案した(特願2014−196039)。
特開2004−186789号公報(特許請求の範囲など) 特開2013−137554号公報(特許請求の範囲など)
上記のSNRに基づく視認性の評価方法は、試料の視認性を数値化して客観的に評価できるため、利用価値が高いものであるが、試料によっては出力画像全体が明るいほど、SNRが高くなる傾向があり、目視の感覚と乖離する場合があり、改善の余地があった。
本発明は、出力画像全体の明るさを考慮した上で、試料の視認性を数値化して客観的に評価する方法を提供することを目的とする。
本発明に係る試料の視認性評価方法は、次の工程A〜工程D;
A)二次元的に分布するドットパターンを準備する工程、
B)試料を介して、撮像装置によって前記ドットパターンを撮影し、撮影されたドットパターン像を出力画像として生成させる工程、
C)前記出力画像を入力画像である前記ドットパターンと同じドット数に分割するとともに、各ドットを2以上の種類に分類し、分類された各種類のドット毎に輝度を数値化して度数分布を求め、前記種類毎に前記輝度の平均値及び標準偏差を演算する工程、及び、
D)前記輝度の平均値及び標準偏差から、信号ノイズ比を算出するとともに、該信号ノイズ比に、前記出力画像の明るさを表す係数であって、0以上1以下の範囲内の数であり、前記度数分布の階調数をnとしたとき、n/2のときに最大値1となり、n/2から離れるほど減少して0に近づく値bを乗算する工程を含んでいる。
本発明に係る試料の視認性評価方法は、次の工程E;
E)前記信号ノイズ比と係数bとの乗算値を、前記試料を介さずに撮影した場合に得られる前記ドットパターンの出力画像について同様に算出した信号ノイズ比と係数bとの乗算値と比較する工程、
をさらに含んでいてもよい。
本発明に係る試料の視認性評価方法は、前記試料が、合成樹脂フィルムであってもよい。
本発明に係る試料の視認性評価方法は、前記試料を前記入力画像の結像位置から外れた位置に配置して前記撮像装置による撮影を行うものであってもよい。
本発明に係る試料の視認性評価方法において、前記ドットパターンは、空間周波数が不均一に形成されていてもよい。
本発明に係る試料の視認性評価方法は、前記ドットパターンが、二次元コードと同等以上の空間周波数を有するものであってもよい。
本発明に係る試料の視認性評価方法は、前記試料が金属層と合成樹脂層とが積層された金属張積層体における前記合成樹脂層であり、前記ドットパターンが前記金属層に形成されていてもよい。この場合、前記ドットパターンが、前記金属層と、該金属層に刻設された開口と、によって形成されていてもよいし、あるいは、前記ドットパターンが、前記金属層に印刷されていてもよい。
本発明に係る試料の視認性評価方法は、前記工程Cが、以下のi)〜vi)の処理;
i)前記出力画像の輪郭に対して、所定の範囲のマージンを含む大きさでトリミングするとともに、複数のピクセルを割り当てる処理、
ii)各ピクセルの輝度を数値化する処理、
iii)複数のピクセルを1ドットとして、トリミングされた前記出力画像を入力画像である前記ドットパターンと同じドット数に分割する処理、
iv)各ドットの境界に存在するピクセルを除外して処理対象とするピクセル群を選択する処理、
v)選択された前記ピクセル群によって、1つのドットが構成されるものとして、前記各ドットを白ドット又は黒ドットのいずれかに分類する処理、
vi)分類された白ドット又は黒ドット毎に輝度を数値化して度数分布を求め、前記白ドット又は黒ドット毎に前記輝度の平均値及び標準偏差を演算する処理、
を含んでいてもよい。
本発明に係る試料の視認性評価方法は、前記工程Cにおいて、前記出力画像の前記各ドットを白ドット又は黒ドットのいずれかに分類してもよい。
本発明に係る試料の視認性評価方法は、前記工程Dにおいて、下記の式(1)又は下記の式(2)に基づき信号ノイズ比を算出してもよい。
[式中、SNRは信号ノイズ比を示し、μは黒ドットの輝度の平均値、μは白ドットの輝度の平均値、σは黒ドットの輝度の標準偏差、σは白ドットの輝度の標準偏差を意味する。]
[式中、SNR’は信号ノイズ比を示し、σは、黒ドットの輝度の標準偏差と白ドットの輝度の標準偏差のいずれか大きい方を意味する。]
本発明に係る試料の視認性評価方法は、前記二次元的に分布するドットパターンが、複数の第1のドットと、該第1のドットとは異なる複数の第2のドットとからなり、前記第1のドットと前記第2のドットとの比率(第1のドット:第2のドット)が45:55〜55:45の範囲内であって、前記第1のドット又は前記第2のドットのいずれかが二次元方向に1〜15個の範囲内で連続して現れる領域を有するものを用いてもよい。この場合、前記第1のドット及び前記第2のドットが四角形をなすとともに、前記ドットパターンの全体が四角形の輪郭を有するものであってもよく、前記四角形の輪郭の四つの角部から外れた位置に、複数の前記第2のドットからなる位置合わせ領域を有していてもよく、前記位置合わせ領域に最も近接する四隅のドットが、すべて前記第1のドットにより構成されていてもよい。また、前記第1のドットが白色のドットであり、前記第2のドットが黒色のドットであってもよい。さらに、前記試料が金属層と合成樹脂層とが積層された金属張積層体における前記合成樹脂層であってもよく、前記金属層が部分的にエッチングされて前記ドットパターンを形成していてもよく、前記第1のドットが前記金属層により構成され、前記第2のドットが前記金属層に刻設された開口により構成されていてもよい。
本発明の視認性評価方法によれば、二次元的に分布するドットパターンを使用し、試料を介して撮影されたドットパターンの出力画像から輝度の度数分布(ヒストグラム)を求め、信号ノイズ比を算出するとともに、該信号ノイズ比に、係数bを乗算することによって、出力画像全体の明るさをファクターとして加味した上で、試料の視認性を数値化して客観的に評価することができる。従って、本発明の視認性評価方法によれば、目視での観察に近い精度で、例えばCCL等に用いられる合成樹脂層などの視認性を簡易かつ迅速に評価できる。
本発明の一実施の形態に係る視認性評価方法に使用するドットパターンの概略構成を示す図面である。 ドットパターンの別の態様の概略構成を示す図面である。 本発明の一実施の形態に係る視認性評価方法の原理を説明する図面である。 出力画像の一部分を拡大して示す説明図である。 出力画像の別の例を示す説明図である。 図3Bの一部分を拡大して示す説明図である。 出力画像における各ドットの輝度に基づいて作成したヒストグラムを示す図面である。 係数bの一例の説明に供する図面である。 係数bの別の例の説明に供する図面である。 係数bのさらに別の例の説明に供する図面である。 係数bのさらに別の例の説明に供する図面である。 係数bのさらに別の例の説明に供する図面である。 係数bのさらに別の例の説明に供する図面である。 本発明の第1の実施の形態に係る視認性評価装置の概略構成図である。 本発明の第2の実施の形態に係る視認性評価装置の概略構成図である。 本発明の第3の実施の形態に係る視認性評価装置の概略構成図である。 本発明の第4の実施の形態に係る視認性評価装置の概略構成図である。 試料Aについて、図5に示した視認性評価装置によって得られた輝度のヒストグラムを示す図面である。 試料Aについて、図5に示した視認性評価装置によって得られた出力画像を示す図面である。 試料Bについて、図5に示した視認性評価装置によって得られた輝度のヒストグラムを示す図面である。 試料Bについて、図5に示した視認性評価装置によって得られた出力画像を示す図面である。 図5に示した視認性評価装置によって得られたリファレンスによる輝度のヒストグラムを示す図面である。 図5に示した視認性評価装置によって得られたリファレンスの出力画像を示す図面である。 試料Aについて、図6に示した視認性評価装置によって得られた輝度のヒストグラムを示す図面である。 試料Aについて、図6に示した視認性評価装置によって得られた出力画像を示す図面である。 試料Cについて、図6に示した視認性評価装置によって得られた輝度のヒストグラムを示す図面である。 試料Cについて、図6に示した視認性評価装置によって得られた出力画像を示す図面である。 試料Dについて、図6に示した視認性評価装置によって得られた輝度のヒストグラムを示す図面である。 試料Dについて、図6に示した視認性評価装置によって得られた出力画像を示す図面である。 図6に示した視認性評価装置によって得られたリファレンスによる輝度のヒストグラムを示す図面である。 図6に示した視認性評価装置によって得られたリファレンスの出力画像を示す図面である。 試料A〜Eについて、ゴニオフォトメーターを使用して散乱光の角度プロファイルを計測した結果を示すグラフである。 3種類のCCLについて、工程Cにおいてドット境界を2ピクセル幅で処理対象から除外した場合におけるドット単位で集計した輝度の信号ノイズ比を示すグラフである。 3種類のCCLについて、工程Cにおいてドット境界を2ピクセル幅で処理対象から除外した場合におけるピクセル単位で集計した輝度の信号ノイズ比を示すグラフである。 3種類のCCLについて、工程Cにおいてドット境界を1ピクセル幅で処理対象から除外した場合におけるドット単位で集計した輝度の信号ノイズ比を示すグラフである。 3種類のCCLについて、工程Cにおいてドット境界を1ピクセル幅で処理対象から除外した場合におけるピクセル単位で集計した輝度の信号ノイズ比を示す図面である。 CCL−1をLEDライト出力3mW/cmで撮影したドットパターン像を示す図面である。 CCL−1をLEDライト出力8mW/cmで撮影したドットパターン像を示す図面である。 CCL−2をLEDライト出力3mW/cmで撮影したドットパターン像を示す図面である。 CCL−2をLEDライト出力8mW/cmで撮影したドットパターン像を示す図面である。 CCL−3をLEDライト出力3mW/cmで撮影したドットパターン像を示す図面である。 CCL−3をLEDライト出力8mW/cmで撮影したドットパターン像を示す図面である。 3種類のCCLについて、工程Cにおいてドット境界を処理対象から除外しない場合におけるドット単位で集計した輝度の信号ノイズ比を示す図面である。 3種類のCCLについて、工程Cにおいてドット境界を処理対象から除外しない場合におけるピクセル単位で集計した輝度の信号ノイズ比を示す図面である。 CCL−1について、工程Cにおいてドット境界を2ピクセル幅で処理対象から除外した場合におけるドット単位で集計した輝度のヒストグラムを示す図面である。 CCL−1について、工程Cにおいてドット境界を2ピクセル幅で処理対象から除外した場合におけるピクセル単位で集計した輝度のヒストグラムを示す図面である。 CCL−1について、工程Cにおいてドット境界を1ピクセル幅で処理対象から除外した場合におけるドット単位で集計した輝度のヒストグラムを示す図面である。 CCL−1について、工程Cにおいてドット境界を1ピクセル幅で処理対象から除外した場合におけるピクセル単位で集計した輝度のヒストグラムを示す図面である。 CCL−1について、工程Cにおいてドット境界を処理対象から除外しない場合におけるドット単位で集計した輝度のヒストグラムを示す図面である。 CCL−1について、工程Cにおいてドット境界を処理対象から除外しない場合におけるピクセル単位で集計した輝度のヒストグラムを示す図面である。 3種類のCCLについて、工程Cにおいてドット境界を1ピクセル幅で処理対象から除外した場合におけるドット単位で集計した信号ノイズ比の再現性実験の結果を示すグラフである。 実験例3におけるSNR値、SNR’値及びb×SNR値の変化を示すグラフである。 図24の出力P1におけるドットパターン像を示す図面である。 図24の出力P2におけるドットパターン像を示す図面である。 図24の出力P3におけるドットパターン像を示す図面である。 図24の出力P4におけるドットパターン像を示す図面である。
次に、適宜図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。本発明の一実施の形態に係る試料の視認性評価方法は、以下の工程を備えている。
工程A)二次元的に分布するドットパターンを準備する工程:
図1Aは、本実施の形態に係る視認性評価方法に使用する視認性評価用のドットパターンの概略構成を示す図面である。図1Aに例示したドットパターン1は、黒白ドットが任意のドット数(m×n;ここで、m、nは正の整数を意味する)で二次元的に分布する模様である。
ドットパターン1は、黒または白の連続部分の長さ、大きさが単一ではなく、二次元的な分布を有していることが好ましい。つまり、ドットパターン1は、空間周波数が単一ではなく、複数の空間周波数が混在し、空間周波数が不均一なパターンであることが好ましい。このようなドットパターン1は、黒ドットと白ドットを二次元的にランダムに配置することで実現できる。このような観点から、ドットパターン1として、任意のデジタル情報を、例えば、QRコード(登録商標)、CPコード、2/4変調コード、3/16変調コード、5/9変調コードなどを使って、二次元コード化したものを利用してもよい。つまり、ドットパターン1は、二次元コードと同等以上の空間周波数を有することが好ましい。図1Aでは、2/4変調コードを使って、50×50ドットから成る二次元バーコードをドットパターン1として使用している。
なお、ドットパターン1としては、空間周波数が複雑に変化する画像、例えば動植物、風景などを微細なドットによって表現したものを使用してもよい。
なお、ドットパターン1としては、白黒の2値に限らず、例えばRGBの三原色によるパターンであってもよい。
次に、図1Bを参照して、視認性評価用のドットパターンの別の態様について説明する。図1Bは、ドットパターン2の平面図である。ドットパターン2は、複数の第1のドットと、第1のドットとは異なる複数の第2のドットとを有している。ここで、第1のドットは、例えば「黒色のドット」であり、第2のドットは、例えば「白色のドット」であってもよい。ドットパターン2は、第1のドット及び第2のドットがランダムに二次元的に分布している。ドットパターン2は、第1のドット及び第2のドットが、それぞれ四角形をなすとともに、ドットパターン2の全体が四角形の輪郭を有している。図1Bに示す例では、ドットパターン2は、縦50個、横50個、合計2500個のドットを有している。
ドットパターン2において、第1のドットと第2のドットとの比率(第1のドット:第2のドット)は、45:55〜55:45の範囲内である。第1のドットの比率が45を下回ると第2のドット数が多く偏ったアンバランスなヒストグラムとなり、55を超えると第1のドット数が多く偏ったアンバランスなヒストグラムとなる。図1Bに示すドットパターン2では、図1Aに示す2/4変調コードを利用したドットパターン1に比べ、第1のドットと第2のドットとの比率が1:1に近くなって空間周波数帯域を広くすることができる。例えば、ドットパターン2では、適度な空間周波数を持つように、第1のドット又は第2のドットのいずれかが二次元方向に最小値を1、最大値を5以上とし、好ましくは最大値を10以上として連続して現れる領域を有している。より具体的には、第1のドット又は第2のドットのいずれかが二次元方向に、例えば1〜15個の範囲内で連続して現れる領域を有していることがよい。
また、ドットパターン2は、四角形の輪郭の四つの角部から外れた位置に、それぞれ、位置合わせ領域であるマーカー部2aを有している。マーカー部2aは、トリミングを行うときの基準となる。図1Bに示す例では、マーカー部2aは、その輪郭のみを示しているが、6×6個の第2のドット(白色ドット)によって形成された領域である。なお、マーカー部2aの周囲の領域は、本来は黒色となるが、図1Bでは、説明の便宜上、白抜きで示した。また、図1Bでは、四角形のドットパターン2の角部に対応して、4箇所にマーカー部2aを設けているが、3箇所でもよい。
また、ドットパターン2は、第2のドット(白色のドット)によって形成されたマーカー部2aを画像データ上、検出しやすくするため、各マーカー部2aに最も近接する四隅のドットを、すべて第1のドット(黒色のドット)により構成している。図1Bに示す例では、各角部において、4隅のドットだけでなく、4隅のドットに隣接する3個のドットを含め、それぞれ合計4個ずつのドットを、第1のドット(黒色のドット)によって構成している。
ドットパターン2は、金属層と合成樹脂層とが積層された金属張積層体に設けることもできる。その場合、金属層を部分的にエッチングすることによって、ドットパターン2を形成することができる。この場合、第1のドットを、金属層によって構成し、第2のドットを、エッチングによって金属層が除去された部分、すなわち、金属層に刻設された開口によって構成することができる。また、この場合、合成樹脂層が視認性評価の対象となる試料となる。
工程B)試料5を介して、撮像装置によってドットパターン1を撮影し、撮影されたドットパターン像3を出力画像として生成させる工程:
図2は、工程Bの原理を簡略化して示している。本実施の形態の視認性の評価方法では、入力画像であるドットパターン1と撮像装置との間に、試料5を介在させた状態でドットパターン1の撮影を行う。なお、以下の説明ではドットパターン1を例に挙げるがドットパターン2についても同様に使用できる。
試料5としては、光透過性の材質からなるもの、例えば合成樹脂フィルム、ガラス、石英などのほか、ITO(インジウム・スズ・オキサイド)や酸化亜鉛などの透明電極、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化コバルト、酸化クロム、ジルコニア、酸化バナジウム、フッ化マグネシウム、窒化シリコン、窒化チタン、炭酸カルシウムなどの光透過性材料を挙げることができる。合成樹脂フィルムの材質としては、ポリイミド、ポリエチレン、ポリエチレンオキシド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリウレタン、ナイロン6、ナイロン66、トリアセチルセルロース、トリアセテート、ポリスチレン、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリメチルペンテン、ポリエーテルスルフオン、ポリメタクリル酸メチル、ポリメチルメタクリレート(各種アクリル樹脂)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート、ポリシクロヘキシルメタクリレート、ポリベンジルメタクリレート、ポリフェニレンメタクリレート、ポリジアルフタレート、ポリビニルナフタレン、ポリビニルカルバゾール、各種エポキシ樹脂などを例示できる。
合成樹脂フィルムは、例えばCCL(銅張積層体)に代表される、金属層と合成樹脂層とが積層された金属張積層体における合成樹脂層であってもよい。試料5が、金属張積層体における合成樹脂層である場合、ドットパターン1を金属層に形成しておくことができる。この場合、ドットパターン1は、例えば、金属層と、該金属層に刻設された開口と、によって形成してもよいし、あるいは、適宜のインクを用いて金属層にドットパターン1を印刷してもよい。
試料5を介して撮影されたドットパターン像3は、試料5の存在によって、入力画像である元のドットパターン1とは異なるものとなる。本実施の形態の視認性の評価方法では、この相違を、工程C以降で輝度を元に数値化し、試料5の視認性を評価する。試料5を介さずに撮影を行った場合(リファレンス)や、試料5の光線透過率が100%で、屈折や散乱が全く生じない場合には、理論上、出力画像であるドットパターン像3は、元のドットパターン1とほぼ一致する。なお、出力画像であるドットパターン像3には、画像処理として、例えばマーカー検出、傾き補正、トリミングなどを施すことができる。
工程C)出力画像を入力画像である元のドットパターン1と同じドット数に分割するとともに、各ドットを2以上の種類に分類し、分類された各種類のドット毎に輝度を数値化して度数分布を求め、種類毎に輝度の平均値及び標準偏差を演算する工程:
図3Aは、出力画像であるドットパターン像3の一部分を拡大して示している。出力画像は、入力画像と同じドット数(50×50ドット)に分割される。そして、すべてのドットについて、入力画像のドットを基に2以上の種類に分類する。本実施の形態では、出力画像の各ドットを、入力画像のドットを基に、黒ドット又は白ドットの2種類に分類している。そして、分類された各種類のドット毎に輝度を数値化して度数分布を求める。
なお、ドットパターン1がカラーである場合は、各ドットを、例えばRGBの3種類に分類することもできる。
図4Aは、各ドットの輝度に基づいて作成したヒストグラムを示している。ここでは、黒ドットを「0」、白ドットを「1」とし、輝度の信号レベル(図4Aの横軸)を256スケールに区分してヒストグラムを作成している。このヒストグラムに基づき、黒ドットの分布と、白ドットの分布のそれぞれについて、輝度の平均値μ,μと標準偏差σ,σが算出される。
工程D)輝度の平均値及び標準偏差から、信号ノイズ比を算出するとともに、該信号ノイズ比に、前記出力画像の明るさを表す係数であって、0以上1以下の範囲内の数であり、前記度数分布の階調数をnとしたとき、n/2のときに最大値1となり、n/2から離れるほど減少して0に近づく値bを乗算する工程:
工程Dにおいて、信号ノイズ比は、例えば、下式(1)又は式(2)に基づき、算出することができる。
[式中、μは黒ドットの輝度の平均値、μは白ドットの輝度の平均値、σは黒ドットの輝度の標準偏差、σは白ドットの輝度の標準偏差を意味する。]
[式中、σは、黒ドットの輝度の標準偏差σと白ドットの輝度の標準偏差σのいずれか大きい方を意味する。]
信号ノイズ比(SNR値又はSNR’値;以下、両者を区別しない場合は、単に「SNR値」と記すことがある)を求めるには、上記式(1)、式(2)のどちらを用いてもよいが、式(2)では、黒ドットの輝度の標準偏差σと白ドットの輝度の標準偏差σのいずれか大きい値(σ)を用いることによって、例えば出力画像の白黒の偏りが大きく、輝度の標準偏差自体は小さい場合などに、SNR値が見かけ上、高くなり過ぎることを是正し、より正確な評価が可能になる。
図4Aにおいて、白ドットの輝度の平均値μと黒ドットの輝度の平均値μとの差分は信号強度Sを示している。また、白ドットの輝度の標準偏差σと黒ドットの輝度の標準偏差σとの差分は、ノイズ強度Nを示している。そして、上記式(1)又は式(2)に基づき、信号ノイズ比(SNR値)を算出することによって、試料5の視認性を客観的な数値データとして評価することができる。
工程Dでは、得られたSNR値に、出力画像の明るさを表す係数であって、0以上1以下の範囲内の数であり、度数分布の階調数をnとしたとき、n/2のときに最大値1となり、n/2から離れるほど減少して最小値0に近づく値bを乗算し、b×SNR値を求める。工程DでSNR値に係数bを乗算する意義は、図4Aに例示するようなヒストグラムにおいて、明・暗ドットの明るさの平均値μ[ここで、μ=(μ+μ)/2]が、明るさの中間値(すなわち、度数分布の中間値である階調数nの1/2)に近いほど、目視によって認識しやすいとの知見に基づくものである。
ここで、図4B〜図4Gを参照しながら、係数bについて説明する。上記のとおり、係数bは、度数分布の階調数をnとしたとき、n/2のときに最大値1となり、n/2から離れるほど減少して最小値0に近づく値である。かかる条件を満たす係数bとしては、例えば、係数bを縦軸にとり、明・暗ドットの明るさの平均値μ(ただし、0≦μ≦1)を横軸にとった場合、μ=0.5のときにピークを有する値となる。
より具体的には、係数bは、例えば、
図4Bに示すように、上に凸に交わる二直線であってμ=0.5のときにピークを有するもの;
図4Cに示すように、上に凸の円弧・楕円弧であってμ=0.5のときにピークを有するもの;
図4Dに示すように、放物線・多項式近似曲線であってμ=0.5のときにピークを有するもの;
図4Eに示すように、ガウス分布曲線であってμ=0.5のときにピークを有するもの;
などによって表される値である。そして、係数bとしては、図4Bの一典型例である図4Fに示すように、上に凸に交わる二直線であって、μ=0.5のときにピークを有するとともに、μ=0又はμ=1のとき、b=0となる値であることが最も好ましい。係数bが図4Fに示す値である場合、目視に最も近似した評価が可能である。図4Fに示す係数bは、次の式、b=1−|1−2μ|で表すことができる。例えば、図4Aに示す256階調のヒストグラムを例にとると、係数bは、図4Gで示すものが最も好ましく、この場合、下記の式(3)で表すことができる。
以上のように、係数bを使用し、b×SNR値を求めることによって、出力画像全体の明るさをファクターとして加味した視認性の評価が可能になる。
また、本実施の形態に係る視認性評価方法は、次の工程E:
E)算出されたSNR値と係数bとの乗算値(b×SNR値)を、例えば試料5を介さずにドットパターン1を撮影し、工程C、Dと同様の処理を行って得られるリファレンスのSNR値と係数bとの乗算値(b×SNR値)と比較する工程を含むことができる。試料5について工程Dで得られたb×SNR値を、リファレンスのb×SNR値と比較することによって、試料5の視認性を客観的に評価することができる。
<工程Cの変形例>
ここで、工程Cにおける処理の変形例について、図3B及び図3Cを参照しながら説明する。図3Bは、ドットパターン2(図1B参照)を使用した場合の出力画像であるドットパターン像3の全体を示している。図3Cは、図3Bのドットパターン像3の一つの角付近を拡大して示している。図3Cには、出力画像であるドットパターン像3をトリミングする境界と、ドットパターン像3を分割する位置についても図示している。
工程Cは、以下のi)〜vi)の処理を含むことができる。
i)出力画像であるドットパターン像3の輪郭3aに対して、所定の範囲のマージンを含む大きさでトリミングするとともに、複数のピクセルを割り当てる。
ii)各ピクセルの輝度を数値化する。
iii)複数のピクセルを1ドットとして、トリミングされたドットパターン像3を入力画像であるドットパターン1と同じドット数に分割する。
iv)各ドットの境界に存在するピクセルを除外して処理対象とするピクセル群を選択する。
v)選択された前記ピクセル群によって、1つのドットが構成されるものとして、前記各ドットを白ドット又は黒ドットのいずれかに分類する。
vi)分類された白ドット又は黒ドット毎に輝度を数値化して度数分布を求め、前記白ドット又は黒ドット毎に前記輝度の平均値及び標準偏差を演算する。
処理iでは、例えば図3Cに示すように、ドットパターン像3の本来の輪郭3aよりも、わずかに大きなトリミング位置10によって囲まれる範囲でトリミングを行う。これは、後の処理iii)において、トリミングされたドットパターン像3を、トリミング位置10を基準にして、入力画像であるドットパターン1と同じドット数に分割する処理を行う際に、縦の分割境界線11及び横の分割境界線13が現実のドット境界からずれる可能性を考慮したものである。
すなわち、処理iでは、マーカー部2aを基準にトリミングを行い、処理iiiでは、トリミング位置10を基準に複数のドットへの分割を行う。そのため、例えば、マーカー部2aが正確に画像化されていない場合や、出力画像であるドットパターン像3自体にひずみが存在する場合などには、ドットパターン像3に設定される縦の分割境界線11及び横の分割境界線13が、ドットパターン像3のドット境界と一致しない場合がある。このような画像データ処理上の「ずれ」は、本来、「白ドット」である部分を「黒ドット」と誤認したり、「黒ドット」である部分を「白ドット」と誤認したりする原因となる。従って、画像データ処理上の「ずれ」の発生を考慮して、処理iでは、予めトリミング位置10をドットパターン像3の輪郭3aよりも所定の範囲だけ外側に拡大した位置に設定しておく。
例えば、図3B及び図3Cに示す例では、1つのドットに5×5=25ピクセルを割り当てているとともに、ドットパターン像3が正方形の白ドット及び黒ドットからなる50×50=2500ドットである。この場合、トリミング位置10を、例えば、輪郭3aよりも1/2ピクセル幅だけ上下左右の外側へ拡大し、251×251ピクセルの正方形に設定すればよい。なお、例えば、輪郭3aの全体に500×500ピクセルを割り当てる場合には、トリミング位置10を輪郭3aよりも1ピクセル幅だけ上下左右の外側へ拡大し、502×502ピクセルの正方形に設定してもよい。好ましくは、前者の方が少ないピクセル数で処理が行えるため、処理の高速化、データ量の節約の点で有利である。
処理iiでは、各ピクセルの輝度を数値化する。例えば、各ピクセルの輝度を複数の階調に区分して数値化する。後述の実施例では、各ピクセルの輝度を256階調に分けて数値化している。
処理iiiでは、トリミング位置10を基準に、トリミングされたドットパターン像3を入力画像であるドットパターン1と同じドット数に分割する。また、分割した各ドットに複数のピクセルを割り当てる。例えば、図3B及び図3Cに示す例では、251×251ピクセルの正方形を50×50=2500ドットに分割するとともに、ドットパターン像3における1ドットに対し5×5=25ピクセルを割り当てている。
処理ivでは、分割した各ドットの境界に存在するピクセルを除外して、処理対象とするピクセル群を選択する。例えば、図3Cでは、5×5=25ピクセルである1ドット中の最外周の16ピクセルについて、コーナー部分の4ピクセルは、それぞれ1/4ピクセル(合計1ピクセル)を、それ以外の14ピクセルは、それぞれ1/2ピクセル(合計8ピクセル)を除外することによって、内側の4×4=16ピクセルを抽出している。そして、内側の4×4=16ピクセルを処理対象とするピクセル群として選択する。この場合、処理i)でトリミング位置10をドットパターン像3の輪郭3aよりも拡大したことによって、トリミング位置10を基準に分割する際の各ドットの境界に位置する1/2ピクセル幅を対象から除外することが可能になる。なお、除外された1/2ピクセル幅は、隣接するドットの最外周の1/2ピクセル幅とともに、境界を形成する。このように、分割した各ドットの境界に存在するピクセルを処理対象から除外することによって、光学系に起因するドットの境界のボケによる影響を緩和できる。また、光学系に起因する収差や画像処理上に生じる「ずれ」による誤りの影響も緩和できる。
処理vでは、選択された4×4=16ピクセルのピクセル群によって、1つのドットが構成されるものとして、ドットパターン像3の各ドットを白ドット又は黒ドットのいずれかに分類する。
処理viでは、上記と同様にして、分類された白ドット及び黒ドット毎に輝度を数値化して度数分布を求め、輝度の平均値及び標準偏差を演算する。
以上のように、工程Cの変形例では、出力画像であるドットパターン像3中の各ドットの境界部分に位置するピクセルを輝度の度数分布の処理対象から除外することによって、光学系に起因するドットの境界のボケによる影響を緩和できる。また、光学系に起因する収差や画像処理上に生じる「ずれ」による誤りの影響も緩和できる。
次に、図5〜図8を参照しながら、本発明の試料5の視認性評価方法を実施するための視認性評価装置の構成について説明する。
[第1の実施の形態]
図5は、本発明の第1の実施の形態に係る視認性評価装置の概略構成図である。この視認性評価装置100は、光源101と、ドットパターン1を表示させる空間光変調器(SLM)103と、この空間光変調器(SLM)103に表示されたドットパターン1を撮像する撮像装置105を備えている。
光源101としては、例えばランプ光源、レーザー光源、LED光源などを用いることができる。単波長の光を照射する場合は、レーザー光源やLED光源を用いることが好ましい。
空間光変調器(SLM)103は、二次元に配列された複数の微小な光変調素子を有しており、光源101からの光の振幅、位相、偏光などの空間的分布を電気的に制御して光を変調させ、ドットパターン1を二次元的に表示させる。空間光変調器(SLM)103としては、例えば、反射型液晶(LCOS:エルコス、Liquid crystal on silicon)タイプ、透過型液晶タイプ、強誘電液晶タイプ、マイクロミラー(DMD:Digital Mirror/Micromirror Device)タイプなどがある。
撮像装置105は、例えばCCDやCMOSイメージセンサなどの撮像素子(図示省略)を備えている。
また、空間光変調器(SLM)103と撮像装置105の間には、試料5が配置されている。空間光変調器(SLM)103は、LCOSタイプである。試料5は、図5中、入力画像の結像位置107から外れた位置に配置されている。試料5の散乱光レベルに応じて、入力画像の結像位置107との距離を調整することが好ましい。試料5の散乱光レベルが大きい場合は、結像位置107と試料5の位置を一致させてもよい。試料5が光散乱、歪みを有する場合、試料5を結像位置107から離すほど、出力画像のぼけ、乱れが大きくなる。このため、散乱光レベルが大きい試料どうしを評価する場合、試料5を結像位置107から離すと散乱の影響で出力画像が大きく乱れ過ぎてしまい、評価が難しくなるので、結像位置107に配置するのが好ましい。逆に散乱光レベルが小さい試料どうしを評価する場合、試料5を結像位置107に配置すると、どの試料の出力画像も乱れが少なく、試料間の差を評価するのが難しくなるため、結像位置107から離した位置に配置するのが好ましい。
また、視認性評価装置100は、偏光成分を分離するための偏光ビームスプリッタ(PBS)111、入射光の偏光面にλ/2の位相差を与える1/2波長板(HWP)113、第1のレンズ115、第2のレンズ117及び第3のレンズ119を備えている。偏光ビームスプリッタ(PBS)111は、LCOSタイプの空間光変調器(SLM)103からの光を効率良く、高コントラストで得るために使用する。また、1/2波長板(HWP)113は光量調整用として使用する。第1のレンズ115及び第2のレンズ117は、入力画像を結像位置107に結像させるためのリレーレンズである。なお、第1のレンズ115及び第2のレンズ117は、どちらか片方でもよい。第3のレンズ119は、撮像装置105の撮像素子(図示省略)に結像させるためのレンズである。
また、視認性評価装置100は、画像処理及び演算処理を行う制御部500を備えている。視認性評価装置100の各構成部は、制御部500に接続されて制御される構成となっている。制御部500は、CPUを備えたコントローラ501と、ユーザーインターフェース502と、記憶部503とを備えている。コントローラ501は、コンピュータ機能を有しており、視認性評価装置100において、各構成部を統括して制御するとともに、撮像装置105で生成される出力画像であるドットパターン像3について、画像処理や演算処理を行う。ユーザーインターフェース502は、管理者が視認性評価装置100を管理するためにコマンドの入力操作等を行うキーボードや、出力画像や演算結果を可視化して表示するディスプレイ等から構成される。記憶部503には、視認性評価装置100で実行される処理をコントローラ501の制御にて実現するための制御プログラム(ソフトウエア)や処理条件データ等が保存されている。ユーザーインターフェース502および記憶部503は、コントローラ501に接続されている。
以上の構成を有する視認性評価装置100は、光源101から照射した光を、1/2波長板(HWP)113を介して偏光ビームスプリッタ(PBS)111に導き、この偏光ビームスプリッタ(PBS)111から空間光変調器(SLM)103に光を入射させて二次元のドットパターン1を表示させる。空間光変調器(SLM)103によって表示されたドットパターン1を、偏光ビームスプリッタ(PBS)111から第1のレンズ115、第2のレンズ117、試料5及び第3のレンズ119を介して撮像装置105によって撮像する。
撮像装置105によって撮像された出力画像としてのドットパターン像3に対し、制御部500において、上記工程C及び工程Dの処理が行われ、信号ノイズ比(SNR値)を算出することによって、試料5の視認性を客観的な数値データとして評価することができる。また、算出されたSNR値を、視認性評価装置100において試料5を介さずにドットパターン1を撮影し、工程C、Dの処理を行ったリファレンスのSNR値と比較することによって、試料5の視認性を評価してもよい。
[第2の実施の形態]
図6は、本発明の第2の実施の形態に係る視認性評価装置の概略構成図である。この視認性評価装置200は、ドットパターン1を表示させるモニタ201、このモニタ201に装着されたスペーサー203と、ドットパターン1を撮像する撮像装置105を備えている。
モニタ201は、例えば液晶ディスプレイ、LEDディスプレイなどであり、入力画像である二次元ドットパターン1を画面上に表示させる。
スペーサー203は、例えば透明ガラスなどの光透過性材料で形成されている。スペーサー203は、モニタ201の表面に密着した状態で装着される。スペーサー203の厚みは、試料5の散乱光レベルに応じて調整することが好ましい。
撮像装置105の構成は、第1の実施の形態と同様である。
また、視認性評価装置200は、試料5と撮像装置105との間に、レンズ205を備えている。レンズ205は、撮像装置105の撮像素子(図示省略)に結像させるためのレンズである。
また、視認性評価装置200は、画像処理及び演算処理を行う制御部500を備えている。制御部500の構成は、第1の実施の形態と同様である。
視認性評価装置200において、試料5は、モニタ201と撮像装置105の間に介在するように配置される。試料5は、スペーサー203に密着させて配置される。なお、試料5の散乱光レベルが大きな場合は、スペーサー203を設けず、モニタ201に直接試料5を密着させて配置してもよい。試料5が光散乱、歪みを有する場合、試料5をモニタ201から離すほど、出力画像のぼけ、乱れが大きくなる。このため、散乱光レベルが大きい試料どうしを評価する場合、試料5をモニタ201から離すと散乱の影響で出力画像が大きく乱れ過ぎてしまい、評価が難しくなるため、スペーサー203を設けずモニタ201に直接試料5を密着させるのが好ましい。逆に散乱光レベルが小さい試料どうしを評価する場合、試料5をモニタ201に直接試料5を密着させると、どの試料の出力画像も乱れが少なく、試料間の差を評価するのが難しくなるため、スペーサー203を設け、モニタ201から離した位置に配置するのが好ましい。
以上の構成を有する視認性評価装置200は、モニタ201に二次元のドットパターン1を表示させる。このドットパターン1を、スペーサー203及び試料5を介して撮像装置105によって撮像する。
撮像装置105によって撮像された出力画像としてのドットパターン像3に対し、制御部500において、上記工程C及び工程Dの処理が行われ、信号ノイズ比(SNR値)を算出することによって、試料5の視認性を客観的な数値データとして評価することができる。また、算出されたSNR値を、視認性評価装置200において試料5を介さずにドットパターン1を撮影し、工程C、Dの処理を行ったリファレンスのSNR値と比較することによって、試料5の視認性を評価してもよい。
[第3の実施の形態]
図7は、本発明の第3の実施の形態に係る視認性評価装置の概略構成図である。この視認性評価装置300は、ドットパターン1が印刷された入力画像301と、この入力画像301と試料5との間に配置されるスペーサー303と、入力画像301を撮像する撮像装置105と、入力画像301に光を照射する光源307を備えている。
入力画像301は、二次元のドットパターン1を、例えば上質紙などの任意の媒体に印刷したものを使用できる。
スペーサー303は、例えば透明ガラスなどの光透過性材料で形成されている。スペーサー303は、入力画像301の表面に密着した状態で装着される。スペーサー303の厚みは、試料5の散乱光レベルに応じて調整することが好ましい。
撮像装置105の構成は、第1の実施の形態と同様である。
光源307は、図7に示すように、一つないし複数個を配備することができる。
また、試料5と撮像装置105との間には、試料5に密着させて透明板309を配備することができる。透明板309は、例えばガラス板、アクリル板、石英板などであり、試料5を固定する目的で使用される。透明板309は、省略することもできる。
また、試料5と撮像装置105との間には、レンズ311を配備することができる。レンズ311は、撮像装置105の撮像素子(図示省略)に結像させるためのレンズである。
また、視認性評価装置300は、画像処理及び演算処理を行う制御部500を備えている。制御部500の構成は、第1の実施の形態と同様である。
視認性評価装置300において、試料5は、入力画像301と撮像装置105との間に介在するように配置される。試料5は、例えばスペーサー303に密着させて配置される。なお、試料5の散乱レベルが大きな場合は、スペーサー303を設けず、入力画像301に直接試料5を密着させてもよい。
以上の構成を有する視認性評価装置300では、光源307から入力画像301に光を照射しながら、入力画像301の二次元のドットパターン1をスペーサー303、試料5及び透明板309を介して撮像装置105によって撮像する。
撮像装置105によって撮像された出力画像としてのドットパターン像3に対し、制御部500において、上記工程C及び工程Dの処理が行われ、信号ノイズ比(SNR値)を算出することによって、試料5の視認性を客観的な数値データとして評価することができる。また、算出されたSNR値を、視認性評価装置300において試料5を介さずにドットパターン1を撮影し、工程C、Dの処理を行ったリファレンスのSNR値と比較することによって、試料5の視認性を評価してもよい。
[第4の実施の形態]
図8は、本発明の第4の実施の形態に係る視認性評価装置の概略構成図である。この視認性評価装置400は、二次元的なドットパターン1が形成されたCCL401を用いる。
視認性評価装置400は、CCL401と、このCCL401に向けて光を照射する光源403と、CCL401に形成された入力画像であるドットパターン1を撮像する撮像装置105とを備えている。
CCL401は、銅箔と合成樹脂層とを備えている。CCL401としては、銅箔に、ドットパターン1に対応する貫通開口を形成したもの、あるいは、ドットパターン1を印刷したものなどを使用することができる。銅箔にドットパターン1に対応する貫通開口を形成する場合は、必要に応じて、銅箔の裏面側に、黒色又は白色の板材や紙などを貼り合わせてもよい。また、本実施の形態では、CCL401の合成樹脂層が、視認性評価の対象である試料5となる。CCL401は、試料5である合成樹脂層が撮像装置105に対向するように配置される。
光源403は、一つないし複数個を配備することができる。光源403は、CCL401の裏面側(銅箔側)、又は表面側(合成樹脂層側)へ、光を照射する。
撮像装置105の構成は、第1の実施の形態と同様である。
また、CCL401と撮像装置105との間には、レンズ407を配備することができる。レンズ407は、撮像装置105の撮像素子(図示省略)に結像させるためのレンズである。
また、視認性評価装置400は、画像処理及び演算処理を行う制御部500を備えている。制御部500の構成は、第1の実施の形態と同様である。
以上の構成を有する視認性評価装置400では、光源403からCCL401に光を照射しながら、CCL401の銅箔に形成された二次元のドットパターン1を、試料5である合成樹脂層を介して撮像装置105によって撮像する。
撮像装置105によって撮像された出力画像としてのドットパターン像3に対し、制御部500において、上記工程C及び工程Dの処理が行われ、信号ノイズ比(SNR値)を算出することによって、試料5(CCL401の合成樹脂層)の視認性を客観的な数値データとして評価することができる。また、算出されたSNR値を、視認性評価装置400において試料5を介さずにドットパターン1を撮影し、工程C、Dの処理を行ったリファレンスのSNR値と比較することによって、試料5の視認性を評価してもよい。
[実施例]
[実験例1]
次に、本発明の効果を確認した実験結果について説明する。試料5として、5種類のポリイミドフィルムの試料A、試料B、試料C、試料D及び試料Eを準備した。これらの試料について、図5に示した視認性評価装置100又は図6に示した視認性評価装置200を用いて視認性の評価を行った。その結果を表1に示した。なお、表1には、各試料に関するヘイズ値及び光線透過率の測定結果も併記した。また、係数bとしては、式(3)で求められる値を使用した。
表1から、本発明の視認性評価方法によって得られた試料A〜Eに関するSNR値及びb×SNR値は、ヘイズ値及び光線透過率の値とある程度の相関関係を有している一方、ヘイズ値又は光線透過率のどちらか片方だけでは得られない傾向も示していた。その理由として、本発明の視認性評価方法が、より目視に近い状態で試料の視認性を総合的に評価できているためであると考えられる。
図9Aは、試料Aについて、図5に示した視認性評価装置100によって評価を行って得られた輝度のヒストグラムを示しており、図9Bは、その場合の出力画像を示している。図9Aのヒストグラムの縦軸は、データ数を示し、横軸は256に区分された信号レベルを示している(図10A、図11A、図12A、図13A、図14A、図15Aにおいて同様である。)。
図10Aは、試料Bについて、図5に示した視認性評価装置100によって評価を行って得られた輝度のヒストグラムを示しており、図10Bは、その場合の出力画像を示している。
図11Aは、図5に示した視認性評価装置100によって試料を用いずに行ったリファレンス試験における輝度のヒストグラムを示しており、図11Bは、その場合の出力画像を示している。
図12Aは、試料Aについて、図6に示した視認性評価装置200によって評価を行って得られた輝度のヒストグラムを示しており、図12Bは、その場合の出力画像を示している。
図13Aは、試料Cについて、図6に示した視認性評価装置200によって評価を行って得られた輝度のヒストグラムを示しており、図13Bは、その場合の出力画像を示している。
図14Aは、試料Dについて、図6に示した視認性評価装置200によって評価を行って得られた輝度のヒストグラムを示しており、図14Bは、その場合の出力画像を示している。
図15Aは、図6に示した視認性評価装置200によって試料を用いずに行ったリファレンス試験における輝度のヒストグラムを示しており、図15Bは、その場合の出力画像を示している。
図16は、試料A〜Eについて、ゴニオフォトメーターを使用して散乱光の角度プロファイルを計測した結果を示すグラフである。図16の縦軸は、散乱光レベルを対数目盛で表示しており、横軸は検出角度を示している。散乱光レベルの測定は、ポリイミドに対して、吸収が低いと考えられる635nmのレーザー光を照射し、光検出器を−45度〜45度の角度範囲内でスキャンさせて行った。なお、散乱光レベルは、0次透過光で規格化した。
図16から、材質が同じポリイミドであっても、散乱光レベルは、試料A〜Eの間で差が大きく、最大で3〜4桁の違いが認められた。また、図16に示した結果と、表1の結果を比較すると、散乱光レベルの順序は、視認性評価装置100による視認性の評価結果であるSNR値の順序と一致しており、強い相関関係が認められた。このことから、本発明の視認性の評価方法は、試料の散乱光レベルを含む光学的特性を、客観的な数値データとして表現していることが確認された。
[実験例2]
サンプルとして、3種類の銅張積層体CCL−1、CCL−2、CCL−3を準備した。CCL−1、CCL−2、CCL−3は、いずれも、12μmの銅箔層、25μmのポリイミド層を有する両面銅張積層体である。CCL−1は圧延銅箔、CCL−2、CCL−3は電解銅箔を使用した。各CCLにおける片面の銅箔層をエッチング除去し、他方の面の銅箔層には、エッチングによってドットパターン2(図1B参照)と同様のドットパターンを形成した。これらの試料について、図7に示した視認性評価装置300と同様の構成の装置を使用し、工程A〜工程Dを実施し、上記式(2)に基づきSNR’値を算出した。工程Cは、上記i)〜vi)の処理を含む変形例に基づき、下記の処理方法a又は処理方法bによって行った。各ドット及び各ピクセルの輝度は256階調に区分して数値化した。
(処理方法a)
処理方法aでは、出力画像である正方形のドットパターン像3を、250×250ピクセルの正方形にトリミングした後、50×50=2500ドット(各ドットも正方形)に分割し、ドット境界を2ピクセル幅で処理対象から除外した。
(処理方法b)
処理方法bでは、出力画像である正方形のドットパターン像3を、輪郭3aよりも1/2ピクセル幅だけ上下左右の外側へ拡大し、251×251ピクセルの正方形にトリミングした後、50×50=2500ドット(各ドットも正方形)に分割し、ドット境界を1ピクセル幅で処理対象から除外した。
(処理方法c)
また、比較のため、処理方法cでは、出力画像である正方形のドットパターン像3を、250×250ピクセルの正方形にトリミングした後、50×50=2500ドット(各ドットも正方形)に分割したものを使用した(処理対象からのドット境界の除外はなし)。
図7の視認性評価装置300において、光源307としての白色LEDライトの出力を変化させた場合のSNR’値の変化を測定した。処理方法aによる実験結果を図17A,図17Bに、処理方法bによる実験結果を図18A,図18Bに、処理方法cによる実験結果を図19A,図19Bに、それぞれ示した。各図の縦軸は式(2)によって求めたSNR’値であり、横軸はLEDライトの出力を示している。また、図18C〜図18Hは、トリミングを含む画像処理を行う前の出力画像であるドットパターン像3を示している。ここで、図18Cは、CCL−1のLEDライト出力3mW/cmにおけるドットパターン像3であり(a)は全体像、(b)はその一部分を拡大した像である。図18Dは、CCL−1のLEDライト出力8mW/cmにおけるドットパターン像3であり、(a)は全体像、(b)はその一部分を拡大した像である。また、図18Eは、CCL−2のLEDライト出力3mW/cmにおけるドットパターン像3であり、(a)は全体像、(b)はその一部分を拡大した像である。図18Fは、CCL−2のLEDライト出力8mW/cmにおけるドットパターン像3であり、(a)は全体像、(b)はその一部分を拡大した像である。また、図18Gは、CCL−3のLEDライト出力3mW/cmにおけるドットパターン像3であり、(a)は全体像、(b)はその一部分を拡大した像である。図18Hは、CCL−3のLEDライト出力8mW/cmにおけるドットパターン像3であり、(a)は全体像、(b)はその一部分を拡大した像である。
また、CCL−1についての、処理方法aによる輝度のヒストグラムを図20A,図20Bに、処理方法bによる輝度のヒストグラムを図21A,図21Bに、処理方法cによる輝度のヒストグラムを図22A,図22Bに、それぞれ示した。これらの実験におけるLEDライト出力は、3mW/cmである。各図の縦軸はデータ数を示し、横軸は256階調に区分された信号レベルを示している。なお、各図中の実線は、ガウス分布で近似した結果を示している。
ドット単位で集計した輝度のSNR’値を図17A、図18A、図19Aに示し、ピクセル単位で集計した輝度のSNR’値を図17B、図18B、図19Bに示している。これらの結果から、ドット境界において、処理対象から除外するピクセル幅が大きくなるほど、サンプルである3種類のCCLの違いが拡大していく傾向が見られた。これは、ドットの中央部のコントラストがSNR’値に強く反映されたためであると考えられる。
また、ドット境界において、処理対象から除外するピクセル幅を狭くした処理方法bでは、照明を明るくした場合のSNR’値が低下する傾向が見られた。これは、照明が明るいほど、見かけ上、白ドットの面積が広がり、黒ドット部分にしみ出す影響が反映されているためと考えられる。特に、CCL−1では、圧延スジの影響が加味されて、その傾向が顕著に出ていると思われる。このことは、図18C〜図18Hからも読み取ることができる。すなわち、画像処理を行う前の出力画像である図18C〜図18Hにおいて、同一のサンプルでは、照明が明るいほど、白ドットの領域が黒ドットの領域にまで拡大していることがわかる。処理方法bでは、ドット境界部分を1ピクセル幅で除外することで、この広がりの影響をSNR’値に正確に反映できると考えられる。
図19A、図19Bに示すように、ドット境界を処理対象から除外しない処理方法cでは、ドット境界のノイズによって、各CCLの本来の特性が反映されにくくなっている。
ドット単位で集計した輝度のヒストグラムを図20A、図21A、図22Aに示し、ピクセル単位で集計した輝度のヒストグラムを図20B、図21B、図22Bに示している。これらの結果から、特にピクセル単位での集計では、ドット境界において処理対象から除外するピクセル幅を狭くした場合やドット境界を除外しなかった場合に、分布が非対称となり、ガウス分布からのずれも大きくなって、白黒の分布がオーバーラップする傾向が見られた。これは、ドット境界における白黒のしみ出しの影響であると推測される。また、図20A〜図22Bに示す実験結果におけるb×SNR値は、図20Aが11.56、図21Aが8.22、図22Aが4.70、図20Bが9.19、図21Bが5.07、図22Bが2.27であった。係数bとしては、式(3)で求められる値を使用した。
次に、処理方法bにより得られた、3種類のCCLについて、SNR’値の算出を繰り返し実施することにより、再現性評価を行った。この再現性評価実験におけるLEDライトの出力は5.3mW/cmとした。その結果を図23に示した。図23の縦軸は式(2)によって求めたSNR’値(ドット単位での集計)であり、横軸は測定回数を示している。図23から、上記i)〜vi)の処理を含む変形例の工程Cを含む処理方法bによって、ドットパターン2(図1B参照)と同様のドットパターンを測定することによって、データのばらつきが抑えられ、高い再現性が得られることが確認できた。
[実験例3]
CCL−1(実験例2で使用したものと同じ)について、実験例2と同様にして、ドットパターン2と同様の構成を有するドットパターンを形成した。この試料について、図7に示した視認性評価装置300と同様の構成の装置を使用し、工程A〜工程Dを実施した。工程Cは、実験例2の処理方法bと同様に実施した。上記式(1)、式(2)に基づき、SNR値及びSNR’値を算出するとともに、さらにSNR値に係数bを乗算し、b×SNR値を算出した。係数bとしては、式(3)で求められる値を使用した。
図7の視認性評価装置300において、光源307としての白色LEDライトの出力を変化させた場合のSNR値、SNR’値及びb×SNR値の変化を図24に示した。図24の縦軸はSNR値、SNR’値、及びb×SNR値であり、横軸はLEDライトの出力を示している。図24に示す出力P1は0.8(mW/cm)、P2は2.6(mW/cm)、P3は4.8(mW/cm)、P4は7.4(mW/cm)である。図24から、LEDライトの出力変化(つまり、出力画像の明るさの変化)に対し、b×SNR値は、SNR値及びSNR’値と異なる挙動を示すことが判る。
図25は、出力P1のときのドットパターン像であり、図26は、出力P2のときのドットパターン像であり、図27は、出力P3のときのドットパターン像であり、図28は、出力P4のときのドットパターン像である。図25〜28から、目視での視認性は、出力画像であるドットパターン像の明るさによって左右され、出力P2のときが最も視認性に優れており、出力P3、出力P4、出力P1の順に視認性が低下しており、図24に示すb×SNRの結果に一致していることがわかる。従って、b×SNRを算出することによって、出力画像の明るさが考慮されて、より目視に近い視認性の評価が可能であることが確認できた。
以上、本発明の実施の形態を例示の目的で詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に制約されることはなく、種々の変形が可能である。例えば、上記第1〜第4の実施の形態では、視認性評価装置100,200,300,400を例示したが、本発明の視認性評価方法を実施するための装置構成は、これらに限定されるものではない。
1…ドットパターン、3…ドットパターン像、5…試料、101…光源、103…空間光変調器(SLM)、105…撮像装置、111…偏光ビームスプリッタ(PBS)、113…1/2波長板(HWP)、115…第1のレンズ、117…第2のレンズ、119…第3のレンズ、100,200,300,400…視認性評価装置、500…制御部、501…コントローラ、502…ユーザーインターフェース、503…記憶部

Claims (16)

  1. 次の工程A〜工程D;
    A)二次元的に分布するドットパターンを準備する工程、
    B)試料を介して、撮像装置によって前記ドットパターンを撮影し、撮影されたドットパターン像を出力画像として生成させる工程、
    C)前記出力画像を入力画像である前記ドットパターンと同じドット数に分割するとともに、各ドットを2以上の種類に分類し、分類された各種類のドット毎に輝度を数値化して度数分布を求め、前記種類毎に前記輝度の平均値及び標準偏差を演算する工程、及び、
    D)前記輝度の平均値及び標準偏差から、信号ノイズ比を算出するとともに、該信号ノイズ比に、前記出力画像の明るさを表す係数であって、0以上1以下の範囲内の数であり、前記度数分布の階調数をnとしたとき、n/2のときに最大値1となり、n/2から離れるほど減少して0に近づく値bを乗算する工程、
    を含む試料の視認性評価方法。
  2. 次の工程E;
    E)前記信号ノイズ比と係数bとの乗算値を、前記試料を介さずに撮影した場合に得られる前記ドットパターンの出力画像について同様に算出した信号ノイズ比と係数bとの乗算値と比較する工程、
    をさらに含む請求項1に記載の試料の視認性評価方法。
  3. 前記試料が、合成樹脂フィルムである請求項1又は2に記載の試料の視認性評価方法。
  4. 前記試料を前記入力画像の結像位置から外れた位置に配置して前記撮像装置による撮影を行う請求項1から3のいずれか1項に記載の試料の視認性評価方法。
  5. 前記ドットパターンは、空間周波数が不均一に形成されている請求項1から4のいずれか1項に記載の試料の視認性評価方法。
  6. 前記ドットパターンが、二次元コードと同等以上の空間周波数を有するものである請求項5に記載の試料の視認性評価方法。
  7. 前記試料が金属層と合成樹脂層とが積層された金属張積層体における前記合成樹脂層であり、前記ドットパターンが前記金属層に形成されている請求項1から6のいずれか1項に記載の試料の視認性評価方法。
  8. 前記ドットパターンが、前記金属層と、該金属層に刻設された開口と、によって形成されている請求項7に記載の試料の視認性評価方法。
  9. 前記ドットパターンが、前記金属層に印刷されている請求項7に記載の試料の視認性評価方法。
  10. 前記工程Cが、以下のi)〜vi)の処理;
    i)前記出力画像の輪郭に対して、所定の範囲のマージンを含む大きさでトリミングするとともに、複数のピクセルを割り当てる処理、
    ii)各ピクセルの輝度を数値化する処理、
    iii)複数のピクセルを1ドットとして、トリミングされた前記出力画像を入力画像である前記ドットパターンと同じドット数に分割する処理、
    iv)各ドットの境界に存在するピクセルを除外して処理対象とするピクセル群を選択する処理、
    v)選択された前記ピクセル群によって、1つのドットが構成されるものとして、前記各ドットを白ドット又は黒ドットのいずれかに分類する処理、
    vi)分類された白ドット又は黒ドット毎に輝度を数値化して度数分布を求め、前記白ドット又は黒ドット毎に前記輝度の平均値及び標準偏差を演算する処理、
    を含む請求項1から9のいずれか1項に記載の試料の視認性評価方法。
  11. 前記工程Cにおいて、前記出力画像の前記各ドットを白ドット又は黒ドットのいずれかに分類する請求項1から9のいずれか1項に記載の試料の視認性評価方法。
  12. 前記工程Dにおいて、下記の式(1)に基づき信号ノイズ比を算出する請求項10又は11に記載の試料の視認性評価方法。
    [式中、SNRは信号ノイズ比を示し、μは黒ドットの輝度の平均値、μは白ドットの輝度の平均値、σは黒ドットの輝度の標準偏差、σは白ドットの輝度の標準偏差を意味する。]
  13. 前記工程Dにおいて、下記の式(2)に基づき信号ノイズ比を算出する請求項10又は11に記載の試料の視認性評価方法。
    [式中、SNR’は信号ノイズ比を示し、σは、黒ドットの輝度の標準偏差と白ドットの輝度の標準偏差のいずれか大きい方を意味する。]
  14. 前記二次元的に分布するドットパターンが、複数の第1のドットと、該第1のドットとは異なる複数の第2のドットとからなり、前記第1のドットと前記第2のドットとの比率(第1のドット:第2のドット)が45:55〜55:45の範囲内であって、前記第1のドット又は前記第2のドットのいずれかが二次元方向に1〜15個の範囲内で連続して現れる領域を有するものを用いる請求項1から10のいずれか1項に記載の試料の視認性評価方法。
  15. 前記第1のドット及び前記第2のドットが四角形をなすとともに、前記ドットパターンの全体が四角形の輪郭を有するものであり、
    前記四角形の輪郭の四つの角部から外れた位置に、複数の前記第2のドットからなる位置合わせ領域を有しており、
    前記位置合わせ領域に最も近接する四隅のドットが、すべて前記第1のドットにより構成されている請求項14に記載の試料の視認性評価方法。
  16. 前記第1のドットが白色のドットであり、前記第2のドットが黒色のドットである請求項14又は15に記載の試料の視認性評価方法。
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