JP2826673B2 - ハロゲン化銀カラーネガ写真感光材料及びカラー画像形成方法 - Google Patents

ハロゲン化銀カラーネガ写真感光材料及びカラー画像形成方法

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JP2826673B2 JP2034790A JP3479090A JP2826673B2 JP 2826673 B2 JP2826673 B2 JP 2826673B2 JP 2034790 A JP2034790 A JP 2034790A JP 3479090 A JP3479090 A JP 3479090A JP 2826673 B2 JP2826673 B2 JP 2826673B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は粒状性に優れ且つラボにおけるプリント収率
の高い高感度カラーネガ写真感光材料に関する。
〔従来技術〕
近年、撮影用感光材料の技術の進歩により、高感度の
感光材料が次々と発売されている。暗い室内などのスト
ロボを使わない撮影、スポーツ写真などの望遠レンズを
用いた高速シャッターでの撮影、天体写真等非常に低輝
度の被写体の長時間露光を必要とする撮影など感光材料
の高感度化による撮影領域の拡大がはかられている。ま
た近年二焦点あるいはズームレンズ搭載のオートフォー
カスコンパクトカメラが急速に普及しているが、これら
のカメラではレンズのF値が暗くまたストロボもコンパ
クトで発光量が少ないため露出不足となったり、オート
フォーカスの焦点調節不良によるピンボケが生じ易い
が、高感度感材の使用により、F値の暗いズームレンズ
でも小さな内蔵ストロボでも露出の不足なく、またレン
ズが絞られて撮影されるため被写界深度が深くなりピン
トズレの起こる確率が小さくなり、高感度感材は特殊な
用途のみではなく、このような一般撮影においても失敗
なく写真が撮え、普及の一途をたどっている。
しかし、高感度感材を一般撮影用として普及させるた
めにはいくつかの問題点がある。1つは、高感度になる
と画質、特に粒状性の劣化がある。これは高感度化に伴
ない使用するハロゲン化銀微結晶の粒径が大きくなるた
めであり、最近は増感技術の進歩により高感度感材でも
比較的小さな粒径で構成されるようになってきている
が、普及のためには更なる増感技術の開発により使用ハ
ロゲン化銀微結晶の粒径をISO−100並みの感材で用いて
いるような小さなものにしなければならない。第2は、
高感度の感材は、低感度のそれに較べて単位面積当たり
の塗布銀量が多く生産コストが高いという点が挙げられ
る。第3はプリント焼付け時の収率が悪いという点であ
る。これは原因は例えば未露光部の光学濃度が高くネガ
像が見にくいとか処理量が少ないため大量に出廻ってい
るISO−100の感材に較べて習熟しにくい等いくつか考え
られるが定かではない。
〔本発明の解決しようとする問題点、発明の目的〕
本発明の目的は、上述の高感度感材の普及を妨げる要
因をとり除く事によって、一般撮影における高感度感材
のメリットすなわち普及タイプのコンパクトカメラによ
る失敗すなわちピンボケ、露光不足の写真の発生確率を
下げ、一般の撮影において手軽に良い写真を一般ユーザ
ーに撮供する事である。
したがって本発明の目的は特定写真感度が320以上の
高感度感材において、比較的少ない塗布銀量、粒状性の
改良、プリント時のプリント収率の向上を企り、現在常
用とされているISO−100のカラーネガ感材と同様の普及
特性を持たせる事である。
特にプリント時のプリント収率は最近のミニラボの普
及にあいまって高度なプリント技術を広く期待する事が
困難になりつつある現状を考慮すると高感度感材の普及
のためには解決しなければならない重要な課題である。
現在高感度感材のプリント収率がそれ程大きく問題視さ
れないのは使用分野が限られ、特殊用途としての割り切
りがあるのと量が少ないため不良プリントの絶対数が常
用感材に較べ少ないためと思われるが、高感度感材を一
般撮影で多用し普及するとなるとプリント収率の問題は
ラボ経営の根本的問題となり重要となる。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明の目的は、支持体上に各々一層以上の赤感性ハ
ロゲン化銀乳剤層、緑感性ハロゲン化銀乳剤層及び青感
性ハロゲン化銀乳剤層を有し、特定写真感度が320以上
のハロゲン化銀カラーネガ写真感光材料において、感光
材料を現像処理した後の未露光部のRMS粒状度が、青色
光で15以下、緑色光で13以下且つ赤色光で14以下、であ
る事を特徴とするハロゲン化銀カラーネガ写真感光材料
によって達成される。
すなわち、高感度感材のプリント収率劣化の問題を解
決するために、本発明者等は鋭意研究を重ねた結果、従
来より知られていたプリント収率に影響を及ぼす因子す
なわち未露光部の濃度、感材材料の特性曲線の形等を同
一にしても高感度感材特有の因子が存在する事を見出す
事ができた。すなわち、現像処理後の感材の未露光部分
の粒状度がプリント条件に影響を与える事が判明した。
現像処理後のカラーネガ感材の未露光部分の光学的特
性がプリント条件に影響を与える事は従来より知られて
いる。すなわち、未露光部分の光学濃度は、カラーペー
パーへの露光量に影響を与える。また、光学濃度及び各
感色性層の濃度バランス(色合い)は、プリンターのオ
ペレーターがネガ画像を観察してプリント条件を判定す
るいわゆるネガ見の判定に影響を及ぼす。しかるに、未
露光部分の濃度、濃度バランスが一定であればプリント
条件への影響は一定となる筈であるが、本発明者等の研
究によるこのような光学的な条件を常用のISO−100の感
材と同一にしても、高感度感材のプリント条件がずれる
事が見出された。本発明者等は鋭意研究の結果、これは
未露光部分の粒状度に起因する事をつきとめ、未露光部
分のRMS粒状度をある値より小さく、すなわちネガ見の
段階において未露光部分の粒状が視覚的に気にならない
程度に小さくする事によってこの高感度感材特有のプリ
ント条件変動が押えられる。この現象の物理的或は心理
物理的説明は未だ十分なされていないが、本発明者等の
推察するに感材の高感度化に伴なう粒状の劣化により、
未露光部の粒状がネガの状態で認知できるようになり、
ネガ見の段階において未露光部の光学濃度バランスが粒
状のためずれて見えるという錯覚をオペレーターに与え
プリント条件の補正に影響を与えるものと思われる。
未露光部分のRMS粒状度の低下は、以下の方法で達成
する事ができる。すなわち、1つの方法は現像処理によ
って生成する色素雲の均一性を増す事によって達成され
る。これは写真用カプラーの反応性、ハロゲン化銀乳剤
との比率を調整する事によって調節可能である。また、
オイルプロテクト型カプラーにおいてカプラーに微移動
性を持たせる事によって粒状性をボカす事によっても調
節可能である。またハロゲン化銀剤中の微結晶粒子を均
一にする事によって生成する色素雲のRMS粒状度を低下
する事ができる。微結晶粒子の均一性の向上は、ハロゲ
ン化銀乳剤の製造条件の工夫によって達成できる。例え
ば特願昭63−224002号に示されるように沃化銀微粒子で
沃素イオンを供給する方法や特願平1−183417号に示さ
れるような沃臭化銀微粒子をオストワルド熟成によって
種粒子上に成長させる方法が有用である。
本発明でいう感光材料特定写真感度は以下に示す試験
方法に従い決定するものとする。JIS K 7614−1981に準
じた) (1) 試験条件 試験は温度20±5℃、相対湿度60±10%の室内で行い
試験する感光材料はこの状態に1時間以上放置した後使
用する。
(2) 露光 露光面における基準光の相対分光エネルギー分布は
表1に示されるようなものとする。
露光面における照度変化な光学くさびを用いて行な
い、用いる光学くさびはどの部分でも分光透過濃度の変
動が360〜700nmの波長域で400nm未満の領域は10%以
内、400nm以上の領域は5%以内のものを用いる。
露光時間は1/100秒とする。
(3) 現像処理 露光から現像処理までの間は、試験する感光材料を
温度20±5℃、相対温度60±10%の状態に保つ。
現像処理は露光後30分以上6時間以内に完了させ
る。
現像処理は下記の通りに行うものとする。
1.カラー現像……3分15秒 38.0±0.1℃ 2.漂白……………6分30秒 38.0±3.0℃ 3.水洗……………3分15秒 24 〜41℃ 4.定着……………6分30秒 38.0±3.0℃ 5.水洗……………3分15秒 24 〜41℃ 6.安定……………3分15秒 38.0±3.0℃ 7.乾燥……………50℃以下 各工程に用いる処理液組成を以下に示す。
(発色現像液) 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β−ヒ
ドロキシエチル)アニリン・硫酸塩 4.75g 無水亜硫酸ナトリウム 4.25g ヒドロキシアミン・1/2硫酸塩 2.0g 無水炭酸カリウム 37.5g 臭化ナトリウム 1.3g ニトリロ三酢酸・3ナトリウム塩(1水塩) 2.5g 水酸化カリウム 1.0g 水を加えて1とする(pH=10.1) (漂白液) エチレンジアミン四酢酸鉄(III)アンモニウム塩 100.0g エチレンジアミン四酢酸2アンモニウム塩 10.0g 臭化アンモニウム 150.0g 氷酢酸 10.0g 水を加えて1とし、アンモニア水を用いてpH6.0に
調整する。
(定着液) チオ硫酸アンモニウム 175.0g 無水亜硫酸ナトリウム 8.5g メタ亜硫酸アリトウム 2.3g 水を加えて1とし、酢酸を用いてpH6.0に調整す
る。
(安定液) ホルマリン(37%水溶液) 1.5ml コニダックス(コニカ株式会社製) 7.5ml 水を加えて1とする。
(4) 濃度測定 濃度はlog10(Φ0/Φ)で表わす。Φは濃度測定の
ための照明光束、Φは被測定部の透過光束である。濃度
測定の幾何条件は照明光束が法線方向の平行光束であ
り、透過光束として透過して半空間に拡散された全光束
を用いることを基準とし、これ以外の測定方法を用いる
場合には標準濃度片による補正を行う。又、測定の際、
乳剤膜面は受光装置側に対面させるものとする。濃度測
定は青、緑、赤のステータスM濃度とし、その分光特性
は濃度計に使用する光源、光学系、光学フィルター、受
光装置の総合的な特性として表2に示す値になるように
する。
5)特定写真感度の決定 1)〜4)に示した条件で処理、濃度測定された結果
を用いて、以下の手順で特定写真感度を決定する。
青、緑、赤、の各々の最小濃度に対して、0.15高い
濃度に対応する露光量をルックス・秒で表わしてそれぞ
れHB、HG、HRとする。
HB、HRのうち値の大きい方(感度の低い方)をHSと
する。
特定写真感度Sを下式に従い計算する。
未露光部分のRMS粒状度を低下するもう1つの方法
は、ハロゲン化銀乳剤のカブリを低減する事である。ハ
ロゲン化銀乳剤のカブリを低下させる方法は従来から多
くの方法が知られている。例えば添加剤として公知のカ
ブリ抑制剤を用いる事ができる。本発明の目的にはハロ
ゲン化銀乳剤の生成条件の工夫によってカブリ生成しに
くい条件で製造したハロゲン化銀を用いるのが有効であ
る。例えば平成2年2月1日出願の特許願(2)「ハロ
ゲン化銀乳剤の製造方法」に示されるように、アンモニ
ア性硝酸銀水溶液を用いるハロゲン化銀乳剤の製造にお
いてpH7.5以下でハロゲン化銀を形成する事によって、
カブリの低いハロゲン化銀乳剤を得る事ができる。
本発明で言うRMS粒状度は以下の方法で測定する。
RMS値は未露光の感光材料を前記特定写真感度測定方
法に記載の現像処理を行い、処理後の試料をマイクロデ
ンシトメーターを用いて測定する。
RMS値は試料の被測定部の濃度を開口走査面積1800μm
2(スリット巾10μm,スリット長180μm)のマイクロデ
ンシトメーターで走査し、濃度測定サンプリング数1000
以上の濃度値の変動の標準偏差の1000倍値で示した。
青色感色性層、緑色感色性層、赤色感色性層の各々の
RMS粒状度は上記測定の際に各々イーストマンコダック
社製ラッテンフィルターW−47,W−99,W−26を使用して
測定する。
本発明の感光材料は、上記の方法で決定した特定写真
感度が320以上である。320未満の感度では暗い室内での
ストロボを使わない撮影、スポーツ写真などの望遠レン
ズを用いた高速シャッターでの撮影、天体写真などの撮
影が事実上行なえないばかりでなく、本発明の目的であ
るコンパクトオートフォーカスカメラを用いた一般撮影
におけるピンボケや露光不足の失敗の確立の減少が不可
能になる。
本発明の感光材料は、特定写真感度が350以上ある事
が好ましい。
本発明の感光材料の現像処理後の未露光部のRMS粒状
度は、上述測定法により青色光で15以下、緑色光で13以
下および赤色光で14以下である。これより大きな値にな
るとネガ判定の際に粒状が視覚的に認識されるようにな
り、プリント時の条件補正に影響が出るようになり収率
の低下の原因となる。
更に好ましくは青色光で13以下、緑色光で11以下およ
び赤色光で13以下である。
本発明のRMS粒状度は、前記測定方法により定義され
るものであるが、これは現在広く普及しているカラーネ
ガ用現像処理方法を前提としている。現在、カラーネガ
フィルムの現像処理はイーストマンコダック社C−41処
理に準拠したものが広く世界に普及しており、他の感光
材料メーカーの感光材料でも共通に現像処理が可能であ
り、ユーザーにとっては頗る便利なものとなっている。
このような理由から、普及的な現像処理方法は今後
共、大きな変化はないと思われるが、現在普及している
現像処理とは異なる処理を行い、未露光部のRMS粒状度
が本発明で示される値以下になるようにしても同様の効
果が得られるのは言うまでもない。
すなわち、本発明の目的は、『支持体上に各々一層以
上の赤感性ハロゲン化銀乳剤層、緑感性ハロゲン化銀乳
剤層及び赤感性ハロゲン化銀乳剤層を有し、特定写真感
度が320以上のハロゲン化銀カラーネガ写真感光材料を
現像処理した後の未露光部のRMS粒状性が青色光で15以
下、緑色光で13以下且つ赤色光で14以下である事を特徴
とするカラー画像形成方法』によっても達成する事がで
きる。この場合のRMS粒状度は、最終画像形成に用いら
れる現像処理によって得られる試料を測定した時の値で
ある。
本発明の感光材料の塗布銀量は従来の高感度感材より
少ない方が、好ましい。具体的には10.0g/m2以下、更に
好ましくは9.0g/m2以下、より好ましくは4.5〜8.0g/m2
である。高感度感材を一般撮影に普及的に用いて不良プ
リントの確率を低下するためにコストダウンするという
外に感光材料の保存時の熱や自然放射線によるカブリの
上昇及びカブリ部すなわち未露光部分の粒状性の劣化が
少ないという点で塗布銀量の少ない方が好ましい。
本発明の感光材料は各々一層以上の赤感性ハロゲン化
銀乳剤層、緑感性ハロゲン化銀乳剤層、及び青感性ハロ
ゲン化銀乳剤層を有するが、任意の同じ感色性の乳剤層
を感度の異なる2層以上の乳剤層から構成するのが好ま
しく、3層構成としてさらに粒状性を改良する方法を用
いるとより好ましい。これらの技術はそれぞれ英国特許
第923,045号、特公昭49−15495号に記載されている。
このように、特定写真感度が320以上のハロゲン化銀
カラーネガ写真感光材料を、全銀量と膜厚に関する新し
い指針に従って設計することによって本発明の目的を達
成できるが、種々の他の高感度化技術と組み合せること
はさらに好ましい。本発明と組み合せられる好ましい高
感度技術の具体例を以下に挙げるが、これらに限定され
るものではない。
(1) イエローフィルター染料。
(2) 増感色素、特に後記する如き強色増感色素、 (3) コアの沃化銀濃度をシェル部のそれより大とし
たコアシェル型2層構造のハロゲン化銀粒子、 (4) 粒子内の各層の沃素銀の濃度を精密にコントロ
ールした多重構造粒子、 (5) アスペクト比1.5以上の平板状のハロゲン化銀
粒子。
(6) 単分散のハロゲン化銀粒子、 (7) 2当量カプラー、 (8) 高速反応カプラー、 (9) 逆転層構成、ユニット層構成、 (10) 全乳剤層の平均沃化銀含有率を8モル%以上と
する技術。
高感度と高画質を両立させるために層配列の順番に関
する色々な発明がなされており、これらの技術を組み合
せるのは好ましい((9)参照)。層配列の順番に関す
る発明は、例えば米国特許第4,184,876号、同4,129,446
号、同4,186,016号、英国特許第1,560,955号、米国特許
第4,186,011号、同4,267,264号、同4,173,479号、同4,1
57,917号、同4,165,236号、英国特許第2,138,962号、特
開昭59−177552号、英国特許第2,137,372号、特開昭59
−180556号、同59−204038号などに記述されている。
また同じ感色性をもつ2つ以上の乳剤層の間に非感光
性層が特に存在していてもよい。
高感度層特に高感度青感性層の下に微粒子ハロゲン化
銀などの反射層を設けて感度を向上してもよい。この技
術は例えば特開昭59−160135号に記載されている。
赤感性乳剤層にシアン形成カプラーを、緑感性乳剤層
にマゼンタ形成カプラーを、青感性乳剤層にイエロ形成
カプラーをそれぞれ含むのが一般的であるが、場合によ
り異なる組合わせをとることもできる。たとえば赤外感
光性の層を組合わせて疑似カラー写真や半導体レーザ露
光用としてもよい。
また、米国特許第3497,350号または特開昭59−214853
号に記載されているような乳剤層の感色性と色画像形成
カプラーを適宜組み合わせ、この層を支持体から最も遠
い位置に設ける方法なども用いることが出来る。
本発明のハロゲン化銀写真感光材料の写真乳剤層には
ハロゲン化銀として臭化銀、沃臭化銀、沃塩臭化銀、塩
臭化銀及び塩化銀のいずれを用いてもよい。好ましいハ
ロゲン化銀は30モル%以下の沃化銀を含む沃臭化銀であ
る。特に好ましいのは2モル%から20モル%までの沃化
銀を含む沃臭化銀である。また、高感度でかつ高画質を
両立させるためには特開昭60−128443号公報に記載され
ているように全乳剤層のハロゲン化銀の平均沃化銀含有
率を8モル%以上にするのが好ましい。ハロゲン化銀の
平均沃化銀含有率を下げると粒状性が顕著に改良される
ことが知られているがある程度以上の沃化銀含有率にな
ると、現像速度の遅れ、説銀、定着速度の遅れなどの欠
点が出てくる。しかしながら本発明においては、含有さ
れる銀の含有量が少なくかつ膜厚が薄いために、沃化銀
含有率を上げていっても、これらの欠点が問題になりに
くく非常に好ましい。
本発明のハロゲン化銀写真感光材料の写真乳剤層に用
いるハロゲン化銀粒子は、沃化銀を5モル%以上含有す
る沃臭化銀から実質的に成るコアと、該コアを被覆し、
沃化銀含有率がコアの沃化銀含有率よりも低い沃臭化銀
または臭化銀から実質的に成るシェルによって構成され
る二重構造を有することが好ましい。コアの沃化銀含有
率は10モル%以上であることが更に好ましく、20モル%
以上44モル%以下であることがもっとも好ましい。シェ
ルの沃化銀含有率は5モル%以下であることが好まし
い。
該コアは、沃化銀を均一に含んでいても良いし、又、
沃化銀含有率の異なる相から成る多重構造をもっていて
も良い。後者の場合には、沃化銀含有率の最も高い相の
沃化銀含有率が5モル%以上であり、更に好ましくは10
モル%以上であり、且つ、シェルの沃化銀含有率がコア
の最高沃化銀含有率相のそれよりも低ければ良い。又、
「沃臭化銀から実質的に成る」とは、主に沃臭化銀から
成っているが、それ以上の成分も1モル%位までは含有
しても良いことを意味する。
本発明のハロゲン化銀写真感光材料の写真乳剤層に用
いるハロゲン化銀粒子のさらに好ましい態様としては、
回折角度(2θ)が38〜42゜の範囲でのCuのKβ線を用
いてハロゲン化銀の(220)面の回折強度対回折角度の
カーブを得た時、コア部分に相当する回折ピークと、シ
ェル部に相当するピークの2本の回折極大と、その間に
1つの極小があらわれ、かつコア部分に相当する回折強
度が、シェル部のそれの1/10〜3/1になるような構造を
有する粒子である。特に好ましくは回折強度比が1/5〜3
/1、さらに1/3〜3/1の場合である。
このような二重構造化により、現像速度の遅れをまね
くことなく高ヨードの沃臭化銀乳剤を用いることが可能
になり、少ない塗布銀量でもすぐれた粒状性を有する感
光材料を達成することができる。
本発明のハロゲン化銀写真感光材料の写真乳剤層に用
いるハロゲン化銀粒子の他の好ましい態様としては、粒
子の内部にコア部を形成する沃化銀含有率が10〜40モル
%の沃臭化銀相を有し、この沃臭化銀相がシェル部を形
成するより低い沃化銀を含むハロゲン化銀で被覆されて
おり、さらにこの粒子の表面が5モル%以上の沃化銀を
含む場合である。シェル部の沃化銀は均一でも不均一で
もよい。表面が5モル%以上の沃化銀を含むとはXPS法
で測定される粒子表面の沃化銀の平均含有率が5モル%
以上であることを意味する。好ましくは、表面の沃化銀
の平均含有率は7モル%以上15モル%以下である。この
ハロゲン化銀粒子については特願昭61−253370号に詳し
く記載されている。このハロゲン化銀粒子は粒状性が良
いので好ましい。
さらに、本発明のハロゲン化銀写真感光材料の写真乳
剤層に用いるハロゲン化銀粒子の他の好ましい態様とし
ては、実質的に臭化銀及び/又は沃化銀からなる内部核
と、この内部核の外側に設けられかつ実質的に臭化銀及
び/又は沃臭化銀からなる複数の外殻とを有するハロゲ
ン化銀粒子において、最外殻の沃化銀含有率が10モル%
以下であり、前記最外殻よりも、沃化銀含有率が6モル
%以上高い沃化銀高含有殻が、前記最外殻より内側に設
けられ、前記最外殻と前記沃化銀高含有殻との間にこれ
らの両殻の中間の沃化銀含有率を有する中間殻が設けら
れ、かつ前記中間殻の沃化銀含有率が前記最外殻よりも
3モル%以上高く、前記沃化銀高含有殻の沃化銀含有率
が前記中間殻よりも3モル%以上高い場合である。この
ハロゲン化銀粒子については、特開昭61−245151号に詳
しく記載されている。このハロゲン化銀粒子も粒状性が
良いので好ましい。
さらに、本発明のハロゲン化銀写真感光材料の写真乳
剤層に用いるハロゲン化銀粒子の他の好ましい態様とし
て、下記に定義する単分散性のものがある。すなわち、
次式で定義されるように、粒径の標準偏差Sを平均粒径
で割った値に100を乗じた値(以下、この値を変動係
数と呼ぶ)が16以下の場合を単分散性と称する。
なお、Sは統計学で用いられる一般的標準偏差であ
る。
この単分散性のハロゲン化銀粒子は、前述したごとく
2重構造あるいは多重構造をとってもよい。
又単分散性のハロゲン化銀粒子の形状は、立方体、八
面体、十四面体のようなものでもよく、また球状、板状
などのようなものでもよい。
単分散性のハロゲン化銀粒子は、粒状性がよいと同時
に、光散乱の少ないサイズ域の場合は、画像の鮮鋭度も
すぐれており好ましい。単分散性のハロゲン化銀粒子
は、特開昭54−48521号、同54−99419号、同56−16124
号、同55−78831号、米国特許第4,444−877号、特開昭5
7−182730号、同58−49938号、同58−37635号、米国特
許第4,446,228号、特開昭58−106532号、同58−107530
号、同58−126531号、同58−149037号、同59−10947
号、同59−29243号、同59−72440号、同59−140443号、
同59−148049号、同59−177535号、同59−152438号等に
詳しく記載されている。
本発明の感光材料に使用できる他の好ましいハロゲン
化銀粒子としては、アスペクト比5以上の平板状の粒子
がある。
本発明のハロゲン化銀写真感光材料の写真乳剤層に用
いるハロゲン化銀粒子は常法に従って増感色素で分光増
感するのが好ましい。
増感色素とともに、それ自身分光増感作用をもたない
色素あるいは可視光を実質的に吸収しない物質であっ
て、強色増感を示す物質を乳剤中に含んでもよい。例え
ば、含窒素異節環基で置換されたアミノスチル化合物
(たとえば米国特許第2,993,390号、同3,635,721号に記
載のもの)、芳香族有機酸ホルムアルデヒド縮合物(た
とえば米国特許第3,743,510号に記載のもの)、カドミ
ウム塩、アザインデン化合物などを含んでもよい。米国
特許第3,615,613号、同3,615,641号、同3,617,295号、
同3,635,721号に記載の組合せは特に有用である。
本発明の特定写真感度が320以上であるカラーネガ写
真感光材料に用いられるハロゲン化銀乳剤は前述のよう
に分光増感され、必要な波長の可視光に対する感度を上
昇させて用いられる。自然放射線による性能劣化をなる
べく小さくするためにハロゲン化銀乳剤の放射線に対す
る感度はなるべく低い方が好ましい。本発明者らの研究
によると、ハロゲン化銀乳剤の放射線感度は、いわゆる
固有感度と良い相関を示し、いわゆる色増感感度とは必
ずしも相関しない。したがって光に対する高い感度を持
ちながら、自然放射線による性能劣化を小さくするため
には、色増感感度は高く、固有感度は低い乳剤を用いる
のが好ましい。このため固有感度は変えずに色増感感度
のみを上昇させるような前述の強色増感材を用いるには
特に好ましい。また色増感感度はあまり下げない範囲で
増感色素の量をなるべく多く添加し、いわゆる固有減感
により固有感度を低くして用いるのも好ましい。また増
感色素による色増感効率の高い、アスペクト比が1.5以
上であるような平板状粒子を使うのも好ましい。
平板状粒子は、ガトフ著、フォトグラフィク・サイエ
ンス・アンド・エンジニアリング(Gutoff,Photographi
c Science and Engineering)、第14巻、248〜257頁(1
970年);米国特許第4,434,226号、同4,414,310号、同
4,430,048号、同4,439,520号および英国特許第2,112,15
7号などに記載の方法により簡単に調製することができ
る。
本発明で用いる写真乳剤層には色素像形成物質として
カラーカプラーが添加される。
例えばマゼンタカプラーとして、5−ピラゾロンカプ
ラー、ピラゾロベンツイミダゾールカプラー、シアノア
セチルクマロンカプラー、開鎖アシルアセトニトリルカ
プラー等があり、イエローカプラーとして、アシルアセ
トアミドカプラー(例えばベンゾイルアセトアニリド
類、ピバロイルアセトアニリド類)、等があり、シアン
カプラーとして、ナフトールカプラー、及びフェノール
カプラー等がある。これらのカプラーは分子中にバラス
ト基とよばれる疎水基を有する非拡散性のもの、または
ポリマー化されたものが望ましい。カプラーは、銀イオ
ンに対し4当量性あるいは2当量性のどちらでもよい
が、感光材料中に含有される銀の含有量を少なくするた
めには銀の利用効率がより高い2当量性のカプラーを用
いる方が好ましい。特に同じ感色性の乳剤層を感度の異
なる2層以上の乳剤層から構成する際には、赤感性層、
緑感性層、青感性層の各々の最も感度の高い乳剤層には
2当量性のカプラーを含有させる方が好ましい。
また本発明で用いるカプラーとしてカップリング反応
の高い、いわゆる高速反応カプラーを用いることができ
る。
本発明で用いる高速反応カプラーとしては、前記のカ
プラーNを用いて求めたRM/RNの値が、シアンカプラー
の場合1.5以上、マゼンタカプラーの場合2.5以上、イエ
ローカプラーの場合1を越える値を持つものが各々好ま
しい。
以下に本発明で用いる好ましい高速反応カプラーの具
体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではな
い。
本発明においてはかかる高速反応カプラーは少なくと
も各々の感色層のうちの最も感度の高い単位乳剤層に添
加することが好ましい。その使用量には格別な制限はな
いが、銀1モル当りシアン高速反応カプラー0.005〜0.1
モル、マゼンタ高速反応カプラー0.005〜0.1モル、イエ
ロー高速反応カプラー0.005〜0.1モルの範囲が好適であ
る。
また本発明では、米国特許第4,420,556号の第1項お
よび第3項から第8項までおよび特開昭59−191036号な
どに規定されている生成色素が適度に拡散性を有する耐
拡散性カプラーを使用し、カバーリングパワーの向上に
より感度が向上することや粒状性を改良することが可能
である。これらカプラーは上記特許および特開昭56−19
38号、同57−3934号、同53−105226号、米国特許第4,26
4,723号などに記載された方法に従い、容易に合成でき
る。
本発明には現像にともなって現像抑制剤を放出するカ
プラー(いわゆるDIRカプラー)を含んでもよい。
DIRカプラーとしては、例えば米国特許第3,227,554号
等に記載のヘテロ環メルカプト系現像抑制剤を放出する
もの;特公昭58−9942号等に記載のベンゾトリアゾール
誘導体を現像抑制剤として放出するもの;特公昭51−16
141号等に記載のいわゆる無呈色DIRカプラー;特開昭52
−90932号に記載の離脱後にメチロールの分解を伴って
含窒素ヘテロ環現像抑制剤を放出するもの;米国特許第
4,248,962号に記載の離脱説に分子内求核反応を伴って
現像抑制剤を放出するもの;特開昭56−114946号、同57
−56837号、同57−154234号、同57−188034号、同58−9
8728号、同58−209736号、同58−209737号、同58−2097
38号、同58−209740号等に記載の離脱後に共役系を介す
る電子移動により現像抑制剤を放出するもの;特開昭57
−151944号等に記載の現像液中で現像抑制能が失活する
拡散性現像抑制剤を放出するもの;特開昭60−182438
号、特開昭60−184248号等に記載の反応性化合物を放出
し、現像時に現像抑制剤を生成したりあるいは現像抑制
剤を失活させたりするもの;等を挙げることが出来る。
本発明には上述のカプラー以外にも色補正の効果を持
つカラードカプラーであってもよい。又、DIRカプラー
以外にも、カップリング反応の生成物が無色であって、
現像抑制剤を放出する無呈色DIRカップリング化合物を
含んでもよい。
本発明では銀現像に伴って現像促進剤もしくはカプラ
セ剤を形成しうる化合物を使用して高感度化を達成する
ことが可能である。これら化合物は、米国特許第4,390,
618号、同4,518,682号、同4,526,863号、同4,482,629
号、特開昭59−157638号、同59−170840号、同60−1859
50号、同60−107029号などに記載されている方法により
容易に合成できる。
上記カプラー等は、感光材料に求められる特性を満足
するために同一層に二種類以上を併用することもできる
し、同一の化合物を異なった2層以上に添加すること
も、もちろん差支えない。
カプラーをハロゲン化銀乳剤層に導入するには公知の
方法、例えば米国特許第2,322,027号に記載の方法など
が用いられる。例えばフタール酸アルキルエステル(ジ
ブチルフタノール、ジオクチルフタレートなど)、リン
酸エステル(ジフェニルフォスフェート、トリフェニル
フォスフェート、トリクレジルフォスフェート、ジオク
チルブチルフォスフェート)、クエン酸エステル(例え
ばアセチルクエン酸トリブチル)、安息香酸エステル
(例えば安息香酸オクチル)、アルキルアミド(例えば
ジエチルラウリルアミド)、脂肪酸エステル類(例えば
ジブトキシエチルサクシネート、ジエチルアゼレー
ト)、トリメシン酸エステル類(例えばトリメシン酸ト
リブチル)など、又は沸点約30℃ないし150℃の有機溶
媒、例えば酢酸エチル、酢酸ブチルの如き低級アルキル
アセテート、プロピオン酸エチル、2級ブチルアルコー
ル、メチルイソブチルケトン、β−エトキシエチルアセ
テート、メチルセロソルブアセテート等に溶解したの
ち、親水性コロイドに分散される。上記の高沸点有機溶
媒と低沸点有機溶媒とは混合して用いてもよい。
又、特公昭51−39853号、特開昭51−59943号に記載さ
れている重合物による分散法も使用することができる。
カプラーがカルボン酸、スルホン酸の如き酸基を有す
る場合には、アルカリ性水溶液として親水性コロイド中
に導入される。
使用する写真用カラー発色剤は、中間スケール画像を
あたえるように選ぶと都合がよい。シアン発色剤から形
成されるシアン染料の最大吸収帯は約600から720nmの間
であり、マゼンタ発色剤から形成されるマゼンタ染料の
最大吸収帯は約500から580nmの間であり、黄色発色剤か
ら形成される黄色染料の最大吸収帯は約400から480nmの
間であることが好ましい。
本発明の感光材料には、親水性コロイド層にフィルタ
ー染料として、あるいはイラジエーション防止その他種
々の目的で染料を含有していてもよい。このような染料
には、オキソノール染料、ヘミオキソノール染料、スチ
リル染料、メロシアニン染料、シアニン染料及びアゾ染
料が包含される。なかでもオキソノール染料、ヘミオキ
ソノール染料及びメロシアニン染料が有用である。用い
得る染料の具体例は、英国特許584,609号、同177,429
号、特開昭48−85130号、同49−96620、同49−114420
号、同52−108115号、米国特許2,255,077号、同2,274,7
82号、同2,390,707号、同2,493,747号、同2,533,472
号、同2,843,486号、同2,956,879号、同3,148,187号、
同3,177,078号、同3,247,127号、同3,540,887号、同3,5
75,704号、同3,653,905号、同3,718,472号、同4,071,31
2号、同4,070,352、同4,420,555号に記載させられたも
のである。
本発明の感光材料において、親水性コロイド層に、染
料や紫外線吸収剤などが含有される場合に、それらは、
カチオン性ポリマーなどによって媒染されてもよい。た
とえば、英国特許685,475号、米国特許2,675,316号、同
2,839,401号、同2,882,156号、同3,048,487号、同3,18
4,309号、同3,445,231号、西独特許出願(OLS)1,194,3
62号、特開昭50−47624号、同50−71332号等に記載され
ているポリマーを用いることができる。
本発明のカラーネガ写真感光材料は、通常イエローフ
ィルター層を含有する。イエローフィルター層には、コ
ロイド銀あるいは、前述した各種の染料が使われる。特
に本発明においては、フィルター効果にすぐれ、緑感乳
剤層の感度がコロイド銀を用いた場合に比べて著しく高
い。
本発明の感光材料には、一般にハロゲン化銀感光材料
に用いられている種々の添加剤を使用することができ
る。このような材料は例えば、米国特許第4,599,301号
明細書に記載されている。代表例を挙げると、同明細書
33欄12行から38欄45行に記載された界面活性剤(33
欄)、水不溶または難溶性ポリマー(33−34欄)、紫外
線吸収剤(37−38欄)、色カブリ防止剤(37欄)、色か
ぶり防止剤(38欄)、ヒドロキノン類(38欄)等であ
る。
本発明の感光材料は、例えば上記米国特許第4,599,30
1号明細書34欄ないし35欄に記載された方法に従って現
像処理できる。また特開昭61−35446号公報に記載され
たような、安定化処理または水洗処理によって脱銀工程
以降の大巾な節水を行うことができる。
〔実施例〕
以下に本発明の具体的実施例を述べるが、本発明の実
施の態様はこれらに限定されない。
以下の全ての実施例において、ハロゲン化銀写真感光
材料中の添加量は特に記載のない限り1m2当りのグラム
数を示す。また、ハロゲン化銀及びコロイド銀は、銀に
換算して示した。
実施例1 トリアセチルセルロースフィルム支持体上に、下記に
示すような組成の各層を順次支持体側から形成して、多
層カラー写真感光材料試料−101を作製した。
試料−101(比較) 第1層;ハレーション防止層(HC−1) 黒色コロイド銀 0.18 UV吸収剤(UV−1) 0.29 高沸点溶媒(Oil−1) 0.23 高沸点溶媒(Oil−2) 0.011 カラードマゼンタカプラー(CM−3) 0.011 ゼラチン 1.57 第2層;第1中間層(IL−1) ゼラチン 1.27 第3層;低感度赤感性乳剤層(RL) 沃臭化銀乳剤(Em−1) 0.80 沃臭化銀乳剤(Em−2) 1.21 増感色素(SD−1) 1.3×10-5 (モル/銀1モル) 増感色素(SD−2) 2.2×10-4 (モル/銀1モル) 増感色素(SD−3) 2.2×10-4 (モル/銀1モル) シアンカプラー(C−1) 1.21 カラードシアンカプラー(CC−1) 0.032 DIR化合物(D−1) 0.05 高沸点溶媒(Oil−1) 1.04 ゼラチン 2.00 第4層;第2中間層(IL−2) ゼラチン 0.80 第5層;高感度赤感性乳剤層(RH) 沃臭化銀乳剤(Em−3) 0.30 沃臭化銀乳剤(Em−2) 0.54 沃臭化銀乳剤(Em−4) 1.61 増感色素(SD−1) 7.1×10-6 (モル/銀1モル) 増感色素(SD−2) 1.2×10-4 (モル/銀1モル) 増感色素(SD−3) 1.2×10-4 (モル/銀1モル) シアンカプラー(C−1) 0.05 シアンカプラー(C−2) 0.19 DIR化合物(D−3) 0.0066 DIR化合物(D−3) 0.0076 高沸点溶媒(Oil−1) 0.28 ゼラチン 1.37 第6層;第2中間層(IL−2) ゼラチン 0.80 高沸点溶媒(Oil−2) 0.08 SC−2 0.071 第7層;低感度緑感性乳剤層(GL) 沃臭化銀乳剤(Em−1) 0.46 沃臭化銀乳剤(Em−2) 0.69 増感色素(SD−4) 2.7×10-5 (モル/銀1モル) 増感色素(SD−5) 2.5×10-4 (モル/銀1モル) 増感色素(SD−7) 8.0×10-5 (モル/銀1モル) 増感色素(SD−8) 1.9×10-5 (モル/銀1モル) 増感色素(SD−11) 1.4×10-4 (モル/銀1モル) マゼンタカプラー(M−3) 0.34 カラードマゼンタカプラー(CM−3) 0.048 DIR化合物(D−3) 0.0025 DIR化合物(D−4) 0.013 DIR化合物(D−2) 0.02 高沸点溶媒(Oil−4) 0.38 ゼラチン 1.13 第8層;第3中間層(IL−3) 高沸点溶媒(Oil−1) 0.17 ゼラチン 0.83 第9層;高感度緑感性乳剤層(GH) 沃臭化銀乳剤(Em−2) 0.56 沃臭化銀乳剤(Em−4) 2.26 増感色素(SD−11) 4.5×10-5 (モル/銀1モル) 増感色素(SD−6) 9.6×10-5 (モル/銀1モル) 増感色素(SD−7) 8.8×10-5 (モル/銀1モル) 増感色素(SD−8) 1.4×10-5 (モル/銀1モル) マゼンタカプラー(M−1) 0.14 マゼンタカプラー(M−3) 0.068 カラードマゼンタカプラー(CM−2) 0.11 DIR化合物(D−5) 0.0015 高沸点溶媒(Oil−2) 0.57 ゼラチン 1.97 第10層;イエローフィルター層(YC) 黄色コロイド銀 0.05 色汚染防止剤(SC−2) 0.054 高沸点溶媒(Oil−2) 0.063 ゼラチン 0.49 ホルマリンスカベンジャー(HS−1) 0.08 ホルマリンスカベンジャー(HS−2) 0.10 第11層;低感度青感性乳剤層(BL) 沃臭化銀乳剤(Em−1) 0.226 沃臭化銀乳剤(Em−2) 0.239 増感色素(SD−12) 5.5×10-4 (モル/銀1モル) 増感色素(SD−10) 5.0×10-5 (モル/銀1モル) イエローカプラー(Y−1) 0.99 イエローカプラー(Y−2) 0.085 DIR化合物(D−1) 0.012 高沸点溶媒(Oil−2) 0.25 ゼラチン 1.60 ホルマリンスカベンジャー(HS−1) 0.12 ホルマリンスカベンジャー(HS−2) 0.29 第12層;高感度青感性乳剤層(BH) 沃臭化銀乳剤(Em−3) 0.20 沃臭化銀乳剤(Em−2) 0.20 沃臭化銀乳剤(Em−4) 0.80 増感色素(SD−12) 2.0×10-4 (モル/銀1モル) 増感色素(SD−10) 4.8×10-5 (モル/銀1モル) イエローカプラー(Y−2) 0.27 高沸点溶媒(Oil−2) 0.17 ゼラチン 1.22 ホルマリンスカベンジャー(HS−2) 0.083 第13層;第1保護層(Pro−1) 微粒子沃臭化銀乳剤 0.4 (平均粒径0.08μmAgI 1モル%) 等外線吸収剤(UV−1) 0.058 等外線吸収剤(UV−2) 0.083 高沸点溶媒(Oil−1) 0.06 高沸点溶媒(OLi−3) 0.06 ホルマリンスカベンジャー(HS−1) 0.047 ホルマリンスカベンジャー(HS−2) 0.22 ゼラチン 1.49 第14層;第2保護層(Pro−2) アルカリ可溶性マット剤(平均粒径2μm) 0.12 ポリメチルメタクリレート(平均粒径3μm)0.018 ゼラチン 0.55 尚上記組成物の他に、塗布助剤Su−1、分散助剤Su−
2、粘度調製剤、硬膜剤H−1、H−2、安定剤ST−
1、かぶり防止剤AF−1、▲▼:1,100,000のAF−2
を添加した。
上記試料に用いた乳剤は、下記のとおりである。平均
粒径は、同体積の立方体に換算した辺長粒径で示した。
各乳剤は、金・硫黄増感を最適に施した。
Em−1,Em−2およびEm−4は高感度化の技術として特
開昭61−245151号に示される多重構造ハロゲン化銀結晶
を用いた。これらの乳剤の製造条件はアンモニア性硝酸
銀水溶液を用いたコントロールダブルジェット法で、ハ
ロゲン化銀生成温度はEm−1が4℃,Em−2,Em−4は50
℃、pHは9〜8である。
試料−102(本発明) 試料−101におけるEm−1,Em−2,Em−4をカブリ、粒
状性、感度に優れたEm−1B,Em−2B,Em−4Bに各々置き換
えた試料−102を作成した。
各々の乳剤は、乳剤の均一性、感度を比較例より向上
させるために、特願昭63−224002号に示される沃化銀微
結晶により沃素イオンを供給する方法により多重構造沃
臭化銀乳剤を製造した。また、これらの乳剤のカブリを
比較例より低減する方法として、平成2年2月1日出願
の特許願(2)「ハロゲン化銀乳剤の製造方法」に示さ
れるアンモニア性硝酸銀水溶液を用いるハロゲン化銀乳
剤の製造方法に従った。すなわちアンモニア性硝酸銀を
用いる製造法においてハロゲン化銀の形成時のpHを7〜
6、pAgを7.8〜10.1に制御し、60℃においてハロゲン化
銀の形成を行なった。
これらの乳剤は比較例で用いた乳剤よりも均一、低カ
ブリ、高感度であり、比較例で用いた乳剤より粒径を小
さくする事によって同等の感度を得ている。これらの乳
剤を用いる事により、本発明の構成である未露光部分の
RMS粒状度の低い感光材料を得る事ができた。乳剤の比
較を次表に示す。
実施例3 試料101,102を用いて特定感度及び未露光部分のRMS粒
状度を求めた。各々の測定方法は本明細書に示される方
法に従った。結果を以下に示す。
実施例4 試料101,102を通常の35m/mに断裁、パーフォレーショ
ンを施し、パトローネに装填し、35mmフルサイズカメラ
で実際に撮影を行なった。屋外、室内、室内ストロボ等
各々の試料につき24枚撮り各20本撮影し、現像プリント
を行なった。ネガ現像はコニカ(株)製CNK−4処理を
行なった。
プリントはコニカ(株)製NPS−602QAシステムを用
い、ペーパー現像はCNK−18処理を用いた。
プリント枚数は各々の試料480枚ずつ合計960枚、また
ダミーとして同時に撮影した市販のISO−100カラーネガ
フィルム40本を混入させてプリントした。プリントは8
人のプリントマンを設定し各々10本ずつプリントを行な
い再プリントは行なわなかった。
このようにして得られた約2000枚弱のプリントより、
8人のプリントマンが不良プリントを選び出しプリント
の収率を求めた。
撮影条件やフィルムの保存条件等が一定であり、市場
におけるプリント収率の絶対値を得る事はできないが、
感材間における相対的なプリント収率を示しているもの
と思われる。
結果を下表に示す。
この結果からわかるように、未露光部のRMS値を低下
させた試料102は400という高感度ながらISO−100感材の
中にほぼ同数混入した場合従来の高感度感材とは異な
り、ISO−100感材と同様に収率良くプリントできる事が
わかる。
実施例5 試料101,102を用いて、下記のような迅速処理を行な
う系で効果の確認を行なった。このような迅速処理の系
でも、同様に、本発明の未露光部のRMS値の低い感光材
料はプリントの収率が高かった。
なお、処理は安定化タンク槽の容量の3倍の補充液が
入るまでランニングを行った。
ただし、安定化処理は3槽カウンターカレントで行
い、安定化液の最終槽に補充され、その前槽にオーバー
フローが流入する方式で行った。
更に、定着槽に続く安定化槽のオーバーフローの一部
(275ml/m2)を安定槽に流し込んだ。
使用した発色現像液の組成は次の通りである。
炭酸カリウム 30 g 炭酸水素ナトリウム 2.7g 亜硫酸カリウム 2.8g 臭化ナトリウム 1.3g ヒドロキシルアミン硫酸塩 3.2g 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β−ヒ
ドロキシルエチル)アニリン硫酸塩 4.6g ジエチレントリアミン五酢酸 3.0g 水酸化カリウム 1.3g 水を加えて1とし、水酸化カリウムまたは20%硫酸
を用いてpH10.01に調整する。
使用した発色現像補充液の組成は、次の通りである。
炭酸カリウム 40 g 炭酸水素ナトリウム 3 g 亜硫酸カリウム 7 g 臭化ナトリウム 0.5g ヒドロキシルアミン硫酸塩 3.2g 塩化ナトリウム 0.6g 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β−ヒ
ドロキシルエチル)アニリン硫酸塩 6.0g ジエチレントリアミン五酢酸 3.0g 水酸化カリウム 2 g 水を加えて1とし、水酸化カリウムまたは20%硫酸
を用いてpH10.12に調整する。
使用した漂白液の組成は次の通りである。
1,3ジアミノプロパン四酢酸第2鉄アンモニウム 0.35モル エチレンジアモンテトラ酢酸2ナトリウム 2 g 臭化アンモニウム 150 g 氷酢酸 40 ml 硝酸アンモニウム 40 g 水を加えて1とし、アンモニア水または氷酢酸を用
いてpH4.5に調整する。
使用した漂白補充用液の組成は次の通りである。
1,3ジアミノプロパン四酢酸第2鉄アンモニウム 0.40モル エチレンジアモンテトラ酢酸2ナトリウム 2 g 臭化アンモニウム 170 g 硝酸アンモニウム 50 g 氷酢酸 61 ml 水を加えて1とし、アンモニア水または氷酢酸を用
いてpH3.5にし、漂白タンク液のpHが保てる様に適宜調
整する。
使用した定着液及び定着補充液の組成は、次の通りで
ある。
チオ硫酸アンモニウム 100 g チオシアン酸アンモニウム 150 g 無水重亜硫酸ナトリウム 20 g メタ重亜硫酸ナトリウム 4.0g エチレンジアミンテトラ酢酸2ナトリウム 1.0g 水を加えて700mlとし、氷酢酸とアンモニア水を用い
てpH6.5に調整する。
使用した安定化液及び安定化補充液の組成は次の通り
である。
水を加えて1とし、水酸化カリウム及び50%硫酸を
用いてpH7.0に調整した。
処理済試料を温度65℃、相対湿度60%の恒温恒湿槽に
14日間保存後、光学濃度計(PDA−65)(コニカ(株)
製)で最大濃度及び未露光部のブルー濃度(透過)を代
表特性として測定し、恒温恒湿槽による処理を施さない
試料とのブルー濃度(透過)の差を求めた。
結果を表1に示す。
表中、EDTA・Feはエチレンジアミン四酢酸第2鉄アン
モニウム、NTA・Feはニトリロ三酢酸第2鉄アンモニウ
ムDTPA・Feはジエチレントリアミン五酢酸第2鉄アンモ
ニウムを意味し、(A−1)・Fe、(A−4)Fe等はそ
れぞれ(A−1)、(A−4)等の第2鉄アンモニウム
塩を意味する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−226651(JP,A) 特開 平1−213658(JP,A) 特開 昭57−132145(JP,A) 特開 平1−186937(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03C 7/20 G03C 7/00 510

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に各々一層以上の赤感性ハロゲン
    化銀乳剤層、緑感性ハロゲン化銀乳剤層及び青感性ハロ
    ゲン化銀乳剤層を有し、特定写真感度が320以上のハロ
    ゲン化銀カラーネガ写真感光材料において、 感光材料を現像処理した後の未露光部のRMS粒状度が、 青色光で15以下、緑色光で13以下且つ赤色光で14以下、
    である事を特徴とするハロゲン化銀カラーネガ写真感光
    材料。
  2. 【請求項2】支持体上に各々1層以上の赤感性ハロゲン
    化銀乳剤層、緑感性ハロゲン化銀乳剤層及び赤感性ハロ
    ゲン化銀乳剤層を有し、特定写真感度が320以上のハロ
    ゲン化銀カラーネガ写真感光材料を現像処理した後の未
    露光部のRMS粒状性が青色光で15以下、緑色光で13以下
    且つ赤色光で14以下である事を特徴とするカラー画像形
    成方法。
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