JP4497756B2 - 画像処理装置、画像処理システム、画像処理方法、記憶媒体、及びプログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像、例えば、放射線撮影により得られた画像に対して、ノイズ除去処理及び鮮鋭化処理を含む画像処理を施す、画像処理装置、画像処理システム、画像処理方法、それらのいずれかを実現若しくは実施するためのプログラム及び当該プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年では、ディジタル技術の進歩に伴って、例えば、X線撮影等の放射線撮影により得られた画像(以下、「放射線画像」とも言う)をディジタル化して、当該放射線画像のディジタル画像データ(以下、当該ディジタル画像データを構成する画素の値を「画素値」とも言う)を取得し、当該ディジタル画像データに対して、CRT等への表示出力或いはフィルム等への記録出力のための画像処理、具体的には以下に説明するようなノイズ除去処理及び鮮鋭化処理を施すことが行われている。
【0003】
まず、放射線画像においては、当該放射線画像を取得する際に撮像装置(例えば2次元X線センサ)が受け取る放射線の量(放射線到達量)に応じてS/N比が一般的に変化する。具体的には、放射線到達量が少なくなるに従って、S/N比が悪くなる。このため、放射線到達量の少ない画像領域では、ノイズ成分が大きくなる(S/N比が小さくなる)。これは、例えば、放射線画像を画像診断の目的で使用する場合、ノイズ成分による診断能の低下を引き起こす問題につながる。
【0004】
そこで、ノイズ除去の方法として、例えば、特開昭62−227272号等に記載された方法がある。この方法は、X線到達量が少ない画像領域でのノイズ低減方法であり、規格化情報に基づき補正された対象画像の高周波成分を、それを任意に低減しうる高周波成分低減手段に入力する共に、対象画像の信号レベルを対象画像内で連続的に検出し、それを規格化情報に基づきレベル補正し、高周波成分低減手段により、規格化情報に基づき補正された対象画像の高周波成分を、レベル補正後の検出レベルがより低い信号部分ほどより大きい低減度で低減させることで、対象画像のノイズを低減するものである。
【0005】
一方、例えば、画像診断能を向上するために高周波成分を調整する鮮鋭化処理としては、特許第1530832号公報等に記載された方法がある。この方法は、一定画素値以上の画像の高周波成分を強調する鮮鋭化方法であり、鮮鋭化処理後の画素値SD、オリジナル画像(対象画像)の画素値(入力画素値)Sorg、オリジナル画像をマスクサイズM画素×M画素で移動平均をとった時の平均画素値SUS、及び定数Cを以って、
【0006】
【数1】
【0007】
なる式(1)及び式(2)で表わされる。
【0008】
上記式(1)及び式(2)において、定数Cは、入力画素値Sorg又は平均画素値SUSの値の増大に応じて単調増加するものである。
【0009】
上記式(1)及び式(2)により表される鮮鋭化処理を実行した際には、高画素値側に比して低画素値側の高周波成分の強調が抑制され、よって雑音の増大を防止することができ、この結果、画像診断性能を向上させることのできる処理後画像を提供することができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開昭62−227272等に記載された従来のノイズ除去方法は、高周波成分を減じることでノイズ除去するものであり、高周波成分を調整することで鮮鋭化処理を行うものではない。すなわち、ノイズ除去はできるが、鮮鋭化は行えない。
また、特許第1530832号公報等に記載された従来の鮮鋭化処理方法は、高周波成分を強調することで鮮鋭化を行うものであり、高周波成分を減じることでノイズ除去するものではない。すなわち、鮮鋭化は行えるが、ノイズ除去はできない。
【0011】
したがって、従来では、1つの処理系で、ノイズ除去処理と共に鮮鋭化処理を行える構成は存在しなかったので、画像診断等の観点でより適切な画像を容易に提供することができなかった。
【0012】
そこで、本発明は、上記の欠点を除去するために成されたもので、1つの処理系でノイズ除去処理及び鮮鋭化処理を行える、画像処理装置、画像処理システム、画像処理方法、それらのいずれかを実現若しくは実施するためのプログラム及び当該プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の画像処理装置は、X線撮影により撮像された画像データを構成する画素の値に基づき低周波成分を算出する平滑化手段と、上記平滑化手段により得られた低周波成分及び当該低周波成分に対応する上記画像データの画素の値に基づき高周波成分を生成する高周波成分生成手段と、上記低周波成分と上記高周波成分とを加算する画像合成手段とを備え、上記画像データの画素値が所定値以下であるS/N比の低い低画素値範囲のときに、上記高周波成分が零となるように上記高周波成分を生成し、上記低画素値範囲内で画素値が小さくなるのに従って上記低周波成分を算出する際に用いる平滑化係数としてマスクサイズを大きくすることを特徴とする。
【0014】
本発明の画像処理システムは、複数の機器が互いに通信可能に接続されてなる画像処理システムであって、上記複数の機器のうち少なくとも1つの機器は、上記画像処理装置の機能を有することを特徴とする。
【0015】
本発明の画像処理方法は、X線撮影により撮像された画像データを構成する画素の値に基づき低周波成分を算出する平滑化工程と、上記平滑化工程により得られた低周波成分及び当該低周波成分に対応する上記画像データの画素の値に基づき高周波成分を生成する高周波成分生成工程と、上記低周波成分と上記高周波成分とを加算する画像合成工程とを備え、上記画像データの画素値が所定値以下であるS/N比の低い低画素値範囲のときに、上記高周波成分が零となるように上記高周波成分を生成し、上記低画素値範囲内で画素値が小さくなるのに従って上記低周波成分を算出する際に用いる平滑化係数としてマスクサイズを大きくすることを特徴とする。
【0016】
本発明のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、上記画像処理装置の機能、又は上記画像処理システムの機能をコンピュータに実現させるためのプログラムを記録したことを特徴とする。
また、本発明のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、上記画像処理方法の処理工程をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したことを特徴とする。
【0017】
本発明のプログラムは、上記画像処理装置の機能、又は上記画像処理システムの機能をコンピュータに実現させるためのものである。
また、本発明のプログラムは、上記画像処理方法の処理工程をコンピュータに実行させるためのものである。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0032】
本発明は、例えば、図1に示すようなX線撮影装置100に適用される。
本実施の形態のX線撮影装置100は、特に、ノイズ除去処理及び鮮鋭化処理を含む画像処理機能を有するものである。
以下、本実施の形態のX線撮影装置100の構成及び動作について具体的に説明する。
【0033】
[X線撮影装置100の構成]
X線撮影装置100は、上記図1に示すように、X線を発生するX線発生回路101と、被写体103を透過したX線を検出する2次元X線センサ104と、2次元X線センサ104から出力される画像データを収集するデータ収集回路105と、データ収集回路105にて収集された画像データに対して前処理を施す前処理回路106と、前処理回路106による処理後画像等の各種情報や各種処理実行のための処理プログラムを記憶するメインメモリ109と、X線撮影実行等の指示や各種設定を本装置100に対して行うための操作パネル110と、前処理回路106による処理後画像(原画像)に対して画像処理を施す画像処理回路111と、本装置100全体の動作制御を司るCPU108とを備えており、データ収集回路105、前処理回路106、画像処理回路111、CPU108、メインメモリ109、及び操作パネル110はそれぞれ、CPUバス107を介して互いに通信可能なように接続されている。
【0034】
また、画像処理回路111は、特に、入力された原画像(以下、「対象画像」とも言う)に対するノイズ除去処理及び鮮鋭化処理を行う機能を有し、係数作成回路112、平滑化回路113、高周波成分作成回路114、及び画像合成回路115を備えている。
【0035】
係数作成回路112は、平滑化回路113での平滑化処理(対象画像から平滑化画像を作成する処理)に用いる係数、及び画像合成回路115において高周波成分を足し込む強さを示す係数を作成する。
平滑化回路113は、係数作成回路112で得られた係数に基づいて、対象画像に対して平滑化処理を施す。
高周波成分作成回路114は、平滑化回路113で得られた平滑化画像を原画像(対象画像)から減じることで、高周波成分を作成する。
画像合成回路115は、平滑化回路113で得られた平滑化画像に対して、高周波成分作成回路114で得られた高周波成分を、係数作成回路112で得られた係数(高周波成分を足し込む強さを示す係数)に基づいて足し込む。
【0036】
[X線撮影装置100の動作]
図2は、X線撮影装置100の動作をフローチャートによって示したものである。
上記図2のフローチャートに従った動作を実施するにあたって、例えば、メインメモリ109は、CPU108での各種処理実行に必要なデータや処理プログラム等を記憶すると共に、CPU108の作業用メモリ(ワークメモリ)として使用されるが、特に、ノイズ除去処理及び鮮鋭化処理のための処理プログラムとして、上記図2のフローチャートに従った処理プログラムを記憶する。
したがって、CPU108は、メインメモリ109からノイズ除去処理及び鮮鋭化処理のプログラム(上記図2のフローチャートに従った処理プログラム)を読み出して実行することで、操作パネル110からの操作に従った、以下に説明するようなX線撮影装置100の動作のための制御を行なう。
【0037】
ステップS200:
X線発生回路101は、被写体(被検査体)103に対してX線ビーム102を放射する。
X線発生回路101から放射されたX線ビーム102は、被検査体103を減衰しながら透過して、2次元X線センサ104に到達する。2次元X線センサ104は到達したX線の強度分布を検出し、X線強度分布に対応するX線画像データを出力する。
ここでは、2次元X線センサ104から出力されるX線画像を、例えば、人体の所定部位の画像とする。
【0038】
データ収集回路105は、2次元X線センサ104から出力されたX線画像データを所定の形式の画像データに変換し、それを前処理回路106に供給する。
前処理回路106は、データ収集回路105からの画像データ(X線画像データ)に対して、オフセット補正処理やゲイン補正処理等の前処理を施す。
【0039】
前処理回路106で前処理が施されたX線画像データは入力画像(対象画像)の情報として、CPU108の制御により、CPUバス107を介して、メインメモリ109及び画像処理回路111に転送される。
【0040】
ステップS201、ステップS202:
画像処理回路111において、係数作成回路112は、平滑化処理に用いる係数、及び高周波成分を足し込む強さを示す係数を作成する。
「平滑化処理に用いる係数」とは、対象画像(前処理回路106で処理された原画像)f(x、y)の画素値に基づいて、予め設定されたデータ(後述の平滑化関数)を用いて決定される、平滑化回路113において平滑化画像を作成するためのマスクサイズM(d)を示す。また、「高周波成分を足し込む強さを示す係数」とは、画像合成回路115において、平滑化回路113で得られた平滑化画像に対して、高周波成分作成回路114で得られた高周波成分を足し込む際の強さA(d)を示す。尚、「d」は、画素値を示す。
【0041】
図3は、係数作成回路112で作成される係数の一例を示したものである。
上記図3において、詳細は後述するが、“301”は、高周波成分を足し込む強さを示す係数A(d)(鮮鋭化関数とも言う)を、横軸を画素値d、縦軸を係数A(d)として示している。鮮鋭化関数は一般的には高周波成分を変換するために用いる関数を意味することとし、ここでは高周波成分に乗算することによって高周波成分を変換する係数を決める関数としている。また、“302”は、平滑化画像を作成するためのマスクサイズ係数M(d)(平滑化関数とも言う)を、横軸を画素値d、縦軸をマスクサイズ係数M(d)として示している。平滑化関数は一般的には平滑化処理による高周波成分の抑制(低減)の度合いに関するパラメータを決める関数を意味することとし、ここでは平滑化処理を平滑化フィルタ演算により行う場合のマスクサイズを決める関数としている。尚、ここでは係数A(d)及び係数M(d)はいずれも対象画像の画素値dの関数としているが、これには限られず、対象画像を任意に平滑化して得た平滑化画像の画素値の関数A(d’)及び/又はM(d’)としてもよく、以下ではこの場合も含めて、係数A(d)及び/係数M(d)と表記したり、係数A(d)及び係数M(d)は「画素値の関数」と表現したりすることとする。
【0042】
ステップS203:
平滑化回路113は、係数作成回路112で得られたマスクサイズ係数M(d)を用いて、対象画像f(x、y)の平滑化画像f1(x、y)を、
【0043】
【数2】
【0044】
なる式(3)〜式(7)により生成する。
【0045】
尚、マスクサイズ係数M(d)が“0”の場合、
f1(x、y)=f(x、y)
とする。また、上記式(3)〜式(7)で示される平滑化方法では、マスクサイズ係数M(d)が大きくなる程、高周波成分が減少する。
【0046】
ステップS204:
高周波成分作成回路114は、平滑化回路113で得られた平滑化画像f1(x、y)を用いて、高周波成分fh(x、y)を、
【0047】
【数3】
【0048】
なる式(8)により作成する。
【0049】
ステップS205:
画像合成回路115は、係数作成回路112で得られた係数A(d)に基づいて、平滑化回路113で得られた平滑化画像f1(x、y)に対し、高周波成分作成回路114で得られた高周波成分fh(x、y)を、
【0050】
【数4】
【0051】
なる式(9)に従って足し込む。
【0052】
ステップS205での処理後の画像f2(x、y)は、CPU108の制御により、例えば、CRTモニタ等による表示、プリンタ等による記録又はハードディスクドライブ装置等による記憶等のために、所定の装置又はシステムに出力される。
【0053】
ここで、上記図3に示される係数(M(d)、A(d))に従い生成される画像について具体的に説明する。
【0054】
まず、画素値範囲303では、低画素値になるに従って、平滑化画像f1(x、y)を作成する際のマスクサイズ係数M(d)が大きくなる。したがって、画素値が小さくなるに従いより低周波の画像が作成される。すなわち、画像成分がより低空間周波数側にかたよった画像が作成される、又は画像の空間周波数帯域の上限が低下する。このため、低画素値になるに従いノイズ成分が多くなる又はS/N比が低下する等の場合に、低画素値になる程より低周波の画像となるため、ノイズ成分を有効に除去することができる。一方、この画素値範囲303では、高周波成分を足し込む強さを示す係数A(d)については“0”であるため、高周波成分は全く強調されない。
【0055】
また、画素値範囲304では、マスクサイズ係数M(d)が“0”のため、平滑化画像f1(x、y)は原画像f(x、y)そのものとなる。また、画素値範囲304では、高周波成分を足し込む強さを示す係数A(d)は“1”であるが、fh(x、y)が“0”となるため、上記式(9)で示される処理後画像f2(x、y)はf(x、y)となる。すなわち、画素値範囲304では、何らの処理も実行しない。換言すれば、マスクサイズ係数M(d)を“0”、及び高周波成分を足し込む強さを示す係数A(d)を“1”とすること(後者は必須ではない)は、ノイズ除去処理や鮮鋭化処理を行う必要がない領域(画素値範囲)に対して有効である。
【0056】
また、画素値範囲305では、マスクサイズ係数M(d)が画素値に応じて大きくなると共に、高周波成分を足し込む強さを示す係数A(d)も大きくなっている。これにより、画素値領域305では、画素値が大きくなるに従い鮮鋭化処理の効果が強くなる。さらに、マスクサイズ係数M(d)が大きくなるため、画素値が大きくなるに従いより多く低周波成分を含む高周波成分が強調される。これは、マスクサイズM(d)が小さいほど、作成される高周波成分はより高周波帯域にかたよるためである。
【0057】
また、画素値範囲306では、マスクサイズ係数M(d)が一定であると共に、足し込みの係数A(d)も一定となっている。このため、画素値範囲306では一定の周波帯の高周波成分が一定の強度で強調される。
【0058】
上述のように本実施の形態では、平滑化画像を作成するマスクサイズ係数M(d)と、高周波成分を足し込む強さを示す係数A(d)とを、対象画像の画素値dに基づいて関連付けて生成し、対象画像に対してマスクサイズ係数M(d)を用いた平滑化処理を行って平滑化画像を得、当該平滑化画像及び対象画像(原画像)から得られる高周波成分を係数A(d)に基づいて当該平滑化画像に足し込むように構成したので、1つの処理系で、ノイズ除去処理及び鮮鋭化処理を適切に行うことができる。
【0059】
また、高周波成分を足し込む強さを示す係数A(d)を、所定の低画素値範囲において“0”とすることで、当該低画素値範囲の画素(領域)に対しては結果的に鮮鋭化処理が施されずに平滑化処理が施されるため、S/N比の低い低画素値領域においてノイズを除去又は低減することができる。ここで、更に、当該平滑化処理における高周波成分の減弱の度合いを画素値に応じて調整する、すなわち、マスクサイズ係数M(d)を画素値に応じて変更することにより、画素値に応じてより適切にノイズを除去又は低減することができる。このように、本実施の形態では、画素値に応じてノイズが分布している場合であっても、ノイズ除去処理及び鮮鋭化処理を適切に行うことができる。
【0060】
尚、本発明の目的は、本実施の形態の装置又はシステムの機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記憶した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読みだして実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が本実施の形態の機能を実現することとなり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体及び当該プログラムコードは本発明を構成することとなる。
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、ROM、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード等を用いることができる。
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、本実施の形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって本実施の形態の機能が実現される場合も本発明の実施の態様に含まれることは言うまでもない。
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって本実施の形態の機能が実現される場合も本発明の実施の態様に含まれることは言うまでもない。
【0061】
図4は、上記コンピュータの機能600の構成を示したものである。
コンピュータ機能600は、上記図4に示すように、CPU601と、ROM602と、RAM603と、キーボード(KB)609に関する制御を行うキーボードコントローラ(KBC)605と、表示部としてのCRTディスプレイ(CRT)610に関する制御を行うCRTコントローラ(CRTC)606と、ハードディスク(HD)611及びフレキシブルディスク(FD)612に関する制御を行うディスクコントローラ(DKC)607と、ネットワーク620との接続のためのネットワークインターフェースコントローラ(NIC)608とが、システムバス604を介して互いに通信可能に接続されて構成されている。
【0062】
CPU601は、ROM602或いはHD611に記憶されたソフトウェア、或いはFD612より供給されるソフトウェアを実行することで、システムバス604に接続された各構成部を総括的に制御する。
すなわち、CPU601は、所定の処理シーケンスに従った処理プログラムを、ROM602、或いはHD611、或いはFD612から読み出して実行することで、上述した本実施の形態での動作を実現するための制御を行う。
【0063】
RAM603は、CPU601の主メモリ或いはワークエリア等として機能する。
KBC605は、KB609や図示していないポインティングデバイス等からの指示入力を制御する。
CRTC606は、CRT610の表示を制御する。
DKC607は、ブートプログラム、種々のアプリケーション、編集ファイル、ユーザファイル、ネットワーク管理プログラム、及び所定の処理プログラム等を記憶するHD611及びFD612へのアクセスを制御する。
NIC608は、ネットワーク620上の装置或いはシステムと双方向にデータをやりとりする。
【0064】
以上説明したように本実施の形態では、第1の係数(画像の平滑化に関し、平滑化マスクサイズ等、高周波成分の抑制の度合いを示す係数)、及び第2の係数(画像の鮮鋭化に関し、平滑化画像に高周波成分を足し込む度合い等、高周波成分の強調の度合いを示す係数)を生成する。第1の係数に基づいて、対象画像(放射線撮影により得られた画像等)に対して平滑化処理を施し、対象画像の平滑化画像を生成する。また、対象画像(原画像)から平滑化画像を減ずる等して高周波成分を生成する。そして、第2の係数に基づいて、平滑化画像に対して高周波成分を足し込む。このような構成により、1つの処理系で、ノイズ除去処理及び鮮鋭化処理を適切に行うことができる。
更に、第1の係数と第2の係数を、画素値に基づき関連させて生成することで、1つの処理系で、ノイズ除去処理及び鮮鋭化処理をより適切に行うことができる。
また、強調若しくは抑制する高周波成分の帯域及び当該強調若しくは抑制の度合いを画素値に応じて変更しているため、画素値に依存してノイズが分布している場合であっても、ノイズ除去処理及び鮮鋭化処理を適切に行うことができる。
また、画像の低周波成分に対して画像の高周波成分を足し込む度合いを画素値に応じて変更しているため、画素値に応じてノイズが分布している場合であっても、ノイズ除去処理及び鮮鋭化処理を適切に行うことができる。更に、低周波成分における高周波成分の抑制の度合いを画素値に応じて変更しているため、ノイズ除去処理及び鮮鋭化処理をより適切に行うことができる。更に、画像の低周波成分に対して画像の高周波成分を足し込む度合いと低周波成分における高周波成分の抑制の度合いとを、画素値に応じて関連させて変更しているため、ノイズ除去処理及び鮮鋭化処理を更に適切に行うことができる。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、1つの処理系でノイズ除去処理及び鮮鋭化処理を行える、画像処理装置、画像処理システム、画像処理方法、それらのいずれかを実現若しくは実施するためのプログラム及び当該プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したX線撮影装置の構成を示すブロック図である。
【図2】上記X線撮影装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図3】上記X線撮影装置の係数作成回路で得られる係数の一例を説明するための図である。
【図4】上記X線撮影装置の機能をコンピュータに実現させるためのプログラムを記憶媒体から読み出して実行する当該コンピュータの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
100 X線撮影装置
101 X線発生回路
102 X線ビーム
103 被写体
104 二次元X線センサ
105 データ収集回路
106 前処理回路
107 CPUバス
108 CPU
109 メインメモリ
110 操作パネル
111 画像処理回路
112 係数作成回路
113 平滑化回路
114 高周波成分作成回路
115 画像合成回路
Claims (7)
- X線撮影により撮像された画像データを構成する画素の値に基づき低周波成分を算出する平滑化手段と、
上記平滑化手段により得られた低周波成分及び当該低周波成分に対応する上記画像データの画素の値に基づき高周波成分を生成する高周波成分生成手段と、
上記低周波成分と上記高周波成分とを加算する画像合成手段とを備え、
上記画像データの画素値が所定値以下であるS/N比の低い低画素値範囲のときに、上記高周波成分が零となるように上記高周波成分を生成し、上記低画素値範囲内で画素値が小さくなるのに従って上記低周波成分を算出する際に用いる平滑化係数としてマスクサイズを大きくすることを特徴とする画像処理装置。 - 複数の機器が互いに通信可能に接続されてなる画像処理システムであって、
上記複数の機器のうち少なくとも1つの機器は、請求項1に記載の画像処理装置の機能を有することを特徴とする画像処理システム。 - X線撮影により撮像された画像データを構成する画素の値に基づき低周波成分を算出する平滑化工程と、
上記平滑化工程により得られた低周波成分及び当該低周波成分に対応する上記画像データの画素の値に基づき高周波成分を生成する高周波成分生成工程と、
上記低周波成分と上記高周波成分とを加算する画像合成工程とを備え、
上記画像データの画素値が所定値以下であるS/N比の低い低画素値範囲のときに、上記高周波成分が零となるように上記高周波成分を生成し、上記低画素値範囲内で画素値が小さくなるのに従って上記低周波成分を算出する際に用いる平滑化係数としてマスクサイズを大きくすることを特徴とする画像処理方法。 - 請求項1に記載の画像処理装置の機能、又は請求項2に記載の画像処理システムの機能をコンピュータに実現させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
- 請求項3に記載の画像処理方法の処理工程をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
- 請求項1に記載の画像処理装置の機能、又は請求項2に記載の画像処理システムの機能をコンピュータに実現させるためのプログラム。
- 請求項3に記載の画像処理方法の処理工程をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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